JP2003280394A - 現像マグネットローラの製造方法、現像装置、及び電子写真式画像形成装置 - Google Patents

現像マグネットローラの製造方法、現像装置、及び電子写真式画像形成装置

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JP2003280394A
JP2003280394A JP2002079789A JP2002079789A JP2003280394A JP 2003280394 A JP2003280394 A JP 2003280394A JP 2002079789 A JP2002079789 A JP 2002079789A JP 2002079789 A JP2002079789 A JP 2002079789A JP 2003280394 A JP2003280394 A JP 2003280394A
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magnet
developing
roller
groove
magnet roller
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JP2002079789A
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Sumio Kamoi
澄男 鴨井
Takeshi Imamura
剛 今村
Mieko Kakegawa
美恵子 掛川
Noriyuki Kamiya
紀行 神谷
Kyota Hizuka
恭太 肥塚
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプ形状のプラスチックマグネットローラ
本体の外周面に形成した溝部内に希土類磁石からなるマ
グネットピースを接着固定することによって一部分の磁
気特性を高くしたマグネットローラにおいて、溝部内に
希土類磁性粉を直接充填して圧縮成型することによって
発生する種々の不具合を解消して、低コスト化、現像極
の高磁力化、高品質化を図る。 【解決手段】 マグネットローラ本体3の溝部3a内に
希土類系のマグネットピース4を固定した現像マグネッ
トローラの製造方法において、ローラ本体の溝部内に固
定されるマグネットピースを格別の金型11内で圧縮成
型する圧縮成型工程と、圧縮成型工程にて成形されたマ
グネットピースを中心孔内に芯金を保持したローラ本体
の溝部内に嵌合し、加圧しながら接着固定する嵌合固定
工程と、から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真式画像形成装置に装備さ
れる現像装置に用いる現像マグネットローラの製造方法
の改良に関し、詳しくは、トナー及び磁性粒子からなる
二成分現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像
する現像装置に使用する現像マグネットローラの製造方
法、この現像マグネットローラを用いた現像装置、及び
この現像装置を用いた画像形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において使用さ
れる2成分現像装置は、キャリアと磁性トナーとからな
る現像剤を用いて像担持体(感光体)上の静電潜像を現
像し、この現像像(トナー像)を転写紙上に転写、定着
することによって画像を形成している。現像装置は、像
担持体に対して対向配置した現像ローラを備え、現像ロ
ーラは固定された永久磁石から成るマグネットローラ
と、その外周に回転自在に配置された非磁材料からなる
現像スリーブとを備えている。マグネットローラの周面
には所定の周方向配置にて軸方向へ延在する複数個の磁
極を設ける。そして、マグネットローラの磁気吸引力に
よって現像スリーブの外周面に吸引保持した現像剤を像
担持体との対向部に搬送することによって、像担持体上
の静電潜像上に静電的にトナーを付着させて現像を行
う。現像装置に使用する現像ローラのマグネットローラ
に求められる主極の磁気特性は、磁束密度が高く、且つ
半値幅が狭い、という点に特徴がある。現像スリーブ上
の現像磁極の半値幅が広くなると、画像上で後端カスレ
等、画質の劣化が起こり、磁束密度が低くなると像担持
体にキャリアが飛散する、いわゆるキャリア付着を起こ
すことが知られている。
【0003】従来は上記の理想的な特性を備えた現像ロ
ーラを提供するために、マグネットローラの主極及び隣
接する磁極を構成する手段(マグネットピース)とし
て、磁気特性の高い希土類磁石を用いることが多かっ
た。従来の現像ローラに使用するマグネットローラ1と
しては、図9(a)(b)の各断面図に夫々示すよう
に、芯金2の外周に固定したパイプ形状のフェライトマ
グネットローラ本体3の外周面に軸方向に沿って形成し
た溝部3a内に四角柱状のマグネットピース4を嵌合し
て接着固定したものが一般的である。(a)のタイプ
は、マグネットローラ本体3の周面(特定の磁極、若し
くはその近傍)に設けた溝部3a内にマグネットピース
4を埋め込んで接着した構成を備え、(b)のタイプは
マグネットローラ本体3の周面の一部を切除した平坦面
に設けた溝部3a内にマグネットピース4を埋め込んで
接着した構成を備えている。マグネットピース4は、現
像位置に配置されることによって、現像位置における現
像磁極の磁束密度を大きくする役割を果たす。このよう
な従来例として、例えば、特許第2545601号の
「マグネットロール」(日立金属(株))には、フェラ
イト磁石系材料からなり、円筒形状に形成したマグネッ
トロールの特定の磁極若しくはその近傍に設けられた溝
内に、等方性のR−Fe−B系磁性粉と結合材料から成
る材料によって形成した希土類磁石片を貼り付け固定し
たマグネットロールが開示されている。また、特開昭5
4−58898号公報「異方性磁石を埋設したマグネッ
トロール」(日立金属(株))には、柱状体(マグネッ
トローラ)の外周面から内周面に対する溝を形成し、こ
の溝内に異方性磁石ユニットを埋設したマグネットロー
ルが開示されている。
【0004】ところで、図9の従来例において、パイプ
状のローラ本体3は主極以外の磁気特性を形成する部分
であり、材料としては磁性粉に高分子化合物を混合した
プラスチックマグネットもしくはゴムマグネット材料を
用いることが多い。磁性粉としてはSrフェライト、若
しくはBaフェライトを用い、高分子化合物としては6
ナイロンもしくは12ナイロン等のナイロン系材料、E
EA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)、EV
A(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合
物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、N
BR等のゴム材料を使用できる。このローラ本体3の製
造方法としては、磁気特性の安定化、製造工程の簡略化
を図る観点からは、ピース成形を行った後に貼り合せる
方法よりも、パイプ状のマグネットローラ本体3の外周
面にマグネットピース4を埋め込む溝部3aを形成し、
溝部3a内にマグネットピース4を嵌合して接着固定す
る方法がより望ましい。このような形状を備えたローラ
本体3を製造する場合、プラスチックマグネットもしく
はゴムマグネット材料を押出し成形等によって、表面に
溝部3aを有するパイプ状に成形し、その後、中心孔3
a内に芯金2を挿入し、溝部3a内にマグネットピース
4を配置して接着することで目的とする磁気特性を有す
マグネットローラ1を得ることができるため、容易にマ
グネットローラを製造することができるという利点があ
る。
【0005】ところで、現像装置により形成されるトナ
ー画像の画質を高めるために、マグネットローラ1に
は、例えば、次の如き特性が求められる場合がある(図
10を参照)。 現像極の半値幅が20°以下であること(従来の2成
分現像装置では約50°)。 磁束密度(図10中のBr値)が80〜120mTで
あること(従来の2成分現像装置と同じ)。 ここで要求されている特性は、現像極の磁束密度につい
ては従来通りであるが、その半値幅については従来の半
分以下である。従来のフェライト系マグネットでは半値
幅を狭くすると、磁束密度も小さくなるため、上記特性
は達成不可能であり、高エネルギー積の材料を用いる必
要がある。高エネルギー積の磁石材料として、Sm−C
o系、NdFeB系、SmFeN系の希土類磁石が良く
知られているが、等方性材料で磁気特性が高く、酸化劣
化しにくい材料としては、NdFeB系材料が最も優れ
ている。Sm−Co系は、材料費が高く一般的ではな
い。このように現像極部に高磁力(高エネルギー積)材
料の磁石を配置する工法としては、溝加工されたマグネ
ットローラの溝部内に高磁力磁石を嵌合接着する磁石貼
り付け方式が一般的である。しかしながら、このような
構造のマグネットローラには、次の如き問題点が有る。
即ち、マグネットピース4として、磁石粉をボンド
(バインダ)に混入した希土類ボンド磁石を用いる場
合、希土類ボンド磁石の成型品としての品質(寸法、反
り、うねり)が安定せず、軸方向の磁力分布にバラツキ
が生じやすい。現像ローラのローラ長さは30cm程度
必要であり、長さ方向の品質がとくに問題となる。希
土類ボンド磁石であるマグネットピース4とローラ本体
3の精度バラツキによって、溝部内への嵌合固定時にマ
グネットピースの位置決め精度が低下し、磁力(±10
mT)、角度位置精度(±2°)の仕様値が達成できな
くなる。希土類ボンド磁石の成型品コストが高い。
(2mm幅×2mm高さ×300mm長さで約100円
/本)。希土類ボンド磁石は、ボンド(バインダー)
を20〜40vol%含む為、磁石粉の含有率が低くな
り、得られる磁力が低くなる。
【0006】そこで、ボンドを使用しないマグネットピ
ースを用いるべく、図11(a)に示すようにローラ本
体3の溝部3内aに磁石粉のみを充填し、加圧手段5を
用いた圧縮成型によって磁石粉を溝部3a内にて成型
し、成型後に溝部内から露出したマグネットピース4の
表面及び端部を樹脂で被覆する工法が提案されている。
しかし、ローラ本体3はナイロンやEEA樹脂にて構成
されているために、この方法のようにローラ本体3の溝
部3aに磁石粉を充填し圧縮成型すると、圧縮成型圧1
〜7ton/cmの圧力にローラ本体3が耐えられ
ず、図11(b)に示すように溝部3aが拡開変形して
磁石幅が広くなり、半値幅が大きくなってしまい、狙い
とする半値幅仕様を達成できくなる。このような従来例
として、特開昭59−146073号公報「永久磁石の
製造方法」(日立金属(株))には、円柱状の軸部材の
外周面に設けた軸方向の溝内に磁性粉を充填し、これを
圧縮成型し、接着剤を含浸硬化させ、次いで後加工を施
すことにより、少ない工程で計量の永久磁石ロールを形
成する方法が開示されている。しかし、この製造方法で
は、各極ごとに磁性粉の成型作業が必要になり、生産性
が低く、コストが高くなる問題がある。また、現像ロー
ラ径が大きくなると、それに伴い、芯金径を大きくする
か、成型マグ厚さを大きくする必要がある。芯金径が大
きくなると、重量が大きくなりマシンへの負荷が増大す
る。また、成型マグ厚さを大きくすると必要磁石量が多
くなり高コストとなる。また、溝内に充填する磁性粉と
してフェライト材料を特定しているが、希土類磁石は材
料費が非常に高く、可能な限り体積を小さくしてコスト
を低減することが望まれる。にも拘わらず、特定の磁極
の磁力を高磁力の希土類磁石を用いて高めるとすれば、
極めてコストの高いマグネットローラとなってしまう欠
点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、芯金と、中心孔内に芯金を
圧入したパイプ形状のプラスチックマグネットローラ本
体と、マグネットローラ本体の外周面に形成した溝部内
に希土類磁石からなるマグネットピースを接着固定する
ことによって一部分の磁気特性を高くしたマグネットロ
ーラにおいて、溝部内に希土類磁性粉を直接充填して圧
縮成型することによって発生する種々の不具合を解消し
て、低コスト化、現像極の高磁力化、高品質化を達成し
たマグネットローラの製造方法を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明方法は、外周面の現像極に軸
方向へ延びる少なくとも一つの溝部を有するパイプ状の
プラスチックマグネット製のマグネットローラ本体と、
該マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金
と、該溝部内に嵌合されて接着固定される希土類系のマ
グネットピースと、を備えた現像マグネットローラの製
造方法において、前記マグネットローラ本体の溝部内に
固定されるマグネットピースを格別の金型内で圧縮成型
する圧縮成型工程と、前記圧縮成型工程にて成形された
マグネットピースを中心孔内に芯金を保持した前記マグ
ネットローラ本体の溝部内に嵌合し、加圧しながら接着
固定する嵌合固定工程と、から成ることを特徴とする。
2成分現像装置に使用する現像ローラは、固定された永
久磁石から成るマグネットローラと、その外周に回転自
在に配置された非磁材料からなる現像スリーブとを備え
ている。マグネットローラの主極に求められる磁気特性
は、磁束密度が高く、且つ半値幅が狭い、という点に特
徴がある。この理想的な特性を得るために、マグネット
ローラの主極及び隣接する磁極を構成する手段(マグネ
ットピース)として、磁気特性の高い希土類磁石を用い
ている。しかし、希土類ボンド磁石としてのマグネット
ピースには、種々の欠点があるため、磁石粉のみを溝部
内で圧縮成型する方法が提案されていた。しかし、圧縮
成型時にマグネットローラ本体が加圧力に耐えられずに
変形する不具合が発生している。そこで、本発明では、
格別の金型内で磁石粉のみを圧縮成型してマグネットピ
ースを製作しておき、これをマグネットローラ本体の溝
部内に嵌合し、加圧しながら接着するようにした。これ
によれば、マグネットローラ本体にダメージを与えるこ
となく、磁石粉の含有率が高く、現像極を高磁力化した
品質の安定した磁極用マグネットピースを得ることがで
きる。特に、圧縮成型後に連続してマグネットピースを
マグネットローラ本体の溝部内に固定できるため、生産
性が優れ、低コストに生産できる。溝部内にマグネット
ピースを嵌合する際に、溝部の内壁が保護壁となる一方
で、現像ローラとして組み立てる際には現像スリーブに
よって覆われた構造となり、しかも圧縮成型直後に溝部
内に嵌合されるため、マグネットピースの材料強度はさ
ほど強い必要がない。このため、バインダとして使用す
る樹脂濃度を低くすることができ、磁石粉の高密度化を
達成して、高量化、高磁力化を達成できる。
【0009】請求項2の発明は、外周面の現像極に軸方
向へ延びる少なくとも一つの溝部を有するパイプ状のプ
ラスチックマグネット製のマグネットローラ本体と、該
マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
該溝部内に嵌合されて接着固定される希土類系のマグネ
ットピースと、を備えた現像マグネットローラの製造方
法において、前記マグネットローラ本体の溝部内に前記
マグネットピースを嵌合固定して未着磁現像マグネット
ローラを得る嵌合固定工程と、前記未着磁現像マグネッ
トローラを空芯コイル内に配置して、一括着磁する空芯
コイル着磁工程と、前記空芯コイル着磁工程を経た現像
マグネットローラを複数のヨーク内に配置してマグネッ
トローラ本体のみに着磁するヨーク着磁工程と、から成
ることを特徴とする。請求項1に記載の製造方法に限ら
ず、何らかの方法によってプラスチックマグネットロー
ラ本体の溝部内に希土類系のマグネットピースを嵌合固
定した未着磁現像マグネットローラを着磁する際に、こ
れを一体構造にて着磁するため、現像極に相当するマグ
ネットピースの磁力を高めることができる。つまり、希
土類磁石の磁力を高めることができ、希土類磁石部の余
裕度を高めることができる。請求項3の発明は、外周面
の現像極に軸方向へ延びる少なくとも一つの溝部を有す
るパイプ状のプラスチックマグネット製のマグネットロ
ーラ本体と、該マグネットローラ本体の中心孔内に挿入
される芯金と、該溝部内に嵌合されて接着固定される希
土類系のマグネットピースと、を備えた現像マグネット
ローラの製造方法において、前記マグネットローラ本体
の溝部内に固定されるマグネットピースを格別の金型内
で圧縮成型する圧縮成型工程と、圧縮成型工程にて成形
されたマグネットピースを、中心孔内に芯金を保持した
前記マグネットローラ本体の溝部内に嵌合し、加圧しな
がら接着固定する嵌合固定工程と、から成り、前記嵌合
固定工程では、前記金型内での圧縮成型方向に位置する
マグネットピース両端面が、前記溝部の周方向両内壁に
密着するように嵌合固定されることを特徴とする。これ
によれば、圧縮成型したマグネットピースをマグネット
ローラ本体の溝部内に嵌合する際の方向付けとして、最
良の方向を提示することができる。即ち、金型内におい
て圧縮成型した際に、磁石粉の供給均一性や圧縮圧均一
性を最も高く確保できる方向、即ち圧縮方向と直交する
方向を、溝部内の径方向と一致させた状態で、マグネッ
トピースを埋め込むようにしたので、磁力バラツキを効
果的に低減できる。
【0010】請求項4の発明は、請求項2おいて、前記
マグネットローラ本体の中心孔内に挿入する芯金の端部
外周には、前記溝部内のマグネットピースと対応する位
置、及び角度にて平坦部を設け、前記コイル空芯着磁工
程におけるマグネットピースの着磁は、芯金の平坦部を
基準に行われることを特徴とする。着磁に際して芯金の
端部を基準として着磁位置を確定できるので、不良品率
を低下させつつ、生産性を高めることができる。請求項
5の発明は、請求項1、2、3又は4において、前記希
土類系のマグネットピースは、磁石粉として等方性Nd
−Fe−B系あるいは等方性Sm−Fe−N系材料を用
い、バインダ材料としてアミノシラン系のシランカップ
リング剤を主成分とした材料を用い、樹脂濃度を1wt
%以上10wt%以下としたことを特徴とする。バイン
ダ材料としてアミノシラン系のシランカップリング剤を
主成分とした材料を用いたので、圧縮成型時の圧力のみ
によって十分な硬度を得ることができ、熱処理工程が省
略できる。このため、マグネットローラの熱減磁が防止
され、各極の磁力が安定化する。また、熱処理工程の省
略により、生産性が高まり、コストを低減できる。請求
項6の発明は、請求項1、2、3、4、又は5におい
て、前記希土類系のマグネットピースの表面に、シアノ
アクリレート系接着剤を被覆したことを特徴とする。マ
グネットピースの表面にシアノアクリレート系接着剤を
塗布するだけで、その後の工程でマグネットピースが変
形、劣化することがなくなり、充分な強度を保つことが
可能である。また、このような瞬間接着剤を使用するこ
とにより、数十秒で硬化できるため、熱処理工程が不要
となり生産性が向上し、低コストのマグネットピースが
提供できる。
【0011】請求項7の発明に係る現像装置は、請求項
1乃至6に記載の現像マグネットローラの製造方法によ
って製造された現像マグネットローラを現像ローラに組
み込んだことを特徴とする。各製造方法によって製造し
た現像マグネットローラを用いて現像ローラを製作し、
この現像ローラを現像装置のトナー担持体として使用し
たので、コストを高めることなく、十分に高い安定した
磁力によって高い現像能力を発揮することができる。請
求項8の発明にかかる電子写真式画像形成装置は、請求
項7に記載の前記現像装置を備えたことを特徴とする。
これによれば、像担持体上の静電潜像を安定して現像す
ることができ、高い品質の画像を常に得ることが可能と
なる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図1は本発明の一実施形
態に係る製造方法を示す工程図である。本発明方法は、
図9に示した如く、プラスチックマグネットからなる円
筒形状のマグネットローラ本体(以下、ローラ本体、と
いう)3の現像極に設けた少なくとも一つの溝部3a内
に、夫々希土類系材料から成るマグネットピース4を嵌
合して接着固定した現像マグネットローラ1を製造する
方法に関するものである。ローラ本体3は、押出し成形
によって長尺に形成されたパイプ状のものを、適当な長
さに切断したものであり、その中心孔3b内に芯金2を
挿入してから溝部3a内に希土類系のマグネットピース
4を配設し、接着・固定することによりマグネットロー
ラ1が製造される。次に、図1に基づいて本発明の第1
の実施形態に係る製造方法を説明する。まず、図1
(a)(b)は、ローラ本体3の溝部3a内に固定され
るマグネットピース4を、格別の金型11内で圧縮成型
する圧縮成型工程を示し、図1(c)は圧縮成型工程に
て成形されたマグネットピース4を、受け台21によっ
て保持されたローラ本体3の溝部3a内に嵌合し、接着
固定する嵌合固定工程を示している。即ち、本発明の製
造方法においては、受け台21の支持凹所21a内に支
持したローラ本体3の溝部3a内に磁性粉(磁石粉)を
充填して溝部内で圧縮成型する代わりに、別体の金型1
1を用意し、この金型11を用いて磁性粉4aを溝部3
a内に整合状態で嵌合する形状に圧縮成する。所要形状
に圧縮成型された希土類系マグネットピース4は、その
まま溝部3a内に落下させて接着固定する。本実施形態
では、受け台21は、溝部3aの開口が上向きになるよ
うにローラ本体3を支持する。金型11は、成型用の縦
穴12aを備えた金型本体12と、縦穴12aの下部開
口を下面に沿ってスライドすることにより開閉する下部
ゲート13と、縦穴12aの上部開口から磁性粉4aを
充填するためのスキージ14と、縦穴12aの上部から
内部に挿入されて充填された磁性粉4aを圧縮成型する
加圧部材15aを備えた加圧金型15と、図示しない駆
動手段と、を備えている。
【0013】まず、図1(a)においては、金型本体1
2の下面に下部ゲート13を密着させることにより縦穴
12aを閉止した状態で、図示しない充填器からの充
填、及びスキージ14による擦り切り動作を用いて磁性
粉(コンパウンド)4aを縦穴12a内に均一に充填す
る。なお、縦穴12aの直下にローラ本体3の溝部3a
の開口が位置するように予め金型11の位置関係を定め
る。次に、図1(b)に示すように、縦穴12aの直上
に加圧部材15aが位置するように加圧金型15を金型
本体12上に移動させてから、加圧部材15aを縦穴1
2a内に押し込み内部の磁性粉4aを加圧する。この充
填、圧縮成型作業を複数回繰り返して磁性粉4aを固化
させて所望形状のマグネットピース4を成型する。例え
ば、成型圧は1〜10ton/cm、プレス回数は1
〜10回とする。溝部3aが直方体(四角柱形状)であ
るため、マグネットピース4もこの溝部内に整合状態で
嵌合する寸法、形状を備えたものとする。なお、この時
点で、受け台の支持凹所21a内にはローラ本体3(芯
金2は挿入済み)を、溝部開口が上向きとなるようにセ
ットしておく。溝部3a内には接着剤6を予め塗布して
おく。(以上、圧縮成型工程) 次いで、図1(c)においては、下部ゲート13をスラ
イドさせて縦穴12aの下部開口を開放し、更に加圧部
材15aその他の押圧手段によって縦穴内のマグネット
ピース4を下方へ押し出してそのままローラ本体3の溝
部3a内に落下させ、続いてマグネットピース4を溝部
3a内で加圧し続ける。この加圧は、接着剤6が硬化す
るまで続けられ、その際の加圧力は0.1〜2.0to
n/cm 程度とする。(嵌合固定工程) 図1(d)は未着磁の現像マグネットローラ1が完成し
た状態を示す。
【0014】このように本発明の第1の実施形態に係る
マグネットローラの製造方法においては、金型12の縦
穴内に磁石粉コンパウンド4aを充填し、スキージ14
を用いた擦り切り方式で充填量の均一化を図り、その後
金型内で圧縮成型を完了する。次いで、金型の縦穴直下
に溝部が上向きで位置決めされるようにローラ本体を固
定し、溝部内壁には接着剤を塗布しておく。その後、縦
穴の下部開口を開放してマグネットピース4を溝部内に
押し込み、接着剤が固化するまで加圧し続ける。このた
め、溝部を拡開させる等、ローラ本体やマグネットピー
スを変形させることなく、現像マグネットローラを製造
することができる。このようにして製造されたマグネッ
トローラ1は、低コスト化、現像極の高磁力化、高品質
化を達成することができる。即ち、寸法ばらつき、反
り、うねり等をなくし、希土類系マグネットピースの品
質を安定させることができ、更に軸方向の磁力分布のバ
ラツキをなくすることができる。現像マグネットローラ
の長さ方向の品質バラツキを解消する効果の点で特に優
れている。また、マグネットピース4とローラ本体3の
精度バラツキをなくし、溝部内への嵌合固定時にマグネ
ットピースの位置決め精度を向上できるので、磁力(±
10mT)、角度位置精度(±2°)の仕様値を達成で
きる。また、多量のバインダが不要であり、希土類磁石
粉の含有量を大幅に高めることができるので、効率的に
高い磁力を得ることが可能となる。また、圧縮成型後に
連続してマグネットピースをマグネットローラ本体の溝
部内に嵌合して固定できるため、生産性が優れ、低コス
トに生産できるばかりでなく、溝部内にマグネットピー
スを嵌合する際に、溝部の内壁が保護壁となる一方で、
現像ローラとして組み立てる際には現像スリーブによっ
て覆われた構造となり、しかも圧縮成型直後に溝部内に
嵌合されるため、マグネットピースの材料強度はさほど
強い必要がない。このため、バインダとして使用する樹
脂濃度を低くすることができ、磁石粉の高密度化を達成
して、高量化、高磁力化を達成できる。
【0015】次に、図2は本発明の第2の実施形態に係
る製造方法(着磁方法)を示す図である。図2(a)
は、図1の製造方法(或いは、従来の製造方法)にて製
造した未着磁の現像マグネットローラ1を、空芯コイル
30内に配置して現像マグネットローラ1全体を着磁す
る空芯コイル着磁工程、図2(b)は、現像マグネット
ローラ1のローラ本体3だけを所望に着磁するためのヨ
ーク着磁工程を示している。まず、図2(a)において
は、先行する工程において製造された未着磁の現像マグ
ネットローラ1(マグネットローラ本体3及びマグネッ
トピース4)を空芯コイル30の中空内部に配置して、
希土類系のマグネットピース4に対する着磁を主目的と
して一括着磁する(空芯コイル着磁工程)。即ち、空芯
コイル30内に、未着磁現像マグネットローラ1を設置
し、極性を合わせた上で、現像マグネットローラ1全体
(狙いは、マグネットピース4)をNS着磁する。着磁
磁界は希土類磁石の飽和着磁磁界によって異なり、15
kOe以上必要であるが、製造上、好ましくは20〜3
0kOeで行なう。空芯コイルによる着磁語は、現像マ
グネットローラ1全体が図3(a)の磁気波形に示すよ
うに、N極とS極に着磁される。次いで、図2(b)に
おいては、円形に配置した複数のヨーク35の内部に、
前記空芯コイル着磁工程を経た現像マグネットローラ1
(マグネットローラ本体3及びマグネットピース4)を
配置して、マグネットピース4以外の部分、即ちローラ
本体3のみに着磁する。(ヨーク着磁工程) このヨーク着磁工程を実施した結果、各極の磁気波形が
調整され、例えば図3(b)に示すような目標とした磁
気波形を得ることができる。
【0016】一般に着磁により発生する磁場の値は、電
流*コイルの巻き数(A*turn)で決定されるが、
図2(b)に示した如きヨーク着磁法では多極着磁を行
なうため、隣接するヨーク35間の距離が短くなり、個
々のヨーク35の巻き数が制約される。この為、発生磁
場が5kOe以下となり、希土類系磁石としてのマグネ
ットピース4を着磁するには不充分である。本発明で
は、図2(a)において空芯コイル着磁を行った後、脱
磁せずに再着磁したが、脱磁しないでヨーク着磁工程に
移行すると、現像マグネットローラがヨーク35に引き
寄せられる不具合が発生する場合もある。そのような虞
を回避する場合には、空芯コイル後に脱磁しても良い。
ただし、上記の如く、希土類磁石部としてのマグネット
ピース4は、ヨーク着磁では十分に着磁できないので、
脱磁工程で減磁しないように適切に条件設定する必要が
ある。
【0017】次に、本発明の第3の実施形態に係る現像
マグネットローラの製造方法を図4に基づいて説明す
る。この実施形態に係る製造方法は、マグネットローラ
本体3の溝部3a内に固定されるマグネットピース4を
格別の金型12内で圧縮成型する圧縮成型工程と、圧縮
成型工程にて成形されたマグネットピース4をマグネッ
トローラ本体3の溝部3a内に嵌合し、接着固定する嵌
合固定工程と、から成る点においては、第1の実施形態
と同様であるが、圧縮成型したマグネットピース4を溝
部3a内に嵌合する際の方向が異なっている。即ち、本
実施形態における嵌合固定工程では、金型本体12の縦
穴12a内での圧縮成型方向に位置するマグネットピー
ス両端面4Aが、溝部3aの周方向両内壁3Aに密着す
るように嵌合固定した点が異なっている。即ち、本実施
形態の製造方法においても、ローラ本体3の溝部3a内
に磁性粉を充填して溝部内で圧縮成型する代わりに、別
体の金型11を用意し、この金型11を用いて磁性粉4
aを溝部3a内に整合状態で嵌合する形状に圧縮成す
る。所要形状に圧縮成型された希土類系マグネットピー
ス4は、一旦テーブル40上に載置される。本実施形態
では、縦にセットされた受け台21の支持凹所21a内
に溝部3aを横向きにしてローラ本体3を固定してお
り、溝部3aの開口はテーブル40上面のマグネットピ
ース4と整合した水平方向に位置している。テーブル4
0上のマグネットピース4を水平移動させて溝部3a内
に嵌合させ、所定の圧力にて加圧することにより、接着
固定が完了する。金型11の構成は、図1に示したもの
と同じである。テーブル40は、金型本体12の縦穴1
2aから落下してきたマグネットピース4を位置決め支
持するためのガイド41を有している。受け台21は、
ローラ本体3を支持したときに、その溝部3aの下側内
壁3Aがテーブル40の上面と同レベルとなるように、
テーブルに近接配置される。
【0018】まず、図4(a)においては、金型本体1
2の下面に下部ゲート13を密着させることにより縦穴
12aを閉止した状態で、図示しない充填器からの充
填、及びスキージ14による擦り切り動作を用いて磁性
粉(コンパウンド)4aを縦穴12a内に均一に充填す
る。なお、縦穴12aの直下にテーブル40の上面が位
置するように予め金型11の位置関係を定める。次に、
図4(b)に示すように、縦穴12aの直上に加圧部材
15aが位置するように加圧金型15を金型本体12上
に移動させてから、加圧部材15aを縦穴12a内に押
し込み内部の磁性粉4aを加圧する。この充填、圧縮成
型作業を複数回繰り返して磁性粉4aを固化させて所望
形状のマグネットピース4を成型する。例えば、成型圧
は1〜10ton/cm、プレス回数は1〜10回と
する。溝部3aが直方体(四角柱形状)であるため、マ
グネットピース4もこの溝部内に整合状態で嵌合する寸
法、形状を備えたものとする。なお、この時点で、受け
台21の支持凹所21a内にはローラ本体3(芯金2は
挿入済み)を、溝部開口がテーブル側を向くようにセッ
トしておく。溝部3a内の内壁には接着剤6を予め塗布
しておく。(以上、圧縮成型工程) 次いで、図4(c)においては、下部ゲート13をスラ
イドさせて縦穴12aの下部開口を開放し、更に加圧部
材15aその他の押圧手段によって縦穴内のマグネット
ピース4を下方へ押し出してそのままテーブル40の上
面に落下させガイド41により位置決めする。続いて、
図示しない押し込み手段によってマグネットピース4を
溝部3a内に押し込んでから加圧し続ける。この加圧
は、接着剤6が硬化するまで続けられ、その際の加圧力
は0.1〜2.0ton/cm程度とする。(嵌合固
定工程)
【0019】本実施形態では、縦穴12a内でマグネッ
トピース4を加圧したときの加圧方向に位置する2つの
面4Aが、溝部3aの周方向内壁3Aと密着するよう
に、マグネットピース4を溝部3a内に嵌合させる点が
第1の実施形態と異なっている。これを換言すれば、圧
縮成型時の縦穴12a内の壁面(幅方向)部が、溝部3
aの高さ(厚さ方向、径方向)に配置されるようにした
点が特徴的である。本発明の第3の実施形態に係るマグ
ネットローラの製造方法によれば、溝部を拡開させる
等、ローラ本体やマグネットピースを変形させることな
く、現像マグネットローラを製造することができる。こ
のようにして製造されたマグネットローラ1は、低コス
ト化、現像極の高磁力化、高品質化を達成することがで
きる。即ち、寸法ばらつき、反り、うねり等をなくし、
希土類系マグネットピースの品質を安定させることがで
き、更に軸方向の磁力分布のバラツキをなくすることが
できる。現像マグネットローラの長さ方向の品質バラツ
キを解消する効果の点で特に優れている。また、マグネ
ットピース4とローラ本体3の精度バラツキをなくし、
溝部内への嵌合固定時にマグネットピースの位置決め精
度を向上できるので、磁力(±10mT)、角度位置精
度(±2°)の仕様値を達成できる。また、多量のバイ
ンダが不要であり、希土類磁石粉の含有量を大幅に増大
できるので、効率的に高い磁力を得ることが可能とな
る。
【0020】また、第1の実施形態とは異なり、第3の
実施形態では溝部3a内にマグネットピース4を収納す
る際に90度反転して押し込み、圧縮成型方向(図4
(b)では上下方向)が、マグネットローラ溝部3aの
幅方向(周方向)に、図4(b)の横方向がローラ本体
3の厚さ方向(径方向)になるように押し込むので、次
のような利点を有している。即ち、圧縮成形されたマグ
ネットピース4は、磁性粉の供給均一性や圧縮圧均一性
が影響し、圧縮成型方向に沿って厚みバラツキが発生し
やすくなる。一方、圧縮方向と直交する方向の形状は、
縦穴12aの寸法により決定される為、寸法安定性が優
れている。また、現像マグネットローラ1の磁力は、マ
グネットピース4としての希土類磁石表面から、その外
径方向に位置するスリーブ表面までの距離に大きく依存
するため、マグネットピース4の高さばらつきは磁力バ
ラツキとなって現れる。一方、マグネットピース4の周
方向幅は、磁気波形の半値幅に依存するが、その依存度
は上記の如き高さバラツキにくらべて小さく、影響は少
ない。そこで、本発明の第3実施形態においては、圧縮
成型を行う金型本体側の縦穴の径方向寸法により決定さ
れ、安定した寸法安定性が得られるマグネットピースの
幅方向を、マグネットローラの厚さ方向(径方向)と一
致させるように方向付けして溝部内に嵌合した。このた
め、スリーブとの間の距離のバラツキに起因した磁力バ
ラツキを低減することができる。このようにして製造し
た未着磁現像マグネットローラ1は、例えば図2に示し
た如き着磁方法により、効果的に着磁することができ
る。
【0021】次に、図5は本発明の第4の実施形態に係
る現像マグネットローラの構成を示す斜視図であり、こ
の実施形態は、マグネットローラを着磁する際の基準と
して芯金端部の形状を利用した点に特徴を有している。
即ち、マグネットローラ本体3の中心孔3b内に挿入す
る芯金2の端部外周には、現像極(溝部3a内のマグネ
ットピース4)と対応する位置に、同一角度にて平坦部
2aを有し、コイル空芯着磁工程におけるマグネットピ
ースの着磁は、芯金の平坦部2aを基準に行われる。貼
りつけ工法の場合、別工程でマグネットピース4(希土
類磁石)を単独で着磁するため、貼りつけ角度がずれる
と、現像極の角度もずれてしまうが、本実施形態では、
設計図面で規定した芯金平坦部2aから確定される角度
で着磁するため、角度バラツキが発生しにくくなるとい
う利点がある。次に、本発明の第5の実施形態は、上記
の実施形態に示した現像マグネットローラの製造方法を
実現するための材料に係わるものものであり、第1及び
第3の実施形態において、希土類系マグネットピース4
を製造する際に使用する磁石粉4aとして、等方性Nd
−Fe−B系あるいは等方性Sm−Fe−N系材料、バ
インダー材料としてアミノシラン系のシランカップリン
グ剤を主成分とした材料を用い、樹脂濃度を1wt%以
上10wt%以下とした点が特徴的である。本発明の第
1及び第3の実施形態に係る製造方法では、格別の金型
11による圧縮成型によって形成したマグネットピース
4を、成型後に連続してローラ本体の溝部内に埋設する
ため、マグネットピース4を圧縮成型する際に使用する
磁性粉(磁石粉)4aの材質についても特別な配慮が必
要となる。即ち、マグネットピース4の原料となる従来
の圧縮成型材料は、熱硬化型樹脂であるエポキシ樹脂を
バインダーとして選定し、磁石粉の周囲に固形のエポキ
シが固着した状態となっており、これは粉体として扱わ
れる。しかし、従来はエポキシ樹脂として、硬化温度が
120℃以上200℃以下の材料を使用している。その
ため、本発明の製造方法において、バインダとしてエポ
キシ樹脂を用いた磁性粉を使用すると、溝部3a内にマ
グネットピース4を埋設した後、更にエポキシを硬化さ
せるために熱硬化工程が必要になる。
【0022】しかし、マグネットローラ本体3を構成す
る樹脂としては、EEA樹脂やナイロンが使用されてい
るため、120℃以上200℃以下の温度で加熱する
と、マグネットローラ本体の軟化点を超える温度でエポ
キシ樹脂を硬化させることになり、マグネットローラ本
体が変形したり、熱減磁が発生する。したがって、本発
明においてバインダとしてエポキシ樹脂を使用すること
は難しい。低温硬化のエポキシ樹脂材料もあるが、液状
の材料であり、粉体として扱えない為、金型の縦穴内へ
の材料の供給性が問題となる。そこで、本実施形態では
バインダとして、特定のシランカップリング剤を使用す
ることにより金型の縦穴内への供給性の問題を解決して
いる。シランカップリング材料の中でも有機官能基とし
てアミノ基を有しているアミノシラン系の材料を使用す
ることにより、圧縮成型時に磁性粉を硬化させることが
でき、熱硬化工程が不要になることを見出した。アミノ
シラン系の材料としては、次に示す材料を使用すること
により上記効果を達成できることが明らかとなった。即
ち、本発明の製造方法において磁性粉のバインダとして
使用可能なアミノシランの材料は、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等である。
【0023】尚、アミノシラン系の材料を使用すること
により磁性粉が固まる理由は明確ではないが、およそ次
のように考えられる。即ち、図6は希土類磁石粉とアミ
ノシランの反応メカニズムを解析した図である。まず、
状態Iのシランカップリング剤は、水の存在で状態II
まで進み、希土類磁石の存在により状態III(シラノ
ール)、状態Vまで進む。状態IVまでは、粘調性を有
しており、所謂「さらさら」状態ではない。これを更に
加熱し、水を気化させることにより脱水反応が進行し、
状態Vへ移行する。この際、磁石粉(無機材料)と化学
結合し、「さらさら」状態となる。シリコンが生成され
る。このような状態において、磁石粉とアミノシランと
の混合物を金型内において圧縮成型すると、酸性のSi
OHとアルカリ性のアミノ基との距離が接近し、酸/塩
基の中和反応が進行し、化学結合されため、成型物が硬
化すると考えられる。従って、アクリル酸タイプのシラ
ンやエポキシシランでは、Yがアルカリ性にはならない
ため、中和反応が発生せず、成型物が硬くならないと考
えられる。
【0024】次に、本発明の第6の実施形態は、磁性粉
を圧縮成型することによって希土類系マグネットピース
4を製作した後、図2(a)に示した空芯コイル30に
より着磁する前に、マグネットピース4の表面(例え
ば、溝部3aから露出した部分)にシアノアクリレート
系の瞬間接着剤を塗布し被覆化し、保形性(保形力)を
高めるようにした構成が特徴的である。前記実施形態に
おいてバインダとしての使用を提案したアミノシランの
結着力が弱い場合には、着磁工程時に加わるパルス波シ
ョックにより磁性粉が脱落する不具合が発生する。特
に、圧縮プレス圧が弱い場合にこのような問題が生じ
る。そこで、マグネットピース4の表面に接着剤を塗
布、被覆して保形性を高め、脱落、破損防止を図るもの
である。このような目的に使用可能な接着剤は多種ある
が、生産性を考慮すると、硬化時間が短い材料が好まし
い。また低粘度で磁石内部に浸透する材料が好ましい。
そのような条件を満たす材料としては、シアノアクリレ
ート系の瞬間接着剤かUV硬化型接着剤がある。しか
し、UV硬化型接着剤は、磁石内部に浸透した部分の硬
化が不充分となり、問題となる。そこで、本発明方法に
おいて、マグネットピース4の硬化を確実にする材料と
しては、シアノアクリレート系材料が最も好ましい。
【0025】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。Nd−Fe−B系磁石MQP−B(MAGNEQ
UENCH社)を、アトライタ粉砕機(三井鉱山製)で
粉砕し、平均粒径を50μmとした磁性粉(磁石粉)を
製造した。アミノシラン系シランカップリング剤とし
て、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシラン KBM603(信越化学工業製)を使用
し、30wt%水溶液を調合し、前記磁石粉に混合し、
ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で分散混合し、コン
パウンド材料とした。配合量は3wt%、分散混合条件
は120℃、60分である。このコンパウンド材料を、
幅2mm、高さ5.5mm、長さ302mmの型内に充
填し、5.0ton/cmのプレス圧で成型し、マグ
ネットピース4を製造した。繰り返しプレス回数は、5
回行なった。この圧縮成型により得られたマグネットピ
ース4は、幅2.1mm、高さ2.35mm、長さ30
2mmであった。なお、得られたマグネットピースを加
工して測定を行なった結果、密度は5.9g/cm
磁力(BH)max=8.9MGOeであった。
【0026】次いで、芯金2の平坦部2a(図5)の直
交方向を0°としたときに、時計回りに8°の位置にあ
る現像極に幅3.0mm、高さ2.0mmの溝部3aが
形成された長さ302mmの16φのマグネットローラ
本体3を受け台にセットした。溝部の底部にはエチルシ
アノアクリレート系接着剤3000RX(セメダイン
社、粘度3mPa・s/20℃)を塗布しておく。プレ
ス型下部のゲート13を開き、プレス圧0.5ton/
cmで垂直に溝部内に押しこみ、15秒間保持し、接
着した。次いで、溝部内に固定されたマグネットピース
4の上部の表面に3000RX(セメダイン社、粘度3
mPa・s/20℃)を塗布し、30秒放置し、放置後
未硬化部分をふき取った。空芯コイル着磁機に未着磁の
現像マグネットローラ1をセットし、芯金平坦部2aの
直交方向を0°としたときに、時計回りに8°の位置に
ある現像極を上にセットし、25kOeで着磁した。次
いで、空芯コイル着磁機による着磁を受けた現像マグネ
ットローラをヨーク着磁機にセットし、各極に対応した
ヨークを配置し、3k〜4kOeで着磁した。なお、各
極でヨーク形状や、巻き数が異なる為発生磁場は異なっ
たものとなる。得られた現像マグネットローラ1の波形
は図7に示した如き状態となった。この現像マグネット
ローラ1の現像極の法線方向の磁束密度は105mT、
半値幅は19°であった。また、現像極の角度バラツキ
は±0.8°、磁束密度バラツキは±3mTであった。
【0027】(比較例)次に、比較例を示す。この比較
例においても、上記実施例と同じ構成のマグネットロー
ラ本体3、即ち、芯金平坦部2aの直交方向を0°とし
たときに、時計回りに8°の位置にある現像極に幅3.
0mm、高さ2.0mmの溝部3aが形成された長さ3
02mmの16φのマグネットローラ本体3を用いた。
貼りつける希土類磁石(マグネットピース4)は、押出
し成型で得られたSm−Fe−N系のゴム磁石で、その
寸法は幅2.0〜2.1mm、高さ2.25〜2.35
mm、長さ302mmである。空芯コイル30を用い、
磁石単独で25KOeの磁場で着磁した。着磁後の磁力
(BH)maxは9.1MGOeであった。次いで、マ
グネットローラ本体の溝部3a内に3000RX(セメ
ダイン社、粘度3mPa・s/20℃)を塗布し、Sm
−Fe−N系のゴム磁石を溝部内に挿入し、一定圧力で
加圧し、10秒間放置し、接着した。ヨーク着磁機にセ
ットし、各極に対応したヨークを配置し、3k〜4kO
eで着磁した。なお、各極でヨーク形状や、巻き数が異
なる為、発生磁場は異なる。得られた現像マグネットロ
ーラ1の波形は、実施例と同様に図7に示す状態であっ
た。現像極の法線方向の磁束密度は97mT、半値幅1
9°であった。現像極の角度バラツキは±1.3°、磁
束密度バラツキは±5mTであった。得られた現像マグ
ネットローラ1を加工して磁力の測定を行なった結果、
(BH)max=9.1MGOeであった。このよう
に、比較例で用いた希土類マグの方が、磁力(BH)m
axが高いにもかかわらず、現像極の磁束密度が実施例
のものよりも低くなっている。これは、実施例の場合、
現像ローラ一体型で空芯コイルで25kOeで着磁して
いるため、現像極のフェライトマグネットピースの磁力
が高くなるためである。一方、比較例の場合はヨーク着
磁で着磁しているに過ぎないため、フェライトの飽和磁
界に達することができず、フェライト部分の磁力が低く
なるからである。
【0028】次に、図8は、本発明の製造方法、着磁方
法によって製造した現像マグネットローラを使用した現
像装置及びこの現像装置を使用した画像形成装置の一例
の構成を示す図である。この画像形成装置は、画像形成
部Aと、給紙部Bと、読取光学系C等を備えている。画
像形成部Aは、感光体ドラム(像担持体)50の廻り
に、帯電部51、露光部52、現像装置53、転写部5
4を備え、更に定着部55を備えている。現像装置53
は、ケース60内に、本発明によって製造される現像マ
グネットローラ1及び現像スリーブ61とから成る現像
ローラ(トナー担持体)62と、攪拌手段63などを備
えている。現像マグネットローラ1は固定されており、
その外径方向には現像スリーブ61が回転可能に配置さ
れている。現像マグネットローラ1の磁気吸引力によっ
て現像スリーブ61の外周面に吸引保持した現像剤を像
担持体50との対向部に搬送することによって、像担持
体上の静電潜像上に静電的にトナーを付着させて現像を
行う。像担持体50上のトナー像は、転写部54にて給
紙部Bから給紙された記録紙上に転写され、その後記録
紙は定着部55にてトナー像を定着されて、機外に排出
される。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、芯金と、
中心孔内に芯金を圧入したパイプ形状のプラスチックマ
グネットローラ本体と、マグネットローラ本体の外周面
に形成した溝部内に希土類磁石からなるマグネットピー
スを接着固定することによって一部分の磁気特性を高く
したマグネットローラにおいて、溝部内に希土類磁性粉
を直接充填して圧縮成型することによって発生する種々
の不具合を解消して、低コスト化、現像極の高磁力化、
高品質化を図ることが出来る。即ち、請求項1に記載の
発明方法は、格別の金型内で磁石粉のみを圧縮成型して
マグネットピースを製作しておき、これを連続した工程
としてマグネットローラ本体の溝部内に嵌合し、加圧し
ながら接着するようにしたので、マグネットローラ本体
にダメージを与えることなく、磁石粉の含有率が高く、
現像極を高磁力化した品質の安定した磁極用マグネット
ピースを生産性よく低コストで得ることができる。ま
た、溝部の内壁がマグネットピースに対する保護壁とな
る一方で、現像ローラとして組み立てる際には現像スリ
ーブによって覆われた構造となり、しかも圧縮成型直後
に溝部内に嵌合されるため、マグネットピースの材料強
度はさほど強い必要がない。このため、バインダとして
使用する樹脂濃度を低くすることができ、磁石粉の高密
度化を達成して、高量化、高磁力化を達成できる。請求
項2の発明は、プラスチックマグネットローラ本体の溝
部内に希土類系のマグネットピースを嵌合固定した未着
磁現像マグネットローラを着磁する際に、これを空芯コ
イル着磁機によって一体構造にて着磁するため、現像極
に相当するマグネットピース(フェライト部分)の磁力
を高めることができる。請求項3の発明は、圧縮成型し
たマグネットピースをマグネットローラ本体の溝部内に
嵌合する際の方向付けとして、最良の方向性を提示する
ものである。即ち、金型内において圧縮成型した際に、
磁石粉の供給均一性や圧縮圧均一性を最も高く確保でき
る方向、即ち圧縮方向と直交する方向を、溝部内の径方
向(現像スリーブとの位置関係が重要な方向)と一致さ
せた状態で、マグネットピースを埋め込むようんしたの
で、磁力バラツキを効果的に低減できる。
【0030】請求項4の発明によれば、未着磁現像マグ
ネットローラを着磁するに際して、ローラ本体に一体化
した芯金の端部の形状を基準として着磁位置を確定でき
るので、不良品率を低下させつつ、生産性を高めること
ができる。請求項5の発明は、バインダ材料として最良
の物質を究明し、これを使用したので、圧縮成型時の圧
力のみによって十分な硬度を得ることができ、エポキシ
を使用した場合に必須となる熱処理工程が省略できる。
このため、マグネットローラの熱減磁が防止され、各極
の磁力が安定化する。また、熱処理工程の省略により、
生産性が高まり、コストを低減できる。請求項6の発明
によれば、マグネットピースの表面に接着速度が速いシ
アノアクリレート系接着剤を塗布するだけで、その後の
工程でマグネットピースが変形、劣化することがなくな
り、充分な強度を保つことが可能である。また、熱処理
工程が不要となり生産性が向上し、低コストのマグネッ
トピースを提供できる。請求項7の発明に係る現像装置
では、各製造方法によって製造した現像マグネットロー
ラを用いて現像ローラを製作し、この現像ローラを現像
装置のトナー担持体として使用したので、コストを高め
ることなく、十分に高い安定した磁力によって高い現像
能力を発揮することができる。請求項8の発明は、前記
現像装置を備えたので、像担持体上の静電潜像を安定し
て現像することができ、高い品質の画像を常に得ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(d)は本発明の一実施形態に係る
製造方法を示す工程図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に
係る製造方法(着磁方法)を示す図。
【図3】(a)及び(b)は空芯着磁機及びヨーク着磁
機による着磁後の磁気波形を示す図。
【図4】(a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形
態に係る製造方法を示す図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る現像マグネットロ
ーラの構成を示す斜視図。
【図6】希土類磁石粉とアミノシランの反応メカニズム
を解析した図。
【図7】本発明の実施例によって得られた現像マグネッ
トローラの波形を示す図。
【図8】本発明の製造方法、着磁方法によって製造した
現像マグネットローラを使用した現像装置及びこの現像
装置を使用した画像形成装置の一例の構成を示す図。
【図9】(a)及び(b)は従来の現像マグネットロー
ラの構造を示す断面図。
【図10】現像マグネットローラに求められる特性を示
す図。
【図11】(a)及び(b)は従来の圧縮成型方法の欠
点を説明するための図。
【符号の説明】
1 現像マグネットローラ、2 芯金、2a 平坦面、
3 マグネットローラ本体、3a 溝部、3b 中心
孔、3A 周方向内壁、4 マグネットピース、4a
磁性粉(磁石粉)、4A 面、11 金型、12 金型
本体、12a 縦穴、13 下部ゲート、14 スキー
ジ、15 加圧金型、15a 加圧部材、21 受け
台、30 空芯コイル、35 ヨーク、40 テーブ
ル、A 画像形成部、B 給紙部、C 読取光学系、5
0 感光体ドラム(像担持体)、51帯電部、52 露
光部、53 現像装置、54 転写部、60 ケース、
61現像スリーブ、62 現像ローラ(トナー担持
体)、63 攪拌手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掛川 美恵子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 神谷 紀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 肥塚 恭太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H031 AC08 AC18 AC19 AC20 5E040 AA04 BB03 5E062 CC02 CD05 CE04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面の現像極に軸方向へ延びる少なく
    とも一つの溝部を有するパイプ状のプラスチックマグネ
    ット製のマグネットローラ本体と、該マグネットローラ
    本体の中心孔内に挿入される芯金と、該溝部内に嵌合さ
    れて接着固定される希土類系のマグネットピースと、を
    備えた現像マグネットローラの製造方法において、 前記マグネットローラ本体の溝部内に固定されるマグネ
    ットピースを格別の金型内で圧縮成型する圧縮成型工程
    と、 前記圧縮成型工程にて成形されたマグネットピースを中
    心孔内に芯金を保持した前記マグネットローラ本体の溝
    部内に嵌合し、加圧しながら接着固定する嵌合固定工程
    と、から成ることを特徴とする現像マグネットローラの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 外周面の現像極に軸方向へ延びる少なく
    とも一つの溝部を有するパイプ状のプラスチックマグネ
    ット製のマグネットローラ本体と、該マグネットローラ
    本体の中心孔内に挿入される芯金と、該溝部内に嵌合さ
    れて接着固定される希土類系のマグネットピースと、を
    備えた現像マグネットローラの製造方法において、 前記マグネットローラ本体の溝部内に前記マグネットピ
    ースを嵌合固定して未着磁現像マグネットローラを得る
    嵌合固定工程と、 前記未着磁現像マグネットローラを空芯コイル内に配置
    して、一括着磁する空芯コイル着磁工程と、 前記空芯コイル着磁工程を経た現像マグネットローラを
    複数のヨーク内に配置してマグネットローラ本体のみに
    着磁するヨーク着磁工程と、から成ることを特徴とする
    現像マグネットローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 外周面の現像極に軸方向へ延びる少なく
    とも一つの溝部を有するパイプ状のプラスチックマグネ
    ット製のマグネットローラ本体と、該マグネットローラ
    本体の中心孔内に挿入される芯金と、該溝部内に嵌合さ
    れて接着固定される希土類系のマグネットピースと、を
    備えた現像マグネットローラの製造方法において、 前記マグネットローラ本体の溝部内に固定されるマグネ
    ットピースを格別の金型内で圧縮成型する圧縮成型工程
    と、 圧縮成型工程にて成形されたマグネットピースを、中心
    孔内に芯金を保持した前記マグネットローラ本体の溝部
    内に嵌合し、加圧しながら接着固定する嵌合固定工程
    と、から成り、 前記嵌合固定工程では、前記金型内での圧縮成型方向に
    位置するマグネットピース両端面が、前記溝部の周方向
    両内壁に密着するように嵌合固定されることを特徴とす
    る現像マグネットローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マグネットローラ本体の中心孔内に
    挿入する芯金の端部外周には、前記溝部内のマグネット
    ピースと対応する位置、及び角度にて平坦部を設け、前
    記コイル空芯着磁工程におけるマグネットピースの着磁
    は、芯金の平坦部を基準に行われることを特徴とする請
    求項2に記載の現像マグネットローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記希土類系のマグネットピースは、磁
    石粉として等方性Nd−Fe−B系あるいは等方性Sm
    −Fe−N系材料を用い、バインダ材料としてアミノシ
    ラン系のシランカップリング剤を主成分とした材料を用
    い、樹脂濃度を1wt%以上10wt%以下としたこと
    を特徴とする請求項1、2、3又は4の何れか一項に記
    載の現像マグネットローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記希土類系のマグネットピースの表面
    に、シアノアクリレート系接着剤を被覆したことを特徴
    とする請求項1、2、3、4又は5の何れか一項に記載
    の現像マグネットローラの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6に記載の現像マグネット
    ローラの製造方法によって製造された現像マグネットロ
    ーラを現像ローラに組み込んだことを特徴とする現像装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の前記現像装置を備えた
    ことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
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CN102206382A (zh) * 2011-05-25 2011-10-05 佛山市顺德区高怡新塑料有限公司 一种具有永磁功能的塑料基复合材料及其制备方法

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