JP3724323B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、押鍵操作に伴い回動する鍵や質量体等のような回動部材を備えた鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、押鍵操作に伴い回動する鍵や質量体のような回動部材を支持部材によって支持するようにした鍵盤装置が知られている。この装置では、回動部材を回動自在に支持するために、例えば回動部材または支持部材の一方に軸部を、他方にその軸部が嵌合する軸受け部を設け、上記軸部を上記軸受け部に摺動可能に嵌合して回動支持機構が構成される場合がある。回動部材が合成樹脂等で構成される場合は、上記軸部等は、金型成形により回動部材または支持部材の本体と一体に形成されることが多い。
【0003】
金型による成形手法としては、上記軸部の軸線に直交する方向において互いに離接する2つの金型で上記軸部を形成する手法がある。この手法では、例えば上記軸部の上半分を上側金型が受け持ち、下半分を下側金型が受け持つというようにして形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に各金型にはスライド動作の必要上、スライド機構に僅かなクリアランスが設けられているため、金型自身に寸法誤差が全くないと仮定した場合でも、成形品にはスライド方向に直交する方向において上記クリアランスに相当するずれ量が生じ得る。そのため、2つの金型で上記軸部を成形した場合、上記軸部の上半分と下半分との間にずれが生じ、真円を得るのが困難である。
【0005】
また、上記軸部の軸線に沿う方向にスライドする金型で上記軸部を成形する手法もあるが、その場合でも、上記と同様に金型のスライド機構のクリアランスによって上記軸部が本来の狙い位置から偏心し、上記軸受け部に対する芯ずれが生じる場合があり得る。さらに、上記軸部が例えば左右両側に突出するような2つの突部として形成され、軸線に沿う方向に互いに離接する2つの金型で両軸部が形成される場合でも、両軸部同士間で偏心が生じ、少なくとも一方の軸部が上記軸受け部に対して芯ずれを生じることになる。
【0006】
このような金型成形の精度上の理由から、上記軸部を正規の位置に真円として形成することが困難であるため、上記軸受け部側の対応する円弧部は一般に、上記誤差を許容することができる寸法に設定される。すなわち、十分なクリアランスを設けた大きめの円弧に設定される。その結果、押鍵操作による回動時に上記軸部及び上記軸受け部間の相対的運動によってあばれが生じやすく、回動動作が不安定となり、メカノイズが発生するだけでなく、耐久性も悪化するという問題があった。特に、押鍵操作による質量体の回動のように、回動部材の支点部に強い力が加わる態様や速い速度で回動するような態様で使用される場合は、これらの不具合が無視できず、振動が押鍵する手に伝わり押鍵感触にも悪影響を与えるという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で、押鍵時における安定した回動動作を確保して、メカノイズの低減、押鍵感触の向上及び耐久性の向上を図ることができる鍵盤装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、回動部材が有する嵌合部と支持部材が有する被嵌合部とを嵌合して回動支点機構を構成することによって、押鍵操作に伴い前記支持部材により前記回動部材が回動中心を中心に回動自在に支持されるように構成すると共に、前記回動部材をその回動初期位置に復帰させるための復帰手段を備えた鍵盤装置であって、前記回動支点機構を、押鍵操作範囲内に対応する前記回動部材の回動角度では前記回動部材の嵌合部と前記支持部材の被嵌合部との嵌合状態が維持される一方、押鍵操作範囲外に対応する前記回動部材の回動角度では前記回動部材の嵌合部と前記支持部材の被嵌合部との嵌合操作及び嵌合の解除をなし得るように構成し、前記回動部材の嵌合部及び前記支持部材の少なくとも一方に弾性片を一体的に設けることによって、前記回動部材の嵌合部を前記回動中心近傍に向かって付勢するための付勢機構を構成し、前記弾性片は、前記回動部材の嵌合部の外側と前記支持部材との間において、前記回動中心を中心とした円弧曲線に沿って延設されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、回動部材が有する嵌合部と支持部材が有する被嵌合部とを嵌合して回動支点機構が構成される。押鍵操作範囲内に対応する回動角度では嵌合部と被嵌合部との嵌合状態が維持され、押鍵操作に伴い回動部材が回動中心を中心に回動する。押鍵操作を解除すると復帰手段によって回動部材がその回動初期位置に復帰する。押鍵操作範囲外に対応する回動角度では嵌合部と被嵌合部との嵌合操作及び嵌合の解除をなし得る。回動部材の嵌合部は付勢機構によって回動中心近傍に向かって付勢されるので、回動部材の嵌合部または支持部材の被嵌合部の製造誤差を考慮して両者間にクリアランスを設けた場合であっても、両者間であばれが発生しにくく、両者の適切な嵌合状態が維持され、回動動作が安定する。その結果、メカノイズを低減することができ、押鍵する手に伝わる振動を減少させて押鍵感触の悪化を抑制することができだけでなく、耐久性を向上することができる。また、付勢機構は回動部材の嵌合部及び支持部材の少なくとも一方に弾性片を一体的に設けることによって構成されるので、構成が簡単である。よって、簡単な構成で、押鍵時における安定した回動動作を確保して、メカノイズの低減、押鍵感触の向上及び耐久性の向上を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置の部分縦断面図である。同図では、上ケースや蓋体等は省略されている。なお、以下、本鍵盤装置の演奏者側(同図左方)を前方、演奏者からみて鍵後端方向(同図右方)を後方とそれぞれ称する。
【0012】
本装置は、例えば電子鍵盤楽器として構成され、押鍵操作されるシーソー型の鍵1(白鍵1W及び黒鍵1B)と、質量体支持部材20と、該支持部材20によって回動自在に支持され鍵1によって駆動されて回動する質量体40(回動部材)とを有する。質量体40は、白鍵1W及び黒鍵1Bの各々に対応して設けられ、質量配分等を除きいずれも同様に構成される。支持部材20は、例えば全鍵一体に構成される。なお、1オクターブ毎または複数オクターブ毎に構成してもよい(図2では1オクターブ分を図示した)。
【0013】
棚板2上には鍵フレーム10が設けられている。鍵フレーム10上には鍵支持部3が設けられ、鍵支持部3には支点ピン6(白鍵用支点ピン6W、黒鍵用支点ピン6B)が各鍵1に対応して突設されている。各鍵1W、1Bにはそれぞれ支点穴1Wa、1Baが設けられている。支点穴1Wa、1Baはいずれも、下方に向かって縮径している。各鍵1の鍵盤装置本体への組み付け(鍵フレーム10を介した棚板2への取り付け)時には、支点ピン6が支点穴1Wa、1Baを貫通し、これにより、各鍵1の鍵並び方向及び鍵長手方向の位置が規制されると共に、各鍵1が鍵支持部3によって押離鍵方向に回動自在に支持される。各鍵1の後端部上面には、発泡ウレタンが貼着され、さらにその上面には摺動しやすいテープが貼着されている。これら発泡ウレタン及びテープからなる弾性体が貼着された部分は後述する質量体40の発音位置調整ネジ41と当接して質量体40を駆動する駆動部9として機能する。上記弾性体により当接がチャタリングなく円滑にされている。すなわち、弾性体により、鍵1と質量体40との間において、駆動時の振動インピーダンスマッチングを適切にとることができる(オーバーシュートによる振動モードを発生しない)ということである。
【0014】
鍵フレーム10の前部には、押鍵ストッパ4(白鍵用押鍵ストッパ4W、黒鍵用押鍵ストッパ4B)が白鍵全鍵に亘って共通に設けられ、また黒鍵全鍵に亘って共通に設けられている。キーガイド5(白鍵用キーガイド5W、黒鍵用キーガイド5B)は、各鍵1毎に設けられている。押鍵ストッパ4は鍵1と当接して鍵1の押鍵の回動終了位置を規制する。キーガイド5は、鍵1の回動時における鍵並び方向への揺動を抑制する。
【0015】
鍵フレーム10上における押鍵ストッパ4、キーガイド5の後方であって鍵支持部3の前方には、スイッチ基板7が設けられ、該スイッチ基板7には各鍵1毎に第1の鍵スイッチ8が設けられている。第1の鍵スイッチ8は主として押鍵操作を検出する。
【0016】
質量体支持部材20は、棚板2上における鍵1の後端部近傍に設けられている。支持部材20の前部には、非押鍵時用ストッパ21が全鍵共通に設けられており、非押鍵時用ストッパ21は、鍵1と当接して鍵1の押鍵開始位置(あるいは押鍵初期位置とも称する)(図1)、すなわち非押鍵時の位置を規制する。支持部材20の後部には、質量体用ストッパ22が全質量体共通に設けられている。質量体用ストッパ22は、質量体40の当接部44と当接して、押鍵に伴う質量体40の回動の終了位置を規制すると共に、緩衝機能を果たす。
【0017】
支持部材20にはさらに、スイッチ基板23が設けられる。スイッチ基板23は、複数の支持部材20に対応、例えば全鍵に対応して設けられ、ネジ24によって支持部材20に固定されている。スイッチ基板23上には第2の鍵スイッチ25が各質量体40毎に設けられている。第2の鍵スイッチ25は、質量体40によって押下され、主として鍵1の離鍵動作を間接的に検出する。なお、本実施の形態では、設定モードにより第1の鍵スイッチ8及び第2の鍵スイッチ25の双方による検出結果に基づいて、所定のアルゴリズムによる多彩な楽音制御が可能なように構成されているが、鍵スイッチ8及び第2の鍵スイッチ25のいずれか一方による検出結果に基づいて楽音制御を行うようにしてもよい。
【0018】
図2は、支持部材20を上方からみた平面図である。同図では、鍵1や質量体40等が取り付けられていない状態が示されている。同図に示すように、支持部材20には、各質量体40を軸支するための軸支部Eが各質量体40に対応して設けられる。
【0019】
図3は、軸支部Eの構成を示す図である。同図(a)は1つの軸支部E近傍を示す部分平面図、同図(b)は同図(a)のA−A線に沿う部分断面図、同図(c)は同図(a)に示す1つの軸支部Eを同図左方(支持部材20の前方)からみた部分正面図である。
【0020】
図2、図3(a)に示すように、軸支部Eは、前壁部33の後方で両側壁部34及び仕切壁部35で囲まれた空間に構成され、回動軸部32(被嵌合部)を有する。
【0021】
回動軸部32は、左側突起部32L及び右側突起部32Rが、両側壁部34から互いに対向して内向きに突設されて構成される。突起部32L、32Rは、図3(b)に示すように円形の軸から軸対称の2つの円弧を切欠した上下方向に長い小判型の形状をしている。突起部32L、32Rの上部及び下部には、後述する質量体40の軸受け部45(嵌合部)の欠円Rに嵌合する円弧部(32La及び32Lb、32Ra及び32Rb)が形成される。
【0022】
これら前壁部33、側壁部34、仕切壁部35及び回動軸部32は、金型による成形で支持部材20と一体に形成される。その際、成形には、支持部材20に対して上下方向に離接する2つの金型が少なくとも用いられる。そして、例えば突起部32の上側円弧部32a(32La、32Ra)は上側金型により成形され、突起部32の下側円弧部32b(32Lb、32Rb)は下側金型により成形される。金型成形による製造誤差により、上側円弧部32aと下側円弧部32bとがずれ、同心円上に位置しない場合があるため、後述する軸受け部45の欠円Rの直径は、この製造誤差を考慮して適当なクリアランスを加えた値に設定される。従って、上側円弧部32aと下側円弧部32の各直径は、軸受け部45の欠円Rの直径よりも小さい。
【0023】
突起部32L、32Rの前後方向(図3(b)の左右方向)の胴体幅は、軸受け部45の欠円Rの開口部Ra(後述)の幅より小さく形成され、突起部32L、32Rが開口部Raを通過できるようになっている。
【0024】
仕切壁部35の上部における前部には、スライド面35aが形成されている。スライド面35aは、軸支部Eの鍵幅方向における略中央の一部において凹状の円弧状に形成される。スライド面35aの曲率半径の中心は回動軸部32の軸中心に略一致している。スライド面35aは、後述するように、軸受け部45の弾性片48と当接して、回動する質量体40を回動中心Pに向けて付勢する役割を果たす。
【0025】
図4は、質量体40の構成を示す側面図である。図5は、質量体40の軸受け部45の構成を示す部分拡大図(同図(a))及び部分斜視図(同図(b))である。
【0026】
質量体40は、適当な押鍵感触を得るために設けられる。図4に示すように、質量体40は、軸受け部45から前方に延びる前方延設部40Aと、軸受け部45から後方に延びる後方延設部40Bとから構成される。質量体40には、押鍵時に適当な慣性力を得るための質量として、前方延設部40Aの頭部46及び後方延設部40Bの尾部47に鉄等の金属が埋設されている。
【0027】
質量体40は、前方延設部40Aの方が後方延設部40Bよりも重く設定され、鍵1が組み付けられた後は、自重によって頭部46が押鍵開始位置の方向に常に付勢されている(復帰手段)。従って、非押鍵状態及び押鍵初期には鍵1の駆動部9と常に当接し、鍵1と質量体40とが連動状態となる。そして押鍵操作が終了すれば自然に押鍵開始位置に復帰する。なお、押鍵態様によっては押鍵行程途中から質量体40が鍵1の駆動部9から離間する場合がある。
【0028】
後方延設部40Bの下面には、アクチュエータ42が設けられ、アクチュエータ42は、質量体40の回動に伴い支持部材20の鍵スイッチ25を押下する。後方延設部40Bの後端部下面には、当接部44が形成されている。当接部44は、質量体40の回動によって支持部材20の質量体用ストッパ22に当接する。
【0029】
発音位置調整ネジ41は、延設部40Aに設けられている。発音位置調整ネジ41は、頭部41a、調整部41b及び軸部41cが一体となって構成され、例えば質量体40の金型による成形時にインサート成形により質量体40に取り付けられる。発音位置調整ネジ41は、頭部41aが鍵1の駆動部9と当接して押鍵による駆動力を質量体40に伝達し、これによって質量体40が回動する。
【0030】
発音位置調整ネジ41の頭部41aは曲面状に形成されており、鍵1の駆動部9との当接点が回動行程において滑らかに移動して、押鍵感触への悪影響が防止されている。調整部41bには例えばプラスまたはマイナス状の溝が切られ、あるいは六角穴状または六角柱状に形成され(図示せず)、頭部41aの下方への突出量をドライバやレンチで調整可能になっており、これによって、質量体40の回動量と鍵スイッチ25の検出による発音タイミングとの関係を調整することができる。
【0031】
軸受け部45は、質量体40と一体に形成され、左右両側面に同様の構成で左右対称に設けられる。図5に示すように、軸受け部45は、内周面45a及び開口部Raからなる欠円Rを形成している。
【0032】
欠円Rの内周面45aの直径は、上述したように、金型成形時の製造誤差を許容するためのクリアランスを含んだ値となっており、支持部材20の回動軸部32(突起部32L、32R)の円弧部(32a、32b)の外周が摺動可能に嵌合する大きさに設定される。欠円Rの開口部Raの幅は、突起部32L、32Rの円弧部の直径より小さく形成され、突起部32L、32Rは内周面45aと嵌合している状態では開口部Raを通過できないようになっている。質量体40は、回動軸部32によって軸受け部45で回動自在に支持されることで、押離鍵時に軸受け部45を回動中心として回動する。小判型の回動軸部32と欠円状の軸受け部45とで質量体40の回動支点機構M(図7、図8)を構成することで、簡単な構成で係合及びその解除を容易にしている。
【0033】
押鍵操作範囲外に対応する質量体40の回動角度のうち、押鍵操作開始時における質量体の回動開始位置(図1)よりも同図反時計方向の回動角度では、突起部32L、32Rが開口部Raを通過できる一方、押鍵操作範囲内(図1の状態から後述する図8の状態までの回動範囲)に対応する質量体40の回動角度では、突起部32L、32Rが開口部Raを通過できないように、回動軸部32における円弧の切欠位置や軸受け部45の開口部Raの配置角度等が設定されている。
【0034】
軸受け部45の両側面には摺接面45b及び潤滑剤用溝45cが複数形成される。複数の摺接面45bはいずれも面一に形成され、質量体40を支持部材20に組み付けたとき、支持部材20の軸支部Eの両側壁部34に摺接する。内周面45a等にはグリス等の潤滑剤が塗布される。
【0035】
質量体40の軸受け部45の下部には、弾性片48が質量体40と一体に形成されている。弾性片48は、質量体40の側面からみてひげ状に形成され、回動中心Pを中心とした円弧曲線に沿って根本から自由端部に向かって延び、回動中心P方向に対して適当な弾性を有する。弾性片48の先端部48aは、後述するように、回動時に仕切壁部35のスライド面35aと当接し、スライド面35aから受ける当接力を軸受け部45に伝える。弾性片48及びスライド面35aは、軸受け部45を回動中心P方向に向かって付勢するための付勢機構Nを構成する(図7、図8)。
【0036】
図6は、質量体40の組み付け時の状態を示す部分断面図である。
【0037】
質量体40の支持部材20への組み付けは次のようにしてなされる。すなわち、同図に示すように質量体40の欠円Rの開口部Raが下方を向くようにして回動軸部32に向かって質量体40を上方から降ろしていく。そして、突起部32L、32Rが両側の開口部Raをそれぞれ通過するようにする。なお、このときの質量体40の姿勢は、組み付け後の押鍵による押鍵操作範囲外に対応する回動角度となっている。質量体40が支持部材20に組み付けられた直後の状態では頭部46が下がっており、上方から下降させるときの姿勢とほぼ同じである。従って、取り外し時等には、その姿勢のまま上方に上昇させれば突起部32L、32Rと軸受け部45との係合を容易に解くことができ、すなわち質量体40を取り外すことができる。
【0038】
なお、質量体40の支持部材20への組み付け、取り外し時における質量体40の姿勢では、弾性片48は質量体40において上方に垂直に延びており、延設方向が質量体40の抜き方向と一致するので、質量体40の着脱の邪魔になることがない。
【0039】
質量体40を上方から下降させた後、質量体40を回動軸部32に対して適当な角度だけ相対的に回動させる、例えば同図時計方向に回動させて非押鍵時の位置(回動開始位置)まで回動させれば、突起部32L、32Rの円弧部32a、32bが軸受け部45の内周面45aと摺接し、突起部32L、32Rと軸受け部45との係合が維持される状態となる。なお、鍵1の組み付け作業によりこの係合維持状態に自動的に移行するようになっている。
【0040】
図7は、非押鍵状態における回動支点機構M近傍の部分断面図である。
【0041】
鍵1を組み付けた鍵フレーム10及び質量体40を組み付けた支持部材20を、上記のように質量体40を回動自在に適切に支持し得るような棚板2上の正規の位置に配置固定した後は、鍵1の押鍵操作に連動して質量体40が回動開始位置(図1)から回動終了位置(図8)まで回動する。上述したように、押鍵操作範囲内では、突起部32L、32Rが軸受け部45の欠円Rから抜けることがないので、回動全行程において突起部32L、32Rと軸受け部45との係合が維持され、質量体40が支持部材20から離脱することなく回動する。
【0042】
鍵1及び質量体40を組み付けた後、メンテナンス等のため質量体40を取り外したいときは、鍵1を鍵フレーム10から取り外すかまたは鍵1を鍵フレーム10ごと棚板2から取り外す。これにより、質量体40の頭部46が自重で下方に垂れ下がり、上記組み付け直後と同じ姿勢になるので、その姿勢で上方に上昇させれば質量体40を支持部材20から容易に取り外すことができる。
【0043】
なお、非押鍵状態では、弾性片48の先端部48aはスライド面35aの上端より上方に位置し、スライド面35aとは当接していない。
【0044】
図8は、回動終了位置における質量体40及び支持部材20の部分断面図である。押鍵操作に伴い質量体40が回動を開始すると、まもなく弾性片48の先端部48aがスライド面35aに当接し、その後、先端部48aとスライド面35aとの摺接により軸受け部45が回動中心Pに向かって押圧されつつ、質量体40が回動終了位置まで回動していく。先端部48aがスライド面35aと当接(摺接)することにより、弾性片48は、スライド面35aがなかったと仮定した場合に比し、同図に示すように撓みBだけ回動中心P側に撓み、それに応じた付勢力が軸受け部45に加わることになる。これにより、内周面45aが突起部32の上側円弧部32aと下側円弧部32bとに交互に当接離間を繰り返すようなあばれ作用が抑制され、回動中における軸受け部45と回動軸部32との適当な嵌合状態が維持される。
【0045】
本実施の形態によれば、質量体40に弾性片48を設けると共に支持部材20にスライド面35aを設けて付勢機構Nを構成し、質量体40の回動時には軸受け部45が回動中心P方向に向かって付勢されるので、軸受け部45の内周面45aが突起部32の上側円弧部32a及び下側円弧部32bに対して交互に当接離間を繰り返すようなことがなく滑らかに摺接し、軸受け部45と回動軸部32との間であばれが発生しにくい。従って、回動軸部32と軸受け部45とに金型成形による製造誤差を考慮したクリアランスを設ける通常の設計であっても、両者の適切な嵌合状態が維持され、質量体40の回動動作が安定する。その結果、メカノイズを低減することができ、押鍵する手に伝わる振動を減少させて押鍵感触の悪化を抑制することができだけでなく、回動支点機構Mの耐久性を向上することができる。また、付勢機構Nは質量体40と一体に形成され、スライド面35aに当接するだけで付勢力が得られるように構成したので、構成が簡単で、製造コストも高くならない。よって、簡単な構成で、押鍵時における安定した回動動作を確保して、メカノイズの低減、押鍵感触の向上及び耐久性の向上を図ることができる。
【0046】
特に質量体40は軸受け部45にかかる力が強く、また回動速度も一般に速いので、質量体40に適用したことで、押鍵感触に与える悪影響を抑制する効果が大きい。
【0047】
なお、本実施の形態では、質量体40の弾性片48と支持部材20のスライド面35aとで付勢機構Nを構成するようにしたが、これとは逆に、弾性片48を支持部材20側に設け、スライド面35aを質量体40側に設けるようにしてもよい。また、質量体40を回動中心Pに向けて付勢する構成であれば、その他の構成を採用してもよい。
【0048】
なお、本実施の形態では、質量体40の回動途中から弾性片48の先端部48aがスライド面35aに当接するようにしたが、当接のタイミングはスライド面35aの上端位置や弾性片48の長さ等の変更により任意に設定可能である。これらは質量体の重さや慣性特性に応じて適当に設定すればよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、スライド面35aを回動軸部32の軸中心を中心とした円弧の一部として形成したが、これに限るものでなく、スライド面35aの形状の設定により、回動行程において付勢力が変化するように構成することも可能である。例えばスライド面35aが下方にいくにつれて回動軸部32の軸中心に近づくように設定すれば、質量体40の回動往行程の後半にいくほど加わる付勢力が徐々に強くなる。このようにして、質量体40の重さ等の設計に応じた最適な付勢力の変化態様を実現することができる。
【0050】
なお、本実施の形態では質量体40に適用した例を示したが、鍵盤装置において回動する回動部材であれば、鍵等の他の回動部材にも適用可能である。特に、軸部を真円に形成することが困難な部材に適用して好適である。
【0051】
なお、軸受け部45と回動軸部32の構成は上記例示したものに限るものでなく、特定の相対的な回動方向では係合及び係合解除が可能で、別の回動方向では係合の解除ができないようにすれば他の構成を採用してもよい。例えば、突起部32L、32Rは、円形の軸から軸対称の2つの円弧を切欠した小判型の形状に形成したが、これに代えて、円形の軸から1つの円弧を切欠した軸部として構成してもよい。あるいは軸受け部45と回動軸部32との形態を逆にし、質量体40側に小判型の軸部を、支持部材20側に欠円状の軸受け部をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る鍵盤装置によれば、簡単な構成で、押鍵時における安定した回動動作を確保して、メカノイズの低減、押鍵感触の向上及び耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置の部分縦断面図である。
【図2】 支持部材を上方からみた平面図である。
【図3】 軸支部Eの構成を示す図である。
【図4】 質量体の構成を示す側面図である。
【図5】 質量体の軸受け部の構成を示す部分拡大図(同図(a))及び部分斜視図(同図(b))である。
【図6】 質量体の組み付け時の状態を示す部分断面図である。
【図7】 非押鍵状態における回動支点機構M近傍の部分断面図である。
【図8】 回動終了位置における質量体及び支持部材の部分断面図である。
【符号の説明】
1 鍵、 2 棚板、 3 鍵支持部、 10 鍵フレーム、 20 質量体支持部材、 32 回動軸部(被嵌合部)(突起部32L、32R)、 32a上側円弧部、 32b 下側円弧部、 34 両側壁部、 35 仕切壁部、35a スライド面、 40 質量体(回動部材)、 41 発音位置調整ネジ、 45 軸受け部(嵌合部)、 45a 内周面、 46 頭部、 47 尾部、 48 弾性片、 48a 先端部、 E 軸支部、 R 欠円、 Ra開口部、 M 回動支点機構、 P 回動中心、 N 付勢機構

Claims (1)

  1. 回動部材が有する嵌合部と支持部材が有する被嵌合部とを嵌合して回動支点機構を構成することによって、押鍵操作に伴い前記支持部材により前記回動部材が回動中心を中心に回動自在に支持されるように構成すると共に、前記回動部材をその回動初期位置に復帰させるための復帰手段を備えた鍵盤装置であって、
    前記回動支点機構を、押鍵操作範囲内に対応する前記回動部材の回動角度では前記回動部材の嵌合部と前記支持部材の被嵌合部との嵌合状態が維持される一方、押鍵操作範囲外に対応する前記回動部材の回動角度では前記回動部材の嵌合部と前記支持部材の被嵌合部との嵌合操作及び嵌合の解除をなし得るように構成し、
    前記回動部材の嵌合部及び前記支持部材の少なくとも一方に弾性片を一体的に設けることによって、前記回動部材の嵌合部を前記回動中心近傍に向かって付勢するための付勢機構を構成し
    前記弾性片は、前記回動部材の嵌合部の外側と前記支持部材との間において、前記回動中心を中心とした円弧曲線に沿って延設されていることを特徴とする鍵盤装置。
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