JP5321241B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

本発明は、缶、ビン、パック、ペットボトル等の容器に入れた飲料等の商品を冷媒回路にて冷却または加熱して販売に供する自動販売機に関する。
近年の地球温暖化に対して二酸化炭素の排出量削減が課題となっており、自動販売機も省エネ型が開発されている。その1方式として従来は排熱していた凝縮器の熱を庫内の加熱に利用するヒートポンプ方式の自動販売機が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された自動販売機は、複数の商品収納庫にそれぞれ内部熱交換器を設け、商品収納庫外に設けた圧縮機、外部熱交換器と接続して、電動膨張弁の開度調整、電磁弁の切り替えにより、各商品収納庫の冷却もしくは加熱の設定を行い、内部熱交換器を凝縮器として使用するヒートポンプ運転を行っている。
しかしながら、この種の自動販売機は複数の内部熱交換器を並列に接続をしているため、各内部熱交換器への冷媒の分流に偏りが生じて冷却性能が低下する、配管長が長くなることによるコストの上昇などの課題を有している。
一方、これらの課題に対処するため、複数の内部熱交換器を直列に接続する自動販売機が知られている(例えば、特許文献2参照)。この種の自動販売機は、商品収納庫内に内部熱交換器とは別に電気ヒータを取設して、加熱運転を行っている。各商品収納庫の冷却加熱の設定モードは、商品収納庫の冷却もしくは加熱の運転をC、Hの記号を用いて示すものであり、正面から見て商品収納庫の左側から順に、例えば、すべてが冷却の場合にはCCCモード、右の商品収納庫のみが加熱の場合にはCCHモードなどと記される。
特開2001−109942号公報 特開2001−167341号公報
しかしながら、特許文献2に記載された自動販売機は、配管構成が単純になるものの加熱運転を行う場合には庫内熱交換器を休止させて、同室に取設した電気ヒータにより加熱を行うものである。このため、ヒートポンプ運転での加熱運転と比較すると大幅に消費電力が増加するという課題がある。
また、庫内熱交換器を直列に配管接続をしているので、上流側を蒸発器とし、下流側を凝縮器として使用する運転が困難であり、その結果ヒートポンプ運転を利用できないという課題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、庫内熱交換器を直列に接続した構成の自動販売機においても、ヒートポンプ運転を行い、消費電力を低減できる自動販売機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、冷却専用の商品収納庫と複数の冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の設定モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張手段と、各庫内に設け冷媒を蒸発もしくは凝縮される庫内熱交換器と、にて冷却循環回路を構成するとともに、庫内熱交換器を直列に配管接続し、凝縮器と各庫内熱交換器との間にそれぞれ膨張手段を配管接続した自動販売機において、凝縮器の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第1のバイパス管路と、膨張手段の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路と、最下流より上流側の膨張手段の入口と庫内熱交換器の出口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第3のバイパス管路と、最下流に設けられた庫内熱交換器の出入口に接続して、電磁弁にてバイパスさせる第4のバイパス管路と、最下流に設けられた庫内熱交換器の出口側と圧縮機の入口側との間で、電磁弁にてバイパスさせ、そのバイパス管路の中間に冷媒を蒸発させる庫外熱交換器を接続させた第5のバイパス管路と、を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る自動販売機は、請求項1にかかる自動販売機において、庫外熱交換器が凝縮器に近傍に取設したことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る自動販売機は、請求項1または2にかかる自動販売機において、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することを特徴とする。
本発明に係る請求項1の自動販売機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張手段と、各庫内に設け冷媒を蒸発もしくは凝縮される庫内熱交換器と、にて冷却循環回路を構成するとともに、庫内熱交換器を直列に配管接続し、凝縮器と各庫内熱交換器との間にそれぞれ膨張手段を配管接続した自動販売機において、凝縮器の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第1のバイパス管路と、膨張手段の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路と、最下流より上流側の膨張手段の入口と庫内熱交換器の出口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第3のバイパス管路と、最下流に設けられた庫内熱交換器の出入口に接続して、電磁弁にてバイパスさせる第4のバイパス管路と、最下流に設けられた庫内熱交換器の出口側と圧縮機の入口側との間で、電磁弁にてバイパスさせ、そのバイパス管路の中間に冷媒を蒸発させる庫外熱交換器を接続させた第5のバイパス管路と、を設けたことにより、冷却加熱運転にて電気ヒータを使用せずに
ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
また、本発明に係る請求項2の自動販売機は、請求項1にかかる自動販売機において、庫外熱交換器が凝縮器に近傍に取設したことにより、庫外熱交換器の蒸発効率が向上するので、消費電力を低減することができる。
また、本発明に係る請求項3の自動販売機は、請求項1または2にかかる自動販売機において、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することより、上流側の庫内熱交換器が冷却で下流側の庫内熱交換器が加熱であっても、ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
本発明の実施例に係る自動販売機を示す斜視図である。 図1に示した自動販売機の断面図である。 本発明の実施例に係る冷媒回路図である。 制御装置のブロック図である。 各設定モードにおける制御テーブルを示す図表である。 本発明の実施例に係るサーモサイクル運転制御の要部フローチャートである。 冷却加熱の設定モードCCCにおける冷媒の流れを示す回路図である。 冷却加熱の設定モードHHCにおける冷媒の流れを示す回路図である。 冷却加熱の設定モードCHCにおける冷媒の流れを示す回路図である。 冷却加熱の設定モードCH−における冷媒の流れを示す回路図である。 本発明の別の実施例に係る冷媒回路図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の実施例に係る自動販売機について図1の斜視図、図2の断面図により説明する。これら図において、自動販売機は、前面が開口した直方状の断熱体として形成された本体キャビネット10と、その前面に設けられた外扉20および内扉30と、本体キャビネット10の内部を上下2段に底板11にて区画形成し、上部を例えば2つの断熱仕切板40wによって仕切られた3つの独立した商品収納庫40a、40b、40cと、下部に商品収納庫40a、40b、40cを冷却もしくは加熱する冷却/加熱ユニット60を収納する機械室50と、外扉20の内側に配設され、商品収納庫40a、40b、40c内の温度センサTa、Tb、Tcにより自動販売機の冷却、加熱運転などを制御する制御装置90と、を有して構成されている。
より詳細に説明すると、外扉20は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するためのものであり、図には明示していないが、この外扉20の前面には、販売する商品の見本を展示する商品展示室、販売する商品を選択するための選択ボタン、貨幣を投入するための貨幣投入口、払い出された商品を取り出すための商品取出口21等々、商品の販売に必要となる構成が配置してある。
内扉30は、商品収納庫40a、40b、40cの前面を開閉し、内部の商品を保温するものであり、上下2段に分割され内部に断熱体を有する箱型形状の構造体である。上側の内扉30aは、一端を外扉20に枢軸し、他端を外扉20に係着して、外扉20の開放と同時に上側の内扉30aを開放させて、商品の補充を容易にするものである。下側の内扉30bは、一端を本体キャビネット10に枢軸し、他端を本体キャビネット10に不図示の掛金にて掛着して、外扉20を開放したときには、閉止した状態であり、商品収納庫40a、40b、40c内の冷気もしくは暖気が流出することを防ぎ、メンテナンス時など必要に応じて開放できるものである。
商品収納庫40a、40b、40cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのものであり、その収納庫の容量は商品収納庫40a、40c、40bの順番に大きな態様で配分されている。本実施例は、商品収納庫40cを冷却専用とし、商品収納庫40a、40bを冷却加熱兼用としている。その商品収納庫40a、40b、40cには、それぞれ、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納し、販売信号により1個ずつ商品を排出するための商品搬出機構を備えた商品収納ラックR、排出された商品Sを内扉30bに取設された搬出扉31を介して外扉の商品取出口21へ搬出する商品搬出シュート42を有している。
冷却/加熱ユニット60は、機械室50内に圧縮機61、凝縮器62、膨張器63a、63b、63c、庫外熱交換器68、アキュムレータ69を取設し、底板11を跨いで庫内に庫内熱交換器65a、65b、65cを有して各機器を冷媒配管で接続されることにより構成されている。冷却/加熱ユニット60は、冷却加熱の設定モードに応じて、庫内に冷気または暖気を循環させて商品収納ラックR内の商品Sを冷却または加熱するものである。
圧縮機61は、冷媒を圧縮して回路内を循環させるためのもので、冷却運転時には、蒸発温度が約−10℃、凝縮温度が約40℃で使用され、加熱運転時には、蒸発温度が約−10℃、凝縮温度が約70℃で使用される。
凝縮器62は、フィンチューブ型の熱交換器であり、冷却運転時に不要な凝縮熱を排出するためのものである。凝縮器62の後部にはファン62fが取設され、ファン62fは機械室50の前面開口部より空気を吸入し、凝縮器62による凝縮熱を吸入するとともに、圧縮機61の排熱を吸収して、機械室50の背面開口部へ排気するためのものである。
膨張器63a、63b、63cは、冷却運転時に通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものであり、たとえばキャピラリ、固定式膨張弁である。また、温度膨張弁、電子膨張弁であってもよい。
庫内熱交換器65a、65b、65cは、商品収納庫40a、40b、40cを冷却するためのものであり、庫内熱交換器65a、65bは、商品収納庫40a、40bを加熱する庫内熱交換器を兼用している。庫内熱交換器の容量は、商品収納庫の容量に対応して65c、65a、65bの順番に大きな態様で配分されている。また、庫内熱交換器65a、65b、65cは、各商品収納庫の下部に取設され、風胴67で囲繞され、その後方にファン65fが取設され、その後方にダクト67dが取設されている。商品収納庫内の冷却と加熱は、庫内熱交換器65a、65b、65cにより冷却もしくは加熱された空気を商品収納庫内の商品Sに送風し、図2中の矢印で示すようにダクト67dより循環回収することで行われる。
庫外熱交換器68は、フィンチューブ型の熱交換器であり、ヒートポンプ運転時に不要な蒸発熱を排出するためのものである。
アキュムレータ69は、庫内熱交換器65a、65b、65cから蒸発された冷媒を流入し、気液分離させて液冷媒を貯留し、気相冷媒を圧縮機61に戻すための密閉した容器である。また、アキュムレータ69は、回路の冷媒循環に余った冷媒を貯留するための容器でもある。
庫内温センサTa、Tb、Tcは、商品収納庫40a、40b、40c内の風胴67の上面に取設され、商品収納庫40a、40b、40cの庫内温度を検知するためのものである。
三方電磁弁V4は、凝縮器62への冷媒の流入を制御するものであり、三方電磁弁V5は、庫外熱交換器68への冷媒の流入を制御するものであり、三方電磁弁V32は、庫内熱交換器65cへの冷媒の流入を制御するものである。これらは、三方電磁弁の構成でなく電磁弁を組み合わせたものであっても良い。
電磁弁V11、V21、V31は膨張器63a、63b、63cへの冷媒の流入を制御するものであり、電磁弁V12は膨張器63aおよび庫内熱交換器65aへの冷媒の流入を制御するものであり、電磁弁V22は膨張器63bおよび庫内熱交換器65bへの冷媒の流入を制御するものである。
冷却/加熱ユニット60の冷媒回路60Aの構成について、図3の冷媒回路図を用いて詳述する。なお、図中の点線の囲いは、商品収納庫40a、40b、40cを模式的に示している。
冷媒回路60Aの主回路は、図中の太線で示すように圧縮機61から三方電磁弁V4を介して凝縮器62に至り、凝縮器62より膨張器63a、庫内熱交換器65a、膨張器63b、庫内熱交換器65b、膨張器63c、庫内熱交換器65cと直列に配管接続され、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
また、冷媒回路60Aは主回路に対して図中の細線で示すように、凝縮器62の出入口に接続して、三方電磁弁V4を介してバイパスさせる第1のバイパス管路B4と,膨張器63a、63b、63c出入口にそれぞれ接続して、電磁弁V11、V21、V31を介してバイパスさせる第2のバイパス管路B11、B21、B31と、膨張器63aの入口と庫内熱交換器65aの出口に接続して、電磁弁V12を介してバイパスさせる第3のバイパス管路B12と、膨張器63bの入口と庫内熱交換器65bの出口に接続して、電磁弁V22を介してバイパスさせる第3のバイパス管路B22と、最下流に設けられた庫内熱交換器65cの出入口に接続して、三方電磁弁V32にてバイパスさせる第4のバイパス管路B32と、最下流に設けられた前庫内熱交換器65cの出口側と圧縮機61の入口側との間で、三方電磁弁V5にてバイパスさせ、そのバイパス管路の中間に冷媒を蒸発させる庫外熱交換器68を接続させた第5のバイパス管路B5とを有している。
冷媒は、臨界圧力以下で使用する冷媒、例えばフロン冷媒でR134aを使用している。また、臨界圧力以上で使用する冷媒、例えば二酸化炭素冷媒でもよい。
制御装置90は、商品収納庫40a、40b、40cを冷却加熱の設定モードにより冷却もしくは加熱の制御をするものであり、図4の制御ブロック図に示すように内部にCPU、メモリを有し、商品収納庫40a、40b、40cの冷却加熱を設定する冷却加熱モード設定SW91の設定により冷却加熱の制御を行う。そして、制御装置90は、庫内温センサTa、Tb、Tcにより検知した温度が一定温度範囲内となるように、圧縮機61、三方電磁弁V4、V5、V32、電磁弁V11、V12、V21、V22、V31などをON・OFF制御するサーモサイクル運転により庫内温度を適温に維持する。
サーモサイクル運転は、庫内温度がサーモOFF温度(例えば、冷却の場合は−2℃、加熱の場合は61℃)になったときにはその商品収納庫内の庫内熱交換器に流入する冷媒を遮断するように電磁弁を開閉し、庫内温度がサーモON温度(例えば、冷却の場合は8℃、加熱の場合は41℃)になったときにはその商品収納庫内の庫内熱交換器に冷媒が流入するように電磁弁を開閉することにより回路内に循環する冷媒の経路を適宜切り替えて、庫内を適温に制御するものである。すなわち、庫内温度とサーモOFF温度、サーモON温度とを比較して、各庫内の運転モードを冷却運転、加熱運転、休止の3つの状態に切り替えてサーモサイクル運転を行う。
具体的には、制御装置90は、図5で示す制御テーブルを利用して、図6で示す要部フローチャートにて制御を行う。図5の左欄は冷却加熱の設定モードを示し、次の3列は庫内の運転モードで冷却、加熱、休止を示し、「−」は、運転モードで休止モードを示す。この表では、商品収納庫40a、40b、40cを左室、中室、右室を表記し、以下の説明も左室40a、中室40b、右室40cで行う。次列は電磁弁の動作モードを符号で示したものであり、具体的な電磁弁の動作状態は次列からの表で示している。表中の「直」「迂」は三方電磁弁の冷媒の通過方向を示し、「直」は図3で示す主回路(直線方向)を通過する方向に開通する状態を示し、「迂」は各バイパス管路に迂回する態様で通過する方向に開通する状態を示す。
また、冷却加熱の設定モードCHCにおいて、上流側の庫内熱交換器65aに冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器65bに冷媒を流して加熱運転、さらに下流側の庫内熱交換器65cに冷媒を流して冷却運転する場合には、第1から第3までの複数の電磁弁動作モードM41a、M41b、M41cが設定されている。また、上流側の庫内熱交換器65aに冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器65bに冷媒を流して加熱運転、さらに下流側の庫内熱交換器65cは休止する場合にも、第1から第2までの複数の電磁弁動作モードM44a、M44bが設定されている。これら、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合を加熱後順モードと称し、この場合には凝縮の前に蒸発を行うので、通常の冷凍サイクルを形成することができない。そこで、これら、加熱後順モードにおいては、運転すべき庫内熱交換器の一を休止させて運転を行う電磁弁動作モードを複数設け、庫内温度に対応して順次電磁弁動作モードを切替えるで、ヒートポンプ運転を行う。図5の表では、上流側の庫内熱交換器を優先して庫内が適温になるように制御を行っている。
次に、図6に示すフローチャートを参照にしつつ制御方法の説明をする。始めに制御装置90は、温度センサTa、Tb、Tcにより各商品収納庫の庫内温度を検出して(S1)、各収納庫内の温度がサーモ温度に達したか、すなわち、サーモOFF温度に達したか、または、サーモON温度の達したかを判定する(S2)。もし、収納庫の温度がサーモ温度に達していなければ(S2;N)、運転を継続して庫内温度の検出(S1)に戻る。収納庫の温度がサーモ温度に達してしていれば(S2;Y)、庫内温度の状態に対応して運転モードが決定され、図5に示す制御テーブルに基づいて電磁弁の動作モードが選択される(S3)。その電磁弁の動作モードが複数のモードを有する加熱後順モードでなければ(S4;N)、選択された動作モードにより電磁弁の開閉指令が行われ(S5)、運転モードが切替えられて庫内温度の検出(S1)に戻る。
選択された電磁弁の動作モードが複数のモードを有する加熱後順モードであれば(S4;Y)、第1の電磁弁の動作モードによる電磁弁の開閉が指令される(S6)。さらに、庫内温度の検出(S7)が行われ、稼動している庫内熱交換器に関する庫内温度がサーモ温度になったかを比較し(S8)、サーモ温度に到達していなければ(S8;N)、運転を継続して庫内温度の検出(S7)が行われる。サーモ温度に到達すれば(S8;Y)、電磁弁の動作モードが最終であるかを判定し(S9)、電磁弁の動作モードが最終でなければ(S9;N)、次の電磁弁の動作モードが選択され、そのモードに対応した電磁弁の開閉操作が指令される(S10)。電磁弁の動作モードが最終であれば(S9;Y)、既に各庫内が適温に達したことになるので、その後に手順をリターンさせる。
例えば、冷却加熱モード設定SW91をCCCモードに設定してあり、3室の商品収納庫40a、40b、40cがサーモ温内の以上であるときには、運転モードを3室ともに冷却モードとし、電磁弁の動作モードにM11を選択して、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V21、V31を開成し、電磁弁V11、V12、V22を閉止する。このとき図7の太線で示すように圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮され液体となり、膨張器63aで膨張して低温低圧の気液二相流となり、庫内熱交換器65aに流入して蒸発し、商品収納庫40aを冷却する。庫内熱交換器65aより流出した冷媒は、バイパス管路B21より庫内熱交換器65bに流入して蒸発し、商品収納庫40bを冷却する。庫内熱交換器65bより流出した冷媒は、バイパス管路B31より庫内熱交換器65cに流入してさらに蒸発し、商品収納庫40cを冷却し、庫内熱交換器65cより流出した冷媒は、液冷媒を貯留するアキュムレータ69に流入し気液に分離されて気相の冷媒のみ圧縮機61に戻る。
また、冷却加熱モード設定SW91をHHCモードに設定してあり、左室40aがサーモON以下の温度であり、中室40bがサーモ温度内であり、右室40cがサーモON以上の温度であるときには、左室40aは加熱モード、中室40bは休止モード、右室40cを冷却モードとして電磁弁の動作モードをM32に選択する。この時、三方電磁弁V4を主回路より迂回する方向に開通する設定し、三方電磁弁V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V11、V22を開成し、電磁弁V12、V21、V31を閉止する。このとき図8の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、三方電磁弁V4より凝縮器62を迂回し、さらに膨張器63aを迂回してバイパス管路B11より庫内熱交換器65aに流入する。庫内熱交換器65aに流入した冷媒は、凝縮して商品収納庫40aを加熱し、庫内熱交換器65aに流出した冷媒は、膨張器63b、庫内熱交換器65bを迂回してバイパス管路B22より膨張器63cに流入する。膨張器63cに流入した冷媒は膨張して低温低圧の気液二相流となり庫内熱交換器65cに流入する。庫内熱交換器65cに流入した冷媒は、庫内熱交換器65cで蒸発して商品収納庫40cを冷却し、三方電磁弁V5よりアキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。このヒートポンプ運転もサーモサイクル運転で庫内が適温に維持される。
また、冷却加熱モード設定SW91をCHCモードに設定してあり、左室40a、右室40cがサーモON以上の温度であり、中室40bがサーモON以下の温度であるときには、運転モードを左室40a、右室40cが冷却モード、中室40bが加熱モードとして電磁弁の動作モードを最初に第1のM41aに選択する。第1の動作モードM41aは、上流にある庫内熱交換器65aを冷却運転、その下流にある庫内熱交換器65bを休止し、最下流の庫内熱交換器65aを冷却運転する。この時、制御装置90は、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V12、V21、V31を開成し、電磁弁V11、V22を閉止する。このとき図9(a)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮をし、膨張器63aにて膨張して低温低圧の気液二相流となり庫内熱交換器65aに流入する。庫内熱交換器65aに流入した冷媒は、庫内熱交換器65aで蒸発して商品収納庫40cを冷却し、膨張器63b、庫内熱交換器65bを迂回してバイパス管路B22を通過し、膨張器63cを迂回してバイパス管路B31に流入したのち、庫内熱交換器65cに流入する。庫内熱交換器65cに流入した冷媒は、庫内熱交換器65cでさらに蒸発して商品収納庫40cを冷却し、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
そして、左室40aの庫内温度がサーモOFF温度になれば、制御装置90は、電磁弁の次の動作モードM41bを選択する。次の動作モードM41bは、上流にある庫内熱交換器65aを休止し、その下流にある庫内熱交換器65bを加熱し、最下流の庫内熱交換器65aを冷却するヒートポンプ運転を行う。三方電磁弁V4を主回路より迂回する方向に開通させ、三方電磁弁V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V12、V21を開成し、電磁弁V11、V22,V31を閉止する。左室を休止、中室を加熱モード、右室を冷却モードとするヒートポンプ運転を行う。このとき図9(b)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62を迂回してバイパス管路B4を通過し、さらに、膨張器63a、庫内熱交換器65aを迂回してバイパス管路B12を通過し、膨張器63bを迂回してバイパス管路B21を通過し、庫内熱交換器65bに流入して凝縮をし、中室40bを加熱する。庫内熱交換器65bで凝縮した冷媒は、膨張器63cにて膨張して低温低圧の気液二相流となり庫内熱交換器65cに流入する。庫内熱交換器65cに流入した冷媒は、庫内熱交換器65cで蒸発して右室40cを冷却し、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
そして、中室40bの庫内温度が上昇をしてサーモOFF温度になれば、制御装置90は、電磁弁の最後の動作モードM41cを選択する。このとき、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V12、V22を開成し、電磁弁V11、V21、V31を閉止する。右室40cのみの冷却運転を行う。このとき図9(c)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮をし、膨張器63a、庫内熱交換器65a、膨張器63b、庫内熱交換器65bを迂回してバイパス管路B12、B22を通過し、膨張器63c流入して膨張して低温低圧の気液二相流となり庫内熱交換器65c流入にする。庫内熱交換器65cに流入した冷媒は、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
また、冷却加熱モード設定SW91をCHCモードに設定してあり、左室40aがサーモON以上の温度であり、中室40bがサーモON以下の温度であり、右室40cがサーモ温度内にあるときには、左室40aを冷却モード、中室40bを加熱モード、右室40cを休止モードとして電磁弁の動作モードを最初にM44aを選択する。最初の動作モードM44aは、上流にある庫内熱交換器65aを冷却運転し、その下流にある庫内熱交換器65b、65cを休止する。
この時、制御装置90は、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路に開通する方向に設定し、電磁弁V22、V31を開成し、電磁弁V11、V12、V21を閉止する。このとき図10(a)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮をし、膨張器63aにて膨張して低温低圧の気液二相流となり庫内熱交換器65aに流入する。庫内熱交換器65aに流入した冷媒は、庫内熱交換器65aで蒸発して商品収納庫40cを冷却する。庫内熱交換器65aで蒸発した冷媒は、膨張器63b、庫内熱交換器65b、膨張器63c、庫内熱交換器65cを迂回してバイパス管路B22、B31、B32を通過し、三方電磁弁V5、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
そして、左室40aの庫内温度が低下してサーモOFF温度になれば、制御装置90は、電磁弁の動作モードを次のM44bを選択する。次の動作モードM44bは、庫内熱交換器65bと庫外熱交換器68とでヒートポンプ運転を行うモードである。制御装置90は、三方電磁弁V4、V32、V5を主回路より迂回する方向に開通させ、電磁弁V12、V21、V31を開成し、電磁弁V11、V22を閉止する。このとき図10(b)の太線で示す回路内を冷媒が循環し、圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62を迂回してバイパス管路B4を通過し、さらに、膨張器63a、庫内熱交換器65a、膨張器63bを迂回してバイパス管路B12、B21を通過し庫内熱交換器65bに流入して凝縮をし、中室40bを加熱する。庫内熱交換器65bで凝縮した冷媒は、膨張器63cにて膨張して低温低圧の気液二相流となり、庫内熱交換器65cを迂回してバイパス管路B32を通過して、三方電磁弁V5を迂回して、庫外熱交換器68にて蒸発をしてアキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
このように、加熱運転を行うモードにおいて、電気ヒータを使用せずにヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
また、上流側の庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合においても、一の運転する庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することより、上流側の庫内熱交換器が冷却で下流側の庫内熱交換器が加熱であっても、ヒートポンプ運転を行うことができるので、消費電力を低減することができる。
別の実施例を図11に示す。この実施例は、前述の実施例と比較をすると、庫外熱交換器68aが凝縮器62の近傍に配設されている点であり、その他は前述の実施例と実質的に同一であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
庫外熱交換器68aは、凝縮器62のファン62fの下流側に配設している。かかる構成によれば、凝縮器62の熱がファン62fにより庫外熱交換器68aに送風されるので、庫外熱交換器68aの冷媒を効率良く蒸発させることができる。また、庫外熱交換器68aと凝縮器62の放熱フィンを共通に使用しても良い。この場合には、ファン62fの送風による熱伝達に加えて放熱フィンによる熱伝導にて熱移送が行われるので、より一層効率良く庫外熱交換器68aの冷媒を蒸発させることができる。その結果、消費電力を低減することができる。
10 本体キャビネット
20 外扉
30 内扉
40a、40b、40c 商品収納庫
60 冷却/加熱ユニット
61 圧縮機
62 凝縮器
63a、63b、63c 膨張器
65a、65b、65c 庫内熱交換器
68 庫外熱交換器
90 制御装置
91 冷却加熱モード設定SW
B4 第1のバイパス管路
B11、B21、B31 第2のバイパス管路
B12、B22 第3のバイパス管路
B32 第4のバイパス管路
B5 第5のバイパス管路
V4、V5、V32 三方電磁弁
V11、V12、V21、V22、V31 電磁弁



Claims (3)

  1. 冷却専用の商品収納庫と複数の冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の設定モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張手段と、各庫内に設け冷媒を蒸発もしくは凝縮される庫内熱交換器と、にて冷却循環回路を構成するとともに、
    前記庫内熱交換器を直列に配管接続し、前記凝縮器と前記各庫内熱交換器との間にそれぞれ前記膨張手段を配管接続した自動販売機において、
    前記凝縮器の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第1のバイパス管路と、
    前記膨張手段の出入口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路と、
    最下流より上流側の前記膨張手段の入口と前記庫内熱交換器の出口に接続して、電磁弁を介してバイパスさせる第3のバイパス管路と、
    最下流に設けられた前記庫内熱交換器の出入口に接続して、電磁弁にてバイパスさせる第4のバイパス管路と、
    最下流に設けられた前記庫内熱交換器の出口側と前記圧縮機の入口側との間で、電磁弁にてバイパスさせ、そのバイパス管路の中間に冷媒を蒸発させる庫外熱交換器を接続させた第5のバイパス管路と、を設けたことを特徴とする自動販売機。
  2. 前記庫外熱交換器が前記凝縮器に近傍に取設したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
  3. 上流側の前記庫内熱交換器に冷媒を流して冷却運転し、下流側の前記庫内熱交換器に冷媒を流して加熱運転する場合に、いずれか一方の前記庫内熱交換器に冷媒を流さずに運転を休止させ、次に当該休止させた庫内熱交換器に冷媒を流して冷却もしくは加熱運転することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
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