JP5240017B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された自動販売機は、複数の商品収納庫にそれぞれ内部熱交換器を設け、商品収納庫外に設けた圧縮機、外部熱交換器と接続して、電動膨張弁の開度調整、電磁弁の切り替えにより、各商品収納庫の冷却もしくは加熱の設定を行い、内部熱交換器を凝縮器として使用するヒートポンプ運転を行っている。また、冷却加熱の設定モードは、商品収納庫の冷却もしくは加熱の運転をC、Hの記号を用いて示すものであり、正面から見て商品収納庫の左側から順に、例えば、すべてが冷却の場合にはCCCモード、右の商品収納庫のみが加熱の場合にはCCHモードなどと記される。
本発明は、上記実情に鑑みて、上記の課題を解決して、安価な固定式膨張器を使用して、しかも、冷却加熱の設定モードが異なる場合にも適正な冷媒循環量を保持して効率的な冷却加熱運転ができる自動販売機を提供することを目的とする。
まず、本発明の実施例に係る自動販売機について図1の斜視図、図2の断面図により説明する。これら図において、自動販売機は、前面が開口した直方状の断熱体として形成された本体キャビネット10と、その前面に設けられた外扉20および内扉30と、本体キャビネット10の内部を上下2段に底板11にて区画形成し、上部を例えば2つの断熱仕切板40wによって仕切られた3つの独立した商品収納庫40a、40b、40cと、下部に商品収納庫40a、40b、40cを冷却もしくは加熱する冷却/加熱ユニット60を収納する機械室50と、外扉20の内側に配設され、商品収納庫40a、40b、40c内の温度センサTa、Tb、Tcにより自動販売機の冷却、加熱運転などを制御する制御手段90と、を有して構成されている。
内扉30は、商品収納庫40a、40b、40cの前面を開閉し、内部の商品を保温するものであり、上下2段に分割され内部に断熱体を有する箱型形状の構造体である。上側の内扉30aは、一端を外扉20に枢軸し、他端を外扉20に係着して、外扉20の開放と同時に上側の内扉30aを開放させて、商品の補充を容易にするものである。下側の内扉30bは、一端を本体キャビネット10に枢軸し、他端を本体キャビネット10に不図示の掛金にて掛着して、外扉20を開放したときには、閉止した状態であり、商品収納庫40a、40b、40c内の冷気もしくは暖気が流出することを防ぎ、メンテナンス時など必要に応じて開放できるものである。
冷却/加熱ユニット60は、機械室50内に圧縮機61、凝縮器62、膨張器63、第2の膨張器79、アキュムレータ69、庫外熱交換器76を取設し、底板11を跨いで庫内に庫内熱交換器65a、65b、65cを有して各機器を冷媒配管で接続されることにより構成されている。冷却/加熱ユニット60は、冷却加熱の設定モードに応じて、庫内に冷気または暖気を循環させて商品収納ラックR内の商品Sを冷却または加熱するものである。
凝縮器62は、フィンチューブ型の熱交換器であり、冷却運転時に不要な凝縮熱を排出するためのものである。凝縮器62の後部にはファン62fが取設され、ファン62fは機械室50の前面開口部より空気を吸入し、凝縮器62による凝縮熱を吸入するとともに、圧縮機61の排熱を吸収して、機械室50の背面開口部へ排気するためのものである。
膨張器63は、冷却運転時に通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものであり、たとえばキャピラリ、固定式膨張弁である。また、温度膨張弁、電子膨張弁であってもよい。
分流器64(図3参照)は、膨張器63で断熱膨張させられた冷媒を庫内熱交換器65a、65b、65cに分配するためのものである。
アキュムレータ69は、庫内熱交換器65a、65b、65cから蒸発された冷媒を流入し、気液分離させて液冷媒を貯留し、気相冷媒を圧縮機61に戻すための密閉した容器である。また、アキュムレータ69は、回路の冷媒循環に余った冷媒を貯留するための容器でもある。
膨張器79は、加熱運転時に通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものであり、たとえばキャピラリ、固定式膨張弁である。また、温度膨張弁、電子膨張弁であってもよい。
ヒータ66b、66c(図3参照)は庫内熱交換器65b、65cの前方に取設され、商品収納庫40b、40cの加熱の補助を行うものである。
庫内温センサTa、Tb、Tcは、商品収納庫40a、40b、40c内の風胴67の上面に取設され、商品収納庫40a、40b、40cの庫内温度を検知するためのものである。
凝縮器電磁弁68は、圧縮機61と凝縮器62間の冷媒通路を開閉するものであり、加熱器電磁弁68b、68cは、圧縮機61と庫内熱交換器65b、65c間の圧縮された冷媒の通路を開閉するものである。冷却器入口電磁弁70a,70b,70cは分流器64と庫内熱交換器65a、65b、65c間の膨張された冷媒の通路を開閉するものであり、冷却器出口電磁弁72b,72cは、庫内熱交換器65b、65cと圧縮機61と間の蒸発された冷媒の通路を開閉するものである。
冷却循環回路60Aは、圧縮機61から凝縮器62、膨張器63を経由して分流器64に接続し、分流器64から庫内熱交換器65a、65b、65cに分流したのち集合器67にて集合し、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。具体的には、冷却循環回路60Aの管路は、圧縮機61から凝縮器電磁弁68、凝縮器62、膨張器63を経由して分流器64に接続する管路と、分流器64より3方に分流して冷却器入口電磁弁70a、70b、70cに至る管路と、冷却器入口電磁弁70aから庫内熱交換器65aを経由して集合器67に至る管路と、冷却器入口電磁弁70b、70cからそれぞれ逆止弁71b、71cを介して庫内熱交換器65b、65cに至りさらに冷却器出口電磁弁72b、72cを介して集合部67に集合する管路と、集合部67からアキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る管路により構成されている。
しかして、加熱冷却循環回路60Bは、圧縮機61から加熱器電磁弁68b、68cを経由して庫内熱交換器65c、65bに接続され、庫内熱交換器65c、65bから逆止弁71,71を介して庫外熱交換器76、膨張器79を経由して分配器64に接続され、分流器64から冷却器入口電磁弁70aを介して庫内熱交換器65aに接続され、集合器67、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
制御手段90は、商品収納庫40a、40b、40cを冷却加熱の設定モードにより冷却もしくは加熱の制御をするものであり、図4の制御ブロック図に示すように内部にCPU、メモリを有し、冷却加熱モード設定SW91の設定により決まる冷却加熱設定モードに応じて後述する冷媒回路の電磁弁開閉の制御を行う。そして、制御手段90は、庫内温センサTa、Tb、Tcにより検知した温度が一定温度範囲内になるように、圧縮機61、凝縮器電磁弁68、冷却器入口電磁弁70a、70b、70c、冷却器出口電磁弁72b、72c、加熱器電磁弁68b、68cなどをON・OFF制御するサーモサイクル運転により庫内温度を適温に維持する。
冷却加熱設定モードをCCCモードに設定したときの通常の電磁弁の状態(すべての庫内熱交換器が作動する状態)は、凝縮器電磁弁68、冷却器入口電磁弁70a、70b、70c、冷却器出口電磁弁72b、72cを開成し、加熱器電磁弁68b、68cを閉止する状態である。このとき図5の太線で示すように圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮され液体となり、膨張器63で膨張して低温の気液二相流となり、分流器64で三方に分流された後庫内熱交換器65a、65b、65cに流入する。流入した冷媒は、庫内熱交換器65a、65b、65cで蒸発し、商品収納庫40a、40b、40cを冷却し、蒸発した冷媒は集合器67で集合して液冷媒を貯留するアキュムレータ69に流入し気液に分離されて気相の冷媒のみ圧縮機61に戻る。なお、この冷却は、制御手段90にて庫内温度センサTa、Tb、Tcによるサーモサイクル運転により庫内温度が適温に制御される。
次に冷却加熱設定SW91を切り替える時のポンプダウン制御を図9のフローチャートを参照しつつ、冷却加熱設定モードをCHHからCCHへ切り替える場合を例にして説明をする。
始めに冷却加熱設定モードが切り替えられたことを検知すると(S1;Y)、制御手段90は、ステップS2〜S4で示される冷却単独運転の指令を出す。冷却単独運転の指令では、まず、庫内の冷却要求があるかを判定する(S2)。具体的には、各商品収納庫内の温度センサの値が冷却の上限値を超えていないかを判定し、超えていればその商品収納庫に関する冷却器入口電磁弁および冷却器出口電磁弁を開成し、超えていなければ閉止をする。ただし、すべての冷却器入口電磁弁とそれに対応した冷却器出口電磁弁が閉止することはないようにする。図10に示す冷却加熱設定モードをCHHからCCHへ切り替える例では、左室である商品収納庫40aは冷却から冷却に維持されるが通常は冷却加熱設定モード変更により商品の交換が行われるので、庫内温度が上昇する結果、庫内の冷却要求有の状態となり、冷却器入口電磁弁70aが開成される。中室である商品収納庫40bは加熱から冷却モードに変更となるので、冷却要求有の状態となり、冷却器入口電磁弁70b、冷却器出口電磁弁72bが開成される。右室である商品収納庫40cは加熱モードが維持されるので、冷却器入口電磁弁70c、冷却器出口電磁弁72cの閉止が維持される。次に、制御手段90は、冷却加熱設定モードに関わらず、凝縮器電磁弁68を開成し、加熱器電磁弁68b、68c閉止する(S4)。この冷却単独運転のモードは所定時間(例えば9分間)継続する(S5;N)。この間、図10の太線に示すように圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器62にて凝縮され液体となり、膨張器63で膨張して低温の気液二相流となり、分流器64で二方に分流された後庫内熱交換器65a、65bに流入する。流入した冷媒は、庫内熱交換器65a、65bで蒸発し、集合器67で集合して液冷媒を貯留するアキュムレータ69に流入し気液に分離されて気相の冷媒のみ圧縮機61に戻る。この循環運転によって、庫内熱交換器65a、65bの冷却に対応した冷媒循環量が回路内に流れ、冷媒は、庫内熱交換器65a、65b、凝縮器62およびアキュムレータ69内に適正量が配分貯留される。
本発明による冷媒循環量の調整内容を判りやすく説明するため、ここでは庫内熱交換器65a、65b、65cの容量を3:1:2とする。CHHモードからCCHモードへ切り替えられるときには、前述のように庫内熱交換器65a、65bが稼動する冷却単独運転となるので、凝縮器62には、庫内熱交換器65a、65bの合計容量「5」に相当する冷媒が貯留する。CCHモードの運転では、「5」に相当する冷媒量が回路外に貯留することになるので、その分が冷媒循環量から減じられて運転されることになる。
20 外扉
30 内扉
40a、40b、40c 商品収納庫
60 冷却/加熱ユニット
61 圧縮機
62 凝縮器
63、79 膨張器
64 分流器
65a、65b、65c 庫内熱交換器
68 凝縮器電磁弁
68a、68b 加熱器電磁弁
70a、70b、70c 冷却器入口電磁弁
72b、72c 冷却器出口電磁弁
90 制御手段
91 冷却加熱設定モード選択SW
Claims (1)
- 冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の冷却加熱設定モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け凝縮器電磁弁を介して冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張手段と、膨張手段より膨張した冷媒を分配する分配器と、庫内に設け前記分配器より冷却器入口電磁弁を介して冷媒を蒸発する複数の庫内熱交換器と、蒸発した冷媒を冷却器出口電磁弁を介して合流する合流器と、にて冷却循環回路を構成するとともに、
前記冷却循環回路に、前記圧縮機から加熱器電磁弁を介して前記庫内熱交換器と前記冷却器入口電磁弁との間に配管接続し、かつ、前記庫内熱交換器と前記冷却器出口電磁弁の間より庫外熱交換器、第2膨張手段を経由して前記分配器に配管接続することにより、前記庫内熱交換器を凝縮器として作用させてヒートポンプ運転を行う加熱冷却循環回路を構成する自動販売機において、
冷却加熱の設定モードを切り替えて運転をするときには、冷却単独運転の設定モードにて所定時間の運転を行った後、選択された設定モードでの運転を行う制御手段を有することを特徴とする自動販売機。
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