JP2019121725A - 電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法 - Google Patents

電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法 Download PDF

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裕之 金子
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Abstract

【課題】電磁ソレノイドの動作電圧と衝突音をそれぞれ小さく抑えること【解決手段】電磁ソレノイド10は、ソレノイド11と、固定素子12と、可動素子13と、筐体14と、バネ15と、電磁ソレノイド用緩衝材16とを備えている。電磁ソレノイド用緩衝材16は、磁性フィラーを含むゴムシートである。電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシート中に含まれる磁性フィラーは、ゴムシートの厚さ方向の中心よりもゴムシートが固定素子12または可動素子13に取り付けられた側に多くなるように分散している。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法に関する。
特許第2670476号に開示されているように、電磁ソレノイドには、可動鉄心が固定鉄心に衝突する際に衝突音が生じる。この衝突音を小さくするため、固定鉄心と可動鉄心との間にゴム板と樹脂板を挿入することが提案されている。
特開2012−92923号公報には、可動鉄心の端部にフッ素ゴムなどのゴム材料からなる衝撃吸収部を設けることが提案されている。
特開2015−121283号公報は、電磁ソレノイドが用いられた電磁弁の一形態が例示されている。
特許第2670476号 特開2012−92923号公報 特開2015−121283号公報
ところで、上述のように、可動鉄心と固定鉄心との間に衝突音を小さく抑えるためのゴムが介在していると、可動鉄心と固定鉄心との間に隙間が生じるため、磁束が遮断され、可動鉄心を固定鉄心に保持または吸着する力が弱くなる。可動鉄心と固定鉄心との衝突音を小さく抑えることと、可動鉄心を固定鉄心に保持または吸着する力を高く維持することが両立されることが望ましい。
ここで開示される電磁ソレノイドは、ソレノイドと、ソレノイドの内部空間にソレノイドに対して固定的に配置された固定素子と、ソレノイドの中心軸の方向において、固定素子に対向するように配置された可動素子とを備えている。可動素子に対向した固定素子の第1面、または、固定素子に対向した可動素子の第2面には、磁性フィラーを含むゴムシートが取り付けられている。ゴムシート中に含まれる磁性フィラーは、ゴムシートの厚さ方向の中心よりも第1面または第2面に取り付けられた側に多くなるように分散している。
この場合、電磁ソレノイド10の動作電圧が低く抑えられ、かつ、衝突音が小さく抑えられうる。
ゴムシートは、第1面または第2面を全て覆っていてもよい。
ゴムシートの平均で磁性フィラーの質量割合は、例えば、60%以上90%以下であるとよい。
また、ゴムシートの平均の炭素の重量割合をWaとし、第1面に取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合をWbとした場合に、WaとWbとに基づいて、(Wb−Wa)/Waで求められる値は、例えば、50%以上であるとよい。
電磁弁は、かかる電磁ソレノイドを備えているとよい。
ここで開示される電磁ソレノイド用緩衝材は、磁性フィラーを含むゴムシートからなり、磁性フィラーは、ゴムシートの厚さ方向の中心よりも片側に多くなるように分散しているとよい。
また、ゴムシートの平均で磁性フィラーの質量割合は、例えば、60%以上90%以下であるとよい。
また、ゴムシートの平均の炭素の重量割合をWaとし、ゴムシートのうち炭素の割合が多い面の炭素の重量割合をWbとした場合に、WaとWbとに基づいて、(Wb−Wa)/Waで求められる値は、例えば、50%以上であるとよい。
ここで開示される電磁ソレノイド用緩衝材を得るための、ゴム材料の成型方法は、例えば、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する第1工程と、混合物を、鋳型に入れる第2工程と、鋳型を回転させて、遠心力を付与しつつ液状ゴムを硬化させる第3工程とを含んでいるとよい。
この場合、鋳型は、円筒状の成形空間を有しているとよい。第3工程では、円筒状の成形空間の中心軸周りに、鋳型を回転させるとよい。
鋳型は、平板状の成形空間を有していてもよい。この場合、第3工程では、平板状の成形空間に対して平行な回転軸周りに、鋳型を回転させるとよい。
また、ここで開示される電磁ソレノイド用緩衝材を得るためのゴム材料の成形方法として、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する第1工程と、混合物を、平板状の成形空間を有する鋳型に入れる第2工程と、鋳型の成形空間の厚さ方向の片側から磁石を当てつつ液状ゴムを硬化させる第3工程とを含んでいてもよい。
ここで、液状ゴムは、例えば、シリコーン系液状ゴム、ウレタン系液状ゴム、ジエン系液状ゴム、オレフィン系液状ゴムおよびフッ素系液状ゴムからなる群のうち少なくとも一種の液状ゴムであるとよい。
図1は、ここで開示される電磁ソレノイド10を備えた電磁弁50の一実施形態を示す断面図である。 図2は、電磁ソレノイド用緩衝材16を厚さ方向の断面図である。 図3は、他の形態に係る電磁ソレノイド10および電磁弁50の断面図である。 図4は、円筒状の成形空間201a1を有する鋳型200の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、平板状の成形空間を有する鋳型300の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図6は、平板状の成形空間301aを有する鋳型300を回転させる治具320を模式的に示す模式図である。 図7は、円弧に沿った成形空間301aを有する鋳型300Aを模式的に示す模式図である。
以下、ここで開示される電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、ここで開示される電磁ソレノイド10を備えた電磁弁50の一実施形態を示す断面図である。
電磁ソレノイド10は、図1に示されているように、ソレノイド11と、固定素子12と、可動素子13と、筐体14と、バネ15と、電磁ソレノイド用緩衝材16とを備えている。
ソレノイド11は、円筒状のコイルである。この実施形態では、コイルボビン11aに電線11bが巻かれている。コイルボビン11aは、円筒状の胴部11a1と、胴部11a1の両端に設けられたフランジ11a2,11a3とを有している。この実施形態では、ソレノイド11は、筐体14に固定されている。
固定素子12は、ソレノイド11の内部空間にソレノイド11に対して固定的に配置されている。換言すると、固定素子12は、ソレノイド11の捲回中心部において固定されている。この実施形態では、固定素子12は、ソレノイド11のコイルボビン11aの胴部11a1に装着されうる外径を有する中実の円柱形状を有している。固定素子12の一端の端面には、筐体14に取り付けられるための突起12aが設けられている。固定素子12の他端の端面には、バネ15を装着するためのバネ座12cが設けられている。この実施形態では、バネ15は、コイルバネである。バネ座12cは、固定素子12の端面の中心部において、バネ15が装着されうる有底の円形の穴で形成されている。かかる可動素子13に対向する固定素子12の端面12b(適宜に「第1面」と称される。)には、電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられている。
可動素子13は、ソレノイド11の中心軸の方向において、固定素子12に対向するように配置されている。この実施形態では、可動素子13は、固定素子12に対向する中実の軸部材であり、いわゆるプランジャーと称されうる形態である。可動素子13は、コイルボビン11aの胴部11a1の内部において、軸方向に沿って挿入されている。可動素子13の外径は、コイルボビン11aの胴部11a1の内径よりも少し小さい。可動素子13は、コイルボビン11aの胴部11a1の内周面に案内されつつ軸方向に沿って摺動可能な状態でコイルボビン11aに装着されている。
可動素子13の形状は、電磁ソレノイド10をどのような用途に用いるかによって異なりうる。ここで、固定素子12と可動素子13とは、鉄、ケイ素鋼、パーマロイなどの磁性材料が用いられうる。固定素子12と可動素子13とには、鉄が用いられている場合が多い。このため、固定素子12は、固定鉄心とも称されうる。また、可動素子13は、可動鉄心と称されうる。
筐体14は、収容ケース14aと、蓋14bとで構成されている。
収容ケース14aは、ソレノイド11および固定素子12を収容するための収容空間を有している。図1に示された形態では、収容ケース14aは、有底のケースであり、収容部14a1と、底壁14a2とを有している。収容部14a1は、ソレノイド11が構成されたコイルボビン11aが収容可能な円筒形状を有している。底壁14a2には、固定素子12の突起12aが装着されうる取付孔14a3が形成されている。この実施形態では、取付孔14a3は、底壁14a2の径方向の中心部に形成されている。収容部14a1の軸方向の他端は開口している。蓋14bは、当該開口に装着されている。蓋14bの径方向の中心部には、可動素子13が挿通されうる貫通孔14b1が形成されている。
図1に示されているように、ソレノイド11は、筐体14の収容部14a1に収容されている。固定素子12は、ソレノイド11のコイルボビン11aの胴部11a1に装着されている。固定素子12の一端の突起12aは、筐体14の底壁14a2の取付孔14a3に装着されている。固定素子12の他端に設けられたバネ座12cには、バネ15が装着されている。また、固定素子12の他端の端面には、電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられている。可動素子13は、電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられた固定素子12の他端の端面に対向するように、ソレノイド11のコイルボビン11aの胴部11a1に装着されている。可動素子13は、バネ15に押し当てられており、蓋14bに形成された貫通孔14b1を貫通して蓋14bの外に突出している。
図2は、電磁ソレノイド用緩衝材16を厚さ方向の断面図である。図2に示されているように、固定素子12の第1面12bに取り付けられた電磁ソレノイド用緩衝材16は、磁性フィラー16aを含むゴムシート16bである。電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシート16b中に含まれる磁性フィラー16aは、ゴムシート16bの厚さ方向の中心よりもゴムシート16bが第1面12bに取り付けられた側に多くなるように分散している。
つまり、電磁ソレノイド用緩衝材16には、固定素子12の第1面12bに取り付けられた側に偏って磁性フィラー16aが多く分散している。このため、ソレノイド11に通電された際に、可動素子13に作用する磁場が強い状態に維持されやすい。つまり、磁性フィラーを含まない同じ厚さのゴムシートが、固定素子12の第1面12bに貼り付けられた場合に比べて、可動素子13に大きい力を作用させることができる。電磁ソレノイド用緩衝材16の母材はゴムであるため、磁性フィラーを含まない同じ材質で同じ厚さのゴムシートが、固定素子12の第1面12bに貼り付けられた場合と比べても、大凡同程度の静粛性を発揮しうる。このように、ここで提案される電磁ソレノイド10は、当該第1面12bに取り付けられた側に偏って多く磁性フィラー16aが分散したゴムシート16bからなる電磁ソレノイド用緩衝材16が、可動素子13に対向した固定素子12の第1面12bに取り付けられている。このため、可動鉄心と固定鉄心との衝突音を小さく抑えることと、可動鉄心を固定鉄心に保持または吸着する力を高く維持することとが両立されうる。このように、電磁ソレノイド用緩衝材16は、磁性フィラー16aを含むゴムシート16bからなり、磁性フィラー16aは、ゴムシート16bの厚さ方向の中心よりも片側に多くなるように分散しているとよい。
この実施形態では、電磁ソレノイド用緩衝材16は、第1面12bを全て覆っている。上述のように、電磁ソレノイド用緩衝材16には、第1面12bに取り付けられた側に偏って磁性フィラー16aが分散している。このため、電磁ソレノイド用緩衝材16が固定素子12の第1面12bを全て覆っていることによって、可動素子13に作用する磁場が強い状態に維持されやすい。電磁ソレノイド用緩衝材16の厚さは、薄すぎると配合する磁性フィラーの粒径によっては、シート表面に凹凸が表れる場合がある。かかる観点において、電磁ソレノイド用緩衝材16の厚さは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.4mm以上であるとよい。他方で、電磁ソレノイド用緩衝材16の厚さは、厚すぎると磁性フィラーの配合量によっては、電磁ソレノイド10の動作電圧が高くなる場合がある。かかる観点において、電磁ソレノイド用緩衝材16の厚さは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下であるとよい。
電磁ソレノイド用緩衝材16を第1面12bに取り付ける方法としては、電磁ソレノイド用緩衝材16を第1面12bに接着されていてもよいし、電磁ソレノイド用緩衝材16を第1面12bに組付けてもよい。図示は省略するが、例えば、固定素子12に電磁ソレノイド用緩衝材16を組付けるための窪みを設け、電磁ソレノイド用緩衝材16に突起を設けてもよい。固定素子12の窪みに電磁ソレノイド用緩衝材16の突起を組付けることによって、固定素子12の第1面12bに電磁ソレノイド用緩衝材16を組付けてもよい。電磁ソレノイド用緩衝材16を第1面12bに取り付ける方法には、種々の手法が採用されうる。電磁ソレノイド用緩衝材16を第1面12bに取り付ける方法には、例えば、可動素子13に作用する磁場を強い状態に維持しうる方法を採用するとよい。
ここで、電磁ソレノイド用緩衝材16に含まれる磁性フィラー16aの質量割合は、平均で60%以上90%以下であってもよい。このように電磁ソレノイド用緩衝材16には、質量割合において磁性フィラー16aが多く含まれていることによって、可動素子13に作用する磁場が強い状態に維持されやすい。可動素子13に作用する磁場を強い状態に維持するとの観点において、電磁ソレノイド用緩衝材16に含まれる磁性フィラー16aが多い方がよく、質量割合は、平均で60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上とするとよい。また、本発明者の知見では、磁性フィラー16aの質量割合が85%程度、さらには90%程度となっても、静粛性を発揮しうる。なお、後述するが、電磁ソレノイド用緩衝材16は、固定素子に対向した可動素子の第2面に取り付けられてもよい。この場合も、可動素子13に作用する磁場を強い状態に維持するとの観点において磁性フィラー16aの質量割合が規定されるとよい。
ここで、電磁ソレノイド用緩衝材16を構成するゴムシート16bの平均の炭素の重量割合をWaとし、第1面12bに取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合をWbとする。電磁ソレノイド用緩衝材16は、例えば、上記のWaとWbとに基づいて、(Wb−Wa)/Waで求められる値が50%以上であるとよい。つまり、(Wb−Wa)/Waで求められる値が50%以上となる程度に、磁性フィラー16aが第1面12bに取り付けられた側に偏っているとよい。ここで、Waは、電磁ソレノイド用緩衝材16を構成するゴムシート16bの平均的な組成である。Waは、例えば、電磁ソレノイド用緩衝材16を製造する際に用意される材料の平均的な組成から推定されうる。Wbは、電磁ソレノイド用緩衝材16の第1面12bに取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合である。換言すると、Wbは、電磁ソレノイド用緩衝材16の、可動素子13に対向する側の炭素の重量割合である。また、固定素子12または可動素子13に取り付けられる前の電磁ソレノイド用緩衝材16においては、ゴムシートのうち炭素の割合が多い面の炭素の重量割合をWbとするとよい。
ここで、炭素原子は、磁性フィラー16aに含まれておらず、ゴムシート16bの主成分である。このため、(Wb−Wa)/Waは、第1面12bに取り付けられた側とは反対側の面のゴムの割合が平均に比べてどの程度多いか、を示している。また、(Wb−Wa)/Waからは、第1面12bに取り付けられた側とは反対側に磁性フィラー16aがどの程度多く分散しているかが評価されうる。かかる(Wb−Wa)/Waの値が小さすぎると、磁性フィラーの偏りが不十分で、衝突音を小さく抑えることと、可動素子13を吸引する力を高く維持することとの両立を図る、所要の効果が得られにくい場合がある。
ここで、第1面12bに取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合Wbは、例えば、エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)によって測定されうる。ここで、エネルギー分散型X線分光法は、電子線照射により発生する特性X線を検出し、エネルギーで分光することによって、元素分析や組成分析を行う手法である。エネルギー分散型X線分光法には、面分析による元素分布や、組成分析など、種々の利用手法が知られている。エネルギー分散型X線分光法を利用した公知の手法によって、電磁ソレノイド用緩衝材16の、第1面12bに取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合Wbを得ることができる。
電磁ソレノイド10は、図1に示されているように、電磁弁50に適用されうる。図1に示された電磁弁50は、サブブロック51と、流路ブロック52とを備えている。
サブブロック51の片面には、突起状の組付部51aが設けられている。組付部51aは、電磁ソレノイド10の筐体14の開口部に装着されている。突起状の組付部51aには、電磁ソレノイド10の可動素子13が突出した位置に合わせて、サブブロック51を貫通した貫通孔51a1が形成されている。電磁ソレノイド10の可動素子13は、かかる貫通孔51a1に通して収容空間51cに突出している。
サブブロック51の反対側には、凹んだ収容空間51cが設けられている。収容空間51cには、電磁弁50の駆動機構51bが収容されている。この実施形態では、収容空間51cには、揺動部材53と、プランジャー55と、コイルバネ56とが収容されている。揺動部材53は、横長の部材であり、長さ方向の中央部に揺動軸53aが設けられている。揺動部材53は、収容空間51c内で揺動するように取り付けられている。かかる揺動軸53aを中心として、揺動部材53の片側には、電磁ソレノイド10の可動素子13が当たっている。揺動部材53の反対側には、可動素子13が当たっている面と同じ面においてプランジャー55が当たっている。さらに揺動部材53に対向して収容空間51cの内側面にバネ座57が設けられている。コイルバネ56は、プランジャー55とバネ座57との間に圧縮された状態で装着されている。
このように揺動部材53の片側には電磁ソレノイド10の可動素子13が当たっており、反対側にはコイルバネ56に支持されたプランジャー55が当たっている。可動素子13は、電磁ソレノイド10が通電されていないときは、電磁ソレノイド10のバネ15の作用で揺動部材53に押し当たっている。ここで、電磁ソレノイド10のバネ15は、コイルバネ56よりも強い力を作用させるように調整されている。このため、電磁ソレノイド10に通電されていないときは、揺動部材53は、図1に示されているように、可動素子13によって押された状態で傾く。他方、図示は省略するが、電磁ソレノイド10に通電されているときは、バネ15に抗して可動素子13が固定素子12に引きつけられる。このとき揺動部材53はプランジャー55によって押された状態で傾く。
上述したように、サブブロック51には、揺動部材53と、コイルバネ56と、プランジャー55が取り付けられている。そして、サブブロック51の収容空間51cを覆うようにゴム製の弁体58が取り付けられている。弁体58は、揺動部材53に張り付いており、揺動部材53と一体に動く。かかるサブブロック51には、さらに収容空間51cを覆うように、流路ブロック52が取り付けられている。
流路ブロック52には、流入ポート52aと、第1流出ポート52bと、第2流出ポート52cとが形成されている。ここで、流入ポート52aと、第1流出ポート52bと、第2流出ポート52cとは、それぞれ弁体58に対向している。このうち、流入ポート52aは、揺動部材53の揺動軸に対向する位置に設けられている。第1流出ポート52bは、可動素子13によって揺動部材53が押し出される位置に設けられている。第2流出ポート52cは、プランジャー55によって揺動部材53が押し出される位置に設けられている。
図1に示された形態では、電磁ソレノイド10に通電されていないときは、揺動部材53が可動素子13によって押し出される。このとき、弁体58によって第1流出ポート52bが塞がれる。他方、第2流出ポート52cは開かれる。このため、流入ポート52aと第2流出ポート52cとが連通される。
また、図示は省略するが、電磁ソレノイド10に通電されたときは、揺動部材53がプランジャー55によって押し出される。このとき、弁体58によって第2流出ポート52cが塞がれる。他方、第1流出ポート52bは開かれる。このため、流入ポート52aと第1流出ポート52bとが連通される。
このように、ここで提案される電磁ソレノイド10および電磁弁50は、図1に示されているように、可動素子13に対向した固定素子12の第1面12bに磁性フィラー16aを含むゴムシート16b(図2参照)が取り付けられている。ここで、ゴムシート16b中に含まれる磁性フィラー16aは、ゴムシート16bの厚さ方向の中心よりもゴムシート16bが第1面12bに取り付けられた側に多くなるように分散している。このようなゴムシート16bが、電磁ソレノイド用緩衝材16として固定素子12の第1面12bに取り付けられているので、可動素子13に作用する磁場が強く維持されるとともに、可動素子13と固定素子12との衝突音が小さく抑えられる。
ここでは、電磁ソレノイド用緩衝材16を備えた電磁ソレノイド10および電磁弁50の一実施形態を説明した。電磁ソレノイド10および電磁弁50の形態は、上述した実施形態に限定されない。
図3は、他の形態に係る電磁ソレノイド10および電磁弁50の断面図である。
図1に示された形態では、可動素子13に対向した固定素子12の第1面12bに電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられている。図3に示された形態では、これに代えて、固定素子12に対向した可動素子13の端面13a(適宜に「第2面」と称される。)に磁性フィラーを含むゴムシートが電磁ソレノイド用緩衝材16として取り付けられている。電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートに含まれる磁性フィラーは、ゴムシートの厚さ方向の中心よりもゴムシートが第2面13aに取り付けられた側に多くなるように分散している。このように、電磁ソレノイド用緩衝材16は、固定素子12に対向した可動素子13の端面13aに取り付けられていてもよい。
電磁ソレノイド用緩衝材16は、図2に示されているように、磁性フィラーを含むゴムシートからなり、ゴムシート16bの厚さ方向の中心よりも片側に多くなるように磁性フィラー16aが分散している。本発明者は、かかるゴム材料を成形する方法として、以下のような手法を提案する。
ここで提案されるゴム材料の成形方法には、例えば、以下の第1工程と、第2工程と、第3工程とが含まれているよい。
ここで、
第1工程は、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する工程である。
第2工程は、第1工程で用意された混合物を、鋳型に入れる工程である。
第3工程は、鋳型を回転させて、遠心力を付与しつつ液状ゴムを硬化させる工程である。
この成型方法によれば、鋳型の回転に伴う遠心力の作用によって、磁性フィラーが偏在したゴム製品が成形されうる。
ここで、液状ゴムは、例えば、シリコーン系液状ゴム、ウレタン系液状ゴム、ジエン系液状ゴム、オレフィン系液状ゴムおよびフッ素系液状ゴムからなる群のうち少なくとも一種の液状ゴムであるとよい。かかる液状ゴムには、市販されている液状ゴムから適当なものが選択されうる。液状ゴムの粘度、架橋剤(硬化剤)の種類、配合量などは、後述する製造工程に要する時間などを考慮して決定されることが望ましい。
また、磁性フィラーには、純鉄系フィラー、軟磁性フィラーなどが用いられうる。磁性フィラーの大きさは、例えば、100μm以下であることが好ましい。磁性フィラーの大きさは、成形するシートの厚みに対し、磁性フィラーが混ぜられていることに起因してシート表面に形成される凹凸や外観不良が小さく抑えられること、可動鉄心または固定鉄心への取り付けに要するゴムシートの適度な柔軟性を阻害しないこと、液状ゴム中で所要の流動性が得られることなどが考慮されうる。かかる磁性フィラーには、市販されている磁性フィラーから適当なものが選択されうる。
例えば、上述したような電磁ソレノイド用緩衝材16として用いられうるゴムシート16bを成形する場合には、鋳型は、例えば、円筒状の成形空間を有しているとよい。図4は、円筒状の成形空間201a1を有する鋳型200の一例を模式的に示す断面図である。ここで、図4では、円筒状の成形空間201a1の中心軸に沿った鋳型200の断面図が示されている。
鋳型200は、図4に示されているように、円筒形状の成形空間を有する主型201と、入れ子202と、型蓋203とを備えている。主型201は、成形空間201a1を備えた成形部201aと、成形空間201a1の中心軸に沿って成形部201aから延びた回転軸201bとを備えている。成形空間201a1は、有底の円筒形状である。成形部201aは、一端において開口している。入れ子202は、成形空間201a1よりも直径が小さい円柱状の中軸部材である。入れ子202は、成形空間201a1の中心に配置されている。入れ子202の一端にはねじ穴202aが形成されている。型蓋203は、成形部201aの開口を塞ぐ部材である。型蓋203の中心には、ねじ軸203aが設けられている。型蓋203のねじ軸203aは、入れ子202のねじ穴202aに装着されている。入れ子202は、型蓋203に取り付けられた状態で主型201の成形空間201a1に装着されている。型蓋203と主型201との間、および、型蓋203と入れ子202との間には、それぞれシール材204,205が装着されている。主型201と型蓋203とは、周方向に複数配置されたビス206によって締結されている。ビス206は、シール材204,205と干渉しないように配置されているとよい。
この鋳型200は、主型201と入れ子202との間の成形空間201a1に液状ゴムと磁性フィラーとの混合物が入れられる。そして、型蓋203を取り付けて成形空間201a1が封止される。そして、回転軸201bを旋盤のような回転機構に保持させて、円筒状の成形空間201a1の中心軸周りに、鋳型200を回転させつつ、液状ゴムを硬化させる。鋳型200を回転させると、遠心力によって成形空間201a1内で磁性フィラーが外径側に偏る。鋳型200を回転させつつ、液状ゴムを硬化させることによって、図2に示すように、磁性フィラー16aが外径側に多く分散したゴムシート16bが成形される。鋳型200によって成形されるゴムシートは、円筒型である。成形されたゴムシートは、取り付けられる固定素子12または可動素子13の端面に合わせて適当な形に切り出されるとよい。切り出されたゴムシートは、図1または図2に示されているように、固定素子12または可動素子13の端面に取り付けられる。この際、切り出されたゴムシートのうち磁性フィラーが多く分散した面(成形されたゴムシートの外径側の面)が、固定素子12または可動素子13の端面に取り付けられるとよい。
鋳型は、平板状の成形空間を有していてもよい。ここで、図5は、平板状の成形空間を有する鋳型300の一実施形態を模式的に示す斜視図である。鋳型300は、主型301と、蓋型302とを備えている。主型301は、平板状の成形空間301aを有している。蓋型302は、主型301の平板状の成形空間301aを塞ぎ、主型301に固定されるように構成されている。
この場合、液状ゴムと磁性フィラーとの混合物を鋳型300の平板状の成形空間301aに入れる。そして、鋳型300を回転させて遠心力を付与しつつ液状ゴムを硬化させる。かかる第3工程では、平板状の成形空間301aに対して平行な回転軸周りに、鋳型を回転させるとよい。図6は、平板状の成形空間301aを有する鋳型300を回転させる治具320を模式的に示す模式図である。例えば、治具320は、図6に示されているように、回転軸321と、回転軸321から径方向に延びた複数のアーム322とを備えている。アーム322には、平板状の成形空間301aを有する鋳型300が平板状の成形空間301aの法線方向を回転軸321に向けて取り付けられている。回転軸321周りに平板状の成形空間301aを有する鋳型300が複数並べられて配置されている。このとき、平板状の成形空間301aの法線が回転軸321に向けられるとよい。回転軸321周りに治具320を回転させつつ、平板状の成形空間301aに入れられた当該液状ゴムと磁性フィラーとの混合物を硬化させる。この際、遠心力の作用によって、磁性フィラーは外径方向に偏る。その結果、厚さ方向の中心よりも片側に磁性フィラーが多くなるように分散したゴムシートが成形される。なお、このうちシートの片面にゴム成分が多い面を薄く形成し、さらに面方向においてフィラーを均一に分散させるという観点において、図7に示されているように、円弧に沿った成形空間301aを有する鋳型300Aを用意するとよい。これによって、遠心力が成形空間に均等に作用するので、面方向においてフィラーをより均一に分散させうる。また、面方向においてフィラーを均一に分散させるという観点において、図4に示された円筒形状の成形空間を有する鋳型200が用いられてもよい。
また、ゴム材料の成形方法の他の形態として、以下の第1工程と、第2工程と、第3工程とが含まれていてもよい。
ここで、
第1工程は、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する工程である。
第2工程は、混合物を、平板状の成形空間を有する鋳型に入れる工程である。
第3工程は、鋳型の成形空間の厚さ方向の片側から磁石を当てつつ液状ゴムを硬化させる工程である。
この場合、例えば、図5に示されているような平板状の成形空間301aを有する鋳型300が用いられる。ここで、鋳型300は、例えば、プラスチックなど、磁場を透過しやすい材質であるとよい。そして、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を鋳型に入れる。そして、平板状の成形空間301aに対して厚さ方向の片側から磁石を当てる。ここで磁石には、例えば、ネオジム磁石やフェライト磁石などが採用されうる。かかる工程によって、磁性フィラーが磁石に引きつけられるので、鋳型300の成形空間301aの厚さ方向の片側に磁性フィラーが多く分散する。鋳型300の成形空間301aの厚さ方向の片側から磁石を当てつつ液状ゴムを硬化させることによって、図2に示されているように、厚さ方向の片側に磁性フィラー16aが多く分散したゴムシート16bが得られる。なお、液状ゴムの粘度、磁性フィラーのサイズ・配合量、磁場をかけるタイミングなどは、適当に調整されうる。磁場をかけるタイミングは、例えば、架橋剤が配合された直後のタイミングや、加硫がある程度進行したタイミングなどが適宜に調整されうる。
好ましくは、液状ゴム中に磁性フィラーを均一に分散させたのち、架橋剤を配合し、素早く均一に混ぜ合わせた後に磁場をかけることが望ましい。ここで配合される架橋剤(硬化剤とも称される)の配合量は、混ぜ合わせる際の温度や液状ゴムの粘度などは、適宜に調整されうる。
また、ゴム材料の成形方法の他の形態として、以下の第1工程と、第2工程と、第3工程とが含まれていてもよい。
第1工程は、液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する工程である。
第2工程は、混合物を、平板状の成形空間を有する鋳型に入れる工程である。
第3工程は、鋳型の平板状の成形空間を水平に配置し、鋳型の成形空間の厚さ方向の下方に磁性フィラーが多く分散するまで放置しつつ、液状ゴムを硬化させる工程である。
この場合、例えば、図5に示されているような平板状の成形空間301aを有する鋳型300が用いられる。液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を鋳型に入れる。そして、鋳型の平板状の成形空間を水平に配置し、鋳型の成形空間の厚さ方向の下方に磁性フィラーが多く分散するまで放置しつつ、液状ゴムを硬化させる。この場合、磁性フィラーが自重で沈降しうるように、磁性フィラーの比重が、液状ゴムよりも重いことが望ましい。また、磁性フィラーが自重で沈降しやすいように、磁性フィラーの比重に対して液状ゴムが適当な粘度であるとよい。そして、磁性フィラーがある程度沈降した状態で液状ゴムが硬化するように調整されているとよい。これにより、図2に示されているように、厚さ方向の片側に磁性フィラー16aが多く分散したゴムシート16bが得られる。
ここで、表1と表2は、電磁ソレノイド用緩衝材16のサンプル群と、電磁ソレノイドの動作電圧と、金属音の有無を評価した表である。表1では、図4に示されているように、円筒状の成形空間201a1を有する鋳型200を用い、鋳型200を回転させて電磁ソレノイド用緩衝材16を成形したサンプル群(比較例を含む)について、電磁ソレノイドの動作電圧と、金属音の有無が評価されている。表2では、図5に示されているように、平板状の成形空間301aを有する鋳型300を用い、鋳型300に磁石を当てて電磁ソレノイド用緩衝材16を成形したサンプル群(比較例を含む)について、電磁ソレノイドの動作電圧と、金属音の有無が評価されている。
Figure 2019121725
Figure 2019121725
ここで、表1および表2において示されたサンプル群では、原材料として下記のものが使用されている。ここで、各原材料は、各材料メーカーから入手することができる。
液状ゴム:信越化学工業株式会社製 RTVシリコーンゴム(KE−17、縮合型)
硬化剤 :信越化学工業株式会社製 CAT−RM
磁性フィラー(A):パウダーテック株式会社製 鉄粉(RDL−500)(見かけ密度2.74g/cm、平均粒子径(D50):25μm)
磁性フィラー(B):日本アトマイズ加工株式会社製 SFR−FeSiCr(90.5−5.5−4)(平均粒子径(D50):15μm)
ここで表1中のサンプルA1と表2中のサンプルB1、表1中のサンプルA2と表2中のサンプルB2は、それぞれ同じものであるが、ゴムシートではなく、単に原材料として用いられた磁性フィラーの組成が示されている。また、サンプルA8とサンプルB8は、それぞれ電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートが取り付けられていない状態での電磁ソレノイドの動作電圧が示されている。また、表1のサンプルA3〜サンプルA7およびサンプルA9〜サンプルA15と、表2のサンプルB3〜サンプルB7およびサンプルB9〜サンプルB15とは、それぞれ原材料が対応している。つまり、表1に示されたこれらのサンプルと、表2に示された対応するサンプルとは、ゴムシート成形方法が異なっているが原材料は同じである。
表1および表2には、表1のサンプルA3〜サンプルA7およびサンプルA9〜サンプルA15と、表2のサンプルB3〜サンプルB7およびサンプルB9〜サンプルB15について、得られたゴムシートのシート表面組成(wt%)の分析が示されている。
ゴムシート表面組成および磁性フィラー組成は、走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−3400N)によって、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)分析が行われた。上記分析は、電磁ソレノイド用緩衝材としてのゴムシート両面に対して実施された。
その結果、表1および表2に示された通り、ゴムシートの表裏に組成に違いが見られ、ゴムシートの厚み方向において、磁性フィラーが片側に偏って分布していることを確認した。
表1および表2において「シート組成(wt%)」の項目では、各サンプルのゴムシートの組成が評価されている。
「平均組成」の欄は、ゴムシートの平均の組成である。原材料の重量割合から得られる。「衝突面側」の欄は、電磁ソレノイドにおいて貼り付けられるのとは反対側の面である。ここでは、電磁ソレノイド用緩衝材16は可動素子13に貼り付けられるので、固定素子12に対向する側の面の意味する(図3参照)。「非衝突側」の欄は、電磁ソレノイドにおいて貼り付けられる側の面である。ここでは、電磁ソレノイド用緩衝材16は可動素子13に貼り付けられるので、可動素子13に貼り付けられる側の面の意味する(図3参照)。
「傾斜分散度[%]」の項目は、上述した(Wb−Wa)/Waで求められる値を傾斜分散度としている。ここで、Waは、ゴムシートの平均の炭素の重量割合である。Wbは、ゴムシートのうち炭素の割合が多い面の炭素の重量割合である。換言すれば、この実施形態では、可動素子13に取り付けられる側とは反対側の面の炭素の重量割合がWbとされる。かかる「傾斜分散度[%]」の項目によれば、各サンプルのゴムシートの厚さ方向において、磁性フィラーが偏って分散している程度が評価されうる。
各サンプルのゴムシートは、打ち抜き刃で可動素子13の端面に合わせた形状に打ち抜く。ここでは、各サンプルのゴムシートは、直径8mmの円形に打ち抜かれて電磁ソレノイド用緩衝材16とされる。電磁ソレノイド用緩衝材16は、可動素子13の固定素子12に対向する端面13aに取り付けられる(図3参照)。ここで、上記ゴムシートの組成分析で、鉄(Fe)の多い方の面が可動素子13(可動鉄心)側(非衝突側)とする。なお、電磁ソレノイド用緩衝材16を取り付け後の可動素子13の長さは、電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられていないサンプルA8,B8の可動素子と同じになるように可動素子13の長さが調整されている。
電磁弁50が組み上げられた後、電圧を徐々に上げていき、可動素子13が固定素子12に吸着された時に電磁ソレノイド10に印加した電圧を動作電圧として記録した。動作電圧が9.0V以下の場合は合格、9.0Vよりも大きい場合は不合格とした。つまり、動作電圧が、9.0V以下の場合は、可動素子13を固定素子12に吸着するのに要する印加電圧が低く抑えられており、電磁ソレノイド10に電圧を印加した際に生じる磁場が高く維持されやすいと評価した。また、動作電圧を測定した際に、可動素子13と固定素子12が衝突する際の音も記録した。金属音がした場合は不合格、金属音がしない場合を合格とした。つまり、電磁ソレノイド用緩衝材16が、衝突音を低く抑えるように機能していると評価した。
ここで、サンプルA3は、磁性フィラー(A)85重量部と液状ゴム15重量部を超小型実験室用攪拌機 LZB14−MG(株式会社中央理化製)を用いて混合した。混合後、硬化剤をゴム100重量部に対して0.5重量部添加し、素早く撹拌した。撹拌後、混合物をPTFE(ポリテトラフロオロエチレン)製の鋳型200(図4参照)に流し込んだ。その後、鋳型200を200rpmで回転させた状態で3時間置き、ゴムを硬化させた。硬化させたゴムを取り出し、23℃・50%RH条件で2日間放置した。ここで、RHは、相対湿度(relative humidity)を意味する。
サンプルA4〜A7,A9,A14,A15は、それぞれ原材料の配合組成(wt%)が異なることを除いて、サンプルA3と同じ条件で電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートが製造された。このうち、サンプルA9のゴムシートには、磁性フィラーが含まれていない。A14では、磁性フィラーとして磁性フィラーAが用いられており、磁性フィラーAの重量割合が50wt%である。A15では、磁性フィラーとして磁性フィラーBが用いられており、磁性フィラーBの重量割合が50wt%である。
サンプルA10〜A13は、鋳型200を回転させることなく、ゴムを硬化させてゴムシートを成形したものである。鋳型200を回転させる工程を除いて、A3と同じ製造工程で電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートが製造されている。サンプルA10は、サンプルA4と同じ配合組成である。サンプルA11は、サンプルA6と同じ配合組成である。サンプルA12は、サンプルA5と同じ配合組成である。サンプルA13は、サンプルA7と同じ配合組成である。
表2のサンプルB3では、磁性フィラー(A)85重量部と液状ゴム15重量部を超小型実験室用攪拌機 LZB14−MG(株式会社中央理化製)を用いて混合した。混合後、硬化剤をゴム100重量部に対して0.5重量部添加し、素早く撹拌した。撹拌後、撹拌後、混合物をPTFE(ポリテトラフロオロエチレン)の平板状の成形空間301aを有する鋳型300(図2参照)に流し込んだ。ここで、鋳型300の平板状の成形空間301aは、縦50mm×横50mm×高さ0.6mmである。その後、鋳型300を、磁石(異方性フェライト磁石、サイズ:φ80mm×20mm、磁束密度:87.2mT)の上に置き、23℃・50%RH条件で2日間放置した。
サンプルB4〜B7,B14,B15は、それぞれ原材料の配合組成(wt%)が異なることを除いて、サンプルB3と同じ条件で電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートが製造された。B14では、磁性フィラーとして磁性フィラーAが用いられており、磁性フィラーAの重量割合が50wt%である。B15では、磁性フィラーとして磁性フィラーBが用いられており、磁性フィラーBの重量割合が50wt%である。
サンプルB9〜B13は、混合物を鋳型300に流し込んだ後、鋳型300を磁石の上に置くことなく、23℃・50%RH条件で2日間放置した。つまり、平板状の成形空間301aに混合物が流し込まれた鋳型300を磁石の上に置いて混合物に磁場を作用させる工程を除いて、サンプルB4〜B7と同じ条件とした。
ここで、サンプルB9のゴムシートには、磁性フィラーが含まれていない。サンプルB10は、サンプルB4,A4,A10と同じ配合組成である。サンプルB11は、サンプルB6,A6,A10と同じ配合組成である。サンプルB12は、サンプルB5,A5,A12と同じ配合組成である。サンプルB13は、サンプルB7,A7,A13と同じ配合組成である。
表1および表2に示されているように、サンプルA3〜A7およびB3〜B7では、動作電圧が9.0V以下であり、かつ、金属音も確認されなかった。従って、電磁ソレノイド10の動作電圧を低く抑える面でも、衝突音を小さく抑える面でも、効果が確認できた。
これに対して、サンプルA9およびB9は、ゴムが100%であり、衝突音が小さく抑えられる効果は確認できたが、動作電圧が12.6V、12.9Vとそれぞれ高かった。これは、電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートに磁性フィラーが含まれていないために、電磁ソレノイド10に生じる磁場が電磁ソレノイド用緩衝材16によって弱められたためと推察される。
サンプルA10〜A13およびB10〜B13は、電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートに磁性フィラーが含まれており、動作電圧が9.0V以下であったが、金属音は、少し確認された。このため、電磁ソレノイド10に生じる磁場が高く維持される効果はあるものの、衝突音を低減させる効果は弱い。サンプルA14,A15およびB14,B15は、それぞれ金属音は確認されなかったが、動作電圧が9.0Vよりも高くなり、電磁ソレノイド10に生じる磁場を高く維持する効果は弱かった。サンプルA14,A15およびB14,B15は、磁性フィラー16aの重量割合が50%程度であった。また、(Wb−Wa)/Waで求められる値(傾斜分散度)は、30〜38%程度であった。
このような試験の結果、本発明者は、電磁ソレノイド用緩衝材16としてはゴムシートの平均で磁性フィラーの質量割合が60%以上90%以下であることが望ましいとの知見を得た。さらに、上述した(Wb−Wa)/Waで求められる値が、50%以上であることが望ましいとの知見を得た。
上記の点を勘案すると、電磁ソレノイド用緩衝材16には、磁性フィラーを含むゴムシートが用いられていることが好ましい。
さらに、電磁ソレノイド用緩衝材16としてのゴムシートは、ゴムシートの厚さ方向の中心よりも片側に多くなるように磁性フィラーが分散していることが好ましい。
そして、かかる電磁ソレノイド用緩衝材16は、厚さ方向の中心よりも固定素子12または可動素子13に取り付けられた側において、磁性フィラー16aが多く分散しているように、固定素子12または可動素子13に取り付けられているとよい。
上述のように、かかる電磁ソレノイド用緩衝材16が取り付けられていることによって、電磁ソレノイド10の動作電圧が低く抑えられ、かつ、衝突音が小さく抑えられる。
以上のとおり、ここで提案される電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法を種々説明したが、ここで提案される電磁ソレノイド、電磁ソレノイド用緩衝材およびゴム材料の成型方法は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。また、種々言及した実施形態や変形例の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。
10 電磁ソレノイド
11 ソレノイド
11a コイルボビン
11a1 胴部
11a2,11a3 フランジ
11b 電線
12 固定素子
12a 突起
12b 第1面(可動素子13に対向する固定素子12の端面)
12c バネ座
13 可動素子
13a 第2面(固定素子12に対向する可動素子13の端面)
14 筐体
14a 収容ケース
14a1 収容部
14a2 底壁
14a3 取付孔
14b 蓋
14b1 貫通孔
15 バネ
16 電磁ソレノイド用緩衝材
16a 磁性フィラー
16b ゴムシート
50 電磁弁
51 サブブロック
51a 組付部
51a1 貫通孔
51b 駆動機構
51c 収容空間
52 流路ブロック
52a 流入ポート
52b 第1流出ポート
52c 第2流出ポート
53 揺動部材
53a 揺動軸
55 プランジャー
56 コイルバネ
57 バネ座
58 弁体
200 鋳型
201 主型
201a 成形部
201a1 成形空間
201b 回転軸
202 入れ子
202a ねじ穴
203 型蓋
203a ねじ軸
204,205 シール材
206 ビス
300 鋳型
301 主型
301a 成形空間
302 蓋型
320 治具
321 回転軸
322 アーム

Claims (13)

  1. ソレノイドと、
    前記ソレノイドの内部空間に前記ソレノイドに対して固定的に配置された固定素子と、
    前記ソレノイドの中心軸の方向において、前記固定素子に対向するように配置された可動素子と
    を備え、
    前記可動素子に対向した固定素子の第1面、または、前記固定素子に対向した可動素子の第2面に磁性フィラーを含むゴムシートが取り付けられており、
    前記ゴムシート中に含まれる磁性フィラーは、前記ゴムシートの厚さ方向の中心よりも前記第1面または前記第2面に取り付けられた側に多くなるように分散している、
    電磁ソレノイド。
  2. 前記ゴムシートは、前記第1面または前記第2面を全て覆っている、請求項1に記載された電磁ソレノイド。
  3. 前記ゴムシートの平均で前記磁性フィラーの質量割合が、60%以上90%以下である、請求項1に記載された電磁ソレノイド。
  4. 前記ゴムシートの平均の炭素の重量割合をWaとし、
    前記第1面に取り付けられた側とは反対側の面の炭素の重量割合をWbとし、
    前記Waと前記Wbとに基づいて、(Wb−Wa)/Waで求められる値が、50%以上である、
    請求項1から3までの何れか一項に記載された電磁ソレノイド。
  5. 請求項1に記載された電磁ソレノイドを備えた、電磁弁。
  6. 磁性フィラーを含むゴムシートからなり、
    前記磁性フィラーは、前記ゴムシートの厚さ方向の中心よりも片側に多くなるように分散している、電磁ソレノイド用緩衝材。
  7. 前記ゴムシートの平均で前記磁性フィラーの質量割合が、60%以上90%以下である、請求項6に記載された電磁ソレノイド用緩衝材。
  8. 前記ゴムシートの平均の炭素の重量割合をWaとし、
    前記ゴムシートのうち炭素の割合が多い面の炭素の重量割合をWbとし、
    前記Waと前記Wbとに基づいて、(Wb−Wa)/Waで求められる値が、50%以上である、
    請求項6または7に記載された電磁ソレノイド用緩衝材。
  9. 液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する第1工程と、
    前記混合物を、鋳型に入れる第2工程と、
    前記鋳型を回転させて、遠心力を付与しつつ前記液状ゴムを硬化させる第3工程と
    を含む、ゴム材料の成形方法。
  10. 前記鋳型は、円筒状の成形空間を有し、
    前記第3工程では、前記円筒状の成形空間の中心軸周りに、前記鋳型を回転させる、請求項9に記載されたゴム材料の成型方法。
  11. 前記鋳型は、平板状の成形空間を有し、
    前記第3工程では、前記平板状の成形空間に対して平行な回転軸周りに、前記鋳型を回転させる、請求項9に記載されたゴム材料の成形方法。
  12. 液状ゴムと、磁性フィラーとの混合物を用意する第1工程と、
    前記混合物を、平板状の成形空間を有する鋳型に入れる第2工程と、
    前記鋳型の成形空間の厚さ方向の片側から磁石を当てつつ前記液状ゴムを硬化させる第3工程と
    を含む、ゴム材料の成形方法。
  13. 前記液状ゴムは、シリコーン系液状ゴム、ウレタン系液状ゴム、ジエン系液状ゴム、オレフィン系液状ゴムおよびフッ素系液状ゴムからなる群のうち少なくとも一種の液状ゴムである、請求項9から12までの何れか一項に記載されたゴム材料の成型方法。
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