JP2008216912A - 高強度長尺希土類磁石成形体、マグネットローラ、現像剤担持体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

高強度長尺希土類磁石成形体、マグネットローラ、現像剤担持体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高磁力を維持しつつ、強度を向上させて折れにくくして、小型化できるようにした高強度長尺希土類磁石成形体を低コストで提供する。
【解決手段】希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形して高強度長尺希土類磁石成形体141とする。この高強度長尺希土類磁石成形体141は、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状又は円柱状の磁界発生手段140の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されてマグネットローラとされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置において用いられる高強度長尺希土類磁石成形体、マグネットローラ、現像剤担持体(現像ローラ)、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置には、トナーと磁性キャリアとを含んだ所謂二成分現像剤(以下、「現像剤」という。)を用いて画像を形成する種々の現像装置(特許文献1を参照。)が用いられている。この種の現像装置は、現像剤を静電潜像担持体としての感光体ドラムに対向する現像領域に搬送し、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像剤により現像して、トナー像を形成する磁性粒子担持体としての現像ローラを備えている。
この現像ローラは、円筒状に形成された非磁性材料で構成された円筒体(現像スリーブ)と、前記現像スリーブ内に収容され且つ当該現像スリーブの表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する現像剤担持体(現像ローラ)と、を備えている。この現像ローラでは、磁性キャリアがマグネットローラで生じる磁力線に沿うように現像スリーブ上に穂立ちするが、この穂立ちした磁性キャリアにトナーが付着する。
近年、電子複写機及びプリンタのカラー化が進んでいるが、カラー複写機には通常4つの現像装置が必要となるので、機械の小型化のために現像装置にも小型化が望まれている。現像装置を小型化するためには、当然、現像ローラも小型化する必要があるが、以下に示すような問題があった。
即ち、
1)現像剤の感光体への付着を防止するためには、現像主極及び隣接極に高い磁力(通常、現像ローラ上で100mT以上)が必要となるが、小型の現像ローラでは、マグネット体積が小さくなるので、高磁力化が難しいこと、
2)現像ローラにおいて、このようなマグネット体積の減少分を補うために、軸部を胴部のマグネット材料と同一材料で構成することが考えられるが、軸部を胴部のマグネット材料と同一材料で構成すると、剛性が不足するので、ソリや振れなどが大きくなり、そのために、現像ローラの高精度化が難しくなること、
3)小径の現像ローラの場合には、現像ローラの表面からの距離による磁力変化率が大きいので、現像ローラ上に安定して現像剤を吸引することが難しくなること、
といった問題があった。
このような問題を解決するために、擬似的に多極配向をおこなって、一体構造ながら多極配置の磁極形成を可能にする技術(特許文献2を参照。)が提案されたが、この技術には、現像担持体(現像ローラ)上で90mT程度しか主極の磁力が得られないこと、擬似的に多極構成とするために金型構造が煩雑になること、といった問題点があった。
また、等方性のフェライトプラスチックマグネットロールの一部にマグネットブロックを貼り付ける技術(特許文献3を参照。)が提案されているが、この技術では、現像主極以外の磁束密度を達成することが困難であるので、2成分現像装置に用いることは困難であり、そのために、カラー用の電子写真装置に用いることは困難である、といった問題点があった。
また、マグネットコンパウンドを押出し成形してパイプ状の磁界発生手段を成形し、このパイプ状の磁界発生手段に芯金を挿入した上で希土類マグネットを埋め込む技術(特許文献4を参照。)が提案されているが、この技術では、外径が小さくなってくるとマグネットの体積が十分に得られないので、高磁力を得ることが困難である、といった問題点があった。
また、本発明者らは、軸一体構造としたマグネットローラにおいて、一方向に磁気異方性を持つ磁化発生手段とし、かつ、その円周上の少なくとも一箇所に希土類マグネットブロックを貼り付けたマグネットローラを提案したが、このマグネットローラによれば、高磁力化の課題は解決できるが、磁界発生手段が小径で長尺であるので、反りやすく、そのために、高精度化を達成することが困難である、という問題点があった。
また、本発明者らは、軸一体構造の磁化発生手段の内部に補強部材として金属部材を一体成形して、磁界発生手段の強度アップを図り、高精度化(反りの改善)を図っているが、磁界発生手段と金属部材の熱収縮率の違いが大きいので、十分な反りの改善には至っていないのが実情である。
さらに、希土類磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子から構成される磁石コンパウンドを磁場中で圧縮成形して長尺磁石成形体とする技術、即ち、長尺磁石成形体の高磁力化に係る技術(特許文献5を参照。)が提案されているが、この技術では、粉体の磁石コンパウンドを圧縮成形しているので、強度が低く、マグネットローラに貼り付ける際に折れてしまうという問題があった。
特開2000−347506号公報 特公平5−33802号公報 特開2000−68120号公報 特開2002−251072号公報 特開2006−173170号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、高磁力を維持しつつ、強度を向上させて折れにくくして、小型化できるようにした高強度長尺希土類磁石成形体、その高強度長尺希土類磁石成形体を表面の溝に配置した磁性粒子担持体、その磁性粒子担持体を内包した現像剤担持体、その現像剤担持体を有するプロセスカートリッジ、及び、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置を低コストで提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形してなることを特徴とする高強度長尺希土類磁石成形体である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されていることを特徴とするマグネットローラである。
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円柱状の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されていることを特徴とするマグネットローラである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記円柱状の磁界発生手段の外径が、10mm以下であり、そして、その荷重と変位との関係を表す傾きが、100μm/N以下であることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、複数の固定磁極を表面部分に有する円筒状又は円柱状の磁界発生手段と、前記磁界発生手段の軸と同軸上に内包する形で配置された回転可能な非磁性材料で構成される中空体と、とからなる現像剤担持体において、
前記磁界発生手段の表面には、その長手方向に伸びる凹状の溝が少なくとも1つ設けられ、
前記凹状の溝には、前記磁界発生手段よりも高磁束密度を有する高強度長尺希土類磁石成形体が設けられ、そして、
前記高強度長尺希土類磁石成形体が、希土類元素を含んだ磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するコンパウンドによる地場中における圧縮成形又は射出成形によって形成されている
ことを特徴とする現像剤担持体である。
請求項6に記載された発明は、現像剤担持体、現像剤供給部材、及び、現像剤規制部材を少なくとも有する現像装置、並びに、像担持体及び帯電ローラを有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤担持体として、請求項5に記載の現像剤担持体を有していることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項7に記載された発明は、プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写部材、及び、定着装置を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジとして、請求項6に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形してなる高強度長尺希土類磁石成形体であるので、希土類元素を含んだ磁性粉間の空隙に合成樹脂接着剤が入り込み、さらには、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂が入り込んで結合し、そのために、高磁力を維持しつつ、強度を向上させて折れにくくして、小型化できるようにした高強度長尺希土類磁石成形体を低コストで提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されている磁性粒子担持体であるので、高磁力のマグネットローラとすることができ、しかも、かかるマグネットローラに前記高強度長尺希土類磁石成形体を貼り付ける際に折れてしまうという不具合が生じることがなく、それらのために、高磁力を維持しつつ、マグネットローラの生産性を向上させることができると共に、低コスト化、破損品の破棄量低減等を図ることができる。また、請求項2に記載された発明によれば、従来の長尺希土類磁石成形体よりも高強度になるので、長尺希土類磁石成形体の更なる小型化が可能になり、そのために、マグネットローラの小型化及び低コスト化が可能になる。さらに、請求項2に記載された発明によれば、磁場中で圧縮成形した高強度長尺希土類磁石成形体は、高磁力が要求されるマグネットローラに使用でき、これに対して、磁場中で射出成形した高強度長尺希土類磁石成形は、前記磁場中で圧縮成形した高強度長尺希土類磁石成形体よりも強度が高くなり、より高強度が要求されるマグネットローラに使用できる。それ故、これらの高強度長尺希土類磁石成形体は、各々、スペックに見合った使い分けが可能になる。
請求項3に記載された発明によれば、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円柱状の磁界発生手段、即ち、軸一体型の磁界発生手段、の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されているマグネットローラとしたので、請求項2に記載された円筒状の磁界発生手段の効果に加えて、マグネットローラの反りを防止することができるという効果を期待することができ、そのために、いっそう、高精度化を達成することができる。一般的に、軸一体型の磁界発生手段は、射出成形された後、成形金型外に取り出されてからの冷却工程で反りやすいが、射出成形後であって冷却される前に高強度長尺希土類磁石成形体を前記軸一体型の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置してマグネットローラとすると、いっそう、高精度化を達成したマグネットローラとすることができる。また、請求項3に記載された発明によれば、高強度長尺希土類磁石成形体が、円柱状の磁界発生手段、即ち、軸一体型の磁界発生手段、の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されているので、いっそう高磁力を得ることができる。
請求項4に記載された発明によれば、前記円柱状の磁界発生手段の外径が、10mm以下であり、そして、その荷重と変位との関係を表す傾きが、100μm/N以下であるので、従来のマグネットローラよりも、マグネットローラの剛性が増して、自重や現像装置内で受ける磁気力による撓みや変形が少なく、そのために、現像スリーブの内面と当接あるいは接触することがなく、よって、現像スリーブの内部でマグネットローラが削れて、現像スリーブが回転しなくなる(いわゆるロックする)という不具合が生じなくなり、マグネットローラとしての機能を長期に渡って発現することができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記磁界発生手段の表面には、その長手方向に伸びる凹状の溝が少なくとも1つ設けられ、前記凹状の溝には、前記磁界発生手段よりも高磁束密度を有する高強度長尺希土類磁石成形体が設けられ、そして、前記高強度長尺希土類磁石成形体が、希土類元素を含んだ磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するコンパウンドによる地場中における圧縮成形又は射出成形によって形成されている現像剤担持体としたので、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像剤担持体(現像ローラ)を有するために小型化、高画質化が可能となる現像剤担持体とすることができる。
請求項6に記載された発明によれば、現像剤担持体、現像剤供給部材、及び、現像剤規制部材を少なくとも有する現像装置、並びに、像担持体及び帯電ローラを有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤担持体として、請求項5に記載の現像剤担持体を有していることを特徴とするプロセスカートリッジであるので、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像ローラを有するために小型化、高画質化が可能となるプロセスカートリッジとすることができる。
請求項7に記載された発明によれば、プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写部材、及び、定着装置を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジとして、請求項6に記載のプロセスカートリッジを有している画像形成装置であるので、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像ローラを有するために小型化、高画質化が可能となる画像形成装置とすることができる。
図1は、本発明の一実施形態を示す高強度長尺希土類磁石成形体の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態を示すマグネットローラの横断面図である。図3は、本発明の他の一実施形態を示すマグネットローラの縦断面図である。図4は、本発明の他の一実施形態を示すマグネットローラの横断面図である。図5は、プロセスカートリッジの横断面図である。図6は、画像形成装置の正面図である。
図1に示されているように、本発明の高強度長尺希土類磁石成形体141は、希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形してなるものである。このように、高強度長尺希土類磁石成形体141が、希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形してなるものであると、希土類元素を含んだ磁性粉間の空隙に合成樹脂接着剤が入り込み、さらには、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂が入り込んで結合し、そのために、高磁力を維持しつつ、強度を向上させて折れにくくして、小型化できるようにした高強度長尺希土類磁石成形体を低コストで提供することができる。
高強度長尺希土類磁石成形体141は、磁石コンパウンドを磁場中でプレス金型内に充填し、圧縮成形することにより得る。磁石コンパウンドの圧縮成形では、結合樹脂が少量で成形可能であるので、磁性粉の配合比率を高めることができ、そのために、高強度長尺希土類磁石成形体141の成形密度を高めることができる。それ故、圧縮成形は、高磁力化には優れた工法といえる。しかし、圧縮成形は、結合樹脂の量が少ないので、強度は不足する傾向がある。
また、高強度長尺希土類磁石成形体141は、磁石コンパウンドを磁場中で射出成形して得られる。射出成形は、圧縮成形よりも結合樹脂の量が多く必要となり、磁性粉の配合比率を高めにくい。また、射出成形は、結合樹脂を高温で溶融させるので、希土類元素を含んだ磁性粉は熱減磁するので、高磁力の点からは、圧縮成形に劣る。しかし、結合樹脂の量が多く、溶融固化させているため結合力は強く、強度アップには優れた工法といえる。
圧縮成形される磁石コンパウンドは、角のとれた平均粒径80〜150μmの磁性粒子で構成される磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子と、ガラス繊維あるいはガラス繊維を含む樹脂を有している。そして、磁性粒子の表面の少なくとも一部は、ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層を有している。このように、磁石コンパウンドが、磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子とを有していると、磁性粒子と熱可塑性樹脂微粒子とを攪拌・混合する際に、摩擦帯電によって磁性粒子がプラスに帯電すると共に、熱可塑性樹脂微粒子がマイナスに帯電するので、熱可塑性樹脂微粒子が磁性粒子の表面に静電気的な付着力によって付着した状態となって、成形されるマグネットブロックにおける磁性粒子の配向が向上し、そのために、マグネットブロックの磁気特性が向上する。また、金型に充填する際に加わる負荷により、熱可塑性樹脂微粒子が遊離して飛散することがほとんどなくなり、配向磁場における磁性粒子の配向性を大きくしてマグネットブロックの磁気特性を向上させると共に、磁束密度のばらつきを小さくしたマグネットブロックとすることができ、しかも、圧縮成形の際の熱減磁を抑制することができる。
圧縮成形された磁石コンパウンドは、その後加熱されて、熱可塑性樹脂微粒子が溶融することで磁性粉との結合力が増大する。ここにガラス繊維あるいはガラス繊維を含む樹脂が網目状に入り込むので、更に結合力が向上し、高強度長尺希土類磁石成形体141を得ることができる。磁石コンパウンドにおける磁性粉の配合比率は、好ましくは、90〜99wt%であり、さらに好ましくは、92〜97wt%である。磁性粉の含有量が少なすぎると、磁気特性の向上が図れず、また、磁性粉の含有量が多すぎると、結合樹脂の含有量が少なくなり、マグネットブロックの成形性が低下(割れなどの発生)する。
射出成形される磁石コンパウンドは、角のとれた平均粒径80〜150μmの磁性粒子で構成される磁性粉と熱可塑性樹脂と、ガラス繊維あるいはガラス繊維を含む樹脂を有している。射出成形では、溶融した熱可塑性樹脂内に、希土類元素を含んだ磁性粉とガラス繊維あるいはガラス繊維を含む樹脂が分散した状態で成形され、冷却固化される。このときガラス繊維あるいはガラス繊維を含む樹脂が網目状に入り込むので、更に結合力が向上し、高強度な希土類マグネットブロックを得ることができる。磁石コンパウンドにおける磁性粉の配合比率は、好ましくは、80〜95wt%であり、さらに好ましくは、87〜93wt%である。磁性粉の含有量が少なすぎると、磁気特性の向上が図れず、また、磁性粉の含有量が多すぎると流動性が低下して射出成形されにくくなる。
ガラス繊維は、大きく短繊維と長繊維に分類されるが、高強度を得るには長繊維が好ましい。ガラス繊維の長さや径、含有量によって、強度と磁力は変化するため適量を混合するのが好ましい。高強度を得るには、長さは好ましくは50μm〜20mmであり、さらに好ましくは2mm〜13mmである。ガラス繊維の径は、好ましくは、2〜50μmであり、さらに好ましくは、5〜20μmである。ガラス繊維の含有量は、好ましくは、0.5〜20wt%であり、更に好ましくは、1〜13wt%である。
ガラス繊維を含む樹脂の場合にも、高強度を得るには長繊維から構成される樹脂が好ましい。長さは好ましくは50μm〜20mmであり、さらに好ましくは2mm〜13mmである。ガラス繊維の径は、好ましくは、2〜50μmであり、さらに好ましくは、5〜20μmである。ガラス繊維の含有量は、好ましくは、0.5〜20wt%であり、更に、好ましくは、1〜13wt%である。
磁性粉は、角の取れた平均粒径80〜150μmの磁性粒子で構成されている。そして、その嵩密度は、3.3g/cm3 〜4.0g/cm3 に調整されている。嵩密度は、磁性粉485gを100ccの金属容器に漏斗を介して山盛りに充填し、その容器上面に沿って擦り切した後に重量を計測し、次に、この測定した重量を容積100ccで割った値とする。このように、角の取れた磁性粒子で構成された磁性粉であって、その嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cm3 に調整されていると、高磁力であって、且つ、長尺であっても磁束密度のばらつきを小さくした圧縮成形によるマグネットブロックとすることができる。
前記嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cm 3に調整された磁性粉が、角張った磁性粒子同士の衝突、又は、角張った磁性粒子と該角張った磁性粒子よりも高硬度の物質で構成される粒子との衝突によって形成されている。このように、前記嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cm3 に調整された磁性粉が、角張った磁性粒子同士の衝突、又は、角張った磁性粒子と該角張った磁性粒子よりも高硬度の物質で構成される粒子との衝突によって形成されていると、調整前の磁性粉個々の角が容易に取リ除かれて球形に近い形状になり、そのために、調整前の磁性粉の嵩密度が3.3g/cm3 以下であっても、嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cm3 に調整された磁性粉を容易に得ることができる。
磁性粉は、それを構成する平均粒径80〜150μmの磁性粒子同士の接触面積が大きくなるので、嵩密度が大きくなる。嵩密度が大きいほどマグネットブロックの磁束密度が高くなるのは、平均粒径80〜150μmの磁性粒子が金型に密に充填されて成形されるマグネットブロックの成形密度を高くすることができると同時に、該磁性粒子が球形に近い形状であるために磁場配向時の磁性粉の回転が阻害されにくくなって磁化容易軸の向きがそろいやすくなるからである。磁性粉の嵩密度が3.3g/cm3 未満であると、所定の高い磁束密度が得られず、また、磁性粉の嵩密度が4.0g/cm3 を越えるものは、現時点の技術では得られない。したがって、磁性粉の嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cmcm3 であると、所定の高い磁束密度が得られる。
一般的に磁性粉の再粉砕には、アトライター粉砕機、ジェットミル粉砕機等の粉砕機、及び、ヘンシェルミキサー等の攪拌機が使用されている。しかし、これらの再粉砕に使用される粉砕機及び攪拌機は、磁性粉を構成する磁性粒子を細かく粉砕してしまうので、該磁性粒子の平均粒径が小さくなってしまう。また、磁性粒子の平均粒径が小さくなると、磁気特性が低下してしまうので好ましくない。また、再粉砕によって微粉量が増加するので、磁性粉の流動性が低下し、そのために、金型への充填性が低下する。このような不具合をなくしつつ磁性粉の密度を向上させるためには、ターブラーミキサーを用いて、磁性粒子同士、又は、磁性粒子とメディアの混合剤を攪拌することがもっとも有効な手段である。希土類磁石粉末の真比重は、約7.5g/cm3 であり、理論的上限はこの数値であるが、実際には4.0g/cm3 を超えるものは、現時点の技術では得られない。
磁性粉は、高磁力化(13MGOe以上)が可能な希土類磁性体よりなる磁性粒子で構成されている。希土類磁性体は、好ましくは、希土類元素と遷移金属とを含む合金よりなる次の1)〜3)のものであるが、特に、1)が好ましい。
1)R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種である)と、Feを主とする遷移金属と、Bとを基本成分とするもの(R−Fe−B系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、Nd−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金、及び、これらにおけるFeの一部をCo、Niなどのほかの遷移金属で置換したものがあげられる。
2)Smを主とする希土類元素と、Coを主とする遷移金属と、を基本成分とするもの(Sm−Co系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、SmCo5 、及び、Sm2 TM17(TMは遷移金属)があげられる。
3)Smを主とする希土類元素と、Feを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素と、を基本成分とするもの(Sm−Fe−N系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Sm2 TM17合金を窒化して作製したSm2 Fe17N3 があげられる。
前記希土類元素としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、遷移金属としては、Fe、Co、Niなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、磁気特性を向上させるために、磁性粉には、必要に応じ、B、Al、Mo、Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Zn等を含有させることもできる。
磁性粉を構成する磁性粒子の体積平均粒径は、好ましくは、80〜150μmであり、さらに好ましくは、90〜140μmである。前記平均粒径の測定は、シスメックス株式会社製のMastersizer2000のDRYユニットで測定される。
熱可塑性樹脂微粒子の平均粒径は、好ましくは、前記磁性粉の磁性粒子の平均粒径の1/10以下である。このように、平均粒径が、前記磁性粉の磁性粒子の1/10以下であると、磁石成形体の成形密度を高くすることが可能になり、そのために、磁気特性を向上させることができる。熱可塑性樹脂微粒子は、好ましくは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。このように、熱可塑性樹脂微粒子が乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子であると、圧縮成形物の高密度化が可能になり、そのために、磁気特性をさらに向上させることができる。また、このように、球状の微粒子とすると、磁性粉への被覆面積が向上するので、磁石成形体表面への磁性粉の露出面積が低減でき、そのために、防錆効果が生じる。
前記熱可塑性樹脂微粒子を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリスチレン、ポリクロロエチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン系化合物及びその置換体よりなる単重合体、並びに、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル重合体、スチレン−ビニルメチルケトン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体があげられる。また、前記「熱可塑性樹脂」は、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシポリオール系樹脂等の樹脂であってもかまわない。これらの樹脂は、1種又は2種以上混合して使用することができる。
前記熱可塑性樹脂微粒子は、前述したように、結合樹脂(バインダー)として用いられるものであるが、例えば、ポリエステル、ポリオ−ル等の熱可塑性樹脂に帯電制御剤(CCA)、顔料、低軟化点物質(ワックス)を分散混合し、その周囲にシリカ、酸化チタン等の物質を外添して、流動性を高めたものである。顔料の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、5〜10wt%である。帯電制御剤は、磁石粒子と熱可塑性樹脂微粒子の分散性を向上するために添加される。帯電制御剤の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、0.5〜10wt%である。離型剤は、成形後の型離れ性を良くするために添加される。離型剤の添加量は、1〜20wt%、好ましくは、2〜10wt%である。この「熱可塑性樹脂微粒子153」は、マイナスに帯電しやすく、かつ流動性に優れるので、磁性粉との静電気的付着力に優れ、磁石粒子間の隙間を埋めることが十分可能になる。
前記熱可塑性樹脂微粒子には、外添剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セルウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、及び、シリカを挙げることができる。外添剤の粒径は、通常0.1〜1.5μmの範囲であり、添加量としては、外添前100重量部に対し、好ましくは、0.01〜10重量部、さらに好ましくは、0.05〜5重量部である。これらの外添剤は、単独で用いてもよいが、複数を併用しても構わない。また、これらの外添剤は、好ましくは、疎水化処理されたものである。
前記顔料は、例えば、カ−ボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、カ−ミン等を挙げることができる。
また、前記熱可塑性樹脂微粒子には、その内部に低軟化物質を内添することも可能である。かかる低軟化物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等をあげることができる。この様な低軟化物質を添加する場合は、5〜30質量%程度添加することが好ましい。
高強度長尺希土類磁石成形体141は、最高磁束密度が100〜130mTの最高磁束密度が80〜120mTの従来のプラスチックマグネットよりも高磁力化(13〜16MGOe)となっている。
図2に示すように、本発明のマグネットローラ133においては、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体141が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状の磁界発生手段140の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置されている。このように、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体141が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状の磁界発生手段140の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置されていると、高磁力のマグネットローラ133とすることができ、しかも、かかるマグネットローラ133に前記高強度長尺希土類磁石成形体141を貼り付ける際に折れてしまうという不具合が生じることがなく、それらのために、高磁力を維持しつつ、マグネットローラ133の生産性を向上させることができると共に、低コスト化、破損品の破棄量低減等を図ることができる。また、請求項2に記載された発明によれば、従来の長尺希土類磁石成形体141よりも高強度になるので、高強度長尺希土類磁石成形体141の更なる小型化が可能になり、そのために、マグネットローラ133の小型化及び低コスト化が可能になる。さらに、請求項2に記載された発明によれば、磁場中で圧縮成形した高強度長尺希土類磁石成形体141は、高磁力が要求されるマグネットローラ133に使用でき、これに対して、磁場中で射出成形した高強度長尺希土類磁石成形体141は、前記磁場中で圧縮成形した高強度長尺希土類磁石成形体141よりも強度が高くなり、より高強度が要求されるマグネットローラ133に使用できる。それ故、これらの高強度長尺希土類磁石成形体141は、各々、スペックに見合った使い分けが可能になる。図2において、143は芯軸である。
図3,4に示すように、本発明のマグネットローラ133においては、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体141が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円柱状の磁界発生手段140、即ち、軸一体型の磁界発生手段140、の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置されている。このように、請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体141が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円柱状の磁界発生手段140、即ち、軸一体型の磁界発生手段140面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置されているマグネットローラ133としたので、請求項2に記載された円筒状の磁界発生手段140の効果に加えて、マグネットローラ133の反りを防止することができるという効果を期待することができ、そのために、いっそう、高精度化を達成することができる。一般的に、軸一体型の磁界発生手段140は、射出成形された後、成形金型外に取り出されてからの冷却工程で反りやすいが、射出成形後であって冷却される前に高強度長尺希土類磁石成形体141を前記軸一体型の磁界発生手段140の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置してマグネットローラ133とすると、いっそう、高精度化を達成したマグネットローラ133とすることができる。また、請求項3に記載された発明によれば、高強度長尺希土類磁石成形体141が、円柱状の磁界発生手段140、即ち、軸一体型の磁界発生手段140、の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝142に配置されているので、いっそう高磁力を得ることができる。
本発明においては、前記円柱状の磁界発生手段140の外径は、好ましくは、10mm以下であり、そして、その荷重と変位との関係を表す傾きは、好ましくは、100μm/N以下である。このように、前記円柱状の磁界発生手段140の外径が、10mm以下であり、そして、その荷重と変位との関係を表す傾きが、100μm/N以下であると、従来のマグネットローラよりも、マグネットローラ133の剛性が増して、自重や現像装置内で受ける磁気力による撓みや変形が少なく、そのために、現像スリーブ132の内面と当接あるいは接触することがなく、よって、現像スリーブ132の内部でマグネットローラ133が削れて、現像スリーブ132が回転しなくなる(いわゆるロックする)という不具合が生じなくなり、マグネットローラ133としての機能を長期に渡って発現することができる。
図5に示されているように、高強度長尺希土類磁石成形体141は、前述した静電潜像担持体(気感光体ドラム)108と相対している。この高強度長尺希土類磁石成形体141は、現像磁極をなしており、現像スリーブ132、即ち、現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像スリーブ132と感光体ドラム108との間に磁界を形成する。この高強度長尺希土類磁石成形体141は、該磁界によって磁気ブラシを形成することで、現像スリーブ132の外表面に吸着された現像剤のトナーを感光体ドラム108に受け渡すようになっている。このように、高強度長尺希土類磁石成形体141は、現像スリーブ132の外表面に付着した現像剤のトナーを感光体ドラム108に受け渡す現像領域131を前述した現像スリーブ132の外表面に形成する。
図5に示されているように、本発明の現像剤担持体115は、複数の固定磁極を表面部分に有する円筒状又は円柱状の磁界発生手段140と、前記磁界発生手段140の軸と同軸上に内包する形で配置された回転可能な非磁性材料で構成される中空体(現像スリーブ)132と、とからなる。そして、前記磁界発生手段140の表面には、その長手方向に伸びる凹状の溝142が少なくとも1つ設けられ、前記凹状の溝142には、前記磁界発生手段140よりも高磁束密度を有する高強度長尺希土類磁石成形体141が設けられ、そして、前記高強度長尺希土類磁石成形体141が、希土類元素を含んだ磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するコンパウンドによる地場中における圧縮成形又は射出成形によって形成されてたものとされている。このように、前記磁界発生手段140の表面には、その長手方向に伸びる凹状の溝142が少なくとも1つ設けられ、前記凹状の溝142には、前記磁界発生手段140よりも高磁束密度を有する高強度長尺希土類磁石成形体141が設けられ、そして、前記高強度長尺希土類磁石成形体141が、希土類元素を含んだ磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するコンパウンドによる地場中における圧縮成形又は射出成形によって形成されたものとされていると、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像剤担持体(現像ローラ)を有するために小型化、高画質化が可能となる現像剤担持体115とすることができる。
図5に示されているように、マグネットローラ133は、現像スリーブ132内に収容されている(内包されている)。マグネットローラ133は、円筒状磁石成形体としての円筒状の磁界発生手段140と、長尺磁石成形体としての高強度長尺希土類磁石成形体141を備えている。磁界発生手段140は、磁性材料で構成され、かつ、円筒状に形成されている。磁界発生手段140は、好ましくは、射出磁場成形にて製造したものである。磁界発生手段140は、原料としては、Sr又はBaを含む磁性粉に高分子化合物を混合したプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを用いることが多い。また、磁界発生手段140は、高分子化合物としては、PA6もしくはPA12等のPA系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)・EVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料が使用できる。
図5に示すように、磁界発生手段140には、溝142が設けられているとともに、図示しない固定磁極が形成されている。溝142は、勿論、磁界発生手段140の外周面から凹に形成されているとともに、断面矩形状に形成されている。溝142は、磁界発生手段140の長手方向に沿って直線状に延在しているとともに、該磁界発生手段140の全長に亘って設けられている。溝142は、感光体ドラム108と相対する位置に設けられている。磁界発生手段140に設けられた固定磁極は、該磁界発生手段140の一部がN極又はS極に直されて形成されている。固定磁極は、磁界発生手段140の長手方向に沿って延在しているとともに、該磁界発生手段140の全長に亘って設けられている。一つの固定磁極は、前述した攪拌スクリュー118と相対している。前記一つの固定磁極は、汲み上げ磁極をなしており、現像スリーブ132、即ち、現像剤担持体115の外表面上に磁気力を生じて、収容槽117の第2空間121内の現像剤を現像スリーブ132の外表面に吸着する。前述した汲み上げ磁極と前述した溝142との間には、少なくとも一つの固定磁極が設けられている。この少なくとも一つの固定磁極は、現像スリーブ132、即ち、現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像前の現像剤を感光体ドラム108に向けて搬送する。
前述した固定磁極及び後述する高強度長尺希土類磁石成形体141は、現像スリーブ132の外表面に現像剤を吸着すると、現像剤の磁性キャリアが該固定磁極で生じる磁力線に沿って複数重ねさせて、該現像スリーブ132の外表面上に立設(穂立ち)させる。このように、磁性キャリア135が磁力線に沿って複数重なって現像スリーブ132の外表面上に立設する状態を、磁性キャリアが現像スリーブ132の外表面上に穂立ちするという。すると、この穂立ちした磁性キャリアに前述したトナーが吸着する。即ち、現像スリーブ132は、マグネットローラ133の磁力により外表面に現像剤を吸着する。
図5に示されているように、現像剤担持体115、現像剤供給部材114、及び、現像剤規制部材116を少なくとも有する現像装置、並びに、像担持体108及び帯電ローラを有するプロセスカートリッジ106において、前記現像剤担持体115として、請求項5に記載の現像剤担持体115を有しているプロセスカートリッジであるので、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像ローラを有するために小型化、高画質化が可能となるプロセスカートリッジ106とすることができる。図5において、109は、耐電ローラであり、111は、カートリッジケースであり、112は、クリーニングブレードであり、114は、現像剤供給部材であり、116は、規制ブレードであり、119は、仕切り壁であり、120は、第1空間であり、そして、125は、ケースである。
図5,6に示されているように、本発明の画像形成装置101においては、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像、即ち、カラー画像が、一枚の転写材としての記録紙107に形成される。図5においては、イエロー、マゼンダ、シアン、及び、黒の各色に対応するユニット等は、符号の末尾にそれぞれY,M,C、及び、Kが付けられて表示されている。本発明の画像形成装置101は、プロセスカートリッジ106(106Y,106M,106C,106K)、光書き込み手段122Y,122M,122C,122K、転写部材104、及び、定着装置105を少なくとも有している。そして、本発明の画像形成装置101は、前記プロセスカートリッジ106(106Y,106M,106C,106K)として、請求項6に記載のプロセスカートリッジ106を有している。このように、前記プロセスカートリッジ106(106Y,106M,106C,106K)として、請求項6に記載のプロセスカートリッジ106を有していると、小径長尺(φ10以下−A3長さ)であっても、高磁力(現像主極120mT以上)であってかつ剛性(荷重と変位の傾きが100μm/N以下)にも優れたものとなり、また、高精度(振れ50μm以下)な現像剤担持体(現像ローラ)115を有するために小型化、高画質化が可能となる画像形成装置101とすることができる。
装置本体102は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体102は、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kと、複数のプロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)を収容している。給紙ユニット103は、装置本体102の下部に複数設けられている。給紙ユニット103は、前述した記録紙107を重ねて収容するとともに装置本体102に出し入れ自在な給紙カセット123と、給紙ローラ124とを備えている。給紙ローラ124は、給紙カセット123内の一番上の記録紙107に押し当てられている。給紙ローラ124は、前述した一番上の記録紙107を、転写ユニット104の後述する搬送ベルト129と、プロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)の後述する現像装置113の感光体ドラム108との間に送り出す。レジストローラ対110は、給紙ユニット103から転写ユニット104に搬送される記録紙107の搬送経路に設けられており、一対のローラ110a、110bを備えている。レジストローラ対110は、一対のローラ110a、110b間に記録紙107を挟み込み、該挟み込んだ記録紙107を、トナー像を重ね合わせ得るタイミングで、転写ユニット104とプロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)との間に送り出す。
転写ユニット104は、給紙ユニット103の上方に設けられている。転写ユニット104は、駆動ローラ127と、従動ローラ128と、搬送ベルト129と、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kとを備えている。駆動ローラ127は、記録紙107の搬送方向の下流側に配置されており、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される。従動ローラ128は、装置本体102に回転自在に支持されており、記録紙107の搬送方向の上流側に配置されている。搬送ベルト129は、無端環状に形成されており、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との双方に掛け渡されている。搬送ベルト129は、駆動ローラ127が回転駆動されることで、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との回りを図中半時計回りに循環(無端走行)する。
転写ローラ130Y、130M、130C、130Kは、それぞれ、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラム108との間に搬送ベルト129と該搬送ベルト129上の記録紙107とを挟む。転写ユニット104は、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kが、給紙ユニット103から送り出された記録紙107を各プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラム108の外表面に押し付けて、感光体ドラム108上のトナー像を記録紙107に転写する。転写ユニット104は、トナー像を転写した記録紙107を定着ユニット105に向けて送り出す。
定着ユニット105は、転写ユニット104の記録紙107の搬送方向下流に設けられ、互いの間に記録紙107を挟む一対のローラ105a、105bを備えている。定着ユニット105は、一対のローラ105a、105b間に転写ユニット104から送り出されてきた記録紙107を押圧加熱することで、感光体ドラム108から記録紙107上に転写されたトナー像を、該記録紙107に定着させる。
レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ、装置本体102の上部に取り付けられている。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ一つのプロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)に対応している。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、プロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)の後述の帯電ローラ109により一様に帯電された感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。
画像形成装置101は、以下に示すように、記録紙107に画像を形成する。まず、画像形成装置101は、感光体ドラム108を回転して、この感光体ドラム108の外表面を一様に帯電ローラ109により帯電する。感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、該感光体ドラム108の外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域131に位置付けられると、現像装置113の現像スリーブ132の外表面に吸着した現像剤が感光体ドラム108の外表面に吸着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム108の外表面に形成する。そして、画像形成装置101は、給紙ユニット103の給紙ローラ124などにより搬送されてきた記録紙107が、プロセスカートリッジ106(106Y、106M、106C、106K)の感光体ドラム108と転写ユニット104の搬送ベルト129との間に位置して、感光体ドラム108の外表面上に形成されたトナー像を記録紙107に転写する。画像形成装置101は、定着ユニット105で、記録紙107にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置101は、記録紙107にカラー画像を形成する。
(実施例1)
異方性SrフェライトとPA6のコンパウンド(戸田工業製)を用いて、樹脂温度300℃で0.6Tの磁場を一方向に印加しながら射出成形して円柱状成形物とし、この円柱状成形物に0.1Tの磁場を射出時とは逆方向に印加し、脱磁して、外径8.5mm×長さ313mmで外周に幅3mm×深さ2.3mmの溝を有する軸一体型マグネットローラ、即ち、円柱状磁界発生手段を得た。前記溝は入子のキャビ側に凸形状を設けることで具現化した。そして、異方性Ne−Fe−B磁性粉(愛知製鋼製マグファインMF−P13)950gと、熱可塑性樹脂微粒子(ポリエステル樹脂100重量部に対して、4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添されている)50gと、ガラス繊維のチョップドストランドECS03−350(セントラル硝子製)を100g、とをターブラーミキサーで混練した後、金型内に充填し、100Aの配向電流をプレス方向と直行する方向に流しながら、400kNのプレス圧力で磁場中圧縮成形して長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を3500Vのパルス電圧で脱磁した後、長尺希土類磁石成形体を脱型し、これを100℃×60分で焼成した。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
(実施例2)
実施例1と同様にしてマグネットローラを得た。そして、異方性Ne−Fe−B磁性粉(愛知製鋼製マグファインMF−P13)950gと、熱可塑性樹脂微粒子(ポリエステル樹脂100重量部に対して、4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添されている)50gと、ガラス繊維強化樹脂のノバミッド1013G30−1(三菱エンジニアリングプラスチック社製)を167g、とをターブラーミキサーで混練した後、金型内に充填し、100Aの配向電流をプレス方向と直行する方向に流しながら、400kNのプレス圧力で磁場中圧縮成形して、長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を反転脱磁で脱磁し、脱型して長尺希土類磁石成形体を得た。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
(実施例3)
実施例1と同様にしてマグネットローラを得た。そして、希土類マグネットブロックは、異方性Nd−Fe−BとPA12のコンパウンド(戸田工業製)を1000gと、ガラス繊維のチョップドストランドECS03−610W(セントラル硝子製)を100g、とをターブラーミキサーで混練した後、樹脂温度280℃で0.6Tの磁場を一方向に印加しながら金型内に射出成形して長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を反転脱磁で脱磁し、脱型して長尺希土類磁石成形体を得た。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
(実施例4)
実施例1と同様にしてマグネットローラを得た。そして、異方性Nd−Fe−BとPA12のコンパウンド(戸田工業製)を1000gと、ガラス繊維強化樹脂のA1030GFL(ユニチカ製)を167g、とをターブラーミキサーで混練した後、樹脂温度280℃で0.6Tの磁場を一方向に印加しながら金型内に射出成形して長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を反転脱磁で脱磁し、脱型して長尺希土類磁石成形体を得た。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
(比較例1)
実施例1と同様にしてマグネットローラを得た。そして、異方性Nd−Fe−B磁性粉(愛知製鋼製マグファインMF−P13)950gと、熱可塑性樹脂微粒子(ポリエステル樹脂100重量部に対して、4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添されている)50gとをターブラーミキサーで混練した後、金型内に充填し、100Aの配向電流をプレス方向と直行する方向に流しながら、400kNのプレス圧力で磁場中圧縮成形して長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を3500Vのパルス電圧で脱磁した後、長尺希土類磁石成形体を脱型し、これを100℃×60分で焼成した。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
(比較例2)
実施例1と同様にしてマグネットローラを得た。そして、異方性Nd−Fe−BとPA12のコンパウンド(戸田工業製)を樹脂温度280℃で0.6Tの磁場を一方向に印加しながら金型中に射出成形して長尺希土類磁石成形体とした。次に、この金型及び長尺希土類磁石成形体を反転脱磁で脱磁し、脱型して長尺希土類磁石成形体を得た。この長尺希土類磁石成形体の形状は、幅2.8mm×高さ2.2mmとなっていて、その貼付面と反対側とがR形状であった。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁し、これを円柱状磁界発生手段の溝部に接着剤で接着して、マグネットローラとした。
以上、実施例1〜4及び比較例1〜2で得た長尺希土類磁石成形体、実施例1〜4及び比較例1〜2で得たマグネットローラ、並びに、前記マグネットローラと現像スリーブとを組み立てて得た現像ローラを試験して評価した。即ち、実施例1〜4及び比較例1〜2で得た長尺希土類磁石成形体の貼付時の破損、破壊強度[N/mm2 ]、及び、磁束密度[mT]を測定し、実施例1〜4及び比較例1〜2で得たマグネットローラの剛性[μm/N]、及び、振れ[μm]を測定し、そして、前記マグネットローラと現像スリーブとを組み立てて得た現像ローラにおける現像スリーブとの当接、及び、キャリア付着について調べた。前記試験における評価方法は、次のとおりとした。
評価方法
1)長尺希土類磁石成形体の破壊強度試験
長尺希土類磁石成形体を支点間距離30mmで支持して、中央部に荷重をかけて、破壊時の荷重を読み取って得た値を断面積で割った値を破壊強度[N/mm2 ]として評価し、
2)希土類マグネットブロックの磁束密度試験
長尺希土類磁石成形体を2.5Tで着磁し、プローブギャップ0.75mmで、長さ方向に連続測定した平均値を磁束密度[mT]として評価し、
3)マグネットローラの剛性試験
長尺希土類磁石成形体を接着したマグネットローラを支点間距離300mmで支持して、中央部に0.5〜5Nの荷重をかけたときの変位量(撓み量)をてこ式ダイヤルゲージで読み取って得た、荷重と変位量の傾き、を剛性[μm/N]として評価し、
4)マグネットローラの振れ試験
長尺希土類磁石成形体を接着したマグネットローラを軸部基準で胴部中央の振れを透過型レーザー変位計で計測して得た値を振れ[μm]として評価し、
5)スリーブとの当接試験
マグネットローラとSWB処理されたALスリーブ(外径φ10mm/内径φ9mm)とを組み立てて得た現像ローラを現像装置に組付けてランニング試験を行った結果、現像スリーブとの当接の「あり」、「なし」によって評価し、そして、
6)キャリア付着
前記5)の試験中に、感光体上に飛散したキャリアの数を計測して、その「あり」、「なし」によって評価した。評価結果は、次の表1に示される。
Figure 2008216912
本発明の一実施形態を示す高強度長尺希土類磁石成形体の斜視図である。 本発明の一実施形態を示すマグネットローラの横断面図である。 本発明の他の一実施形態を示すマグネットローラの縦断面図である。 本発明の他の一実施形態を示すマグネットローラの横断面図である。 プロセスカートリッジの横断面図である。 画像形成装置の正面図である。
符号の説明
115 現像剤担持体(現像ローラ)
108 静電潜像担持体(感光体ドラム)
131 現像領域
132 中空体(現像スリーブ)
133 マグネットローラ
140 磁界発生手段
141 高強度長尺希土類磁石成形体
142 溝(凹状の溝)
143 芯軸

Claims (7)

  1. 希土類元素を含む磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するマグネットコンパウンドを地場中において圧縮成形又は射出成形してなることを特徴とする高強度長尺希土類磁石成形体。
  2. 請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円筒状の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されていることを特徴とするマグネットローラ。
  3. 請求項1に記載の高強度長尺希土類磁石成形体が、電磁石によって一方向に磁場が印加された空間に射出成形された、円柱状の磁界発生手段の表面に設けられた長手方向に伸びる凹状の溝に配置されていることを特徴とするマグネットローラ。
  4. 前記円柱状の磁界発生手段の外径が、10mm以下であり、そして、その荷重と変位との関係を表す傾きが、100μm/N以下であることを特徴とする請求項3に記載のマグネットローラ。
  5. 複数の固定磁極を表面部分に有する円筒状又は円柱状の磁界発生手段と、前記磁界発生手段の軸と同軸上に内包する形で配置された回転可能な非磁性材料で構成される中空体と、とからなる現像剤担持体において、
    前記磁界発生手段の表面には、その長手方向に伸びる凹状の溝が少なくとも1つ設けられ、
    前記凹状の溝には、前記磁界発生手段よりも高磁束密度を有する高強度長尺希土類磁石成形体が設けられ、そして、
    前記高強度長尺希土類磁石成形体が、希土類元素を含んだ磁性粉と、合成樹脂接着剤と、ガラス繊維又はガラス繊維を含む樹脂と、を含有するコンパウンドによる地場中における圧縮成形又は射出成形によって形成されている
    ことを特徴とする現像剤担持体。
  6. 現像剤担持体、現像剤供給部材、及び、現像剤規制部材を少なくとも有する現像装置、並びに、像担持体及び帯電ローラを有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤担持体として、請求項5に記載の現像剤担持体を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写部材、及び、定着装置を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジとして、請求項6に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置。
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