以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1(a)(b)は、本発明の一実施形態に係る現像剤担持体4を示し、前記現像剤担持体4は、現像スリーブ5と、該現像スリーブ5内に配設されたマグネットローラ6とを有している。
本発明においては、前記マグネットローラ6が、円柱状のローラ本体部61と、当該ローラ本体部61の両端62と一体成形された支持部としての軸部63とを備えている。前記マグネットローラ6は、磁石体として構成されて、前記軸部63を介して後述する現像装置3に回転することなく固定的に支持されている。
前記現像スリーブ5は、前記マグネットローラ6と同軸に配置された円筒中空体として構成されている。前記現像スリーブ5は、両端部に設けられたフランジ部51により、前記マグネットローラ6の周囲を回転自在に支持されている。前記現像スリーブ5は、非磁性材料であるアルミニウムやアルミニウム合金で形成されている。
図2に示すように、前記マグネットローラ6のローラ本体部61の外周面軸方向には、凹溝64が形成され、該凹溝64内には、稀土類マグネットブロック65が配設されている。前記希土類マグネットブロック65は、前記マグネットローラ6の軸方向に延在する棒状のブロックとして形成されており、底壁部651と、該底壁部651の両側から立ち上がり形成された側壁部652と、該側壁部652の先端を連接する円弧状の上壁部653とを有している。前記希土類マグネットブロック65は、前記底壁部651の幅w及び前記側壁部652の高さhが、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の直径rに比べて小さく形成されている。そのために、前記希土類マグネットブロック65の体積は、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の体積より小さい。
前記希土類マグネットブロック65は、この小さな体積で高磁力を達成するために、Nd−Fe−BやSm−Fe−Nのマグネット粉を6PAのPA(ポリアミド)系の高分子化合物に混合させたプラスチックマグネットからなる材料を用いて形成されている。前記希土類マグネットブロック65を形成するには、前記材料を金型内に注入することによる射出成形によって成形するが、押し出し成形、圧縮成形等で成形してもよい。
本発明においては、前記マグネットローラ6は、例えば、剛性の高いPA(ポリアミド)系の樹脂(高分子化合物)に異方性のマグネット粉(磁性粉)を混合させたプラスチックマグネットからなる材料(混合材料)を、射出成形金型内に注入することによる射出成形によって成形される。前記射出成形により、前記マグネットローラ6のローラ本体部61と、該ローラ本体部61の両端62に突設された軸部63とが一体成形される。
本発明においては、図1(a)、(b)に示すように、前記マグネットローラ6のローラ本体部61が、その内部に、軸方向に延びる4本の棒状の補強部材66を有している。前記補強部材66は、その軸方向に対して垂直方向の断面形状が円形に形成されている。
本発明においては、前記補強部材66は、磁性金属材料である鉄等で構成されている。
前記マグネットローラ6は、小径で、かつ、長尺に構成されているので、例えば、図1(b)に示すX方向に曲げ力が働くと、前記マグネットローラ6が曲がって折損するおそれがある。このような曲げを防ぐために、前記マグネットローラ6のローラ本体部61の内部には、前記曲げ方向(X方向)に沿って離間して前記4本の補強部材66が配設されている。また、前記4本の補強部材66は、前記ローラ本体部61の凹溝64を避けるように、ローラ本体部61の中心軸67を挟んで均等に配置されている。
前記補強部材66は、少なくとも、2本の補強部材が前記マグネットローラ6の曲げ方向に沿って離間して配設されていればよい。好ましくは、前記離間して配設される補強部材66は、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の中心軸67を挟んで配設されるのがよい。
本発明においては、前記したように、現像スリーブ5と当該現像スリーブ5内に配設されたマグネットローラ6とを有していて、そのマグネットローラ6(ローラ本体部61)の外周面軸方向に延びた凹溝64内に、希土類マグネットブロック65が配設された現像剤担持体4において、前記マグネットローラ6が、円柱状のローラ本体部61と、当該ローラ本体部61の両端と一体成形された軸部63とを備え、そして、前記ローラ本体部61が、その内部に、軸方向に延びた4本の棒状の補強部材66を有している。
本発明においては、前記マグネットローラ6が、円柱状のローラ本体部61と、当該ローラ本体部61の両端62と一体成形された支持部としての軸部63とを備えているので、マグネットローラ6全体をローラ本体部61と一体成形された軸部63で支持することで、従来マグネットローラ6全体を支持するために必要であった芯金を無くすことができ、そのために、マグネットローラ6を小径に構成してもマグネットローラ6全体の体積を大きく構成することができ、よって、マグネットローラ6の周方向に形成された複数の磁極の磁力を十分に高磁力に構成することができる。
本発明においては、前記マグネットローラ6のローラ本体部61が、その内部に、軸方向に延びた4本の棒状の補強部材66を有しているので、マグネットローラ6を小径に構成してもマグネットローラ6の剛性を十分に確保することができる。
従って、本発明においては、小径であっても、高磁力で、かつ、剛性に優れた現像剤担持体4として構成することができる。
本発明においては、前記マグネットローラ6が、磁性粉と高分子化合物とで構成される混合材料を射出成形金型内に注入することによる射出成形によって成形されているので、マグネットローラ6のローラ本体部61と軸部63とを一体成形することにより、軸部63までマグネット材料で構成することができ、そのために、マグネットローラ6を小径に構成しても、マグネットローラ6を高磁力に構成することができる。
本発明においては、前記マグネットローラ6の支持部が、当該マグネットローラ6(ローラ本体部61)の両端に突設された軸部63であるので、従来マグネットローラ6全体を支持するために必要であった芯金を無くすことができ、そのために、マグネットローラ6を小径に構成してもマグネットローラ6全体の体積を大きく構成することができ、よって、マグネットローラ6の周方向に形成された複数の磁極の磁力を十分に高磁力に構成することができる。また、前記軸部63により、マグネットローラ6を現像装置に確実に支持させることができる。
前記支持部として、前記軸部63の代わりに、前記ローラ本体部61の両端中心部に凹部を形成し、現像装置から突出する軸部を前記凹部に嵌合させて、前記ローラ本体部61を両側から支持するように構成しても、芯金を無くすことができる。
本発明においては、前記補強部材66が、磁性金属材料で構成されているので、前記マグネットローラ6のローラ本体部61だけでなく、その内部に配設された補強部材66までマグネット材料で構成することができ、そのために、マグネットローラ6を小径に構成しても、マグネットローラ6を高磁力に構成することができる。
本発明においては、前記補強部材66が、前記マグネットローラ6と一体成形されている。このように一体成形するためには、前記マグネットローラ6を成形する射出成形金型内の所定位置に前記補強部材66を配置して、前記したプラスチックマグネットからなる材料を金型内に注入すればよい。
本発明においては、前記補強部材66が、前記マグネットローラ6と一体成形されているので、成形したマグネットローラ6に補強部材66を挿入するという後工程が不要となり、マグネットローラ6を成形する際の製造コストを低減させることができる。また、前記補強部材66と前記マグネットローラ6とを一体成形することにより、成形されたマグネットローラ6の剛性を十分に確保することができる。
図3は、本発明に係る現像剤担持体4の他の実施形態を示し、本発明においては、前記補強部材66が、その軸方向に、所定間隔をおいて複数の膨出部661を有している。前記膨出部661は、前記補強部材66の外周部が膨出した節状に構成されており、前記補強部材66の軸方向に等間隔で配設されている。
前記補強部材66の膨出部661部分で、補強部材66と、その周囲のローラ本体部61とが密着してかみ合うようになっている。そのために、マグネットローラ6(ローラ本体部61)に曲げ力が働いても、補強部材61とその周囲のローラ本体部61との間で相対移動が生じることを防ぐことができ、マグネットローラ6の曲げ剛性をより高めることができる。また、前記補強部材66の膨出部661により、マグネットローラ6を射出成形によって成形する際の、マグネットローラ6とその内部に配設された補強部材66との熱収縮の違いによる、マグネットローラ6の形状変化を抑えることができ、マグネットローラ6の剛性を十分に確保することができる。
前記補強部材66の膨出部661は、軸方向に所定間隔をおいて少なくとも2つ形成されていればよい。好ましくは、マグネットローラ6の軸方向両端部の2箇所に形成されているのがよい。このようにすれば、マグネットローラ6の両端部分で、補強部材66とその周囲のローラ本体部61とが密着してかみ合うようになるので、マグネットローラ6を射出成形によって成形する際の、マグネットローラ6とその内部に配設された補強部材66との熱収縮の違いによる、マグネットローラ6の形状変化を抑えることができ、マグネットローラ6の剛性を十分に確保することができる。
本発明においては、前記補強部材66が、その軸方向に、所定間隔をおいて複数の膨出部661を有しているので、補強部材61とその周囲のマグネットローラ6(ローラ本体部61)との間で相対移動が生じることを防ぐことができ、マグネットローラ6の曲げ剛性をより高めて、その剛性を十分に確保することができる。
図4(a)(b)は、本発明に係る現像剤担持体4の他の実施形態を示し、図4(a)は、マグネットローラ6の内部に配設された補強部材66の軸方向に対する垂直方向の断面形状が、四角形に形成されたものを示し、図4(b)は、前記補強部材66の断面形状が、六角形に形成されたものを示している。前記断面形状が円形の補強部材66と比べて、断面形状が四角形、六角形となるにつれて、補強部材66と、その周囲のマグネットローラ6(ローラ本体部61)との間の接触面積が大きくなり、そのために、マグネットローラ6(ローラ本体部61)に曲げ力が働いても、補強部材61とその周囲のローラ本体部61との間で相対移動が生じることをより防ぐことができ、マグネットローラ6の曲げ剛性をより高めることができる。
図5及び図6は、本発明に係る現像剤担持体4の他の実施形態を示し、本発明においては、前記マグネットローラ6のローラ本体部61が、その中心軸67と直交する一方向(図5中A方向)に磁気異方性を有するように構成されるとともに、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の外周面軸方向に延びた凹溝64内に配置された前記希土類マグネットブロック65が、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の磁気異方性の方向(図5中A方向)とほぼ直交する方向(図5中B方向)に配置されている。また、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の内部には、軸方向に延びる4本の補強部材66が配設されている。
本発明者らは、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の磁気異方性の方向(前記A方向)と、前記マグネットローラ6に配設される前記希土類マグネットブロック65の配置方向(前記B方向)とを所定の関係に構成することにより、マグネットローラ6を小径に構成しても、前記希土類マグネットブロック65で構成された現像主極以外の磁極を高磁力に構成することができることを見出した。
前記希土類マグネットブロック65の配置方向(前記B方向)を前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の磁気異方性の方向(A方向)とほぼ直交する方向、即ち前記希土類マグネットブロック65の配置方向(前記B方向)と前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の磁気異方性の方向(前記A方向)とがほぼ90度の角度を有するように前記希土類マグネットブロック65を配置すると、図6の斜線で示した範囲に示されるように、前記希土類マグネットブロック65の現像主極だけでなく、現像主極に隣接する磁極も高磁力に構成することができることを見出した。
図6の斜線で示した範囲に示されるように、前記希土類マグネットブロック65を前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の磁気異方性の方向(前記A方向)とほぼ直交する方向(前記B方向)に配置すると、現像主極及び隣接極の両方の磁力比率がともに98%以上と高磁力になることが判明した。特に、図5に示すように、現像主極P1としての希土類マグネットブロック65の下流側の隣接極P2が、高磁力に構成されることが判明した。
前記したように、現像主極P1の下流側の隣接極P2の磁力が大きなマグネットローラ6を有する現像剤担持体4が現像装置に設けられていると、前記マグネットローラ6の磁力によって現像領域に搬送された現像剤が感光体ドラムから離れる際に、現像剤の磁性キャリアが感光体ドラムに付着することを防ぐことができる。そして、前記磁性キャリアの付着を防ぐことにより、高画質な画像を得ることができる。従って、本発明においては、小径であっても、より高磁力で、かつ、剛性に優れた現像剤担持体とすることができ、高画質な画像を得ることができる。
次に、本発明に係る現像剤担持体4のマグネットローラ6の成形方法について説明する。前記したように、前記マグネットローラ6は、、円柱状のローラ本体部61と、当該ローラ本体部61の両端62と一体成形された支持部としての軸部63とを備えている。図7に示すように、前記マグネットローラ6は、例えば、剛性の高いPA(ポリアミド)系の樹脂(高分子化合物)に異方性のマグネット粉(磁性粉)を混合させたプラスチックマグネットからなる材料(混合材料)を、一方向に配行磁場を有する射出成形金型7内に注入することによる射出成形によって成形される。
前記射出成形金型7は、割型71、72から構成される二つ割の金型である。各割型71、72は、磁性体入子711、721と、非磁性体入子712、722とから構成されて、前記磁性体入子711、721の内側に前記非磁性体入子712、722が取り付けられている。そして、前記割型71、72同士が組合わさって、前記マグネットローラ6を成形するキャビティ73が構成されるようになっている。前記一方の割型71には、成形されたマグネットローラ6を割型71から取り出すイジェクタピン74が設けられている。また、前記割型71、72のパーティングライン75部分には、前記マグネットローラ6を成形する際にマグネットローラ6(ローラ本体部61)の外周面に凹溝64を形成するためのスライドコマ76が設けられている。
前記マグネットローラ6を成形するには、前記射出成形金型7内に前記したPA(ポリアミド)系の樹脂に異方性のマグネット粉を混合させたプラスチックマグネットからなる材料を注入することによる射出成形によって成形する。その際、前記一方の割型71の磁性体入子711から他方の割型72の磁性体入子721に向けた一方向の磁場の流れ77を有する磁場中成形とすることにより、前記材料中のマグネット粉が磁場の流れ77に沿って配行して、前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)が一方向に磁気異方性を有するように成形される。
そして、図8(a)(b)(c)に示すように、磁場中成形により成形した前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)の凹溝64内に、別に成形していた棒状の希土類マグネットブロック65を配置固定し、この希土類マグネットブロック65を配置したマグネットローラ6(ローラ本体部61)を着磁ヨーク8中に配置して、該マグネットローラ6(ローラ本体部61)を、図5に示すような磁力を有するように多極に磁化する。ここで、前記希土類マグネットブロック65の前記マグネットローラ6(ローラ本体部61)への固定には、接着剤を用いて接着する。また、前記希土類マグネットブロック65の配置固定を前記着磁ヨーク8による着磁後に行ってもよい。
本発明においては、前記マグネットローラ6が、磁性粉と高分子化合物とで構成される混合材料を一方向に配向磁場を有する射出成形金型7内に注入することによる射出成形によって成形されたものであるので、前記マグネットローラ6の射出成形金型7を一方向の磁場を有する簡潔な構造の金型とすることができ、そのために、金型の製造コストを低減させることができる。また、前記マグネットローラ6を成形する際に、マグネットローラ6のローラ本体部61と軸部63とを一体成形できるので、前記マグネットローラ6の製造工程を短縮させることができ、そのために、前記マグネットローラ6の製造コストを低減させることができる。
本発明においては、前記現像剤担持体4を構成する前記現像スリーブ5が、短線状の線条材を回転磁場内に位置づけて、回転磁場により前記現像スリーブの外表面に前記線条材をランダムに衝突させて形成された多数の凹みを有している。
前記現像剤担持体4は、前記現像スリーブ5表面に現像剤を担持して、該現像剤を感光体ドラム23に搬送するために、前記現像スリーブ5の表面に粗面化処理を施している。そして、この粗面化処理によって、前記現像スリーブ5が、その外表面に多数の凹みを有している。この粗面化処理の方法として、サンドブラスト加工やビーズブラスト加工がある。
しかし、前記現像剤担持体4は、前記したように小径に構成されているので、前記現像剤担持体4の現像スリーブ5も小径に構成されており、この小径の現像スリーブ5の外表面に、前記サンドブラスト加工やビーズブラスト加工のような一方向から表面加工を施す粗面化処理を施すと、小径の現像スリーブ5に曲りが発生してしまい、実使用上で要求される振れ精度を達成することが難しいという問題があった。
そこで、すでに本発明者らが提案している現像スリーブ5の外表面の粗面化処理方法である、回転磁場内に位置づけられた短線状の線条材を現像スリーブ5の外表面にランダムに衝突させて現像スリーブ5の外表面に多数の凹みを形成する処理方法(以下、電磁ブラスト加工という)によれば、現像スリーブ5の外表面の周囲から同時に外表面の粗面化処理を施すことができ、そのために、曲がりのない高精度の小径の現像スリーブ5を得ることができることが判明した。
本発明においては、前記現像スリーブ5が、短線状の線条材を回転磁場内に位置づけて、回転磁場により前記現像スリーブ5の外表面に前記線条材をランダムに衝突させて形成された多数の凹みを有しているので、曲がりのない高精度の小径の現像スリーブ5を得ることができ、また、現像剤の搬送量を均一にでき、そのために、濃度ムラのない高画質な画像を得ることができる。
図9は、本発明に係る現像剤担持体4を有する現像装置3及び該現像装置3を有するプロセスカートリッジ2を示し、前記プロセスカートリッジ2は、カートリッジケース21と、帯電ローラ22と、感光体ドラム23と、クリーニング装置24と、現像装置3とを有している。前記カートリッジケース21内には、前記帯電ローラ22、感光体ドラム23、クリーニング装置24、及び現像装置3が収容されている。前記カートリッジケース21は、後述する画像形成装置1に対して着脱自在に構成されている。前記プロセスカートリッジ2は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色に対応して、後述する画像形成装置1に4つ内蔵されている。
前記現像装置3は、現像剤供給部材31と、現像剤規制部材32と、前述した現像剤担持体4とを有している。前記現像剤供給部材31は、収容漕311と、撹拌部材312とを有しており、前記収容漕311内には、非磁性体のトナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤313が収容されている。
前記現像装置3の現像剤担持体4は、前記感光体ドラム23と対向して配置されている。前記現像剤担持体4は、前記収容漕311内で撹拌された現像剤313をその表面に付着させる。そして、前記現像剤担持体4は、前記現像剤規制部材32で所望の厚さになった現像剤を前記感光体ドラム23に付着させる。即ち、前記現像剤担持体4は、その表面に付着して穂立ちした現像剤を感光体ドラム23と対向する現像領域41に搬送して、感光体ドラム23上の静電潜像を現像するようになっている。
本発明においては、前記現像装置3が、前記した小径に構成した現像剤担持体4を有しているので、現像装置3全体を小型に構成することができる。また、前記現像装置3の前記現像剤担持体4は、小径であっても、そのマグネットローラ6が高磁力で、剛性に優れ、かつ、その現像スリーブ5が曲がりのない高精度のスリーブに構成されているので、十分な量の現像剤を均一に搬送することができ、そのために、濃度ムラのない高画質な画像を得ることができる。
本発明においては、前記プロセスカートリッジ2が、前記した現像装置3を有しているので、プロセスカートリッジ2全体を小型に構成することができる。また、前記プロセスカートリッジ2の前記現像剤担持体4は、小径であっても、そのマグネットローラ6が高磁力で、剛性に優れ、かつ、その現像スリーブ5が曲がりのない高精度のスリーブに構成されているので、十分な量の現像剤を均一に搬送することができ、そのために、濃度ムラのない高画質な画像を得ることができる。
図10は、本発明に係る現像剤担持体4を有する現像装置3の現像剤313に使用される磁性キャリア9を示し、前記磁性キャリア9は、芯材91と、該芯材91の外表面を被覆した樹脂コート膜92と、樹脂コート膜92に分散されたアルミナ粒子93と、を備えている。前記現像装置3の現像剤313は、前記磁性キャリア9とトナーとで構成されている。前記トナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、前記トナーは、種々の染料又は顔料を混入分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られてもよい。トナーの平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、トナーは、粉砕加工などにより形成されてもよい。
前記磁性キャリア9の芯材91は、磁性材料としてのフェライトで構成されているとともに、球形に形成されている。前記磁性キャリア9の樹脂コート膜92は、芯材91の外表面全体を被覆している。前記樹脂コート膜92は、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分と、帯電調整剤とを含有し、弾力性と強い接着力を有している。前記磁性キャリア9のアルミナ粒子93は、外径が樹脂コート膜92の厚みより大きな球形に形成されている。前記アルミナ粒子93は、樹脂コート膜92の強い接着力で保持されている。アルミナ粒子93は、樹脂コート膜92より磁性キャリア9の外周側に突出している。
前記磁性キャリア9の平均粒径は、20μm以上でかつ50μm以下である。磁性キャリア9の平均粒径が20μm未満であると、磁性キャリア9一つ一つの磁化度合が小さくなるために、磁性キャリア9が現像剤担持体4から受ける磁気的拘束力が弱くなり、該磁性キャリア9が感光体ドラム23に吸着しやすくなり、望ましくない。また、磁性キャリア9の平均粒径が50μmを超えると、磁性キャリア9と感光体ドラム23上の静電潜像との間の電界が疎になるため、均一な画像を得ることができず、画質が劣化するため、望ましくない。
本発明においては、前記現像剤313が、トナーと磁性キャリア9とを有するとともに、該磁性キャリア9の平均粒径が、20μm以上でかつ50μm以下である。そのために、磁性キャリア9が粒状度に優れており、ムラの少ない高画質な画像を得ることができる。
図11及び図12は、本発明に係る現像剤担持体4のマグネットローラ6に配設された希土類マグネットブロック65をより詳しく説明するための図である。前記希土類マグネットブロック65は、図11及び図12に示す圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bを磁場中でプレス金型内に充填し、圧縮成形して得られる。この圧縮成形は、結合樹脂の量が少なくとも成形可能であるため、後述の磁性粉6501の配合比率を高めることができる。また、圧縮成形によって、希土類マグネットブロック65の成形密度を高めることができるため、高磁力化には優れた製法である。
圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bは、図11及び図12に示すように、角のとれた平均粒径80〜150μmの磁性粒子6502で構成される磁性粉6501と熱可塑性樹脂微粒子6503とを有している。そして、圧縮成形用磁石コンパウンド650Bにおいては、前記磁性粒子6502の表面の少なくとも一部は、ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層6504を有している。このように、圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bが、磁性粉6501と熱可塑性樹脂微粒子6503とを有していると、磁性粒子6502と熱可塑性樹脂微粒子6503とを攪拌・混合する際に、摩擦帯電によって磁性粒子6502がプラスに帯電すると共に、熱可塑性樹脂微粒子6503がマイナスに帯電し、それらのために、熱可塑性樹脂微粒子6503が磁性粒子6502の表面に静電気的な付着力によって付着した状態となり、よって、成形される希土類マグネットブロック65における磁性粒子6502の配向が向上し、該希土類マグネットブロック65の磁気特性が向上する。
また、図12に示されている圧縮成形用磁石コンパウンド650Bのように、前記磁性粒子6502の表面の少なくとも一部がポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層6504を有していると、前記熱可塑性樹脂微粒子6503がマイナスに帯電しやすくなると共に、前記ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物がプラスに帯電しやすくなって、前記熱可塑性樹脂微粒子6503と前記ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物との静電気的な付着力が強くなり、そのために、圧縮成形用磁石コンパウンド650Bを金型に充填する際に加わる負荷により、熱可塑性樹脂微粒子6503が遊離して飛散することがほとんどなくなり、よって、配向磁場における磁性粒子152の配向性を大きくしてマグネットブロック141の磁気特性を向上させると共に、磁束密度のばらつきを小さくした希土類マグネットブロック65とすることができ、しかも、圧縮成形の際の熱減磁を抑制することができる。
圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bにおける磁性粉6501の配合比率は、好ましくは、90〜99wt%であり、さらに好ましくは、92〜97wt%である。磁性粉6501の含有量が少なすぎると、磁気特性の向上が図れず、また、磁性粉の含有量が多すぎると、結合樹脂の含有量が少なくなり、希土類マグネットブロック65の成形性が低下(割れなどの発生)する。
図11に示されているように、磁性粉6501は、角の取れた平均粒径80〜150μmの磁性粒子152で構成されている。そして、その嵩密度は、3.3g/cm3〜4.0g/cm3に調整されている。本明細書においては、前記「嵩密度」は、磁性粉485gを100ccの金属容器に漏斗を介して山盛りに充填し、その容器上面に沿って擦り切した後に重量を計測し、次に、この測定した重量を容積100ccで割った値とする。
このように、角の取れた磁性粒子6502で構成された磁性粉6501であって、その嵩密度が3.3g/cm3〜4.0g/cm3に調整されていると、高磁力であって、且つ、長尺であっても磁束密度のばらつきを小さくした圧縮成形による希土類マグネットブロック65とすることができる。
前記嵩密度が3.3g/cm3〜4.0g/cm3に調整された磁性粉6501が、角張った磁性粒子6502同士の衝突、又は、角張った磁性粒子6502と該角張った磁性粒子よりも高硬度の物質で構成される粒子(図示せず)との衝突によって形成されている。このように、前記嵩密度が3.3g/cm3〜4.0g/cm3に調整された磁性粉6501が、角張った磁性粒子6502同士の衝突、又は、角張った磁性粒子6502と該角張った磁性粒子よりも高硬度の物質で構成される粒子との衝突によって形成されていると、調整前の磁性粉個々の角が容易に取リ除かれて球形に近い形状になり、そのために、調整前の磁性粉の嵩密度が3.3g/cm3以下であっても、嵩密度が3.3g/cm3〜4.0g/cm3に調整された磁性粉6501を容易に得ることができる。
磁性粉6501は、それを構成する平均粒径80〜150μmの磁性粒子6502同士の接触面積が大きくなるので、嵩密度が大きくなる。本発明者らは、磁性粉6501の嵩密度と希土類マグネットブロック65の磁束密度には密接な関係があること、及び、嵩密度が大きいほど希土類マグネットブロック65の磁束密度が高くなることを見い出した。このように、嵩密度が大きいほど希土類マグネットブロック65の磁束密度が高くなるのは、平均粒径80〜150μmの磁性粒子6502が金型に密に充填されて成形される希土類マグネットブロック65の成形密度を高くすることができると同時に、該磁性粒子6502が球形に近い形状であるために磁場配向時の磁性粉6501の回転が阻害されにくくなって磁化容易軸の向きがそろいやすくなるからである。磁性粉6501の嵩密度が3.3g/cm3未満であると、所定の高い磁束密度が得られず、また、磁性粉6501の嵩密度が4.0g/cm3を越えるものは、現時点の技術では得られない。したがって、本発明のように、磁性粉6501の嵩密度が3.3g/cm3〜4.0g/cm3であると、所定の高い磁束密度が得られる。
一般的に磁性粉6501の再粉砕には、アトライター粉砕機、ジェットミル粉砕機等の粉砕機、及び、ヘンシェルミキサー等の攪拌機が使用されている。しかし、これらの再粉砕に使用される粉砕機及び攪拌機は、磁性粉6501を構成する磁性粒子6502を細かく粉砕してしまうので、該磁性粒子6502の平均粒径が小さくなってしまう。また、磁性粒子6502の平均粒径が小さくなると、磁気特性が低下してしまうので好ましくない。また、再粉砕によって微粉量が増加するので、磁性粉6501の流動性が低下し、そのために、金型への充填性が低下する。このような不具合をなくしつつ磁性粉6501の密度を向上させるためには、本発明のように、ターブラーミキサーを用いて、磁性粒子6502同士、又は、磁性粒子6502とメディアの混合剤を攪拌することがもっとも有効な手段である。希土類磁石粉末の真比重は、約7.5g/cm3であり、理論的上限はこの数値であるが、実際には4.0g/cm3を超えるものは、現時点の技術では得られない。
磁性粉6501は、高磁力化(13MGOe以上)が可能な希土類磁性体よりなる磁性粒子6502で構成されている。希土類磁性体は、好ましくは、希土類元素と遷移金属とを含む合金よりなる次の(1)〜(3)のものであるが、特に、(1)が好ましい。
(1)R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種である)と、Feを主とする遷移金属と、Bとを基本成分とするもの(R−Fe−B系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、Nd−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金、及び、これらにおけるFeの一部をCo、Niなどのほかの遷移金属で置換したものがあげられる。
(2)Smを主とする希土類元素と、Coを主とする遷移金属と、を基本成分とするもの(Sm−Co系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、SmCo5 、及び、Sm2 TM17(TMは遷移金属)があげられる。
(3)Smを主とする希土類元素と、Feを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素と、を基本成分とするもの(Sm−Fe−N系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Sm2TM17合金を窒化して作製したSm2Fe17N3があげられる。
前記希土類元素としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、遷移金属としては、Fe、Co、Niなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、磁気特性を向上させるために、磁性粉151には、必要に応じ、B、Al、Mo、Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Zn等を含有させることもできる。
磁性粉6501を構成する磁性粒子6502の体積平均粒径は、好ましくは、80〜150μmであり、さらに好ましくは、90〜140μmである。
図12に示されているように、前記磁性粉6501を構成する磁性粒子6502の表面の少なくとも一部は、ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層6504を有している。このように、前記磁性粉6501を構成する磁性粒子6502の表面の少なくとも一部が、ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層6504を有していると、圧縮成形用磁石コンパウンド650Bとしたときに、前記ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物がプラスに帯電しやすくなって、該被覆層6504を有する磁性粒子6502が、結合樹脂となる熱可塑性樹脂微粒子6503との静電気的な付着力が強くなり、そのために、圧縮成形用磁石コンパウンド650Bを金型に充填する際に加わる負荷により、熱可塑性樹脂微粒子6503が遊離して飛散することがほとんどなくなる。
前記圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bにおける熱可塑性樹脂微粒子6503の平均粒径は、好ましくは、前記磁性粉6501の磁性粒子6502の平均粒径の1/10以下である。このように、前記圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bにおける熱可塑性樹脂微粒子6503の平均粒径が、前記磁性粉6501の磁性粒子6502の1/10以下であると、磁石成形体の成形密度を高くすることが可能になり、そのために、磁気特性を向上させることができる。
前記圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bにおける熱可塑性樹脂微粒子6503は、好ましくは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。このように、前記圧縮成形用磁石コンパウンド650A、650Bにおける熱可塑性樹脂微粒子6503が乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子であると、圧縮成形物の高密度化が可能になり、そのために、磁気特性をさらに向上させることができる。また、このように、球状の微粒子とすると、磁性粉への被覆面積が向上するので、磁石成形体表面への磁性粉の露出面積が低減でき、そのために、防錆効果が生じる。
前記熱可塑性樹脂微粒子6503を構成する「熱可塑性樹脂」は、例えば、ポリスチレン、ポリクロロエチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン系化合物及びその置換体よりなる単重合体、並びに、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル重合体、スチレン−ビニルメチルケトン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体があげられる。また、前記「熱可塑性樹脂」は、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシポリオール系樹脂等の樹脂であってもかまわない。これらの樹脂は、1種又は2種以上混合して使用することができる。
前記熱可塑性樹脂微粒子6503は、結合樹脂(バインダー)として用いられるものであるが、例えば、ポリエステル、ポリオ−ル等の熱可塑性樹脂に帯電制御剤(CCA)、顔料、低軟化点物質(ワックス)を分散混合し、その周囲にシリカ、酸化チタン等の物質を外添して、流動性を高めたものである。顔料の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、5〜10wt%である。帯電制御剤は、磁石粒子と熱可塑性樹脂微粒子の分散性を向上するために添加される。帯電制御剤の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、0.5〜10wt%である。離型剤は、成形後の型離れ性を良くするために添加される。離型剤の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、2〜10wt%である。この熱可塑性樹脂微粒子6503は、マイナスに帯電しやすく、かつ流動性に優れるので、磁性粉との静電気的付着力に優れ、磁石粒子間の隙間を埋めることが十分可能になる。
前記熱可塑性樹脂微粒子6503には、外添剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セルウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、及び、シリカを挙げることができる。外添剤の粒径は、通常0.1〜1.5μmの範囲であり、添加量としては、外添前100重量部に対し、好ましくは、0.01〜10重量部、さらに好ましくは、0.05〜5重量部である。これらの外添剤は、単独で用いてもよいが、複数を併用しても構わない。また、これらの外添剤は、好ましくは、疎水化処理されたものである。
前記顔料は、例えば、カ−ボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、カ−ミン等を挙げることができる。
また、前記熱可塑性樹脂微粒子6503には、その内部に低軟化物質を内添することも可能である。かかる低軟化物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等をあげることができる。この様な低軟化物質を添加する場合は、5〜30質量%程度添加することが好ましい。
前記希土類マグネットブロック65は、最高磁束密度が100〜130mTとなり、最高磁束密度が80〜120mTの従来のプラスチックマグネットよりも高磁力化(13〜16MGOe)となっている。
図13は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1を示し、前記画像形成装置1は、光書き込み手段11と、転写装置12と、定着装置13と、前記した現像剤担持体4を有する現像装置3を備えたプロセスカートリッジ2とを有している。前記光書き込み手段11は、前記帯電ローラ22により帯電された前記感光体ドラム23の外周面に静電潜像を形成する。該静電潜像は、前記プロセスカートリッジ2の現像装置3のトナーにより現像されて、前記転写装置12により転写材としての転写紙上に転写される。前記定着装置13は、前記転写紙上に転写されたトナー像を定着させるようになっている。
本発明においては、前記画像形成装置1が、前記した現像剤担持体4を有する現像装置3を備えたプロセスカートリッジ2を有しているので、画像形成装置1全体を小型に構成することができる。また、画像形成装置1の現像剤担持体4のマグネットローラ6が、小径であっても、高磁力で、剛性に優れているので、十分な量の現像剤を搬送することができ、そのために、濃度ムラのない高画質な画像を得ることができる。
前記した実施形態には、本発明の代表的な実施形態を示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々変形することができる。
(実施例1)
ローラ本体部の内部の全長にわたって、直径が1.0mm、1.5m、2.0mmの磁性金属材料で断面形状が円形の棒状の補強部材を、それぞれ、4本均等に配置して金型で位置決めを行い、異方性のSrフェライト粉に6PAを混合したプラスチックマグネット材料(戸田工業製、TP−S68)を用いて、樹脂温度300℃、配行磁場0.7T中において磁場中射出成形を行うことにより、外周面軸方向に幅3mm×深さ2.3mmの凹溝を有する直径8.5mm×軸方向長さ313mmの円柱状のマグネットローラとした。異方性Ne−Fe−B系希土類磁石(愛知製鋼製、マグファインMFP−13)を950g秤量し、ポリエステル樹脂100重量部に対して4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添された熱可塑性樹脂を50g秤量し、ターブラーミキサーで22rpm×10minの条件で混練した後、磁性材料(SKS3)で構成された金型のキャビティ(幅2.2mm×高さ10.0mm×軸方向長さ313mm)内に前記材料を12.0g充填し、配向電流として100Aをプレス方向と直行する方向に流しながら400kNのプレス圧力を付与して成形し、その後、3500Vのパルス電圧で金型および得られたマグネットブロックを脱磁してから該マグネットブロックを脱型し、さらに得られたマグネットブロックを100℃で60分焼成して、幅2.8mm×高さ2.2mm×軸方向長さ313mmの希土類マグネットブロックとした。得られた希土類マグネットブロックをマグネットローラの凹溝内に配置固定し、ローラの周方向に着磁して、着磁したマグネットローラとした。アルミ材料(A6063)から構成される円筒体の表面を粗面化処理(電磁ブラスト加工)して、現像スリーブとした。そして、現像スリーブの内側にマグネットローラを配設して、現像剤担持体を得た。
(実施例2)
ローラ本体内部の全長にわたって、一辺が1.0mm、1.5m、2.0mmの磁性金属材で断面形状が四角形の棒状の補強部材を、それぞれ、4本均等に配置して金型で位置決めを行った以外は、実施例1と同様にして、現像剤担持体を得た。
(実施例3)
ローラ本体内部の全長にわたって、一辺が1.0mm、1.2m、1.4mmの磁性金属材で断面形状が六角形の棒状の補強部材を、それぞれ、4本均等に配置して金型で位置決めを行った以外は、実施例1と同様にして、現像剤担持体を得た。
(実施例4)
断面形状が円形、四角形、六角形のそれぞれの補強部材に、その軸方向に向けて複数の膨出部を設けた以外は、実施例1と同様にして、現像剤担持体を得た。
(比較例)
ローラ本体内部の全長にわたって補強部材を配置していない以外は、実施例1と同様にして、現像剤担持体を得た。
以上、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、及び、比較例で得られた現像剤担持体を構成するマグネットローラについて、剛性の測定を行った。剛性の計測方法は、マグネットローラの軸方向中心位置に100gの荷重を与えて、そのときの変位をてこ式ダイヤルゲージで計測した。
実施例1では、補強部材の直径が1.0mmの場合、比較例より剛性が1.3倍向上することが確認できた。また、補強部材の直径が増すにつれて剛性が向上することが確認できた。
実施例2では、補強部材の一辺が1.0mmの場合、比較例より剛性が1.4倍向上することが確認できた。また、補強部材の一辺の長さが増すにつれて剛性が向上することが確認できた。
実施例3では、補強部材の一辺が1.0mmの場合、比較例より剛性が1.5倍向上することが確認できた。また、補強部材の一辺の長さが増すにつれて剛性が向上することが確認できた。
実施例4では、補強部材に、その軸方向に向けて複数の膨出部を設けたので、マグネットローラの曲げ剛性を高めることができるとともに、マグネットローラを射出成形によって成形する際のマグネットローラ6の形状変化を抑えることができ、マグネットローラの剛性を十分に確保することができることが確認できた。