JP2008171191A - 商品収容装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒回路のコストを低減できる商品収容装置を提供する。
【解決手段】本発明の商品収容装置は、複数の商品収容庫の外部に配置され、圧縮機、凝縮器、膨張手段、蒸発器の間に順次冷媒を循環させる冷媒回路と、凝縮器を配置した加熱室と、蒸発器を配置した冷却室と、複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吸込口を互いに連通させるとともに、各空気吸込口を加熱室及び冷却室に接続する空気吸込用連絡通路と、複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吐出口を互いに連通させるとともに、各空気吐出口を加熱室及び冷却室に接続する空気吐出用連絡通路と、これらの連絡通路にそれぞれ設置され、開閉を行うことにより各商品収容庫に対して加熱室及び冷却室を択一的に接続するシャッタ手段とを備え、シャッタ手段によって選択した加熱室又は冷却室と複数の商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、商品を冷却又は加熱して収容する商品収容装置に関する。
従来、商品を冷却又は加熱して収容する商品収容装置として、収容庫を冷却する冷凍サイクルで発生した排熱を利用して商品の加熱を行う自動販売機が知られている(例えば特許文献1を参照)。図12は、特許文献1に示される自動販売機を示している。図12に示すように、この自動販売機110は、断熱仕切壁132,134を介して3つの商品収容庫120,122,124が並設され、庫内には商品136が収容されている。自動販売機110は、各商品収容庫内の内部雰囲気を冷却する冷却システム140と、内部雰囲気を加温する加温システム180とを備えている。
冷却システム140は、圧縮機142,凝縮器144,電磁弁146,148,150,減圧手段152,154,156及び蒸発器158,160,162とを備える。この冷却システム140の蒸発器158,160,162は各商品収容庫内に設置されており、これらは配管を介して機械室内に設置された圧縮機142及び凝縮器144に接続されている。また、加温システム180は、圧縮機182,蒸発器184,電磁弁186,188,膨張弁191,凝縮器194,196とを備える。この加温システム180の凝縮器194,196は各商品収容庫内に設置されており、これらは配管を介して機械室内に設置された圧縮機182及び蒸発器184と配管で接続されている。
上記構成を有する自動販売機110では、以下のようにして庫内の内部雰囲気を冷却又は加温する。例えば商品収容庫120の内部雰囲気を冷却する場合には、電磁弁146を開き、電磁弁148,150を閉じ、圧縮機142で圧縮された高温高圧の冷媒を凝縮器144に送って冷媒を凝縮し、液化した冷媒を減圧手段152により減圧して、これを蒸発器158で蒸発させることによって周囲の空気を冷却し、冷却された空気をファン166によって庫内に循環させることにより、庫内の内部雰囲気を冷却する。一方、例えば商品収容庫122,124を加温する場合には、電磁弁186,188を開き、電磁弁148,150を閉じ、圧縮機182で圧縮された高温高圧の冷媒を凝縮器196,194に送り、凝縮器194,196で冷媒が凝縮する際に発生する凝縮熱によって空気を加熱し、加熱した空気をファン168,170によって庫内に循環させることにより、庫内の内部雰囲気を加熱する。
特開2005−227831号公報
しかしながら、特許文献1の自動販売機における冷却システム及び加温システムでは、商品収容庫内に蒸発器と凝縮器を設置する構成としているため、商品収容庫が複数ある場合には、蒸発器と凝縮器をそれぞれ商品収容庫の数だけ用意する必要があり、コストが掛かるという問題がある。また、各商品収容庫内に設置された複数の蒸発器及び凝縮器と、機械室内に設置された圧縮機等の機器とを接続するため、配管距離が長くなる、回路切換用の配管が増えることで回路が複雑になる、といった問題も生じる。また、冷却加熱の同時運転時に排熱するロスが生じるという問題もある。
本発明は、上記の点に鑑み、冷媒回路の凝縮器において冷媒が凝縮する際に発生する凝縮熱を利用して庫内の雰囲気を加熱する商品収容装置において、冷媒回路のコストを低減させること、及び、冷却加熱の効率を向上させることを目的とする。
本発明の請求項1に係る商品収容装置は、空気吸込口及び空気吐出口を備えた商品収容庫を複数並設した商品収容装置において、前記複数の商品収容庫の外部に配置され、圧縮機、凝縮器、膨張手段及び蒸発器の間に順次冷媒を循環させる冷媒回路と、暖気吸込口と暖気吐出口を備え、この暖気吸込口から暖気吐出口の間に前記冷媒回路の凝縮器が配置された加熱室と、冷気吸込口と冷気吐出口を備え、この冷気吸込口から冷気吐出口の間に前記冷媒回路の蒸発器が配置された冷却室と、前記複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吸込口を互いに連通させるとともに、各空気吸込口を前記加熱室の暖気吸込口及び冷却室の冷気吸込口に接続する空気吸込用連絡通路と、前記複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吐出口を互いに連通させるとともに、各空気吐出口を前記加熱室の暖気吐出口及び冷却室の冷気吐出口に接続する空気吐出用連絡通路と、前記空気吐出用連絡通路及び前記空気吸込用連絡通路にそれぞれ設置され、開閉を行うことにより各商品収容庫に対して前記加熱室及び前記冷却室を択一的に接続するシャッタ手段と、を備え、前記シャッタ手段によって選択した前記加熱室又は冷却室と前記複数の商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る商品収容装置は、上記請求項1において、前記空気吸込用連絡通路が前記加熱室との間に中間通路を備え、この中間通路を介して前記加熱室の暖気吸込口に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る商品収容装置は、上記請求項2において、前記中間通路が、前記空気吸込用連絡通路との接続口に、前記空気吸込用連絡通路からの空気を遮断するシャッタ手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る商品収容装置は、上記請求項1において、前記空気吐出用連絡通路が前記加熱室との間に中間通路を備え、この中間通路を介して前記加熱室の暖気吐出口に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る商品収容装置は、上記請求項4において、前記中間通路が、前記空気吐出用連絡通路との接続口に、前記加熱室からの空気を遮断するシャッタ手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る商品収容装置は、上記請求項1において、前記加熱室及び前記冷却室は、それぞれ各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させるための送風循環ファンを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る商品収容装置は、上記請求項6において、前記加熱室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記加熱室の送風循環ファンの回転により、各商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて雰囲気を通過させ、前記冷却室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記加熱室の送風循環ファンを逆方向に回転させることにより、前記加熱室の内部雰囲気を外部に排出することを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る商品収容装置は、上記請求項7において、前記加熱室に配置する送風循環ファンが、前記加熱室の内部雰囲気を外部に排出する際に正回転方向となる向きで設置されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係る商品収容装置は、上記請求項6において、前記冷却室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記冷却室の送風循環ファンの回転により、各商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて雰囲気を通過させ、前記加熱室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記冷却室の送風循環ファンを逆方向に回転させることにより、前記冷却室の内部雰囲気を外部に排出することを特徴とする。
また、本発明の請求項10に係る商品収容装置は、上記請求項9において、前記冷却室に配置する送風循環ファンは、各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる際に正回転方向となる向きで設置したことを特徴とする。
また、本発明の請求項11に係る商品収容装置は、上記請求項1から10のいずれか一つにおいて、前記複数の商品収容庫の内部にそれぞれ送風循環ファンを配設し、これら送風循環ファンの回転により、前記加熱室もしくは前記冷却室との間において各商品収容庫の内部雰囲気を循環させることを特徴とする。
また、本発明の請求項12に係る商品収容装置は、上記請求項1から11のいずれか一つにおいて、前記圧縮機、前記凝縮器及びこれらの間を連結する配管を、前記加熱室内に設置したことを特徴とする。
また、本発明の請求項13に係る商品収容装置は、上記請求項2から12のいずれか一つにおいて、前記加熱室、前記冷却室、前記空気吸込用連絡通路、前記空気吐出用連絡通路及び前記中間通路がそれぞれ断熱材で囲われていることを特徴とする。
本発明の商品収容装置によれば、複数の商品収容庫の外部に配置された冷媒回路と、冷媒回路の凝縮器が配置された加熱室と、冷媒回路の蒸発器が配置された冷却室と、加熱室及び冷却室と各商品収容庫とを接続する空気吸込用連絡通路及び空気吐出用連絡通路と、これらの連絡通路に設置され各商品収容庫に対して加熱室及び冷却室を択一的に接続するシャッタ手段とを備え、このシャッタ手段によって選択した加熱室又は冷却室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させるようにしたので、商品収容庫が複数ある場合であっても、各商品収容庫ごとに蒸発器や凝縮器を用意する必要がなくなる。その結果、最小限度の機器で冷媒回路を構成することが可能となるため、冷媒回路のコストを大幅に低減させることが可能になるとともに、配管距離が短くなることで配管の放熱ロスを低減させることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収容装置を、缶入り飲料やペットボトル飲料等の商品を収容する自動販売機に適用した場合の好適な実施の形態について詳細に説明する。
[自動販売機の構成]
図1〜図3は、本発明の商品収容装置を適用した自動販売機を模式的に示したものであり、図1は正面から見た断面図であり、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。この自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱体として形成したものである。この本体キャビネット1の一側縁部には、外扉2及び内扉3を保持させてある。図には示されていないが、この外扉2の前面には、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品Wの見本を展示する商品展示室、商品Wを選択するための選択ボタン、貨幣を投入するための貨幣投入口、払い出された商品Wを取り出すための商品取出口11等、商品Wの販売に必要となる構成が配置してある。内扉3は、断熱材によって構成したもので、後述する商品収納庫の前面開口を開閉すべく外扉2と本体キャビネット1との間に配設してある。
本体キャビネット1の内部は、断熱壁12を仕切板として、商品収容庫5と機械室9に区画されている。商品収容庫5は、2つの断熱仕切板4ab,4bcによって仕切られており、3つの独立した商品収容庫5a,5b,5cを並設した構成となっている。また、商品収容庫5の外側下部に設けられた機械室9の内部には、圧縮機200、凝縮器300、電子膨張弁(図示せず)、電磁弁(図示せず)及び蒸発器500を配管によって連結した冷却ユニット10が設置してある。この冷却ユニット10は、圧縮機200、凝縮器300及び送風循環ファン410が収容された加熱室20と、蒸発器500及び送風循環ファン420が収容された冷却室30とから構成され、加熱室20及び冷却室30それぞれを断熱材からなる筐体100,110に収容させたものである。加熱室20では、圧縮機200から送出された高温高圧の冷媒が凝縮器300で凝縮する際に発生する凝縮熱によって空気を加熱し、この加熱した空気をファンによって収容庫内に送り出す。一方、冷却室30では、蒸発器500に送られた低温低圧の冷媒が蒸発器500において蒸発する際の気化熱によって空気を冷却し、この冷却した空気をファンによって収容庫内に送り出す。この冷却ユニット10については後述する。
商品収容庫5a,5b,5cは、商品Wを所望の温度に維持した状態で収容するためのものであり、本実施の形態では、商品収容庫5a,5bを冷却加熱兼用とし、商品収容庫5cを冷却専用としてある。商品収容庫5a,5b,5cには、それぞれ、商品収納ラック6、搬出機構7及び商品搬出シュータ8a,8b,8cが設けてある。商品収納ラック6は、商品Wを上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群のうち最下段にある商品Wを一つずつ搬出するためのものである。
商品搬出シュータ8a,8b,8cは、搬出機構7から搬出された商品Wを商品取出口に導くためのものである。この商品搬出シュータ8a,8b,8cは、複数の通気孔13を有したプレート状部材であり、商品収容庫の奥方から手前側に向けて漸次下方に傾斜する態様でそれぞれ商品収容庫5a,5b,5cの下方部に固定してある。
商品搬出シュータ8a,8b,8cによって仕切られた下方部の空間は、断熱仕切壁14a,14b,14cによってそれぞれ2室に仕切られている。自動販売機の後方側に位置する室には、商品収容庫内を循環した空気の吸込通路15a,15b,15cが形成してあり、自動販売機の前方側に位置する室には、後述する加熱室20からの暖気又は冷却室30からの冷気の吐出通路16a,16b,16cが形成してある。また、自動販売機の後面壁17と商品収容庫5との間には、所定の間隔を有する背面ダクト18が設けてある。図には明示されていないが、背面ダクト18の上部には、商品収容庫内の空気を吸い込む背面ダクト吸込口が形成してある。また、背面ダクト18の下方には、背面ダクトと各吸込通路15a,15b,15cとを連通する背面ダクト吐出口19a,19b,19cが形成してある。
なお、図2及び図3に示すように、各商品収容庫内の吐出通路16a,16b,16cの所定位置には、それぞれ送風循環ファン40a,40b,40cが配設してある。この送風循環ファン40a,40b,40cは、後述するように、加熱室20から送出された暖気又は冷却室30から送出された冷気を庫内に循環させるためのものであり、商品収容庫5a,5bにはそれぞれ1個、また、商品収容庫5a,5bよりも冷却領域の大きい商品収容庫5cには2個配置してある。なお、本実施の形態では、庫内に設置した温度センサに基づいて送風循環ファン40a,40b,40cをON/OFFすることによって、各商品収容庫内の温度制御を行っている。
吸込通路15a,15b,15cの底部の断熱壁には、背面ダクト18から送られた空気を吸込み、後述する空気吸込用連絡通路に流通させる通風孔である空気吸込口51a,51b,51cがそれぞれ1個ずつ設けてある。同様にして、吐出通路16a,16b,16cの底部の断熱壁には、加熱室20からの暖気又は冷却室30からの冷気を吐出するための通風孔である空気吐出口61a,61b,61cがそれぞれ1個ずつ設けてある。なお、本実施の形態では、この空気吸込口51a,51b,51c及び空気吐出口61a,61b,61cを、後述する空気吐出用連絡通路及び空気吸込用連絡通路の上部断熱壁に設けた構成としている。
図4は、吸込通路15a,15b,15c及び吐出通路16a,16b,16cから機械室に設置された冷却ユニット10までの部分の分解斜視図である。図2,3及び図4に示すように、吸込通路15a,15b,15cと、加熱室20及び冷却室30との間には、断熱材によって形成した空気吸込用連絡通路81が商品収容庫の並設方向に沿って配設してある。一方、吐出通路16a,16b,16cと、加熱室20及び冷却室30との間には、断熱材によって形成した空気吐出用連絡通路82が商品収容庫の並設方向に沿って配設してある。この空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82は、それぞれ中間通路83,84を備えている。
空気吸込用連絡通路81は、四方を断熱壁で囲まれた空気の流通路であり、各商品収容庫内の吸込通路15a,15b,15cと冷却室30及び、中間通路83を介して加熱室20とを接続する通路である。空気吸込用連絡通路81の下部断熱壁には開口52,53が設けてあり、上部断熱壁には、上述した空気吸込口51a,51b,51cが設けてある。空気吸込口51a,51b,51cは、吸込通路15a,15b,15cと空気吸込用連絡通路81とを連通させる孔である。開口52は、冷却室30に設けた冷気吸込口35に対応する部位に形成してあり、空気吸込用連絡通路81と冷却室30とを連通させる孔である。開口53は、空気吸込用連絡通路81の加熱室側に形成され、空気吸込用連絡通路81と後述する中間通路83とを連通させる孔である。
中間通路83は、四方を断熱壁で囲まれた通路であり、加熱室20と空気吸込用連絡通路81とを接続する通路である。図4に示すように、中間通路83の下部断熱壁には開口54が設けてあり、上部断熱壁には開口55を備えている。開口54は、中間通路83と加熱室20の暖気吸込口25とを連通させる孔である。開口55は、空気吸込用連絡通路81と中間通路83を連通させる孔である。
空気吸込用連絡通路81内には、通路内の空気の流通を遮断するシャッタ71,シャッタ72が設けてある。シャッタ71は、空気吸込口51aと空気吸込口51bとの間に設置してあり、シャッタ72は、空気吸込口51bと空気吸込口51cとの間に設置してある。このシャッタ71,72は断熱材から構成された板状を成すものであり、適宜な手段によって開閉を行うことにより、空気吸込用連絡通路81を暖気通路と冷気通路とに区画するものである。
また、中間通路83の開口55には、空気吸込用連絡通路81からの空気の流通を遮断するシャッタ73が設けてある。シャッタ73は、シャッタ71,72と同様に断熱材から構成され、開口55を覆うのに十分な面積を有した板状を成すものである。シャッタ73は、空気吸込用連絡通路81内のシャッタ71,72の開閉に対応して開閉する。本実施の形態では、シャッタ71,72のいずれかを閉めた場合にシャッタ73を開け、シャッタ71,72の両方を開けた場合にシャッタ73を閉めるように制御している。なお、本実施の形態では商品収容庫5cは冷却専用であり冷気のみを循環させる構成としているため、空気吸込用連絡通路81の開口52にはシャッタを設けていない。
空気吐出用連絡通路82は、四方を断熱壁で囲まれた通路であり、吐出通路16a,16b,16cと冷却室30及び、中間通路84を介して加熱室20とを接続する通路である。図4に示すように、空気吐出用連絡通路82の上部断熱壁には、上述した空気吐出口61a,61b,61cが設けてあり、下部断熱壁には開口62,63が設けてある。空気吐出口61a,61b,61cは、各吐出通路16a,16b,16cと空気吐出用連絡通路82とを連通させる孔である。開口62は、冷却室30に設けた冷気吐出口36に対応する部位に形成してあり、冷却室30と空気吐出用連絡通路82を連通させる孔である。開口63は、空気吐出用連絡通路82の加熱室側に形成され、空気吐出用連絡通路82と後述する中間通路84とを連通させる孔である。
中間通路84は、加熱室20と空気吐出用連絡通路82とを接続する通路である。図4に示すように、中間通路84には、下部断熱壁に開口64が設けてあり、上部断熱壁に開口65が設けてある。開口64は、加熱室20に設けた暖気吐出口26に対応する部位に形成してあり、加熱室20と中間通路84を連通させる孔である。開口65は、空気吐出用連絡通路82に設けた開口63に対応する部位に形成してあり、空気吐出用連絡通路82と中間通路84を連通させる孔である。
空気吐出用連絡通路82内には、図4に示すように、通路内の空気の流通を遮断するシャッタ74及びシャッタ75が設けてある。シャッタ74は、空気吐出口61aと空気吐出口61bとの間に設置してあり、シャッタ75は、空気吐出口61bと吐出口61cとの間に設置してある。このシャッタ74,75は断熱材から構成された板状を成すものであり、適宜な手段によって開閉を行うことにより、空気吐出用連絡通路82を暖気通路と冷気通路とに区画するものである。
また、中間通路84の開口65には、加熱室20からの暖気の流通を遮断するシャッタ76が設けてある。このシャッタ76は、シャッタ74,75と同様に断熱材から構成され、開口65を覆うのに十分な面積を有した板状を成すものである。シャッタ76は、空気吐出用連絡通路82内のシャッタ74,75の開閉に対応して開閉する。本実施の形態では、シャッタ74,75のいずれかを閉めた場合にシャッタ76を開け、シャッタ74,75の両方を開けた場合にシャッタ76を閉めるように制御している。なお、上述したように商品収容庫5cは冷却専用であり冷気のみを循環させる構成としているため、空気吐出用連絡通路82の開口62にはシャッタを設けていない。
上記のシャッタ71〜76の開閉を行うことにより、各商品収容庫に対して加熱室20及び冷却室30が択一的に接続される。すなわち、空気吸込用連絡通路81のシャッタ71と空気吐出用連絡通路82のシャッタ74を連動させ、空気吸込用連絡通路81のシャッタ72と空気吐出用連絡通路82のシャッタ75を連動させることにより、以下に説明するように、各商品収容庫内の内部雰囲気を加熱と冷却に個別に切り換える。
例えば、図4に示すように、シャッタ71及びシャッタ74を開け、シャッタ72及びシャッタ75を閉めた場合には、中間通路83,84のシャッタ73,シャッタ76が開く。まず、加熱室20から中間通路84を経由して、開口63,65を介して空気吐出用連絡通路82内に送り込まれた暖気は、シャッタ75で遮断される。従って、暖気は空気吐出口61a,61bから吐出され、吐出通路16a,16bに設置された送風循環ファン40a,40bにより商品収容庫5a,5b内を循環する。庫内を循環した暖気は背面ダクトを通って吸込通路15a,15bに送り込まれ、空気吸込口61a,61bから空気吸込用連絡通路81内に吸い込まれ、開口53,55を介して中間通路83に送られ、暖気吸込口25から加熱室20に送り込まれる。一方、冷却室30から開口62を介して空気吐出用連絡通路82内に送りこまれた冷気は、シャッタ75で遮断される。従って、冷気は吐出口61cから吐出され、吐出通路16cに設置された送風循環ファン40cにより商品収容庫5c内を循環する。庫内を循環した冷気は背面ダクト18を通って吸込通路15cに送り込まれ、吸込口51cから空気吸込用連絡通路81内に吸い込まれ、開口52を介して冷却室30に送り込まれる。
[冷却ユニット]
図5は機械室9の内部に設置された冷却ユニット10の概念図、図6は冷却ユニット10における加熱室20及び冷却室30の概念図、図7は加熱室20内の空気の流れを模式的に示した図、図8は冷却室30内の空気の流れを模式的に示した図である。なお、図7及び図8では冷媒回路の配管を省略して示している。
図5に示すように、冷却ユニット10は、圧縮機200、凝縮器300、電子膨張弁510、電磁弁520、蒸発器500とを備えて構成してある。この冷却ユニット10の冷媒としては、不燃性、安全性、不腐食性を有し、さらにオゾン層への影響が少ない二酸化炭素を用いている。上述したように、冷却ユニット10は、加熱室20と冷却室30とからなる。加熱室20及び冷却室30は、それぞれ断熱材からなる筐体100,110の内部に収容させてある。加熱室20を収容した筐体100及び冷却室30を収容した筐体110は、機械室9内部に着脱可能に設置されるものであり、機械室9内部に設置された状態において、上述した空気吸込口及び空気吐出口以外から空気が漏れないように、空気吸込用連絡通路81、空気吐出用連絡通路82、連絡通路83,84の下部に密着させてある。
図6及び図7に示すように、加熱室20は、筐体100内に圧縮機200、凝縮器300、送風循環ファン410、及び、圧縮機200と凝縮器300とを連結する配管610とが配設してある。加熱室20を上記構成とすることで、凝縮器300の凝縮熱に加えて、高温機器である圧縮機200や配管610から発生する熱を空気の加熱に利用している。筐体100の上部断熱壁には、中間通路83を流通する暖気を加熱室内に送り込む暖気吸込口25と、加熱室20内で加熱された空気を中間通路84に送り出す暖気吐出口26が形成してある。
図7に示すように、加熱室20の前方側及び後方側の断熱壁には、加熱室20の排熱時において、庫外の空気を加熱室内に取り込む空気吸込口21と、加熱室内の加熱された空気を庫外に排出する空気排出口22が形成してある。この空気吸込口21と空気排出口22にはそれぞれ排熱用シャッタ23,24が設けてある。この排熱用シャッタ23,24は、断熱材から構成され、適宜な手段によって開閉を行うものである。排熱用シャッタ23,24は、商品収容庫の内部雰囲気を加熱する場合には閉じ、商品収容庫内の内部雰囲気を冷却する場合には開けるように制御される。排熱用シャッタ開放時には、加熱室20内の加熱された空気は外部に排出される。
圧縮機200は、蒸発器500からの冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものである。図6に示すように、本実施の形態では、圧縮機200として、2回に分けて圧縮動作を行う二段式圧縮機を適用している。より詳細に説明すると、圧縮機200は、1回目(最初)の圧縮動作を行う第1圧縮機210と、2回目(最後)の圧縮動作を行う第2圧縮機220とを有し、これらの間に中間熱交換器(第1凝縮器)230を設けてある。この中間熱交換器230は、第1圧縮機210による1回目の圧縮動作により圧縮された冷媒を冷却、すなわち放熱させて冷媒を第2圧縮機220に戻すものである。中間熱交換器230は、例えば銅等の金属製の配管とアルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用している。このように、中間熱交換器230を介して2回の圧縮動作を実行することで、低消費電力で冷媒を所望の高温高圧の状態に圧縮することが可能になる。圧縮機200としては、レシプロ圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、あるいは、これらの圧縮能力を調整可能なインバータ圧縮機等を適用することができる。
凝縮器(第2凝縮器)300は、圧縮機200で高温高圧の状態に圧縮された冷媒を、放熱させて冷媒を液化するものである。但し、CO2冷媒の場合、場合によっては液化せず、超臨界状態となるときもある。上述したように、本実施の形態では、凝縮器300が放散する凝縮熱を商品の加熱用に利用している。本実施の形態における凝縮器300は、例えば銅等の金属製の配管とアルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用することができる。
送風循環ファン410は、凝縮器300の近傍に設置してある。商品収容庫の内部雰囲気を加熱する場合、庫内設置の送風循環ファン40a,40bを回転させることで暖気を循環させるが、加熱能力を増加させる場合には、図7の実線の矢印で示すように、凝縮器300の凝縮熱や圧縮機200から発生する熱によって加熱された空気を後方側から前方側に送るように送風循環ファン410を回転させる。これにより、暖気は暖気吐出口26を介して中間通路84に流れ、商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて循環することになる。一方、商品収容庫全室の内部雰囲気を冷却する際には、排熱用シャッタ23,24を開け、送風循環ファン410を上記と逆方向に回転させることにより、図7の破線の矢印で示すように加熱室20で加熱された空気を前方側から後方側に送り、後方側の空気排出口22から外部に排出させる。なお、送風循環ファン410は、必要熱交換量が多い庫外排熱時、すなわち加熱室の暖気を外部に排出する際に正回転方向となる向きで設置してある。
図6及び図8に示すように、冷却室30は、筐体110内に、蒸発器500と、送風循環ファン420と、これらを連結する配管620及び電子膨張弁510とが配設してある。筐体100の上部断熱壁には、空気吸込用連絡通路81を流通する冷気を冷却室内に送り込む冷気吸込口35と、冷却室30内で冷却された空気を空気吐出用連絡通路82に送り出す冷気吐出口36が形成してある。
図8に示すように、筐体110の下部の断熱壁には、冷却室30の排熱時において、庫外の空気を冷却室内に取り込む空気吸込口31と、冷却室内の冷却された空気を庫外に排出する空気排出口32が形成してある。この空気吸込口31と空気排出口32にはそれぞれ排熱用シャッタ33,34が設けてある。この排熱用シャッタ33,34は、断熱材から構成され、適宜な手段によって開閉を行うものである。排熱用シャッタ33,34は、商品収容庫の内部雰囲気を冷却する場合には閉じ、商品収容庫の内部雰囲気を加熱する場合には開けるように制御される。排熱用シャッタ開放時には、冷却室30内の冷却された空気は外部に排出される。
電子膨張弁510は、凝縮器300で放熱させた冷媒を断熱膨張させる、すなわち冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するものである。
蒸発器500は、電子膨張弁510で低温低圧の状態に断熱膨張させた冷媒を蒸発させるものである。この冷媒が蒸発することにより、蒸発器500の周辺領域の熱が奪われることによって、空気が冷却される。この蒸発器500は、銅管とアルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用している。
送風循環ファン420は、蒸発器500の近傍に設置してある。商品収容庫の内部雰囲気を冷却する場合、庫内設置の送風循環ファン40a,40b,40cを回転させることで冷気を循環させるが、冷却能力を増加する場合には、図8の実線の矢印で示すように、冷却された空気を後方側から前方側に送るように送風循環ファン420を回転させる。これにより、冷気は冷気吐出口36を介して空気吐出用連絡通路81に流れ、商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて循環することになる。一方、商品収容庫の内部雰囲気を加熱する際には、排熱用シャッタ33,34を開け、送風循環ファン420を上記と逆方向に回転させることにより、図7の破線の矢印で示すように冷却室30の冷却された空気を前方側から後方側に送り、後方側の空気排出口32から外部に排出させる。なお、送風循環ファン420は、必要熱交換量が多い庫内冷却時、すなわち商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる際に正回転方向となる向きで設置してある。
上述した圧縮機200、凝縮器300、電子膨張弁510、蒸発器500、ならびにこれらを接続する配管等により、冷媒を循環させるための冷媒循環路Lが形成される。そして、この冷媒循環路Lには、内部熱交換器650が設けてある。内部熱交換器650は、凝縮器300からの高圧の冷媒と、蒸発器500からの低圧の冷媒とを熱交換させるものである。より詳細に説明すると、内部熱交換器650の内部には、凝縮器300で放熱させた冷媒が流れる冷媒管路660と、蒸発器500で蒸発させた冷媒が流れる冷媒管路670とが、互いに熱交換可能な距離を有して非接触向流する態様で配設してある。
以上のような構成を有する自動販売機は、次のようにして商品収容庫5a,5b,5cの内部雰囲気を加熱又は冷却することができる。以下、商品収容庫5a,5b,5cのすべての内部雰囲気を冷却する場合(以下、これを「CCCモード」という)、商品収容庫5aの内部雰囲気を加熱し、商品収容庫5b,5cの内部雰囲気を冷却する場合(以下、これを「HCCモード」という)、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気を加熱し、商品収容庫5cの内部雰囲気を冷却する場合(以下、これを「HHCモード」という)、商品収容庫5a,5cの内部雰囲気を加熱し、商品収容庫5bの内部雰囲気を冷却する場合(以下、これを「CHCモード」という)について説明する。
なお、本実施の形態では、加熱室20からの暖気は、空気吐出用連絡通路82の左側に形成した開口63を通じて空気吐出用連絡通路内に送り込まれる一方、冷却室30からの冷気は、空気吐出用連絡通路82の右側に形成した開口62を通じて空気吐出用連絡通路内に送り込まれる構成としている。従って、左庫5aと右庫5cの内部雰囲気を冷却し、中庫5bの内部雰囲気のみを加熱するCHCモードの場合には、上述したシャッタ制御のみでは対応することができない。従って、本実施の形態では、CHCモードの運転を行うために、中庫である商品収容庫5b内部に庫内加熱用のヒータ(図1〜図10では図示せず)を設置するとともに、空気吸込口51b及び空気吐出口61bに、それぞれ庫内の通気を遮蔽するシャッタ(図1〜図10では図示せず。以下、これらを「中室庫内通気シャッタ」と呼ぶ)を設置している。
図9は、冷却室30と空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82の一部を断面で示した斜視図であり、図10は、加熱室20、空気吸込用連絡通路81、空気吐出用連絡通路82及び中間通路83,84の一部を断面で示した斜視図である。図9における矢印は、CCCモードにおける冷気の流れを示しており、図10における矢印は、HCCモードにおける暖気と冷気の流れを示している。なお、図9及び図10では、吸込通路15a,15b,15c、吐出通路16a,16b,16c、庫内に設置された送風循環ファン40a,40b,40cを省略して示している。また、図10では、中間通路の開口55,65を開放した状態が示されており、シャッタ73,76を省略して示している。
また、図11は、本実施の形態における全モード、すなわち、CCCモード、HCCモード、HHCモード、CHCモードにおける各シャッタの開閉動作と、各商品収容庫内の温度変化と、この温度変化に対応した庫内の送風循環ファン40a〜40cの作動タイミング、及び、加熱室20及び冷却室30における排熱用シャッタ23,24,33,34の作動タイミングを一覧にして示したものである。なお、図11に示されている庫内空気温度の変化を示すグラフにおける横軸の時間は、各商品収容庫の庫内温度が所定温度に到達した時間を1ステップとして、4ステップ分が示されている。
(CCCモード)
商品収容庫5a,5b,5cのすべてを冷却するCCCモードを行う場合、図9に示すように空気吸込用連絡通路及び空気吐出用連絡通路のシャッタ71,72,74,75を開け、中間通路83,84のシャッタ73,76を閉める。これにより、加熱室20からの暖気はシャッタ73,76により遮断され、空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82全体が冷却通路となる。従って、全庫内には冷気が循環する。一方、CCCモードの運転中は、加熱室内で発生する熱を外部に排出させる必要があるため、加熱室20の排熱用シャッタ23,24を開けるとともに、庫内に内部雰囲気を循環させる場合と逆向きに送風循環ファン410を回転させることにより、暖気を外部に放出する。
加熱室20内において、圧縮機200で圧縮され高温高圧の状態になった冷媒は、凝縮器300に送り出され、凝縮器300で放熱して冷却される。凝縮器300で冷却された冷媒は、内部熱交換器650及び開成状態にある電磁弁520を通じて冷却室30内の電子膨張弁510に送り出され、この電子膨張弁510で減圧されて断熱膨張し、低温低圧の状態になる。低温低圧の状態の冷媒は蒸発器500に送られ、蒸発器500の周辺領域から熱を奪うことによって蒸発し、周辺の空気を冷却する。冷却された空気は、送風循環ファン420により、図9中の矢印で示すように開口62(冷気吐出口36)を通じて空気吐出用連絡通路82に送り込まれ、各空気吐出口61a,61b,61cから吐出される。吐出された空気は、吐出通路16a,16b,16cの送風循環ファン40a〜40cを通じて各庫内を循環し、これにより庫内の内部雰囲気が冷却される。庫内を循環した空気は、背面ダクト18に吸い込まれ、背面ダクト吐出口19a,19b,19cを通じて各吸込通路15a,15b,15cに送り込まれ、空気吸込口51a,51b,51cを通じて空気吸込連絡通路81を流通し、開口52(冷気吸込口35)から冷却室20内に送られる。
図11に示すように、庫内の送風循環ファン40a,40b,40cをONにした場合、庫内温度が時間とともに下降し、ファンをOFFにすると時間とともに温度が上昇する。この後、再び送風循環ファン40a,40b,40cをONにする。これを繰り返すことにより、庫内の温度が設定温度(5℃)近くに保たれる。
(HCCモード)
商品収容庫5aの内部雰囲気を加熱し、商品収容庫5b,5cの内部雰囲気を冷却する場合、図10に示すように、空気吸込用連絡通路及び空気吐出用連絡通路のシャッタ71,74を閉め、シャッタ72,75を開け、中間通路83,84のシャッタ73,76(図10においては図示せず)を開ける。加熱室20からの暖気及び冷却室20からの冷気がそれぞれシャッタ71,74により遮断される結果、空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82は、シャッタ71,74を隔てて加熱通路と冷却通路とに区画される。
加熱室20で加熱された空気は、送風循環ファン420により、図10の矢印で示すように開口64(暖気吐出口26)を通じて中間通路84に送り込まれ、開口65(開口63)を通じて空気吐出用連絡通路82に送り込まれるとシャッタ74で遮断され、空気吐出口61aから吐出される。吐出された空気は、吐出通路16aの送風循環ファン40aを通じて庫内を循環し、これにより庫内の内部雰囲気が加熱される。庫内を循環した暖気は、背面ダクト18に吸い込まれ、背面ダクト吐出口19aを通じて吸込通路15aに送り込まれ、空気吸込口51aを通じて空気吸込用連絡通路81を流通し、開口55(開口53)を通じて中間通路83に送り込まれ、開口54(暖気吸込口25)から加熱室20内に送られる。
一方、冷却室30で冷却された空気は、開口62(冷気吐出口36)を通じて空気吐出用連絡通路82に送り込まれるとシャッタ74で遮断され、空気吐出口61b,61cから吐出される。吐出された空気は、吐出通路16b,16cの送風循環ファン40b,40cを通じて各庫内を循環し、これにより庫内の内部雰囲気が冷却される。庫内を循環した空気は、背面ダクト18に吸い込まれ、背面ダクト吐出口19b,19cを通じて各吸込通路15b,15cに送り込まれ、空気吸込口51b,51cを通じて空気吸込連絡通路81を流通し、開口52(冷気吸込口35)から冷却室20内に送られる。
なお、図11に示すように、HCCモードの運転中は、加熱は2ステップまで、冷却は3ステップまで送風循環ファンを動作させている。従って、3ステップ目では庫内冷却のみ動作させるため、3ステップ目では加熱室の排熱用シャッタ23,24を開けるとともに送風循環ファン410を逆回転させることにより加熱された空気を外部に排出する。
図11に示すように、商品収容庫5a内の送風循環ファン40aをONにした場合、庫内温度が時間とともに上昇し、ファンをOFFにすると時間とともに温度が下降する。この後、再び送風循環ファン40aをONにする。これを繰り返すことにより、庫内の温度が設定温度(55℃)近くに保たれる。また、商品収容庫5b,5cでは、図11に示すように送風循環ファンをON/OFFすることにより、庫内の温度が設定温度(5℃)近くに保たれる。
(HHCモード)
商品収容庫5a,5bの内部雰囲気を加熱し、商品収容庫5cの内部雰囲気を冷却する場合には、空気吸込用連絡通路及び空気吐出用連絡通路のシャッタ71,74を開け、シャッタ72,75を閉め、中間通路83,84のシャッタ73,76を開ける。加熱室20からの暖気及び冷却室20からの冷気がそれぞれシャッタ72,75により遮断される結果、空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82は、シャッタ72,75を隔てて加熱通路と冷却通路とに区画される。上記構成とすることにより、加熱室20の暖気が空気吐出口61a,61bから吐出され、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気を加熱する一方、冷却室30の冷気が空気吐出口61cから吐出され、商品収容庫5cの内部雰囲気を冷却する。なお、HHCモードの運転中は加熱負荷の方が大きくなるため、冷却する庫内の温度変化に応じて(図11では商品収容庫5cの温度が低下した2ステップ目に)、冷却室30の排熱用シャッタ33,34を開け、送風循環ファン420を逆回転させることにより、冷気を外部に放出する。
(CHCモード)
図11に示すように、空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82のシャッタ71,72,74,75をすべて開け、中間ダクト83,84のシャッタ73,76を閉め、さらに中室庫内通気シャッタを閉める。また、商品収容庫5b内のヒータをONにする。上記構成とすることにより、空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82には冷気のみが流通する。その結果、空気吐出口61a,61cからは冷気が吐出され、商品収容庫5a,5c内の内部雰囲気が冷却される。一方、空気吐出口61bは中室庫内通気シャッタにより閉鎖されており、冷気の流通が遮断される。従って、商品収容庫5bは、ヒータにより加熱された空気を送風循環ファン40bで循環させることによって、内部雰囲気が加熱される。上記のようにCHCモードでは加熱室内で発生する熱を庫内の加熱に利用していない。従って、CHCモードの運転中は、加熱室内で発生する熱を外部に排出させる必要があるため、加熱室20の排熱用シャッタ23,24を開けるとともに、庫内に内部雰囲気を循環させる場合と逆向きに送風循環ファン410を回転させることにより、暖気を外部に放出する。
なお、以下の構成とすれば、CHCモードにおいて中室庫内通気シャッタを不要とすることが可能である。シャッタ71,74をそれぞれ空気吸込口及び空気吐出口を覆うのに十分な大きさに形成し、シャッタ71,74をそれぞれ空気吸込口51b及び空気吐出口61bに隣接させて設置する。CHCモード時には、CCCモード時と逆向きにシャッタ71,74を作動させ、シャッタ71,74によって空気吸込口51b、空気吐出口61bを閉鎖する。
以上説明したように、本実施の形態の商品収容装置は、複数の商品収容庫5の外部に配置された冷媒回路Lと、冷媒回路の凝縮器300が配置された加熱室20と、冷媒回路の蒸発器500が配置された冷却室30と、加熱室20及び冷却室30と各商品収容庫5とを接続する空気吸込用連絡通路81及び空気吐出用連絡通路82と、これらの連絡通路81,82に設置され各商品収容庫に対して加熱室20及び冷却室30を択一的に接続するシャッタ71,72,74,75とを備え、これらのシャッタによって選択した加熱室20又は冷却室30と、各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる構成とした。従って、本実施の形態の商品収容装置によれば、商品収容庫が複数ある場合であっても、各商品収容庫ごとに蒸発器や凝縮器を用意する必要がなく、商品収容庫の外部に凝縮器と蒸発器を各1個ずつ用意すればよく、最小限度の機器で冷媒回路を構成することが可能となる。その結果、冷媒回路のコストを大幅に低減させることが可能になるとともに、配管距離が短くなることで配管の放熱ロスを低減させることができる。
また、本実施の形態の商品収容装置によれば、空気吸込用連絡通路81と加熱室20との間に中間通路83を配設し、中間通路83を介して連絡通路81を加熱室20の暖気吸込口25に接続し、空気吐出用連絡通路82と加熱室20との間に中間通路84を配設し、中間通路84を介して連絡通路82を加熱室20の暖気吐出口26に接続するようにした。上記構成とすることにより、加熱室の配置を自由に行うことができる。その結果、自動販売機のメンテナンスを行う際に、扉のヒンジ等によって筐体100の引き出しが阻害されることがない。
さらに、本実施の形態では、加熱室及び冷却室に、各室と商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させるための送風循環ファンをそれぞれ設置し、排熱時に加熱室及び冷却室の空気を外部に排出する際に、加熱室及び冷却室と商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる向きと逆方向に送風循環ファンを回転させるようにした。すなわち、加熱室及び冷却室と商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、送風循環ファンによって加熱室及び冷却室内の空気を後方側から前方側に送る一方、排熱時には、加熱室及び冷却室内の空気を前方側から後方側に送るようにした。その結果、加熱室及び冷却室の排気を自動販売機の後方側から排出させることができるため、外部排出用の送風ファンを別途設置する必要がない。また、前方側から商品を購入する顧客に対して、排熱する冷気もしくは暖気を吹き付けることがない。
さらに、圧縮機、凝縮器及びこれらの間を連結する配管を加熱室内に設置したことにより、凝縮器の凝縮熱に加えて、高温機器である圧縮機や配管から発生する熱を利用することが可能となるため、加熱効率を向上させることができる。また、上記機器を断熱材からなる筐体内に設置したことで、運転音を吸音又は遮音することができる。
なお、上記実施の形態では、商品収容庫5cを冷却専用としたが、冷却・加熱専用としてもよいのはもちろんである。その場合、空気吸込用連絡通路81と冷却室との接続口である開口52と、空気吐出用連絡通路82と冷却室との接続口である開口54には、それぞれ冷気の流通を遮断するシャッタを設置する必要がある。
また、上記実施の形態では、空気吐出口と空気吸込口を、空気吸込用連絡通路81と空気吐出用連絡通路82の上部断熱壁に設けた構成としたが、空気吐出口と空気吸込口を、商品収容庫5と機械室とを仕切る断熱壁12に設けた構成としてもよい。
また、上記の実施の形態では、本発明の商品収容装置を自動販売機に適用したが、これに限定されるものではなく、商品を冷却又は加熱して収容するものであれば、他の商品収容装置にも適用できるのはもちろんである。
以上のように、本発明は、例えば複数の商品収容庫を備え、各庫内の内部雰囲気を冷却又は加熱して商品を収容する自動販売機として有用である。
図1は、本発明の実施の形態の商品収容装置を適用した自動販売機を正面から見た断面図である。 図2は、図1のA−A線断面図である。 図3は、図1のB−B線断面図である。 図4は、商品収容庫の吸込通路及び吐出通路から冷却ユニットまでの分解斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態の商品収容装置を適用した自動販売機における冷却ユニットの概念図である。 図6は、図5に示した冷却ユニットの加熱室及び冷却室の概念図である。 図7は、図6に示した加熱室内の空気の流れを模式的に示した図である。 図8は、図6に示した冷却室内の空気の流れを模式的に示した図である。 図9は、本発明の実施の形態の商品収容装置を適用した自動販売機においてCCCモード時の空気の流れを示した図である。 図10は、本発明の実施の形態の商品収容装置を適用した自動販売機においてHCCモード時の空気の流れを示した図である。 図11は、本発明の実施の形態の商品収容装置を適用した自動販売機におけるCCCモード、HCCモード、HHCモード、CHCモードに対応した各シャッタの開閉動作を一覧にして示した図である。 図12は、従来の自動販売機を示す図である。
符号の説明
5 商品収容庫
20 加熱室
30 冷却室
40a,40b,40c (庫内)送風循環ファン
51a,51b,51c 空気吸込口
61a,61b,61c 空気吐出口
71,72,74,75 シャッタ手段
73,76 シャッタ手段
81 空気吸込用連絡通路
82 空気吐出用連絡通路
200 圧縮機
300 凝縮器
410 (加熱室)送風循環ファン
420 (冷却室)送風循環ファン
500 蒸発器
510 膨張手段
610,620 配管
L 冷媒回路

Claims (13)

  1. 空気吸込口及び空気吐出口を備えた商品収容庫を複数並設した商品収容装置において、
    前記複数の商品収容庫の外部に配置され、圧縮機、凝縮器、膨張手段及び蒸発器の間に順次冷媒を循環させる冷媒回路と、
    暖気吸込口と暖気吐出口を備え、この暖気吸込口から暖気吐出口の間に前記冷媒回路の凝縮器が配置された加熱室と、
    冷気吸込口と冷気吐出口を備え、この冷気吸込口から冷気吐出口の間に前記冷媒回路の蒸発器が配置された冷却室と、
    前記複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吸込口を互いに連通させるとともに、各空気吸込口を前記加熱室の暖気吸込口及び冷却室の冷気吸込口に接続する空気吸込用連絡通路と、
    前記複数の商品収容庫の並設方向に沿って配設され、各商品収容庫の空気吐出口を互いに連通させるとともに、各空気吐出口を前記加熱室の暖気吐出口及び冷却室の冷気吐出口に接続する空気吐出用連絡通路と、
    前記空気吐出用連絡通路及び前記空気吸込用連絡通路にそれぞれ設置され、開閉を行うことにより各商品収容庫に対して前記加熱室及び前記冷却室を択一的に接続するシャッタ手段と、
    を備え、前記シャッタ手段によって選択した前記加熱室又は冷却室と前記複数の商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させることを特徴とする商品収容装置。
  2. 前記空気吸込用連絡通路は、
    前記加熱室との間に中間通路を備え、この中間通路を介して前記加熱室の暖気吸込口に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の商品収容装置。
  3. 前記中間通路は、
    前記空気吸込用連絡通路との接続口に、前記空気吸込用連絡通路からの空気を遮断するシャッタ手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の商品収容装置。
  4. 前記空気吐出用連絡通路は、
    前記加熱室との間に中間通路を備え、この中間通路を介して前記加熱室の暖気吐出口に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の商品収容装置。
  5. 前記中間通路は、
    前記空気吐出用連絡通路との接続口に、前記加熱室からの空気を遮断するシャッタ手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の商品収容装置。
  6. 前記加熱室及び前記冷却室は、それぞれ各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させるための送風循環ファンを備えることを特徴とする請求項1に記載の商品収容装置。
  7. 前記加熱室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記加熱室の送風循環ファンの回転により、各商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて雰囲気を通過させ、
    前記冷却室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記加熱室の送風循環ファンを逆方向に回転させることにより、前記加熱室の内部雰囲気を外部に排出することを特徴とする請求項6に記載の商品収容装置。
  8. 前記加熱室に配置する送風循環ファンは、前記加熱室の内部雰囲気を外部に排出する際に正回転方向となる向きで設置したことを特徴とする請求項7に記載の商品収容装置。
  9. 前記冷却室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記冷却室の送風循環ファンの回転により、各商品収容庫の内部において前方側から後方側に向けて雰囲気を通過させ、
    前記加熱室と各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる場合には、前記冷却室の送風循環ファンを逆方向に回転させることにより、前記冷却室の内部雰囲気を外部に排出することを特徴とする請求項6に記載の商品収容装置。
  10. 前記冷却室に配置する送風循環ファンは、各商品収容庫との間において内部雰囲気を循環させる際に正回転方向となる向きで設置したことを特徴とする請求項9に記載の商品収容装置。
  11. 前記複数の商品収容庫の内部にそれぞれ送風循環ファンを配設し、これら送風循環ファンの回転により、前記加熱室もしくは前記冷却室との間において各商品収容庫の内部雰囲気を循環させることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の商品収容装置。
  12. 前記圧縮機、前記凝縮器及びこれらの間を連結する配管を、前記加熱室内に設置したことを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の商品収容装置。
  13. 前記加熱室、前記冷却室、前記空気吸込用連絡通路、前記空気吐出用連絡通路及び前記中間通路がそれぞれ断熱材で囲われていることを特徴とする請求項2から12のいずれか一つに記載の商品収容装置。
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