JP2002296909A - 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置

Info

Publication number
JP2002296909A
JP2002296909A JP2001101566A JP2001101566A JP2002296909A JP 2002296909 A JP2002296909 A JP 2002296909A JP 2001101566 A JP2001101566 A JP 2001101566A JP 2001101566 A JP2001101566 A JP 2001101566A JP 2002296909 A JP2002296909 A JP 2002296909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
developing
roller
density
pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001101566A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Kamoi
澄男 鴨井
Takeshi Imamura
剛 今村
Mieko Kakegawa
美恵子 掛川
Kyota Hizuka
恭太 肥塚
Noriyuki Kamiya
紀行 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001101566A priority Critical patent/JP2002296909A/ja
Publication of JP2002296909A publication Critical patent/JP2002296909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い磁気特性と主極部の高精度を備えた現像
ローラを低コストに提供する。 【解決手段】 マグネットロール14の溝16に液状の
磁石コンパウンドを注型して硬化させ、高磁力マグネッ
ト15を形成する。高磁力マグネット15は、外周部1
5aの高密度部分が磁石粉リッチになっており、内周部
15bの低密度部分がバインダリッチになっている。こ
れにより、現像スリーブに近い外周部での高磁力を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置に装着される現像装
置と、現像ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真その他の、粉体トナーを用いた
画像形成方法において、二成分現像剤を用いた磁気ブラ
シ現像は周知であり、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成装置において広く利用されている。
【0003】磁気ブラシ現像では、現像剤担持体の表面
に現像剤を搬送し、現像剤をブラシ状(磁気ブラシ)に保
持させて像担持体に接触させ、静電潜像が形成された像
担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の
電界によってトナーが潜像面に選択的に付着することに
より、現像が行われる。
【0004】上記現像剤担持体は、通常、円筒状のスリ
ーブ(現像スリーブ)として構成され、このスリーブ表
面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する
磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えている。穂
立ちの際、キャリアが磁石ローラで生じる磁力線に沿う
ようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちに係
るキャリアに対して帯電トナーが付着している。上記磁
石ローラは、複数の磁極を有し、それぞれの磁極を形成
する磁石が棒状などに構成されていて、特にスリーブ表
面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像主磁極を
備えている。上記スリーブと磁石ローラの少なくとも一
方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像剤
が移動するようになっており、現像領域に搬送された現
像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂
立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜
像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が
潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合
いながら、トナー供給を行う。なお、現像領域とは、現
像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持体と接
触している範囲とする。
【0005】従来の磁気ブラシ現像装置においては、画
像濃度を高くするための現像条件と低コントラスト画像
を良好に得るための現像条件とが両立せず、高濃度部と
低濃度部との双方を同時に改善することが困難である。
即ち、画像濃度を高くするための現像条件としては、
(i)潜像担持体と現像スリーブとの間隔である現像ギャ
ップを狭くすること、あるいは(ii)現像領域幅を広くす
ることなどが挙げられる。一方、低コントラスト画像を
良好に得るための現像条件としては、(i')現像ギャップ
を広くすること、あるいは(ii')現像領域幅を狭くする
ことなどがある。つまり、双方の現像条件は相対するも
のであって両立せず、全濃度域にわたって双方の条件を
満たして良質な画像を得ることは一般に困難とされてい
る。
【0006】例えば低コントラスト画像を重視する場合
には、ベタラインのクロス部や黒ベタ、ハーフトーンベ
タ画像の後端部に白抜けを生じる所謂「後端白抜け」と
称される異常画像が発生しやすい。また同じ幅で形成し
た格子画像の横線が縦線よりも細くなったり、1ドット
などの小さい点画像が現像されないなどの現象も発生し
ている。
【0007】このような従来からの課題であった画像濃
度を高くするための現像条件と低コントラスト画像を良
好に得るための現像条件とを高い時点で満足させ、全濃
度域にわたって良質な画像を得るための現像方法及び現
像装置等を本願出願人は先に提案している(特願200
0−29637)。
【0008】上記の本願出願人が先に提案した現像装置
においては、現像ローラの現像極部は極間角度が従来の
現像ローラに比べて狭い(従来の2成分現像における現
像極の半値幅:約50度に対して20度以下)ため、マ
グネット材料に高い磁気特性が必要となる。また、主極
部の精度が従来の現像ローラに比べて高い精度(従来の
±2度に対して±1度)が要求される。なお、半値幅と
は、図16に示すように、現像ローラ法線方向の磁束密
度Brの半分の値を指す部分の角度幅のことである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】現像ローラ主極部の高
い磁気特性と高精度を達成するためには、従来用いられ
ていた材料やローラ構成及び製造方法では実現が困難で
ある。特に、マグネット材料については従来一般的に用
いられているフェライト系マグネットでは要求の達成が
困難なため、現像ローラの主極部に希土類磁石を用いる
必要が生じる。希土類マグネットはコストが高いので、
高い磁気特性が必要となる現像ローラ(磁石ローラ)の
主極部のみに希土類マグネットを用い、その他の極はフ
ェライト系マグネットを使用する構成が現実的である。
図17,図18に、円筒形状に形成したフェライト系材
料からなる磁石ロール(フェライトマグロール)に等方
性の希土類元素R−Fe−B系磁性粉と結合材料によっ
て形成したマグネットブロックを埋め込んだ磁石体ロー
ラの例を示す。
【0010】ところで、現像主極部のみに高い磁気特性
のマグネットを配置する構成としては、図19,20に
示すように、円筒形マグネットロール54の現像極に相
当する部分に溝56を設け、その溝部に高磁力の磁石
(マグネットブロック)55を接着剤で貼り付ける磁石
貼り付け方式が一般的である。
【0011】しかしながら、上記構成では、マグネット
ブロック55の品質(寸法、反り、うねり)が安定せ
ず、長手方向(ローラ軸方向)の磁力分布にバラツキが
生じやすいという問題がある。また、マグネットブロッ
クとマグネットローラとの貼り付け精度が低いと、要求
される磁力及び角度位置精度の達成ができない。さら
に、マグネットブロックのコストが高いという問題もあ
る。
【0012】本発明は、現像主極部に希土類マグネット
を用いる現像ローラにおける上述の問題を解決し、高い
磁気特性と主極部の高精度を備えた現像ローラを低コス
ト且つ容易に製造できる方法を実現し、これによって全
濃度域にわたって良質な画像を得ることのできる現像装
置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配置した現
像ローラにおいて、前記磁石ローラは、磁性粉と高分子
化合物を混合して成形した円筒状マグネットと、該円筒
状マグネットの現像極に相当する部分に配置された現像
極マグネットとからなり、前記現像極マグネットがロー
ラ断面方向の密度分布に偏りを有することを特徴とする
現像ローラにより解決される。
【0014】また、前記現像極マグネットは、ローラ外
周方向に向かって密度が高くなっていると、好適であ
る。また、前記現像極マグネットは、ローラ外周方向に
向かって密度が高く、且つ幅方向の中心部に向かって密
度が高くなっていると、好適である。
【0015】また、前記現像極マグネットは、内周側の
幅方向中央を中心とする放射状の外に向かって密度が高
くなっていると、好適である。また、前記の課題を解決
するため、本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置を提
案する。
【0016】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、請求項5に記載の現像装置を備えることを特徴とす
る画像形成装置を提案する。また、前記の課題を解決す
るため、本発明は、非磁性スリーブの内部に磁石ローラ
を配置した現像ローラの製造方法において、現像極に相
当する部分に溝を有する略円筒状マグネットロールを成
型し、該マグネットロールの前記溝部分に磁石コンパウ
ンドを充填して現像極マグネットとし、遠心分離工法に
より前記現像極マグネットのローラ断面方向の密度分布
に偏りを持たせることを提案する。
【0017】また、前記遠心分離工法により前記現像極
マグネットのローラ断面方向の密度分布に偏りを持たせ
る際に加熱を行うと、好適である。また、前記の課題を
解決するため、本発明は、非磁性スリーブの内部に磁石
ローラを配置した現像ローラにおいて、前記磁石ローラ
は、磁性粉と高分子化合物を混合して成形した円筒状マ
グネットと、該円筒状マグネットの現像極に相当する部
分に配置された現像極マグネットとからなり、前記現像
極マグネットは、少なくとも2種類以上の異なる粒度分
布を有する同一の磁石材料粒子が混合されていることを
特徴とする現像ローラを提案する。
【0018】また、前記現像極マグネットは、平均粒子
径が50μm以下で50μmを超える粒子を含まない第
1の粒子と、平均粒子径が100μm以上で100μm
未満の粒子を含まないの第2の粒子とが混合されたもの
であると、好適である。
【0019】また、前記混合される各粒子の配合量がほ
ぼ等量であると、好適である。また、前記の課題を解決
するため、本発明は、請求項9〜11のいずれか1項に
記載の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置を
提案する。
【0020】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、請求項12に記載の現像装置を備えることを特徴と
する画像形成装置を提案する。また、前記の課題を解決
するため、本発明は、非磁性スリーブの内部に磁石ロー
ラを配置した現像ローラの製造方法において、現像極に
相当する部分に溝を有する略円筒状マグネットロールを
成型し、該マグネットロールの前記溝部分に少なくとも
2種類以上の異なる粒度分布を有する同一の磁石材料粒
子を混合して充填し圧縮成型して現像極マグネットとす
ることを提案する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の現
像ローラの断面を磁気波形とともに示す模式図である。
この図に示す現像ローラ10は、非磁性体を円筒形に形
成した現像スリーブ11内に磁石ローラ体12を配置し
たものである。磁石ローラ体12は、芯金13が嵌装さ
れた円筒状のマグネットロール14と、主極部を構成す
る高磁力マグネット(現像極マグネット)15から構成
されている。本現像ローラ10を備える現像装置におい
て、磁石ローラ体12は固定配置され、現像スリーブ1
1は回転駆動される。本実施形態における磁石ローラ体
12は、マグネットロール14の現像極に相当する部分
に設けた溝部に液状の磁石コンパウンドを注型して硬化
させ、マグネットロール14上に高磁力マグネット15
を一体成型する注型方式で形成したものである。なお、
ここでは現像極を1極とした構成(1本の溝に磁石コン
パウンドを注型硬化させた高磁力マグネット15が1本
のもの)で説明するが、現像極を複数極で構成しても良
い。
【0022】円筒状のマグネットロール14は、現像主
極以外の磁気特性を形成する部分であり、射出成形又は
押出し成形にて製造したものである。高磁力マグネット
15を充填するための溝は、マグネットロールの成形時
に形成する方法と、成形後に機械加工により形成する方
法がある。マグネットロール14の材料は特に限定する
ものではないが、磁性粉に高分子化合物を混合したいわ
ゆるプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを
用いることが多い。磁性粉としてはSrフェライトない
しBaフェライトを用い、高分子化合物としては6PA
もしくは12PA等のPA(ポリアミド)系材料、EE
A(エチレン・エチル共重合体)又はEVA(エチレン
・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩
素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材
料を使用することができる。
【0023】また、高磁力マグネット15を形成するた
めの磁石コンパウンドは、磁石粉材料として平均粒系が
50μmのNdFeB系材料と熱硬化性樹脂例えば、エ
ポキシ樹脂と室温硬化性硬化剤(チオール系硬化剤、脂
肪族アミン系硬化剤等)、潤滑剤、酸化防止剤、カップ
リング剤(シラン系、チタン系、アミノ系等)、金属酸
化物フィラー(SiO2,TiO2,Al2O3、Ca
Co3等の微粉末)を配合した。磁石粉の配合比は80
wt%以上90wt%以下とする。
【0024】ところで、通常のプラステイックマグネッ
ト成型品は磁力を高めるには、磁石粉の配合量を高める
ことによっている。しかし、バインダーの配合量が少な
くなると成型性が低下するため、一般的には磁石粉の配
合量は重量比で80〜90%となっており、均一な組成
比で構成されている。しかし、このような従来のプラス
テイックマグネット成型品では、磁石粉材料として高磁
力材料として知られているNdFeB系材料を用いた場
合でも、溝部の寸法が小さい(例えば、幅2.0〜3.
0mm、高さ1.5〜3mm)場合には80mT(テス
ラ)が限界である(このとき密度は5.7g/c
)。そこで、本発明により、マグネットロールの溝
部に成型する高磁力マグネットの磁石配合量に粗密を設
け、密度分布に偏りを持たせることによって、現像主極
を構成する高磁力マグネットの磁力をさらに高め、より
高い磁気特性を備えた現像ローラを達成するものであ
る。
【0025】図2〜4は、本実施形態の現像ローラ10
における、磁石体ローラ12の3つの実施例を示すもの
である。上記のように、本実施形態の現像ローラ10に
おいては、高磁力マグネット15の磁石配合量に粗密を
設け、断面方向の密度分布に偏りを持たせてある。密度
分布の態様により、図2〜4に示す3つの実施例を構成
した。
【0026】図2に示す磁石体ローラ12Aは、マグネ
ットロール14の現像極に相当する部分に溝16を設
け、そこに液状の磁石コンパウンドを注型して硬化さ
せ、高磁力マグネット15を形成している。本実施例に
おける高磁力マグネット15は、ローラ半径方向の外周
に向かって密度が高く(磁石コンパウンド中における希
土類磁石粉の割合が高く)なっている。図では外周部1
5aを高密度部分、内周部15bを低密度部分として示
してある。高密度部分15aは磁石粉リッチになってお
り、低密度部分15bはバインダリッチになっている。
【0027】本実施例のように、高磁力マグネット15
の外周部15aを高密度部分とすることにより、外周部
での磁力が高くなり(磁石粉の配合比が高くなることに
よる)、高い磁気特性の現像ローラを得ることができ
る。
【0028】図3に示す磁石体ローラ12Bは、マグネ
ットロール14の現像極に相当する部分に溝16を設
け、そこに液状の磁石コンパウンドを注型して硬化さ
せ、高磁力マグネット25を形成している。本実施例に
おける高磁力マグネット25は、ローラ半径方向の外周
に向かって密度が高く(磁石コンパウンド中における希
土類磁石粉の割合が高く)、且つ、幅方向の中心部に向
かって密度が高く(磁石コンパウンド中における希土類
磁石粉の割合が高く)なっている。図では外周側の中心
(断面幅方向の中心)部25aを高密度部分、内周側及
び両外側(断面幅方向の外側)部25bを低密度部分と
して示してある。高密度部分25aは磁石粉リッチにな
っており、低密度部分25bはバインダリッチになって
いる。
【0029】本実施例のように、高磁力マグネット15
の外周側の中心部25aを高密度部分とすることによ
り、外周部での磁力が高くなり、高い磁気特性の現像ロ
ーラを得ることができる。同時に、ローラ周方向におい
て高磁力マグネット15の中心部(断面幅方向における
中央部)を高密度部分とすることにより、半値幅を15
度と狭くすることができ(磁石貼り付け方式のマグネッ
トブロック従来品では18度)、現像主極部の精度をよ
り高めることができる。
【0030】図4に示す磁石体ローラ12Cは、マグネ
ットロール14の現像極に相当する部分に溝16を設
け、そこに液状の磁石コンパウンドを注型して硬化さ
せ、高磁力マグネット35を形成している。本実施例に
おける高磁力マグネット35は、内周側の中央部(断面
幅方向の中心)を中心として放射状(ローラ断面方向)
に密度が高く(磁石コンパウンド中における希土類磁石
粉の割合が高く)なっている。図では、内周側の中央部
から順に低密度部分35b、中密度部分35c、高密度
部分35aとして示してある。高密度部分35aの密度
値は6.0〜6.5g/cm、中密度部分35cの密
度値は5.0〜6.0g/cm、低密度部分35bの
密度値は4.9g/cm以下となっている。高密度に
なるほど磁石粉リッチである。
【0031】本実施例のように、高磁力マグネット35
の内周側の中央部を中心として放射状に密度が高くなる
ことにより、外周部での磁力が高くなり、高い磁気特性
の現像ローラを得ることができる。本実施例では、高磁
力マグネット35の磁束密度は93mTとなり、高い磁
気特性を得ることができた。
【0032】なお、本実施形態においては、マグネット
ロール14の溝部16の大きさは、幅2.0〜3.0m
m、高さ1.5〜3mmとする。このような溝部の大き
さでは、上述のように従来品では得られる磁束密度(磁
力)は80mT(テスラ)が限界であるが(このとき密
度は5.7g/cm)、本実施形態では、各実施例に
おける高磁力マグネット15,25,35の高密度部分
は6.0g/cm以上の密度となり、密度値6.3g
/cm以上で90mTという高い磁力を得ることがで
きた。また、図3に示す実施例では、従来品の18度よ
り小さな半値幅15度を得ることができた。
【0033】また、上記実施形態では、磁石体ローラ1
2の現像極は1極の(1個の)高磁力マグネット15
(25,35)で構成したが、2極(2個)以上の高磁
力マグネット15(25,35)を配置する構成でも良
い。
【0034】次に、本実施形態の現像ローラの磁石体ロ
ーラ12(A,B,C)の製造方法について説明する。
まず、熱可塑性樹脂にフェライト磁石を分散したコンパ
ウンド材料を押し出し成型し、現像極に相当する部分に
溝を加工してマグネットロール14とする。溝16は成
形時に形成することもできる。次に、溝16に液状の磁
石コンパウンドを注型して硬化させ、マグネットロール
14上に高磁力マグネット15(25,35)を一体成
型する。高磁力マグネット15(25,35)を成型す
る際、比重の大きい希土類磁石が沈降する性質を利用
し、液状樹脂に希土類磁石が分散されたコンパウンドを
溝部16に注型し、密度を大きくしたい面を下にした状
態で放置し、密度分布が完成した後に硬化することによ
り密度分布の偏在を達成することはできる。しかし、沈
降するまでの時間が長く、また、大きな密度変化が得に
くいことから、後述するように遠心分離を利用して高磁
力マグネット15(25,35)を成型する。遠心分離
方式により、外側(外周部)に磁石が集中し大きな密度
変化が得られることがわかった。
【0035】すなわち、図5に示すように、溝16が成
形され、芯金13が挿入されたマグネットロール14の
溝部に蓋をするように押さえ板17をマグネットロール
14に固定する。押さえ板17は磁石コンパウンドが硬
化した後、接着せずに容易に剥離できるよう、テフロン
(登録商標)樹脂のような難接着性プラステイックプレ
ートを使用する。次に、マグネットロール14の端面か
ら溝16内に磁石コンパウンドを注型する。磁石コンパ
ウンドは磁石粉材料として、平均粒系が50μmのNd
FeB系材料と熱硬化性樹脂例えば、エポキシ樹脂と室
温硬化性硬化剤(チオール系硬化剤、脂肪族アミン系硬
化剤等)、潤滑剤、酸化防止剤、カップリング剤(シラ
ン系、チタン系、アミノ系等)、金属酸化物フィラー
(SiO2,TiO2,Al2O3、CaCo3等の微
粉末)を配合した。磁石粉の配合比は80wt%以上9
0wt%以下とする。
【0036】溝部全体が充満するまで磁石コンパウンド
を充填し、これを図6の概略図のような、遠心分離装置
18にセットし、100〜10,000rpmで回転さ
せる。その結果、バインダよりも比重の大きいNdFe
B系材料(真比重:7.5〜8.0g/cm3)が遠心
力で外周方向に集中し、溝内部で密度変化が発生し、密
度の偏りが得られる。
【0037】使用する熱硬化性樹脂によっては、室温で
の硬化時間が長く、回転時間内に硬化しないことが多い
ため、回転中に熱を加え、硬化を促進することも可能で
ある。一般的にチオール系硬化剤は最も硬化が早く、材
料によっては30分以内での硬化が可能であるが、脂肪
族アミンは室温で10時間以上は必要であるため、加熱
することが生産性を考慮すると、好ましい。50〜60
℃で1時間程度で硬化(初期硬化:移動しても、材料が
変形しない状態)する。そのため、回転中にマグネット
ロール全体に熱が加わるような装置とし、加熱促進する
ことが好ましい。
【0038】このようにして磁石ローラ体12が構成さ
れる。そして、その磁石ローラ体12をスリーブ11
(図1)の内部に収め、フランジを組み立て、現像ロー
ラ10とする。
【0039】次に、本願の第2の発明について説明す
る。まず、発明の背景から説明する。現像ローラの磁石
体ローラを構成する方法として、円筒状マグロールの現
像極に相当する部分に溝を設け、その溝部に磁石粉のみ
を充填し、圧縮成型で棒状マグネットを溝部に成型し、
表面及び端部を樹脂で被覆する工法がある。
【0040】このようにして磁石体ローラを構成した場
合、現像極の棒状マグネットはバインダが介在しないた
め、磁石粉の含有率が向上し密度値を高めることが可能
になり、磁力が高い磁石体ローラが得られる。しかし、
一般に市販されている希土類磁石は図7のグラフ1に示
すような粒度分布を有し、2μm〜350μmまで分布
する非常にブロードな(幅の広い)ピークとなってい
る。このような材料を円筒状マグロールの溝部に充填し
圧縮成型で成型しても、形が形成されず、密度も向上し
ない(充填密度3.5g/cm、要求される密度は
5.0g/cm以上)。圧縮成型時に加えた圧力は3
00kg/cm(一般的には磁石の圧縮成型は300
0〜7000kg/cm)で行なうが、圧力が高いと
成型時にマグロールが変形するため、500kg/cm
以下で成型する必要がある。
【0041】本願発明者らは、低圧(500kg/cm
以下)の圧縮成型で密度5.5g/cm以上を達成
するために鋭意検討した結果、磁石粉を微粉末化し、分
級し、これらをブレンドしたものは密度が向上すること
を見出し、発明に至った。
【0042】すなわち、微粉末化した磁石粉を振るい分
級機で分級し、大粒径磁石(>150μm)、中粒径粒
子(75〜150μm)、小粒径粒子(50〜75μ
m)、微小粒径粒子(<50μm)の4クラスに分けた
ところ、(微小粒径粒子+大粒径粒子)及び(微小粒径
粒子+中粒径粒子)の組み合わせで、密度が向上し、他
の組み合わせでは密度は変化しないことがわかった(等
方性Nd−Fe−B系磁石粉使用)。
【0043】また、磁石粉粒子を微粉末化し、平均粒径
10μmで粒度分布が図8のグラフ2に示す材料を30
0kg/cmで圧縮成型した時の密度は4.2g/c
であった。平均粒径90μm、粒度分布が図9のグ
ラフ3に示す材料を300kg/cmで圧縮成型した
時の密度は4.5g/cmでり、微粉末化する前の図
7のグラフ1の材料よりは大きな値をしめしたものの、
目標の5.0g/cm を達成することはできない。
【0044】そこで、本願第2の発明は、磁石体ローラ
の現像極を構成する高磁力マグネットは、少なくとも2
種類以上の異なる粒度分布を有する同一材料の磁石粉が
混合されているものとし、これを円筒状マグロールの現
像極に相当する位置に配置して現像ローラとするもので
ある。
【0045】以下、本願第2発明の実施形態について説
明する。この実施形態の現像ローラは、断面形状は図1
に示すものと同様であるので、図1を参照して説明す
る。現像ローラ10は、非磁性体を円筒形に形成した現
像スリーブ11内に磁石ローラ体12を配置したもので
ある。磁石ローラ体12は、芯金13が嵌装された円筒
状のマグネットロール14と、主極部を構成する高磁力
マグネット(現像極マグネット)15から構成されてい
る。本現像ローラ10を備える現像装置において、磁石
ローラ体12は固定配置され、現像スリーブ11は回転
駆動される。本実施形態における磁石ローラ体12は、
マグネットロール14の現像極に相当する部分に設けた
溝部に高磁力の磁石粉(異なる粒度分布を有する同一材
料の磁石粉が混合されているもの)を充填して圧縮成型
で棒状ブロックとしたものである。
【0046】磁石粉の材料としては、Nd−Fe−B系
磁石であるMQP−B(MAGNEQUENCH社製)
にエポキシ樹脂を混合し、セラミック製の3本ロールミ
ルで粉砕した。粒径はロール間ギャップで制御し、平均
粒径が10μmと100μmの2種類を作製した。分級
は振動式振るい機で行なった。
【0047】平均粒径10μmの粉砕品を開口部が44
μmの振るい機で分級し、44μmを超える粒子を取り
除き、微小粒径粒子とした。また、平均粒径100μm
の粉砕品を開口部が75μmと149μmの振るい機を
使用し、75〜149μmの中粒径粒子とした。
【0048】微小粒子と中粒子を1:1の等量で配合
し、ステアリン酸亜鉛・SZ200(堺化学工業製)を
磁石に対し0.1wt%、アミノシラン:KBM603
(信越シリコーン製)を磁石に対し2.5wt%配合
し、室温で5時間分散処理した後、マグロール14の溝
部(幅2.0mm×高さ2.5mm×長さ302mm)
に300kg/cmの圧力で圧縮成型し高磁力マグネ
ット15とした。得られた密度は5.2g/cmであ
り、磁力は86mTを達成した。
【0049】図10に、本実施形態の高磁力マグネット
15における粒度分布を示す。このグラフにおいて、横
軸は粒径(μm)、縦軸は頻度分布(%)である。図1
0のグラフ4は、異なる2つの粒度分布を有する磁石粉
を混合した2つのピークを有するパターンのものであ
る。
【0050】また、図11のグラフ5に、異なる3つの
粒度分布を有する磁石粉を混合した3つのピークを有す
るパターンのものを示した。図10,11から判るよう
に、粒度分布が異なる2種類以上の磁石粒子を混合する
と、大粒子と大粒子の間隙を小粒径粒子が埋めて、間隙
量(空気量)が低減するた、密度の向上が計れる。その
ため、磁石体ローラ12の現像極である高磁力マグネッ
ト15の磁束密度(磁力)が大きくなり、高い磁気特性
を得ることができる。
【0051】また、異なる2つの粒度分布を有する磁石
粉を混合した2つのピークを有するパターンの実施例と
して、平均粒子径が50μm以下で50μmを超える粒
子を含まない第1の粒子と、平均粒子径が100μm以
上で100μm未満の粒子を含まない第2の粒子とを混
合したものについて説明する。第1の粒子としては、例
えば、図8のグラフ2に示すものを使用することができ
る。
【0052】このような第1の粒子と第2の粒子とを混
合した磁石粉の粒度分布波形を図12のグラフ6に示
す。このグラフの横軸は粒径(μm)、縦軸は頻度分布
(%)である。このグラフ6から判るように、本実施例
の磁石粉は50μm以下に第1のピークを有し、100
μm以上に第2のピークを有しており、50μmから1
00μmまではその粒度分布が0(ゼロ)になっている
ことが特徴である。このような粒度分布では、粒子間の
間隙がより一層小さくなり、充填率が向上し、密度が向
上する。そのため、より大きな磁力を得ることができ
る。
【0053】さらに、上記第1の粒子と第2の粒子の配
合量がほぼ等量であることにより、磁石分の充填密度を
最大とすることができる。図7のグラフ7に、大粒径粒
子または中粒径粒子に小粒径粒子の磁石粉を混合した時
の配合比率と充填密度の関係を示す。このグラフ7から
判るように、微小粒径粒子の配合率が50%の時、充填
密度は最大となることがわかる。すなわち、大(中)粒径
粒子と小粒径粒子が等量配合の時に、密度が最も高くな
り、目標の密度5.0g/cm以上を達成することが
できる。
【0054】このように、少なくとも2種類以上の異な
る粒度分布を持つ同一材料の磁石粉を混合したものをマ
グロール14の溝に充填し圧縮成型して高磁力マグネッ
ト15とすることにより、磁石粉の圧縮成型後の密度値
が従来の1ピーク型のものに比べて大きくすることがで
き、密度値が大きくなることで得られる磁力も高くな
り、80mT以上の高磁力を達成することができる。こ
のため、磁石体ローラ12の高い磁気特性を得ることが
できる。
【0055】なお、上記説明では、磁石体ローラ12の
現像極は1極の(1個の)高磁力マグネット15で構成
したが、2極(2個)以上の高磁力マグネット15を配
置する構成でも良い。
【0056】以上、本願発明による現像ローラについて
説明したが、次に、その現像ローラを備える現像装置に
ついて説明する。図5に示す現像装置5において、現像
剤担持体である現像ローラ10が画像形成装置の感光体
ドラム1に近接するように配置されていて、双方の対向
部分には、感光体ドラムと磁気ブラシが接触する現像領
域が形成されている。その現像ローラのスリーブ11が
不図示の回転駆動機構によって図中時計回りに回転され
るようになっている。本実施形態においては、感光体ド
ラム1と現像スリーブ11との間隔である現像ギャップ
は0.4mmに設定されている。
【0057】現像剤の搬送方向(図5では時計回り方
向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェー
ン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ11上の現像剤量を
規制するドクタブレード24が設置されている。このド
クタブレード24と現像スリーブ11との間隔であるド
クタギャップは0.4mmに設定されている。更に現像
ローラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像装置ケ
ーシング内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ10へ汲
み上げるためのスクリュー23が設置されている。
【0058】現像ローラのスリーブ11内には、当該現
像スリーブ11の周表面に現像剤の穂立ちを生じるよう
に磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)12が固
定状態で備えられる。この磁石ローラ体から発せられる
法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像
スリーブ11上にチェーン状に穂立ちを起こし、このチ
ェーン状に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着
されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現
像スリーブ11の回転によって現像スリーブ11と同方
向(図で見て時計回り方向)に移送されることとなる。
【0059】本実施形態の現像装置5においては、現像
ローラの説明で述べたような小さい半値幅と高磁束密度
(磁力)が得られるように構成されている。このような
高い磁気特性を備えることにより、全濃度域にわたって
良質な画像を得ることができる。また、上記のような高
い磁気特性と現像主極部の高精度は、上述したような構
成の現像ローラ10を備えることにより、低コストで実
現することが可能となる。
【0060】最後に、本発明の適用を複写装置に広げて
説明する。図6に示す複写装置100は、装置本体のほ
ぼ中央部に感光体ドラム1を中心とする作像部を配し、
下部には4段の給紙段2a〜dからなる給紙部2を配置
している。装置上部には原稿画像を読み取る読取部3が
配設され、装置上部に自動原稿給送装置(ADF)21
を装着している。
【0061】複写装置100の作像部において、静電潜
像担持体である感光体ドラム1の周囲には、帯電装置
4、上述の現像装置5、転写搬送装置6、クリーニング
装置7等が配設されている。これらの上方には光書込み
装置7が設けられている。光書込み装置7より発せられ
るレーザ光は、帯電装置4と現像装置5の間の書き込み
位置にて感光体ドラム1に照射される。そして、クリー
ニング装置7の図において左方には定着装置9が設けら
れている。また、その下方には両面トレイ22が設けら
れている。
【0062】このような構成において、帯電装置4によ
って表面を一様に帯電された感光体ドラム1には、光書
込み装置7からのレーザ光によって静電潜像が形成さ
れ、現像装置4によってトナー像を形成される。当該ト
ナー像は、転写ベルトなどで構成された転写搬送装置5
によって、感光体ドラム1から、給紙部2より搬送され
た記録紙上へ転写される。そして、未定着トナー像を転
写された記録紙は定着装置9へ搬送され、トナー像が記
録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム上
に残留したトナーは、クリーニング装置7によって除去
され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム
1は図示しない除電手段で初期化され、次回の画像形成
プロセスに供される。トナー像が定着された記録紙は、
図示しない排紙トレイに排出される。両面記録を行う場
合、記録紙は両面トレイ22へ搬送され、ここから再度
作像部に給送されて記録紙裏面への記録が行われた後、
図示しない排紙トレイに排出される。
【0063】以上、本発明を図示の実施形態により説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、現像ローラの現像極に相当する部分に設けた高磁力
マグネットの数は実施形態の1個に限るものではなく、
2つあるいはそれ以上の個数とすることができる。現像
極を複数の高磁力マグネットで構成する場合には、各マ
グネットは隣のマグネットとの極性が異なるように配置
するものとする。また、現像装置の現像ローラ以外の部
分の構成は、適宜変更することができる。もちろん、現
像装置が装着される画像形成装置の構成、例えば作像部
の構成等は任意な構成とすることができる。また、複写
装置に限らずファクシミリやプリンタでもよいことは言
うまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の現像ロ
ーラによれば、現像極を構成するマグネットがローラ断
面方向の密度分布に偏りを有するので、現像極マグネッ
ト全体での磁石粉配合比が同じ場合にはより高い磁気特
性の実現が可能となる。
【0065】請求項2の構成により、現像極マグネット
はローラ外周方向に向かって密度が高くなっているの
で、現像スリーブに近い位置で高磁力を得ることがで
き、現像ローラの高い磁気特性を得ることができる。
【0066】請求項3の構成により、現像極マグネット
はローラ外周方向に向かって密度が高く、且つ幅方向の
中心部に向かって密度が高くなっているので、現像スリ
ーブに近い位置で高磁力を得ることができ、また、より
小さな半値幅を得ることができ、現像ローラの高い磁気
特性と主極部での高精度を得ることができる。
【0067】請求項4の構成により、現像極マグネット
は内周側の幅方向中央を中心とする放射状の外に向かっ
て密度が高くなっているので、現像スリーブに近い位置
で高磁力を得ることができ、現像ローラの高い磁気特性
を得ることができる。
【0068】請求項5の現像ローラ及び請求項6の画像
形成装置によれば、高い磁気特性と主極部の高精度な現
像ローラを備えるので、全濃度域にわたって良質な画像
を簡単な構成で低コストに実現することができる。
【0069】請求項6の構成により、高い磁気特性と充
填した磁性紛の保持・防錆とを実現することができる。
請求項7の現像ローラ製造方法によれば、現像極マグネ
ット全体での磁石粉配合比が同じ場合にはより高い磁気
特性を実現できる現像ローラの実現が可能となり、高性
能な現像ローラの製造コストを低減させることができ
る。
【0070】請求項8により、遠心分離工法により現像
極マグネットのローラ断面方向の密度分布に偏りを持た
せる際に加熱を行うことで、現像極マグネットの硬化を
促進させ、生産性を高めることができる。
【0071】請求項9の現像ローラによれば、磁石ロー
ラの現像極マグネットは少なくとも2種類以上の異なる
粒度分布を有する同一の磁石材料粒子が混合されている
ので、現像極マグネット成型後の密度値を高めることが
でき、これにより現像極部での高磁力を得ることができ
る。
【0072】請求項10の構成により、粒子間隙を少な
くして磁石粉の充填密度を高めることができ、これによ
り現像極部でのより高い磁力を得ることができる。請求
項11の構成により、混合される各粒子の配合量がほぼ
等量であるので、磁石粉の充填密度をより高めることが
できる。
【0073】請求項12の現像ローラ及び請求項13の
画像形成装置によれば、高い磁気特性を有する現像ロー
ラを備えるので、全濃度域にわたって良質な画像を簡単
な構成で低コストに実現することができる。
【0074】請求項14の現像ローラ製造方法によれ
ば、円筒状マグネットロールの溝部分に少なくとも2種
類以上の異なる粒度分布を有する同一の磁石材料粒子を
混合して充填し圧縮成型して現像極マグネットとするの
で、現像極マグネット成型後の密度値の高い磁石ローラ
体を容易に製造でき、高性能な現像ローラの製造コスト
を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の現像ローラの断面を磁気
波形とともに示す模式図である。
【図2】その現像ローラの磁石体ローラの一実施例を示
す断面図である。
【図3】その現像ローラの磁石体ローラの別の実施例を
示す断面図である。
【図4】その現像ローラの磁石体ローラの更に別の実施
例を示す断面図である。
【図5】その現像ローラの磁石体ローラの製造方法を説
明する斜視図である。
【図6】遠心分離工法による磁石体ローラの製造方法を
説明する模式図である。
【図7】一般に市販されている希土類磁石粉の粒度分布
の例を示すグラフである。
【図8】希土類磁石粉の一例における微小粒径粒子の粒
度分布を示すグラフである。
【図9】希土類磁石粉の別例における中粒径粒子の粒度
分布を示すグラフである。
【図10】本願第2発明の実施形態における2ピークパ
ターンの粒度分布を示すグラフである。
【図11】3ピークパターンの粒度分布を示すグラフで
ある。
【図12】2種類の粒子の粒径分布を規定したものにお
ける粒度分布を示すグラフである。
【図13】大(中)径粒子に小粒子を混合した場合の配
合比率と充填密度の関係を示すグラフである。
【図14】本発明に係る現像ローラを備える現像装置の
一例を示す断面構成図である。
【図15】図14に示す現像装置を備える画像形成装置
の一例を示す断面構成図である。
【図16】磁石体ローラにおける半値幅を説明する模式
図である。
【図17】従来の磁石体ローラの一例を示す断面図であ
る。
【図18】従来の磁石体ローラの別例を示す断面図であ
る。
【図19】現像極マグネットブロックと円筒形マグネッ
トロールからなる磁石体ローラの構成を示す斜視図であ
る。
【図20】現像極マグネットブロックの円筒形マグネッ
トロールへの貼り付け方式を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 5 現像装置 10 現像ローラ 11 現像スリーブ 12 磁石体ローラ 13 芯金 14 円筒状マグネットロール 15 高磁力マグネット(現像極マグネット) 16 溝 100 複写装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掛川 美恵子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 肥塚 恭太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 神谷 紀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H031 AB02 AC08 AC18 AC19 AC20 AC30 AC34 AD01 BA05 BA09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配
    置した現像ローラにおいて、 前記磁石ローラは、磁性粉と高分子化合物を混合して成
    形した円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの現像
    極に相当する部分に配置された現像極マグネットとから
    なり、 前記現像極マグネットがローラ断面方向の密度分布に偏
    りを有することを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 前記現像極マグネットは、ローラ外周方
    向に向かって密度が高くなっていることを特徴とする、
    請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 【請求項3】 前記現像極マグネットは、ローラ外周方
    向に向かって密度が高く、且つ幅方向の中心部に向かっ
    て密度が高くなっていることを特徴とする、請求項1に
    記載の現像ローラ。
  4. 【請求項4】 前記現像極マグネットは、内周側の幅方
    向中央を中心とする放射状の外に向かって密度が高くな
    っていることを特徴とする、請求項1に記載の現像ロー
    ラ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の現
    像ローラを備えることを特徴とする現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の現像装置を備えること
    を特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配
    置した現像ローラの製造方法において、 現像極に相当する部分に溝を有する略円筒状マグネット
    ロールを成型し、該マグネットロールの前記溝部分に磁
    石コンパウンドを充填して現像極マグネットとし、遠心
    分離工法により前記現像極マグネットのローラ断面方向
    の密度分布に偏りを持たせることを特徴とする現像ロー
    ラ製造方法。
  8. 【請求項8】 前記遠心分離工法により前記現像極マグ
    ネットのローラ断面方向の密度分布に偏りを持たせる際
    に加熱を行うことを特徴とする、請求項7に記載の現像
    ローラ製造方法。
  9. 【請求項9】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配
    置した現像ローラにおいて、 前記磁石ローラは、磁性粉と高分子化合物を混合して成
    形した円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの現像
    極に相当する部分に配置された現像極マグネットとから
    なり、 前記現像極マグネットは、少なくとも2種類以上の異な
    る粒度分布を有する同一の磁石材料粒子が混合されてい
    ることを特徴とする現像ローラ。
  10. 【請求項10】 前記現像極マグネットは、平均粒子径
    が50μm以下で50μmを超える粒子を含まない第1
    の粒子と、平均粒子径が100μm以上で100μm未
    満の粒子を含まないの第2の粒子とが混合されたもので
    あることを特徴とする、請求項9に記載の現像ローラ。
  11. 【請求項11】 前記混合される各粒子の配合量がほぼ
    等量であることを特徴とする、請求項9又は10に記載
    の現像ローラ。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれか1項に記載
    の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の現像装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを
    配置した現像ローラの製造方法において、 現像極に相当する部分に溝を有する略円筒状マグネット
    ロールを成型し、該マグネットロールの前記溝部分に少
    なくとも2種類以上の異なる粒度分布を有する同一の磁
    石材料粒子を混合して充填し圧縮成型して現像極マグネ
    ットとすることを特徴とする現像ローラ製造方法。
JP2001101566A 2001-03-30 2001-03-30 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置 Pending JP2002296909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001101566A JP2002296909A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001101566A JP2002296909A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002296909A true JP2002296909A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18954860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001101566A Pending JP2002296909A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002296909A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006071729A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、マグネットローラの製造方法、マグネットローラ製造用金型、マグネットローラユニット、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2008197342A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、現像剤担持体及び画像形成装置
JP2009223151A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 磁界発生部材、磁性粒子担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
WO2019054696A3 (ko) * 2017-09-15 2019-05-09 자화전자 주식회사 마그네트 롤러 및 이를 포함하는 화상형성장치
JP2019121725A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 住友ゴム工業株式会社 電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006071729A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、マグネットローラの製造方法、マグネットローラ製造用金型、マグネットローラユニット、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP4528582B2 (ja) * 2004-08-31 2010-08-18 株式会社リコー マグネットローラ、マグネットローラの製造方法、マグネットローラ製造用金型、マグネットローラユニット、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2008197342A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、現像剤担持体及び画像形成装置
JP2009223151A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 磁界発生部材、磁性粒子担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
WO2019054696A3 (ko) * 2017-09-15 2019-05-09 자화전자 주식회사 마그네트 롤러 및 이를 포함하는 화상형성장치
JP2019121725A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 住友ゴム工業株式会社 電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004311771A (ja) 長尺マグネット及びその製造方法とマグネットローラ並びに画像形成装置
US7203450B2 (en) Developing roller, developing apparatus, process cartridge, and image formation apparatus
JP3989180B2 (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP2002296909A (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
US7572388B2 (en) Magnet compound material to be compression molded, a molded elongate magnetic, a magnet roller, a developing agent-carrying body, a developing apparatus and an image-forming apparatus
JP2005055674A (ja) 現像マグネットローラ、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
EP2381318B1 (en) Magnet roller, developer holder element, process cartridge, and image forming apparatus
JP2002287504A (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP3968219B2 (ja) 現像ローラ、該現像ローラの製造方法及び装置
JP2002287500A (ja) 現像ローラ及びその製造方法
JP4949883B2 (ja) 現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5043463B2 (ja) 現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005250013A (ja) 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006071732A (ja) マグネットブロック、マグネットローラユニット、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2005038941A (ja) マグネットブロック、磁石ローラ、現像ローラ及び現像装置
JP2005070297A (ja) 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置
JP2002278282A (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP2003280394A (ja) 現像マグネットローラの製造方法、現像装置、及び電子写真式画像形成装置
JP3840415B2 (ja) 現像ローラの製造方法及び現像ローラ並びに画像形成装置
JP2002287502A (ja) 現像ローラ
JP2005249823A (ja) マグローラとそれを用いた現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2005259868A (ja) 磁石成型体とその製造方法、マグネットローラ、現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP4580575B2 (ja) 現像ローラ
JPH0421880A (ja) マグネットロール
JPH0416877A (ja) マグネットロール