JP5434423B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

本発明は、缶、ビン、パック、ペットボトル等の容器に入れた飲料等の商品を冷媒回路にて冷却または加熱して販売に供する自動販売機に関する。
近年の地球温暖化に対して二酸化炭素の排出量削減が課題となっており、自動販売機も省エネ型が開発されている。その1方式として従来は排熱していた凝縮器の熱を庫内の加熱に利用するヒートポンプ方式の自動販売機が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された自動販売機は、庫内全室を冷却運転する場合には凝縮器を使用し、ヒートポンプ運転する場合には凝縮器を休止させ、庫外熱交換器を使用している。この回路において、休止をしている凝縮器の上流側に接続された電磁弁の冷媒漏れにより凝縮器に冷媒が貯留する。この貯留した冷媒を循環回路へ戻すため、冷却加熱の運転設定モードの切替え時などに電子膨張弁の開度を調整することが行われている。
しかしながら、この種の自動販売機は、冷却専用、冷却加熱用と2個の電子膨張弁を使用しているので、コストが嵩むという問題がある。そこで、図9に示すように庫内熱交換器の入口側に固定式膨張器(キャピラリ)を設けることが考えられる。
図中に示す回路は、庫内を冷却のみを行う冷却循環回路60Aと庫内の冷却加熱を同時に行う(ヒートポンプ運転を行う)加熱冷却循環回路60Bにより構成をされている。なお、図中の点線の囲いは、商品収納庫40a、40b、40cを模式的に示し、Ta,Tb,Tcは庫内温度センサを示している。
冷却循環回路60Aは、圧縮機61、凝縮器電磁弁68、凝縮器62、逆止弁71gを経由して、分流器63に接続し、分流器63より冷却電磁弁70a、70b、70cと固定式膨張器64a、64b、64cを経由して庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cに接続され、蒸発器65cからの配管と、庫内熱交換器65a、からの出口電磁弁72a、72bを介した配管とを集合器67にて集合した後アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
一方、加熱冷却循環回路60Bには、冷却循環回路60Aに加えて、圧縮機61より凝縮器電磁弁68に並列接続され加熱電磁弁68a、68bを介して庫内熱交換器65a、65bに接続し、庫内熱交換器65b、65aより逆止弁71a,71bを介して結合接続し、その接続点より補助熱交換器76、逆止弁71kを経由して分流器63へ接続する管路が設けられている。
しかして、加熱冷却循環回路60Bは、圧縮機61から加熱電磁弁68b、68aを介し庫内熱交換器65a、65bに接続され、庫内熱交換器65a、65bから逆止弁71a,71bを介して結合し、補助熱交換器76、逆止弁71kを経由して分流器63に接続され、分流器63から冷却電磁弁70cを介して蒸発器65cに接続され、集合器67、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
特開2006−011493号公報
しかしながら、この自動販売機は、ヒートポンプ運転時に休止している凝縮器62に凝縮器電磁弁68より漏れて貯留する冷媒は、凝縮器62の出口側が負圧になることから冷却運転中の庫内熱交換器65a(または65b)と蒸発器65cに均等配分されて流入することになる。庫内熱交換器65a(または65b)と蒸発器65cは庫内負荷が異なるため、冷却速度に違いが生じ、庫内負荷の小さな熱交換器には、過剰な冷媒量が供給されることになる結果、消費電力が増加するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みて、上記の課題を解決して、低コストで消費電力の少ない自動販売機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、少なくとも1つの冷却専用の商品収納庫と、複数の冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の設定運転モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器より凝縮した冷媒を分配する分流器と、冷却電磁弁を介して冷媒を膨張させる固定式の膨張手段と、膨張した冷媒を蒸発する冷却専用の商品収納庫に設けた蒸発器と、膨張した冷媒を蒸発する冷却加熱兼用の商品収納庫に設けた複数の庫内熱交換器と、気液を分離するアキュムレータと、にて冷却循環回路を構成するとともに、
前記冷却循環回路と、前記圧縮機から圧縮された冷媒を凝縮する前記庫内熱交換器と、凝縮された冷媒を膨張させる前記固定式の膨張手段と、前記蒸発器にてヒートポンプ運転を行う加熱冷却循環回路を構成した自動販売機において、
前記凝縮器の出口側と前記圧縮機の入口側との間を、バイパス電磁弁とバイパス電子膨張弁を介してバイパスさせるバイパス管路を接続したことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る自動販売機は、請求項1において、前記バイパス管路が前記凝縮器の出口側と前記蒸発器の入口側との間を接続したことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る自動販売機は、請求項2において、前記バイパス管路が前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を接続したことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る自動販売機は、請求項2において、前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を第2のバイパス電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路を接続したことを特徴とする。
本発明に係る請求項1、2の自動販売機は、前記凝縮器の出口側と前記圧縮機の入口側との間を、バイパス電磁弁とバイパス電子膨張弁を介してバイパスさせるバイパス管路を接続したことにより、休止中の凝縮器に貯留する冷媒が庫内の負荷に対応して冷媒循環量を適正に保持することができるので、自動販売機の消費電力を低減することが出来る。
本発明に係る請求項3の自動販売機は、前記バイパス管路が前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を接続したことにより、休止中の凝縮器内の漏れ冷媒が循環する回路内に戻るので、冷媒循環量が低減することがなくなる結果、自動販売機の消費電力の増加を抑制することができる。
本発明に係る請求項4の自動販売機は、請求項2において、前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を第2のバイパス電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路を接続したことにより、休止中の凝縮器に貯留する冷媒が庫内の負荷に対応して冷媒循環量を適正に保持することができるので、自動販売機の消費電力を低減することが出来るとともに、冷却速度の増加に伴う蒸発器の着霜の促進が抑制できるので、結果として冷却効率の低下を抑制することができる。
本発明の実施例に係る自動販売機を示す斜視図。 図1に示した自動販売機の断面図。 本発明の実施例1に係る冷媒回路図。 制御装置のブロック図。 3室を全て冷却する冷却単独運転における冷媒の流れを示す回路図。 2室を冷却し、1室を加熱するヒートポンプ運転における冷媒の流れを示す回路図。 本発明の実施例2に係る冷媒回路図。 本発明の実施例3に係る冷媒回路図。 従来技術に係る冷媒回路図。
(実施例1)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の実施例1に係る自動販売機について説明する。図1の本発明の実施例1に係る自動販売機を示す斜視図、図2の断面図、図3の冷媒回路図において、自動販売機は、前面が開口した直方状の断熱体として形成された本体キャビネット10と、その前面に設けられた外扉20および内扉30と、本体キャビネット10の内部を上下2段に底板11にて区画形成し、上部を例えば2つの断熱仕切板40wによって仕切られた3つの独立した商品収納庫40a、40b、40cと、下部に商品収納庫40a、40b、40cを冷却もしくは加熱する冷却/加熱ユニット60を収納する機械室50と、外扉20の内側に配設され、商品収納庫40a、40b、40c内の温度センサTa、Tb、Tcにより自動販売機の冷却、加熱運転などを制御する制御手段90と、を有して構成されている。
より詳細に説明すると、外扉20は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するためのものであり、図には明示していないが、この外扉20の前面には、販売する商品の見本を展示する商品展示室、販売する商品を選択するための選択ボタン、貨幣を投入するための貨幣投入口、払い出された商品を取り出すための商品取出口21等々、商品の販売に必要となる構成が配置してある。
内扉30は、商品収納庫40a、40b、40cの前面を開閉し、内部の商品を保温するものであり、上下2段に分割され内部に断熱体を有する箱型形状の構造体である。上側の内扉30aは、一端を外扉20に軸支し、他端を外扉20に係着して、外扉20の開放と同時に上側の内扉30aを開放させて、商品の補充を容易にするものである。下側の内扉30bは、一端を本体キャビネット10に軸支し、他端を本体キャビネット10に不図示の掛金にて掛着して、外扉20を開放したときには、閉止した状態であり、商品収納庫40a、40b、40c内の冷却もしくは加熱した空気が流出することを防ぎ、メンテナンス時など必要に応じて開放できるものである。
商品収納庫40a、40b、40cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのものであり、その収納庫の容量は商品収納庫40c、40a、40bの順番に大きな態様で配分されている。本実施例は、商品収納庫40cを冷却専用とし、商品収納庫40a、40bを冷却加熱兼用としている。その商品収納庫40a、40b、40cには、それぞれ、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納し、販売信号により1個ずつ商品を排出するための商品搬出機構を備えた商品収納ラックR、排出された商品Sを内扉30bに取設された搬出扉31を介して外扉の販売口21へ搬出する商品搬出シュート42を有している。
冷却/加熱ユニット60は、機械室50内に圧縮機61、凝縮器62、分流器63、固定式膨張器(膨張手段)64a,64b,64c、アキュムレータ69、凝縮器電磁弁68、加熱電磁弁68a,68b、冷却電磁弁70a、70b、70c、出口電磁弁72a,72b、補助熱交換器76、バイパス電子膨張弁79等を取設し、底板11を跨いで庫内に庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cを有して各機器を冷媒配管で接続されることにより構成されている。冷却/加熱ユニット60は、冷却加熱の設定運転モードに応じて、庫内に冷風または温風を循環させて商品収納ラックR内の商品Sを冷却または加熱するものである。
冷却加熱用の圧縮機61は、冷媒を圧縮して回路内を循環させるためのもので、フロン冷媒使用の場合、冷却運転時には、蒸発温度が約−10℃、凝縮温度が約40℃で使用され、加熱運転時には、蒸発温度が約−10℃、凝縮温度が約70℃で使用される。
凝縮器62は、フィンチューブ型の熱交換器であり、冷却運転時に不要な凝縮熱を排出するためのものである。凝縮器62の後部にはファン62fが取設され、ファン62fは機械室50の前面開口部より空気を吸入し、凝縮器62による凝縮熱を吸入するとともに、圧縮機61の排熱を吸収して、機械室50の背面開口部へ排気するためのものである。
分流器63は、凝縮された冷媒を固定式膨張器64a,64b,64cに分配するためのものである
固定式膨張器64a,64b,64cは、冷却運転時に通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものであり、たとえばキャピラリ、固定式膨張弁である。
庫内熱交換器65a、65bは、商品収納庫40a、40bを冷却もしくは加熱するためのものであり、蒸発器65cは商品収納庫40cを冷却するためのものである。また、庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cは、各商品収納庫の下部に取設され、風胴67で囲繞され、その後方にファン65fが取設され、その後方にダクト67dが取設されている。商品収納庫内の冷却と加熱は、庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cにより冷却もしくは加熱された空気を商品収納庫内の商品Sに送風し、図2中の矢印で示すようにダクト67dより回収することで行われる。
アキュムレータ69は、庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cから蒸発された冷媒を流入し、気液分離させて液冷媒を貯留し、気体冷媒を圧縮機61に戻すための密閉した容器である。また、アキュムレータ69は、回路の冷媒循環に余った冷媒を貯留するための容器でもある。
補助熱交換器76は、フィンチューブ型の熱交換器であり、加熱運転時に不要な凝縮熱を排出するためのものである。また、補助熱交換器76の容積は、凝縮器62に比較して小さい。
庫内温センサTa、Tb、Tcは、商品収納庫40a、40b、40c内の風胴67の上面に取設され、商品収納庫40a、40b、40cの庫内温度を検知するためのものである。
凝縮器電磁弁68は、圧縮機61と凝縮器62間の冷媒通路を開閉するものであり、加熱電磁弁68a、68bは、圧縮機61と庫内熱交換器65b、65a間の圧縮された冷媒の通路を開閉するものである。冷却電磁弁70a,70b,70cは分流器63より凝縮された冷媒の通路を開閉するものであり、出口電磁弁72a,72bは、庫内熱交換器65a、65bと圧縮機61と間の蒸発された冷媒の通路を開閉するものである。
冷却/加熱ユニット60の冷媒回路構成について図3を参照しつつ詳述する。冷媒回路構成は、庫内を冷却のみを行う冷却単独運転の冷却循環回路60Aと庫内の冷却加熱を同時に行うヒートポンプ運転の加熱冷却循環回路60B、圧縮機61の異常圧力を回避する圧力回避管路60C、凝縮器62の貯留冷媒を循環回路に戻すバイパス管路60Dを有している。なお、図中の点線の囲いは、商品収納庫40a、40b、40cを模式的に示している。
冷却循環回路60Aは、圧縮機61、凝縮器電磁弁68、凝縮器62、逆止弁71gを経由して、分流器63に接続し、分流器63より冷却電磁弁70a、70b、70cと固定式膨張器64a、64b、64cを経由して庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cに接続され、蒸発器65cからの配管と、庫内熱交換器65a、65bからの出口電磁弁72a、72bを介した配管とを集合器67にて集合した後アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
一方、加熱冷却循環回路60Bには、冷却循環回路60Aに加えて、圧縮機61より凝縮器電磁弁68と並列接続された加熱電磁弁68a、68bを介して庫内熱交換器65a、65bに接続し、庫内熱交換器65a、65bより逆止弁71a,71bを介して結合接続し、その接続点より補助熱交換器76、逆止弁71kを経由して分流器63へ接続する管路が設けられている。
しかして、加熱冷却循環回路60Bは、圧縮機61から加熱電磁弁68a、68bを介し庫内熱交換器65a、65bに接続され、庫内熱交換器65a、65bから逆止弁71a,71bを介して補助熱交換器76、逆止弁71kを経由して分流器63に接続され、分流器63から冷却電磁弁70c、固定式膨張器64cを介して蒸発器65cに接続され、集合器67、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る回路である。
なお、冷却加熱の運転設定モードにより庫内熱交換器65a、65bは加熱電磁弁68a、68b若しくは冷却電磁弁70a,70bを選択的に制御することにより、凝縮器若しくは蒸発器としても使用できる回路である。
圧力回避管路60Cは、凝縮器電磁弁68、加熱電磁弁68a、68b、が故障をして閉止時に発生する圧縮機61の異常高圧を防止するためのものであり、圧縮機61の吐出側と凝縮器62との入口側とをリリーフ弁77を介して接続した管路である。
リリーフ弁77は、通常の圧力では閉止をしているが、圧縮機61の異常高圧時に、弁が開放して、圧縮機61からの高圧冷媒を凝縮器62に回避させるものである。このことにより、圧縮機61の破損を防止することができる。
また、バイパス管路60Dは、休止中の凝縮器62に貯留する冷媒を循環回路へ戻すためのものであり、凝縮器62の出口側からバイパス電磁弁78、バイパス電子膨張弁79を経由して蒸発器65cの入口側に接続する管路である。
バイパス電磁弁78は、バイパス管路60Dの冷媒の流れを開閉するためのものである。
バイパス電子膨張弁79は、バイパス管路60Dに流れる冷媒を断熱膨張させるものである。
冷媒は、臨界圧力内で使用する冷媒、例えばフロン冷媒でR134aを使用している。また、臨界圧力外で使用する冷媒、例えば二酸化炭素冷媒でもよい。
制御手段90は、商品収納庫40a、40b、40cを冷却加熱の設定運転モードにより冷却もしくは加熱の制御をするものである。図4に示すように内部にCPU、メモリを有し、運転モード設定SW91の設定により決まる冷却加熱の設定運転モードに応じて冷媒回路の電磁弁開閉、バイパス電子膨張弁79などの制御を行う。設定運転モードは、商品収納庫40a、40b、40cの冷却もしくは加熱の運転をC、Hで示すものであり、商品収納庫の左側から(40a、40b、40c)順に、例えば、すべてが冷却の場合にはCCCモード、左の商品収納庫のみが加熱の場合にはHCCモードなどと記す。また、制御手段90は、庫内温センサTa、Tb、Tcにより検知した温度により、圧縮機61、凝縮器電磁弁68、冷却電磁弁70a、70b、70c、出口電磁弁72b、72c、加熱電磁弁68b、68aなどを制御し、庫内を一定温度範囲内でON・OFF制御するサーモサイクル運転により庫内温度を適温に維持する。
かかる構成で運転モード設定SW91の操作により設定運転モードをCCCモードに設定すると、制御手段90は凝縮器電磁弁68、冷却電磁弁70a、70b、70c、出口電磁弁72b、72aを開成し、加熱電磁弁68b、68a、バイパス電磁弁78を閉止する。図5中の太線で示すように圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、凝縮器電磁弁68を通過し、凝縮器62にて凝縮され液体となり逆止弁71gを介して分流器63に流入する。分流器63で三方に分流された冷媒は、冷却電磁弁70a、70b、70cを介して固定式膨張器64a、64b、64cにより膨張して低温の気液二相流となり庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cに流入する。流入した冷媒は、庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cで蒸発し、商品収納庫40a、40b、40cを冷却し、蒸発した冷媒は集合器67で集合して液冷媒を貯留するアキュムレータ69を介して気液分離させて圧縮機61に戻る。なお、この冷却は、制御装置90にて庫内温度センサTa、Tb、Tcによるサーモサイクル運転により庫内温度が適温に制御される。
次に、運転モード設定SW91の操作により設定運転モードを左側の1室を加熱し、中、右側の2室を冷却するHCCモードに設定すると、制御手段90は、加熱電磁弁68a、冷却電磁弁70b、70c、出口電磁弁72bを開成し、凝縮器電磁弁68、加熱電磁弁68b、冷却電磁弁70a、出口電磁弁72a、バイパス電磁弁78を閉止する。このときの冷媒の流れを図6の太線で示す。圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、加熱電磁弁68aを経由して庫内熱交換器65aに流入する。流入した冷媒は凝縮され、商品収納庫40aを加熱し、逆止弁71aを介して補助熱交換器76にてさらに凝縮され、逆止弁71kを介して分流器63に流入する。流入した冷媒は、冷却電磁弁70b、70cを介して膨張器64b、64cに流入し、膨張して低温の気液二相流となる。気液二相流となった冷媒は、庫内熱交換器65b、蒸発器65cに流入して蒸発され商品収納庫40b、40cを冷却する。商品収納庫40b、40cを冷却した冷媒は、一方は出口電磁弁72bを介して、一方はそのまま集合器67に集合をして、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。このヒートポンプ運転も前述のようにサーモサイクル運転で庫内が適温に維持される。
そして、制御装置90は、冷却運転中の商品収納庫40b、40cの庫内温度Tb,Tcに対応してバイパス電子膨張弁79の開度を設定し、ヒートポンプ運転中に所定の時間バイパス電磁弁78を開閉する。このとき、凝縮器62に貯留している冷媒は、凝縮器62の出口より図中の点線矢印で示すようにバイパス管路60Dに流出し、バイパス電子膨張弁79にて膨張して気液二相流となり、熱負荷の一番大きな商品収容庫40c内の蒸発器65cに流入して庫内を冷却する。バイパス電子膨張弁79の調整により、庫内の負荷に適合して蒸発器65cと庫内熱交換器65bに流入する冷媒量を制御するので、庫内熱交換器65a、65b、蒸発器65cに流れる冷媒循環量が適正に保持される結果、自動販売機の消費電力が低減する。
なお、バイパス電磁弁78を開放する所定の時間は、圧縮機が運転を開始時でも、運転を停止する直前でも良い。また、ヒートポンプ運転時に常時に開放させても良い。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る自動販売機について説明する。実施例1と相違する点は、バイパス管路60Eが凝縮器62と集合器67の出口側に取設している点であり、その説明を図7の冷媒回路を用いて詳述し、その他は実施例1と実質的に同一であるので、その説明を省略する。
図7に示すようにバイパス管路60Eは、凝縮器62の出口側からバイパス電磁弁78、バイパス電子膨張弁79を経由して集合器67の出口側に接続する管路である。
この冷媒回路において、運転モード設定SW91の操作により設定運転モードを左側の1室を加熱し、中、右側の2室を冷却するHCCモードに設定すると、制御手段90は、加熱電磁弁68a、冷却電磁弁70b、70c、出口電磁弁72bを開成し、凝縮器電磁弁68、加熱電磁弁68b、冷却電磁弁70a、出口電磁弁72a、バイパス電磁弁78を閉止する。このときの冷媒の流れを図7の太線で示す。圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、加熱電磁弁68aを経由して庫内熱交換器65aに流入する。流入した冷媒は凝縮され、商品収納庫40aを加熱し、逆止弁71aを介して補助熱交換器76にてさらに凝縮され、逆止弁71kを介して分流器63に流入する。流入した冷媒は、冷却電磁弁70b、70cを介して膨張器64b、64cに流入し、膨張して低温の気液二相流となる。気液二相流となった冷媒は、庫内熱交換器65b、蒸発器65cに流入して蒸発され商品収納庫40b、40cを冷却する。商品収納庫40b、40cを冷却した冷媒は、一方は出口電磁弁72bを介して、一方はそのまま集合器67に集合をして、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
そして、制御装置90は、冷却運転中の商品収納庫40b、40cの庫内温度Tb,Tcに対応してバイパス電子膨張弁79の開度を設定し、所定の時間にバイパス電磁弁78を開閉する。このとき、凝縮器62に貯留している冷媒は、凝縮器62の出口よりバイパス管路60Dに流出し、バイパス電子膨張弁79にて膨張して気液二相流となり、アキュムレータ69に流入する。休止中の凝縮器内の漏れ冷媒が循環する回路内に戻るので、冷媒循環量が低減することがなくなる結果、自動販売機の消費電力の増加を抑制することができる。
実施例1と比較して漏れ冷媒が蒸発器65cに流入しない分、蒸発器65cの冷却速度は低下をするが、冷却速度の増加に伴う蒸発器65cの着霜の促進が抑制できるので、結果として冷却効率の低下を抑制することができる。
(実施例3)
本発明の実施例3に係る自動販売機について説明する。実施例1と相違する点は、バイパス管路60Dに加えて、第2のバイパス管路60Fが凝縮器62の出口側と集合器67の出口側との間に接続している点であり、その説明を図8の冷媒回路を用いて詳述し、その他は実施例1と実質的に同一であるので、その説明を省略する。
図8に示すようにバイパス管路60Fは、凝縮器62とバイパス電磁弁78との中間点より第2のバイパス電磁弁78vと第2のバイパス電子膨張弁79vを経由して集合器67の出口側に接続する管路である。
この冷媒回路において、運転モード設定SW91の操作により設定運転モードを左側の1室を加熱し、中、右側の2室を冷却するHCCモードに設定すると、制御手段90は、加熱電磁弁68a、冷却電磁弁70b、70c、出口電磁弁72bを開成し、凝縮器電磁弁68、加熱電磁弁68b、冷却電磁弁70a、出口電磁弁72a、バイパス電磁弁78を閉止する。このときの冷媒の流れを図8の太線で示す。圧縮機61で圧縮された高温冷媒は、加熱電磁弁68aを経由して庫内熱交換器65aに流入する。流入した冷媒は凝縮され、商品収納庫40aを加熱し、逆止弁71aを介して補助熱交換器76にてさらに凝縮され、逆止弁71kを介して分流器63に流入する。流入した冷媒は、冷却電磁弁70b、70cを介して膨張器64b、64cに流入し、膨張して低温の気液二相流となる。気液二相流となった冷媒は、庫内熱交換器65b、蒸発器65cに流入して蒸発され商品収納庫40b、40cを冷却する。商品収納庫40b、40cを冷却した冷媒は、一方は出口電磁弁72bを介して、一方はそのまま集合器67に集合をして、アキュムレータ69を経由して圧縮機61に戻る。
そして、制御装置90は、冷却運転中の商品収納庫40b、40cの庫内温度Tb,Tcに対応してバイパス電子膨張弁79の開度を設定し、ヒートポンプ運転中に所定の時間バイパス電磁弁78を開閉する。このとき、凝縮器62に貯留している冷媒は、凝縮器62の出口より図中の点線矢印で示すようにバイパス管路60Dに流出し、バイパス電子膨張弁79にて膨張して気液二相流となり、熱負荷の一番大きな商品収容庫40c内の蒸発器65cに流入して庫内を冷却する。そして、制御装置90は、庫内温度Tcが着霜する温度となったときには、バイパス電磁弁78を閉止し、第2のバイパス電磁弁78vを開成させるとともに第2のバイパス電子膨張弁79vの開度を調整して、凝縮器62内の漏れ冷媒を蒸発器65cを経由させずに圧縮機61に戻す。このことにより、冷却速度の増加に伴う蒸発器65cの着霜の促進が抑制できるので、結果として冷却効率の低下を抑制することができる。
また、実施例3では、バイパス電子膨張弁79と第2のバイパス電子膨張弁79vを兼用して、バイパス管路を構成することもできる。具体的には、図8にてバイパス電子膨張弁79とバイパス電磁弁78の配置を逆にして、そのバイパス電磁弁78とバイパス電子膨張弁79との中間と集合器67の出口側と第2のバイパス電磁弁78vを介して接続させる第2のバイパス管路を設ければよい。この回路でも上記と同様に効果を得ることができる。
以上のように、本発明に係る自動販売機は、缶、ビン、パック、ペットボトル等の容器に入れた飲料等の商品を冷媒回路にて冷却または加熱するのに適している。
10 本体キャビネット
20 外扉
30 内扉
40a、40b、40c 商品収納庫
60 冷却/加熱ユニット
60D、60E バイパス管路
60F 第2のバイパス管路
61 圧縮機
62 凝縮器
63 分流器
64a、64b、64c 膨張器
65a、65b 庫内熱交換器
65c 蒸発器
68 凝縮器電磁弁
68a、68b 加熱電磁弁
70a、70b、70c 冷却電磁弁
72b、72c 出口電磁弁
78 バイパス電磁弁
78v 第2のバイパス電磁弁
79 バイパス電子膨張弁
79v 第2のバイパス 電子膨張弁
90 制御装置
91 運転モード選択SW

Claims (4)

  1. 少なくとも1つの冷却専用の商品収納庫と、複数の冷却加熱兼用の商品収納庫を有し、冷却加熱の設定運転モードにより選択的に商品収納庫を冷却もしくは加熱する自動販売機であって、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、庫外に設け冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器より凝縮した冷媒を分配する分流器と、冷却電磁弁を介して冷媒を膨張させる固定式の膨張手段と、膨張した冷媒を蒸発する冷却専用の商品収納庫に設けた蒸発器と、膨張した冷媒を蒸発する冷却加熱兼用の商品収納庫に設けた複数の庫内熱交換器と、気液を分離するアキュムレータと、にて冷却循環回路を構成するとともに、
    前記冷却循環回路と、前記圧縮機から圧縮された冷媒を凝縮する前記庫内熱交換器と、凝縮された冷媒を膨張させる前記固定式の膨張手段と、前記蒸発器にてヒートポンプ運転を行う加熱冷却循環回路を構成した自動販売機において、
    前記凝縮器の出口側と前記圧縮機の入口側との間を、バイパス電磁弁とバイパス電子膨張弁を介してバイパスさせるバイパス管路を接続したことを特徴とする自動販売機。
  2. 前記バイパス管路が前記凝縮器の出口側と前記蒸発器の入口側との間を接続したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
  3. 前記バイパス管路が前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を接続したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
  4. 前記凝縮器の出口側と前記アキュムレータの入口側との間を第2のバイパス電磁弁を介してバイパスさせる第2のバイパス管路を接続したことを特徴とする請求項2に記載の自動販売機。
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