JP6508046B2 - 光学積層体及び面光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学積層体及び面光源装置に関する。
複数層の電極間に発光層を設け、電気的に発光を得る有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜「有機EL素子」ということがある。)は、その高発光効率、低電圧駆動、軽量、低コスト等の特徴を生かして、例えば平面型照明、液晶表示装置用バックライト等の面光源装置の光源としての利用が検討されている。
有機EL素子を面光源装置の光源として利用する場合、有用な態様の光を高効率で素子から取り出すことが課題となる。例えば、有機EL素子の発光層自体は発光効率が高いものの、それが面光源装置を構成する積層構造を透過して出光するまでの間に、層中における干渉等により光量が低減してしまう傾向がある。そこで、そのような光の損失を可能な限り低減することが求められる。
光取出効率を高めるための方法として、有機EL素子の出光面側の面に、種々の光学機能層を設けることが知られている。このような光学機能層としては、例えば、表面に複数の凹部又は凸部を設けた構造層が挙げられる。具体例を挙げると、特許文献1では、最も出光面に近い部分にガラス基板を備えた有機EL素子の前記ガラス基板の表面に、粘着層を介して、複数の凹部を有する構造層を設けた面光源装置が開示されている。
国際公開第2010/143705号
従来の一般的な粘着層は、その屈折率が低かった。そのため、特許文献1のようにガラス基板に粘着層を介して光学機能層を設けた場合、ガラス基板の屈折率よりも粘着層の屈折率の方が低くなっていた。これにより、有機EL素子の発光層で発生した光は、ガラス基板と粘着層との界面において大きな反射が生じる傾向があった。この反射は、光取出効率を低下させる一因となる。そのため、この反射を抑制することが求められる。
粘着層の屈折率を有機EL素子のガラス基板の屈折率よりも高くすれば、前記の反射は抑制され、光取出効率の向上が見込まれる。そこで、本発明者は、粘着層の屈折率を高くすることを試みた。通常、粘着層は重合体により形成されるが、重合体のみにより形成した粘着層の屈折率をガラス基板の屈折率よりも高くすることは難しい。そこで、重合体と様々な添加剤とを混合した樹脂により粘着層を形成することを試みた。
ところが、粘着層の屈折率を高めた場合、光取出効率は改善するが、粘着層の粘着力が低下する現象が見られた。具体的には、次のような現象が生じた。一般に、粘着層はセパレータフィルム層と粘着層とを備える複層フィルムとして製造され、その複層フィルムが使用者(例えば、面光源装置の製造者)の下に運ばれて、必要に応じて保存された後で、貼り合わせのために使用される。ところが、運搬及び保存の後の時点では、粘着層の粘着力が低くなっていた。このような粘着層を用いた場合、有機EL素子から粘着層が容易に剥離する可能性がある。そのため、光取出効率を改善できるだけではなく、時間の経過後においても高い粘着力を有する粘着層の開発が望まれる。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたもので、時間の経過後において有機EL素子に高い粘着力で粘着でき、且つ、面光源装置の光取出効率を向上させられる光学積層体、並びに、その光学積層体を備えた面光源装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、基材層と、この基材層の一方の面に設けられた第一粘着層と、この第一粘着層の基材層とは反対側の面に設けられた第二粘着層とを備える光学積層体であって、第二粘着層が光を散乱させうる粒子を含み、且つ、第一粘着層の屈折率n1及び第二粘着層の屈折率n2が所定の範囲に収まる光学積層体を用いれば、時間の経過後であっても面光源装置において有機EL素子に高い粘着力で粘着でき、且つ、面光源装置の光取出効率を向上させられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 基材層と、前記基材層の一方の面に設けられた第一粘着層と、前記第一粘着層の前記基材層とは反対側の面に設けられた第二粘着層とを備え、
前記第二粘着層が、光を散乱させうる粒子を含み、
前記第一粘着層の屈折率n1及び前記第二粘着層の屈折率n2が、
1.40≦n1≦1.50、
1.47≦n2≦1.85、及び、
0<n2−n1≦0.45
を満たす、光学積層体。
〔2〕 前記第一粘着層の厚みd1及び前記第二粘着層の厚みd2が、
0.1≦d2/d1≦1.0
を満たす、〔1〕記載の光学積層体。
〔3〕 前記第二粘着層が、前記第二粘着層の屈折率を高めうる粒子を含む、〔1〕又は〔2〕記載の光学積層体。
〔4〕 有機エレクトロルミネッセンス素子、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の光学積層体、並びに光学機能層を備える面光源装置であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子、前記第二粘着層、前記第一粘着層、前記基材層及び前記光学機能層をこの順に備える、面光源装置。
本発明の光学積層体によれば、時間の経過後において面光源装置で有機EL素子に高い粘着力で粘着できる。更に、その面光源装置の光取出効率を向上させることができる。
本発明の面光源装置では、有機EL素子に光学積層体が強固に粘着される。更に、本発明の面光源装置は、高い光取出効率を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図3は、実施例1のシミュレーションの際にモデル化した面光源装置の構成を模式的に示す断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[1.光学積層体の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体100を模式的に示す断面図である。図1に示すように、光学積層体100は、基材層110と、基材層110の一方の面110Dに設けられた第一粘着層120と、第一粘着層120の基材層110とは反対側の面120Dに設けられた第二粘着層130とを備える。したがって、光学積層体100は、基材層110、第一粘着層120及び第二粘着層130をこの順に備える。
[2.基材層]
基材層は、第一粘着層及び第二粘着層を支持する部材である。この基材層の材料としては、光学部材に用いうる材料を適宜選択して用いうる。中でも、基材層の材料としては、透明樹脂を用いることが、成形の容易さ及び所望の光学性能の得やすさの点から好ましい。ここで、透明樹脂が「透明」であるとは、光学部材に用いるのに適した程度の光線透過率を有する意味であり、具体的には厚み1mmでの全光線透過率が、好ましくは80%以上100%以下、より好ましくは90%以上100%以下であることを意味する。また、全光線透過率は、JIS K7361−1997に準拠して測定しうる。
透明樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂を用いうる。なかでも、熱可塑性樹脂は熱による変形が容易であるため好ましく、また、紫外線硬化性樹脂は硬化性が高く成形が容易であるため好ましい。
前記の透明樹脂は、通常、重合体を含む。これらの重合体の例を挙げると、熱可塑性樹脂が含みうる重合体としては、ポリエステル、ポリアクリレート及びシクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂が含みうる重合体としては、例えば、エポキシポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、エン/チオールポリマー及びイソシアネートポリマーを挙げることができる。中でもこれらの重合体としては、1分子当たり複数個の重合性官能基を有するものが好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
さらに、透明樹脂は、必要に応じて任意の成分を含みうる。任意の成分としては、例えば、粒子等の光散乱性を付与する成分;フェノール化合物、アミン化合物などの劣化防止剤;界面活性剤;シロキサン化合物などの帯電防止剤;トリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物などの耐光剤;などが挙げられる。また、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
基材層としては、通常は、フィルム状の部材を用いる。また、基材層は、単層構造を有していてもよく、2層以上の層を備える複層構造を有していてもよい。
基材層の厚みは、光学積層体の機械的強度及びハンドリング性を良好にする観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、特に好ましくは50μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
[3.第一粘着層]
第一粘着層は、適切な光学部材と貼り合わせた場合に所定の粘着力で粘着できる粘着性を有する層であり、粘着剤により形成されている。本願において粘着剤とは、狭義の粘着剤のみならず、いわゆるホットメルト型の粘着剤をも包含する。ここで、狭義の粘着剤とは、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満であり、常温で粘着性を示す粘着剤のことを示す。また、いわゆるホットメルト型の粘着剤とは、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない粘着剤のことを示す。中でも、粘着剤としては、常温で粘着性を示す狭義の粘着剤を用いることが好ましい。このような狭義の粘着剤は、圧力を加えることにより粘着が可能な感圧式の粘着剤であり、加熱による劣化等の悪影響を有機EL素子に及ぼすことなく手軽に貼り合わせができる。以下、第一粘着層に用いうる粘着剤を、適宜「第一の粘着剤」と呼ぶことがある。
本発明において、第一粘着層の屈折率n1は、通常1.40以上、好ましくは1.45以上であり、且つ、通常1.50以下、好ましくは1.49以下である。このような低い屈折率を有する粘着剤は一般に柔軟である。そのため、このような第一粘着層を第二粘着層と組み合わせることにより、第二粘着層の有機EL素子に対する粘着力を高めることができる。ここで、屈折率は、エリプソメーター(例えば、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社製「M−2000」)により測定しうる。
第一の粘着剤としては、通常、樹脂を用いる。この樹脂は、粘着性を有する粘着性材料としてポリマーを含む。第一の粘着剤の例としては、アクリル粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、及びセルロース系粘着剤などが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第一粘着層は、通常、第二粘着層よりも弾力性が高い。即ち、第一粘着層は、通常、変形した場合でも、第二粘着層に比べて、元の形状に戻りやすい。具体的には、以下のような傾向が見られる。
基材層、第一粘着層及びセパレーターを備える積層体と、基材層、第二粘着層及びセパレーターを備える積層体を用意する。これらの積層体について、ペンシル型引掻き硬度計(エリクセン社製「318S」)にてセパレーター表面に2Nの荷重を加えることにより、第一粘着層及び第二粘着層に凹形状の変形を加える。その後、セパレーターを剥離する。そして、セパレーターを剥離されることにより露出した第一粘着層及び第二粘着層それぞれを、ガラスに貼り合わせる。貼合直後は第一粘着層及び第二粘着層のどちらも凹形状の部分に変形が観察できる。しかし、貼合24時間後では、第二粘着層では同様に変形が観察できるが、第一粘着層については変形が観察されない傾向がある。
このように第一粘着層の弾力性が高いことは、第二粘着層が硬くても本発明の光学積層体に係る第二粘着層が他の部材との粘着性に優れる一因であると考えられる。
第一粘着層の厚みd1は、好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、特に好ましくは30μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、特に好ましくは60μm以下である。第一粘着層の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、粘着性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、粘着性が過度に高くなることを防止できるので、適度な粘着性の維持が可能となる。更に、有機EL素子との貼り合わせ後の第一粘着層の劣化(変色等)の軽減ができる。
第一粘着層は、例えば、第一粘着層を形成するのに適した塗工液を所望の部材の表面に塗布し、必要に応じて硬化のための操作(乾燥など)を行うことにより形成することができる。この際、第一粘着層を形成するのに適した塗工液としては、前記の第一の粘着剤を含む液状の組成物を用いることができる。
さらに、この塗工液は、必要に応じて溶媒及び添加剤等の任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分の例としては、第二粘着層を形成するのに適した塗工液に含まれうる任意の成分と同様の例が挙げられる。
例えば、前記の塗工液を基材層の表面に塗布し、必要に応じて硬化のための操作を行うことにより、基材層の片面に第一粘着層を形成することができる。また、例えば、前記の塗工液をセパレータフィルム層の表面に塗布し、必要に応じて硬化のための操作を行ってセパレータフィルム層の表面に第一粘着層を形成し、その第一粘着層を基材層に貼り合わせることによって、基材層の片面に第一粘着層を形成してもよい。
[4.第二粘着層]
第二粘着層は、適切な光学部材と貼り合わせた場合に所定の粘着力で粘着できる粘着性を有する層であり、粘着剤により形成されている。以下、第二粘着層に用いうる粘着剤を、適宜「第二の粘着剤」と呼ぶことがある。第二の粘着剤は、常温で粘着性を示す狭義の粘着剤であることが好ましい。このような狭義の粘着剤は、圧力を加えることにより粘着が可能な感圧式の粘着剤であり、加熱による劣化等の悪影響を有機EL素子に及ぼすことなく手軽に貼り合わせができる。
本発明において、第二粘着層の屈折率n2は、通常1.47以上、好ましくは1.50以上、より好ましくは1.55以上であり、且つ、通常1.85以下、好ましくは1.80以下、より好ましくは1.70以下である。このように高い屈折率n2を有する第二粘着層は、有機EL素子の透光性基材よりも高い屈折率を有することができる。そのため、第二粘着層と有機EL素子の透光性基材とを貼り合わせた場合に、透光性基材と第二粘着層との界面における、透光性基材から第二粘着層へと進む光の反射を抑制できる。したがって、有機EL素子及び本発明の光学積層体を備える面光源装置の光取出効率を向上させることができる。
ところで、第二粘着層は、光を散乱させうる粒子(以下、適宜「光散乱粒子」ということがある。)を含むため、通常は高い光散乱能を有する。そのため、第二粘着層は、その屈折率の測定が困難である場合がある。その場合は、光散乱粒子を含まない他は測定対象の第二粘着層と同様の層を屈折率測定用のサンプルとして作製し、当該サンプルの屈折率を測定することにより、第二粘着層の屈折率を測定しうる。一般的に、光散乱粒子は、少量では当該粒子を含む層の屈折率を殆ど変化させない。そのため、光散乱粒子を含まないサンプルによって、第二粘着層とほぼ同じ屈折率の値を測定することができる。
また、通常、第二粘着層の屈折率n2は、第一粘着層の屈折率n1よりも大きい。すなわち、屈折率差n2−n1は、0より大きく、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上である。これにより、第二粘着層の有機EL素子に対する粘着力を高めることができる。このように、相対的に大きい屈折率n2を有する第二粘着層と相対的に小さい屈折率n1を有する第一粘着層とを組み合わせることにより、第二粘着層の粘着力を高めることができる理由は、以下のように推察される。ただし、本発明は、以下に説明する推察によって限定されるものではない。
一般に、粘着層が有機EL素子の透光性基材に粘着するときには、次の2つの粘着力が働いていると考えられる。
(i)粘着層を形成する化合物と透光性基材を形成する化合物との間に働く化学的な相互作用(例えば、化学結合、電気的結合等)によって生じる化学的粘着力。
(ii)透光性基材に密着した粘着層が大気圧を受けて透光性基材に貼り付くことにより生じる物理的粘着力(例えば、真空密着力等)。
ところが、高い屈折率n2を有する第二粘着層は、通常、硬度が硬い。第二粘着層の硬度が硬い場合、第二粘着層が透光性基材の表面形状に合わせて変形し難い。そのため、第二粘着層と透光性基材との接触面積が小さくなる。そうすると、粘着層を形成する化合物と透光性基材を形成する化合物との間に働く化学的な相互作用が小さくなるので、化学的粘着力は小さくなる。また、第二粘着層と透光性基材との接触面積が小さいと、第二粘着層と透光性基材との間に微小な空隙が多数生じる。そのため、第二粘着層を透光性基材に押さえつけようとする大気圧の作用が小さくなり、物理的結着力も小さくなる。したがって、高い屈折率n2を有する第二粘着層を単独で透光性基材に貼り合わせても、高い粘着力は得られない。
これに対し、第二粘着層に第一粘着層を組み合わせた光学積層体では、屈折率の低い第一粘着層が軟らかく、可撓性を有する。したがって、第一粘着層は変形し易い。この第一粘着層の作用により、光学積層体と透光性基材とを貼り合わせるときに、透光性基材と第二粘着層との密着性を高めることができる。そのため、透光性基材と第二粘着層との接触面積を広くできるので、化学的粘着力及び物理的粘着力を向上させることができているものと推察される。第二粘着層に第一粘着層を組み合わせた光学積層体の、ガラスに対する粘着力(N/cm)の下限は、実使用時に剥がれない観点から、0.6(N/cm)以上が好ましく、1.0(N/cm)以上がさらに好ましい。粘着力の上限はガラスに対するリワーク性を考慮して、8.0(N/cm)以下が好ましい。
また、第二粘着層の屈折率n2と第一粘着層の屈折率n1との差n2−n1は、通常0.45以下、好ましくは0.44以下、より好ましくは0.43以下である。屈折率差n2−n1をこのような範囲に収めることにより、第一粘着層と第二粘着層との界面での反射を低減することができる。また、前記の屈折率差n2−n1の下限は、0.03以上が好ましい。
第二の粘着剤としては、通常、樹脂を用いる。この樹脂は、粘着性を有する粘着性材料としてポリマーを含む。第二の粘着剤の例としては、アクリル粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、及びセルロース系粘着剤などが挙げられる。これらの中でも、透明性、耐候性、及び耐熱性等の特性に優れるアクリル粘着剤が好ましい。
アクリル粘着剤は、一般に、粘着性材料としてアクリルポリマーを含む。アクリルポリマーとは、アクリルモノマーを重合して形成される構造を有する構造単位を含むポリマーである。このようなアクリルポリマーとしては、例えば、アクリルモノマーを重合してなるポリマー;又はアクリルモノマー及びこれと共重合しうるモノマーとの混合物(モノマー混合物)を重合してなるポリマーが挙げられる。
アクリルモノマーの例としては、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレート、又は、これらの混合物を含む。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソオクチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
アクリルモノマーと共重合しうるモノマーとしては、官能基を有するモノマー、窒素原子含有モノマー、及び改質モノマーを好ましく挙げることができる。
官能基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基を有するモノマー、及びエポキシ基を有するモノマーが挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、及びイタコン酸が挙げられる。水酸基を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。エポキシ基を有するモノマーとの例としては、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。アクリルモノマーと官能基を有するモノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、アクリルモノマー及び官能基を有するモノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、官能基を有するモノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
窒素原子含有モノマーの例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アセトニトリル、ビニルピロリドン、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド、メタクリルアミド、又は、これらの混合物を含む。また、(メタ)アクリロイルホルホリンは、アクリロイルホルホリン、メタクリロイルモルホリン、又は、これらの混合物を含む。さらに、(メタ)アセトニトリルは、アセトニトリル、メタアセトニトリル、又は、これらの混合物を含む。アクリルモノマーと窒素原子含有モノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、アクリルモノマー及び窒素原子含有モノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、窒素原子含有モノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
改質モノマーの例としては、酢酸ビニル及びスチレンを挙げることができる。アクリルモノマーと改質モノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、アクリルモノマー及び改質モノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、改質モノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
これらの、アクリルモノマーと共重合しうるモノマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第二の粘着剤における粘着性材料としてのポリマーの量は、第二の粘着剤の全量に対する割合として、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
第二の粘着剤は、更に、光を散乱させうる粒子(光散乱粒子)を含む。この光散乱粒子により、第二粘着層に進入した光が散乱させられるので、光学積層体を備える面光源装置の光取出効率を高めることができる。
光散乱粒子としては、無機材料を用いてもよく、有機材料を用いてもよい。
光散乱粒子の無機材料としては、例えば、金属及び金属化合物が挙げられる。また、金属化合物としては、例えば、金属の酸化物及び窒化物を挙げることができる。その具体例としては、銀、アルミニウム等の金属;酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、窒化珪素、錫添加酸化インジウム、酸化チタンなどの金属化合物を挙げることができる。
また、光散乱粒子の有機材料としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、及びポリスチレン樹脂等の樹脂が挙げられる。
これらの光散乱粒子の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
中でも、光散乱粒子としては、有機材料からなるものを用いることが好ましい。通常、第二粘着層は、第二粘着層を形成するのに適した塗工液を用いて製造する。この塗工液において光散乱粒子は沈降しやすく、後述するような第二粘着層の屈折率を高めうる粒子(以下、適宜「高屈折粒子」ということがある。)を含む場合には特に沈降を生じやすい。これに対し、有機材料からなる光散乱粒子はその沈降を生じにくい。そのため、有機材料からなる光散乱粒子を用いることにより、光散乱粒子を偏り無く均一に含む第二粘着層を実現できる。このように光散乱粒子を均一に含む第二粘着層は、通常、粘着力を安定して発現できるので、好ましい。
有機材料からなる好適な光散乱粒子を挙げると、シリコーン樹脂からなる光散乱粒子としては、例えば、商品名「XC−99」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、体積平均粒子径0.7μm)を挙げることができる。また、アクリル樹脂からなる光散乱粒子としては、例えば、商品名「MPシリーズ」(綜研化学株式会社製、体積平均粒子径0.8μm)を挙げることができる。さらに、ポリスチレン樹脂からなる光散乱粒子としては、例えば、商品名「SXシリーズ」(綜研化学株式会社製、体積平均粒子径3.5μm)を挙げることができる。
光散乱粒子の体積平均粒子径は、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり、また、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。光散乱粒子の体積平均粒子径を前記範囲の上限値以下にすることにより、可視域の光を散乱させることができる。ここで、体積平均粒子径は、レーザー回折法で測定された粒子径分布において小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径である。
第二の粘着剤において、光散乱粒子の割合は、第二の粘着剤の全量に対する割合として、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、また、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。光散乱粒子の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、所望の光散乱効果を得て、取り出し光の極角方向の色ムラの抑制ができる。また、上限値以下にすることにより、面状を均一にすることができる。また初期粘着力の値が低くなりすぎるのを防ぐことができる。
第二の粘着剤は、更に、第二粘着層の屈折率を高めうる高屈折粒子を含むことが好ましい。高屈折粒子としては、通常、光散乱粒子よりも小さい体積平均粒子径を有し、且つ、第二粘着層に含まれる粘着性材料よりも高い屈折率を有する粒子を用いる。このような高屈折粒子の例としては、無機材料からなる粒子、及び、屈折率が1.68以上の有機材料からなる粒子を挙げることができる。
無機材料の例としては、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛などの酸化物;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどのチタン酸塩;CdS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgSe、PdS、SbSe等の硫化物、セレン化物及びテルル化物などが挙げられる。また、屈折率が1.68以上の有機材料の例としては、ポリスチレン樹脂などを挙げることができる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、これらの高屈折粒子の表面は、分散性を上げるための各種官能基、シランカップリング剤などにより表面修飾されていてもよい。
なかでも、高屈折粒子としては、反応性修飾金属酸化物粒子が好ましい。反応性修飾金属酸化物粒子とは、金属酸化物と、その表面を修飾する、反応性官能基を有する有機物とを含む粒子をいう。より具体的には、反応性修飾金属酸化物は、金属酸化物の粒子と、当該粒子の表面を修飾する、反応性官能基を有する有機物とを含む被覆粒子である。
反応性修飾金属酸化物において、反応性官能基は、金属酸化物と、水素結合等の相互作用を有した状態にあってもよい。また、反応性官能基は、そのような状態になく、別物質と相互作用できる状態にあってもよい。
反応性官能基を有する有機物における反応性官能基の例としては、水酸基、リン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基、イソシアネート基、酸ハライド、酸無水物、グリシジル基、クロロシラン基、及びアルコキシシラン基が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、反応性官能基を有する有機物としては特に、イソシアネート基を有する有機物が、金属酸化物と周囲の物質との安定性を向上させうるために好ましい。イソシアネート基を有する有機物の例としては、アクリロキシメチルイソシアネート、メタクリロキシメチルイソシアネート、アクリロキシエチルイソシアネート、メタクリロキシエチルイソシアネート、アクリロキシプロピルイソシアネート、メタクリロキシプロピルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアネートが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物を構成する金属酸化物の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及び酸化錫を挙げることができる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物粒子において、反応性官能基を有する有機物の割合は、金属酸化物100重量部に対して1重量部〜40重量部としうる。
反応性修飾金属酸化物粒子は、例えば、金属酸化物の粒子、反応性官能基を有する有機物、有機溶媒及び必要に応じて任意の添加剤を、混合し、さらに得られた混合物に必要に応じて超音波処理等の処理を施すことにより、有機溶媒中に粒子が分散した懸濁液として得ることができる。
有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
任意の添加剤の例としては、金属キレート剤を挙げることができる。また、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物粒子を、有機溶媒中に粒子が分散した懸濁液として得る場合、溶媒の量などの条件を調整し、当該懸濁液中に、反応性修飾金属酸化物粒子が1重量%〜50重量%含まれるよう調整することが好ましい。また、こうして得た懸濁液は、そのまま粘着剤の製造に供することが好ましい。これらにより、製造の簡便性等を向上させることができる。
混合の際には、ビーズミル等の混合機を用いることが好ましい。かかる混合により、二次粒子又はそれ以上の高次粒子を一次粒子レベルに粉砕し、一次粒子の状態で表面を処理することができる。これにより、均一な表面処理を行うことができる。
混合物に、必要に応じて更に超音波処理を施すことが好ましい。超音波処理は、例えば、超音波洗浄機、超音波ホモジナイザー、超音波分散機等の装置を用いて行いうる。かかる処理により、良好な懸濁液を得ることができる。
反応性修飾金属酸化物粒子としては、市販の粒子を用いてもよい。金属酸化物としてZrOを含む反応性修飾金属酸化物粒子のスラリーの例としては、商品名「ZR−010」(株式会社ソーラー製、溶媒:メチルエチルケトン、粒子含有割合30%、表面を修飾する反応性官能基を有する有機物:重合性官能基を有するイソシアネート、体積平均粒子径15nm)を挙げることができる。金属酸化物としてTiOを含む反応性修飾金属酸化物粒子のスラリーの例としては、商品名「NOD−742GTF」(ナガセケムテックス株式会社製、溶媒:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、粒子含有割合30%、体積平均粒子径48nm)を挙げることができる。
また、高屈折粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
高屈折粒子の体積平均粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、特に好ましくは5nm以上であり、また、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下、特に好ましくは50nm以下である。高屈折粒子の体積平均粒子径を前記範囲の上限値以下にすることにより、着色が少なく光透過率の高い第二粘着層を得ることができる。また、このような大きさの高屈折粒子は、その粒子の分散が容易である。ここで、高屈折粒子が凝集して二次粒子又はそれ以上の高次粒子を構成する場合、前記体積平均粒子径の範囲は、一次粒子径の範囲としうる。
第二の粘着剤において、高屈折粒子の割合は、第二の粘着剤の全量に対する割合として、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上であり、また、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。高屈折粒子の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、第二粘着層の屈折率を上げることができる。また、上限値以下にすることにより、第二粘着層の硬度の上昇を抑制でき、且つ、粘着力の低下を抑制することができる。高屈折粒子に前記のような微小な粒子を使用すると、粒子表面積の総計が非常に大きくなり、粘着剤のポリマー分子鎖またはモノマー分子と相互作用することで、粘着力へも影響する。よってその量を前述のようにすることが好ましい。
第二の粘着剤は、更に、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤を用いることにより、第二の粘着剤の粘度を下げ、第二粘着層の粘着性を高くすることができる。特に、第二の粘着剤が高屈折粒子を含む場合、第二の粘着剤の粘度が高くなって第二粘着層の粘着性が低下する傾向があるので、可塑剤を用いることが好ましい。また、本発明者の検討によれば、可塑剤は第二粘着層の粘着性を経時的に低下させる可能性があると考えられる。しかし、本発明の光学積層体は、第二粘着層に第一粘着層を組み合わせることにより、時間が経過した後であっても第二粘着層が高い粘着性を有することができる。したがって、本発明の光学積層体は、第二の粘着剤層が可塑剤を含むことと、時間の経過後であっても第二粘着層が高い粘着性を有することができることとの両方を実現できる点で、技術的な意義がある。
可塑剤としては、例えば、ポリブテン、ビニルエーテル化合物、ポリエーテル化合物(ポリアルキレンオキシドおよび官能化ポリアルキレンオキシドを含む)、エステル化合物、ポリオール化合物(例えば、グリセリン)、石油樹脂、水添石油樹脂、及びスチレン系化合物(例えばα−メチルスチレン)などが挙げられる。中でも、粘着性材料との混和性が良好で且つ屈折率が比較的高いことから、エステル化合物が好ましく、特に安息香酸系、フタル酸系などのような、芳香族環を含むエステル化合物が好ましい。
可塑剤として用いうる安息香酸エステルとしては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ベンジルベンゾエート、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートが挙げられる。中でも特に好ましいものとしては、例えば、ジプロピレングリコールジベンゾエート及びベンジルベンゾエート等の安息香酸系のエステル化合物;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、及びエチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸系のエステル化合物;が挙げられる。さらに、市販の可塑剤の例としては、商品名「BENZOFLEX 9−88SG」(イーストマン社製)を挙げることができる。
また、可塑剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第二の粘着剤において、可塑剤の割合は、粘着性材料100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、また、好ましくは35重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
第二粘着層は、光散乱粒子を含むことにより、高い光散乱能を有する。第二粘着層のヘイズは、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上である。このように高い光散乱能を有することにより、光学積層体を備えた面光源装置の光取出効率を効果的に高めることができる。また、第二粘着層のヘイズの上限は、通常、99%以下である。ここで、ヘイズは、JIS K7136−1997に準拠して測定しうる。
第二粘着層の厚みd2は、第一粘着層の厚みd1と第二粘着層の厚みd2との比d2/d1が所望の範囲に収まるように設定することが好ましい。具体的には、比d2/d1は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.105以上、特に好ましくは0.110以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.9以下、特に好ましくは0.8以下である。厚みの比d2/d1を前記範囲の下限値以上にすることによって、第二粘着層で有機EL素子からの光を効果的に取り出し且つ散乱させることができ、光取出効率を更に高めることができる。また、上限値以下にすることにより、第一粘着層による第二粘着層の粘着力向上作用を高くでき、第二粘着層の粘着性を効果的に高めることができる。
また、第二粘着層の厚みd2は、第一粘着層の厚みd1及び第二粘着層の厚みd2の総厚みd1+d2が所望の範囲に収まるように設定することが好ましい。具体的には、総厚みd1+d2は、好ましくは100μm未満、より好ましくは80μm以下である。総厚みd1+d2を前記の範囲に収めることにより、光学積層体の薄膜化が可能となる。また、光学積層体を備えた面光源装置において、色ムラを防止することができる。さらに、光学積層体の製造時において、糊残りを防止できる。ここで糊残りとは、第一粘着層又は第二粘着層を製造するために用いる塗工液のうち、余剰の塗工液が第一粘着層又は第二粘着層の脇にはみ出す現象をいう。また、総厚みd1+d2の下限は、好ましくは5μm以上である。
第二粘着層は、例えば、第二粘着層を形成するのに適した塗工液を所望の部材の表面に塗布し、必要に応じて硬化のための操作(乾燥など)を行うことにより形成することができる。この際、第二粘着層を形成するのに適した塗工液としては、前記の第二の粘着剤を含む液状の組成物を用いることができる。
また、この塗工液は、必要に応じて任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、シランカップリング剤及び硬化剤等の添加剤;並びに、溶媒などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。また、市販のシランカップリング剤の例としては、商品名「KBM−803」(信越化学工業株式会社製)を挙げることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
塗工液におけるシランカップリング剤の割合は、粘着性材料100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上であり、また、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。
硬化剤としては、例えば、イソシアネート化合物を挙げることができる。硬化剤の具体例としては、ジイソシアン酸イソホロンを含むイソシアネートの付加重合体(例えば、商品名「NY−260A」、三菱化学株式会社製)を挙げることができる。硬化剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
塗工液における硬化剤の割合は、粘着性材料100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上であり、また、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
溶媒の例としては、反応性修飾金属酸化物粒子の製造に用いる有機溶媒の例と同様のものを挙げることができる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、溶媒を用いる製造方法によって塗工液に含まれる各成分を製造した場合、それらの成分は、溶媒中に溶解又は分散した溶液又は懸濁液として得られることがある。さらに、塗工液に含まれる各成分として市販のものを購入した場合も、それらの成分は、溶液又は懸濁液として得られることがある。その場合、前記の溶液又は懸濁液に含まれる溶媒も配合して、塗工液の溶媒の一部又は全部として用いてもよい。
塗工液における溶媒の割合は、塗工液の固形分全量100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、また、好ましくは300重量部以下、より好ましくは250重量部以下である。ここで塗工液の固形分とは、塗工液の乾燥を経て残留する物質のことをいう。
例えば、前記の塗工液をセパレータフィルム層等の任意の部材の表面に塗布し、必要に応じて硬化のための操作を行って任意の部材の表面に第二粘着層を形成し、その第二粘着層を第一粘着層に貼り合わせることによって、第一粘着層の表面に第二粘着層を形成してもよい。
こうして得られる第二粘着層は、塗工液に含まれていた成分を含みうるが、成分の一部が反応により変化していてもよく、また、成分の一部が揮発して消失していてもよい。例えば、乾燥の工程により、シランカップリング剤、硬化剤等の反応性の成分が反応して他の物質となっていてもよく、また溶媒が揮発して消失していてもよい。
[5.任意の層]
基材層と第一粘着層は、間に他の層を介さずに直接に接していることが好ましい。また、第一粘着層と第二粘着層は、間に他の層を介さずに直接に接していることが好ましい。他方、光学積層体は、基材層の第一粘着層とは反対側に任意の層を備えていてもよく、また、第二粘着層の第一粘着層とは反対側に任意の層を備えていてもよい。任意の層としては、例えば、セパレータフィルム層が挙げられる。
セパレータフィルム層は、第二粘着層が外部に露出しないように被覆するフィルム層である。このセパレータフィルム層により、第二粘着層を傷から保護できる。また、このセパレータフィルム層は、通常、光学積層体を有機EL素子及び光学フィルム等の他の部材に貼り合わせる場合には、剥離される層である。
セパレータフィルム層を形成する材料としては、例えば、基材層と同様の透明樹脂が挙げられる。中でも、生産性に優れる点で、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
[6.面光源装置]
本発明の光学積層体は、有機EL素子及び光学機能層を備える面光源装置において、有機EL素子と光学機能層とを貼り合わせるために用いる。以下、このような面光源装置について、実施形態を示して説明する。
以下に説明する実施形態において、構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲、例えば±5°の範囲内で誤差を含んでいてもよい。また、ある方向に「沿って」とは、別に断らない限り、ある方向に「平行に」という意味である。さらに、別に断らない限り、面光源装置を構成する各層の厚み方向は面光源装置の厚み方向に一致しており、単に「厚み方向」という場合は面光源装置の厚み方向を表す。また、下記の実施形態では、別に断らない限り、面光源装置は、出光面が水平方向と平行で且つ上向きになるよう載置した状態で説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。図2において、面光源装置200の出光面230Uは、面光源装置全体としての出光面であり、即ち、装置内部で発生した光は、当該出光面230Uから、装置外部に出光する。
面光源装置200は、有機EL素子210と、光学積層体220と、光学機能層230とをこの順に備える。光学積層体220は、出光面230Uに近い順に基材層221、第一粘着層222及び第二粘着層223を備える。したがって、この面光源装置200は、有機EL素子210、第二粘着層223、第一粘着層222、基材層221及び光学機能層230をこの順に備える。この実施形態においては、光学機能層230が、装置の最上面(即ち出光面)に最も近く位置し、光学機能層230の上面が出光面230Uを構成している。
有機EL素子210は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層間に設けられ、電極層から電圧を印加されることにより発光する発光層とを備える。このような有機EL素子210は、電極層、発光層等の層を、スパッタリング等の既知の方法で透光性基材上に順次形成することにより形成しうる。さらには、それらの層を覆う封止部材を設け、透光性基材及び封止部材で発光層等の層を封止した構成とされるのが一般的である。本実施形態では、透光性基材211、第一の電極層212、発光層213、第二の電極層214及び封止基材215をこの順に備えた有機EL素子210を例に挙げて説明する。
透光性基材211は、第一の電極層212、発光層213及び第二の電極層214を支持する層である。また、透光性基材211として、封止性能に優れて、且つ、製造工程において有機EL素子を構成する層をその上に順次形成することを容易に行い得る基板を用いることが好ましい。これにより、面光源装置200の耐久性を向上させ、且つ製造を容易にすることができる。
透光性基材211を構成する材料としては、透光性のある材料を適宜選択しうる。かかる材料の例としては、ガラス及び樹脂が挙げられる。また、透光性基材211の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
透光性基材211を構成する材料の屈折率は、特に制限されないが、通常は1.5程度である。また、透光性基材211の厚みは、0.02mm〜5mmであることが好ましい。
ここで、透光性基材211が「透光性」であるとは、面光源装置200の材料に用いるのに適した程度の光線透過率を有する意味である。面光源装置200を構成する各層のうち、光を透過するよう設計される層が、光学部材に用いるのに適した光線透過率を有するものとすることができ、例えば厚み方向において透光性基材211から光学機能層230までの装置全体として50%以上の全光線透過率を有するものとしうる。
発光層213の発光材料としては、特に限定されず既知のものを適宜選択してもよい。発光層213中の発光材料は1種類に限らず、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、発光層213は、1層のみからなる単層構造の層としうる。さらに、発光層213は、光源としての用途に適合すべく、複数の層を組み合わせて備える複層構造の層にしてもよい。これにより、発光層213を、白色又はそれに近い色の光を発光するものとしうる。
第一の電極層212及び第二の電極層214は、その少なくとも一方が、透光性の材料により形成されている透明電極層である。透明電極層の材料は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに透明電極層は1層のみを備える単層構造の層であってもよく、2層以上の層を備える複層構造の層であってもよい。図2に示す実施形態においては、第一の電極層212は透明電極層であり、第二の電極層214は反射電極層である。
有機EL素子210は、第一の電極層212と第二の電極層214との間に、発光層213に加えて、例えばホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層等の任意の層(図示せず。)をさらに有していてもよい。また、有機EL素子210はさらに、第一の電極層212及び第二の電極層214に通電するための配線、発光層213の封止のための周辺構造等の任意の構成要素を備えていてもよい。
電極層及びその間に設ける層を構成する材料としては、特に限定されないが、具体例として下記のものを挙げることができる。
電極層の材料としてはITO(酸化インジウムスズ)、アルミニウム、銀等の層を挙げることができる。
正孔注入層の材料としてはスターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としてはテトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としてはピラゾリン誘導体等を挙げることができる。
青色発光層のホスト材料としてはアントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としてはペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としてはユーロピウム錯体等を挙げることができる。
電子輸送層の材料としてはアルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
また、発光層213は、上述した層又は任意の層を組み合わせることにより、積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある色の光を発生する発光層としてもよい。補色関係の組み合わせは、例えば、黄/青、又は緑/青/赤等としてもよい。
前記の有機EL素子210の出光面230Uに近い側の面211Uに、光学積層体220が設けられる。光学積層体220は、図1にて示した光学積層体100の基材層110、第一粘着層120及び第二粘着層130と同様の、基材層221、第一粘着層222及び第二粘着層223を備えている。
光学積層体220は、その第二粘着層223が有機EL素子210に粘着している。本実施形態では、図2に示すように、透光性基材211が有機EL素子210において出光面230Uに最も近い層となっているので、第二粘着層223は透光性基材211の上面である面211Uに粘着している。
また、第二粘着層223は、透光性基材211の屈折率よりも大きい屈折率を有している。さらに、第二粘着層223は光散乱粒子を含み、光散乱能を有している。
光学機能層230としては、所望の光学機能を発揮しうる任意の層を用いうる。中でも、発光層213で発生した光の取出効率を高める観点では、図2に示すように、出光面230Uに凹凸構造を有する出光面構造層を光学機能層230として用いることが好ましい。このような光学機能層230は、一つの層のみからなる単層構造の層であってもよく、複数の層を備える複層構造の層であってもよい。本実施形態では、基材層221の表面に設けられた単層構造の凹凸構造層を備える出光面構造層を光学機能層230の例として挙げて説明する。また、この例では、凹凸構造層自体が光学機能層230となるので、凹凸構造層を光学機能層230と同様の符号「230」で示す。
凹凸構造層230は、その上面(即ち出光面)230Uに、複数の凹部231と、凹部231の周囲に位置する平坦部232とを含む凹凸構造を有する。当該凹凸構造により、面光源装置200の出光面230Uが規定される。出光面230Uは、凹部231を無視して巨視的に見ると、平坦部232、及び面光源装置中の他の層と平行な平面であるが、微視的には凹部231により規定される斜面233を含む凹凸面である。ここで、本願において図面は模式的な図示であるため、出光面230U上には僅かな個数の凹部231のみを示しているが、実際の装置においては、一枚の光学機能層230の表面230Uに、これよりも遥かに多い数の凹部231を設けることができる。
凹凸構造層230の材料の例としては、各種の樹脂が挙げられる。かかる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、並びに紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂等のエネルギー線硬化性樹脂を挙げることができる。なかでも熱可塑性樹脂は熱による変形が容易であるため好ましく、また、紫外線硬化性樹脂は硬化性が高く効率が良いため凹凸構造層230の効率的な形成が可能であるため好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、シクロオレフィン樹脂を挙げることができる。また、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エン/チオール樹脂、イソシアネート樹脂を挙げることができる。これらの樹脂としては、1分子当たり複数個の重合性官能基を有する重合体を含むものが好ましい。
凹凸構造層230の材料としては、凹凸構造を形成しやすく且つ凹凸構造の耐擦傷性を得やすいという観点から、硬化時の硬度が高い材料が好ましい。具体的には、7μmの膜厚の層を凹凸構造が無い状態で形成した際に、鉛筆硬度でHB以上になるような材料が好ましく、H以上になる材料がさらに好ましく、2H以上になる材料がより好ましい。また、鉛筆硬度の上限は、通常7H以下である。
凹凸構造層230は、凹凸構造による光散乱性に加えて、その材料自体による光散乱性を有していてもよい。そのような凹凸構造層230は、光散乱性のある樹脂を材料として形成しうる。光散乱性のある樹脂は、具体的には、各種重合体と、散乱子とを含む組成物としうる。
凹凸構造層230が含有しうる散乱子としては、各種の粒子を挙げることができる。当該粒子は、透明であっても、不透明であってもよい。このような粒子の材料としては、例えば、第二粘着層223が含む光散乱粒子と同様の範囲のものが挙げられる。
粒子の形状は、例えば、球状、円柱状、立方体状、直方体状、角錐状、円錐状、星型状等の形状とすることができる。
粒子の体積平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。体積平均粒子径が大きいほど、所望の効果を得るために必要な粒子の量は多くなり、粒子径が小さいほど、量は少なくてすむ。したがって、体積平均粒子径が小さい粒子ほど、観察角度による色味の変化の低減、及び光取出効率の向上等の所望の効果を、少ない粒子で得ることができる。凹凸構造層230における散乱子の具体的な割合は、3重量%〜50重量%としうる。
凹凸構造層230の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、10μm以上としてもよい。また、凹凸構造層230の厚みは、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下であり、15μm以下としてもよい。特に、厚みを前記範囲の上限値以下にすることにより、硬化収縮による凹凸構造層230のカール等の変形を防ぎ、良好な形状の凹凸構造層230を実現できる。
凹凸構造層230の規定する出光面230Uの具体的な構造の好ましい例としては、図2に示すように、四角錐型の窪みである凹部231と、凹部231の周囲に位置する平坦部232とを含む構造が挙げられる。
出光面230Uを、出光面230Uに垂直な方向から観察した場合における、平坦部232が占める面積と凹部231が占める面積との合計に対する、平坦部232が占める面積の割合を、以下、適宜「平坦部割合」ということがある。この平坦部割合を調節することにより、面光源装置200の光取出効率を更に向上させることができる。具体的には、平坦部割合を10%〜75%とすることにより、良好な光取出効率を得ることができ、且つ出光面230Uの機械的強度を高めることができる。
凹部231は、例えば、上に述べた角錐形状に加え、円錐形状、球面の一部の形状、溝状の形状、及びこれらを組み合わせた形状を有しうる。角錐形状は、前記凹部231として例示した底面が正方形である四角錐としうるが、これに限られず、三角錐、五角錐、六角錐、底面が正方形でない四角錐などの角錐形状とすることもできる。さらに、本願でいう円錐及び角錐は、その頂部が尖った通常の円錐及び角錐のみならず、先端が丸みを帯びた形状、又は平らに面取りされた形状(錐台状の形状等)をも包含しうる。
凹部231の斜面233と出光面230Uとがなす角は、好ましくは40°以上、より好ましくは45°以上であり、好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下である。
出光面230Uにおいて、複数の凹部231は、任意の態様で配列しうる。例えば、複数の凹部231を、表面上の2以上の方向に沿って配列してもよい。より具体的には、図2に示すように、出光面上で直交する2方向に沿って配列してもよい。2以上の方向に凹部231を配列した場合において、それらのうち1方向以上の方向に、隣り合う凹部間の隙間を設け、かかる隙間により平坦部232を構成してもよい。このような構成を採用することにより、良好な光取出効率と、出光面230Uの機械的強度とを両立させることができる。
出光面230Uを様々な方向(出光面230Uと平行な面内の様々な方向)に沿って測定した中心線平均粗さの最大値(Ra(max))は、1μm〜50μmの範囲内とすることが好ましい。
凹凸構造層230の厚みは、凹部231の深さに対して相対的に定めることが好ましい。例えば、凹凸構造層230の材料として、凹凸構造層230の耐久性の維持に有利な硬質の材料を用いた場合、凹凸構造層230の厚みを薄くしたほうが、光学機能層230の可撓性を高めることが可能となり、面光源装置200の製造工程における光学機能層230の取り扱いが容易となるため、好ましい。
前記のような光学機能層230の製造方法に制限は無い。例えば、光学積層体220の基材層221の表面221U上に、上に述べた凹凸構造層230の材料を用いて、フォトポリマー法(2P法)により凹凸構造層230を設けてもよい。
本実施形態に係る面光源装置200は上述したように構成されているので、発光層213で発生した光は、直接又は反射電極層である第二の電極層214で反射した後に、第一の電極層212、透光性基材211、第二粘着層223、第一粘着層222、基材層221及び凹凸構造層230を透過して出光する。
ここで、前記のように、第二粘着層223の屈折率d2は透光性基材211の屈折率よりも大きい。したがって、透光性基材211と第二粘着層223との界面である面211Uでは、発光層213で発生した光の反射を抑制できる。そのため、この面光源装置200の光取出効率を高めることができる。
また、第二粘着層223が光散乱粒子を含むので、これによっても面光源装置200の光取出効率を向上させることができる。具体的には、光散乱粒子で散乱された光のうち、第二粘着層223よりも出光面230Uに近い層界面に小さい入射角で入射する光は、それらの層界面を透過し、出光面230Uを通って出光できる。他方、光散乱粒子で散乱された光のうち、第二粘着層223よりも出光面230Uに近い層界面に大きい入射角で入射する光は、それらの層界面で反射されることがありえる。そのような光は、透光性基材211と第二粘着層223との界面(面211U)又は反射電極層である第二の電極層214の表面214Uで反射し、第二粘着層内の光散乱粒子によって再び散乱された後に、出光面230Uを通って出光できる。このため、第二粘着層223を含む光散乱粒子により、光取出効率を向上させることができる。
さらに、第二粘着層223が光散乱粒子を含むことにより、面光源装置200において色ムラを小さくできる。ここで色ムラとは、出光面230Uを観察した場合に、観察する方向によって観察される光の色が異なる現象をいう。
さらに、本実施形態では、光学機能層として凹凸構造層230を備えるので、この凹凸構造層230によっても、光取出効率を向上させることができる。すなわち、出光面230Uの平坦面232への入射角が大きいために平坦部232で反射する光であっても、凹部231の斜面233を通れば出光できるので、光取出効率を向上させることが可能である。
また、屈折率が高い単層の粘着層を用いる場合と異なり、本実施形態では、第二粘着層223の屈折率を高くでき、且つ、その第二粘着層223の粘着性を高めることができる。したがって、本実施形態に係る光学積層体220を用いることにより、有機EL素子210と光学積層体220とを高い粘着力で粘着することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を示して詳細に説明したが、本発明は更に変更して実施してもよい。
例えば、面光源装置は、有機EL素子210、光学積層体220及び光学機能層230に加えて、任意の構成要素を含みうる。
また、例えば、前記実施形態に係る反射電極層を、透明電極層及び反射層を組み合わせた積層体に置き換えても、反射電極層と同様の効果を有する装置を構成することができる。
また、例えば、前記実施形態に係る反射電極層を透明電極層に置き換え、さらに、封止基板として透光性基材と同様の材料を用いてもよい。これにより、両面を通って出光でき、観察者が装置を通して向こう側を見通せるシースルー型の面光源装置を構成することができる。
前述した面光源装置は、例えば、照明器具及びバックライト装置等の用途に用いうる。照明器具は、面光源装置を光源として有し、さらに、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を含むことができる。また、バックライト装置は、面光源装置を光源として有し、さらに、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含むことができる。バックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライトとして用いることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
また、以下において、量を示す「部」及び「%」は、別に断らない限り重量基準である。
[実施例1]
(1−1.第一粘着層の製造)
ポリエチレンテレフタレート製のシート状のフィルム基材(東レ社製「U34」、厚み100μm)に、アクリル粘着剤の塗工液を塗布し、オーブンで加熱して、厚み42μmの第一粘着層(屈折率1.48)を形成した。これにより、フィルム基材及び第一粘着層を備える複層フィルムAを得た。
(1−2.第二粘着層の製造)
プラスチック容器に、高屈折粒子を含むスラリー(株式会社ソーラー社製「ZR−010」)を固形分相当で188重量部、光を散乱させうるシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「XC−99」)3.3重量部、及び分散用のジルコニアボール(ニッカトー製、商品名「YTZ−0.5」)564重量部を入れてボールミル架台に載せ、毎秒2回転の速度で30分間、ボールミルにより分散を行った。ここで、高屈折粒子は、ジルコニア酸化物の粒子と、当該粒子の表面を修飾する有機物とを含む被覆粒子であった。有機物としては、重合性官能基を有するイソシアネートが用いられていた。また、高屈折粒子の体積平均粒子径は15nmであった。さらに、高屈折粒子を含むスラリーの溶媒はメチルエチルケトンであり、その固形分における粒子含有割合は30%であった。
分散後、ジルコニアボールをふるいを通して取り除き、混合物1を得た。
得られた混合物1を、ガラス瓶に入れて2時間静置した。その後、混合物1に、アクリル粘着剤(サイデン化学株式会社製「X−311033S」、固形分35%)100重量部、及び可塑剤(イーストマン社製「BENZOFLEX 9−88SG」、ジエチレングリコールジベンゾアート)5重量部を加え15分攪拌した。続いてシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−803」、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1重量部、及び硬化剤(三菱化学株式会社製「NY−260A」)0.6重量部を加えて15分攪拌し、第二粘着層用の塗工液を得た。
ポリエチレンテレフタレート製のシート状のセパレーターフィルム(東山フィルム社製「HY−US20」、厚み50μm)に、前記の塗工液を塗布し、オーブンで加熱(80℃、5分間)して、厚み5μmの第二粘着層(屈折率1.64)を形成した。これにより、セパレータフィルム層及び第二粘着層を備える複層フィルムBを得た。
(1−3.光学積層体の製造)
複層フィルムAの第一粘着層と複層フィルムBの第二粘着層とを貼り合わせ、温度50℃、湿度60%R.H.の恒温恒湿槽に48時間保管した。これにより、セパレータフィルム層、第二粘着層、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備える光学積層体を得た。
(1−4.初期の粘着力の測定)
光学積層体を幅1cm×長さ12cmに打ち抜いた。こうして打ち抜かれた光学積層体からセパレータフィルム層を剥離し、露出した第二粘着層を無アルカリガラス板(コーニング社製「イーグルXG」、厚み1.1mm×幅25mm×長さ100mm)にゴムローラーを使って貼り合わせた。これにより、ガラス板、第二粘着層、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを得た。このサンプルは、3枚作製した。
前記のサンプルをプラスチック製の箱に入れて、24時間常温で保管した。その後、箱からサンプルを取り出し、荷重測定器(ミネベア社製「LTS−50N−S100」)を用いて、ガラス板から第二粘着層を90°方向(即ち、ガラス板の表面に対する法線方向)に引っ張って剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、初期の粘着力[N/cm]とした。
ここで、剥離強度の測定条件は、下記のように設定した。
剥離速度:20mm/min。
測定区間:第一極大点(測定器の自動認識)から5mm後を開始点として、25mmまでの区間。
解析方法:前記の測定区間における極大値及び極小値の平均値を、当該サンプルの剥離強度とした。
(1−5.耐湿熱試験後の粘着力の測定)
前記の光学積層体を、温度60℃、湿度90%R.H.の恒温恒湿槽に500時間保管した。恒温恒湿槽から光学積層体を取り出し、この取り出した光学積層体について、前記工程(1−4)と同様の方法で、ガラス板、第二粘着層、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを3枚作製し、ガラス板から第二粘着層を剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、耐熱試験後の粘着力[N/cm]とした。
(1−6.シミュレーションによる評価)
前記の実施例1で製造した光学積層体を用いて面光源装置を製造した場合の光取出効率及び色ムラを、プログラム(プログラム名:LightTools、Synopsys社製)を用いた光学シミュレーションで評価した。シミュレーションの条件は、以下の通りとした。
図3は、実施例1のシミュレーションの際にモデル化した面光源装置300の構成を模式的に示す断面図である。図3に示すように、シミュレーションにおいてモデル化した面光源装置300は、出光面310Uに近い順に、光学機能層310、第一粘着層320、第二粘着層330及び有機EL素子340を備える。第一粘着層320及び第二粘着層330は、前記の実施例1で製造した構成のものを設定している。また、このシミュレーションでモデル化された面光源装置300は第一粘着層320と光学機能層310との間にフィルム基材は備えないが、フィルム基材が無くても光取出効率及び色ムラの評価に大きな影響は無い。
光学機能層310は、出光面310Uの全体に複数の凹部(図3では図示せず。)を有する凹凸構造を有している。凹部の形状は、正四角錐形状とした。正四角錐形状の凹部の斜面と出光面とがなす角の大きさは60°、四角錐の底辺長さは16μm、隣り合う凹部間の距離は4μmで、その結果、周期性のピッチ20μmとした。
また、光学機能層310の屈折率は、1.54にした。
さらに、光学機能層310の厚みは、12.12μmにした。
さらに、有機EL素子340は、透光性基材としてのガラス基材341及びそのガラス基材341の内部に設けられた発光層342を備える。ここで、発光層342は、ガラス基材341の第二粘着層330とは反対側の表面341Dから発光層342までの距離が50μmとなる位置に設けられている。これらの層の構成は、以下のように設定した。
ガラス基材341:屈折率1.64、厚み700μm。
発光層342:屈折率1.516、厚み50μm。
この面光源装置300において、ガラス基材341の第二粘着層330とは反対側の表面341Dにおける反射率を85%、吸収率を15%に設定した。この表面341Dでの反射の態様は、鏡面反射に設定した。
また、ガラス基材341と発光層342との界面342Sは、全て、透過率100%に設定した。
さらに、面光源装置300の側面300R及び300Lは、いずれも、反射率を100%に設定した。これらの側面300R及び300Lでの反射の態様は、鏡面反射に設定した。
前記のモデルにおいて、発光層を発光させた場合の光取出量L(1)を計算した。また別途、粘着層及び光学機能層を備えない有機EL素子のみのモデルで発光層を発光させた場合の光取出量L(0)を計算した。そして、これらの値から、光取出効率Q=光取出量L(1)/光取出量L(0)を求めた。この値が大きいほど、光取出効率が高く優れていることを示す。
また、前記のモデルにおいて、発光層を発光させた場合の極角θにおける色度座標(x、y)の値xθ及びyθを、極角0°〜60°において計算した。そして、角度θにおける色度座標(x,y)の値xθ及びyθ、並びに極角0°における色度座標(x,y)の値x0及びy0から、(xθ−x0)+(yθ−y0)の平方根を計算し、その最大値をD(1)として求めた。
また別途、粘着層及び光学機能層を備えない有機EL素子のみのモデルで発光層を発光させた場合についても、(xθ−x0)+(yθ−y0)の平方根を計算し、その最大値をD(0)として求めた。
そして、これらの値から、色ムラの指標値Δxy=D(1)/D(0)を求めた。この値が小さいほど、色ムラが小さく優れていることを示す。
[比較例1]
(C1−1.光学積層体の製造)
ポリエチレンテレフタレート製のシート状のフィルム基材(東レ社製「U34」、厚み100μm)に、実施例1と同様の第一粘着層用の塗工液を塗布し、オーブンで加熱して、厚み42μmの第一粘着層(屈折率1.48)を形成した。さらに、この第一粘着層に、ポリエチレンテレフタレート製のシート状のセパレータフィルム層(東山フィルム社製「HY−US20」、厚み50μm)を貼り合わせ、温度50℃、湿度60%R.H.の恒温恒湿槽に48時間保管した。これにより、セパレータフィルム層、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備える光学積層体を得た。
(C1−2.初期の粘着力の測定)
光学積層体を幅1cm×長さ12cmに打ち抜いた。こうして打ち抜かれた光学積層体からセパレータフィルム層を剥離し、露出した第一粘着層を無アルカリガラス板(コーニング社製「イーグルXG」、厚み1.1mm×幅25mm×長さ100mm)にゴムローラーを使って貼り合わせた。これにより、ガラス板、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを得た。このサンプルは、3枚作製した。
前記のサンプルをプラスチック製の箱に入れて、24時間常温で保管した。その後、箱からサンプルを取り出し、実施例1の工程(1−4)と同様の測定条件で、ガラス板から第一粘着層を剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、粘着力[N/cm]とした。
(C1−3.耐湿熱試験後の粘着力の測定)
前記の光学積層体を、温度60℃、湿度90%R.H.の恒温恒湿槽に500時間保管した。恒温恒湿槽から光学積層体を取り出し、この取り出した光学積層体について、前記工程(C1−2)と同様の方法で、ガラス板、第一粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを3枚作製し、ガラス板から第一粘着層を剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、耐熱試験後の粘着力[N/cm]とした。
(C1−4.シミュレーションによる評価)
第一粘着層320及び第二粘着層330の代わりに比較例1に係る第一粘着層だけを備えた面光源装置のモデルを用いたこと以外は実施例1の工程(1−6)と同様にして、光取出効率Q及び色ムラの指標値Δxyを計算した。
[比較例2]
(C2−1.光学積層体の製造)
ポリエチレンテレフタレート製のシート状のフィルム基材(東レ社製「U34」、厚み100μm)に、実施例1と同様の第二粘着層用の塗工液を塗布し、オーブンで加熱(80℃、5分間)して、厚み5μmの第二粘着層(屈折率1.64)を形成した。さらに、この第二粘着層に、ポリエチレンテレフタレート製のシート状のセパレータフィルム層(東山フィルム社製「HY−US20」、厚み50μm)を貼り合わせ、温度50℃、湿度60%R.H.の恒温恒湿槽に48時間保管した。これにより、セパレータフィルム層、第二粘着層及びフィルム基材をこの順に備える光学積層体を得た。
(C2−2.初期の粘着力の測定)
光学積層体を幅1cm×長さ12cmに打ち抜いた。こうして打ち抜かれた光学積層体からセパレータフィルム層を剥離し、露出した第二粘着層を無アルカリガラス板(コーニング社製「イーグルXG」、厚み1.1mm×幅25mm×長さ100mm)にゴムローラーを使って貼り合わせた。これにより、ガラス板、第二粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを得た。このサンプルは、3枚作製した。
前記のサンプルをプラスチック製の箱に入れて、24時間常温で保管した。その後、箱からサンプルを取り出し、実施例1の工程(1−4)と同様の測定条件で、ガラス板から第二粘着層を剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、粘着力[N/cm]とした。
(C2−3.耐湿熱試験後の粘着力の測定)
前記の光学積層体を、温度60℃、湿度90%R.H.の恒温恒湿槽に500時間保管した。恒温恒湿槽から光学積層体を取り出し、取り出した光学積層体について、前記工程(C2−2)と同様の方法で、ガラス板、第二粘着層及びフィルム基材をこの順に備えるサンプルを3枚作製し、ガラス板から第二粘着層を剥離する際の剥離強度[N/cm]を測定した。そして、3枚のサンプルの剥離強度の平均値を、粘着力[N/cm]とした。
(C2−4.シミュレーションによる評価)
第一粘着層320及び第二粘着層330の代わりに比較例2に係る第二粘着層だけを備えた面光源装置のモデルを用いたこと以外は実施例1の工程(1−6)と同様にして、光取出効率Q及び色ムラの指標値Δxyを計算した。
[結果]
前記の実施例及び比較例の結果を、下記の表1に示す。表1には、参考例1として、粘着層及び光学機能層を有さない有機EL素子のみについて評価した結果についても示す。また、下記の表1において、保存安定性の欄の数値は、初期の粘着力によって耐湿熱試験後の粘着力を割った値である。
Figure 0006508046
[検討]
実施例1においては、比較例1よりも高い光取出効率が得られている。このことから、本発明により、光取出効率の高い面光源装置が実現できることが確認された。比較例2においても高い光取出効率が得られていることに鑑みると、第二粘着層の屈折率を有機EL素子のガラス基材の屈折率よりも高くしたことによってガラス基材と第二粘着層との界面における反射を低減できたことが、このような高い光取出効率を得られた一因と考えられる。
また、実施例1においては、色ムラを抑制できている。このことから、本発明により、通常は面光源装置の色ムラを抑制できることが確認された。ここで、実施例1のΔxyよりも比較例1のΔxyの方が低い値となっている。これは、比較例1のように屈折率が低い第一粘着層のみによって有機EL素子と光学機能層とを貼り合わせた面光源装置では、ガラス基材と第一粘着層との界面に小さい入射角で入射する光しかその界面を透過できないので、面光源装置から出てくる光の配光が小さくなり、色ムラが抑制されるためと考えられる。これに対し、実施例1のように屈折率が大きい第二粘着層がガラス基板に粘着した面光源装置では、ガラス基材と第二粘着層との界面に大きい入射角で入射する光であってもその界面を透過できる。そのため、このような面光源装置では、面光源装置から出てくる光の配光が大きくなり、色ムラも大きくなる傾向がある。ところが、実施例1では、色ムラを比較例1と遜色無い程度に小さくできているため、光取出効率の向上と色ムラの抑制とを両立できる点で、技術的な意義がある。
さらに、実施例1においては、高い粘着力が得られている。このことから、本発明に係る光学積層体の第二粘着層は有機EL素子に高い粘着力で粘着できることが分かる。特に、第二粘着層のみを用いた比較例2よりも、実施例1では飛躍的に高い粘着力が得られている。したがって、本発明により、有機EL素子と光学機能層とを高い粘着力で粘着できることが確認できた。
ところで、比較例2では、保存安定性が低くなっている。これは、時間の経過によって第二粘着層の粘着力が低下したことを意味する。このような粘着力の低下の理由は様々に考えられるが、その一因としては、第二粘着層が可塑剤を含むことが考えられる。この可塑剤は、第二粘着層とセパレータフィルム層との剥離を容易に行うことを目的の一つとして用いられるものであるが、前記のような粘着力の低下を生じさせることが課題であった。これに対し、実施例1では、比較例2よりも保存安定性を高めることができている。すなわち、実施例1では、時間の経過による第二粘着層の粘着力の低下を抑制できている。このような効果が得られる理由は定かではないが、第二粘着層の粘着力に対する第一粘着層の寄与が大きくなり、第二粘着層の経時的な性状の変化の影響を小さくできているためと推察される。
100 光学積層体
110 基材層
120 第一粘着層
130 第二粘着層
200 面光源装置
210 有機EL素子
211 透光性基材
212 第一の電極層
213 発光層
214 第二の電極層
215 封止基材
220 光学積層体
221 基材層
222 第一粘着層
223 第二粘着層
230 光学機能層(凹凸構造層)
231 凹部
232 平坦部
233 斜面
300 面光源装置
310 光学機能層
320 第一粘着層
330 第二粘着層
340 有機EL素子
341 ガラス基材
342 発光層

Claims (4)

  1. 透明樹脂で形成された基材層と、前記基材層の一方の面に設けられた第一粘着層と、前記第一粘着層の前記基材層とは反対側の面に設けられた第二粘着層と、有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子、前記第二粘着層、前記第一粘着層及び前記基材層の順で備え、
    前記第二粘着層が、光を散乱させうる粒子を含み、
    前記第一粘着層の屈折率n1及び前記第二粘着層の屈折率n2が、
    1.40≦n1≦1.50、
    1.47≦n2≦1.85、及び、
    0<n2−n1≦0.45
    を満たす、光学積層体。
  2. 前記第一粘着層の厚みd1及び前記第二粘着層の厚みd2が、
    0.1≦d2/d1≦1.0
    を満たす、請求項1記載の光学積層体。
  3. 前記第二粘着層が、前記第二粘着層の屈折率を高めうる粒子を含む、請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 求項1〜3のいずれか一項に記載の光学積層体、並びに光学機能層を備える面光源装置であって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子、前記第二粘着層、前記第一粘着層、前記基材層及び前記光学機能層をこの順に備える、面光源装置。
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