JP2002287504A - 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置

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JP2002287504A
JP2002287504A JP2001085972A JP2001085972A JP2002287504A JP 2002287504 A JP2002287504 A JP 2002287504A JP 2001085972 A JP2001085972 A JP 2001085972A JP 2001085972 A JP2001085972 A JP 2001085972A JP 2002287504 A JP2002287504 A JP 2002287504A
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JP
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magnet
developing
groove
magnetic powder
developing roller
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Application number
JP2001085972A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kamiya
紀行 神谷
Sumio Kamoi
澄男 鴨井
Takeshi Imamura
剛 今村
Kyota Hizuka
恭太 肥塚
Mieko Kakegawa
美恵子 掛川
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い磁気特性と主極部の高精度を備えた現像
ローラを低コストに提供する。 【解決手段】 現像ローラの磁石ローラ12の円筒形マ
グロール14に2段構成の溝部を設ける。その2段構成
の内周側の溝に磁性粉を充填し圧縮成形して高磁力マグ
ネット15とし、現像極とする。2段構成の外周側の溝
を利用して高磁力マグネット15の上面に接着剤を塗布
し、保護膜18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置に装着される現像装
置と、現像ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真その他の、粉体トナーを用いた
画像形成方法において、二成分現像剤を用いた磁気ブラ
シ現像は周知であり、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成装置において広く利用されている。
【0003】磁気ブラシ現像では、現像剤担持体の表面
に現像剤を搬送し、現像剤をブラシ状(磁気ブラシ)に保
持させて像担持体に接触させ、静電潜像が形成された像
担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の
電界によってトナーが潜像面に選択的に付着することに
より、現像が行われる。
【0004】上記現像剤担持体は、通常、円筒状のスリ
ーブ(現像スリーブ)として構成され、このスリーブ表
面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する
磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えている。穂
立ちの際、キャリアが磁石ローラで生じる磁力線に沿う
ようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちに係
るキャリアに対して帯電トナーが付着している。上記磁
石ローラは、複数の磁極を有し、それぞれの磁極を形成
する磁石が棒状などに構成されていて、特にスリーブ表
面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像主磁極を
備えている。上記スリーブと磁石ローラの少なくとも一
方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像剤
が移動するようになっており、現像領域に搬送された現
像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂
立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜
像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が
潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合
いながら、トナー供給を行う。なお、現像領域とは、現
像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持体と接
触している範囲とする。
【0005】従来の磁気ブラシ現像装置においては、画
像濃度を高くするための現像条件と低コントラスト画像
を良好に得るための現像条件とが両立せず、高濃度部と
低濃度部との双方を同時に改善することが困難である。
即ち、画像濃度を高くするための現像条件としては、
(i)潜像担持体と現像スリーブとの間隔である現像ギャ
ップを狭くすること、あるいは(ii)現像領域幅を広くす
ることなどが挙げられる。一方、低コントラスト画像を
良好に得るための現像条件としては、(i')現像ギャップ
を広くすること、あるいは(ii')現像領域幅を狭くする
ことなどがある。つまり、双方の現像条件は相対するも
のであって両立せず、全濃度域にわたって双方の条件を
満たして良質な画像を得ることは一般に困難とされてい
る。
【0006】例えば低コントラスト画像を重視する場合
には、ベタラインのクロス部や黒ベタ、ハーフトーンベ
タ画像の後端部に白抜けを生じる所謂「後端白抜け」と
称される異常画像が発生しやすい。また同じ幅で形成し
た格子画像の横線が縦線よりも細くなったり、1ドット
などの小さい点画像が現像されないなどの現象も発生し
ている。
【0007】このような従来からの課題であった画像濃
度を高くするための現像条件と低コントラスト画像を良
好に得るための現像条件とを高い時点で満足させ、全濃
度域にわたって良質な画像を得るための現像方法及び現
像装置等を本願出願人は先に提案している(特願200
0−29637)。
【0008】上記の本願出願人が先に提案した現像装置
においては、現像ローラの主極部は極間角度が従来の現
像ローラに比べて狭いため、マグネット材料に高い磁気
特性が必要となる。また、主極部の精度が従来の現像ロ
ーラに比べて高い精度(従来の±2度に対して±1度)
が要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現像ロ
ーラ主極部の高い磁気特性と高精度を達成するために
は、従来用いられていた材料やローラ構成及び製造方法
では実現が困難である。特に、マグネット材料について
は従来一般的に用いられているフェライト系マグネット
では要求の達成が困難なため、現像ローラの主極部にN
e−Fe−B等のいわゆる希土類磁石を用いる必要が生
じる。希土類マグネットはコストが高いので、高い磁気
特性が必要となる現像ローラ(磁石ローラ)の主極部の
みに希土類マグネットを用い、その他の極はフェライト
系マグネットを使用する構成が現実的である。
【0010】現像主極部のみに高い磁気特性のマグネッ
トを配置する構成としては、:マグネットローラの現
像極に相当する部分に溝を設け、その溝に高磁力のマグ
ネットブロック埋設する構成、:マグネットローラの
現像極に相当する部分に溝を設け、その溝に高磁力の磁
性粉を充填して圧縮成形する構成、が一般的である。
【0011】上記の構成では、マグネットブロックの
長手方向(ローラ軸方向)の磁束密度バラツキ、形状
(寸法)バラツキやマグネットローラとの貼り付け精度、
磁束密度の不足が課題である。の構成では、埋設(充
填)するマグネットにバインダーがないため、磁性紛を
高密度に充填することが可能であり、よりも高磁力が
期待できる。課題としては、磁性紛を高密度充填するこ
とによる高磁力化、均一に充填することによる磁束密度
バラツキの低減、磁性紛の防錆・保持、端部処理等が挙
げられる。
【0012】また、上記の構成においては、磁性紛は
充填しただけでは溝に保持できず、特に着磁の時に衝撃
を受けるため、そのままでは磁性紛が飛び散ってしま
う。そのため、磁性紛を保持する機構が必要がある。さ
らに、磁性紛材料としては高い磁気特性である希土類磁
石を用いることが有効であるが、希土類磁石は非常に錆
びやすく、防錆処理が必要となる。磁性紛の保持・防錆
の手段としては、充填した磁性紛の表面に保護膜を形成
することが有効である。
【0013】保護膜の形成にはいくつか手段が考えられ
るが、磁性紛の表面に接着剤を塗布する方法がある。こ
の場合、塗布後に磁性紛に浸透する前に硬化することが
望まれるため、硬化時間が短い接着剤が適している。接
着剤を塗布する方法としては、高密度充填された磁性紛
に接着剤を塗布し、その後にブレードで接着剤の厚さを
均一にする工法が挙げられる。しかし、この工法では厚
さを均一にするのが困難である。特に局所的に膜厚が薄
いところが発生すると、接着剤をブレードでならす時に
充填した磁性紛が動き、充填した磁性紛の厚さが不均一
になり、現像極での磁気特性もバラツキが大きくなって
しまう。さらに、着磁での衝撃に耐えられず、磁性紛が
飛び散ることがある。
【0014】また、上記の構成においては、現像極の
高磁力化は磁性紛の充填密度により決定する。磁性紛を
高密度充填することにより、現像極の高磁束密度・狭半
値幅(高精度)が達成できる。磁性紛の高密度充填の達
成手段としては、磁性紛充填時の圧縮条件、磁性紛の小
粒径化、助剤の添加等が挙げられる。マグネットローラ
の溝部に充填する場合は、圧縮圧を大きくするとマグネ
ットローラの溝部が変形するため、100kgf/cm2程度まで
しか圧縮圧を上げることはできず、高密度充填は達成で
きない。また、磁性紛の粒径を小さくすることにより高
密度充填の効果はあるが、圧縮圧に制約がある中では限
界がある。
【0015】本発明は、上記の構成による現像ローラ
における上述の問題を解決し、高い磁気特性と主極部の
高精度を備えた現像ローラを低コスト且つ容易に製造で
きる方法を実現し、これによって全濃度域にわたって良
質な画像を得ることのできる現像装置及び画像形成装置
を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配置した現
像ローラにおいて、前記磁石ローラは、磁性粉と高分子
化合物を混合して成形した円筒状マグネットと、該円筒
状マグネットの現像極に相当する部分に配置された現像
極マグネットとからなり、前記円筒状マグネットは、現
像極に相当する部分に外周面に開口し軸方向に延設され
る外周溝と、該外周溝より周方向の幅が狭く外周溝の底
部から軸心方向に凹んで形成され軸方向に延設される内
周溝とからなる2段構成の溝部を少なくとも1つ有し、
前記現像極マグネットは、前記内周溝に磁性粉を充填し
て圧縮成形され、該現像極マグネット上面の前記外周溝
に保護膜が形成されていることにより解決される。
【0017】また、前記内周溝の底部と円筒状マグネッ
トの芯金外周面との距離が1.5mm以上であると、好
適である。また、前記保護膜が硬化前に前記磁性粉内に
浸透することにより、前記内周溝に充填した磁性粉が内
周溝から盛り上がっていると、好適である。
【0018】また、前記円筒状マグネットは、芯金を挟
んだ前記溝部の反対側部分が平面形状に構成されている
と、好適である。また、前記円筒状マグネットの前記平
面形状に構成された部分の幅が前記溝部の幅よりも大き
いと、好適である。
【0019】また、前記保護膜の厚さが0.1〜0.1
5mmであると、好適である。また、前記の課題を解決
するため、本発明は、非磁性スリーブの内部に磁石ロー
ラを配置した現像ローラにおいて、前記磁石ローラは、
磁性粉と高分子化合物を混合して成形した円筒状マグネ
ットと、該円筒状マグネットの現像極に相当する部分に
配置された現像極マグネットとからなり、前記円筒状マ
グネットは、現像極に相当する部分に外周面に開口し軸
方向に延設される少なくとも1つの溝部を有し、前記現
像極マグネットは、磁性粉、潤滑剤及び表面改質剤から
なる材料を前記溝部に充填して圧縮成形されることを提
案する。
【0020】また、前記磁性粉が希土類磁石であると、
好適である。また、前記潤滑剤がステアリン酸又はステ
アリン酸化合物であると、好適である。
【0021】また、前記潤滑剤の配合比が0.5wt%
以下であると、好適である。また、前記表面改質剤がシ
ラン系カップリング剤又はシリコーンオイルであると、
好適である。
【0022】また、前記表面改質剤の配合比が2wt%
以上5wt%以下であると、好適である。また、前記の
課題は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の現像ロ
ーラを備える現像装置により解決される。
【0023】また、前記の課題は、請求項13に記載の
現像装置を備える画像形成装置により解決される。ま
た、前記の課題を解決するため、本発明は、非磁性スリ
ーブの内部に磁石ローラを配置した現像ローラの製造方
法において、前記磁石ローラの円筒状マグネットの現像
極に相当する部分に外周面に開口し軸方向に延設される
外周溝と、該外周溝より周方向の幅が狭く外周溝の底部
から軸心方向に凹んで形成され軸方向に延設される内周
溝とからなる2段構成の溝部を少なくとも1つ設け、該
溝部の前記内周溝に磁性粉を充填し圧縮成形して現像極
マグネットとし、該現像極マグネット上面の前記外周溝
に保護膜を形成することを提案する。
【0024】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配置した現像
ローラの製造方法において、前記磁石ローラの円筒状マ
グネットの現像極に相当する部分に外周面に開口し軸方
向に延設される少なくとも1つの溝部を設け、該溝部に
磁性粉、潤滑剤及び表面改質剤からなる材料を充填し圧
縮成形して現像極マグネットとすることを提案する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の現
像ローラの断面を磁気波形とともに示す模式図である。
この図に示す現像ローラ10は、非磁性体を円筒形に形
成した現像スリーブ11内に磁石ローラ体12を配置し
たものである。磁石ローラ体12は、芯金13が嵌装さ
れた円筒状のマグネットロール14と、主極部を構成す
る高磁力マグネット(現像極マグネット)15から構成
されている。本現像ローラ10を備える現像装置におい
て、磁石ローラ体12は固定配置され、現像スリーブ1
1は回転駆動される。
【0026】円筒状のマグネットロール14は、現像主
極以外の磁気特性を形成する部分であり、射出成形又は
押出し成形にて製造したものである。高磁力マグネット
15を充填するための溝は、マグネットロールの成形時
に形成する方法と、成形後に機械加工により形成する方
法がある。マグネットロール14の材料は特に限定する
ものではないが、磁性粉に高分子化合物を混合したいわ
ゆるプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを
用いることが多い。磁性粉としてはSrフェライトない
しBaフェライトを用い、高分子化合物としては6PA
もしくは12PA等のPA(ポリアミド)系材料、EE
A(エチレン・エチル共重合体)又はEVA(エチレン
・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩
素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材
料を使用することができる。
【0027】また、現像主極を形成するための高磁力マ
グネット15は、幅が狭く且つ高い磁気特性を得るため
に、多くはNe系(Ne・Fe・B等)又はSm系(S
m・Co、Sm・Fe・N等)の希土類マグネット粉を
マグネットロール14の溝(後述する)に充填して圧縮
成形したものである。
【0028】図2は、マグネットロール14に設けた溝
部を詳しく示す拡大図である。この図に示すように、本
実施形態におけるマグネットロール14には2段構成の
溝が形成されている。すなわち、外周面に開口する幅
(ロール周方向の幅)が広くて深さの浅い溝(外周溝と
呼ぶ)16と、その外周溝16の底部から内周側に凹ん
で形成された幅が狭く深い溝(内周溝と呼ぶ)17であ
る。本実施形態では、外周溝16の幅(ロール周方向の
幅)は4mmで深さは0.15mmである。また、内周
溝17の幅は2mmで深さは2mmである。これらの溝
がマグネットロール14の長手方向(軸方向)に沿って
延設されていることは言うまでもない。
【0029】そして、上記内周溝17の部分に上述の希
土類マグネット粉を高密度充填し、その上の外周溝16
の部分に接着剤を用いて保護膜を形成する。マグネット
ロール14に希土類マグネット粉を充填して高磁力マグ
ネット15とし、保護膜18を形成した様子を図3に示
す。
【0030】保護膜18の膜厚については、厚くすると
磁性紛とスリーブ表面との距離が大きくなり、磁気特性
には不利となる。逆に薄くすると着磁での衝撃に耐え切
れず、磁性紛を保持しきれなくなる。そのため、保護膜
18の膜厚としては0.1mm〜0.15mmであるこ
とが望ましい。
【0031】保護膜18を形成する接着剤は特に限定さ
れるものではないが、硬化時間が短いUV硬化型接着剤
等が適している。硬化するまでに接着剤が磁性紛に(一
部)浸透すると、図4に示すように、硬化後に充填した
磁性紛が盛り上がる。盛り上がることにより、磁性紛と
スリーブ表面との距離が小さくなることから、保護膜が
0.1mm〜0.15mmの範囲であり、かつ組立後に
スリーブに当たることがなければ、高磁束密度、狭半値
幅化に有効である。
【0032】次に、本実施形態の現像ローラの具体的な
製造方法について説明する。まず、現像極に相当する部
分に上述した階段状の溝16,17を有するマグネット
ロール14を押出し成形または射出成形にて成形し、そ
のマグネットロール14に芯金13を挿入する。その
際、芯金13の基準面とマグネットローラの溝の位置を
基準に、完成品の磁極位置に合わせる。なお、本実施形
態では、マグネットロール14の直径は18mm、芯金
13の直径は6mm、スリーブ11の直径は20mmで
ある。芯金挿入は圧入になるため、マグネットロールの
割れが発生することがある。割れは肉厚が薄い溝の部分
で最も発生しやすい。一方、溝深さは深くするほど磁性
紛の体積が大きくなり、高い磁気特性が期待できるが、
割れを防ぐには芯金と溝底面との肉厚(距離)は1.5
mm以上あることが必要である。
【0033】芯金13を挿入したマグネットロール14
に対し、内周溝17に磁性紛を高密度充填する。磁性紛
を高密度に充填するほど高い磁気特性が期待できる。高
密度充填する方法としては、振動を与えながら充填す
る、大きな圧縮力で充填することが挙げられる。圧縮力
を大きくすると、マグネットロールの変形が懸念され
る。ロールの変形には、溝の変形と圧縮力を支える溝の
対極部分(芯金13を挟んだ溝と反対側の部分)の変形
が挙げられる。溝の対極部分の変形については、図5に
示すように、圧縮力を支える部分である溝対極部19を
平面にすることにより、余裕度が向上できる。また、溝
の変形が発生するほどの大きな圧縮力を掛けることはで
きないが、溝の幅よりも対極の平面部19の幅を大きく
することにより、溝の変形が発生しない範囲の圧縮力で
あれば溝の対極部19の変形も発生しないことになり、
溝の変形が発生するぎりぎりまで圧縮力をかけることが
でき、圧縮力に対する余裕度がさらに高くなり、高密度
充填が達成できる。
【0034】磁性粉を充填した後、接着剤を磁性粉の上
に満たす。すなわち、外周溝16に接着剤を満たし、保
護膜を形成する。その際、外周溝16の壁を利用してブ
レードでならすことにより、接着剤は硬化するまで不必
要なところに流れることはない。保護膜の厚さは外周溝
16の厚さ(深さ)とほぼ等しくなり、均一な膜厚にす
ることができる。
【0035】このようにして、マグネットロール14に
磁性粉を充填して高磁力マグネット15とし、保護膜1
8を形成後、着磁を行って所望の磁気特性を得る。これ
により、磁石ローラ体12が構成される。そして、その
磁石ローラ体12をスリーブ11の内部に収め、フラン
ジを組み立て、現像ローラ10とする。
【0036】このようにして製造された本実施形態の現
像ローラ10は、現像極の磁束密度105mT(ミリテ
スラ)、半値幅21度となり、現像極の高磁束密度、狭
半値幅(高精度)化が達成できる。なお、半値幅とは、
法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力(頂点)の半分
の値を指す部分の角度幅のことである。
【0037】上記のように、本実施形態の現像ローラ1
0においては、マグネットロール14の現像極に相当す
る部分に階段状の2段の溝(外周溝16、内周溝17)
を形成し、1段目の内周溝17に磁性紛を充填し、2段
目の外周溝16に保護膜18を形成することにより、外
周溝16の壁部を利用して保護膜18の膜厚を均一にす
ることができる。
【0038】保護膜の厚さを0.1mm〜0.15mm
とすることにより、高い磁気特性と充填した磁性紛の保
持・防錆とを実現することができる。また、マグネット
ロール14においては、芯金13と内周溝17底部との
肉厚を1.5mm以上にすることにより、芯金圧入によ
るマグネットロールの割れを防ぐことができる。
【0039】そして、保護膜材料が硬化前に磁性紛内に
浸透し、充填した磁性紛が磁性紛収納部(溝部)から盛
り上がるように構成した場合には、磁性紛とスリーブ表
面との距離が小さくなることから、より高磁束密度、狭
半値幅の現像ローラを得ることができる。
【0040】さらに、マグネットロール14の現像極
(溝部)の反対側の部分を平面部19として構成した場
合には、磁性紛充填での圧縮圧に対するマグネットロー
ル14の変形の余裕度が大きくなり、磁性粉を高密度に
充填することができ、高磁束密度が達成できる。
【0041】その溝部の対極部分の平面部19の幅を溝
部の幅よりも大きくすることにより、圧縮によるマグネ
ットロールの変形の余裕度が、溝よりも溝の対極部の方
が高くなり、磁性粉を高密度に充填することができ、高
磁束密度が達成できる。
【0042】次に、第2発明の実施形態について説明す
る。本願発明者らは、磁性紛に助剤の添加をすることを
検討した結果、潤滑剤、表面改質剤を添加することによ
り、現像極の高磁力化に効果があることが判った。
【0043】磁性紛に潤滑剤を添加して溝に圧縮成形す
ることにより、磁気特性が高くなり、軸方向バラツキが
小さくなる。これは潤滑剤により磁性紛の摩擦を弱め、
弱い圧縮圧でも充填されやすくなり、また充填された磁
性紛の表面形状が均一になることによる。潤滑剤として
はステアリン酸あるいはステアリン酸化合物(ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ス
トロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リ
チウム等)を用いることにより、0.05〜0.5wt
%程度の少ない配合比で潤滑の効果が得られる。
【0044】また、磁性紛に表面改質剤を添加すること
により、現像極の高磁力化が達成できる。表面改質剤と
してシランカップリング剤を用いることにより、シラン
カップリング剤の両末端の官能基が磁石粉とステアリン
酸あるいはステアリン酸化合物と反応し、カップリング
効果が得られ、磁性粉の高密度充填が可能になる。ま
た、シランカップリング剤による磁性紛の表面処理によ
り、磁石紛の保護膜として働き、防錆が可能である。さ
らに、圧縮成形時に磁性粉同士を結着し、バインダー的
な効果が得られる。磁性紛の保持には着磁電解印可時の
衝撃に耐える強度が必要であるが、シランカップリング
剤では2wt%以上であれば充分な強度が得られ、PA
(ポリアミド/ナイロン樹脂)等のバインダーを用いるよ
りも少ない配合比で磁性紛を保持でき、高磁力が達成で
きる。配合比を高くすると磁気特性が低下するため、5
wt%以下が望ましい。これらにより磁性紛の保持・防
錆のための保護膜の形成、及び端部処理が不用になり、
工程を簡素化できる。保護膜が不用になると、充填した
磁性紛の表面とスリーブ表面の距離を短くすることによ
る現像極の高磁力化も達成できる。シランカップリング
材としては、オレフィン官能性シラン、エポキシ官能性
シラン、アミノ官能性シラン等を用いることができる。
また、シリコーンオイル配合剤を用いることによっても
同様の効果が得られ、潤滑剤としての効果も得られる。
【0045】図6は、本実施形態の現像ローラの断面を
磁気波形とともに示す模式図である。この図に示す現像
ローラ10Bの基本的な構成は図1で説明したものと同
様であるので、重複する説明を省略し、異なる部分につ
いて説明する。
【0046】本実施形態においては、マグネットロール
14Bは階段状の2段溝を有しておらず、幅2mm×高
さ(深さ)2mmの1段の方形溝を有するものである。
その1段の方形溝に、上記のような磁性紛に潤滑剤及び
表面改質剤を添加したものを充填・圧縮成形して高磁力
マグネット15Bとする。
【0047】本実施形態の現像ローラ10Bの具体的な
製造方法について説明する。まず、現像極に相当する部
分に幅2mm、深さ2mmの溝を有するマグネットロー
ル14B(φ18)を押出し成形にて成形する。材料はフェ
ライト系プラスチックマグネットを用いた。成形したマ
グネットロール14Bに芯金13を挿入する。その際、
芯金の基準面とマグネットロールの溝の位置を設定角度
になるように挿入する。
【0048】次に、マグネットロール14Bの上記溝部
(現像極)に高磁力マグネット15Bを成形する。磁石
(磁性粉)材料はNd-Fe-B系磁石・MQP-B(magn
equench社)を用いた。乾式アトライタMA1D(三井金
属鉱山製)を用い磁性紛を粉砕し、平均粒径を50μm
とした。潤滑剤はステアリン酸亜鉛Sz2000(堺化
学工業)を用い、磁石粉に対し、0.1wt%を配合し
た。表面改質剤としてアミノシラン系のシランカップリ
ング剤KBM603(信越化学工業製)を用い、磁石粉に
対し、2.5wt%配合する。
【0049】これらの混合物をヘンシェルミキサーで混
錬し、室温で3時間ほど反応させた後、マグネットロー
ル14Bの上記溝部に充填し、圧縮圧力250kg/c
で成形した。
【0050】高磁力マグネット15Bの成形後に、現像
極を空芯コイルで着磁し、次に現像極以外の他の極をヨ
ーク着磁し、所望の磁気特性を得る。これにより、磁石
ローラ体12Bが構成される。そして、その磁石ローラ
体12Bをスリーブ11(φ20)の内部に収め、フランジ
を組み立て、現像ローラ10Bとする。
【0051】このようにして作製された現像ローラ10
Bは、現像極の磁束密度105mT、半値幅21度とな
り、現像極の高磁束密度、狭半値幅化が達成できる。
【0052】上述したように、本実施形態においては、
現像極に相当する部分に配置した高磁力マグネット15
Bが磁性粉と潤滑剤と表面改質剤からなることにより、
従来のボンド磁石よりも高磁力が達成でき、現像極の高
磁束密度・狭半値幅が達成できる。潤滑剤を添加するこ
とにより低圧圧縮でも高密度充填が可能である。表面改
質剤は磁性粉表面を被覆化し、磁性粉表面の保護膜とし
て働き、防錆効果が期待できる。また、圧縮時の圧力で
磁性粉同士を結着することによりバインダー的に働き、
着磁電界を印可した時に形が変形することのない機能を
発揮することもできる。これらにより磁性紛の保持・防
錆のための保護膜の形成及び端部処理が不用になり、製
造工程を簡素化できる。保護膜が不用になると、充填し
た磁性紛の表面とスリーブ表面の距離を短くすることに
よる現像極の高磁力化も達成できる。
【0053】高磁力マグネット15Bとして希土類磁石
を使用することにより、フェライト磁石では達成できな
かった高い磁力を達成できる。幅2mm高さ2.5mm
長さ300mmの高磁力マグネットの場合、希土類磁石
単独で85mTを達成できる。フェライト磁石では40
mTが限界である。
【0054】磁性粉に添加する潤滑剤としてステアリン
酸あるいはステアリン酸化合物を使用することにより、
少量でも潤滑性が付与され、低圧でも高密度充填が可能
であり、現像極の高磁束密度・狭半値幅化及び軸方向バ
ラツキの低減が達成できる。
【0055】磁性粉に添加する表面改質剤としてシラン
カップリング剤を用いることにより、シランカップリン
グ剤の両末端の官能基が磁性粉とステアリン酸あるいは
ステアリン酸化合物と反応し、カップリング効果が得ら
れ、高密度充填が可能となる。同時に磁性紛の表面を処
理し、保護膜として働くと共に圧縮成形時に磁性紛同士
を結着し、バインダー的な効果が得られる。また、シリ
コーンオイル配合剤を用いても同様の効果が得られ、潤
滑剤としての効果も得られる。
【0056】磁性粉に添加する潤滑剤の添加量を0.5
wt%以下に設定することにより、潤滑性が向上し、よ
り大きな充填密度、磁気特性と、バラツキの低減が達成
できる。
【0057】磁性粉に添加する表面改質剤の配合比を最
適化(2wt%以上、5wt%以下)することにより、
より少ない量で充填密度を向上させると共に、着磁電界
の印加時のショックで磁石の角型形状が変形したり、内
部の磁石粉が表面に析出することがなくなる。
【0058】以上、本願発明の現像ローラを2つの実施
形態で説明したが、次に、その現像ローラを備える現像
装置について説明する。図5に示す現像装置5におい
て、現像剤担持体である現像ローラ10が画像形成装置
の感光体ドラム1に近接するように配置されていて、双
方の対向部分には、感光体ドラムと磁気ブラシが接触す
る現像領域が形成されている。現像ローラ10は、上記
説明した現像ローラ10又は10Bである。その現像ロ
ーラのスリーブ11が不図示の回転駆動機構によって図
中時計回りに回転されるようになっている。本実施形態
においては、感光体ドラム1と現像スリーブ11との間
隔である現像ギャップは0.4mmに設定されている。
【0059】現像剤の搬送方向(図5では時計回り方
向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェー
ン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ11上の現像剤量を
規制するドクタブレード24が設置されている。このド
クタブレード24と現像スリーブ11との間隔であるド
クタギャップは0.4mmに設定されている。更に現像
ローラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像装置ケ
ーシング内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ10へ汲
み上げるためのスクリュー23が設置されている。
【0060】現像ローラのスリーブ11内には、当該現
像スリーブ11の周表面に現像剤の穂立ちを生じるよう
に磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)12が固
定状態で備えられる。この磁石ローラ体から発せられる
法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像
スリーブ11上にチェーン状に穂立ちを起こし、このチ
ェーン状に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着
されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現
像スリーブ11の回転によって現像スリーブ11と同方
向(図で見て時計回り方向)に移送されることとなる。
【0061】本実施形態の現像装置5においては、現像
主極の半値幅が21°で105mTの磁束密度が得られ
るように構成されている。このような高い磁気特性を備
えることにより、全濃度域にわたって良質な画像を得る
ことができる。また、上記のような高い磁気特性と現像
主極部の高精度は、上述したような構成の現像ローラ1
0を備えることにより、低コストで実現することが可能
となる。なお、半値幅とは、法線方向の磁力分布曲線の
最高法線磁力(頂点)の半分の値を指す部分の角度幅の
ことである。
【0062】最後に、本発明の適用を複写装置に広げて
説明する。図6に示す複写装置100は、装置本体のほ
ぼ中央部に感光体ドラム1を中心とする作像部を配し、
下部には4段の給紙段2a〜dからなる給紙部2を配置
している。装置上部には原稿画像を読み取る読取部3が
配設され、装置上部に自動原稿給送装置(ADF)21
を装着している。
【0063】複写装置100の作像部において、静電潜
像担持体である感光体ドラム1の周囲には、帯電装置
4、上述の現像装置5、転写搬送装置6、クリーニング
装置7等が配設されている。これらの上方には光書込み
装置7が設けられている。光書込み装置7より発せられ
るレーザ光は、帯電装置4と現像装置5の間の書き込み
位置にて感光体ドラム1に照射される。そして、クリー
ニング装置7の図において左方には定着装置9が設けら
れている。また、その下方には両面トレイ22が設けら
れている。
【0064】このような構成において、帯電装置4によ
って表面を一様に帯電された感光体ドラム1には、光書
込み装置7からのレーザ光によって静電潜像が形成さ
れ、現像装置4によってトナー像を形成される。当該ト
ナー像は、転写ベルトなどで構成された転写搬送装置5
によって、感光体ドラム1から、給紙部2より搬送され
た記録紙上へ転写される。そして、未定着トナー像を転
写された記録紙は定着装置9へ搬送され、トナー像が記
録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム上
に残留したトナーは、クリーニング装置7によって除去
され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム
1は図示しない除電手段で初期化され、次回の画像形成
プロセスに供される。トナー像が定着された記録紙は、
図示しない排紙トレイに排出される。両面記録を行う場
合、記録紙は両面トレイ22へ搬送され、ここから再度
作像部に給送されて記録紙裏面への記録が行われた後、
図示しない排紙トレイに排出される。
【0065】以上、本発明を図示の実施形態により説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、現像ローラの現像極に相当する部分に設けた高磁力
マグネット15(15B)の数は実施形態の1個に限る
ものではなく、2つあるいはそれ以上の個数とすること
ができる。現像極を複数の高磁力マグネットで構成する
場合には、各マグネットは隣のマグネットとの極性が異
なるように配置するものとする。また、現像装置の現像
ローラ以外の部分の構成は、適宜変更することができ
る。もちろん、現像装置が装着される画像形成装置の構
成、例えば作像部の構成等は任意な構成とすることがで
きる。また、複写装置に限らずファクシミリやプリンタ
でもよいことは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の構成に
よれば、外周溝の壁部を利用して保護膜の膜厚を均一に
することができ、溝部に充填された磁性粉の状態を変化
させることがなく、バラツキのない磁気特性を得ること
ができる。また、着磁の際に磁性粉が飛び散ることも防
止できる。
【0067】請求項2の構成により、芯金圧入によるマ
グネットロールの割れを防ぐことができる。請求項3の
構成により、磁性紛とスリーブ表面との距離が小さくな
ることから、より高磁束密度、狭半値幅の現像ローラを
得ることができる。
【0068】請求項4の構成により、磁性紛充填での圧
縮圧に対するマグネットロールの変形の余裕度が大きく
なり、磁性粉を高密度に充填することができ、高磁束密
度が達成できる。
【0069】請求項5の構成により、圧縮によるマグネ
ットロールの変形の余裕度が、溝よりも溝の対極部の方
が高くなり、磁性粉を高密度に充填することができ、高
磁束密度が達成できる。
【0070】請求項6の構成により、高い磁気特性と充
填した磁性紛の保持・防錆とを実現することができる。
請求項7の構成により、従来のボンド磁石を使用するよ
りも高磁力が達成でき、現像極の高磁束密度・高精度化
が達成できる。潤滑剤を添加することにより低圧圧縮で
も高密度充填が可能である。表面改質剤は磁性粉表面を
被覆化し、磁性粉表面の保護膜として働き、防錆効果が
期待できる。また、圧縮時の圧力で磁性粉同士を結着す
ることによりバインダー的に働き、着磁電界を印可した
時に形が変形することのない機能を発揮することもでき
る。これらにより磁性紛の保持・防錆のための保護膜の
形成及び端部処理が不用になり、製造工程を簡素化でき
る。保護膜が不用になると、充填した磁性紛の表面とス
リーブ表面の距離を短くすることによる現像極の高磁力
化も達成できる。
【0071】請求項8の構成により、フェライト磁石で
は達成できなかった高い磁力を達成できる。請求項9の
構成により、磁性粉に添加する潤滑剤としてステアリン
酸あるいはステアリン酸化合物を使用するので、少量で
も潤滑性が付与され、低圧でも高密度充填が可能であ
り、現像極の高磁束密度・狭半値幅化及び軸方向バラツ
キの低減が達成できる。
【0072】請求項10の構成により、磁性粉に添加す
る潤滑剤の添加量を0.5wt%以下に設定するので、
潤滑性が向上し、より大きな充填密度、磁気特性と、バ
ラツキの低減が達成できる。
【0073】請求項11の構成により、磁性粉に添加す
る表面改質剤としてシランカップリング剤を用いるの
で、シランカップリング剤の両末端の官能基が磁性粉と
ステアリン酸あるいはステアリン酸化合物と反応し、カ
ップリング効果が得られ、高密度充填が可能となる。同
時に磁性紛の表面を処理し、保護膜として働くと共に圧
縮成形時に磁性紛同士を結着し、バインダー的な効果が
得られる。また、シリコーンオイル配合剤を用いても同
様の効果が得られ、潤滑剤としての効果も得られる。
【0074】請求項12の構成により、磁性粉に添加す
る表面改質剤の配合比を最適化(2wt%以上、5wt
%以下)するので、より少ない量で充填密度を向上させ
ると共に、着磁電界の印加時のショックで磁石の角型形
状が変形したり、内部の磁石粉が表面に析出することが
なくなる。
【0075】請求項13の現像装置及び請求項14の画
像形成装置によれば、主極部の高い磁気特性が高精度に
なされた現像ローラを備えるので、全濃度域にわたって
良質な画像を簡単な構成で低コストに実現することがで
きる。
【0076】請求項14の現像ローラ製造方法によれ
ば、磁性粉を保護する保護膜の膜厚を均一にした磁石ロ
ーラ体を容易に製造でき、高性能な現像ローラの製造コ
ストを低減させることができる。
【0077】請求項15の現像ローラ製造方法によれ
ば、磁性粉の高密度充填および磁性粉表面の保護・防錆
が可能な磁石ローラ体を容易に製造でき、高性能な現像
ローラの製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の現像ローラの断面を磁気
波形とともに示す模式図である。
【図2】その現像ローラのマグネットロールに設けた溝
部を詳しく示す拡大図である。
【図3】その溝部に充填成形された現像極マグネットを
詳しく示す拡大図である。
【図4】充填した磁性粉が盛り上がった様子を示す拡大
図である。
【図5】現像極マグネットの反対側部分を平面形状とし
た現像ローラの断面を磁気波形とともに示す模式図であ
る。
【図6】本願第2の発明の実施形態の現像ローラの断面
を磁気波形とともに示す模式図である。
【図7】図1又は図6に示す現像ローラを備える現像装
置の一例を示す断面構成図である。
【図8】図7に示す現像装置を備える画像形成装置の一
例を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 5 現像装置 10 現像ローラ 11 現像スリーブ 12 磁石ローラ 13 芯金 14 円筒状マグネット 15 高磁力マグネット(現像極マグネット) 16 外周溝 17 内周溝 18 保護膜 19 平面部 100 複写装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 剛 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 肥塚 恭太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 掛川 美恵子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H031 AB02 AC14 AC18 AC19 AC20 AC30 AD01 AD05 BA04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配
    置した現像ローラにおいて、 前記磁石ローラは、磁性粉と高分子化合物を混合して成
    形した円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの現像
    極に相当する部分に配置された現像極マグネットとから
    なり、 前記円筒状マグネットは、現像極に相当する部分に外周
    面に開口し軸方向に延設される外周溝と、該外周溝より
    周方向の幅が狭く外周溝の底部から軸心方向に凹んで形
    成され軸方向に延設される内周溝とからなる2段構成の
    溝部を少なくとも1つ有し、 前記現像極マグネットは、前記内周溝に磁性粉を充填し
    て圧縮成形され、 該現像極マグネット上面の前記外周溝に保護膜が形成さ
    れていることを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 前記内周溝の底部と円筒状マグネットの
    芯金外周面との距離が1.5mm以上であることを特徴
    とする、請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 【請求項3】 前記保護膜が硬化前に前記磁性粉内に浸
    透することにより、前記内周溝に充填した磁性粉が内周
    溝から盛り上がっていることを特徴とする、請求項1に
    記載の現像ローラ。
  4. 【請求項4】 前記円筒状マグネットは、芯金を挟んだ
    前記溝部の反対側部分が平面形状に構成されていること
    を特徴とする、請求項1に記載の現像ローラ。
  5. 【請求項5】 前記円筒状マグネットの前記平面形状に
    構成された部分の幅が前記溝部の幅よりも大きいことを
    特徴とする、請求項4に記載の現像ローラ。
  6. 【請求項6】 前記保護膜の厚さが0.1〜0.15m
    mであることを特徴とする、請求項1に記載の現像ロー
    ラ。
  7. 【請求項7】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを配
    置した現像ローラにおいて、 前記磁石ローラは、磁性粉と高分子化合物を混合して成
    形した円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの現像
    極に相当する部分に配置された現像極マグネットとから
    なり、 前記円筒状マグネットは、現像極に相当する部分に外周
    面に開口し軸方向に延設される少なくとも1つの溝部を
    有し、 前記現像極マグネットは、磁性粉、潤滑剤及び表面改質
    剤からなる材料を前記溝部に充填して圧縮成形されるこ
    とを特徴とする現像ローラ。
  8. 【請求項8】 前記磁性粉が希土類磁石であることを特
    徴とする、請求項7に記載の現像ローラ。
  9. 【請求項9】 前記潤滑剤がステアリン酸又はステアリ
    ン酸化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の
    現像ローラ。
  10. 【請求項10】 前記潤滑剤の配合比が0.5wt%以
    下であることを特徴とする、請求項7又は9に記載の現
    像ローラ。
  11. 【請求項11】 前記表面改質剤がシラン系カップリン
    グ剤又はシリコーンオイルであることを特徴とする、請
    求項7に記載の現像ローラ。
  12. 【請求項12】 前記表面改質剤の配合比が2wt%以
    上5wt%以下であることを特徴とする、請求項7又は
    11に記載の現像ローラ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の現像装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを
    配置した現像ローラの製造方法において、 前記磁石ローラの円筒状マグネットの現像極に相当する
    部分に外周面に開口し軸方向に延設される外周溝と、該
    外周溝より周方向の幅が狭く外周溝の底部から軸心方向
    に凹んで形成され軸方向に延設される内周溝とからなる
    2段構成の溝部を少なくとも1つ設け、 該溝部の前記内周溝に磁性粉を充填し圧縮成形して現像
    極マグネットとし、 該現像極マグネット上面の前記外周溝に保護膜を形成す
    ることを特徴とする現像ローラの製造方法。
  16. 【請求項16】 非磁性スリーブの内部に磁石ローラを
    配置した現像ローラの製造方法において、前記磁石ロー
    ラの円筒状マグネットの現像極に相当する部分に外周面
    に開口し軸方向に延設される少なくとも1つの溝部を設
    け、 該溝部に磁性粉、潤滑剤及び表面改質剤からなる材料を
    充填し圧縮成形して現像極マグネットとすることを特徴
    とする現像ローラの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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