JP2008167693A - パスタソース - Google Patents

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Abstract

【課題】肉類を豊富に含有するミートソース等を、植物ステロール類を用いて、加熱処理による油浮き現象を軽減したパスタソースを提供する。
【解決手段】肉類の含有量が6%以上であるパスタソースにおいて、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合しているパスタソース。
【選択図】 なし

Description

本発明は、植物ステロール類を用いて加熱処理による油浮きを軽減した、肉類の含有量が高いミートソース等のパスタソースに関する。
肉の含有量が多い、例えばミートソース等のパスタソースは、炒める、煮込む等の調理を施していくと、油分が表面に浮いてしまう状態となる。油浮きの状態は、パスタの本場イタリアの高級なミートソースとしては極一般的で、イタリア人には抵抗感のないパスタソースとなっているが、日本人においては、油分が表面に浮いていることで、油っぽく抵抗感を感じる人が少なくない。
上記のような油浮きを軽減させる方法としては、例えば、特開2004−73100号公報(特許文献1)には、卵黄、及び/又は、リゾリン脂質を配合する方法が開示されている。この方法は、加工食品の油浮き現象を軽減させる方法として有用であるが、別の軽減方法も望まれている。
一方、植物ステロール類は、日常的に摂取することにより、血中の総コレステロール及び低密度リポ蛋白質−コレステロール濃度を低下させる機能を有することが知られている。これら植物ステロール類は、植物油脂、大豆、小麦等の食材に含まれているがその含有量は極僅かであるため、これら植物ステロール類を強化して日常的に摂取できるようにした食品の開発が望まれている。
本発明者は、上記植物ステロール類を用いてパスタソースの加熱調理による油浮き現象を軽減することができるならば、生理機能を併せ持つこととなり商品価値として有用なものとなると考えた。
特開2004−73100号公報 WO2005/041692
そこで、本発明の目的は、植物ステロール類を用いて、油浮き現象を軽減したパスタソースを提供するものである。
本発明者は、まず植物ステロール類を単に配合することによりパスタソースの油浮き現象を軽減できないか試みた。しかしながら、単に植物ステロール類をパスタソースに配合しただけでは、油浮き現象を軽減することができなかった。さらには植物ステロール類同士の凝集が起こり、パスタソース中でダマになってしまう現象がみられ、外観が悪く、口当たりの滑らかさに欠けるソースとなってしまった。
そこで、本発明者は、植物ステロール類と他の配合原料との組み合わせ等、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、パスタソースに植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合化物を配合させるならば、意外にも、加熱処理による油浮き現象を軽減でき、さらには外観、口当たり共に良好なソースが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 肉類の配合率が全配合質量基準で6%以上であるパスタソースにおいて、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合するパスタソース、
(2) 肉類が挽肉である(1)のパスタソース、
(3) パスタソースがミートソースである(1)又は(2)のパスタソース、
(4) 100℃を超える加熱殺菌を施してなる(1)乃至(3)のパスタソース、
(5) 前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である(1)乃至(4)のパスタソース、
(6) 前記複合体の配合量が製品に対して0.01〜10%である(1)乃至(5)のいずれかのパスタソース、
である。
なお、本出願人は、既に植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体及びこれを含有した食品について出願している(WO2005/041692:特許文献2)。しかしながら、同出願には、前記複合体を配合したパスタソースについては一切検討されていない。
本発明によれば、生理活性を有する植物ステロール類を利用しパスタソースの加熱処理による油浮き現象を軽減できることから、植物ステロール類の新たな用途の拡大、並びにパスタソースの新たな需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明に用いる肉類としては、牛、豚、鶏等、食用に供される畜肉であればいずれでもよい。肉類はパスタソースの種類に合わせて、好みの形状、大きさにカットして用いればよいが、特に挽肉は、製造過程で顕著に油浮き現象が生じやすいため、本発明によって効果的に油浮きを抑制することができる。また、挽肉を主に用いたパスタソースとしてはミートソース等が例示される。挽肉の大きさは適宜選択すればよい。例えば、業務用のチョッパーを用いて挽肉にする場合には目開きφ5〜15mm程度のプレートを用いて挽肉にすればよく、必要に応じて2回以上挽いたものでもよい。
本発明のパスタソースの形態は、流通可能な形態であればいずれでもよいが、特に常温での保管が可能な、缶詰またはレトルトパウチ等に密閉された形態が好ましい。また、パスタソースの常温での保管を可能とするために、一般に、パスタソースを容器に密閉した後、100℃を超える温度で加熱殺菌処理が施されるが、この加熱殺菌処理により特に顕著に油浮き現象が生じやすいため、本発明によって効果的に油浮きを抑制することができる。
本発明のパスタソースに配合する植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体のうち、卵黄リポ蛋白質とは、卵黄蛋白質と、親水部分及び疎水部分を有するリン脂質、並びにトリアシルグリセロール、コレステロール等の中性脂質とからなり、蛋白質やリン脂質の親水部分を外側に、疎水部分を内側にして、中性脂質を包んだ構造をしている。卵黄リポ蛋白質は、卵黄の主成分であって、卵黄固形分中の約80%を占める。したがって、本発明の卵黄リポ蛋白質としては、当該成分を主成分とした卵黄を用いるとよく、食用として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではない。例えば、鶏卵を割卵し卵白液と分離して得られた生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いてもよい。
一方、本発明の植物ステロール類とは、コレステロール又は当該飽和型であるコレスタノールに類似した構造をもつ植物の脂溶性画分より得られる植物ステロール又は植物スタノール、あるいはこれらの構成成分のことであり、植物ステロール類は、植物の脂溶性画分に合計で数%存在する。また、市販の植物ステロール又は植物スタノールは、融点が約140℃前後で、常温で固体であり、これらの主な構成成分としては、例えば、β−シトステロール、β−シトスタノール、スチグマステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、ブラシカスタノール等が挙げられる。また、植物スタノールについては、天然物の他、植物ステロールを水素添加により飽和させたものも使用することができる。
本発明に用いる植物ステロール類は、市販されている粉体あるいはフレーク状のものを用いることができるが、平均粒子径が50μm以下、特に10μm以下の粉体を使用することが好ましい。平均粒子径が50μmを超える粉体あるいはフレーク状の植物ステロール類を用いる場合には、卵黄と攪拌混合して複合体を製造する際に、均質機(T.K.マイコロイダー:プライミクス(株)製)等を用いて植物ステロール類の粒子を小さくしつつ攪拌混合を行うことが好ましい。これにより、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が形成され易くなり、当該複合体をパスタソースに配合したとき、油浮き現象を軽減することができる。
本発明のパスタソースに配合する植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体は、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質を主成分とする卵黄とを、好ましくは10μm以下の粉体状の植物ステロール類と卵黄を水系中で攪拌混合することにより得られる。具体的には、工業的規模での攪拌混合し易さを考慮し、卵黄リポ蛋白質として、卵黄を水系媒体で適宜希釈した卵黄希釈液を使用し、当該卵黄希釈液と植物ステロール類とを攪拌混合して製造することが好ましい。前記水系媒体としては、水分が90%以上のものが好ましく、例えば、清水の他に液状調味料(例えば、醤油、ブイヨン)等が挙げられる。また、前記卵黄希釈液の濃度としては、その後、添加する植物ステロール類の配合量にもよるが、卵黄固形分として0.01〜50%の濃度が好ましく、攪拌混合時の温度は、常温(20℃)でもよいが、45〜55℃に加温しておくと複合体と攪拌混合し易く好ましい。攪拌混合は、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモゲナイザー、T.K.マイコロイダー(プライミクス(株)製)等の均質機を用いて、全体が均一になるまで行うとよい。また、上述の方法で得られたものは、複合体が水系媒体に分散したものであるが、噴霧乾燥、凍結乾燥等の乾燥処理を施して乾燥複合体としてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、複合体に他の原料を配合してもよい。
本発明で用いる複合体は、当該原料である植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部であることが好ましく、当該構成比は、卵黄固形分中に卵黄リポ蛋白質は約8割存在するから、卵黄固形分1部に対して植物ステロール類4〜185部に相当する。後述に示すとおり複合体は、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類が前記範囲で形成していることから、植物ステロールが前記範囲より少ないと複合体を形成できなかった卵黄リポ蛋白質が残存して食品の風味が卵黄風味により損なわれる場合があり、また、前記残存した卵黄リポ蛋白質が加熱凝固しパスタソースの滑らかさが損なわれる場合があり好ましくない。一方、前記範囲より多いと植物ステロール類が水分散性を有した複合体を形成し難くなり、複合体を形成できなかった植物ステロールが凝集してダマになることから、外観および口当たりのよいパスタソースが得られ難くなり好ましくない。
本発明は、前記複合体がパスタソース全体に均一に配合されていれば特に限定するものではない。複合体をパスタソースに配合する方法としては、例えば、複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体又は乾燥複合体をそのまま、あるいは乾燥複合体を予め水系媒体や食用油脂と混合しておいたものを、パスタソースの製造工程中に添加混合する方法等が挙げられる。
また、パスタソースへの複合体の配合量は、製品に対し0.01〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。複合体の配合量が前記範囲より少ないと、油浮き現象を軽減する効果が十分に得られ難く、一方、前記範囲より多いと、配合量を増やしたとしても、これに応じた油浮き現象の軽減効果が得られ難く経済的でないばかりか、全体の食感が粉っぽくなり好ましくない。
なお、本発明のパスタソースには、上述した原料の他に、トマト、玉葱、セロリ、人参、マッシュルーム、ピーマン、パセリ等の具材、砂糖、醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、カツオやコンブ等の動植物エキス、牛乳、生クリーム、バター、チーズ等の乳製品、水飴、デキストリン、還元デキストリン、サイクロデキストリン、ソルビトール、トレハロース等の糖類、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラギーナン、ファーセルラン、タラガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、及びタマリンドガム、ゼラチン等の増粘剤、卵黄、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、着色料、香料、甘味料、保存料等の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
また、本発明のパスタソースの製造方法は、本発明の必須の原料である植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を任意の時期に配合させる以外は、常法に則り製すればよい。
以下、本発明で用いる植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体、及びこれを用いたパスタソースについて実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[調製例1]複合体の構成成分の解析及び複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
まず、卵黄液5g(卵黄固形分2.5g、卵黄固形分中の卵黄リポ蛋白質約2g)に清水95gを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpmで1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した。次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(遊離体97.8%、エステル体2.2%、平均粒子径約3μm)2.5gを添加し、さらに10000rpmで5分間攪拌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とから形成された複合体の分散液を得た(調製例1−1)。
得られた分散液1gを取り、0.9%食塩水4gを加え、真空乾燥機(東京理科器械社製、VOS−450D)で真空度を10mmHgにして1分間脱気し、遠心分離器(国産遠心分離器社製、モデルH−108ND)で3000rpmで15分間遠心分離を行い、沈澱と上澄みとを分離した。この上澄みを0.45μmのフィルターで濾過し、さらに0.2μmのフィルターで濾過し、複合体と、複合体を形成していない植物ステロールとを除去した。
この濾液の吸光度(O.D.)を、分光光度計(日立製作所製、U−2010)を用いて、0.9%食塩水を対照とし、280nm(蛋白質中の芳香環をもつアミノ酸の吸収)で測定し、濾液中の蛋白質の量を測定した。
植物ステロールの添加量を表1のように変え、同様に吸光度を測定した(調製例1−2〜調製例1−8)。この結果を表1に示す。
また、調製例1−1の濾液と、調製例1−6の濾液については、更に440nmの吸光度を測定した。ここで、440nmは、卵黄リポ蛋白質中に含まれる油溶性の色素(カロチン)の吸収波長である。この結果を表2に示す。
Figure 2008167693
Figure 2008167693
複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以下であると、表1より、植物ステロールの割合が増えるに伴い、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度が小さくなっており、蛋白質あるいはアミノ酸の含量が減少することが分かる。また、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−1の濾液は調製例1−6に比べ吸光度が優位に高く、油脂含量が明らかに多いことが分かる。一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であると、表1より、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度は略一定を示し、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−6の濾液は調製例1−1に比べ吸光度が優位に低く、油脂含量が明らかに少ないことが分かる。
以上の結果より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であるものの分散液には、複合体以外に、卵黄リポ蛋白質でない遊離の蛋白質あるいはアミノ酸が存在し、一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部より少ないものの分散液には、前記遊離の蛋白質あるいはアミノ酸に加え、複合体を形成しなかった卵黄リポ蛋白質が存在しているものと推定される。したがって、卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、植物ステロール類が5部以上必要であることが分かる。
[調製例2]複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)と清水の量と植物ステロールの量を表3の通りに変更して、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製し、この分散液の分散性から、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との好ましい構成比を検討した。
すなわち、鶏卵を割卵して取り出した卵黄液(固形分45%)に清水を加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、45℃に加温し、次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)を除々に添加し、添加し終えたところで、さらに10000rpmで攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
また、分散液の分散性に関しては、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液0.5gを試験管(内径1.6cm、高さ17.5cm)にとり、0.9%食塩水10mLで希釈し、試験管ミキサー(IWAKI GLASS MODEL−TM−151)で10秒間撹拌することにより振盪し、その後1時間室温で静置し、さらに真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−450D)に入れ、真空度を10mmHg以下にして室温(20℃)で脱気を行い、脱気後に浮上物が見られない場合を○、浮上物が見られた場合を×と判定した。これらの結果を表3に示す。
なお、植物ステロールを加熱溶解し、冷却し、比重の異なるエタノール液に浸けて浮き沈みによりその比重を求めたところ、0.98であったことから、上述の分散性の試験での浮上物は植物ステロールであると考えられる。
Figure 2008167693
表3より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが232部以下であると、複合体に良好な水分散性を付与できることが分かる。
調製例1及び調製例2の結果より、複合体が良好な水分散性を有し、しかも卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部の範囲であることが分かる。
[調製例3]
清水7.5kgに殺菌卵黄(固形分45%、キユーピー(株)製)0.5kgを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、50℃に加温し、次に5000rpmで攪拌及び真空度350mmHgで脱気しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)2kgを除々に添加し、添加し終えたところで、さらに同回転数で30分間攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体(殺菌卵黄使用)の分散液を得た。なお、得られた分散液中の複合体の構成比は、卵黄固形分1部に対し植物ステロール8.9部であり、卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロール11.1である。
[調製例4]
清水17.5kgに殺菌卵黄(固形分45%、キユーピー(株)製)0.5kgを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、50℃に加温し、次に5000rpmで攪拌及び真空度350mmHgで脱気しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)2kgを除々に添加し、添加し終えたところで、さらに同回転数で30分間攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。得られた複合体の分散液を噴霧乾燥機を用いて、送風温度170℃、排風温度70〜75℃の条件で乾燥し、複合体を得た。なお、得られた乾燥状の複合体の構成比は、調製例3のものと同じである。
[実施例1]
下記の配合のミートソースを製した。つまり、球形ニーダーにサラダ油を入れて熱し、牛肉の挽肉、適宜の大きさにカットした野菜(トマト、玉葱、セロリ)、マッシュルームを入れてソテーした後、トマトペースト、清水、上白糖、デンプン、食塩、調製例4で得られた乾燥状の複合体、香辛料を順次投入し、95℃で10分間撹拌しながら、加熱した。これをそれぞれ140g(1食分)ずつアルミパウチに充填・密封した後120℃で20分間加熱殺菌処理し、冷却してミートソースを製した。なお、得られたミートソースには、複合体が0.9%配合されている。
<配合割合>
野菜(トマトなど) 44%
マッシュルーム 8%
トマトペースト 6%
牛肉 6%
上白糖 3%
デンプン 2%
サラダ油 2%
食塩 1%
乾燥状の複合体(調製例4) 0.9%
香辛料 0.1%
清水 残余
――――――――――――――――――――
100%
[比較例1]
実施例1のミートソースにおいて、調製例4の複合体に換えて複合体の原料である植物ステロール(調製例1と同じもの)を配合した以外は同様の方法でミートソースを製した。なお、植物ステロールの配合量を実施例1と合わせるため、植物ステロールを0.8%配合した。
[試験例1]
実施例1及び比較例1で得られたミートソースを湯煎により温めた後、パウチから取り出し、油浮きの程度を下記に示す対照品を基準に評価を行った。
[対照品]
実施例1のミートソースにおいて、調製例4の複合体を配合しなかった以外は同様の方法でミートソースを製した。
Figure 2008167693
表4より、複合体に換えて複合体の原料である植物ステロールを配合した比較例1のミートソースは、複合体を配合しなかった対照品と同程度の油浮きを生じていた。さらには植物ステロールが凝集してダマ状となり、外観上好ましくないミートソースとなった。これに対し、複合体を配合した実施例1のパスタソースは、油浮き現象が軽減され、外観も良好であった。これより、複合体を配合することではじめて油浮き現象が軽減されることが理解される。なお、ここでは示していないが、複合体の原料である植物ステロールを植物スタノールに変更した場合も同様の結果となった。
[実施例2]
下記の配合のミートソースを製した。つまり、球形ニーダーにサラダ油を入れて熱し、牛肉の挽肉、適宜の大きさにカットした野菜(玉葱、人参)を入れてソテーした後、トマトペースト、清水、ドミグラスソース、上白糖、食塩、調製例4で得られた乾燥状の複合体、香辛料を順次投入し、95℃で10分間撹拌しながら、加熱した。これをそれぞれ140g(1食分)ずつアルミパウチに充填・密封した後116℃で35分間加熱殺菌処理し、冷却してミートソースを製した。なお、得られたミートソースには、複合体が0.9%配合されている。
<配合割合>
牛肉 30%
野菜(玉葱、人参) 30%
トマトペースト 9%
ドミグラスソース 5%
サラダ油 2%
上白糖 2%
食塩 1%
乾燥状の複合体(調製例4) 0.8%
香辛料 0.1%
清水 残余
――――――――――――――――――――
100%
得られたミートソースは、複合体を配合しなかったものと比べ、油浮き現象が軽減されていた。
[実施例3]
下記の配合のミートクリームソースを製した。つまり、球形ニーダーにサラダ油およびバターを入れて熱し、牛肉および豚肉の挽肉、適宜の大きさにカットした玉葱、マッシュルームを入れてソテーした後、清水、デンプン、食塩、調製例4で得られた乾燥状の複合体、上白糖、小麦粉を加熱撹拌して均一化しておいたものを添加し、加熱した。最後に生クリームを加えてミートクリームソースを製し、これをそれぞれ300g(2食分)ずつ缶に充填・密封した後120℃で20分間加熱殺菌処理し、冷却した。なお、得られたミートクリームソースには、複合体が1%配合されている。
<配合割合>
牛肉、豚肉 12%
生クリーム 11%
玉葱 7%
マッシュルーム 5%
デンプン 3%
サラダ油 1.5%
食塩 1%
乾燥状の複合体(調製例4) 1%
上白糖 1%
バター 1%
小麦粉 0.7%
清水 残余
――――――――――――――――――――
100%
得られたミートクリームソースは、複合体を配合しなかったものと比べ、油浮き現象が軽減されていた。

Claims (6)

  1. 肉類の配合率が全配合質量基準で6%以上のパスタソースにおいて、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合することを特徴とするパスタソース。
  2. 肉類が挽肉である請求項1記載のパスタソース。
  3. パスタソースがミートソースである、請求項1又は2記載のパスタソース。
  4. 100℃を超える加熱殺菌を施してなる、請求項1乃至3記載のパスタソース。
  5. 前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である請求項1乃至4記載のパスタソース。
  6. 前記複合体の配合量が製品に対して0.01〜10%である請求項1乃至5のいずれかに記載のパスタソース。
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