以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は電子機器の一具体例すなわちサーバコンピュータ装置11の外観を概略的に示す。サーバコンピュータ装置11は筐体12を備える。筐体12内には収容空間が区画される。収容空間には後述のプリント基板ユニットが配置される。プリント基板ユニットは半導体パッケージやメインメモリを備える。半導体パッケージは、例えば一時的にメインメモリに保持されるソフトウェアプログラムやデータに基づき様々な演算処理を実行する。ソフトウェアプログラムやデータは、同様に収容空間に配置されるハードディスク駆動装置(HDD)といった大容量記憶装置に格納されればよい。こういったサーバコンピュータ装置11は例えばラックに搭載される。
図2に示されるように、本発明の第1実施形態に係るプリント基板ユニット13はプリント配線板14を備える。プリント配線板14は例えば樹脂製の基板本体15を備える。基板本体15の表面は絶縁膜すなわちレジスト膜16で覆われる。レジスト膜16は例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂といった樹脂材料から構成される。レジスト膜16には例えば矩形の開口17が形成される。開口17内には基板本体15の表面に形成される1対の導電パッドすなわちフットプリントパターン18、18が露出する。フットプリントパターン18同士は所定の間隔で隔てられる。フットプリントパターン18は例えば銅といった導電材料から構成される。
フットプリントパターン18上には例えば直方体のチップコンデンサ19といったチップ型の電子部品が配置される。チップコンデンサ19には電荷が蓄えられる。チップコンデンサ19はいわゆる0603型のチップや0402型のチップに構成される。チップコンデンサ19の厚みは例えば0.2mmや0.3mmに設定される。チップコンデンサ19は両端に1対の導電端子すなわち電極21を備える。電極21は各フットプリントパターン18上に配置される。電極21およびフットプリントパターン18ははんだ材22で接合される。こうして電極21はフットプリントパターン18に電気接続される。チップコンデンサ19はプリント配線板14に実装される。なお、チップ型の電子部品には例えばコイルや抵抗が含まれる。コイルや抵抗もチップコンデンサ19と同様にプリント配線板14に実装される。
図3に示されるように、フットプリントパターン18、18同士の間でレジスト膜16の形成は省略される。その結果、開口17内で基板本体15の表面から所定の高さにフットプリントパターン18の表面が規定される。図4を併せて参照し、フットプリントパターン18は開口17の輪郭の内側に配置される。フットプリントパターン18は、1対の第1基準線25、25に沿って規定される内端で相互に向き合わせられる。第1基準線25、25は所定の間隔で隔てられて相互に平行に延びる。第1基準線25は開口17を横切る。
各フットプリントパターン18は、第1基準線25に直交する1対の第2基準線26、26に沿って側端を仕切る本体領域18aを区画する。第2基準線26は相互に平行に延びる。第2基準線26はチップコンデンサ19の輪郭の外側に規定される。本体領域18aは例えば矩形の輪郭を区画する。本体領域18aの内端はチップコンデンサ19の電極21同士の間に配置される。本体領域18aの外端はチップコンデンサ19の電極21よりも外側に規定される。本体領域18aの外端は本体領域18aの内端に平行に規定されればよい。
各フットプリントパターン18は、本体領域18aから連続する1対の突出領域18bを区画する。突出領域18bは、本体領域18aの内端すなわち第1基準線25に沿って第2基準線26から外側に向かって突き出る。すなわち、突出領域18bは本体領域18aの側端から外側に向かって相互に反対向きに突き出る。その結果、突出領域18bはチップコンデンサ19の輪郭よりも外側に配置される。突出領域18bは例えば矩形の輪郭を区画すればよい。突出領域18bには基板本体15の表面に形成される導電パターン28が接続される。導電パターン28は例えば銅といった導電材料から構成される。
チップコンデンサ19の実装に先立って、まず、プリント配線板14が形成される。形成にあたって基板本体15の表面には例えばエッチングに基づきフットプリントパターン18および導電パターン28が形成される。その後、基板本体15の表面にはレジスト膜16が形成される。レジスト膜16には開口17が区画される。開口17内でフットプリントパターン18は露出する。開口17内でフットプリントパターン18上にははんだ材22が印刷される。はんだ材22には例えばクリームはんだが用いられる。はんだ材22上にはチップコンデンサ19が搭載される。
加熱に基づきはんだ材22は溶融する。溶融したはんだ材22はフィレットを形成する。フィレットに基づき溶融したはんだ材22では表面張力が生成される。本体領域18a上で溶融したはんだ材22の表面張力に基づきチップコンデンサ19は本体領域18aの外端に向かって引き寄せられる。同様に、突出領域18b上で溶融したはんだ材22の表面張力に基づきチップコンデンサ19は突出領域18bに向かって引き寄せられる。こうした2つの表面張力は相互に釣り合う。チップコンデンサ19の立ち上がりは回避される。その結果、ツームストーン現象の発生は回避される。
しかも、本体領域18a上で溶融したはんだ材22は本体領域18aから突出領域18bに向かって流れ込む。本体領域18aの内端から基板本体15上に溶融したはんだ材22の流出はできる限り回避される。加えて、突出領域18b上で溶融したはんだ材22に基づきフットプリントパターン18および電極21は接合される。フットプリントパターン18、18同士の間で本体領域18aの内端同士の間隔はこれまで以上に広げられることができる。はんだ材22のブリッジの発生は回避される。その結果、フットプリントパターン18、18同士の間でレジスト膜16の形成は省略されることができる。
図5に示されるように、本発明の第2実施形態に係るプリント基板ユニット13aでは、第1基準線25に沿って規定される本体領域18aの幅は第1基準線25から外側に遠ざかるにつれて減少する。ここでは、本体領域18aの角に面取りが施される。面取りに基づき本体領域18aの外端は、1対の傾斜直線29、29と傾斜直線29、29を結ぶ直線31とで規定される。その他、前述のプリント基板ユニット13と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13aでは、本体領域18aの幅が一定に設定される場合に比べて本体領域18aの外端側で表面張力は弱められる。ツームストーン現象の発生は回避される。
図6に示されるように、本発明の第3実施形態に係るプリント基板ユニット13bでは、本体領域18aの幅の減少にあたって、本体領域18aの外端は所定の半円に沿って延びる。その他、前述のプリント基板ユニット13aと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13bでは、前述と同様に、本体領域18aの幅が一定に設定される場合に比べて本体領域18aの外端側で表面張力は弱められる。ツームストーン現象の発生は回避される。
図7に示されるように、本発明の第4実施形態に係るプリント基板ユニット13cでは、第2基準線26に沿って規定される突出領域18bの幅は、第2基準線26から外側に向かうにつれて減少する。突出領域18bの内端は第2基準線26に所定の傾斜角で交差すればよい。ただし、突出領域18bの面積は前述のプリント基板ユニット13〜13bの突出領域18bの面積よりも大きく設定されればよい。その他、前述のプリント基板ユニット13、13a、13bと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13cによれば、突出領域18bの面積の増大に基づき突出領域18b上で溶融したはんだ材22の表面張力は増大する。ツームストーン現象の発生は回避される。加えて、本体領域18aから突出領域18bに向かって溶融したはんだ材22は円滑に流れ込む。本体領域18aの内端から基板本体15上に溶融したはんだ材22の流出は回避される。ブリッジの発生は回避される。
図8に示されるように、本発明の第5実施形態に係るプリント基板ユニット13dでは、突出領域18bの幅の減少にあたって、突出領域18bの内端に加えて突出領域18bの外端も第2基準線26に所定の傾斜角で交差すればよい。その他、前述のプリント基板ユニット13cと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13dによれば、前述と同様に、突出領域18bの面積の増大に基づき突出領域18b上で溶融したはんだ材22の表面張力は増大する。ツームストーン現象の発生は回避される。加えて、本体領域18aから突出領域18bに向かって溶融したはんだ材22は円滑に流れ込む。本体領域18aの内端から基板本体15上に溶融したはんだ材22の流出は回避される。ブリッジの発生は回避される。
なお、図9に示されるように、チップコンデンサ19の電極21の内端は、突出領域18b、18b同士で挟み込まれる領域32上に配置されてもよい。ここでは、電極21の内端を含む仮想平面は、例えば突出領域18bの側端の中間位置上に規定されればよい。ただし、電極21の内端は本体領域18aの内端よりも外側に配置される。
図10に示されるように、本発明の第6実施形態に係るプリント基板ユニット13eでは、本体領域18aの外端は開口17の縁で規定されてもよい。図11を併せて参照し、本体領域18aには部分的にレジスト膜16が被さる。レジスト膜16の被覆に基づき本体領域18aの外端は例えば所定の円弧に沿って延びればよい。本体領域18aの輪郭は例えば矩形に規定されればよい。その他、前述のプリント基板ユニット13〜13dと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13eによれば、開口17内で露出するフットプリントパターン18の表面積は前述と同様に確保される。同時に、フットプリントパターン18および基板本体15の接触面積は増大する。その結果、フットプリントパターン18は基板本体15の表面に一層強固に接合される。フットプリントパターン18の剥離は回避される。
図12に示されるように、本発明の第7実施形態に係るプリント基板ユニット13fでは、本体領域18aの内端は所定の円弧に沿って延びればよい。円弧は本体領域18aの外端に向かって膨らむ。その他、前述のプリント基板ユニット13eと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。こうしたプリント基板ユニット13fによれば、はんだ材22の溶融時、本体領域18aの内端に沿って溶融したはんだ材22は突出領域18bに円滑に流れ込む。本体領域18aの内端から基板本体15上に溶融したはんだ材22の流出は回避される。ブリッジの発生は回避される。
図13に示されるように、本発明の第8実施形態に係るプリント基板ユニット13gでは、前述の導電パターン28に代えて、フットプリントパターン18に基板本体15内に形成されるビア35が接続されてもよい。その他、前述のプリント基板ユニット13〜13fと均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。その他、図14に示されるように、フットプリントパターン18には複数の導電パターン28が接続されてもよい。このとき、導電パターン28に加えてフットプリントパターン18にはビア35がさらに接続されてもよい。
その他、前述のプリント基板ユニット13〜13gでは様々な変形例が導き出されることができる。例えばプリント基板ユニット13a〜13gでは、本体領域18aの外端は、1対の傾斜直線29、29と傾斜直線29、29を結ぶ直線31とで規定されてもよい。例えばプリント基板ユニット13〜13eでは本体領域18aの内端は所定の円弧に沿って延びてもよい。
(付記1) 基板本体と、両端に1対の導電端子を区画する電子部品と、基板本体の表面で露出し、所定の間隔で隔てられ相互に平行に延びる1対の第1基準線に沿って規定される内端で相互に向き合わせられる1対の導電パッドと、導電パッド上に配置されて、導電パッドおよび導電端子を接合するはんだ材とを備え、導電パッドには、第1基準線に交差しつつ相互に平行に延びる1対の第2基準線に沿って側端を仕切る本体領域と、本体領域から連続し、第2基準線から外側に向かって第1基準線に沿って突き出る突出領域とが区画されることを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記2) 付記1に記載のプリント基板ユニットにおいて、前記第1基準線に沿って規定される前記本体領域の幅は前記電子部品の端面から外側に向かうにつれて減少することを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記3) 付記1に記載のプリント基板ユニットにおいて、前記第2基準線に沿って規定される前記突出領域の幅は前記第2基準線から外側に向かうにつれて減少することを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記4) 付記1に記載のプリント基板ユニットにおいて、前記導電端子の後端は、前記本体領域に規定されて前記突出領域同士で挟み込まれる領域上に配置されることを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記5) 付記1に記載のプリント基板ユニットにおいて、前記本体領域の内端は、前記本体領域の外端に向かって膨らむ円弧に沿って規定されることを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記6) 付記1に記載のプリント基板ユニットにおいて、前記基板本体は、前記電子部品の輪郭の外側で前記本体領域に覆い被さって前記本体領域の輪郭を少なくとも部分的に規定する絶縁膜を備えることを特徴とするプリント基板ユニット。
(付記7) 筐体と、筐体内に組み込まれる基板本体と、両端に1対の導電端子を区画する電子部品と、基板本体の表面で露出し、所定の間隔で隔てられ相互に平行に延びる1対の第1基準線に沿って規定される内端で相互に向き合わせられる1対の導電パッドと、導電パッド上に配置されて、導電パッドおよび導電端子を接合するはんだ材とを備え、導電パッドには、第1基準線に交差しつつ相互に平行に延びる1対の第2基準線に沿って側端を仕切る本体領域と、本体領域から連続し、第2基準線から外側に向かって第1基準線に沿って突き出る突出領域とが区画されることを特徴とする電子機器。
(付記8) 基板本体と、基板本体の表面で露出し、所定の間隔で隔てられ相互に平行に延びる1対の第1基準線に沿って規定される内端で相互に向き合わせられる1対の導電パッドとを備え、導電パッドには、第1基準線に交差しつつ相互に平行に延びる1対の第2基準線に沿って側端を仕切る本体領域と、本体領域から連続し、第2基準線から外側に向かって第1基準線に沿って突き出る突出領域とが区画されることを特徴とするプリント配線板。
(付記9) 付記8に記載のプリント配線板において、前記第1基準線に沿って規定される前記本体領域の幅は前記第1基準線から遠ざかるにつれて減少することを特徴とするプリント配線板。
(付記10) 付記8に記載のプリント配線板において、前記第2基準線に沿って規定される前記突出領域の幅は前記第2基準線から外側に向かうにつれて減少することを特徴とするプリント配線板。
(付記11) 付記8に記載のプリント配線板において、前記導電端子の後端は、前記本体領域に規定されて前記突出領域同士で挟み込まれる領域上に配置されることを特徴とするプリント配線板。
(付記12) 付記8に記載のプリント配線板において、前記本体領域の内端は、前記本体領域の外端に向かって膨らむ円弧に沿って規定されることを特徴とするプリント配線板。
(付記13) 付記8に記載のプリント配線板において、前記基板本体は、前記電子部品の輪郭の外側で前記本体領域に覆い被さって前記本体領域の輪郭を少なくとも部分的に規定する絶縁膜を備えることを特徴とするプリント配線板。
11 電子機器(サーバコンピュータ装置)、12 筐体、13 プリント基板ユニット、14 プリント配線板、15 基板本体、16 絶縁膜、18 導電パッド(フットプリントパターン)、18a 本体領域、18b 突出領域、19 電子部品(チップコンデンサ)、21 導電端子(電極)、22 はんだ材、25 第1基準線、26 第2基準線、32 領域。