JP2005070297A - 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置 - Google Patents

現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005070297A
JP2005070297A JP2003298626A JP2003298626A JP2005070297A JP 2005070297 A JP2005070297 A JP 2005070297A JP 2003298626 A JP2003298626 A JP 2003298626A JP 2003298626 A JP2003298626 A JP 2003298626A JP 2005070297 A JP2005070297 A JP 2005070297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
developing
roller
molded body
magnet roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003298626A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Oko
健一 大古
Sumio Kamoi
澄男 鴨井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003298626A priority Critical patent/JP2005070297A/ja
Publication of JP2005070297A publication Critical patent/JP2005070297A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 磁石成形体とスリーブとの間隙が小さく、磁気波形が広幅でピーク磁力が大きく半値幅が狭くい磁気波形となる磁気特性を示す現像ローラを提供する。
【解決手段】 高分子化合物に磁性粉を分散したプラスチックマグネット(21)からなるローラの或る極に相当する部分に他の部材を埋め込み可能な凹部を少なくとも一箇所有し、当該凹部に上記プラスチックマグネットよりも高磁力の磁石成型体(20)が配置された現像マグネットローラにおいて、磁石成型体を、マグネットローラ軸側に曲率中心があるように円周方向と同一方向に湾曲し、なおかつ横断面高さ寸法が均一である形状とする。
【選択図】 図11

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、ファクシミリ、プリンタ、ダイレクトデジタル製版機等の画像形成装置における現像周辺装置に係り、詳しくはトナーと磁性粒子からなる二成分現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像する現像ローラに関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトからなる潜像担持体上に、画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行され、可視像が得られる。かかる電子写真方式における現像処理にあたり、磁気ブラシ現像方式が周知であり、広く利用されている。二成分現像剤を用いる場合、この磁気ブラシ現像では、現像剤担持体外周面に当該現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、現像領域(現像剤担持体と潜像担持体の間で現像可能電界が確保されている領域)において、静電潜像が形成された潜像担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の電界によって、上記磁気ブラシから対向する潜像担持体の潜像面へトナーを選択的に供給付着することにより、現像が行われる。
特開2000−305360号公報
磁気ブラシ現像を行うために、所謂現像極での高磁力化が求められ、Sm-Co系、NdFeB系、SmFeN系の希土類磁石のような高エネルギー積の磁石材料を用いる必要があるが、これらは高価であるために、プラスチック樹脂を混練した所謂プラスチックマグネット(高分子化合物に磁性粉を分散したもの)の軸方向に溝を切り、そこに希土類磁石成形体を嵌め込むことが行われている。
例えば特許文献2には、円柱状の軸部材の外周面に設けた軸方向の溝内に、磁性粉を充填し、これを圧縮成形し、接着剤を含浸硬化させ、次いで後加工を施すことにより、少ない工程で軽量の永久磁石ロールを形成することが開示されている。この特許文献2に開示された方法は、芯金に溝を設け、芯金に直接圧縮成形する工法である。この工法では、各極ごとに成形が必要になり、生産性が低く、コストが高くなる問題がある。また、現像ローラ径が大きくなると、それに伴い、芯金径を大きくするか、成形マグネットの厚さを大きくする必要がある。前者の場合、芯金径が大きくなると、重くなり、マシンへの負荷が大きくなる。後者の場合、成形マグネットを高くすると必要磁石量が多くなり。高コストとなる。特許文献2ではフェライト材料を特定しているが、高磁力化するために希土類磁石を用いることを想定すると、その材料費の高さのために、成形マグネットはできる限り体積を小さくすることが望まれ、高磁力化とコストの両立が困難である。
特開昭59−146073号公報
従来技術においては、プラスチックマグネットローラにおける一部の極に相当する部分に溝形状の収納部分を設け、そこに高磁力の磁石成形体を配置してマグネットローラが作られているわけであるが、この方式で磁気波形が広幅で高磁力なマグネットローラを作ろうとすると、幅の広い(例えば4〜10mm)磁石成形体をプラスチックマグネットローラに設置する必要がある。その場合、マグネットローラを現像スリーブ内に収めるためには、断面矩形の磁石成形体の稜線部がスリーブと干渉しないように磁石成形体の高さ寸法を抑えなければならない。してみると、成形体の中央部付近ではスリーブとの間隙が大きくなり、高磁力を実現できない。
また、図1のように現像極をP1極、現像極の下流側をP2極とするとき、P2極の磁気波形がP1極(現像極)に向かって減衰していく部分において、磁束密度が円周方向角度に対して直線的に減衰しているような波形を有する現像ローラ(図1a)では、磁束密度が変曲点を経て減衰していくような現像ローラ(図1b)と比較して、優れた画質をもたらすことが判っている。そこでスリーブと磁石成形体との間隙を小さくするやり方の一つとして、磁石成形体の、スリーブと接する角部をR形状もしくはC形状にする、もしくはスリーブと向かい合う面全体をR形状にすることが考えられる(図2)。
以下、これらの実現可能性を、工法とともに検討する。磁石成形体を得るには、一般的に現像ローラ用プラスチックマグネットを製造するのに使われている次の方法が考えられる;(i)射出成形法、(ii)押し出し成形法、(iii)圧縮成形工法。
高磁力の磁石成形体を得るためには、(i)〜(iii)いずれかの方法による成形と、磁場印加による磁石パウダーの配向とを同時に行う必要がある。(i)の射出成形法は金型で寸法が決定されるため、精度の高い成形が可能となるが、材料が金型内を流れる必要があるため、樹脂の配合比率を高める必要があって磁石の配合比率を高められないため、高磁力マグネットが得られ難い。(ii)の押し出し成形工法は連続で成形され、生産性に優れる工法であるが、射出成形と比較し寸法精度が出難い。また、射出成形工法と同様に磁石の配合比率を上げ難く、高磁力マグネットが得られ難い。(iii)の圧縮成形工法は密度を高めることが可能であり、高磁力を期待できる。そこで圧縮成形工法を検討した。
磁場配向と圧縮成形とを同時に行い、図2に示したような形状に成形するためには、金型、圧縮方向、磁場方向は図3のような位置関係になっている必要がある。この方法では、所要の形状を成形するのに適した量の磁石成形体材料を金型内に均一に充填することが非常に困難であり、またプレス時の粉体の流れが複雑になりプレス圧力を材料内に均一に伝達することも困難であるため、成形体の寸法精度、磁石粉配向性、磁力の均一性などを期待できない。またプレス後に脱型するためには金型を分解しなければならず、量産性も低い。
金型の構成を図9のように変更すると、脱型の困難さが低減するが、プレス時に金型上パンチの先端部近傍の圧力が非常に高くなることが予想され、パンチの破損が懸念され、望ましくない。また、圧縮成形により図5のように直方体形状を成形し、その後に切削等により図2の形状を創出する方法も考えられるが、マグネットローラとして用いるような長尺形状の磁石成形体を破損せずに高精度で切削することは困難で、その困難さに加えて、切削除去され生じた切り粉が磁力により成形体に付着する現象が予想され、工程の容易さ、コスト、タクトタイムの観点から現実的な方法とは言い難い。
以上により、圧縮成形工法によっても、図2のような成形体を得ることは困難である。そこで、圧縮成形工法により成形した直方体状の磁石成形体を、図6のように、湾曲した若しくは折れ曲がった形状に変形させることを考える。
熱可塑性樹脂をバインダーとして用いた混成剤(所謂コンパウンド)を材料にすれば、圧縮成形により直方体状の磁石成形体を得た後に、熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に保ちながら加圧保持することで変形させ、湾曲した形状にすることが可能である。この形状は、図2の形状と比較して、プラスチックマグネットの収納部分の底部と接する面の近傍の部分を除去した形状である。この部分は磁気波形への寄与が大きくないため、この部分を除去した形状にすることで、磁気特性を損なうことなく材料コストが削減できるメリットがある。
よって以上述べてきたように課題と解決策とを考慮して、「圧縮成形により磁石成形体を成形した後、高温に加圧保持することで磁石成形体を湾曲した若しくは折れ曲がった形状に変形させる」ことにより、磁石成形体とスリーブとの間隙が小さく、磁気波形が広幅でピーク磁力が大きく半値幅が狭くい磁気波形となる磁気特性を示す現像ローラを製造することができると考え、本発明に至ったものである。
上記課題は、即ち、高分子化合物に磁性粉を分散したプラスチックマグネットからなるローラの或る極に相当する部分に他の部材を埋め込み可能な凹部を少なくとも一箇所有し、当該凹部に上記プラスチックマグネットよりも高磁力の磁石成型体が配置された現像マグネットローラにおいて、磁石成型体を、マグネットローラ軸側に曲率中心があるように円周方向と同一方向に湾曲し、なおかつ横断面高さ寸法が均一である形状とすることによって、解決できる。上記磁石成型体を、上記凹部の側面に近い部分がマグネットローラ軸に近づく方へ折れ曲がり、なおかつ横断面高さ寸法が均一である形状としても、同様に課題を解決できる。
上記磁石成形体のマグネットローラ軸側である内側面の面形状と一致する面形状を有した保持部材を、磁石成形体の下に配置すれば、好適である。その際、保持部材の一部又は全部が磁性体であれば、磁石成形体から発する磁力のピークを更に高めることができ、好ましい。上記溝部の底面が凸面形状を有し、この凸面形状と磁石成形体の内側面の面形状とが一致していても、プラスチックマグネットと磁石成形体の接触面積を十分に確保でき、同様に好適である。上記磁石成形体は、磁石粉材料と熱可塑性樹脂と流動性付与剤を必須成分とし、熱可塑性樹脂には顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくともいずれか一種が含有されていれば、磁気特性や成形品質のバラツキが低く磁石表面の被覆処理による防錆効果を有し、高磁力、高強度、高寸法精度、磁力分布バラツキの点で良好であり、更に高温下での加圧保持による変形が可能である。
上記現像マグネットローラと該現像マグネットローラを収納する円筒状スリーブとを備えた現像ローラにおいては、現像マグネットローラの溝部に配置された磁石成形体の外周面の曲率と、スリーブ内周面の曲率とをほぼ等しくする。
上記現像マグネットローラを製造するにあたっては、磁石粉材料と熱可塑性樹脂と流動性付与剤を必須成分とし、熱可塑性樹脂には顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくともいずれか一種が含有された磁石混成剤材料を圧縮成形し、得られた磁石成形体を脱磁後に脱型し、その熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加圧保持して変形して、更に着磁した後にプラスチックマグネットの溝部に貼り付けるか、プラスチックマグネットの溝部に貼り付けた後に着磁する。
本発明によれば、湾曲した形状あるいは折れ曲がった形状の磁石成形体を配置したマグネットローラとすることで、磁石成形体の体積を増すことなしにスリーブと磁石成形体との間隙を小さくすることができ、広幅で高ピークであり半値幅の小さい所望の磁気波形を有する現像ローラが得られる。そして折れ曲がった形状とすれば、湾曲形状よりも一層高い精度で寸法を確保できる。
磁石成形体及びプラスチックマグネットの双方に対して密接する形状の保持部材を用いることで、磁石成形体とプラスチックマグネットとを高信頼・低コスト・短時間で接着固定することが可能である。また、現像ローラとしての磁気特性を損なうことなしに磁石成形体の体積を小さくすることが可能になる。保持部材を磁性体とすることで、磁石成形体とプラスチックマグネットとの接着を容易にするだけでなく、現像ローラにおける磁極としての機能を強化することができる。
磁石成形体の内側面が平坦でなく凹形状になっている場合、プラスチックマグネットにおける磁石成形体収容のための溝部の底面を凸形状とすることで、プラスチックマグネットと磁石成形体とを高信頼・低コスト・短時間で接着固定することができる。
熱可塑性樹脂と磁石粉との磁石混成剤材料を圧縮成形することで、磁気特性や成形品質のバラツキを低減させること及び磁石表面の被覆処理による防錆効果が得ることができ、さらに高磁力、高強度、高寸法精度、磁力分布バラツキの点で良好な磁石成形体を得ることができる。このような磁石成形体を脱型する前に脱磁することにより、脱型の際に金型の残留磁場からの力を受けにくくなり、脱型が容易になる。そして熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度において加圧保持して変形させることにより、湾曲した、もしくは折れ曲がった形状の磁石成形体を得ることができ、また熱可塑性樹脂同士の結合により磁石成形体の強度が向上する。そのような磁石成形体を有するマグネットローラを備えた現像ローラは広幅で高ピークであり半値幅の小さい磁気波形を有することとなる。
図7に示す画像形成装置において、潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラムの表面を帯電する帯電ローラ2(帯電装置)、レーザー光線等で感光体ドラム1の一様帯電処理面に潜像を形成する光書き込み系3(露光装置)、感光体ドラム1上において潜像に対し帯電したトナーを付着させてトナー像を形成させる現像装置4、チャージャー等を用いて感光体ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写ベルト5(転写装置)、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニングブレード6(クリーニング装置)、感光体ドラム1上の残留電位を除去する除電光学系7(除電装置)が順に配列されている。少なくとも感光体ドラム1と現像装置4とでカートリッジユニットが構成され、更に帯電装置、クリーニング装置、除電装置を備えてプロセスカートリッジが構成可能である。プロセスカートリッジと称する場合、現像装置と他のプロセス手段が一体となって着脱可能にされたものであり、上記カートリッジユニットでもプロセスカートリッジとなり得るし、現像装置と感光体と帯電装置、現像装置と感光体と帯電装置とクリーニング装置など、様々なバリエーションが存在し得る。そして、上記現像装置4における現像ローラは、当該現像装置4に固定された現像マグネットローラと、自在に回転可能な非磁性体からなるスリーブ11とを備えて成立している。このような構成において、帯電ローラ2によって表面を一様に帯電された感光体1は、光書き込み系3によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。当該トナー像は転写ベルト5上で感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイからレジストローラ対14を経て搬送された記録紙へ転写される。その後、記録紙上のトナー像は定着装置17によって記録紙に転写される。一方、転写されずに感光体ドラム上に残ったトナーはクリーニングブレード6、トナー搬送コイル16によって回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電光学系7で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。なお図7において、符号12はトナー攪拌のためのパドル、符号13はトナー補給部である。
以上のような画像形成装置や現像ローラについては、基本的構成自体が従来公知のものと同じであるので、説明の簡略化のため従来と同様な部分については説明を割愛し、以下では現像マグネットローラに関してのみ記載する。
本発明に係る現像マグネットローラの現像極に配置されるべき湾曲形状の磁石成形体20を、図8に示すように、プラスチックマグネット21の溝部22に配置することで、このマグネットローラを用いて現像ローラを製造した場合に、現像ローラのスリーブと磁石成形体との間隙を小さくできる。これにより、直方体状の磁石成形体を用いていた場合よりも磁気波形のピークが高く、半値幅の小さい波形が得られる。図9に示すように、折れ曲がった形状の磁石成形体20’をプラスチックマグネット21に配置してもよく、磁石成形体20’のスリーブ側の稜線部が現像ローラのスリーブと干渉することなく、磁石成形体とスリーブとの間隙を小さくできる。
上記磁石成形体20や20’をプラスチックマグネット21に固定するやり方としては、従来、一般的に行われているように、接着剤により双方を固定することが考えられるが、磁石成形体の面が曲がっており、なおかつプラスチックマグネットの底面が平坦であるときには、それらの面が接触する線状の領域に接着剤を塗布する(図10a)か、もしくはそれらの面の間に作られる空間全域に接着剤を充填して接着する(図10b)必要がある。前者のやり方は接着面積が確保し難いため確実に接着することが困難である。後者のやり方は多量の接着剤を塗布しなければならないため、材料コスト及び接着剤乾燥時間の観点から望ましくない。また瞬間接着剤をこのような空間に充填し均一な接着強度を得ることは困難である。そこで、図11に示すように、磁石成形体とプラスチックマグネット21との間に、双方の面形状に一致する形状を有した保持部材23を導入する。この保持部材23により、接着面積の確保、高信頼・低コスト・短時間での接着を可能とするだけでなく、スリーブと磁石成形体との間隙を小さくして磁力を保ったまま、磁石成形体の体積を削減することができ、磁石粉量の削減によるコストダウンを図ることができ、設計の自由度が高まる。この保持部材23の一部又は全部が磁性体であれば、現像ローラにおける磁極としての機能を高めることもできる。
プラスチックマグネット21の、磁石成形体を収納する溝部の底面が上記各例のように平坦な面であると、磁石成形体とプラスチックマグネットとの接着に関して、上述のように、接着性確保のために多量な接着剤を必要としたり、補助的な保持部材を必要とする。図12に示すように、プラスチックマグネット21の溝部底面を、磁石成形体20の底面部と一致する形状にすれば、その形状のみをもって、接着面積を確保し、高信頼・低コスト・短時間での接着が可能である。
以上のような構成のマグネットローラにおける磁石成形体20の外表面(スリーブ側)の曲率を、図13に示すように、スリーブ11の曲率とほぼ等しくすることで、スリーブ11と磁石成形体20との間隔を可能な限り小さくでき、広幅・高ピーク・高減衰率の磁気波形を得ることができる。磁石成形体が現像ローラの現像極又はその隣接極に少なくとも一極配置されていれば、キャリア付着が起こり難くなる。
上記マグネットローラを製造するにあたっては、磁石パウダー材料と熱可塑性樹脂と流動性付与剤を必須成分とし、しかも熱可塑性樹脂には顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくとも1種類が含まれるコンパウンド材料を圧縮成形して磁石成形体を得、脱磁後に脱型し、上記熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度において加圧保持して変形させ、更に着磁した後にプラスチックマグネットを貼り付けるか、プラスチックマグネットに貼り付けた後で着磁する。
樹脂微粒子として、熱可塑性樹脂、流動性樹脂の他に顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくとも1種類が含まれる。顔料や帯電制御剤の量や種類によって帯電量が異なってくるため、バインダー粒子(熱可塑性樹脂微粒子)の付着を制御することが可能になってくる。熱可塑性樹脂、顔料、帯電性制御剤、離型剤の混合物を加熱ニーダー、3本ロールミル等の加熱混合処理可能な装置により、溶融、混練後、冷却固化したものをジェットミル、ボールミル等の粉砕機により1〜50μmの粒径に粉砕することで調製する。
希土類樹脂のバインダーとして作用するのは熱可塑性樹脂であるが、低軟化点の材料は粉砕しても再凝集してしまい、微粒子(10μm以下)が得られ難い。そこで、粉砕後の再凝集を防止することを目的とし、顔料(カーボンブラック)を混練して添加するものである。顔料の添加量は1〜20wt%、好ましくは5〜10wt%である。磁石粒子と熱可塑性樹脂樹脂微粒子の分散性を向上するために、帯電制御剤を添加する。添加量は1〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%である。離型剤は成形後の型離れ性を良くするものに添加するものである。添加量は1〜20wt%、好ましくは2〜10wt%である。流動性付与剤を粉砕後の(熱可塑性樹脂+顔料+帯電制御剤+離型剤)に添加することで、流動性を改善できる。
顔料としては、次のような材料を挙げることができ、これらを1種または2種以上混合して使用することができる;カーボンブラック(オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック等)、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ、ベンガラ、カドミウムレッド、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルー、等の顔料。帯電制御剤には、ニグロシン、4級アンモニウム塩、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物等がある。離型剤としては、低分子量のポリエチレン、プロピレン等の合成ワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物ワックス類、ミツロウ、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス類、モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス類、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワックス類などを使用できる。
熱可塑性樹脂微粉末を磁石粒子周囲に付着させることにより、フリーの熱可塑性樹脂部粉末の存在量が減り、磁石パウダーとバインダーの配合比率が均一になる。このような磁石粉コンパウンドを圧縮成形することで、磁束密度分布が均一でしかも高磁力化が可能な磁石成形体を得ることができる。この磁石成形体を脱型する前に脱磁することにより、脱型の際に金型の残留磁場からの力を受け難くなり、脱型が容易になる。磁石成形体を熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度において加圧保持することで、熱可塑性樹脂が軟化し、プラスチックマグネットに貼り付けたときの現像スリーブとの間隙が小さくなるような形状に加工することができる。また軟化した熱可塑性樹脂粒子同士が結合することにより磁石成形体の強度が飛躍的に向上し、以降の工程でのハンドリングが容易になる。
93重量部の愛知製鋼社製異方性Nd-Fe-B系磁石パウダーMFP-12に対し、下記の成分・配合比の微粒子を7重量部で配合し、攪拌分散し、コンパウンド材料(磁石粉コンパウンド)とした。使用したMFP-12の平均粒径値は150μm、熱可塑性樹脂の軟化点は75℃、平均粒径値は7.3μmである:
・熱可塑性樹脂
(1)ポリエステル樹脂 79重量部
(2)スチレンアクリル樹脂 7重量部
・顔料
カーボンブラック 7.6重量部
・帯電制御剤
サリチル酸ジルコニウム 0.9重量部
・離型剤
カルナバワックスとライスワックスの配合物 4.3重量部
・流動性付与剤
疎水性シリカ 1.2重量部。
金型収納部の大きさが幅2.27mm、高さ16.0mm、長さ306mmの金型に上記磁石粉コンパウンドを充填した。18000(Oe)の磁界が発生するように直流電界を加え、磁場印加状態において室温で5.5ton/cmのプレス圧を加え、磁場成形を行った。この時、磁場方向は磁石成形体の幅方向で、図14に示すような横磁場成形法で行った。得られた磁石成形体はP2極用のマグネットであり、磁石成形体の寸法は幅2.31mm、高さ8.05mm、長さ306.1mmであり、密度は5.33g/cmであった。
金型収納部の大きさが幅2.98mm、高さ4.0mm、長さ306mmの金型に上記磁石粉コンパウンドを充填した。18000(Oe)の磁界が発生するように直流電界を加え、磁場印加状態において室温で5.5ton/cmのプレス圧を加え、磁場成形を行った。この時、磁場方向は磁石成形体の幅方向で、図14に示すような横磁場成形法で行った。得られた磁石成形体はP1極用のマグネットであり、磁石成形体の寸法は幅3.02mm、高さ2.03mm、長さ306.1mmであり、密度は5.33g/cmであった。
上記P1用、P2用マグネットを平板状のベーク治具にセットし、100℃10分のベークを行い、磁石成形体の強度を向上させると供に、成形で発生した反りを矯正した。ベーク後、空芯コイルで発生磁場2.5Tのパルス着磁を行い、着磁を完成させた。
図15で示す治具にP2用の広幅磁石成形体の高さ方向を幅方向として(90°反転)セットし、100℃中で5.0kg/cmプレス圧力を加え、上部辺の湾曲を23.4R、下部辺の湾曲を20.7Rにした形状の磁石成形体を得た。
フェライト磁石とEEA樹脂からなる磁石コンパウンドを磁場中押し出し成形で23.0mmφのマグネットローラチューブを作成し、中空部に6mmφの芯金を挿入した。尚、この時、現像極(P1極)と現像極の下流側隣接極(P2極)には溝が形成されている。P1用の溝は深さ3.0mm、幅2.5mm、長さ306.1mmの溝が形成され、P2極には底部が20.7R、深さ2.3mm、長さ10.0mmの溝が形成されている。
P1極及びP2極の溝部に上記Nd-Fe-B磁石成形体をセットし、瞬間接着剤で固定した。ヨーク着磁法で各極の着磁を行い、図16に示す7極磁気波形を得た。内径23.4R、外径25.0Rのスリーブ及びフランジを装着し、現像ローラを得た。P1極、P2極の各磁気特性は、
P1極:半値幅18°、磁束密度140mT
P2極:半値幅27°、磁束密度160mT
となった。
以下、実施例2、実施例3及び比較例1についても上記実施例1と同様に作製して、表1に示すような磁気特性を得た。
Figure 2005070297
P2極の磁気波形がP1極に向かって減衰していく部分の違いによる画質の違いを説明するための図である。 スリーブと磁石成形体の間隙を小さくするための構成を説明する磁石成形体の断面図である。 図2に示す形状の成形体を得るための金型、圧縮方向、磁場方向を説明する図である。 脱型の困難さを軽減するための金型の構成を示す図である。 図2に示す磁石成形体を得るための別の圧縮成形を説明する図である。 本発明に係る磁石成形体の例を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。 本発明に係る現像マグネットローラの一例を示す図である。 現像マグネットローラの別例を示す図である。 図8に示す現像マグネットローラにおいて磁石成形体を貼り付ける例を示す図である。 保持部材を挿入した例を示す図である。 溝部断面を変更した図である。 本発明に係る現像ローラの概略構成図である。 実施例における横磁場成形で用いた装置の概念図である。 実施例において磁石成形体にプラス圧を加える様子を示す図である。 実施例で得られた現像ローラの磁束密度波形を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電ローラ
3 光書き込み系
4 現像装置
5 転写ベルト
6 クリーニングベルト
7 除電光学系
11 現像スリーブ
12 パドル
20 磁石成形体
21 プラスチックマグネット
23 保持部材

Claims (12)

  1. 高分子化合物に磁性粉を分散したプラスチックマグネットからなるローラの或る極に相当する部分に他の部材を埋め込み可能な凹部を少なくとも一箇所有し、当該凹部に上記プラスチックマグネットよりも高磁力の磁石成型体が配置された現像マグネットローラにおいて、
    上記磁石成型体は、マグネットローラ軸側に曲率中心があるように円周方向と同一方向に湾曲した形状であって、なおかつ横断面高さ寸法が均一である形状を有することを特徴とする現像マグネットローラ。
  2. 高分子化合物に磁性粉を分散したプラスチックマグネットからなるローラの或る極に相当する部分に他の部材を埋め込み可能な凹部を少なくとも一箇所有し、当該凹部に上記プラスチックマグネットよりも高磁力の磁石成型体が配置された現像マグネットローラにおいて、
    上記磁石成型体は、上記凹部の側面に近い部分がマグネットローラ軸に近づく方へ折れ曲がった形状であって、なおかつ横断面高さ寸法が均一である形状を有することを特徴とする現像マグネットローラ。
  3. 上記磁石成形体のマグネットローラ軸側の内側面の面形状と一致する面形状を有した保持部材を、磁石成形体の下に配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像マグネットローラ。
  4. 上記保持部材の一部又は全部が磁性体であることを特徴とする現像マグネットローラ。
  5. 上記溝部の底面が凸面形状を有し、この凸面形状と磁石成形体のマグネットローラ軸側の内側面の面形状とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の現像マグネットローラ。
  6. 上記磁石成形体は、磁石粉材料と熱可塑性樹脂と流動性付与剤を必須成分とし、熱可塑性樹脂には顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくともいずれか一種が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像マグネットローラ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像マグネットローラと該現像マグネットローラを収納する円筒状スリーブとを備えた現像ローラにおいて、現像マグネットローラの溝部に配置された磁石成形体の外周面の曲率と、スリーブ内周面の曲率とがほぼ等しいことを特徴とする現像ローラ。
  8. 磁石成形体が現像極又はその隣接極に少なくとも一極配置されることを特徴とする請求項7に記載の現像ローラ。
  9. 磁石粉材料と熱可塑性樹脂と流動性付与剤を必須成分とし、熱可塑性樹脂には顔料、帯電制御剤、離型剤の少なくともいずれか一種が含有された磁石混成剤材料を圧縮成形し、得られた磁石成形体を脱磁後に脱型し、その熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加圧保持して変形して、更に着磁した後にプラスチックマグネットの溝部に貼り付けるか、プラスチックマグネットの溝部に貼り付けた後に着磁することを特徴とする現像マグネットローラの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載した現像マグネットローラを備えたことを特徴とする現像装置。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載した現像マグネットローラを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜6のいずれか一項に記載した現像マグネットローラを備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2003298626A 2003-08-22 2003-08-22 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置 Pending JP2005070297A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298626A JP2005070297A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298626A JP2005070297A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005070297A true JP2005070297A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34404080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003298626A Pending JP2005070297A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005070297A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009223151A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 磁界発生部材、磁性粒子担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
US8023867B2 (en) 2007-03-01 2011-09-20 Ricoh Company, Ltd. Magnet roller and method for the same, magnetic particle-support member, development device, process cartridge, and image forming apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8023867B2 (en) 2007-03-01 2011-09-20 Ricoh Company, Ltd. Magnet roller and method for the same, magnetic particle-support member, development device, process cartridge, and image forming apparatus
JP2009223151A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 磁界発生部材、磁性粒子担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1174142A (ja) 円筒状樹脂磁石の成形装置
JP2004311771A (ja) 長尺マグネット及びその製造方法とマグネットローラ並びに画像形成装置
JP3989180B2 (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
US7189338B2 (en) Image forming apparatus and developing device therefor
JP2005189811A (ja) 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005070297A (ja) 現像マグネットローラとその製造方法、現像ローラ並びに画像形成装置
JP2007042816A (ja) 圧縮成形用磁石コンパウンド、長尺磁石成形体、マグネットローラ、現像剤担持体、現像装置、及び、画像形成装置
CN101226365B (zh) 用于显影剂载体的磁性辊及其制造方法、显影剂盒、显影装置、处理盒和图像形成设备
JP2822476B2 (ja) 現像装置
JP2002296909A (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP4491251B2 (ja) 磁石コンパウンド材料、磁石成型体、現像マグネットローラ、現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4949883B2 (ja) 現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005259868A (ja) 磁石成型体とその製造方法、マグネットローラ、現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2006259222A (ja) マグネットローラ、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005038941A (ja) マグネットブロック、磁石ローラ、現像ローラ及び現像装置
JP5043463B2 (ja) 現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4932344B2 (ja) 長尺磁石成形体の製造方法
JP3308187B2 (ja) マグネットローラの製造方法
JP3840415B2 (ja) 現像ローラの製造方法及び現像ローラ並びに画像形成装置
JPH0470781A (ja) 現像装置
JP4778705B2 (ja) マグネットローラ、現像剤担持体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2006073595A (ja) 圧縮成形用コンパウンド、及び、その製造方法、並びに、長尺磁石成形体、及び、その製造方法、並びに、マグネットローラ、現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JPH0324574A (ja) 現像装置
JP2002278282A (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP2008197342A (ja) マグネットローラ、現像剤担持体及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060928

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02