JP2008164760A - 電子鍵盤楽器の鍵盤構造におけるハンマ部材の加工方法及びそのハンマ部材を備えた電子鍵盤楽器の鍵盤構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鍵盤配列と同配列に配列された隣り合うハンマ部材2が低音側から高音側へ向かって軽量となるように、同種の鍵1に対応して配列された各ハンマ部材2において隣り合う各ハンマ部材2、又は全ての鍵1に対応して配列された各ハンマ部材2において隣り合う各ハンマ部材2の周端部を段差なく連続する傾斜形状に成形する。
【選択図】図3
Description
前記構成のハンマ部材は、各鍵の直下に、前記ハンマ支点部にて上下方向に回動自在に支持されていて、前記質量部材の重量により回動支点構成部側を常に上方に位置させる方向に付勢している。
したがって、前記ハンマ部材における付勢力は、前記回動支点構成部に設けられた下側延設部を介して鍵を上方に付勢するように作用し、この付勢力を押鍵時における抵抗として作用させることにより、アコースティックピアノのような鍵タッチ感を得ることができる。
したがって、前記のようにハンマ部材の長さや重さを換えて鍵毎の鍵タッチ感に差異を生じさせることによって、アコースティックピアノの鍵タッチ感により近づけることができる。
しかしながら、このような手段の場合、様々な長さ、重さ、材質、形状のハンマシャンクや錘の製作及びその部品管理を要し、更には、このようなハンマシャンクや錘を鍵毎に対して、低音側から高音側に行くに従って短くなる順や軽くなる順で組み付ける作業を要するため、各部品管理やハンマ部材の組み付け作業に手数が掛かるものであった。
又、本発明でいう「傾斜形状に成形する」とは、例えば、切断又は切削等の手段により、各ハンマ部材の周面を段差なく連続する傾斜形状に成形することを意味する。
ここで、「切断」とは、カットソーやカッター等の周知の切断機や切断器具により、各ハンマ部材の周面を切り取ることを意味し、「切削」とは、グラインダー等の周知の切削機や切削器具により、各ハンマ部材の周面を削り取ることを意味する。
又、本発明でいう「ハンマ部材の周端部」とは、ハンマ部材の長手方向側(鍵の長手方向側)の周端部、ハンマ部材の幅方向側(鍵の配列方向側)の周端部、ハンマ部材の厚さ方向側(鍵の厚さ方向側(上下方向側))の周端部等、ハンマ部材の全ての周端部を意味する。
尚、本形態では、電子鍵盤楽器の鍵盤構造を説明し、この説明中においてハンマ部材の加工方法を説明する。
又、ハンマ部材2は、押鍵前において、質量部材22の重量が、前記回動支点構成部20側を上方に位置させるとともに、回動支点構成部20における下側延設部24を介して、鍵1の定位置(押鍵前の位置)を保持する方向(上方)に付勢するように作用している。
すなわち、前記質量部材22の重量による付勢力により、押鍵動作に対して抵抗を与えてアコースティックピアノのような鍵タッチ感が得られるようにしたものである。
図中符号3は押鍵動作を検出するスイッチ部 符号4は質量部材22の上下動時の接触によるショックを緩衝する緩衝材である。
本形態の質量部材22は、金属棒状体を上下方向に折り返した略フック状に形成されたものであり、該質量部材22の回動支点構成部20側(以下、「後端側」という)とは反対側(以下「前端側」)の端部(周端部)22Aを切断又は切削等の加工方法で切欠することにより重さが調整されている。
又、ハンマ部材2毎にその質量部材22の切欠量を変えることで、各鍵1の低音側から高音側に行くに従って軽量となるようにしている。
具体的には、前記端部22Aは、質量部材22の長さが各鍵1の低音側から高音側に行くに従って短くなるように、且つハンマ部材2の配列時においてその端部22Aが段差なく連続する傾斜形状となるように切欠された切欠面として成形されている。
すなわち、前記で例示した特許文献2に記載の発明では、低音側と高音側との鍵タッチ感を変化させる手段として、ハンマ部材のその長さを低音側から高音側に行くに従って段差をもって短くする手段を採用しているが、このように各ハンマ部材の長さを変えた場合、図4(b)に示すように、各ハンマ部材の重量が段階的に軽くなるため、本形態のような低音側と高音側との鍵タッチ感の滑らかな変化が期待できないものと思われる。
しかしながら、本形態におけるハンマ部材2の配列時において、その端部22Aが段差なく連続する傾斜形状となるように切欠して成形されているため、図4(a)に示すように、各ハンマ部材2の低音側と高音側との鍵タッチ感を滑らかに変化させることが期待できる。
尚、本形態では、図1及び図3で示したハンマ部材2における質量部材22の加工方法を例示するものであり、該ハンマ部材2のみを概略的に図示している。
又、後述する質量部材22を切欠する際に、その配列状態がずれないように保持することが好ましい。
又、ハンマ部材2の配列作業を迅速、且つ正確に配列し、しかも、配列状態を保持して切断作業又は切削作業を迅速に、且つ正確に行えるようにするために、ハンマ部材2を支持する治具を用いてもよい(図示せず)。
又、ハンマ部材2の配列状態を保持する他の手段として、粘着テープや固定ベルト等で配列されたハンマ部材2を巻付け固定する手段が挙げられる。
又、ハンマ部材2の配列状態を保持する他の手段として、ハンマ部材2を電子鍵盤楽器に対して組み付けることで、配列状態を保持する手段も挙げられ、この場合、質量部材22の切断作業及び切削作業は、ハンマ部材2が電子鍵盤楽器に組み付けられた状態で行われる。
又、質量部材2の切断又は切削には、カットソーやカッター等、あるいはグラインダー等の周知の切断機又は切断器具や切削機又は切削器具が使用できる。
仮に、セット内の各ハンマ部材2がばらばらになった場合でも、その段差なく傾斜する配列状態が視覚的に確認しやすいものであるため、ハンマ部材2を正しく配列し直すことが容易である。
この形態では、質量部材22の後方側の端部を、回動支点構成部20における前記連結凹部21に挿し込み連結する前に、質量部材22を前記の形態と同様に配列した状態でその端部を切欠し、該質量部材22を前記連結凹部21に挿し込むことでハンマ部材2を構成する(図示せず)。
すなわち、ハンマ部材を鍵盤配列と同配列として配列して該ハンマ部材の質量部材を切欠する際に、質量部材の長さを低音側から高音側に行くに従って段差をもって短くなるように切欠することにより、アコースティックピアノのような鍵タッチ感を得るためのハンマ部材の加工及びその部品管理、更には、ハンマ部材の組み付けに対する手数を削減できるという作用効果を得ることができる。
本形態のハンマ部材2は、図1乃至図3で例示した形態の質量部材22に換えて、前方側が上方へ突出する段部22Bとされた略L形に形成された質量部材22を用いたものである。
又、本形態の質量部材22は、前記段部22Bの前方側の端部22Cを切欠することにより、各ハンマ部材2の重量を換えている。
又、側面視において略L型を呈する板を用いて、図6に示すように成形された質量部材22を切断する場合、質量部材22を鍵盤配列と同配列となるように切断すると同時に、配列された隣り合う質量部材22が低音側から高音側へ向かって軽量となるように、各質量部材の段部22Bの端部22Cを切欠する方法も採用できる(図示せず)。
1:鍵
2:ハンマ部材
20:回動支点構成部
22:質量部材
22A:端部(切欠面)
22B:段部
22C:端部(切欠面)
Claims (2)
- 電子鍵盤楽器における鍵毎に備えられ、該鍵の押鍵と連動して回動することにより該押鍵に対して抵抗を与えるハンマ部材の加工方法であって、
前記ハンマ部材を鍵の配列と同配列に配列する工程、
配列された隣り合うハンマ部材が低音側から高音側へ向かって軽量となるように、同種の鍵に対応して配列された各ハンマ部材において隣り合う各ハンマ部材、又は全ての鍵に対応して配列された各ハンマ部材において隣り合う各ハンマ部材の周端部を段差なく連続する傾斜形状に成形する工程、
を含むことを特徴とする電子鍵盤楽器の鍵盤構造におけるハンマ部材の加工方法。 - 電子鍵盤楽器における鍵毎に備えられ、該鍵の押鍵と連動して回動することにより該押鍵に対して抵抗を与えるハンマ部材を備えた電子鍵盤楽器の鍵盤構造であって、
前記ハンマ部材は、鍵盤の低音側から高音側へ向かって軽量となるように、同種の鍵に対応して配列された各ハンマ部材において隣り合う各ハンマ部材、又は全ての鍵に対応して配列された各ハンマ部材において隣り合う各ハンマ部材の周端部が段差なく連続する傾斜形状に成形されていることを特徴とする電子鍵盤楽器の鍵盤構造。
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