JP2005216111A - 自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で冷却能力低下を抑制できるヒートポンプ式冷媒回路使用の自動販売機を提供する。
【解決手段】 3個の断熱室SR1〜SR3の全てで冷却を行うモードにあっては熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMa,HIMbの両方に冷媒が流れ、当該熱交換手段HIMによって第2の熱交換器CU4の出口側冷媒と圧縮機COMの吸入側冷媒との間で熱交換が実施されるため、この熱交換によって第2の熱交換器CU4における放熱量不足を補うことができる。依って、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3の全てを冷却熱源として利用しても第2の熱交換器CU4に放熱量不足を生じることがなく、各第1の熱交換器CU1〜CU3に適正な吸熱作用を発揮させて各断熱室SR1〜SR3における冷却能力低下を効果的に抑制することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 3個の断熱室SR1〜SR3の全てで冷却を行うモードにあっては熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMa,HIMbの両方に冷媒が流れ、当該熱交換手段HIMによって第2の熱交換器CU4の出口側冷媒と圧縮機COMの吸入側冷媒との間で熱交換が実施されるため、この熱交換によって第2の熱交換器CU4における放熱量不足を補うことができる。依って、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3の全てを冷却熱源として利用しても第2の熱交換器CU4に放熱量不足を生じることがなく、各第1の熱交換器CU1〜CU3に適正な吸熱作用を発揮させて各断熱室SR1〜SR3における冷却能力低下を効果的に抑制することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、収納商品を冷却または加温して販売可能な自動販売機に関する。
この種の自動販売機にあっては、冷媒回路の蒸発器で冷却された空気を循環させることで商品冷却を実施し、電熱ヒータで加温された空気を循環させることで商品加温を実施するのは一般的であるが、最近では電熱ヒータを使用せずに冷媒回路をヒートポンプとして利用できるように構成し、前記蒸発器に相当する熱交換器で加温された空気を循環させることで商品加温を実施するようにしたものが知られている。また、ヒートポンプ式冷媒回路の圧縮機モータの回転数をインバータによって制御することにより、負荷に応じて冷媒循環量を変化させるようにしたものも知られている。
特開2002−269629号公報
ところで、断熱室内に配置された複数台の第1の熱交換器と断熱室外に配置された第2の熱交換器を備えたヒートポンプ式冷媒回路を用いて第1の熱交換器がそれぞれ配置された複数個の断熱室で商品冷却を同時に行うと、とりわけ熱負荷が高い夏期等では第2の熱交換器における放熱量不足が原因となって各断熱室における冷却能力が低下する恐れがある。また、インバータ制御によって冷媒循環量を変化させる方式では前記のような冷却能力低下を抑制できるが、インバータ制御を行うための回路が複雑で且つ高価であるため自動販売機自体の価格高騰を招く不具合がある。
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、簡単な構成で冷却能力低下を抑制できるヒートポンプ式冷媒回路使用の自動販売機を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、各断熱室内にそれぞれ配置された複数台の商品収納ラックと、各断熱室内にそれぞれ配置された複数台の第1の熱交換器,断熱室外に配置された第2の熱交換器及び圧縮機を少なくとも有するヒートポンプ式冷媒回路とを備え、各第1の熱交換器における吸熱作用または放熱作用を利用して断熱室毎の商品冷却または商品加温を可能とした自動販売機であって、第2の熱交換器の出口側冷媒と圧縮機の吸入側冷媒との間の熱交換を行う熱交換手段を備える、ことをその特徴とする。
この自動販売機によれば、熱交換手段によって第2の熱交換器の出口側冷媒と圧縮機の吸入側冷媒との間の熱交換を行うことにより、この熱交換によって第2の熱交換器における放熱量不足を補うことができる。つまり、第1の熱交換器がそれぞれ配置された複数個の断熱室で商品冷却を同時に行う場合でも、第2の熱交換器における放熱量不足が原因となって各断熱室における冷却能力が低下することを抑制することができる。
本発明によれば、簡単な構成で冷却能力低下を抑制できるヒートポンプ式冷媒回路使用の自動販売機を提供することができる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
図1〜図3は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動販売機の側面断面図、図2は図1に示した自動販売機の冷媒回路を示す図、図3(A)〜図3(C)は図2に示した熱交換手段の具体例を示す図、図4は3個の断熱室の全てで冷却を行うモードにおける冷媒の流れを示す図、図5は熱交換手段を有しない場合と有する場合の図4対応のph線図(モリエル線図)、図6は3個の断熱室のうち2個の断熱室で冷却を行い、且つ、1個の断熱室で加温を行うモードにおける冷媒の流れを示す図、図7は3個の断熱室のうち1個の断熱室で冷却を行い、且つ、2個の断熱室で加温を行うモードにおける冷媒の流れを示す図である。
まず、図1を参照して自動販売機の構造について説明する。
キャビネット1は前面を開口した箱形を成し、前面を開口した断熱性内箱1aをその内側に備えている。内箱1aの内部空間は2枚の断熱性仕切り板(符号無し)によって左右に並ぶ3つの断熱室SR1〜SR3(図2参照)に区分されており、各単位室断熱室SR1〜SR3は後述の内扉5を閉じた状態で独立した断熱空間を構成する。
また、内箱1aの前側には各断熱室SR1〜SR3の前面開口を開閉自在に覆う断熱性内扉5が設けられており、内箱1aの上下左右の前端部(下側の前端部は底板1bの前端部)と各仕切り板の前端部には内扉5を閉じた状態で各断熱室SR1〜SR3を気密状態とするためのパッキン(符号無し)が設けられている。
さらに、内箱1aの底板1bの下側には機械室MR(図2参照)が設けられ、この機械室MR内には冷媒回路を構成する機器のうちの圧縮機COM,第2の熱交換器CU4及び排熱用送風機F4等が設けられている。
各断熱室SR1〜SR3内にはシュート板3とダクト板4がそれぞれ配置され、その下側及び背面側の空間には冷媒回路を構成する機器のうちの第1の熱交換器CU1〜CU3及び空気循環用送風機F1〜F3等がそれぞれ配置されており、ダクト板4の背面側空間はダクトDとして構成されている。
また、各断熱室SR1〜SR3内には、サーペンタイン式の商品収納ラック2が配置されている。この商品収納ラック2は前面側上部に商品補充口2aを有し蛇行状の収納通路2bに缶入り飲料,瓶入り飲料,ペットボトル入り飲料等の商品Cを横向きで積み重ねた状態で収納している。さらに、商品収納ラック2の下部には収納商品Cを1個宛シュート板3上に落下搬出するための搬出機構2cが設けられている。
内扉5の下部には各断熱室SR1〜SR3のシュート板3に対応した窓穴5aが複数個形成され、各窓穴5aにはシュート板3を滑り落ちる商品Cによって押し開けられるフラップドア5bが設けられている。外扉6には商品取出口6aとフラップドア5bからの商品Cを受容する商品受け板6bとが設けられており、搬出商品Cは商品取出口6aに設けられたフラップドア(図示省略)を開けることにより外部に取り出すことができる。
次に、図2を参照して図1に示した自動販売機の冷媒回路について説明する。
この冷媒回路はヒートポンプとして利用できるように構成されたもので、冷媒として二酸化炭素,アンモニア,イソブタン,プロパン等の炭化水素,水,空気等の自然冷媒、望ましくは二酸化炭素が使用されている。
断熱室SR1は冷却専用で、この断熱室SR1内には第1の熱交換器CU1と送風機F1が配置されている。第1の熱交換器CU1の図中右側の出入口に接続された管路には膨張手段EV1と電磁弁SV1が設けられており、この管路は電磁弁SV43に達している。
断熱室SR2は冷却・加温兼用で、この断熱室SR2内には第1の熱交換器CU2と送風機F2が配置されている。第1の熱交換器CU2の図中右側の出入口に接続された管路には逆止弁NV21と膨張手段EV2と電磁弁SV21が設けられ、これらを迂回する管路には逆止弁NV22が設けられている。また、第1の熱交換器CU2の図中左側の出入口に接続された管路は電磁弁SV44に達していて、これを迂回する管路には電磁弁SV22と逆止弁NV23が設けられている。
断熱室SR3は冷却・加温兼用で、この断熱室SR3内には第1の熱交換器CU3と送風機F3が配置されている。第1の熱交換器CU3の図中右側の出入口に接続された管路には逆止弁NV31と膨張手段EV3と電磁弁SV31が設けられ、これらを迂回する管路には逆止弁NV32が設けられている。また、第1の熱交換器CU3の図中左側の出入口に接続された管路は電磁弁SV45に達していて、これを迂回する管路には電磁弁SV32と逆止弁NV33が設けられている。
機械室MR内には圧縮機COMと第2の熱交換器CU4と送風機F4とアキュムレータALが配置されている。圧縮機COMの吸入側管路(アキュムレータALの上流側)には熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMbが設けられ、この管路は同管路から分岐した管路を含めて第1の熱交換器CU1の図中左側の出入口,電磁弁SV44,電磁弁SV55,電磁弁SV42にそれぞれ達している。さらに、圧縮機COMの吐出側管路はこの管路から分岐した管路を含めて逆止弁NV23,逆止弁NV33,電磁弁SV41に達している。
また、第2の熱交換器CU4の図中右側の出入口に接続された管路には熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMaと逆止弁NV41が設けられており、この管路は同管路から分岐した管路を含めて電磁弁SV1,電磁弁SV2,電磁弁SV3にそれぞれ達している。また、第2の熱交換器CU4の図中左側の出入口に接続された管路から分岐した管路には逆止弁NV42と膨張手段EV4と電磁弁SV43が設けられている。さらに、第2の熱交換器CU4の図中左側の出入口に接続された管路は電磁弁SV41に達しており、この管路から分岐した管路は電磁弁SV42に達している
次に、図3(A)〜図3(C)を参照して図2に示した熱交換手段HIM(熱交換部HIMa,HIMb)の具体例について説明する。
次に、図3(A)〜図3(C)を参照して図2に示した熱交換手段HIM(熱交換部HIMa,HIMb)の具体例について説明する。
図3(A)は断熱材(図示省略)によって覆われた二重管により熱交換手段HIMを構成したもので、内側管11aは熱交換部HIMa,HIMbの一方に相当し外側管11bは熱交換部HIMa,HIMbの他方に相当する。図3(B)は内側管12aの周囲に外側管12bを螺旋状に巻き付けこれらの周囲を断熱材(図示省略)によって覆うことにより熱交換手段HIMを構成したもので、内側管12aは熱交換部HIMa,HIMbの一方に相当し外側管12bは熱交換部HIMa,HIMbの他方に相当する。図3(C)は管13aに沿うように別の管13bを配置してこれらの周囲を断熱材13cで覆うことによって熱交換手段HIMを構成したもので、管13aは熱交換部HIMa,HIMbの一方に相当し管13bは熱交換部HIMa,HIMbの他方に相当する。何れのものも2つの流路が熱的に接触した構成を備えていて、各流路を流れる冷媒は流通過程で相互に且つ効率良く熱交換し得る。
図2に示した冷媒回路は電磁弁SV1,SV21,SV22,SV31,SV32,SV41〜SV45の開閉組み合わせにより、断熱室SR1に配置された第1の熱交換器CU1を冷却熱源として利用することで収納商品を冷却することができ、また、断熱室SR2に配置された第1の熱交換器CU2を冷却熱源または加温熱源として利用することで収納商品を冷却または加温することができ、さらに、断熱室SR3に配置された第1の熱交換器CU3を冷却熱源または加温熱源として利用することで収納商品を冷却または加温することができる。勿論、各第1の熱交換器CU1〜CU3に冷媒が流れないようにすることで収納商品を非冷却・加温状態とすることもできる。
図4は3個の断熱室SR1〜SR3の全てで冷却を行うモードにおける冷媒の流れを示すもので、図4下部にはこの場合の電磁弁SV1,SV21,SV22,SV31,SV32,SV41〜SV45の開閉組み合わせを記してある。
圧縮機COMから吐出した冷媒は電磁弁SV41,第2の熱交換器CU4,熱交換部HIMa,逆止弁NV41を経由して電磁弁SV1,SV21,SV31にそれぞれ送り込まれる。電磁弁SV1に送り込まれた冷媒は膨張手段EV1,第1の熱交換器CU1を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、また、電磁弁SV21に送り込まれた冷媒は膨張手段EV2,逆止弁NV21,第1の熱交換器CU2,電磁弁SV44を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、さらに、電磁弁SV31に送り込まれた冷媒は膨張手段EV3,逆止弁NV31,第1の熱交換器CU3,電磁弁SV45を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、熱交換部HIMbからアキュムレータALを経由して圧縮機COMの吸入口に戻る。
このモードにあっては3台の第1の熱交換器CU1〜CU3の全てが冷却熱源として利用されているため、とりわけ熱負荷が高い夏期等では第2の熱交換器CU4における放熱量不足が原因となって各断熱室SR1〜SR3における冷却能力が低下する恐れがあるが、このモードでは熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMa,HIMbの両方に冷媒が流れ当該熱交換手段HIMによって第2の熱交換器CU4の出口側冷媒と圧縮機COMの吸入側冷媒との間で熱交換が実施されるため、この熱交換によって第2の熱交換器CU4における放熱量不足が補われる。
この点を図5(A)と図5(B)に示したph線図(モリエル線図)により説明すると、前記のような熱交換が実施されない場合の冷凍サイクル(図5(A)参照)に比べ、前記のような熱交換が実施される場合の冷凍サイクル(図5(B)参照)は冷凍サイクルの凝縮過程を示す線分及び蒸発過程を示す線分が左右に伸びた状態(凝縮過程及び蒸発過程に係るエンタルピーが増加した状態)となり、この場合の成績係数cop2(cop2=a2/b2)は、熱交換が実施されない場合の成績係数cop1(cop1=a1/b1)に比べて格段高くなる。
依って、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3の全てが冷却熱源として利用しても第2の熱交換器CU4に放熱量不足を生じることがなく、各第1の熱交換器CU1〜CU3に適正な吸熱作用を発揮させて各断熱室SR1〜SR3における冷却能力低下を効果的に抑制することができる。
図6は3個の断熱室SR1〜SR3のうち2個の断熱室SR1,SR2で冷却を行い、且つ、1個の断熱室SR3で加温を行うモードにおける冷媒の流れを示すもので、図6下部にはこの場合の電磁弁SV1,SV21,SV22,SV31,SV32,SV41〜SV45の開閉組み合わせを記してある。
圧縮機COMから吐出した冷媒は逆止弁NV33,電磁弁SV32,第1の熱交換器CU3,逆止弁NV32を経由して電磁弁SV1,SV21にそれぞれ送り込まれる。電磁弁SV1に送り込まれた冷媒は膨張手段EV1,第1の熱交換器CU1を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、また、電磁弁SV21に送り込まれた冷媒は膨張手段EV2,逆止弁NV21,第1の熱交換器CU2,電磁弁SV44を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、熱交換部HIMbからアキュムレータALを経由して圧縮機COMの吸入口に戻る。
このモードにあっては、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3のうち2台の第1の熱交換器CU1,CU2が冷却熱源として利用され、1台の第1の熱交換器CU3が加温熱源として利用されているが、図4で説明したモード時のような放熱量不足を生じることなく2台の第1の熱交換器CU1,CU2に適正な吸熱作用を発揮させることができ、また、1台の第1の熱交換器CU3に適正な放熱作用を発揮させることができる。
図7は3個の断熱室SR1〜SR3のうち1個の断熱室SR1で冷却を行い、且つ、2個の断熱室SR2,SR3で加温を行うモードにおける冷媒の流れを示すもので、図7下部にはこの場合の電磁弁SV1,SV21,SV22,SV31,SV32,SV41〜SV45の開閉組み合わせを記してある。
圧縮機COMから吐出した冷媒は逆止弁NV23,NV33にそれぞれ送り込まれる。逆止弁NV23に送り込まれた冷媒は電磁弁SV22,第1の熱交換器CU2,逆止弁NV22を経由して電磁弁SV1,SV43にそれぞれ送り込まれ、また、逆止弁NV33に送り込まれた冷媒は電磁弁SV32,第1の熱交換器CU3,逆止弁NV32を経由して電磁弁SV1,SV43にそれぞれ送り込まれる。電磁弁SV1に送り込まれた冷媒は膨張手段EV1,第1の熱交換器CU1を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、また、電磁弁SV43に送り込まれた冷媒は膨張手段EV4,逆止弁NV42,第2の熱交換器CU4,電磁弁SV42を経由して熱交換部HIMbに送り込まれ、熱交換部HIMbからアキュムレータALを経由して圧縮機COMの吸入口に戻る。
このモードにあっては、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3のうち1台の第1の熱交換器CU1が冷却熱源として利用され、2台の第1の熱交換器CU2,CU3が加温熱源として利用されているが、図4で説明したモード時のような放熱量不足を生じることなく1台の第1の熱交換器CU1に適正な吸熱作用を発揮させることができ、また、2台の第1の熱交換器CU2,CU3に適正な放熱作用を発揮させることができる。
このように前述の自動販売機によれば、3個の断熱室SR1〜SR3の全てで冷却を行うモードにあっては、とりわけ熱負荷が高い夏期等では第2の熱交換器CU4における放熱量不足が原因となって各断熱室SR1〜SR3における冷却能力が低下する恐れがあるが、このモードでは熱交換手段HIMを構成する熱交換部HIMa,HIMbの両方に冷媒が流れる当該熱交換手段HIMによって第2の熱交換器CU4の出口側冷媒と圧縮機COMの吸入側冷媒との間で熱交換が実施されるため、この熱交換によって第2の熱交換器CU4における放熱量不足を補うことができる。依って、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3の全てを冷却熱源として利用しても第2の熱交換器CU4に放熱量不足を生じることがなく、各第1の熱交換器CU1〜CU3に適正な吸熱作用を発揮させて各断熱室SR1〜SR3における冷却能力低下を効果的に抑制することができる。
この作用効果は、冷凍サイクルの凝縮過程及び蒸発過程のエンタルピーがフロン系冷媒に比べて減少する自然冷媒、特に二酸化炭素を使用した場合でも同様に得ることができ、これにより冷媒として二酸化炭素を使用する場合でもフロン系冷媒を使用した場合と変わりのない冷却能力を得ることができる。
また、前記の熱交換手段HIMとして図3(A)〜図3(B)に示すもの、即ち、2つの流路が熱的に接触した構成を備えたものを使用しているので、各流路を流れる冷媒を流通過程で相互に且つ効率良く熱交換させて、先に述べた第2の熱交換器CU4における放熱量不足を確実に補うことができる。
尚、前述の説明では、3台の第1の熱交換器CU1〜CU3を有するものを冷媒回路として例示したが、2台或いは4台以上の第1の熱交換器を有するものを冷媒回路として用いて2台或いは4台以上の第1の熱交換器の全てを冷却熱源と利用する場合でも前記同様の作用効果を得ることができる。
また、前述の説明では、ヒートポンプ式の冷媒回路して図2に示す構成のものを例示したが、冷媒回路の構成はこれに制限されるものではなく、各断熱室にそれぞれ配置した第1の熱交換器における吸熱作用または放熱作用を利用して断熱室毎の商品冷却または商品加温を行うことが可能な回路構成であれば前記冷媒回路として使用することができ、且つ、前記同様の作用効果を得ることができる。
さらに、前述の説明では、熱交換手段HIMによる熱交換によって第2の熱交換器CU4における放熱量不足を抑制するものを例示したが、圧縮機COMとして多段圧縮が可能なもの、例えば圧縮機を2台直列に接続した構成を採用して前記のエンタルピー増加を補助するようにしても構わない。
SR1〜SR3…断熱室、2…商品収納ラック、COM…圧縮機、CU1〜CU3…第1の熱交換器、CU4…第2の熱交換器、HIM…熱交換手段、HIMa…熱交換部、HIMb…熱交換部、11a…内側管、11b…外側管、12a…内側管、12b…外側管、13a,13b…管。
Claims (3)
- 複数個の断熱室と、各断熱室内にそれぞれ配置された複数台の商品収納ラックと、各断熱室内にそれぞれ配置された複数台の第1の熱交換器,断熱室外に配置された第2の熱交換器及び圧縮機を少なくとも有するヒートポンプ式冷媒回路とを備え、各第1の熱交換器における吸熱作用または放熱作用を利用して断熱室毎の商品冷却または商品加温を可能とした自動販売機であって、
第2の熱交換器の出口側冷媒と圧縮機の吸入側冷媒との間の熱交換を行う熱交換手段を備える、
ことを特徴とする自動販売機。 - 熱交換手段は、2つの流路が熱的に接触した構成を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。 - 冷媒回路を流れる冷媒は二酸化炭素である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
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