JP4998847B2 - 電子楽器用鍵盤装置 - Google Patents

電子楽器用鍵盤装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4998847B2
JP4998847B2 JP2007079252A JP2007079252A JP4998847B2 JP 4998847 B2 JP4998847 B2 JP 4998847B2 JP 2007079252 A JP2007079252 A JP 2007079252A JP 2007079252 A JP2007079252 A JP 2007079252A JP 4998847 B2 JP4998847 B2 JP 4998847B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin
key
attachment
mass body
electronic musical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007079252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008241885A (ja
Inventor
賢一 西田
元英 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2007079252A priority Critical patent/JP4998847B2/ja
Publication of JP2008241885A publication Critical patent/JP2008241885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4998847B2 publication Critical patent/JP4998847B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

本発明は、電子楽器に用いられる鍵盤装置に関する。
電子楽器用鍵盤装置は、通常、鍵と、該鍵に連動して回動する質量体と、これらの鍵及び質量体を上下方向に回動可能に支持する鍵盤フレームとを備えている。質量体は、金属棒や金属塊の錘を樹脂による成形体部分で保持した構造となっており、回動時の慣性力により、押鍵時のタッチ感に適度の重さを与えるようになっている。
従来の鍵盤装置は、例えば特許文献1に記載されており、図14に示すように、鍵盤フレーム100に固定された支点101を軸として、鍵102の後部が回動可能に支持されている。質量体103は、金属棒104を樹脂製の保持部105で保持して構成されている。保持部の前寄り部分には凹部105aが形成され、鍵盤フレームに固定された軸部106に該凹部105aが嵌められている。そして、S字状のばね107の前端を凹部105aの直ぐ後方に接触させ、後端を鍵盤フレームに接触させて保持部105を前方に押圧している。これにより、質量体103は、軸部106に回動可能に支持されている。鍵102の前端付近からは、アクチュエータ108が下方に延び、その下部に係合軸109が固定されている。質量体103の保持部105は、前端部に係合凹所105bが形成され、該凹所が係合軸109に係合している。したがって、鍵102を押し下げると、アクチュエータ108及び係合軸109の下降に伴って、質量体103は、軸部106を中心として回動する。
特開平10−3289号公報
従来の電子楽器用鍵盤装置は、このように、質量体103を軸部106に支持する構造となっていたので、軸部106に嵌合する凹部105aを質量体103に形成し、その後方部分をばね107で押圧するという複雑な構造となっており、その取付けに手間を要していた。一方、ばねを用いないで軸部に質量体を支持するには、質量体に幅方向の孔を設けて、該孔に軸部を通す構造となり、動作部分の接触部で雑音が発生するおそれがあり、その防止のために緩衝材や潤滑剤を必要とするため、やはり複雑な構造となり、取付作業に手間を要する。
本発明は、これら従来技術の問題を解決し、質量体の取付けのための構造が簡単であり取付作業が容易な鍵盤装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、鍵と、該鍵に連動して回動する質量体と、これらの鍵及び質量体を上下方向に回動可能に支持する鍵盤フレームとを備え、前記質量体は、鍵又はその連動部材の動作を受ける受動部と、錘部と、該錘部の保持部と、前記鍵盤フレームへの取付け部と、前記取付け部を前記保持部に連結し、弾性変形により前記保持部を前記錘部と共に上下方向に回動させ得る薄肉部とを備え、前記保持部、取付け部及び薄肉部は、樹脂により一体成形されていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置を提供するものである。
前記電子楽器用鍵盤装置は、以下のようにして、より望ましい形態とすることができる。
1.前記薄肉部は、上下方向に延びたものとすることができる。
2.前記取付け部は、複数の鍵にまたがる一体構造とされ複数の薄肉部に結合されているものとすることができる。
3.前記電子楽器用鍵盤装置は、前記取付け部と前記鍵盤フレームとが、相互の結合のための係合部を備えたものとすることができる。
4.前記取付け部は、鍵盤装置における演奏者に近い側を前方としたときに、前記薄肉部の上部から後方へ延び、前記保持部が前記薄肉部の下部から前方へ延びているものとすることができる。
5.前記電子楽器用鍵盤装置はまた、前記保持部が前記錘部の前端部を受け入れて保持するための孔部を有し、該孔部は前記保持部の後端から前方へ延びているものとすることができる。
6.前記薄肉部が、前記保持部より幅を広くされているものとすることができる。
7.前記電子楽器用鍵盤装置はまた、前記薄肉部の幅が鍵の配列間隔より大きく、前記取付け部は、隣り合う前記薄肉部が前後又は上下にずれた位置となるように前記薄肉部を支持しているものとすることができる。
8.前記薄肉部は、幅方向両側に対し、幅方向中央部が、より薄肉又は空所となっているものとすることができる。
本発明に係る電子楽器用鍵盤装置は、質量体は、鍵盤フレームへの取付け部と錘部のための保持部とを薄肉部により、上下方向に回動可能に連結しており、これらの部分は、樹脂により一体成形されている。したがって、打鍵時の動作部分とは別個の取付け部で鍵盤フレームへの取付けができるので、取付けのための構造が簡単であり、取付作業が容易となっている。また、錘部を伴った保持部の回動は、薄肉部の弾性変形で行なわれるので、動作部分が接触し合う構造となっておらず、緩衝材や潤滑剤を用いなくても、雑音発生のおそれがないため、この点においても構造が簡単となっている。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。以下の実施形態の説明においては、電子鍵盤楽器における演奏者に近い側を「前」、演奏者から遠ざかる側を「後」と称することとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す。この鍵盤装置は、鍵20と、該鍵に連動して回動する質量体30と、これらの鍵及び質量体を上下方向に回動可能に支持する鍵盤フレーム40(一部のみを示す)とを備えている。鍵20は、押鍵作用を受ける鍵本体21と、その前端側から垂下するアクチュエータ22とを備え、鍵盤フレームに設けられた支点41により後端部を回動可能に支持されている。質量体30は、金属棒により形成された錘部31と、該錘部の保持部32と、鍵盤フレーム40への取付け部33と、取付け部33を保持部32に対して上下方向に回動可能に連結する薄肉部34と、鍵の動作を受ける受動部35とを備えている。この実施形態では、薄肉部34は取付け部33からほぼ水平に前方へ延びており、保持部32の上面に突設された接続部321に結合し、弾性変形により保持部32を錘部31と共に上下方向に回動させ得る。これら保持部32、取付け部33、薄肉部34及び受動部35は、樹脂により一体成形されている。鍵盤フレーム40について、図は質量体を支持する部分のみを示しているが、鍵盤及び質量体の配列全体を支持しており、楽器本体に固定されている。
質量体30の錘部31は、鉄、真鍮等の金属を適宜の長さとし、打鍵時の回動に対する慣性抵抗より奏者にタッチの重さを感じさせる役割をなす。錘部31の重量、長さ等は適切な慣性抵抗が得られるように決められ、保持部32から遠い側の端部は必要により折り返し等により質量を増すことができる。
薄肉部34は、錘部31の重量及び打鍵時に受ける押圧力を支持する強度を有し、且つ、打鍵時に錘部31と共に保持部32を回動させ得る弾性を有し、繰り返される弾性変形に対する耐久性を有するものとされる。そのような性質を得ることができる樹脂としては、例えば、POM樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等を挙げることができる。
取付け部33は、この例では、平らな形状をなし、該取付け部33に設けられた貫通孔を通して、ビス331により鍵盤フレーム40に取り付けられている。
受動部35は、保持部32から前方へ上下に枝分かれした部分で構成されており、上片351はアクチュエータ22に前後方向に設けられた貫通孔に挿入され、下片352はアクチュエータ22の下端に接する位置にある。
この構造により、質量体は、受動部35をアクチュエータ22に係合させた状態で、取付け部33を鍵盤フレーム40にビス止めすれば取り付けることができ、取付けのための構造が簡単で取付作業が容易となっている。押鍵時状態では、図に一点鎖線で示すように、薄肉部34が弾性的に撓んで質量体30が回動する。この構成によれば、動作部分が接触した状態で相対移動する構造となっていないので、緩衝材や潤滑剤を用いなくても、雑音発生のおそれがない。
図2は、本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す。この鍵盤装置は、図1の実施形態とほぼ同様の構造を有しており、同様の利点が得られる。但し、この実施形態では、質量体の薄肉部34aが取付け部33から下向きに延び、保持部32の上面に突設された接続部321に結合している。この実施形態では、押鍵時にアクチュエータ22が質量体30の受動部35を下向きに押すので、受動部35から取付け部33までの範囲には、下向きの力が作用する。これに対し、薄肉部34aは、図示のように取付け部33から下方へ延びているので、押鍵時に薄肉部34自身が変形する量が小さい。したがって、鍵20及びアクチュエータ22の動作が、薄肉部34を中心として効率的に保持部32及び錘部31の回動動作に変換される。
図3は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である(鍵の図示は省略している)。この鍵盤装置は、図2に示した構造を基本としている。但し、この実施形態では、取付け部33aが、複数の鍵20に対して一体的に設けられている。他の部分は、各鍵に対応してする個別に設けられており、1つの取付け部33bに対して複数の薄肉部34が結合されている。1つの取付け部33aに対応する鍵の数は、2鍵から全鍵の内から必要に応じて適宜決めることができ、複数鍵に跨る取付け部33aを複数用いてもよいし、1鍵毎の取付け部33を有するものと組合せてもよい。このように、複数の鍵に対して1つの取付け部33aを用いることにより、取付作業がより容易且つ迅速となる。また、ビス等の固定手段の数を減らすことにより、全体として軽量化を図ることもできる。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示している。この実施形態は、図2又は図3の構造を基本とし、特徴的な取付け部構造を備えている。図4(a)は、取付け部33bに対し、鍵盤フレーム40にフック42を設けて固定する構造となっている。図4(b)は、取付部分を拡大して示す。図示のように、取付け部33bには、上面に突起332が形成されており、フック42には、突起332に対応した凹部が形成されている。フック42は、1鍵に対応する幅で設けてもよいし、2鍵又はそれ以上に亘って延びる幅としてもよい。また、取付け部33も、1鍵毎に設けてもよいし、複数鍵に跨る幅としてもよい。
この構造によれば、取付け部33b又はフック42を弾性変形させて突起332を係合させることにより、取付け部33bはフック42を介して鍵盤フレーム40に固定され、取付作業が、さらに容易且つ迅速となる。打鍵に伴う外力は、薄肉部34を介して取付け部33に対し主として下方に作用する。したがって、打鍵時にも、フック42の係止により取付け部33は十分に保持される。
図4(c)は、鍵盤フレーム40に上下方向に延びる筒部43を設け、取付け部33cを下方から挿入するようにした取付構造を示している。筒部43は、上下方向に延びる空所を有し、該空所に取付け部33cを受け入れる。図4(d)は、取付部分を拡大して示す。図示のように、取付け部33cには、側面に突起333が形成されており、筒部43には、突起333に対応した凹部が形成されている。
筒部43は、1鍵毎に独立して設けてもよいが、複数鍵に亘って延びる幅とすることにより、製造が容易となる。また、筒部43を複数鍵に亘って延びる幅とした場合は、取付け部33cを受け入れる空所は、1鍵に対応する幅としてもよいし、2鍵又はそれ以上に亘って延びる幅としてもよい。さらに、該空所を2鍵又はそれ以上に亘って延びる幅としたときは、取付け部33cを1鍵毎に設けてもよいし、複数鍵に跨る幅で設けてもよい。
この構造によれば、取付け部33c又は筒部43を弾性変形して突起333を係合させることにより、取付け部33cは筒部43を介して鍵盤フレーム40に固定され、取付作業が、さらに容易且つ迅速となる。
なお、上記の実施形態において、取付け部をフック42又は筒部43に固定するためには、突起と凹部との係合による他、接着剤、相互に係合し合う鉤状部材等を用いることもできる。
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示している。この実施形態は、図5(a)に示すように、図2又は図3の構造を基本とし、樹脂の成形に有利な構造を備えている。すなわち、樹脂による成形部分は、取付け部33が薄肉部34の上部から後方へ延び、保持部32aが薄肉部34の下部から前方へ延びた形状となっている。そして、保持部32aの前端部から受動部35の上片351及び下片352が前方へ延びている。
この構造によれば、上記樹脂部分を成形する際には、図に一点鎖線とハッチングで示すように、保持部32aから取付け部33までの部分は、成形型を上下2つの型M1,M2で成形することができ、樹脂成形後に各型を上方及び下方へ抜くことができる。なお、受動部35の成形型M3は、成形後に前方へ抜かれる。
一方、既に述べた実施形態のように保持部32が薄肉部34より後方まで延びている構造では、図6に示すように、保持部32から取付け部33までの部分の成形には、成形型として、上下2つの型M1,M2、及び、保持部32と取付け部33との間に入る中間型M4が必要となる。その結果、樹脂成形後に各型を上方、下方及び側方へ抜く必要が生じ、型の構造及び成形工程が複雑化する。
なお、保持部32aには、該保持部の後端から前方へ延びる孔部334を設け、錘部31の前端部を受け入れるようにする。この孔部334は、成形後に切削加工により形成してもよいが、図5(b)に示すように、下型M2に対して摺動するスライド型M2aを用い、スライド型M2aの先端部を孔部に相当する形状とすることもできる。このように、孔部334までも同時に成形する構造とすれば、複数の鍵に跨る取付け部33を持つ質量体用アッセンブリを効率的に製造することができる。錘部31は、孔部334に対して緊く嵌合されるか、錘部31に設けたねじ部により螺入されることにより、保持部32に固定される。
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示している。この実施形態は、図3の構造を基本とし、薄肉部34bが、保持部33より幅を広くされている。このように、薄肉部34bは、幅を広くされることにより、ねじれ剛性が高くなり、その結果、質量体の左右方向(鍵盤の間口方向)への振れ(矢符A)が防止される。
図8に示すように、薄肉部34の幅が狭いと、該薄肉部のねじれ剛性が低くなり、質量体の左右方向への振れ(矢符A)が大きくなる。その結果、押鍵時に質量体が、隣り合う質量体又はフレームに接触するおそれがある。これを防止するためには、規制ガイド60を質量体30の両側に当てがうという手段を講じることができる。しかしながら、規制ガイド60を設けると、質量体30は規制ガイド60との接触による摩擦抵抗を受けることとなる。特に、振れ防止作用を高めるためには、規制ガイド60を前後方向に長くして質量体30の回動支点から遠い位置でガイドするのが望ましいが、この位置では質量体の移動速度が大きく、これにつれて接触抵抗も増大し、タッチ感の悪化の原因となり易い。
これに対し、図7の実施形態によれば、質量体の左右方向への振れが防止されるので、規制ガイドをなくし、或いは、設けるときにも寸法を小さくして接触抵抗を減少させることができる。
図9及び図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、図9は平面図であり、図10(a)及び(b)は各々図9のa-a線及びb-b線に沿う断面を示している。この実施形態は、図3の構造を基本とし、薄肉部の幅が鍵の配列間隔より大きされている。薄肉部をこのように幅広とするために、この実施形態では、取付け部は、隣り合う薄肉部が前後にずれた位置となるように支持している。すなわち、図示の隣り合う2つの質量体30の内、一方の位置(図の上方)では、前方へ延びた突出部335を取付け部33dが備えている。この突出部335は、基端部335aが狭く、先端部335bが広くなっており、その先端から薄肉部34cが下方へ延びている。他方の位置(図の下方)にある質量体30に対しては、取付け部33は突出部を備えず、その平らな面から薄肉部34dが下方へ延びている。突出部335の基端部335aは、隣の薄肉部34dが鍵の配列間隔より広幅となっていても干渉しないように、幅が狭くされ、突出部335の先端部335bは、鍵の配列間隔より広幅の薄肉部34cと同じ幅に広がっている。
このように、隣り合う薄肉部34c,34dの位置を前後にずらすことにより、各薄肉部の幅を鍵の配列間隔より大きくしても、相互に干渉するのが避けられる。これにより、薄肉部34c,34dは、図7に示した例よりも幅広され、ねじれ剛性が高まる結果、質量体の左右方向への振れがより確実に防止される。
なお、図1の実施形態について、薄肉部34を鍵の配列間隔より広幅とする場合は、隣り合う質量体の一方の位置において取付け部33を隣の位置より高くする突出部を設ければよく、図9及び図10の実施形態において前方へ形成された突出部335を、上方へ形成することにより、同様の効果を得ることができる。
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(1)は斜視図、(2)は平面図である。この実施形態は、図3の構造を基本とし、薄肉部34eは、幅方向の両側に側壁部341が形成され、幅方向の中央部342が、空所となっている。また、取付け部33eは、鍵並び方向に延びる取付け部本体330の前端から、側壁部341に対応する幅で突出部336が延び、該側壁部341に結合している。また、保持部32aは、後端部に左右方向に延びる接続部321を備えており、薄肉部34eの下端は接続部321に結合している。
この構造において、薄肉部34eは、幅広となる程、ねじれ剛性が高くなって質量体30の左右への振れを防止するが、幅広となることにより、曲げ剛性も高くなるため、質量体30の上下方向への回動に対する抵抗が強まる。この抵抗が大きすぎると、タッチ感を悪化させることとなる。これに対し、この実施形態では、薄肉部34eは、幅方向両側に側壁部341を有し、且つ、中央部342が空所となっているので、薄肉部34eのねじれ剛性を高くしながら、曲げ剛性は低く抑えて質量体30の回動に対する抵抗を低くしている。その結果、質量体30の左右への振れを防止しつつ、良好なタッチ感を実現することができる。
さらに、この実施形態では、(i) 取付け部33eの1対の突出部336が薄肉部34eの1対の側壁部341へと連続し、その間に空所が形成されており、(ii) 取付け部33eが薄肉部34eの上部から後方へ延び、保持部32aが薄肉部34eの下部から前方へ延びた形状となっている。したがって、取付け部33eから保持部32a及び受動部35に至る樹脂部分の成形を、以下のように、簡易な構造の成形型で行なうことができる。
図12は、上記樹脂部分と成形型との関係を示しており、図11(2)のXII-XII線に沿って階段状に切断した断面を示している。また、図13の(a-a)〜(d-d)は、各々図11(2)のa-a線、b-b線、c-c線、d-d線に沿う断面を示している。図示のように、成形型は、上型Ma、下型Mb、後型Mc、前型Mdにより構成されている。ここでは、錘部31を型に納めた状態で、インサート成形を行なう。保持部32a成型用のキャビティは、接続部321を含めて、上型Ma、下型Mb及び前型Mdにより形成される。この樹脂部分の形状では、取付け部33eの1対の突出部336と薄肉部34eの1対の側壁部341との間に空所が存在する。したがって、上型Maは、その空所に相当する部分を通って下降して所定位置に到達することができる。その状態は、図13(a-a)及び(b-b)において、上型Maの後部にある下片ma1が、接続部321を囲む位置に到達していることにより示されている。
後型Mcは、錘部31の幅より僅かに広い幅を有し、錘部31の上方の位置で上型Maとの間に、取付け部33eの本体330用のキャビティを形成する。後型Mcの両側には下型Mbが位置し、図13(c-c)に示すように、上型Maとの間に、取付け部の本体330、突出部336、薄肉部の側壁部341、保持部の接続部321のためのキャビティを形成し、また図13(d-d)に示すように、取付け部の本体330のためのキャビティを形成する。
このようにして、図11に示す実施形態の樹脂部分の形状に基づき、成形型の構造を簡素化した合理的な成形が可能となる。
なお、薄肉部34eのねじれ剛性を高くしながら、曲げ剛性は低く抑えるという効果を得るためには、薄肉部34eは、幅方向の中央部342を、その両側の側壁部341に対して、より薄肉とすることもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図7,図9,図11に示した実施形態では、取付け部を複数鍵に跨る幅のものとしたが、1鍵毎に独立した幅とすることもできる。錘部31は、金属棒で形成するほか、円形、多角形等の1個又は複数の金属塊とし、これを保持部で保持することもできる。薄肉部を保持部に結合するには、実施形態に示した接続部321を介する他、接続部を省略して直接結合することもできる。また、各実施形態の図は白鍵について示しているが、黒鍵についても同様の構造とすることができる。
なお、電子楽器用鍵盤装置の形態としては、薄肉部が、樹脂に代えて金属製板ばねとされ、取付け部及び保持部に結合されたものも可能であり、その結合は、例えば、取付け部及び保持部の成形時に板ばねの端部を埋設するインサート成形により行なうことができる。
本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す側面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(a)は一形態の側面図、(b)はその一部の拡大図、(c)は他の形態の側面図、(d)はその一部の拡大図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(a)は成形型の一例と共に示す側面図、(b)は成形型の他の例と共に示す側面図である。 図5に示した実施形態に関する説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す平面図である。 図9に示した実施形態の側面図であり、(a)及び(b)は各々図9のa-a線及びb-b線に沿う断面を示している。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を概略的に示す図であり、(1)は斜視図、(2)は平面図である。 図11に示した実施形態の成形型に関する説明図である。 図11に示した実施形態の成形型を異なる断面で示す側面図である。 従来の電子楽器用鍵盤装置の一例を示す側面図である。
符号の説明
20:鍵、 30:質量体、 40:鍵盤フレーム、 41:支点、 31:錘部、 32,32a:保持部、 33,33a,33b,33c,33d,33e:取付け部、 34,34a,34b,34c,34d:薄肉部、 35:受動部

Claims (2)

  1. 鍵と、該鍵に連動して回動する質量体と、これらの鍵及び質量体を上下方向に回動可能に支持する鍵盤フレームとを備え、前記質量体は、鍵又はその連動部材の動作を受ける受動部と、錘部と、該錘部の保持部と、前記鍵盤フレームへの取付け部と、前記取付け部を前記保持部に連結し、弾性変形により前記保持部を前記錘部と共に上下方向に回動させ得る薄肉部とを備え、前記保持部、取付け部及び薄肉部は、樹脂により一体成形されていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置。
  2. 前記薄肉部が上下方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器用鍵盤装置。
JP2007079252A 2007-03-26 2007-03-26 電子楽器用鍵盤装置 Expired - Fee Related JP4998847B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007079252A JP4998847B2 (ja) 2007-03-26 2007-03-26 電子楽器用鍵盤装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007079252A JP4998847B2 (ja) 2007-03-26 2007-03-26 電子楽器用鍵盤装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008241885A JP2008241885A (ja) 2008-10-09
JP4998847B2 true JP4998847B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=39913356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007079252A Expired - Fee Related JP4998847B2 (ja) 2007-03-26 2007-03-26 電子楽器用鍵盤装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4998847B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5379587B2 (ja) * 2009-07-17 2013-12-25 株式会社河合楽器製作所 電子鍵盤楽器のハンマー
JP2018156039A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 カシオ計算機株式会社 ハンマーユニットおよび鍵盤装置
CN110491356B (zh) * 2019-08-28 2024-05-24 东莞市美派电子科技有限公司 一种用于电子钢琴的配重装置
CN113703586B (zh) * 2021-08-20 2024-03-15 北京计算机技术及应用研究所 一种小型键盘抽拉翻转机构

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5688288U (ja) * 1979-12-12 1981-07-15
US4562764A (en) * 1984-06-08 1986-01-07 Kurzweil Music Systems, Inc. Electronic musical performance
JPS63153296U (ja) * 1987-03-27 1988-10-07
JPH0442876Y2 (ja) * 1987-04-20 1992-10-09
JPH0425757Y2 (ja) * 1987-09-18 1992-06-19
JP2921293B2 (ja) * 1992-08-31 1999-07-19 ヤマハ株式会社 電子楽器用操作子装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008241885A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2347281C1 (ru) Устройство клавиатуры
JP5369946B2 (ja) 電子楽器の鍵盤装置
CN108630184B (zh) 用于电子键盘乐器的琴槌装置和键盘装置
JP4998847B2 (ja) 電子楽器用鍵盤装置
JP2008003209A (ja) 電子鍵盤楽器の鍵盤装置
JP4766849B2 (ja) 鍵盤楽器の鍵盤装置
JP6589548B2 (ja) 打楽器用ペダル装置
EP1746571B1 (en) Keyboard apparatus
JP2015087591A (ja) 鍵盤楽器のハンマー装置
JP2004252246A (ja) 鍵盤装置
JP4853766B2 (ja) 電子鍵盤楽器の鍵ガイド構造
JP5641177B2 (ja) 電子楽器の鍵盤装置
WO2017164307A1 (ja) 取付け構造
JP6815909B2 (ja) 電子鍵盤楽器の鍵盤装置
JP3591579B2 (ja) 鍵盤装置
JP2005070644A (ja) 鍵盤楽器の鍵盤装置
JP6843659B2 (ja) 電子鍵盤楽器のハンマー装置
JP2010286696A (ja) 鍵盤
JP7416189B2 (ja) 鍵盤楽器
JP2005241887A (ja) 電子鍵盤楽器の鍵盤装置
JP6718597B2 (ja) 鍵盤楽器及び電子楽器
JP2016061960A (ja) 鍵盤装置
JP4640700B2 (ja) 鍵盤装置
JP3920234B2 (ja) グランド型ピアノのウィッペン
JP5125627B2 (ja) ペダルユニット

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080812

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080812

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120402

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120423

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120506

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees