JP6680033B2 - 回動機構および鍵盤装置 - Google Patents
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Description
本発明は、回動機構に関する。また、本発明は、回動機構が備えられた鍵盤装置に関する。
従来のグランドピアノやアップライトピアノなどのアコースティックピアノは、多くの部品によって構成されている。また、これらの部品の組み立ては非常に複雑であるため、組み立て作業にかかる時間が長くなってしまう。特に、各鍵に対応して設けられるアクション機構は、多くの部品が必要であり、その組み立て作業も非常に複雑である。
アクション機構は、鍵を通して演奏者の指に感覚(以下、タッチ感という)を与えるために、鍵の下方に錘が備えられたハンマを有する。ハンマは、鍵の押鍵動作に応じてハンマに備えられた錘を持ち上げるように回動する。例えば、特許文献1に示すハンマは、軸部に対して、円形状に開口された軸受部を嵌合させることで、フレームに取り付けられている。特許文献1では、軸部の径に対して軸受部の開口端の幅が狭い、いわゆるスナップフィットによって軸受部が軸部に取り付けられている。
特許文献1に示す一般的なスナップフィットの構造では、軸受部の開口端が軸部を保持する。軸受部は、開口端付近の軸受部と軸部との接点における法線方向に可撓する。この開口端の可撓によって軸部および軸受部の脱着が行われる。つまり、軸部および軸受部を互いに引き離す方向に強い外力が加えられると、軸部が軸受部の開口端を押し広げてしまうため、軸受部は軸部から脱離してしまう。一方、軸部から軸受部が脱離することを抑制するために軸受部の開口端を可撓しにくくすると、軸受部を軸部に装着しにくくなってしまう。
本発明の目的の一つは、軸受部を軸部に容易に装着することができ、かつ軸受部が軸部から脱離しにくい回動機構を実現することにある。
本発明の一実施形態による回動機構は、軸部と、第1接点および第2接点で軸部を支持し、回動軸を中心として回動する軸受部と、軸受部に固定され、第3接点で軸部を支持し、回動軸から第3接点への方向とは異なる方向に可撓する支持部と、を備える。
また、回動軸を中心として、第1接点と第2接点とのなす角、第2接点と第3接点とのなす角、および第3接点と第1接点とのなす角はいずれも180度未満であってもよい。
また、軸受部には、軸部を保持する開口部が設けられ、第1接点および第2接点は、開口部における軸受部の内面に位置し、開口部の開口端は、軸部の最大径以上であってもよい。
また、軸部に対する軸受部の可動域は、第1領域および第2領域を有し、第1領域において、支持部は軸部の一部に係止され、可動域の端部を含む第2領域において、支持部は、軸部が軸受部から脱離可能な状態になるまで可撓してもよい。
また、支持部は、第3接点の接線方向に可撓してもよい。
また、第1接点の軸部又は軸受部の形状、および第2接点の軸部又は軸受部の形状は回動軸を中心とする円弧形状であってもよい。
また、回動軸と第3接点との距離は、回動軸と第1接点との距離および回動軸と第2接点との距離に比べて短くてもよい。
また、支持部は、第3接点において軸部に接続され、軸部の回動に伴い可撓してもよい。
本発明の一実施形態による回動機構は、軸部と、第1接点および第2接点で軸部を支持し、回動軸を中心として回動する軸受部と、軸受部に固定され、回動軸で軸部を支持し、第1接点および第2接点の少なくとも一方から離れる方向に可撓する支持部と、を備える。
また、軸受部には、軸部を保持する開口部が設けられ、第1接点および第2接点は、開口部における軸受部の内面に位置し、開口部の開口端の幅は、軸部の最大径以上であってもよい。
また、支持部は、軸部および軸受部の接点の法線方向とは異なる方向に可撓してもよい。
また、軸部に対する軸受部の可動域は、第1領域および第2領域を有し、第1領域において、支持部は軸部の一部に係止され、可動域の端部を含む第2領域において、支持部は、軸部が軸受部から脱離可能な状態になるまで可撓してもよい。
また、支持部は、軸部および軸受部の接点の接線方向に可撓してもよい。
また、第1接点の軸部又は軸受部の形状、および第2接点の軸部又は軸受部の形状は回動軸を中心とする円弧形状であってもよい。
本発明の一実施形態による鍵盤装置は、鍵と、鍵の押圧に応じて、回動機構を中心に回動するハンマアセンブリと、鍵の下方に配置され、鍵に対する操作を検出するセンサと、センサの出力信号に応じて音波形信号を生成する音源部と、を備える。
本発明によれば、軸受部を軸部に容易に装着することができ、かつ軸受部が軸部から脱離しにくい回動機構を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態における鍵盤装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率(各構成間の比率、縦横高さ方向の比率等)は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。また、以下の説明において、「回動する」は相対的な動作を意味する。例えば、「部材Aが部材Bに対して回動する」とは、固定された部材Aに対して部材Bが回動してもよく、逆に固定された部材Bに対して部材Aが回動してもよく、両者がともに回動してもよい。
<第1実施形態>
[鍵盤装置の構成]
図1は、第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。鍵盤装置1は、この例では、電子ピアノなどユーザ(演奏者)の押鍵に応じて発音する電子鍵盤楽器である。なお、鍵盤装置1は、外部の音源装置を制御するための制御データ(例えば、MIDI)を、押鍵に応じて出力する鍵盤型のコントローラであってもよい。この場合には、鍵盤装置1は、音源装置を有していなくてもよい。
[鍵盤装置の構成]
図1は、第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。鍵盤装置1は、この例では、電子ピアノなどユーザ(演奏者)の押鍵に応じて発音する電子鍵盤楽器である。なお、鍵盤装置1は、外部の音源装置を制御するための制御データ(例えば、MIDI)を、押鍵に応じて出力する鍵盤型のコントローラであってもよい。この場合には、鍵盤装置1は、音源装置を有していなくてもよい。
鍵盤装置1は、鍵盤アセンブリ10を備える。鍵盤アセンブリ10は、白鍵100wおよび黒鍵100bを含む。複数の白鍵100wと黒鍵100bとが並んで配列されている。鍵100の数は、N個であり、この例では88個である。この配列された方向をスケール方向という。白鍵100wおよび黒鍵100bを特に区別せずに説明できる場合には、鍵100という場合がある。以下の説明においても、符号の最後に「w」を付した場合には、白鍵に対応する構成であることを意味している。また、符号の最後に「b」を付した場合には、黒鍵に対応する構成であることを意味している。
鍵盤アセンブリ10の一部は、筐体90の内部に存在している。鍵盤装置1を上方から見た場合において、鍵盤アセンブリ10のうち筐体90に覆われている部分を非外観部NVといい、筐体90から露出してユーザから視認できる部分を外観部PVという。すなわち、外観部PVは、鍵100の一部であって、ユーザによって演奏操作が可能な領域を示す。以下、鍵100のうち外観部PVによって露出されている部分を鍵本体部という場合がある。
筐体90内部には、音源装置70およびスピーカ80が配置されている。音源装置70は、鍵100の押下に伴って音波形信号を生成する。スピーカ80は、音源装置70において生成された音波形信号を外部の空間に出力する。なお、鍵盤装置1は、音量をコントロールするためのスライダ、音色を切り替えるためのスイッチ、様々な情報を表示するディスプレイなどが備えられていてもよい。
なお、本明細書における説明において、上、下、左、右、手前および奥などの方向は、演奏するときの演奏者から鍵盤装置1を見た場合の方向を示している。そのため、例えば、非外観部NVは、外観部PVよりも奥側に位置している、と表現することができる。また、鍵前端側(鍵前方側)、鍵後端側(鍵後方側)のように、鍵100を基準として方向を示す場合もある。この場合、鍵前端側は鍵100に対して演奏者から見た手前側を示す。鍵後端側は鍵100に対して演奏者から見た奥側を示す。この定義によれば、黒鍵100bのうち、黒鍵100bの鍵本体部の前端から後端までが、白鍵100wよりも上方に突出した部分である、と表現することができる。
図2は、第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。音源装置70は、信号変換部710、音源部730および出力部750を備える。センサ300は、各鍵100に対応して設けられ、鍵の操作を検出し、検出した内容に応じた信号を出力する。この例では、センサ300は、3段階の押鍵量に応じて信号を出力する。この信号の間隔に応じて押鍵速度が検出可能である。
信号変換部710は、センサ300(88の鍵100に対応したセンサ300−1、300−2、・・・、300−88)の出力信号を取得し、各鍵100における操作状態に応じた操作信号を生成して出力する。この例では、操作信号はMIDI形式の信号である。そのため、押鍵操作に応じて、信号変換部710はノートオンを出力する。このとき、88個の鍵100のいずれが操作されたかを示すキーナンバ、および押鍵速度に対応するベロシティについてもノートオンに対応付けて出力される。一方、離鍵操作に応じて、信号変換部710はキーナンバとノートオフとを対応付けて出力する。信号変換部710には、ペダル等の他の操作に応じた信号が入力され、操作信号に反映されてもよい。
音源部730は、信号変換部710から出力された操作信号に基づいて、音波形信号を生成する。出力部750は、音源部730によって生成された音波形信号を出力する。この音波形信号は、例えば、スピーカ80または音波形信号出力端子などに出力される。
[鍵盤アセンブリの構成]
図3は、第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。図3に示すように、筐体90の内部において、鍵盤アセンブリ10およびスピーカ80が配置されている。スピーカ80は、鍵盤アセンブリ10の奥側に配置されている。このスピーカ80は、押鍵に応じた音を筐体90の上方および下方に向けて出力するように配置されている。下方に出力される音は、筐体90の下面側から外部に進む。一方、上方に出力される音は筐体90の内部から鍵盤アセンブリ10の内部の空間を通過して、外観部PVにおける鍵100の隣接間の隙間または鍵100と筐体90との隙間から外部に進む。
図3は、第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。図3に示すように、筐体90の内部において、鍵盤アセンブリ10およびスピーカ80が配置されている。スピーカ80は、鍵盤アセンブリ10の奥側に配置されている。このスピーカ80は、押鍵に応じた音を筐体90の上方および下方に向けて出力するように配置されている。下方に出力される音は、筐体90の下面側から外部に進む。一方、上方に出力される音は筐体90の内部から鍵盤アセンブリ10の内部の空間を通過して、外観部PVにおける鍵100の隣接間の隙間または鍵100と筐体90との隙間から外部に進む。
鍵盤アセンブリ10の構成について、図3を用いて説明する。鍵盤アセンブリ10は、上述した鍵100の他にも、接続部180、ハンマアセンブリ200およびフレーム500を含む。鍵盤アセンブリ10は、ほとんどの構成が射出成形などによって製造された樹脂製の構造体である。フレーム500は、筐体90に固定されている。接続部180は、フレーム500に対して回動可能に鍵100を接続する。接続部180は、板状可撓性部材181、鍵側支持部183および棒状可撓性部材185を備える。板状可撓性部材181は、鍵100の後端から延在している。鍵側支持部183は、板状可撓性部材181の後端から延在している。棒状可撓性部材185が、鍵側支持部183およびフレーム500のフレーム側支持部585によって支持されている。すなわち、鍵100とフレーム500との間に、棒状可撓性部材185が配置されている。棒状可撓性部材185が曲がることによって、鍵100がフレーム500に対して回動することができる。棒状可撓性部材185は、鍵側支持部183とフレーム側支持部585とに対して、着脱可能に構成されている。なお、棒状可撓性部材185は、鍵側支持部183とフレーム側支持部585と一体となって、または接着等により、着脱できない構成であってもよい。
鍵100は、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153を備える。前端鍵ガイド151は、フレーム500の前端フレームガイド511を覆った状態で摺動可能に接触している。前端鍵ガイド151は、その上部と下部のスケール方向の両側において、前端フレームガイド511と接触している。側面鍵ガイド153は、スケール方向の両側において側面フレームガイド513と摺動可能に接触している。この例では、側面鍵ガイド153は、鍵100の側面のうち非外観部NVに対応する領域に配置され、接続部180(板状可撓性部材181)よりも鍵前端側に存在するが、外観部PVに対応する領域に配置されてもよい。
ハンマアセンブリ200は、フレーム500に対して回動可能に取り付けられている。このときハンマアセンブリ200の軸受部220とフレーム500の軸部520とは少なくとも3点で摺動可能に接触する。ハンマアセンブリ200の前端部210は、鍵100におけるハンマ支持部120の内部空間において概ね前後方向に摺動可能に接触する。この摺動部分、すなわち前端部210とハンマ支持部120とが接触する部分は、外観部PV(鍵本体部の後端よりも前方)における鍵100の下方に位置する。なお、軸部520および軸受部220の接続箇所(回動機構)の構成は後で詳しく説明する。
ハンマアセンブリ200は、回動軸よりも奥側において、金属製の錘部230が配置されている。通常時(押鍵していないとき)には、錘部230が下側ストッパ410に載置された状態であり、ハンマアセンブリ200の前端部210が、鍵100を押し戻している。押鍵されると、錘部230が上方に移動し、上側ストッパ430に衝突する。ハンマアセンブリ200は、この錘部230によって、押鍵に対して加重を与える。下側ストッパ410および上側ストッパ430は、緩衝材等(不織布、弾性体等)で形成されている。
ハンマ支持部120および前端部210の下方には、フレーム500にセンサ300が取り付けられている。押鍵により前端部210の下面側でセンサ300が押しつぶされると、センサ300は検出信号を出力する。センサ300は、上述したように、各鍵100に対応して設けられている。
[ハンマアセンブリの回動機構の構成]
図4は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの回動機構の部分拡大図である。図4(A)は、軸受部220が軸部520に取り付けられた状態を示す図である。図4(B)は、軸受部220のみを示す分解図である。図4(C)は、図4(A)の点線部分の拡大図である。図4を用いてハンマアセンブリ200が軸部520に接続される構成について詳しく説明する。ただし、説明の便宜上、軸部520をハンマアセンブリ200(軸受部220)に脱着すると表現する場合がある。ハンマアセンブリ200は軸受部220、支持部240、接続部250、およびボディ部260を有する。ここで、回動機構900は、ハンマアセンブリ200の回動軸である軸部520、軸部520を支持する軸受部220、および支持部240を含む。下記の説明において、固定された軸部520に対して軸受部220が回動する構成について説明するが、以下の実施形態は固定された軸受部220に対して軸部520が回動する構成に適用することもできる。
図4は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの回動機構の部分拡大図である。図4(A)は、軸受部220が軸部520に取り付けられた状態を示す図である。図4(B)は、軸受部220のみを示す分解図である。図4(C)は、図4(A)の点線部分の拡大図である。図4を用いてハンマアセンブリ200が軸部520に接続される構成について詳しく説明する。ただし、説明の便宜上、軸部520をハンマアセンブリ200(軸受部220)に脱着すると表現する場合がある。ハンマアセンブリ200は軸受部220、支持部240、接続部250、およびボディ部260を有する。ここで、回動機構900は、ハンマアセンブリ200の回動軸である軸部520、軸部520を支持する軸受部220、および支持部240を含む。下記の説明において、固定された軸部520に対して軸受部220が回動する構成について説明するが、以下の実施形態は固定された軸受部220に対して軸部520が回動する構成に適用することもできる。
軸受部220は、第1接点600および第2接点610で軸部520を支持し、回動軸620を中心として回動する。この例では、回動軸620は軸部520の内部に存在する。軸受部220には開口部630が設けられている。この開口部630の内側の領域に軸部520が保持されている。なお、第1接点600および第2接点610は開口部630における軸受部220の内面に位置している。ここで、軸部520は軸受部220と面接触している。第1接点600および第2接点610は、軸部520および軸受部220の接触面における任意の点である。
開口部630の開口端602、612の幅は、軸部520の最大径以上である。つまり、回動機構900は、軸部520が軸受部220によっては係止されない構造である。開口部630の内側にはさらに溝部222が設けられている。また、軸部520の外周に凹部522が設けられている。溝部222および凹部522はグリス溜めとして利用することができる。さらに、溝部222および凹部522が設けられていることで、軸部520および軸受部220の接触面接を小さくすることができ、軸部520および軸受部220の回動動作における摩擦力を小さくすることができる。
支持部240は接続部250およびボディ部260を介して軸受部220に固定されている。接続部250はボディ部260に対して軸受部220とは反対側に設けられている。接続部250はボディ部260からボディ部260の下方に延びている。支持部240は接続部250の下端に結合されており、接続部250から軸受部220に向かって延びている。そして支持部240の先端(軸受部220側の端部)において軸部520を支持する。図4では、支持部240が軸部520を支持する点は回動軸620に概略一致している。なお、図4の支持部240の先端は局面を有している。
支持部240は可撓性を有しており、少なくともボディ部260に近づく方向に可撓する。本実施形態においては、支持部240はボディ部260に近づく方向およびボディ部260から遠ざかる方向に可撓する。換言すると、支持部240は第1接点600および第2接点610の少なくとも一方から離れる方向に可撓する。
ここで、支持部240は、軸受部220が軸部520から脱離する方向(つまり、軸部520から支持部240に向かう方向)への可撓が抑制された構造である。つまり、支持部240は、支持部240および軸部520の接点における法線方向622へ可撓することが抑制される構造である。
第1接点600の軸部520および軸受部220の各々の形状は、回動軸620を中心とする円弧形状である。同様に、第2接点610の軸部520および軸受部220の各々の形状は、回動軸620を中心とする円弧形状である。上記の形状により、軸部520に対する軸受部220の回動動作を滑らかにすることができる。なお、第1接点600の軸部520および軸受部220の各々の形状、ならびに第2接点610の軸部520および軸受部220の各々の形状は回動軸620を中心とする円弧形状でなくてもよい。
[ハンマアセンブリの回動機構の分解方法]
図5は、本発明の一実施形態において、軸受部を軸部から脱離するときの状態について説明する図である。軸受部220が軸部520から脱離する方法として、以下の2通りの方法を例示する。本実施形態において、軸部520はフレーム500に固定されているため、軸受部220が軸部520に対して傾斜することで、軸部520から軸受部220が脱離する。ただし、以下の説明では、軸受部220の向きが固定され、軸受部220に対して軸部520が傾斜した図を用いた。
図5は、本発明の一実施形態において、軸受部を軸部から脱離するときの状態について説明する図である。軸受部220が軸部520から脱離する方法として、以下の2通りの方法を例示する。本実施形態において、軸部520はフレーム500に固定されているため、軸受部220が軸部520に対して傾斜することで、軸部520から軸受部220が脱離する。ただし、以下の説明では、軸受部220の向きが固定され、軸受部220に対して軸部520が傾斜した図を用いた。
図5(A)に示す脱離方法は、支持部240が外力によって上方に可撓することによって、軸受部220が軸部520から脱離する方法である。この場合は、外力によって支持部240が上方に可撓し、支持部240と開口端612との間の幅が軸部520の径よりも広がることで、軸受部220が軸部520から脱離される。支持部240と開口端612との間の幅が軸部520の最大径以上に広がれば、軸部520とハンマアセンブリ200との回動位置関係に依存せずに軸受部220が軸部520から脱離される。
図5(B)に示す脱離方法は、軸部520とハンマアセンブリ200との回動位置関係が特定の条件を満たすことで、支持部240に外力が加えられなくても、軸受部220が軸部520から脱離する方法である。図5(B)に示す状態は、図3において下側ストッパ410が取り外され、錘部230が下方へ大きく回動した状態である。この場合は、軸受部220が軸部520から脱離する方向にハンマアセンブリ200を移動させるだけで、軸受部220が軸部520から脱離される。軸受部220および支持部240の形状によっては、支持部240の長手方向241に対する軸部520の切り欠き面524の角度525が90度未満であれば、軸受け部220を軸部520から脱離させる方向に移動させようしたときに、切り欠き面524によって支持部240がボディ部260の方向へ移動させられる。したがって、支持部240をボディ部260方向に移動させる外力が加えられなくても軸受部220が軸部520から脱離することができる。なお、上記の角度は切り欠き面524がボディ部260の方向を向いた状態での角度である。
上記のように、軸部520および軸受部220の関係が特定の条件を満たすことで、ハンマアセンブリ200の回動機構900が分解される。逆に、回動機構900の通常の動作範囲内においては、回動機構900が分解されることは抑制される。回動機構900では、支持部240が軸部520および支持部240の接点の接線方向に可撓する。この点が一般的なスナップフィットとの違いである。
以上のように、第1実施形態に係る回動機構900によると、軸部520を軸受部220に容易に装着することができ、かつ軸受部220が軸部520から脱離しにくい回動機構900を実現することができる。
[鍵盤アセンブリの動作]
図6は、本発明の一実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。図6(A)は、鍵100がレスト位置(押鍵していない状態)にある場合の図である。図6(B)は、鍵100がエンド位置(最後まで押鍵した状態)にある場合の図である。鍵100が押下されると、棒状可撓性部材185が回動中心となって曲がる。このとき、棒状可撓性部材185は、鍵の前方(手前方向)への曲げ変形が生じているが、側面鍵ガイド153による前後方向の移動の規制によって、鍵100は前方に移動するのではなく回動するようになる。そして、ハンマ支持部120が前端部210を押し下げることで、ハンマアセンブリ200が軸部520を中心に回動する。錘部230が上側ストッパ430に衝突することによって、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がエンド位置に達する。また、センサ300が前端部210によって押しつぶされると、センサ300は、押しつぶされた量(押鍵量)に応じた複数の段階で、検出信号を出力する。
図6は、本発明の一実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。図6(A)は、鍵100がレスト位置(押鍵していない状態)にある場合の図である。図6(B)は、鍵100がエンド位置(最後まで押鍵した状態)にある場合の図である。鍵100が押下されると、棒状可撓性部材185が回動中心となって曲がる。このとき、棒状可撓性部材185は、鍵の前方(手前方向)への曲げ変形が生じているが、側面鍵ガイド153による前後方向の移動の規制によって、鍵100は前方に移動するのではなく回動するようになる。そして、ハンマ支持部120が前端部210を押し下げることで、ハンマアセンブリ200が軸部520を中心に回動する。錘部230が上側ストッパ430に衝突することによって、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がエンド位置に達する。また、センサ300が前端部210によって押しつぶされると、センサ300は、押しつぶされた量(押鍵量)に応じた複数の段階で、検出信号を出力する。
一方、離鍵すると、錘部230が下方に移動して、ハンマアセンブリ200が回動し、鍵100が上方に回動する。錘部230が下側ストッパ410に接触することで、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がレスト位置に戻る。第1実施形態における鍵盤装置1は、上述の通り、接続部180において押鍵および離鍵による鍵100の回動をする。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Aについて説明する。図7は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第2実施形態の回動機構900Aでは、軸部520Aの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
第2実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Aについて説明する。図7は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第2実施形態の回動機構900Aでは、軸部520Aの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
図7(A)は、軸部520Aに対する軸受部220Aの可動域のうち第1領域における回動機構900Aの状態を示す。第1領域は、回動機構900Aが備えられた鍵盤アセンブリ10Aにおいて、レスト位置からエンド位置の動作範囲(鍵盤アセンブリの使用範囲)を含む領域である。第1領域において、軸部520Aの切り欠き面524A、526Aは支持部240A側にせり出している。支持部240Aは、支持部240Aの先端が仮想軌跡624Aに沿って移動するように回動する。図7に示す状態において、切り欠き面524A、526Aは、それぞれ仮想軌跡624Aよりも支持部240A側に位置している。換言すると、仮想軌跡624Aが軸部520Aの一部と重なる。上記の構成によると、支持部240Aは切り欠き面524Aまたは526Aよって係止されるため、支持部240Aの回動範囲が規制される。
図7(B)は、軸部520Aに対する軸受部220Aの可動域のうち第2領域における回動機構900Aの状態を示す。第2領域は、回動機構900Aが分解可能な状態を含む領域である。第2領域において、切り欠き面524Aは仮想軌跡624Aよりも支持部240Aから離れた側に位置している。換言すると、切り欠き面524A側で仮想軌跡624Aは軸部520Aと重ならない。この状態において、支持部240Aが外力によって上方に可撓されることで、軸部520Aは軸受部220Aから脱離される。図7(B)に示す状態は、軸部520Aに対する軸受部220Aの可動域の端部の状態である。ただし、レスト位置およびエンド位置が第2領域に含まれるようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態に係る回動機構900Aによると、特に鍵盤アセンブリの使用範囲に対応する回動機構900Aの回動範囲において、軸受部220が軸部520AAから脱離しにくい回動機構900Aを実現することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Bについて説明する。図8は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第3実施形態の回動機構900Bでは、軸部520Bの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
第3実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Bについて説明する。図8は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第3実施形態の回動機構900Bでは、軸部520Bの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
回動機構900Bは、軸部520Bと、第1接点600Bおよび第2接点610Bで軸部520Bを支持し、回動軸620Bを中心として回動する軸受部220Bと、軸受部220Bに固定され、第3接点640Bで軸部520Bを支持し、回動軸620Bから第3接点640Bへの方向とは異なる方向に可撓する支持部240Bと、を備える。上記のように、回動機構900Bは、軸部520Bが概略円形状を有する点、および支持部240Bと軸部520Bとの接点である第3接点640Bが回動軸620Bとは異なる位置である点において、回動機構900と相違する。
軸受部220Bは、図4の軸受部220と同様に第1接点600Bおよび第2接点610Bで軸部520Bを支持し、回動軸620Bを中心として回動する。この例では、回動軸620Bは軸部520Bの内部に存在する。軸受部220Bには開口部630Bが設けられている。開口部630Bの内側の領域に軸部520Bが保持されている。なお、第1接点600Bおよび第2接点610Bは開口部630Bにおける軸受部220Bの内面に位置している。開口部630Bの開口端602B、612Bの幅は、軸部520Bの最大径以上である。支持部240Bは、第3接点640Bの接線方向626Bまたは接線方向626Bの成分を含む方向に可撓する。ここで、回動軸620Bを中心として、第1接点600Bと第2接点610Bとのなす角、第2接点610Bと第3接点640Bとのなす角、および第3接点640Bと第1接点600Bとのなす角はいずれも180度未満である。
第1接点600Bの軸部520Bおよび軸受部220Bの各々の形状は、回動軸620Bを中心とする円弧形状である。同様に、第2接点610Bの軸部520Bおよび軸受部220Bの各々の形状は、回動軸620Bを中心とする円弧形状である。第3接点640Bの軸部520Bの形状は、回動軸620Bを中心とする円弧形状である。上記の形状により、軸部520Bに対する軸受部220Bの回動動作を滑らかにすることができる。なお、支持部240Bの先端の形状を回動軸620Bを中心とする円弧形状にしてもよい。軸部520Bが支持部240Bと面接触する場合は、その接触面における任意の点が第3接点640Bである。
以上のように、第3実施形態に係る回動機構900Bによると、回動機構900Bの回動範囲において、回動軸620Bと第1接点600Bおよび第2接点610Bとの距離を一定にすることができる。したがって、回動機構900Bの回動時の摩擦力を一定にすることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、第3実施形態における回動機構900Bに類似した回動機構900Cについて説明する。図9は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第4実施形態の回動機構900Cでは、軸部520Cの形状が第3実施形態の軸部520Bと相違する。
第4実施形態では、第3実施形態における回動機構900Bに類似した回動機構900Cについて説明する。図9は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第4実施形態の回動機構900Cでは、軸部520Cの形状が第3実施形態の軸部520Bと相違する。
軸部520Cは、曲率半径が異なる2つの円が結合された形状を有する。換言すると、第3接点640Cにおける軸部520Cの円弧の曲率半径は、第1接点600Cおよび第2接点610Cにおける軸部520Cの円弧の曲率半径よりも小さい。ここで、第1接点600Cにおける軸部520Cの円弧の曲率半径が、第2接点610Cにおける軸部520Cの円弧の曲率半径と異なっていてもよい。また、換言すると、回動軸620Cと第3接点640Cとの距離は、回動軸620Cと第1接点600Cとの距離および回動軸620Cと第2接点610Cとの距離に比べて短い。
以上のように、第4実施形態に係る回動機構900Cによると、軸部520Cに対して軸受部220Cが回動する際、支持部240Cが軸部520C上を摺動する領域を小さくすることができる。したがって、回動機構900Cの回動動作に伴う支持部240Cへの負担を小さくすることができる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、第4実施形態における回動機構900Cに類似した回動機構900Dについて説明する。図10は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第5実施形態の回動機構900Dでは、軸部520Dの形状が第4実施形態の軸部520Cと相違する。
第5実施形態では、第4実施形態における回動機構900Cに類似した回動機構900Dについて説明する。図10は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第5実施形態の回動機構900Dでは、軸部520Dの形状が第4実施形態の軸部520Cと相違する。
軸部520Dは、半円形状の中心を含む領域に、当該半円形状の外周よりも曲率半径が小さい半円状の開口部を有する。回動機構900Cと同様に、第1接点600Dと第3接点640Dとのそれぞれにおける軸部520Dの円弧の曲率半径は互いに異なっている。さらに、回動機構900Aと同様に、支持部240Dの回動範囲は軸部520Dの開口部における軸受部220Dの内面によって規制される。つまり、軸部520Dに対する軸受部220Dの可動域は第1領域(鍵盤アセンブリの使用範囲に対応する回動機構900Dの動作範囲を含む領域)および第2領域(軸部520Dに対する軸受部220Dの可動域の端部を含む領域)を有し、第1領域において支持部240Dは軸部520Dの一部に係止され、第2領域において支持部240Dは軸部520Dが軸受部220Dから脱離可能な状態になるまで可撓することができる。
以上のように、第5実施形態に係る回動機構900Dによると、回動機構900Dの回動動作に伴う支持部240Dへの負担を小さくすることができ、特に鍵盤アセンブリの使用範囲に対応する回動機構900Aの回動範囲において、軸部520Dが軸受部220Dから脱離しにくい回動機構900Dを実現することができる。
<第6実施形態>
第6実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Eについて説明する。図11は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第6実施形態の回動機構900Eでは、軸受部220Eの形状が第1実施形態の軸受部220と相違する。
第6実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Eについて説明する。図11は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第6実施形態の回動機構900Eでは、軸受部220Eの形状が第1実施形態の軸受部220と相違する。
軸受部220Eは、開口部630Eにおける軸受部220Eの内面から開口部内に突出する突出部604E、614Eを有する。軸部520Eは突出部604E、614Eの先端に接触する。つまり、突出部604Eの先端が第1接点600Eであり、突出部614Eの先端が第2接点610Eである。突出部604E、614Eは、それぞれ軸部520Eの延長方向に複数設けられている。なお、突出部604E、614Eは、軸部520Eの延長方向に線状に延びた形状であってもよい。
以上のように、第6実施形態に係る回動機構900Eによると、軸部520Eに対する突出部604E、614Eの摺動面積を小さくすることができる。したがって、回動機構900Eの滑らかな回動動作を得ることができる。
<第7実施形態>
第7実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Fについて説明する。図12は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第7実施形態の回動機構900Fでは、軸部520Fの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
第7実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Fについて説明する。図12は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。第7実施形態の回動機構900Fでは、軸部520Fの形状が第1実施形態の軸部520と相違する。
軸部520Fは、第1接点600Fおよび第2接点610における軸部520Fの曲率半径が軸受部220Fの開口部630Fにおける軸受部220Fの内面の曲率半径よりも小さい形状を有する。この形状により、軸受部220Fが軸部520Fと摺動する面積を小さくすることができる。ただし、第1接点600Fおよび第2接点610Fにおける軸部520Fの形状が回動軸620Fを中心とした円弧形状であってもよい。なお、第3接点640Fにおける軸部520Fの形状は、回動軸620Fを中心とした円弧形状である。このように、軸部520Fの形状は円形状でなくてもよく、任意の形状の軸部を用いることができる。
<第8実施形態>
第8実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Gについて説明する。図13は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。また、図14は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの動作を説明する図である。第8実施形態の回動機構900Gでは、軸部520Gおよび支持部240Gの形状が第1実施形態の軸部520および支持部240と相違する。
第8実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Gについて説明する。図13は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。また、図14は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの動作を説明する図である。第8実施形態の回動機構900Gでは、軸部520Gおよび支持部240Gの形状が第1実施形態の軸部520および支持部240と相違する。
軸部520Gは、支持部240G側に凹部528Gを有する。支持部240Gは、支持部240Gの先端に尖部244Gを有する。接続部650Gにおいて尖部244Gが凹部528Gの内側に入り込むことで、支持部240Gが軸部520Gに接続されている。接続部650Gは他の実施形態における第3接点に相当する。回動機構900Gは、他の実施形態の回動機構とは異なり、支持部240Gは軸部520Gと摺動しない。図14に示すように、支持部240Gは軸受部220Gに対する軸部520Gの回動角度に応じて可撓する。なお、軸受部220Gを軸部520Gに取り付ける際に支持部240Gを座屈させる必要があるため、支持部240Gは十分な可撓性を有していることが好ましい。その他の取り付け方法として、所定の位置に軸受部220Gを配置し、尖部244Gが凹部528Gの内側に入り込むように軸部520Gを図13の奥行方向に挿入してもよい。尖部244Gと凹部528Gとの間に接着剤等が配置されることで、軸部520Gおよび支持部240Gが固定されてもよい。軸部520Gおよび支持部240Gを固定する場合、軸部520Gと支持部240Gの一部とが一体形成されていてもよい。例えば、接続部250G側の支持部240Gが、支持部240Gの長手方向に半分に分断された形状で形成され、軸部520G側の支持部240Gが軸部520Gと一体形成され、軸受部220Gの取り付け時に支持部240Gが接着されて図13に示す形状にしてもよい。
以上のように、第8実施形態に係る回動機構900Gによると、回動機構900Gの回動動作によって支持部240Gの先端が摺動しないため、支持部240Gの先端の摩耗を抑制することができる。
<第9実施形態>
第9実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Hについて説明する。図15は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。回動機構900Hは、軸受部220H、支持部240H、およびボディ部260Hを有する。軸受部220Hおよび支持部240Hはボディ部260Hから下方に延びている。支持部240Hは可撓性を有するアーム部248Hと、アーム部248Hの先端に結合されたヘッド部246Hとを有する。軸部520Hは、第1接点600Hでボディ部260Hと接触し、第2接点610Hで軸受部220Hと接触し、第3接点640Hでヘッド部246Hと接触する。なお、2点鎖線に示すようにヘッド部246Hが押し下げられ、アーム部248Hが可撓することで、軸部520Hから軸受部220Hが脱離される。
第9実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Hについて説明する。図15は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。回動機構900Hは、軸受部220H、支持部240H、およびボディ部260Hを有する。軸受部220Hおよび支持部240Hはボディ部260Hから下方に延びている。支持部240Hは可撓性を有するアーム部248Hと、アーム部248Hの先端に結合されたヘッド部246Hとを有する。軸部520Hは、第1接点600Hでボディ部260Hと接触し、第2接点610Hで軸受部220Hと接触し、第3接点640Hでヘッド部246Hと接触する。なお、2点鎖線に示すようにヘッド部246Hが押し下げられ、アーム部248Hが可撓することで、軸部520Hから軸受部220Hが脱離される。
<第10実施形態>
第10実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Jについて説明する。図16は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。回動機構900Jは、軸受部220J、支持部240J、およびボディ部260Jを有する。図16(A)はハンマアセンブリ200Jの側面図であり、図16(B)はD1方向から見たハンマアセンブリ200Jの下面図である。
第10実施形態では、第1実施形態における回動機構900とは異なる構成の回動機構900Jについて説明する。図16は、本発明の一実施形態におけるハンマアセンブリの部分拡大図である。回動機構900Jは、軸受部220J、支持部240J、およびボディ部260Jを有する。図16(A)はハンマアセンブリ200Jの側面図であり、図16(B)はD1方向から見たハンマアセンブリ200Jの下面図である。
軸受部220Jおよび支持部240Jはボディ部260Jから下方に延びている。支持部240Jは、軸部520Jの延長方向に薄い板状の形状であり、その延長方向に可撓する(図16(B)を参照)。軸部520Jは、第1接点600Jでボディ部260Jと接触し、第2接点610Jで軸受部220Jと接触し、第3接点640Jで支持部240Jと接触する。なお、図16(B)の2点鎖線に示すように支持部240Jを軸部520Jの延長方向に可撓することで、軸部520Jから軸受部220Jが脱離される。
以上のように、第9実施形態に係る回動機構900Hおよび第10実施形態に係る回動機構900Jによると、軸受部220H、220Jを軸部520H、520Jに容易に装着することができ、かつ軸受部220H、220Jが軸部520H、520Jから脱離しにくい回動機構900H、900Jを実現することができる。
上述した実施形態では、ハンマアセンブリを適用した鍵盤装置の例として電子ピアノを示した。一方、上記実施形態のハンマアセンブリは、アコースティックピアノ(グランドピアノやアップライトピアノなど)の回動機構に適用することもできる。例えば、アップライトピアノにおいて、回動部品と当該回動部品を回動自在に軸支する支持部とを有する回動機構に上記実施形態の開口機構を適用することができる。この場合、発音機構は、ハンマ、弦に対応する。上記実施形態の回動機構はピアノ以外の回動部品に適用することもできる。
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1:鍵盤装置、 10:鍵盤アセンブリ、 70:音源装置、 80:スピーカ、 90:筐体、 100:鍵、 100b:黒鍵、 100w:白鍵、 120:ハンマ支持部、 151:前端鍵ガイド、 153:側面鍵ガイド、 180、250、650:接続部、 181:板状可撓性部材、 183:鍵側支持部、 185:棒状可撓性部材、 200:ハンマアセンブリ、 210:前端部、 220:軸受部、 222:溝部、 230:錘部、 240:支持部、 242:先端、 244:尖部、 246:ヘッド部、 248:アーム部、 260:ボディ部、 300:センサ、 410:下側ストッパ、 430:上側ストッパ、 500:フレーム、 511:前端フレームガイド、 513:側面フレームガイド、 520:軸部、 522、528:凹部、 524:面、 585:フレーム側支持部、 600:第1接点、 602、612:開口端、 604、614:突出部、 610:第2接点、 620:回動軸、 622:法線方向、 624:仮想軌跡、 626:接線方向、 630:開口部、 640:第3接点、 710:信号変換部、 730:音源部、 750:出力部、 900:回動機構
Claims (15)
- 軸部と、
第1接点および第2接点で前記軸部を支持し、回動軸を中心として回動する軸受部と、
軸受部に固定され、第3接点で前記軸部を支持し、前記回動軸から前記第3接点への方向とは異なる方向に可撓する支持部と、
を備えることを特徴とする回動機構。 - 前記回動軸を中心として、前記第1接点と前記第2接点とのなす角、前記第2接点と前記第3接点とのなす角、および前記第3接点と前記第1接点とのなす角はいずれも180度未満であることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
- 前記軸受部には、前記軸部を保持する開口部が設けられ、
前記第1接点および前記第2接点は、前記開口部における前記軸受部の内面に位置し、
前記開口部の開口端は、前記軸部の最大径以上であることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。 - 前記軸部に対する前記軸受部の可動域は、第1領域および第2領域を有し、
前記第1領域において、前記支持部は前記軸部の一部に係止され、
前記可動域の端部を含む前記第2領域において、前記支持部は、前記軸受部が前記軸部から脱離可能な状態になるまで可撓することができることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。 - 前記支持部は、前記第3接点の接線方向に可撓することを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
- 前記第1接点の前記軸部又は前記軸受部の形状、および前記第2接点の前記軸部又は前記軸受部の形状は前記回動軸を中心とする円弧形状であることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
- 前記回動軸と前記第3接点との距離は、前記回動軸と前記第1接点との距離および前記回動軸と前記第2接点との距離に比べて短いことを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
- 前記支持部は、前記第3接点において前記軸部に接続され、前記軸部の回動に伴い可撓することを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
- 軸部と、
第1接点および第2接点で前記軸部を支持し、回動軸を中心として回動する軸受部と、
軸受部に固定され、前記回動軸で前記軸部を支持し、前記第1接点および前記第2接点の少なくとも一方から離れる方向に可撓する支持部と、
を備えることを特徴とする回動機構。 - 前記軸受部には、前記軸部を保持する開口部が設けられ、
前記第1接点および前記第2接点は、前記開口部における前記軸受部の内面に位置し、
前記開口部の開口端の幅は、前記軸部の最大径以上であることを特徴とする請求項9に記載の回動機構。 - 前記支持部は、前記軸部および前記支持部の接点の法線方向とは異なる方向に可撓することを特徴とする請求項9に記載の回動機構。
- 前記軸部に対する前記軸受部の可動域は、第1領域および第2領域を有し、
前記第1領域において、前記支持部は前記軸部の一部に係止され、
前記可動域の端部を含む前記第2領域において、前記支持部は、前記軸受部が前記軸部から脱離可能な状態になるまで可撓することができることを特徴とする請求項9に記載の回動機構。 - 前記支持部は、前記軸部および前記軸受部の接点の接線方向に可撓することを特徴とする請求項9に記載の回動機構。
- 前記第1接点の前記軸部又は前記軸受部の形状、および前記第2接点の前記軸部又は前記軸受部の形状は前記回動軸を中心とする円弧形状であることを特徴とする請求項9に記載の回動機構。
- 鍵と、
前記鍵の押圧に応じて、請求項1乃至14のいずれか1に記載の前記回動機構を中心に回動するハンマアセンブリと、
前記鍵の下方に配置され、前記鍵に対する操作を検出するセンサと、
前記センサの出力信号に応じて音波形信号を生成する音源部と、
を備えることを特徴とする鍵盤装置。
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