以下、図1〜図4を参照して、この発明を電子鍵盤楽器に適用した一実施形態について説明する。
この電子鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、鍵盤装置1を備えている。この鍵盤装置1は、楽器ケース(図示せず)内に組み込まれるものである。実際にはこの電子鍵盤楽器は、鍵盤装置1の押鍵操作に応じて楽音を生成する楽音生成部や、生成された楽音を出力する楽音出力部(例えば信号線や入出力端子等)や、この楽音を発音するスピーカ部等を備えていても良い。この鍵盤装置1は、並列に配列された複数の鍵2と、これら複数の鍵2の押鍵操作に応じて各鍵2それぞれにアクション荷重を付与するアクション機構3と、を備えている。
複数の鍵2は、図1および図2に示すように、白鍵2aおよび黒鍵2bを有し、これら白鍵2aおよび黒鍵2bが例えば88個並列に配列されている。これら複数の鍵2は、その前後方向(図2では左右方向)におけるほぼ中間部がそれぞれバランスピン4a、4bによって上下方向に回転可能に支持され、この状態でベース板5上に並列に配列されている。
この場合、ベース板5上には、図2に示すように、複数の鍵2の各前端部(図2では右端部)の各下面がそれぞれ接離可能に当接するクッション材6a、6bが鍵2の配列方向に沿って設けられている。また、このベース板5上には、複数の鍵2の各後端部(図2では左端部)の各下面がそれぞれ接離可能に当接するクッション材7が鍵2の配列方向に沿って設けられている。さらに、このベース板5上には、複数の鍵2がその配列方向に横振れするのを防ぐためのガイドピン8a、8bがそれぞれ起立して設けられている。
アクション機構3は、図1および図2に示すように、複数の鍵2の押鍵操作に応じてそれぞれ上下方向に回転する複数の伝達部材10(ウィッペン)と、これら複数の伝達部材10の各回転動作に応じてそれぞれ上下方向に回転して複数の鍵2それぞれにアクション荷重を付与する複数のハンマー部材11と、複数の伝達部材10および複数のハンマー部材11を鍵2の配列方向に沿って搭載するアクション搭載部材12と、を備えている。
アクション搭載部材12は、図1〜図4に示すように、複数の鍵2の配列方向における予め定められた複数個所に配置された複数の支持脚部13を備えている。また、このアクション搭載部材12は、複数の鍵2の配列方向に沿って複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結する伝達支持レール部14と、この伝達支持レール部14上に一体に形成されて複数の伝達部材10をそれぞれ回転自在に保持する複数の伝達保持部15と、を備えている。
さらに、このアクション搭載部材12は、図1〜図4に示すように、複数の鍵2の配列方向に沿って複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結するハンマー支持レール部16と、このハンマー支持レール部16上に一体に形成されて複数のハンマー部材11をそれぞれ回転自在に保持する複数のハンマー保持部17と、を備えている。
複数の支持脚部13は、図1および図2に示すように、鍵2の配列方向の全長における予め定められた複数個所にそれぞれ位置した状態で、ベース板5上に起立して取り付けられている。この場合、複数の鍵2は全体で例えば88個配列されている。これに応じて、複数の支持脚部13は、複数の鍵2の配列方向における両端部と、例えば20個の鍵2ごとに位置する3箇所の各鍵2間と、の個所に配置されている。すなわち、この実施形態では、支持脚部13が鍵2の配列方向の全長における5箇所に配置されている。
これら複数の支持脚部13それぞれは、ABS樹脂などの硬質の合成樹脂からなり、図1および図2に示すように、ベース板5上に取り付けられる取付部13aと、この取付部13a上に一体に形成されたブリッジ部13bと、を有している。これにより、支持脚部13は、複数の鍵2の後部間に位置した状態で、取付部13aがベース板5上に取り付けられることにより、ブリッジ部13bが鍵2の上方に突出するように構成されている。
また、複数の支持脚部13には、図1〜図4に示すように、伝達支持レール部14とハンマー支持レール部16とが、鍵2の配列方向に沿って梁渡された状態で、一体に形成されている。すなわち、伝達支持レール部14とハンマー支持レール部16とは、支持脚部13と同じ合成樹脂で形成されている。これにより、複数の支持脚部13は、伝達支持レール部14とハンマー支持レール部16とによって連結されている。
伝達支持レール部14は、図3および図4に示すように、帯板状の搭載部14aと、この搭載部14aの下面にその長手方向に沿って形成された縦板状の複数の補強リブ14bとで構成されている。この場合、伝達支持レール部14は、帯板状の搭載部14aと複数の補強リブ14bとが複数の鍵2の配列方向の全長に亘って、複数の支持脚部13に梁渡された状態で一体に形成された構成になっている。
すなわち、伝達支持レール部14は、図3に示すように、複数の補強リブ14bの各下端部が、複数の支持脚部13における各ブリッジ部13bの後端下部(図3では左側下部)に位置する各後側レール支持部13c上に位置した状態で、複数の補強リブ14bそれぞれが起立した状態で、各後側レール支持部13c上に一体に形成された構成になっている。
また、ハンマー支持レール部16は、図2〜図4に示すように、断面H形状の本体部16aと、この本体部16a内における上下部に形成された複数の補強リブ16bとで構成されている。この場合、本体部16aは、帯板状の水平板部の両側に一対の縦板部を上下に突出させて形成した構成になっている。
このため、本体部16aは、図2〜図4に示すように、一対の縦板部が帯板状の水平板部の撓みを防ぐ補強リブとして機能するように構成されている。また、複数の補強リブ16bは、鍵2の配列方向に沿って所定間隔で本体部16aの上下部に多数形成され、ハンマー支持レール部16の捩れを防ぐように構成されている。
これにより、ハンマー支持レール部16は、図2〜図4に示すように、本体部16aが複数の鍵2の配列方向の全長に亘って、複数の支持脚部13に梁渡された状態で一体に形成されている。この場合、ハンマー支持レール部16は、本体部16aの下端部が、複数の支持脚部13における各ブリッジ部13bの前端上部(図3では右側上部)に位置する各前側レール支持部13d上に一体に形成されている。
ところで、伝達支持レール部14上には、図2〜図4に示すように、複数の伝達部材10を回転可能に保持するための複数の伝達保持部15が、鍵2の配列方向における全長に亘って一体に形成されている。これら複数の伝達保持部15それぞれは、複数の支持脚部13および伝達支持レール部14と同じ合成樹脂で形成されている。また、複数の伝達保持部15それぞれは、一対のガイド壁15aと、これら一対のガイド壁15a間に形成された伝達保持軸15bと、を有している。
この場合、一対のガイド壁15aは、図2〜図4に示すように、伝達部材10の後述する伝達嵌合部19を両側から摺動可能に挟んだ状態で、伝達部材10の伝達嵌合部19を回転可能にガイドするガイド部としての機能を有するように構成されている。伝達保持軸15bは、伝達部材10の伝達嵌合部19を回転可能に保持するように構成されている。この場合、伝達支持レール部14の搭載部14aには、伝達保持軸15bを成型するための型抜き孔14cが、伝達保持軸15bに対応して設けられている。
伝達部材10は、ABS樹脂などの硬質の合成樹脂からなり、図2に示すように、鍵2の押鍵操作に応じて上下方向に回転してハンマー部材11を上下方向に回転させる伝達本体部18と、この伝達本体部18に一体に形成されて伝達保持部15の伝達保持軸15bに回転自在に取り付けられる伝達嵌合部19と、を有している。
伝達本体部18は、図2に示すように、ワッフル形状に形成されている。すなわち、この伝達本体部18は、厚みの薄い縦板部18aと、この縦板部18aの外周部および両側面に格子状に形成された複数のリブ部18bと、を有し、これらがワッフル形状に形成されている。
この伝達本体部18は、図2に示すように、縦板部18aの形状および複数のリブ部18bの形成密度によって、伝達部材10の重量を調整するように構成されている。また、この伝達本体部18は、縦板部18aの厚みを薄く形成しても、複数のリブ部18bによって強度が確保されると共に、成形時に縦板部18aにヒケの発生を防ぐように構成されている。
伝達嵌合部19は、図2に示すように、全体が逆C字形状に形成され、伝達本体部18の後端部(図2では左端部)にその後方に突出して形成されている。すなわち、この伝達嵌合部19は、鍵2の配列方向の厚みが伝達保持部15の一対のガイド壁15a間とほぼ同じ長さに形成され、一対のガイド壁15a間に摺動可能に挿入されるように構成されている。
また、この伝達嵌合部19は、図2に示すように、その中心部に伝達保持部15の伝達保持軸15bが嵌合する嵌合孔19aが形成され、この嵌合孔19aの周囲における一部、つまり嵌合孔19aの周囲における後部に伝達保持軸15bが挿脱可能に挿入する挿入口19bが形成され、この挿入口19bを通して伝達保持軸15bが嵌合孔19aに挿入することにより、伝達保持軸15bに回転可能に取り付けられるように構成されている。
この場合、伝達嵌合部19は、図2に示すように、挿入口19bを通して伝達保持軸15bが嵌合孔19aに挿入される際に、伝達部材10を伝達保持軸15bの上方に起立させて挿入口19bを伝達保持軸15bの両側の切り欠かれた個所に対応させ、この状態で挿入口19bを伝達保持軸15bに圧入する際に、挿入口19bが伝達保持軸15bで少し押し広げられることにより、伝達保持軸15bが挿入口19bを通して嵌合孔19aに挿入されて嵌合するように構成されている。
ところで、この伝達部材10の伝達本体部18は、図2に示すように、その下部が鍵2の上面に向けて突出して形成されている。この伝達本体部18の下端部には、第1伝達フェルト20が設けられている。この第1伝達フェルト20は、鍵2の後側上部に設けられたキャプスタン21が下側から当接するように構成されている。これにより、伝達部材10は、鍵2が押鍵された際に、第1伝達フェルト20に下側から当接する鍵2のキャプスタン21によって押し上げられて、伝達保持軸15bを中心に反時計回りに回転するように構成されている。
また、伝達部材10の伝達本体部18は、図2に示すように、その前端上部が後端上部よりも高く形成され、これにより上辺部が後部下がりに傾斜するように形成されている。この伝達本体部18の前端上部には、ハンマー部材11の後述するハンマー突起部22が上方から当接する第2伝達フェルト23が設けられている。これにより、伝達部材10は、鍵2が押鍵されて伝達保持軸15bを中心に反時計回りに回転した際に、ハンマー部材11のハンマー突起部22を押し上げてハンマー部材11を時計回りに回転させるように構成されている。
一方、ハンマー支持レール部16には、図2〜図4に示すように、複数のハンマー部材11それぞれが回転自在に取り付けられる複数のハンマー保持部17が、鍵2の配列方向における全長に亘って一体に形成されている。これら複数のハンマー保持部17それぞれは、ハンマー支持レール部16の本体部16aの後端部(図3では左端部)に各伝達部材10と対応して形成された一対のガイド壁17aと、これら一対のガイド壁17a間に形成されたハンマー保持軸17bと、を有している。
この場合、一対のガイド壁17aは、図2〜図4に示すように、ハンマー部材11の後述するハンマー嵌合部26を両側から摺動可能に挟んだ状態で、ハンマー部材11のハンマー嵌合部26を回転可能にガイドするガイド部としての機能を有するように構成されている。ハンマー保持軸17bは、ハンマー部材11のハンマー嵌合部26を回転可能に保持するように構成されている。
複数のハンマー部材11それぞれは、ABS樹脂などの硬質の合成樹脂からなり、図2に示すように、ハンマー部24とハンマーアーム25とを有し、これらが一体に形成された構成になっている。ハンマー部24は、杓形状の縦板部24aを有し、その外周部およびその両側面にリブ部24bが形成された構成になっている。ハンマーアーム25は、前後方向の長さが伝達部材10とほぼ同じ長さの横板部25aを有し、その外周部および両側面にリブ部25bが形成された構成になっている。
このハンマーアーム25の前端部(図2では右端部)には、図2に示すように、ハンマー保持部17に回転自在に取り付けられるハンマー嵌合部26が形成されている。このハンマー嵌合部26は、伝達嵌合部19と同様、全体がC字形状に形成され、ハンマーアーム25の前端部にその前方に突出して形成されている。すなわち、このハンマー嵌合部26は、鍵2の配列方向の厚みがハンマー保持部17の一対のガイド壁17a間とほぼ同じ長さに形成されて、一対のガイド壁17a間に摺動可能に挿入されるように構成されている。
また、このハンマー嵌合部26は、図2に示すように、その中心にハンマー保持部17のハンマー保持軸17bが嵌合する嵌合孔26aが形成され、この嵌合孔26aの周囲における一部、つまり嵌合孔26aの周囲における前部にハンマー保持軸17bが挿脱可能に挿入する挿入口26bが形成され、この挿入口26bを通してハンマー保持軸17bが嵌合孔26aに挿入することにより、ハンマー保持軸17bに回転可能に取り付けられるように構成されている。
この場合、ハンマー嵌合部26は、図2に示すように、挿入口26bを通してハンマー保持軸17bが嵌合孔26aに挿入される際に、ハンマー部材11をハンマー保持軸17bの上方に起立させて挿入口26bをハンマー保持軸17bの両側の切り欠かれた個所に対応させ、この状態で挿入口26bをハンマー保持軸17bに圧入する際に、挿入口26bがハンマー保持軸17bで少し押し広げられることにより、ハンマー保持軸17bが挿入口26bを通して嵌合孔26aに挿入されて嵌合するように構成されている。
さらに、ハンマーアーム25の前端下部には、図2に示すように、伝達部材10の伝達本体部18の前端上部に設けられた第2伝達フェルト23に上方から当接するハンマー突起部22が設けられている。これにより、ハンマー部材11は、伝達部材10が反時計回りに回転すると、その回転に応じてハンマー突起部22が押し上げられることにより、ハンマー保持部17のハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転するように構成されている。
また、このハンマーアーム25は、図2に示すように、その後端下部が下限ストッパ27に上方から当接することにより、初期位置である下限位置に規制されるように構成されている。すなわち、この下限ストッパ27は、伝達支持レール部14上に取り付けられた複数のストッパ支持部28に支持された下限ストッパレール29上に取り付けられている。この場合、複数のストッパ支持部28は、図2に示すように、その各上部が後部下がりに傾斜して形成されている。
下限ストッパレール29は、図2に示すように、下側に開放されたレール状に形成され、鍵2の配列方向の全長に亘る長さに形成されている。この下限ストッパレール29は、複数のストッパ支持部28の各上部に後部下りに傾斜した状態で取り付けられている。このため、下限ストッパ27は、下限ストッパレール29上に後部下がりに傾斜した状態で設けられている。これにより、ハンマー部材11は、ハンマーアーム25の後端下部が下限ストッパ27に上方から当接することにより、後部下がりに傾斜した状態で、初期位置に位置規制されるように構成されている。
また、このハンマーアーム25は、図2に示すように、その後端上部が上限ストッパ30に下方から当接することにより、上限位置が規制されるように構成されている。すなわち、この上限ストッパ30は、複数の支持脚部13の後端上部に位置する各ストッパレール支持部13eに取り付けられた上限ストッパレール31の下面に取り付けられている。
この場合、上限ストッパレール31は、図2に示すように、断面がほぼL字形状に形成された長板であり、鍵2の配列方向の全長に亘る長さに形成されている。この上限ストッパレール31は、その水平部が複数の支持脚部13の各ストッパレール支持部13eから後方に突出した状態で、垂直部が各ストッパレール支持部13eにビス31aによって取り付けられている。
上限ストッパ30は、図2に示すように、上限ストッパレール31の水平部の下面に設けられている。これにより、ハンマー部材11は、ハンマーアーム25がハンマー保持部17のハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転した際に、ハンマーアーム25の後端上部が上限ストッパ30に下方から当接することにより、上限位置が規制されるように構成されている。
さらに、ハンマーアーム25の前端上部には、図2に示すように、スイッチ押圧部32が形成されている。このハンマーアーム25のスイッチ押圧部32に対応する上方には、スイッチ基板33が一対の基板支持レール34によって配置されている。これら一対の基板支持レール34は、それぞれ断面がL字形状に形成された長板であり、鍵2の配列方向の全長に亘る長さに形成されている。
これら一対の基板支持レール34は、図2に示すように、その各水平部が複数の支持脚部13の上端部に位置する各基板レール支持部13f上に所定間隔離れた状態で取り付けられている。スイッチ基板33は、図1に示すように、複数に分割されている。すなわち、この実施形態では、スイッチ基板33が例えば4つに分割されて20個程度の各鍵2に対応する長さで、一対の基板支持レール34上に取り付けられている。
これらスイッチ基板33の下面には、図2に示すように、ゴムスイッチ35がそれぞれ設けられている。このゴムスイッチ35は、鍵2の配列方向に長いゴムシートに複数の逆ドーム状の膨出部35aが複数のハンマーアーム25にそれぞれ対応して形成された構成になっている。この膨出部35aの内部には、スイッチ基板33の下面に設けられた複数の固定接点(図示せず)に接離可能に接触する複数の可動接点35bがハンマーアーム25の前後方向に沿って設けられている。
これにより、ゴムスイッチ35は、図2に示すように、ハンマー部材11がハンマー保持部17のハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転して、ハンマーアーム25のスイッチ押圧部32によって下側から押圧された際に、逆ドーム状の膨出部35aが弾性変形して、複数の可動接点35bが時間差を持って順次、複数の固定接点に接触することにより、鍵2の押鍵強さに応じたスイッチ信号を出力するように構成されている。
次に、このような電子鍵盤楽器の鍵盤装置1におけるアクション搭載部材12を製作する場合について説明する。
このアクション搭載部材12は、成型用金型によって1回で成型されている。すなわち、この成型用金型(図示せず)は、アクション搭載部材12が、複数の支持脚部13、伝達支持レール部14、複数の伝達保持部15、ハンマー支持レール部16、複数のハンマー保持部17を備えていても、このアクション搭載部材12を1回で製作するように構成されている。
この場合、成型用金型は、上金型、下金型、および1つのスライドコアで構成されている。すなわち、アクション搭載部材12の複数の支持脚部13は、取付部13aとブリッジ部13bとを有し、取付部13aがブリッジ部13の後方に突出し、かつブリッジ部13bの後端上部のストッパレール支持部13eがオーバーハング形状に形成されている。このため、成型用金型は、上金型と下金型とのほかに、スライドコアが設けられていることにより、このスライドコアによって、ブリッジ部13の後方に突出する取付部13aの後部と、その上方のオーバーハング形状の個所とを形成するように構成されている。
また、アクション搭載部材12の伝達支持レール部14は、帯板状の搭載部14aとその下面に垂下された複数の補強リブ14bとで構成されている。このため、この成型用金型の上金型と下金型とは、帯板状の搭載部14aの下面で分割されていることにより、伝達支持レール部14を形成するように構成されている。
また、アクション搭載部材12の複数の伝達保持部15は、一対のガイド壁15aとその間に形成された伝達保持軸15bとを備え、一対のガイド壁15aが伝達支持レール部14の搭載部14a上に形成されている。このため、この成型用金型は、その下金型の一部が伝達支持レール部14の搭載部14aに設けられた型抜き孔14cにその下側から挿入されて伝達保持軸15bの下面に配置され、この状態で伝達保持軸15bの軸中心で上金型と下金型とが分割されることにより、複数の伝達保持部15を形成するように構成されている。
また、このアクション搭載部材12のハンマー支持レール部16は、断面形状がH字形状の本体部16aと、この本体部16a内における上下部に形成された複数の補強リブ16bとで構成されている。このため、この成型用金型は、上金型と下金型とが本体部16aの水平部で分割されていることにより、ハンマー支持レール部16を形成するように構成されている。
また、このアクション搭載部材12における複数のハンマー保持部17は、一対のガイド壁17aと、その間に形成されたハンマー保持軸17bとを備え、これらがハンマー支持レール部16の後端部に後方に向けて突出した構成になっている。このため、この成型用金型は、上金型と下金型とがハンマー保持軸17bの軸中心で分割されていることにより、複数のハンマー保持部17を形成するように構成されている。
さらに、このアクション搭載部材12の複数の支持脚部13は、取付部13aとブリッジ部13bとを有し、取付部13aがブリッジ部13bの前方に突出して形成されている。このため、この成型用金型は、上金型と下金型とが取付部13aとブリッジ部13bとの境界部で分割されていることにより、ブリッジ部13bの前方に突出する取付部13aの前部を形成するように構成されている。
次に、このような電子鍵盤楽器の鍵盤装置1を組み立てる場合について説明する。
まず、ベース板5上に複数の鍵2を設置すると共に、アクション搭載部材12を設置する。この場合には、図1および図2に示すように、88個の鍵2をベース板5上にバランスピン4a、4bによってそれぞれ上下方向に回転可能に取り付けた状態で並列に配列させる。また、アクション搭載部材12を設置する際には、複数の支持脚部13を、ベース板5上における鍵2の配列方向における両端部に位置する箇所と、20個の鍵2ごとに位置する3箇所の各鍵2間に位置するベース板5上の箇所とに取り付ける。
この状態では、図3および図4に示すように、複数の支持脚部13の各後側レール支持部13c上に一体に形成されて梁渡された伝達支持レール部14が複数の鍵2の上方にその鍵2の配列方向の全長に亘って配置される。また、この状態では、複数の支持脚部13の各前側レール支持部13d上に一体に形成されて梁渡されたハンマー支持レール部16が複数の鍵2の上方にその鍵2の配列方向の全長に亘って配置される。
この場合には、伝達支持レール部14上に一体に形成された複数の伝達保持部15が複数の鍵2に対応した状態で鍵2の上方に配置される。また、ハンマー支持レール部16上に一体に形成された複数のハンマー保持部17が複数の鍵2に対応した状態で鍵2の上方に配置される。これにより、アクション搭載部材12がベース板5上に設置される。
この状態で、アクション搭載部材12の伝達支持レール部14上に複数のストッパ支持部28を鍵2の配列方向に沿って取り付ける。この場合には、複数のストッパ支持部28を、複数の支持脚部13に対応する伝達支持レール部14上の5箇所に、複数の伝達保持部15の上方に突出させた状態で取り付ける。
この状態で、まず、複数の伝達部材10をアクション搭載部材12の複数の伝達保持部15に順次取り付ける。この場合には、伝達部材10を伝達保持部15の上方に起立させて、伝達嵌合部19の挿入口19bを伝達保持部15の伝達保持軸15bに対応させ、この状態で圧入により挿入口19bを通して伝達保持軸15bを嵌合孔19aに相対的に挿入させて嵌合させる。
このときには、挿入口19bが伝達保持軸15bの切り欠かれた個所で少し押し広げられることにより、挿入口19bを伝達保持軸15bに簡単にかつ容易に挿入させることができ、この挿入口19bを通して伝達保持軸15bを嵌合孔19aに相対的に挿入させて回転可能に嵌合させることができる。この状態で、伝達保持軸15bを中心に伝達部材10を時計回りに回転させる。
このときには、伝達嵌合部19が伝達保持部15の一対のガイド壁15a間に挿入されて配置されていることにより、伝達嵌合部19が一対のガイド壁15aの各対向面に摺動可能に挟まれた状態で回転する。このため、伝達部材10が鍵2の配列方向に横触れすることがない。また、このときには、伝達部材10の下部の第1伝達フェルト20が鍵2のキャプスタン21に上方から当接し、伝達部材10が初期位置に規制される。
このように、複数の伝達部材10をそれぞれ起立させてアクション搭載部材12の各伝達保持部15に対応させ、この状態で伝達部材10の各伝達嵌合部19を各伝達保持部15の各伝達保持軸15bに順次嵌合させることにより、複数の伝達部材10がアクション搭載部材12の各伝達保持部15に簡単に取り付けられる。
これにより、アクション搭載部材12上にすべての伝達部材10がすべての鍵2に対応して取り付けられる。この状態で、複数のストッパ支持部28の上部に下限ストッパレール29を伝達支持レール部14と平行な状態でその上方に梁渡して取り付け、この下限ストッパレール29上にその全長に亘って下限ストッパ27を取り付ける。
そして、複数のハンマー部材11をアクション搭載部材12のハンマー支持レール部16上に形成された複数のハンマー保持部17に順次取り付ける。この場合には、伝達部材10と同様、ハンマー部材11をハンマー保持部17の上方に起立させて、ハンマー嵌合部26の挿入口26bをハンマー保持部17のハンマー保持軸17bに対応させ、この状態で圧入により挿入口26bを通してハンマー保持軸17bが嵌合孔26aに相対的に挿入する。
このときには、挿入口26bがハンマー保持軸17bの切り欠かれた個所で少し押し広げられることにより、挿入口26bをハンマー保持軸17bに簡単にかつ容易に挿入させることができ、この挿入口26bを通してハンマー保持軸17bを嵌合孔26aに相対的に挿入させて回転可能に嵌合させることができる。この状態で、ハンマー保持軸17bを中心にハンマー部材11を反時計回りに回転させる。
このときには、ハンマー嵌合部26がハンマー保持部17の一対のガイド壁17a間に挿入されて配置されることにより、ハンマー嵌合部26が一対のガイド壁17aの各対向面に摺動可能に挟まれた状態で回転する。このため、ハンマー部材11が、鍵2の配列方向に横触れすることがなく、上下方向に回転する。
また、このときには、ハンマー部材11のハンマー突起部22が伝達部材10の第2伝達フェルト23に上方から当接すると共に、ハンマーアーム25の後側下部が下限ストッパ27に上方から当接する。これにより、ハンマー部材11が後部下がりに傾斜した状態で初期位置に規制される。
このように、複数のハンマー部材11をそれぞれ起立させてアクション搭載部材12の各ハンマー保持部17に対応させ、この状態でハンマー部材11の各ハンマー嵌合部26を各ハンマー保持部17の各ハンマー保持軸17bに順次嵌合させることにより、複数のハンマー部材11がアクション搭載部材12の各ハンマー保持部17に簡単に取り付けられる。これにより、アクション搭載部材12上にすべてのハンマー部材11がすべての鍵2に対応して取り付けられる。
この後、アクション搭載部材12の複数の支持脚部13の後端上部に位置する各ストッパレール支持部13eに上限ストッパレール31を取り付け、この上限ストッパレール31の下面に上限ストッパ30を取り付ける。また、アクション搭載部材12の複数の支持脚部13の上端部に位置する各基板レール支持部13f上に所定間隔離して一対の基板支持レール34を取り付ける。この状態で、一対の基板支持レール34上に複数のスイッチ基板33を鍵2の配列方向に沿って取り付ける。
この場合には、予め、スイッチ基板33の下面にゴムスイッチ35を取り付ける。そして、このスイッチ基板33を一対の基板支持レール34上に取り付ける際には、ゴムスイッチ35の各膨出部35aを複数のハンマーアーム25の各スイッチ押圧部32にそれぞれ対応させる。これにより、アクション搭載部材12に複数の伝達部材10、複数のハンマー部材11、下限ストッパ27、上限ストッパ30、およびがスイッチ基板33が搭載された鍵盤装置1が組み立てられる。
次に、このような電子鍵盤楽器の鍵盤装置1の作用について説明する。
この鍵盤装置1では、鍵2を押鍵操作して演奏をする。このときには、鍵2が押鍵されると、鍵2がバランスピン4a、4bを中心に時計回りに回転し、鍵2のキャプスタン21が伝達部材10を押し上げる。これにより、伝達部材10が伝達保持部15の伝達保持軸15bを中心に反時計回りに回転する。
このときには、伝達部材10の伝達嵌合部19の嵌合孔19aに伝達保持部15の伝達保持軸15bが嵌合しているので、伝達部材10が鍵2の前後方向に位置ずれすることなく、伝達保持軸15bを中心に円滑に回転する。また、このときには、伝達部材10の伝達嵌合部19が伝達保持部15の一対のガイド壁15a間に摺動回転可能に挟まれた状態でガイドされるので、伝達部材10が横振れすることなく、円滑に上下方向に回転する。
このように、伝達部材10が鍵2のキャプスタン21によって押し上げられて反時計回りに回転すると、この伝達部材10の第2伝達フェルト23によってハンマー部材11のハンマー突起部22が押上げられる。これにより、ハンマー部材11がハンマー保持部17のハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転して、鍵2にアクション荷重を付与する。
このときには、伝達部材10と同様、ハンマー部材11のハンマー嵌合部26の嵌合孔26aにハンマー保持部17のハンマー保持軸17bが嵌合しているので、ハンマー部材11が鍵2の前後方向に位置ずれすることなく、ハンマー保持軸17bを中心に円滑に回転する。また、このときには、ハンマー部材11のハンマー嵌合部26がハンマー保持部17の一対のガイド壁17a間に摺動回転可能に挟まれた状態でガイドされるので、ハンマー部材11が横振れすることなく、円滑に上下方向に回転する。
このようにハンマー部材11がハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転する際には、ハンマー部材11の慣性モーメントによって鍵2にアクション荷重が付与される。すなわち、ハンマーアーム25は、鍵2の前後方向の長さが伝達部材10とほぼ同じ長さに形成され、このハンマーハンマーアーム25の後端部にハンマー部24が形成され、この状態でハンマーアーム25の前端部の嵌合部26がハンマー保持軸17bに回転可能に取り付けられている。
このため、ハンマー部材11がハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転する際には、ハンマー部材11に慣性モーメントが発生し、この慣性モーメントによって鍵2にアクション荷重が付与される。これにより、アコースティックピアノの鍵タッチ感に極めて近似した鍵タッチ感が得られる。
このようにハンマー部材11がハンマー保持軸17bを中心に時計回りに回転すると、ハンマーアーム25のスイッチ押圧部32がスイッチ基板33に設けられたゴムスイッチ35の逆ドーム状の膨出部35aを下側から押圧する。これにより、逆ドーム状の膨出部35aが弾性変形して、膨出部35a内の複数の可動接点35bが時間差を持って順次、複数の固定接点に接触することにより、鍵2の押鍵強さに応じたスイッチ信号を出力し、スピーカ(図示せず)から楽音を発生する。
そして、ハンマー部材11がハンマー保持軸17bを中心に更に時計回りに回転すると、ハンマーアーム25の後端上部が上限ストッパ30に下側から当接して、ハンマー部材11の回転が規制される。この後、鍵2が離鍵動作を開始すると、伝達部材10が時計回りに回転して初期位置に戻ると共に、ハンマー部材11が反時計回りに回転して初期位置に戻る。
このように、この電子鍵盤楽器の鍵盤装置1によれば、並列に配列された複数の鍵2それぞれの押鍵操作に応じて変位する複数の伝達部材10と、押鍵操作されている鍵2にアクション荷重を付与する複数のハンマー部材11とを、鍵2の配列方向に沿って搭載するアクション搭載部材12を備え、このアクション搭載部材12が、複数の鍵2の配列方向における予め定められた複数個所に配置された複数の支持脚部13と、鍵2の配列方向に沿って複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結する伝達支持レール部14と、この伝達支持レール部14上に一体に形成されて複数の伝達部材10をそれぞれ回転自在に保持する複数の伝達保持部15と、を有しているので、組立て作業性および生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
すなわち、この鍵盤装置1では、複数の伝達部材10を複数の伝達保持部15に取り付ける前に、予め、複数の支持脚部13に伝達支持レール部14を取り付ける必要がなく、また複数の伝達部材10をそれぞれ回転自在に保持する複数の伝達保持部15を個別に製作して伝達支持レール部14に組み付ける必要がなく、アクション搭載部材12を設置するだけで、簡単に複数の支持脚部13、伝達支持レール部14および複数の伝達保持部15を一度に設置することができる。このため、組立て作業が容易にできるので、生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
この場合、複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結する伝達支持レール部14は、帯板状の搭載部14aと、この搭載部14aの下面にその長手方向に沿って形成された縦板状の複数の補強リブ14bとで構成されているので、これらを複数の鍵2の配列方向の全長に亘って、複数の支持脚部13に梁渡しても、十分な強度を確保することができる。
このため、伝達支持レール部14上に、複数の伝達部材10が取り付けられる複数の伝達保持部15を鍵2の配列方向の全長に亘って一体に形成することができると共に、これら複数の伝達保持部15それぞれに伝達部材10を取り付けても、またこれら複数の伝達部材10が鍵2の押鍵動作しに応じて上下方向に回転しても、伝達支持レール部14が撓んだり揺れたりすることがなく、確実にかつ良好に伝達部材10を保持した状態で搭載することができる。
この場合、伝達部材10は、伝達保持部15に回転自在に取り付けられる伝達嵌合部19を、伝達保持部15に差し込むことにより、伝達保持部15に回転自在に取り付けられる構成であるから、伝達支持レール部14上に複数の伝達保持部15が鍵2の配列方向に沿って形成されていても、簡単に伝達嵌合部19を伝達保持部15に回転自在に取り付けることができる。
すなわち、伝達部材10の伝達嵌合部19は、その中心部に嵌合孔19aが設けられ、この嵌合孔19aの周囲の一部に挿入口19bが設けられており、伝達保持部15は、一対のガイド壁15aと、これら一対のガイド壁15a間に設けられた伝達保持軸15bとで構成されていることにより、挿入口19bを通して伝達保持軸15bを嵌合孔19aに挿入させて嵌合させるだけで、簡単にかつ容易に伝達嵌合部19を伝達保持軸15bに回転可能に取り付けることができる。
この場合、アクション搭載部材12は、複数の支持脚部13、伝達支持レール部14、および複数の伝達保持部15を備えた構成であっても、上金型、下金型、および1つのスライドコアで構成された成型用金型によって1度に成型することができるので、これによっても生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
また、この鍵盤装置1によれば、複数の伝達部材10と複数のハンマー部材11とを鍵2の配列方向に沿って搭載するアクション搭載部材12が、複数の鍵2の配列方向における予め定められた複数個所に配置された複数の支持脚部13と、鍵2の配列方向に沿って複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結するハンマー支持レール部16と、このハンマー支持レール部16上に一体に形成されて複数のハンマー部材11をそれぞれ回転自在に保持する複数のハンマー保持部17と、を有しているので、組立て作業性および生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
すなわち、この鍵盤装置1では、複数のハンマー部材11を複数のハンマー保持部17に取り付ける前に、予め、複数の支持脚部13にハンマー支持レール部16を取り付ける必要がなく、また複数のハンマー部材11をそれぞれ回転自在に保持する複数のハンマー保持部17を個別に製作してハンマー支持レール部16に組み付ける必要がなく、アクション搭載部材12を設置するだけで、簡単に複数の支持脚部13、ハンマー支持レール部16および複数のハンマー保持部17を一度に設置することができる。このため、組立て作業が容易にできるので、生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
この場合にも、複数の支持脚部13に一体に形成されて複数の支持脚部13を連結するハンマー支持レール部16は、断面H形状の本体部16aと、この本体部16a内における上下部に形成された複数の補強リブ16bとで構成されているので、これらを複数の鍵2の配列方向の全長に亘って、複数の支持脚部13に梁渡しても、十分な強度を確保することができる。
このため、ハンマー支持レール部16上に、複数のハンマー部材11が取り付けられる複数のハンマー保持部17を鍵2の配列方向の全長に亘って一体に形成することができると共に、これら複数のハンマー保持部17それぞれにハンマー部材11を取り付けても、またこれら複数のハンマー部材11が伝達部材10の上下方向への変位に応じて上下方向に回転しても、ハンマー支持レール部16が撓んだり揺れたりすることがなく、確実にかつ良好にハンマー部材11を保持した状態で搭載することができる。
この場合、ハンマー部材11は、ハンマー保持部17に回転自在に取り付けられるハンマー嵌合部26を、ハンマー保持部17に差し込むことにより、ハンマー保持部17に回転自在に取り付けられる構成であるから、ハンマー支持レール部16上に複数のハンマー保持部17が鍵2の配列方向にそって形成されていても、簡単にハンマー嵌合部26をハンマー保持部17に回転自在に取り付けることができる。
すなわち、ハンマー部材11のハンマー嵌合部26は、その中心部に嵌合孔26aが設けられ、この嵌合孔26aの周囲の一部に挿入口26bが設けられており、ハンマー保持部17は、一対のガイド壁17aと、これら一対のガイド壁17a間に設けられたハンマー保持軸17bと、で構成されていることにより、挿入口26bを通してハンマー保持軸17bを嵌合孔26aに挿入させて嵌合させるだけで、簡単にかつ容易にハンマー嵌合部26をハンマー保持軸17bに回転可能に取り付けることができる。
この場合、アクション搭載部材12は、複数の支持脚部13、ハンマー支持レール部16、および複数のハンマー保持部17を備えた構成であっても、上金型、下金型、および1つのスライドコアで構成された成型用金型によって1度に成型することができるので、これによっても生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
このように、この鍵盤装置1では、複数の伝達部材10と複数のハンマー部材11とを鍵2の配列方向に沿って搭載するアクション搭載部材12が、複数の支持脚部13と、伝達支持レール部14と、複数の伝達保持部15と、ハンマー支持レール部16と、複数のハンマー保持部17と、を一体に形成した構成であるから、アクション搭載部材12を設置するだけで、簡単に複数の支持脚部13、伝達支持レール部14、複数の伝達保持部15、ハンマー支持レール部16および複数のハンマー保持部17を一度に設置することができる。このため、組立て作業が極めて容易にできるので、より一層、生産性が良く、大幅な低コスト化を図ることができる。
この場合、アクション搭載部材12は、複数の支持脚部13、伝達支持レール部14、複数の伝達保持部15、ハンマー支持レール部16、および複数のハンマー保持部17を備えた構成であっても、上金型、下金型、および1つのスライドコアで構成された成型用金型によって1度に成型することができるので、これによっても、より一層、生産性が良く、大幅な低コスト化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、アクション搭載部材12が、伝達支持レール部14、複数の伝達保持部15、ハンマー支持レール部16、および複数のハンマー保持部17を一体に形成した場合について述べたが、これに限らず、アクション搭載部材は、複数の支持脚部13と、伝達支持レール部14と、複数の伝達保持部15と、を備えただけの構成であっても良い。このような構成であっても、上述した実施形態と同様、組立て作業性および生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
また、これに限らず、アクション搭載部材は、複数の支持脚部13と、ハンマー支持レール部16と、複数のハンマー保持部17と、を備えただけの構成であっても良い。このような構成であっても、上述した実施形態と同様、組立て作業性および生産性が良く、低コスト化を図ることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、並列に配列された複数の鍵と、前記複数の鍵それぞれに対応して設けられ、当該複数の鍵それぞれの押鍵操作に応じて変位する複数の伝達部材と、前記複数の伝達部材それぞれに対応して設けられ、押鍵操作に対応する前記伝達部材の変位に応じて回転動作することにより、押鍵操作されている前記鍵に対してアクション荷重を付与する複数のハンマー部材と、前記複数の鍵の配列方向における複数個所に配置された複数の支持脚部と、前記鍵の配列方向に沿って前記複数の支持脚部に一体に形成されて当該複数の支持脚部を連結する伝達支持レール部と、前記伝達支持レール部上に一体に形成されて前記複数の伝達部材をそれぞれ回転自在に保持する複数の伝達保持部と、前記鍵の配列方向に沿って前記複数の支持脚部に一体に形成されて当該複数の支持脚部を連結するハンマー支持レール部と、前記ハンマー支持レール部上に一体に形成されて前記複数のハンマー部材をそれぞれ回転自在に保持する複数のハンマー保持部と、を有していることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鍵盤装置において、前記伝達支持レール部と前記ハンマー支持レール部とには、補強リブがそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の鍵盤装置において、前記伝達部材は、前記伝達保持部に回転自在に取り付けられる伝達嵌合部を有し、この伝達嵌合部を前記伝達保持部に差し込むことにより、前記伝達嵌合部が前記伝達保持部に回転自在に取り付けられ、前記ハンマー部材は、前記ハンマー保持部に回転自在に取り付けられるハンマー嵌合部を有し、このハンマー嵌合部を前記ハンマー保持部に差し込むことにより、前記ハンマー嵌合部が前記ハンマー保持部に回転自在に取り付けられることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記複数の支持脚部、前記伝達支持レール部、前記複数の伝達保持部、前記ハンマー支持レール部、および前記複数のハンマー保持部は、成型用金型によって成型されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項5に記載の発明は、並列に配列された複数の鍵と、前記複数の鍵それぞれに対応して設けられ、当該複数の鍵それぞれの押鍵操作に応じて変位する複数の伝達部材と、前記複数の伝達部材それぞれに対応して設けられ、押鍵操作に対応する前記伝達部材の変位に応じて回転動作することにより、押鍵操作されている前記鍵に対してアクション荷重を付与する複数のハンマー部材と、前記複数の鍵の配列方向における複数個所に配置された複数の支持脚部と、前記鍵の配列方向に沿って前記複数の支持脚部に一体に形成されて当該複数の支持脚部を連結するハンマー支持レール部と、を有していることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の鍵盤装置において、前記ハンマー支持レール部上に一体に形成されて前記複数のハンマー部材をそれぞれ回転自在に保持する複数のハンマー保持部をさらに有することを特徴とする鍵盤装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の鍵盤装置において、前記ハンマー支持レール部には、補強リブが一体に形成されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記ハンマー部材は、前記ハンマー保持部に回転自在に取り付けられるハンマー嵌合部を有し、このハンマー嵌合部を前記ハンマー保持部に差し込むことにより、前記ハンマー嵌合部が前記ハンマー保持部に回転自在に取り付けられることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項5〜請求項8のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記複数の支持脚部、前記ハンマー支持レール部、および前記複数のハンマー保持部は、成型用金型によって成型されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項10に記載の発明は、並列に配列された複数の鍵と、前記複数の鍵それぞれに対応して設けられ、当該複数の鍵それぞれの押鍵操作に応じて変位する複数の伝達部材と、前記複数の伝達部材それぞれに対応して設けられ、押鍵操作に対応する前記伝達部材の変位に応じて回転動作することにより、押鍵操作されている前記鍵に対してアクション荷重を付与する複数のハンマー部材と、前記複数の鍵の配列方向における複数個所に配置された複数の支持脚部と、前記鍵の配列方向に沿って前記複数の支持脚部に一体に形成されて当該複数の支持脚部を連結する伝達支持レール部と、を有していることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の鍵盤装置において、前記伝達支持レール部上に一体に形成されて前記複数の伝達部材をそれぞれ回転自在に保持する複数の伝達保持部をさらに有することを特徴とする鍵盤装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項10または請求項11に記載の鍵盤装置において、前記伝達支持レール部には、補強リブが一体に形成されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項10〜請求項12のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記伝達部材は、前記伝達保持部に回転自在に取り付けられる伝達嵌合部を有し、この伝達嵌合部を前記伝達保持部に差し込むことにより、前記伝達嵌合部が前記伝達保持部に回転自在に取り付けられることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項14に記載の発明は、請求項10〜請求項13のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記複数の支持脚部、前記伝達支持レール部、および前記複数の伝達保持部は、成型用金型によって成型されていることを特徴とする鍵盤装置である。
請求項15に記載の発明は、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の鍵盤装置と、前記鍵盤装置の操作に応じて楽音を生成する楽音生成部と、前記楽音生成部によって生成された楽音を出力する楽音出力部を備えることを特徴とする電子楽器である。