JP5321241B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された自動販売機は、複数の商品収納庫にそれぞれ内部熱交換器を設け、商品収納庫外に設けた圧縮機、外部熱交換器と接続して、電動膨張弁の開度調整、電磁弁の切り替えにより、各商品収納庫の冷却もしくは加熱の設定を行い、内部熱交換器を凝縮器として使用するヒートポンプ運転を行っている。
しかしながら、この種の自動販売機は複数の内部熱交換器を並列に接続をしているため、各内部熱交換器への冷媒の分流に偏りが生じて冷却性能が低下する、配管長が長くなることによるコストの上昇などの課題を有している。
また、庫内熱交換器を直列に配管接続をしているので、上流側を蒸発器とし、下流側を凝縮器として使用する運転が困難であり、その結果ヒートポンプ運転を利用できないという課題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、庫内熱交換器を直列に接続した構成の自動販売機においても、ヒートポンプ運転を行い、消費電力を低減できる自動販売機を提供することを目的とする。
本発明の請求項3に係る自動販売機は、請求項1または2にかかる自動販売機において、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することを特徴とする。
ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
また、本発明に係る請求項3の自動販売機は、請求項1または2にかかる自動販売機において、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することより、上流側の庫内熱交換器が冷却で下流側の庫内熱交換器が加熱であっても、ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
まず、本発明の実施例に係る自動販売機について図1の斜視図、図2の断面図により説明する。これら図において、自動販売機は、前面が開口した直方状の断熱体として形成された本体キャビネット10と、その前面に設けられた外扉20および内扉30と、本体キャビネット10の内部を上下2段に底板11にて区画形成し、上部を例えば2つの断熱仕切板40wによって仕切られた3つの独立した商品収納庫40a、40b、40cと、下部に商品収納庫40a、40b、40cを冷却もしくは加熱する冷却/加熱ユニット60を収納する機械室50と、外扉20の内側に配設され、商品収納庫40a、40b、40c内の温度センサTa、Tb、Tcにより自動販売機の冷却、加熱運転などを制御する制御装置90と、を有して構成されている。
内扉30は、商品収納庫40a、40b、40cの前面を開閉し、内部の商品を保温するものであり、上下2段に分割され内部に断熱体を有する箱型形状の構造体である。上側の内扉30aは、一端を外扉20に枢軸し、他端を外扉20に係着して、外扉20の開放と同時に上側の内扉30aを開放させて、商品の補充を容易にするものである。下側の内扉30bは、一端を本体キャビネット10に枢軸し、他端を本体キャビネット10に不図示の掛金にて掛着して、外扉20を開放したときには、閉止した状態であり、商品収納庫40a、40b、40c内の冷気もしくは暖気が流出することを防ぎ、メンテナンス時など必要に応じて開放できるものである。
冷却/加熱ユニット60は、機械室50内に圧縮機61、凝縮器62、膨張器63a、63b、63c、庫外熱交換器68、アキュムレータ69を取設し、底板11を跨いで庫内に庫内熱交換器65a、65b、65cを有して各機器を冷媒配管で接続されることにより構成されている。冷却/加熱ユニット60は、冷却加熱の設定モードに応じて、庫内に冷気または暖気を循環させて商品収納ラックR内の商品Sを冷却または加熱するものである。
凝縮器62は、フィンチューブ型の熱交換器であり、冷却運転時に不要な凝縮熱を排出するためのものである。凝縮器62の後部にはファン62fが取設され、ファン62fは機械室50の前面開口部より空気を吸入し、凝縮器62による凝縮熱を吸入するとともに、圧縮機61の排熱を吸収して、機械室50の背面開口部へ排気するためのものである。
膨張器63a、63b、63cは、冷却運転時に通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものであり、たとえばキャピラリ、固定式膨張弁である。また、温度膨張弁、電子膨張弁であってもよい。
庫外熱交換器68は、フィンチューブ型の熱交換器であり、ヒートポンプ運転時に不要な蒸発熱を排出するためのものである。
庫内温センサTa、Tb、Tcは、商品収納庫40a、40b、40c内の風胴67の上面に取設され、商品収納庫40a、40b、40cの庫内温度を検知するためのものである。
三方電磁弁V4は、凝縮器62への冷媒の流入を制御するものであり、三方電磁弁V5は、庫外熱交換器68への冷媒の流入を制御するものであり、三方電磁弁V32は、庫内熱交換器65cへの冷媒の流入を制御するものである。これらは、三方電磁弁の構成でなく電磁弁を組み合わせたものであっても良い。
冷却/加熱ユニット60の冷媒回路60Aの構成について、図3の冷媒回路図を用いて詳述する。なお、図中の点線の囲いは、商品収納庫40a、40b、40cを模式的に示している。
冷媒回路60Aの主回路は、図中の太線で示すように圧縮機61から三方電磁弁V4を介して凝縮器62に至り、凝縮器62より膨張器63a、庫内熱交換器65a、膨張器63b、庫内熱交換器65b、膨張器63c、庫内熱交換器65cと直列に配管接続され、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
制御装置90は、商品収納庫40a、40b、40cを冷却加熱の設定モードにより冷却もしくは加熱の制御をするものであり、図4の制御ブロック図に示すように内部にCPU、メモリを有し、商品収納庫40a、40b、40cの冷却加熱を設定する冷却加熱モード設定SW91の設定により冷却加熱の制御を行う。そして、制御装置90は、庫内温センサTa、Tb、Tcにより検知した温度が一定温度範囲内となるように、圧縮機61、三方電磁弁V4、V5、V32、電磁弁V11、V12、V21、V22、V31などをON・OFF制御するサーモサイクル運転により庫内温度を適温に維持する。
サーモサイクル運転は、庫内温度がサーモOFF温度(例えば、冷却の場合は−2℃、加熱の場合は61℃)になったときにはその商品収納庫内の庫内熱交換器に流入する冷媒を遮断するように電磁弁を開閉し、庫内温度がサーモON温度(例えば、冷却の場合は8℃、加熱の場合は41℃)になったときにはその商品収納庫内の庫内熱交換器に冷媒が流入するように電磁弁を開閉することにより回路内に循環する冷媒の経路を適宜切り替えて、庫内を適温に制御するものである。すなわち、庫内温度とサーモOFF温度、サーモON温度とを比較して、各庫内の運転モードを冷却運転、加熱運転、休止の3つの状態に切り替えてサーモサイクル運転を行う。
また、冷却加熱の設定モードCHCにおいて、上流側の庫内熱交換器65aに冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器65bに冷媒を流して加熱運転、さらに下流側の庫内熱交換器65cに冷媒を流して冷却運転する場合には、第1から第3までの複数の電磁弁動作モードM41a、M41b、M41cが設定されている。また、上流側の庫内熱交換器65aに冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器65bに冷媒を流して加熱運転、さらに下流側の庫内熱交換器65cは休止する場合にも、第1から第2までの複数の電磁弁動作モードM44a、M44bが設定されている。これら、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合を加熱後順モードと称し、この場合には凝縮の前に蒸発を行うので、通常の冷凍サイクルを形成することができない。そこで、これら、加熱後順モードにおいては、運転すべき庫内熱交換器の一を休止させて運転を行う電磁弁動作モードを複数設け、庫内温度に対応して順次電磁弁動作モードを切替えるで、ヒートポンプ運転を行う。図5の表では、上流側の庫内熱交換器を優先して庫内が適温になるように制御を行っている。
例えば、冷却加熱モード設定SW91をCCCモードに設定してあり、3室の商品収納庫40a、40b、40cがサーモ温内の以上であるときには、運転モードを3室ともに冷却モードとし、電磁弁の動作モードにM11を選択して、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V21、V31を開成し、電磁弁V11、V12、V22を閉止する。このとき図7の太線で示すように圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮され液体となり、膨張器63aで膨張して低温低圧の気液二相流となり、庫内熱交換器65aに流入して蒸発し、商品収納庫40aを冷却する。庫内熱交換器65aより流出した冷媒は、バイパス管路B21より庫内熱交換器65bに流入して蒸発し、商品収納庫40bを冷却する。庫内熱交換器65bより流出した冷媒は、バイパス管路B31より庫内熱交換器65cに流入してさらに蒸発し、商品収納庫40cを冷却し、庫内熱交換器65cより流出した冷媒は、液冷媒を貯留するアキュムレータ69に流入し気液に分離されて気相の冷媒のみ圧縮機61に戻る。
また、冷却加熱モード設定SW91をCHCモードに設定してあり、左室40aがサーモON以上の温度であり、中室40bがサーモON以下の温度であり、右室40cがサーモ温度内にあるときには、左室40aを冷却モード、中室40bを加熱モード、右室40cを休止モードとして電磁弁の動作モードを最初にM44aを選択する。最初の動作モードM44aは、上流にある庫内熱交換器65aを冷却運転し、その下流にある庫内熱交換器65b、65cを休止する。
そして、左室40aの庫内温度が低下してサーモOFF温度になれば、制御装置90は、電磁弁の動作モードを次のM44bを選択する。次の動作モードM44bは、庫内熱交換器65bと庫外熱交換器68とでヒートポンプ運転を行うモードである。制御装置90は、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路より迂回する方向に開通させ、電磁弁V12、V21、V31を開成し、電磁弁V11、V22を閉止する。このとき図10(b)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62を迂回してバイパス管路B4を通過し、さらに、膨張器63a、庫内熱交換器65a、膨張器63bを迂回してバイパス管路B12、B21を通過し庫内熱交換器65bに流入して凝縮をし、中室40bを加熱する。庫内熱交換器65bで凝縮した冷媒は、膨張器63cにて膨張して低温低圧の気液二相流となり、庫内熱交換器65cを迂回してバイパス管路B32を通過して、三方電磁弁V5を迂回して、庫外熱交換器68にて蒸発をしてアキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
また、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合においても、一の運転する庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することより、上流側の庫内熱交換器が冷却で下流側の庫内熱交換器が加熱であっても、ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
別の実施例を図11に示す。この実施例は、前述の実施例と比較をすると、庫外熱交換器68aが凝縮器62の近傍に配設されている点であり、その他は前述の実施例と実質的に同一であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
20 外扉
30 内扉
40a、40b、40c 商品収納庫
60 冷却/加熱ユニット
61 圧縮機
62 凝縮器
63a、63b、63c 膨張器
65a、65b、65c 庫内熱交換器
68 庫外熱交換器
90 制御装置
91 冷却加熱モード設定SW
B4 第1のバイパス管路
B11、B21、B31 第2のバイパス管路
B12、B22 第3のバイパス管路
B32 第4のバイパス管路
B5 第5のバイパス管路
V4、V5、V32 三方電磁弁
V11、V12、V21、V22、V31 電磁弁
Claims (3)
- 冷却専用の商品収納庫と複数の冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の設定モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張手段と、各庫内に設け冷媒を蒸発もしくは凝縮される庫内熱交換器と、にて冷却循環回路を構成するとともに、
前記庫内熱交換器を直列に配管接続し、前記凝縮器と前記各庫内熱交換器との間にそれぞれ前記膨張手段を配管接続した自動販売機において、
前記凝縮器の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第1のバイパス管路と、
前記膨張手段の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路と、
最下流より上流側の前記膨張手段の入口と前記庫内熱交換器の出口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第3のバイパス管路と、
最下流に設けられた前記庫内熱交換器の出入口に接続して、電磁弁にてバイパスさせる第4のバイパス管路と、
最下流に設けられた前記庫内熱交換器の出口側と前記圧縮機の入口側との間で、電磁弁にてバイパスさせ、そのバイパス管路の中間に冷媒を蒸発させる庫外熱交換器を接続させた第5のバイパス管路と、を設けたことを特徴とする自動販売機。 - 前記庫外熱交換器が前記凝縮器に近傍に取設したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
- 上流側の前記庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の前記庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の前記庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
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