JP2008161190A - 分泌及び膜貫通ポリペプチドとそれをコードしている核酸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】新規細胞外タンパク質(PROポリペプチド)、特に膜結合ドメインが欠失または不活性のもの、及びこれらペプチドをコードする核酸分子。また、これら核酸配列を含んでなるベクター及び宿主細胞、異種ポリペプチド配列に融合したポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド分子、ポリペプチドと結合する抗体、並びにポリペプチド。
【選択図】なし
Description
産に関する。
ている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は
、典型的には、他の細胞及び/又は直近の環境から受け取る情報に支配される。この情報
は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分
化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが、翻って多様な細胞レセ
プター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。これらの分泌ポリペプチド又
はシグナル分子は、通常は細胞分泌経路を通過して、細胞外環境におけるその作用部位に
到達する。
分泌タンパク質は、製薬、診断、バイオセンサー及びバイオリアクターを含む、様々な産
業上の利用性を有している。血栓溶解剤、インターフェロン、インターロイキン、エリス
ロポエチン、コロニー刺激因子、及び種々の他のサイトカインのような、現在入手可能な
大抵のタンパク質薬物は分泌タンパク質である。また、膜タンパク質であるこれらレセプ
ターは、治療又は診断薬剤としての潜在力を有する。新規な未変性分泌タンパク質を同定
する努力が産業界及び学術界の両方によってなされている。多くの努力が新規な分泌タン
パク質のコード配列を同定するために哺乳類組換えDNAライブラリーのスクリーニング
に注がれている。スクリーニング方法及び技術の例は文献に記載されている[例えば、Kle
inら, Proc. Natl. Acad. Sci. 93;7108-7113(1996);米国特許第5,536,637号
を参照されたい]。
割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相
互作用は、典型的には他の細胞及び/又は直近の環境から受け取られる情報に支配される
。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害
性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが次に多様な細
胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。このような膜結合タン
パク質及び細胞レセプターは、これらに限定されるものではないが、サイトカインレセプ
ター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞間相互作用に関与す
るレセプター、及びセレクチン及びインテグリンのような細胞接着分子を含む。例えば、
細胞の増殖及び分化を調節するシグナルの伝達は、様々な細胞タンパク質のリン酸化によ
り部分的に調節される。そのプロセスを触媒する酵素であるプロテインチロシンキナーゼ
はまた成長因子レセプターとしても作用する。具体例には、繊維芽細胞増殖因子及び神経
成長因子レセプターが含まれる。
膜結合タンパク質及びレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業上の利用性
を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター-リガンド間相互作用
を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセ
プター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリー
ニングするために使用することもできる。
新規な天然のレセプター又は膜結合タンパク質を同定するための努力が産業界と学術界の
双方によってなされている。多くの努力が、新規なレセプター又は膜結合タンパク質のコ
ード配列を同定するために、哺乳動物の組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注
がれている。
なる単離された核酸分子を提供する。
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長アミノ酸配列、ここに
開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、シグナルペプチドを伴うか伴わないこ
こに開示した膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン又はここに開示された全長アミノ酸配列
の任意の他の特に定められた断片を有するPROポリペプチドをコードするDNA分子、
又は(b)(a)のDNA分子の補体に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、
あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列
同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の
核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約
86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少な
くとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、ある
いは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一
性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸
配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95
%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくと
も約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは
少なくとも約99%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
cDNAのコード配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くPROポリペプチドD
NAのコード配列、又はシグナルペプチドを伴うか伴わないここに開示した膜貫通PRO
ポリペプチドの細胞外ドメインのコード配列又はここに開示された全長アミノ酸配列の任
意の他の特に定められた断片のコード配列を含むDNA分子、又は(b)(a)のDNA
分子の補体に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81
%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくと
も約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは
少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、
あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列
同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の
核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約
92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少な
くとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、ある
いは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一
性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸
配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる。
ンパク質cDNAによってコードされている同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分
子、又は(b)(a)のDNA分子の補体に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一
性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸
配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84
%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくと
も約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは
少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、
あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列
同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の
核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約
95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少な
くとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、ある
いは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる単
離された核酸分子に関する。
PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、或いはそのようなコード化ヌクレオ
チド配列に相補的なPROポリペプチドを含んでなる単離された核酸分子を提供し、その
ようなポリペプチドの膜貫通ドメインはここで開示される。従って、ここで記載されたP
ROポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮される。
らは、例えば、場合によっては抗-PRO抗体に対する結合部位を含むポリペプチドをコ
ードするPROポリペプチドのコード化断片のハイブリダイゼーションプローブとして、
又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての用途が見いだされる。このような
核酸断片は、通常は少なくとも約20ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約30ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約40ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約50ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約70ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約80ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約100ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約110ヌ
クレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約13
0ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約140ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約
150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約160ヌクレオチド長、あるいは少なくと
も約170ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少な
くとも約190ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約200ヌクレオチド長、あるいは
少なくとも約250ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、ある
いは少なくとも約350ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約400ヌクレオチド長、
あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約500ヌクレオチド
長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約700ヌクレオ
チド長、あるいは少なくとも約800ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌク
レオチド長、あるいは少なくとも約1000ヌクレオチド長であり、ここで「約」という
語の内容は参照する長さのプラス又はマイナス10%のヌクレオチド配列長を指すことを
意味する。PROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、多くの良く知
られた配列アラインメントプログラムの任意のものを用いてPROポリペプチドコード化
ヌクレオチド配列と他の公知のヌクレオチド配列とを整列させ、いずれのPROポリペプ
チドコード化ヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することにより、日常的な手法
で同定してもよい。このようなPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列は、全てこ
こで考慮される。また、これらのヌクレオチド分子断片、好ましくは抗-PRO抗体に対
する結合部位を含むPROポリペプチド断片によってコードされるPROポリペプチド断
片も考慮される。
コードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。
或る側面では、本発明は、ここに開示されている全長アミノ酸配列、ここに開示されてい
るシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチド有又は
無の膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、又はここに開示されている全長アミノ酸配列の
特に同定された他の断片を持つPROポリペプチドに対して少なくとも約80%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そ
して、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んで
なる単離されたPROポリペプチドに関する。
パク質cDNAによってコードされるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ
酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも
約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そ
して、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んで
なる単離されたPROポリペプチドに関する。
上記したようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる単離さ
れたPROポリペプチドを提供する。これらを製造する方法もここに記載され、これらの
方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの
発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
本発明の他の態様は、膜貫通ドメインが欠失又は膜貫通ドメインが不活性化のいずれかの
単離されたPROポリペプチドを提供する。これを製造する方法もここに記載され、その
方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの
発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
スト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニスト
は抗-PRO抗体又は小分子である。
さらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト
を同定する方法に関し、それは、PROポリペプチドを候補分子と接触させ、前記PRO
ポリペプチドによって媒介される生物学的活性をモニターすることを含む。好ましくは、
PROポリペプチドは天然PROポリペプチドである。
またさらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、又はここに記載するPRO
ポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を担体と組み合わせ
て含む組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体の、PROポリペプチド、そのアゴニスト又は
アンタゴニスト又は抗-PRO抗体に反応性のある症状の治療に有用な医薬の調製のため
の使用に向けられる。
本発明のさらなる実施態様では、本発明は、ここに記載の任意のポリペプチドをコードす
るDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供さ
れる。例としては、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母であってもよい。ここに記
載の任意のポリペプチドの製造方法がさらに提供されており、それは、宿主細胞を所望の
ポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培地から所望のポリペプチドを回収す
ることを含む。
載の任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例
は、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポ
リペプチドを含む。
その他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの任意のものに特異的に
結合する抗体を提供する。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗
体断片又は一本鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又はアンチセ
ンスプローブの単離に有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは
上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導されうる。
さらに他の実施態様では、本発明は、下記の実施例に示される機能的生物学的アッセイデ
ータに基づく種々の利用についての本発明のPROポリペプチドの利用方法に関する。
ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、直後に数値
符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、PRO/番号)は、
ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」がここで使用される実際の
数値符号である、ここで使用される「PRO/番号ポリペプチド」及び「PRO/番号」
という用語は、天然配列ポリペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。
ここで記載されているPROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の
供給源から単離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。「PROポリ
ペプチド」という用語は、ここで開示されている各個々のPRO/番号ポリペプチドに指
す。「PROポリペプチド」を指すこの明細書中の全ての開示は、各ポリペプチドを個別
にも組み合わせとしても言及する。例えば、調製の、精製の、誘導の、抗体の形成、投与
の、含有する組成物、疾患の治療、などの記述は、本発明の各ポリペプチドに個別に関係
する。また、「PROポリペプチド」という用語は、ここに開示されているPRO/番号
ポリペプチドの変異体を含む。
ミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列PROポリペプチド
は、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる
。「天然配列PROポリペプチド」という用語には、特に、特定のPROポリペプチドの
自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(
例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立
遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然
配列PROポリペプチドは、関連する図に示されている全長アミノ酸配列を含有する成熟
又は全長天然配列ポリペプチドである。開始及び終止コドンは、太い書体及び下線で図中
に示さている。しかし、関連する図に開示されているPROポリペプチドがメチオニン残
基で開始すると図のアミノ酸位置1において示されている一方で、図のアミノ酸位置1よ
り上流又は下流のいずれかに位置する他のメチオニン残基が、PROポリペプチドの開始
アミノ酸残基として用いられることが考えられるし可能である。
実質的に有しないPROポリペプチドの形態を意味する。通常、PROポリペプチドEC
Dは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメ
インを0.5%未満しか持たない。本発明のPROポリペプチドについて同定された任意
の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的
に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な
境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越
えない可能性が高い。従って、PROポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、
実施例又明細書おいてに同定された膜貫通ドメインのいずれかの末端から約5を越えない
アミノ酸を含みうるし、付着のシグナルペプチドを有する又は有しないそのようなポリペ
プチド及びそれらをコードする核酸は、本発明において考慮される。
細書と添付の図面に示される。しかし、注記するように、シグナルペプチドのC-末端境
界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC-末端境界のいずれ
かの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC-末端境界は
、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定
しうる(例えば、Nielsenら, Prot. Eng. 10: 1-6 (1997)及びvon Heinjeら, Nucl. Acid
s. Res. 14: 4683-4690 (1986))。さらに、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからの
シグナルペプチドの切断は完全に均一ではなく、1つ以上の分泌種をもたらすことも認め
られる。シグナルペプチドがここに定義されるシグナルペプチドのC-末端境界の何れか
の側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコード
するポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。
る全長天然配列PROポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く全長天然
配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここに開示されたPROの細胞外
ドメイン又はここに開示された全長PROポリペプチドの他の断片と、少なくとも約80
%のアミノ酸配列同一性を有する活性PROポリペプチドを意味する。このようなPRO
ポリペプチド変異体には、例えば、全長天然アミノ酸配列のN-又はC-末端において1つ
又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたPROポリペプチドが含まれる。通
常、PROポリペプチド変異体は、ここに開示される全長天然アミノ酸配列、ここに開示
されたシグナルペプチドを欠く全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド
を有する又は有しないここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された全
長PROポリペプチドの特に同定された他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列
同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82
%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは
少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列
同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87
%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは
少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列
同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92
%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは
少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列
同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97
%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、
あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、PRO変異体
ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20アミノ酸長、
あるいは少なくとも約30アミノ酸長、あるいは少なくとも約40アミノ酸長、あるいは
少なくとも約50アミノ酸長、あるいは少なくとも約60アミノ酸長、あるいは少なくと
も約70アミノ酸長、あるいは少なくとも約80アミノ酸長、あるいは少なくとも約90
アミノ酸長、あるいは少なくとも約100アミノ酸長、あるいは少なくとも約150アミ
ノ酸長、あるいは少なくとも約200アミノ酸長、あるいは少なくとも約300アミノ酸
長、又はそれ以上である。
ミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要
ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、PRO
ポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして
定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、
当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNAS
TAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することによ
り達成可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメン
トを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための
適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ
酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供され
ている配列比較プログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コ
ンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコ
ードは米国著作権事務所, ワシントンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米
国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2はジェネンテク社、サウス
サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供され
たソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オ
ペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のために
コンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され
変動しない。
られたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えら
れたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含
む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメントによっ
て同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数で
ある。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%ア
ミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解される
であろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、「PRO」が対象
となる仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」が対象とな
る「比較」タンパク質が比較されているアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び
「Z」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表2及び3は、「比較タンパク質」
と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同
一性の計算方法を示す。
列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%アミノ酸配列同一性
値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 4
60-480(1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初
期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定
する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾
値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST2が用いられた場合
には、、%アミノ酸配列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列
を有する対象とするPROポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列
(即ち、対象とするPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であって
もよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一アミノ酸残基の数を、
(b)対象とするPROポリペプチドの残基の総数で除した商によって決定される。例え
ば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持って
いるアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、アミノ酸配列Aが対象
である比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが対象であるPROポリペプチドのアミ
ノ酸配列である。
Acids Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プ
ログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国
国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つか
の検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、
unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe
-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ
=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与
えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又
は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のA及びBのアラインメントに
よって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基
数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する
%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解さ
れるであろう。
るように、活性PROポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する全長天
然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた全長天然配列
PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するPRO
ポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する全長PROポリペプチド配列の他の
任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくはあ
るいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同
一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約8
6%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるい
は少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、あ
るいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド
配列を含まない。
少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは
少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、ある
いは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約210ヌクレオチド長、
あるいは少なくとも約240ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約270ヌクレオチド
長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオ
チド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌク
レオチド長、又はそれ以上である。
、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、
PRO配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定
義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者
の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフ
トウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可
能である。ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用
の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラALIGN-2を使用す
ることによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社に
よって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所,ワシントン D.C.
,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録され
ている。ALIGN-2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好
適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。
ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタ
ルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメー
タは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。
酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列
Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列
Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによっ
て同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核
酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性
は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を
用いた%核酸配列同一性の計算の例として、「PRO−DNA」が対象となる仮説的PR
Oコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「PRO−DNA」核酸分子が
比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮説
的アミノ酸残基を表し、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO−D
NA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
ようにALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核
酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzym
ology 266: 460-480 (1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU-BLAST-2検索
パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは
以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.1
25、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST-2が
用いられた場合、%核酸配列同一性値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核
酸から誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配
列と、対象とする比較核酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子
が比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によ
って決定した一致する同一核酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドコード
化核酸分子のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例えば、「核酸配列B
に対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持っている核酸配列Aを含んでな
るポリペプチド」という表現では、核酸配列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配
列Bが対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列である。
ds Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プログ
ラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立
衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つかの検
索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unma
sk=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値
=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=2
5、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
た核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列
Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列
Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアラインメントに
よって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である
。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性
は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
をコードし、好ましくは緊縮性ハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに開示す
る全長PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする
核酸分子である。PRO変異体ポリペプチドは、PRO変異体ポリヌクレオチドにコード
されるものであってもよい。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用すると
きは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意
味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型
的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様
溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシ
ークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ
酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染
色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される
。単離されたポリペプチドには、PROポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分
が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、
通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
ードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された
核酸分子である。単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然に見出される
形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたPROポリペプチドコード化核
酸分子は、天然の細胞中に存在するPROポリペプチドコード化核酸分子とは区別される
。しかし、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、例えば、核酸分子が天然
細胞のものとは異なった染色体位置にあるPROポリペプチドを通常発現する細胞に含ま
れるPROポリペプチド核酸分子を含む。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード
配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配
列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。
真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用する
ことが知られている。
、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパ
ク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;
プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用
可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位
置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合して
いる」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて
読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要
はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が
存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリ
ンカーが使用される。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗-PROポリペ
プチドモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピ
トープ特異性を持つ抗-PRO抗体組成物、一本鎖抗-PRO抗体、及び抗-PRO抗体の
断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語
は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然
に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
プローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが
長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブが短くなると温度は低
くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補的鎖がその融点に近いがそれより低
い環境に存在する場合における変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブと
ハイブリダイゼーション可能な配列との間の所望の相同性の程度が高くなると、使用でき
る相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をより緊縮性にするが
、低い温度は緊縮性を低下させる。さらに、緊縮性は塩濃度に逆比例する。ハイブリダイ
ゼーション反応の緊縮性の更なる詳細及び説明は、Ausubelら, Current Protocols in Mo
lecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
オン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.00
15Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)
ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50%(
v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%の
ポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び75
0mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるもの;(3)42℃にお
ける50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸
ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナト
リウム、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%S
DS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウ
ム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミド、次いで55℃に
おけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高緊縮性洗浄を用いるものによって同定さ
れる。
w York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように同定され、上記の緊縮
性より低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%
SDS)の使用を含む。中程度の緊縮性条件は、20%ホルムアミド、5xSSC(150
mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH
7.6)、5xデンハード液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断
サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中
37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長な
どの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを
認識する。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合
したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを
指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬
によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは
対象とするPROポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプ
チドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独
特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約
8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には
、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外であ
る(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含
む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリ
ガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定
常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプ、IgA
(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブ
リンから得ることができる。
ここで意図している「活性な」及び「活性」とは、天然又は天然発生PROポリペプチド
の生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROの形態を意味し、「生物学的」活性
とは、天然又は天然発生PROによって生ずる(阻害性又は刺激性の)生物学的機能であ
って、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を
除くものを意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピ
トープに対して抗体を生成する能力を意味する。
ペプチドの生物学的活性を阻止、阻害、又は中和する任意の分子を指す。同様に「アゴニ
スト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生
物学的活性を模倣する任意の分子を指す。好適なアゴニスト又はアンタゴニスト分子は特
に、アゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、天然PROポリペプチドの断片又
はアミノ酸配列変異体、ペプチド、有機小分子、などを含む。PROポリペプチドのアゴ
ニスト又はアンタゴニストの同定方法は、PROポリペプチドを候補アンタゴニスト又は
アゴニストと接触させ、PROポリペプチドに通常は関連している1つ又は複数の生物学
的活性の変化を測定することを含みうる。
、患者は標的とする病理学的状態又はしっかんを防止又は低下(減少)させられる。治療
が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が
防止されているものを含む。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果
(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的
になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、動物園、スポーツ、又
はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギなどを含む哺乳類
に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
1つ又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での
連続した投与を含む。
、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である
。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容
されうる担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコル
ビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例え
ば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニル
ピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリ
シン;グルコース、マンノース又はデキストランを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化
物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又は祖ルビトール等の糖アルコール;ナトリ
ウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商品名)、
ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商品名)を含む。
む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ
(diabodies);直鎖状抗体(Zapataら, Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]);一本
鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、
その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」
断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)2断片を生じ、それは2つの抗原結合部
位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密
接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置にお
いて各ドメインの3つのCDRが相互作用してVH−VLに量体の表面に抗原結合部位を
決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしなが
ら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分
)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメ
インのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab’断片と相違す
る。ここで、Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持
つFab’を表す。F(ab’)2抗体断片は、最初はFab’断片の対として生成され
、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインの
アミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に
分類される。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに
分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及
びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、
IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリペ
プチドは、sFvが抗原結合とって望ましい構造の形成を可能にする、VH及びVLドメ
イン間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、The Pharmacology
of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New
York, pp. 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。
用語「ダイアボディ(diabodies)」は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し
、その断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合し
た重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎ
るリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成し
て二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO
93/11161;及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (19
93)により十分に記載されている。
である。その自然環境の汚染成分とは、その抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質
であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好
ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を越える抗体
、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使
用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充
分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あ
るいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体に
は、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイ
ツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工
程により調製される。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピト
ープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結
合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するもので
ある。
接又は間接的に抱合している検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身
検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能
な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する
。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、
多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固
相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばア
フィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特
許第4,275,149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞
であり、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である
。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチドの「有効量」、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニスト
とは、特別に言及された目的を実行するために十分な量のことである。「有効量」とは、
言及された目的に関連して、経験的及び常套的方法によって決定することができる。
A.全長PROポリペプチド
本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定
され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、
種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウ
ンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は全ての
与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記して
おく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、ここに開示した全長天然核酸
分子にコードされるタンパク質並びに上記のPROの定義に含まれるさらなる天然相同体
及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO/番号」で呼称する。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託されている。
これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託さ
れたクローンを配列決定することにより容易に決定することができる。予測されるアミノ
酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPRO
ポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最
も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調製できると
考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌクレオチド変化を導
入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合成することにより調製できる
。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミ
ノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び非保存的変
異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配
列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変化するPROポリペプチドを
コードする1つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、
変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポリペプチドの1つ又は複数のドメインの任意
の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与える
ことなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知
られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化
を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した構造
及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即
ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1か
ら5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸
の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を下記の実施例に記載するイン
ビトロアッセイの任意のもので活性について試験することにより決定される。
パク質と比較した際に、N-末端又はC-末端で切断されてもよく、又は内部残基を欠いて
いてもよい。或る種の断片は、PROポリペプチドの所望の生物学的活性に必須ではない
アミノ酸残基を欠いている。
PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片
は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって
決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理すること
により、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるP
RO断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によ
り、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DN
A断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマー
で用いられる。好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリ
ペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表6に示す。
このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた
又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換的な変化が導入され生成物が
スクリーニングされる。
骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又は疎水性、又は(c)
側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することに
より達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができ
る:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
であろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好ましくは残された(
非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング
、及びPCR突然変異誘発[Carterら, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zollerら,
Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら, Gene, 34: 3
15 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wellsら, Philos. Trans. R. Soc. London SerA
, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができ、又は他の知
られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO変異体DNAを作成することもで
きる。
分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のア
ミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを
含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくい
ので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWe
lls, Science, 244: 1081-1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸で
あるため典型的には好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られ
ることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. M
ol. Biol., 150:1(1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソ
テリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の1
つの型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリペプチドの選択
された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである
。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶性支持体マトリクスあるいは抗-
PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常
用いられる架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グ
ルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸
とのエステル、3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシ
ンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オ
クタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピ
オイミダート等の試薬を含む。
ルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニ
ル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-ア
ミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W
.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化
、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチ
ドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは
、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる1又は複数の炭水化物部分の欠失(
存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の
削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列PROに存在しない1又は複数のグリコシ
ル化部位の付加を意味する。さらに、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及
び特性の変化を含む、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。
この変更は、例えば、1又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列PRO(O-結
合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。PROアミノ酸配列
は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、PROポリペプチドをコードするD
NAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成
させることを通して変更されてもよい。
PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペ
プチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例
えば、1987年9月11日に発行されたWO87/05330、及びAplin及びWriston
, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
グルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によ
ってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば
、Hakimuddinら, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdgeら, Anal.
Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵
素的切断は、Thotakuraら, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種
々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の非タンパク
質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオ
キシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号
;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4
,179,337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合し
たPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。
を提供するタグポリペプチドとPROポリペプチドとの融合を含む。エピトープタグは、
一般的にはPROポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に位置する。このようなP
ROポリペプチドのエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用い
て検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタ
グに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によってPROポリペ
プチドを容易に精製できるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体は
この分野で良く知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ-his)又はポリ−ヒ
スチジン−グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12C
A5[Fieldら, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及びそれに対する
8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evanら, Molecular and Cell
ular Biology, 5:3610-3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)
タグ及びその抗体[Paborskyら, Protein Engineering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。
他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド[Hoppら, BioTechnology, 6:1204-1210(198
8)];KT3エピトープペプチド[Martinら, Science, 255:192-194 (1992)];α-チュ
ーブリンエピトープペプチド[Skinnerら, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)]
;及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuthら, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 87:6393-6397(1990)]を含む。
特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも
呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融合
体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可変領域に換えてPROポリペプチドの
可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免
疫グロブリン融合体は、IgG1分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1
、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6
月27日発行の米国特許第5,428,130号を参照のこと。
以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞
を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく
知られている他の方法を用いてPROを調製することができると考えられる。例えば、P
RO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい
[例えば、Stewartら, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フラ
ンシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (196
3)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成
は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(フォスター シティー,
カリフォルニア)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PROの種々の部分は
、別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて全長PROを生産
してもよい。
PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで
発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得ることができる。従
って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcD
NAライブラリから簡便に得ることができる。またPRO-コード化遺伝子は、ゲノムラ
イブラリから又は公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同
定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基
のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるc
DNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記
載されている標準的な手順を使用して実施することができる。所望のPROポリペプチド
をコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,
上掲;Dieffenbachら, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, 1995)]。
として選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう
充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラ
リ内のDNAとのハイブリダイゼーション時に検出可能であるように標識されていること
が好ましい。標識化の方法は当該分野において良く知られており、32P標識されたAT
Pのような放射線標識、ビオチン化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度の厳密性
及び高度の厳密性を含むハイブリダイゼーション条件は、上掲のSambrookら,に示されて
いる。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genbankら,の公
共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能とされている周知
の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内又は全長に
渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた
、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使
用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物
質を検出する上掲のSambrookら,に記述されているような従来のプライマー伸展法を使用
して選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られ
る。
宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクターで形質移
入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコー
ドする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、
例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。
一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Ma
mmalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及
びSambrookら, 上掲に見出すことができる。
4、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られている。用いられる宿
主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前
掲のSambrookら,に記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポ
レーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファ
シエンスによる感染が、Shawら, Gene, 23:315(1983)及び1989年6月29日公開のW
O89/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる
。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology
, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質
転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への
形質転換は、典型的には、Van Solingenら, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiaoら, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、
DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロ
ポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を
用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換する
ための種々の技術については、Keownら, Methods in Enzymology, 185:527-537 (1990)及
び Mansourら, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。
、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核生物は、限定するもので
はないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば大腸菌のような腸
内細菌科を含む。種々の大腸菌株が公衆に利用可能であり、例えば、大腸菌K12株MM
294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大腸菌
株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)である
。他の好ましい原核動物宿主細胞は、大腸菌、例えば、E. coli、エンテロバクター、エ
ルビニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ、例
えば、ネズミチフス菌、セラチア、例えば、セラチアマルセサンス(Serratia marcescans
) 、及び赤痢菌、並びに桿菌、例えばバチルススブチルス(B. subtilis)及びバチルスリ
チェニフォルミス(B. licheniformis)(例えば、1989年4月12日発行のDD266
,710に記載されたバチルスリチェニフォルミス41P)、シュードモナス、例えば緑
膿菌及びストレプトマイセスなどの腸内細菌科を含む。これらの例は限定ではなく例示で
ある。株W3110は、組換えDNA生産発行のための共通の宿主株であるので一つの特
に好ましい宿主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素
を分泌する。例えば、株W3110は、細胞に外来のタンパク質をコードする遺伝子にお
ける遺伝子変異をするように修飾してもよく、そのような宿主の例としては、完全な遺伝
子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を
有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA prt3 phoA E15
(argF−lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株2
7C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15
(algF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸
菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を持つ37D6株である
大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日
発行 米国特許第4,946,783号に開示された変異周辺質プロテアーゼを有する大
腸菌株を含む。あるいは、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリ
メラーゼポリメラーゼ反応が好ましい。
化ベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィ
シアは、通常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他に、シゾサッカロミセス・プ
ロンブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 [1981]; 1
985年5月2日発行のEP139,383);クルベロミセス宿主(Kluveromyces host
s)(米国特許第4,943,529号; Fleerら, Bio/Technology, 9: 968-975 (1991))
、例えばクルベロミセスラクチス(K. lactis)(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourt
ら, J. Bacteriol.154(2): 737-742 [1983])、クルベロミセス・フラギリス(K. fragili
s)(ATCC 12,424)、クルベロミセスブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC
16,045)、クルベロミセスウィケラミイ(K. wickeramii)(ATCC 24,178
)、クルベロミセスワルチイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、クルベロミセスド
ロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Bergら, Bio/Te
chnology, 8: 135 (1990))、クルベロミセス・テモトレランス(K. thermotolerans)及び
クルベロミセス・マルキシアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia)(EP 402
,226);ピチア・パストリス(Pichia pastoris)(EP 183,070; Sreekrish
naら, J. Basic Microbiol, 28: 265-278 [1988]);カンジダ;トリコデルマレーシア(T
richoderma reesia)(EP 244,234);アカパンカビ(Caseら, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 76: 5259-5263 [1979]);シュワニオマイセス(Schwanniomyces)、例えば
シュワニオマイセスオクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)(1990年10
月31日発行のEP394,538);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ、ペニシ
リウム、トリポクラジウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行のWO91/0
0357);及びアスペルギルス宿主、例えばアスペルギルスニダランス(Ballanceら,
Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284-289 [1983]; Tilburnら, Gene, 26: 205-22
1 [1983]; Yeltonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470-1474 [1984])及びアスペ
ルギルスニガー(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475-479 [1985])が含まれる。ここで好
ましいメチロトロピック(C1化合物資化性、Methylotropic)酵母は、これらに限られな
いが、ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ、クロエケラ(Kloeckera)、ピチア(Pichia)、サ
ッカロミセス、トルロプシス(Torulopsis)、及びロドトルラ(Rhodotorula)からなる属か
ら選択されたメタノールで成長可能な酵母を含む。この酵母の分類の例示である特定の種
のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載され
ている。
細胞の例としては、ショウジョウバエS2及びスポドスペラSf9等の昆虫細胞並びに植
物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(
CHO)及びCOS細胞を含む。より詳細な例は、SV40によって形質転換されたサル
腎臓CV1株 (COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養
での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら, J. Gen Virol., 36:59 (197
7));チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl
. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Repro
d., 23:243-251 (1980))ヒト肺細胞 (W138,ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (
Hep G2,HB 8065); 及びマウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562,AT
CC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、この分野の技術常識内にある。
PROポリペプチドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニ
ング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクタ
ーが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子
、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベク
ターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌ
クレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるもの
ではないが、1つ又は複数のシグナル配列、複製開始点、1つ又は複数のマーカー遺伝子
、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の1
つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション
技術を用いる。
列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN-末端に特異的切断部位を有する他
のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に
、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるPRO-コード化DN
Aの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、
lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択された原核生物シグナ
ル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリー
ダー、アルファ因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(K
luyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載さ
れている)、又は酸ホスファターゼリーダー、カンジダアルビカンス(C.albicans)グルコ
アミラーゼリーダー(1990年4月4日発行のEP362179)、又は1990年11
月15日に公開されたWO90/13646に記載されているシグナルであり得る。哺乳
動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポ
リペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分
泌に使用してもよい。
ーの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルス
に対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグ
ラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス
開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞にお
けるクローニングベクターに有用である。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子
を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあ
るいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求
性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリに対する遺伝子コードD-アラニンラセマーゼのよう
な、複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
にPRO-コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるもので
ある。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaubらにより Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHF
R活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母
プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら, Nature, 282:39(
1979);Kingsmanら, Gene, 7:141(1979);Tschemperら, Gene, 10:157(1980)]。tr
p1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4-1のようなトリプト
ファン内で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jo
nes, Genetics, 85:12 (1977)]。
発現及びクローニングベクターは、通常、PRO-コード化核酸配列に作用可能に結合し
、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される
好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ-
ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Changら, Nature, 275:615 (1978); Goed
delら, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プ
ロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイ
ブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[deBoer ら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA, 80:21-25 (1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROポリペプチ
ドをコードするDNAと作用可能に結合したシャイン-ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
ナーゼ[Hitzeman ら, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess
ら, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1987)]、
例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、
ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメ
ラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する
誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォ
スファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド
-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素の
プロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモータはE
P 73,657に更に記載されている。
ーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK2,211,50
4)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィル
ス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサルウィルス40(
SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモ
ーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、及び熱衝撃プロ
モーターから得られるプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適
合し得る限り制御される。
より高等の真核生物による所望のPROポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベク
ター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常
は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス
作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グ
ロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしなが
ら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例として
は、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウ
ィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及び
アデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’又
は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位
に位置している。
の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配
列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの通常は5’
、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これらの領域は、PROポリペプチドをコー
ドするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメ
ントを含む。
組換え脊椎動物細胞培養でのPROポリペプチドの合成に適応化するのに適切な他の方法
、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620-625 (1981); Manteiら, Natur
e, 281:40-46 (1979);EP117,060;及びEP117,058に記載されている
。
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプロ
ーブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザ
ンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-5205 (1980)]、ドットブ
ロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試
料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA-RN
Aハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識すること
ができる抗体を用いることもできる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することが
でき、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその
二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例え
ば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測
定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、
モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。
簡便には、抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA
配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO DNAに融合し特異的抗体エピ
トープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
PROポリペプチドの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜
結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)又は酵素的切断を用いて
膜から引き離すことができる。PROポリペプチドの発現に用いられる細胞は、凍結融解
サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段
によって破壊することができる。
PROポリペプチドを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望まし
い。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラム
での分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEA
Eによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモ
ニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除
くプロテインAセファロースカラム;及びPROポリペプチドのエピトープタグ形態を結
合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methode
s in Enzymology, 182(1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practic
e, Springer-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いる
ことができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産される特
定のPROの性質に依存する。
PROをコードする核酸配列(又はそれらの補体)は、ハイブリダイゼーションプローブ
としての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、
及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PR
O核酸も、ここに記載される組換え技術によるPROポリペプチドの調製に有用である。
たPRO配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他の遺伝子(例えば、PROの天然発
生変異体又は他の種からのPROをコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリ
用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長
さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的
に全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の
実験をすることなく、天然配列PROのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロン
を含むゲノム配列から誘導され得る。例えば、スクリーニング法は、PROポリペプチド
遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプロ
ーブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の
放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアル
カリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPROポリ
ペプチド遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムD
NA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバ
ーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーショ
ン技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
できる。
PRO核酸の他の有用な断片は、標的PRO mRNA(センス)又はPRO DNA(ア
ンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むア
ンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレ
オチドは、本発明によると、PRO DNAのコード化領域の断片を含む。このような断
片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチ
ドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又は
センスオリゴヌクレオチドを制御する可能性は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res.
48: 2659: 1988)及び van der Krolら,(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されてい
る。
たらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の期外停止を含む幾つかの方法の一
つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。よって、アンチセンスオ
リゴヌクレオチドは、PROタンパク質の発現を阻止するのに用いられる。アンチセンス
又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、W
O91/06629に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そのよ
うな糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレ
オチドは、インビボで安定であるが(即ち、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド
配列に結合できる配列特異性は保持している。
センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、WO90/10048に記載さ
れているもののような、有機部分、及びオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を
向上させる他の部分、例えばポリ-(L-リジン)に共有結合したオリゴヌクレオチドを含む
。さらにまた、エリプチシン等の挿入剤、アルキル化剤又は金属作体をセンス又はアンチ
センスオリゴヌクレオチドに結合させ、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標
的ヌクレオチド配列への結合特異性を改変してもよい。
入、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン-バ
ーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導
入される。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレ
トロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビ
ボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、こ
れらに限られないが、マウスレトロウイルスM-MuLVから誘導されるもの、N2(M-
MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5C
と命名されたダブルコピーベクター(WO90/13641参照)を含む。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO91/04753に記載され
ているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的配列を含む細胞に導入して
もよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長
因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ま
しくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレ
セプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合
体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に
導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましく
は内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
アンチセンスRNA又はDNA分子は一般に少なくとも約5塩基長、約10塩基長、約1
5塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基長、約40塩基長、
約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長、約65塩基長、約70塩基
長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、約90塩基長、約95塩基長、約10
0塩基長、あるいはそれ以上である。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPROコード化配列の同定のた
めの配列のプールを作成することができる。
また、PROをコードするヌクレオチド配列は、そのPROをコードする遺伝子のマッピ
ングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプ
ローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイ
ツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリー
でのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体
の特定領域にマッピングすることができる。
、PROがレセプターである場合)、PROは、そのリガンドを同定するアッセイに用い
ることができる。このような方法により、レセプター/リガンド結合性相互作用の阻害剤
を同定することができる。このような結合性相互作用に含まれるタンパク質も、ペプチド
又は小分子阻害剤又は結合性相互作用のアゴニストのスクリーニングに用いることができ
る。また、レセプターPROは関連するリガンドの単離にも使用できる。スクリーニング
アッセイは、天然PRO又はPROのレセプターの生物学的活性に似たリード化合物の発
見のために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリーの高
スループットスクリーニングにも用いられ、小分子候補薬剤の同定に特に適したものとす
る。考慮される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。アッセイは、この分野で良く
知られ特徴付けられているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニン
グアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。
ノックアウト」動物のいずれかを産生することに使用でき、これらは治療的に有用な試薬
の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラッ
ト)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝
子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する
細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、PROをコードするcDN
Aは、PROをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製す
るために使用するゲノム配列及び確立された技術に基づいて、PROをコードするゲノム
DNAをクローン化するために使用することができる。トランスジェニック動物、特にマ
ウス又はラット等の特定の動物を産生する方法は、当該分野において常套的になっており
、例えば米国特許第4,736,866号や第4,870,009号に記述されている。
典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのPRO導入遺伝子の導入の標的に
する。胚段階で動物の生殖系列に導入されたPROコード化導入遺伝子のコピーを含むト
ランスジェニック動物はPROをコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために
使用できる。このような動物は、例えばその過剰発現を伴う病理学的状態に対して保護を
もたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。本発明のこの態様においては
、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病理学的状態の発症率が
低ければ、病理学的状態に対する治療上の処置の可能性が示される。
更ゲノムDNAと、PROをコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、P
ROをコードする欠陥又は変更遺伝子を有するPRO「ノックアウト」動物を作成するた
めに使用できる。例えば、PROをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PR
OをコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。PROをコードするゲノムD
NAの一部を欠失したり、組み込みを監視するために使用する選択可能なマーカーをコー
ドする遺伝子等の他の遺伝子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化の
フランキングDNA(5’と3’末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換え
ベクターについてはThomas及びCapecchi, Cell, 51:503(1987)を参照のこと]。ベクター
は胚性幹細胞に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが内
在性DNAと相同的に組換えられた細胞が選択された[例えば、Liら, Cell, 69:915(199
2)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入されて
集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells
: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113-152参
照のこと]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、期間をおいて「ノ
ックアウト」動物を作り出す。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準
的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNA
を含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、PROポリペプチドの欠乏
によるある種の病理的状態及びその病理的状態の進行に対する防御能力によって特徴付け
られる。
途においては、例えば欠陥遺伝子を置換するため、治療的有効量の遺伝子産物のインビボ
合成を達成するために遺伝子が導入される。「遺伝子治療」とは、1回の処理により継続
的効果が達成される従来の遺伝子治療と、治療的に有効なDNA又はmRNAの1回又は
繰り返し投与を含む遺伝子治療薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNA及びDNAは
、ある種の遺伝子のインビボ発現を阻止する治療薬として用いることができる。短いアン
チセンスオリゴヌクレオチドを、細胞膜による制限された取り込みに起因する低い細胞内
濃度にもかかわらず、それが阻害剤として作用する細胞中に移入できることは既に示され
ている(Zamecnikら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 4143-4146 [1986])。オリゴヌ
クレオチドは、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによ
って取り込みを促進するように修飾してもよい。
培養細胞にインビトロで、あるいは意図する宿主の細胞においてインビボで移入されるか
に応じて変わる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移入するのに適した方法は、リポソ
ーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキ
ストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを含む。現在好ましいインビボ遺伝子移入技術は
、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクターでの形質移入及びウイルス被覆タンパ
ク質-リポソーム媒介形質移入である(Dzauら, Trends in Biotechnology 11, 205-210(1
993))。幾つかの状況では、核酸供給源を、細胞表面膜タンパク質又は標的細胞に特異的
な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等の標的細胞を標的化する薬剤ととも
に提供するのが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスを伴って細胞表
面膜タンパク質に結合するタンパク質、例えば、特定の細胞型向性のキャプシドタンパク
質又はその断片、サイクルにおいて内部移行を受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局
在化を標的とし細胞内半減期を向上させるタンパク質が、標的化及び/又は取り込みの促
進のために用いられる。レセプター媒介エンドサイトーシスは、例えば、Wuら, J. Biol.
Chem. 262, 4429-4432 (1987); 及びWagnerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 3410-
3414 (1990)によって記述されている。遺伝子作成及び遺伝子治療のプロトコールの概説
については、Andersonら, Science 256, 808-813 (1992)を参照のこと。
いてもよく、単離された核酸配列を、これらのマーカーを組み換え発現に用いてもよい。
ここに記載したPROポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定
に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可
能ではないため、新規な染色体マーカーの同定の必要である。本発明の各PRO核酸分子
は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のPROポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明の
PROポリペプチドは、好ましくは同じ型の正常組織に比較して疾患性組織において、一
方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO核酸分子には、PCR、ノーザン分
析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
プチドは、製薬的に有用な組成物を調製するのに知られた方法に従って製剤され、これに
より、このPRO生成物は製薬的に許容される担体媒体と混合される。治療用製剤は、凍
結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的な製薬上許容可能なキャリア、賦形剤又
は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington's Pharm
aceutical Sciences, 16th edition, A. Osol, Ed., [1980])、調製され保管される。許
容される担体、賦形剤又は安定剤は、用いる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無
毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化
剤;低分子量(残基数10個未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロ
ブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性重合体;グリシン、グルタミン
、アスパラギン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキ
ストリン等の単糖類、二糖類又は他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、マンニトール又は
ソルビトール等の糖類、ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、PLU
RONICS(商品名)又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
再構成の前又は後に、滅菌フィルター膜を通す濾過により容易に達成される。
ここで、本発明の製薬組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、
皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣
内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化す
る。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は
、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の
種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobiら, 編, Perga
mon Press, New York 1989, pp. 42-96のMordenti, J. 及びChappell, W. 「The use of
interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
場合、正常な投与量は、投与経路に応じて、哺乳動物の体重当たり1日に約10ng/k
gから100mg/kgまで、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日で
ある。特定の用量及び輸送方法の指針は文献に与えられている;例えば、米国特許第4,
657,760号、第5,206,344号、又は第5,225,212号参照。異なる
製剤が異なる治療用化合物及び異なる疾患に有効であること、例えば一つの器官又は組織
を標的とする投与には、他の器官又は組織とは異なる方式で輸送することが必要であるこ
とが予想される。
PROポリペプチドの投与を必要とする任意の疾患又は疾病の治療に適した放出特性を持
つ製剤でPROポリペプチドの持続放出が望まれる場合、PROポリペプチドのマイクロ
カプセル化が考えられる。持続放出のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は、
ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン-(rhIFN-)、インターロイキン-2、及び
MN rgp120で成功裏に実施されている。Johnsonら, Nat. Med., 2: 795-799 (1996); Yasu
da, Biomed. Ther., 27: 1221-1223 (1993); Horaら, Bio/Technology, 8: 755-758 (199
0); Cleland, 「Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polya
ctide Polyglycolide Microsphere Systems」Vaccine Design: The Subunit and Adjuvan
t Approach, Powell 及び Newman編, (Plenum Press: New York, 1995), p.439-462; W
O97/03692,WO96/40072,WO96/07399;及び米国特許第5
,564,010号。
を用い、その生体適合性及び広範囲の生分解特性に基づいて開発された。PLGAの分解
生成物である乳酸及びグリコール酸は、ヒト身体内で即座にクリアされる。さらに、この
ポリマーの分解性は、分子量及び組成に依存して数ヶ月から数年まで調節できる。Lewis,
「Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer」: M. C
hasin及び R. Langer (編), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marce
l Dekker: New York, 1990), pp. 1-41。
本発明は、PROポリペプチドに類似する(アゴニスト)又はPROポリペプチドの効果
を阻害する(アンタゴニスト)ものを同定するための化合物のスクリーニング方法も包含
する。アンタゴニスト候補薬のスクリーニングアッセイは、ここに同定した遺伝子にコー
ドされるPROポリペプチドと結合又は複合体形成する化合物、又は他にコード化ポリペ
プチドの他の細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計され
る。このようなスクリーニングアッセイは、それを特に小分子候補薬の同定に適したもの
にする、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに適用可能なアッセイを含む
。
該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ
、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の
方式で実施される。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸に
コードされるPROポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下
及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされ
るPROポリペプチド又は候補薬が、共有又は非共有結合により固相、例えばミクロタイ
タープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をPROポリペプチドの
溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化されるPROポリペプ
チドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を、それを固体表面に固着させる
ために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に
、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される
。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複合
体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化さ
れた標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たな
い場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体によ
って検出できる。
チに結合しない場合、そのポリペプチドとの相互作用は、タンパク質-タンパク質相互作
用を検出するために良く知られている方法によってアッセイすることができる。そのよう
なアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィカラムを通す同時精
製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質-タンパク質相互作用は、Chevray及び
Nathans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789-5793 (1991)]に開示されているように
、Fields及び共同研究者ら[Fiels及びSong, Nature(London) 340, 245-246 (1989); Chi
enら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578-9582 (1991)]に記載された酵母ベースの遺
伝子系を用いることによってモニターすることができる。酵母GAL4などの多くの転写
活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメ
インとして作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。前出の文献に記載された
酵母発現系(一般に「2-ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用し、
並びに2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDN
A結合ドメインに融合し、他方では候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合
している。GAL1-lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーターの制御下
での発現は、タンパク質-タンパク質相互作用を介したGAL4活性の再構成に依存する
。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β-ガラクトシダーゼに対する色素生産
性物質で検出される。2-ハイブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパ
ク質-タンパク質相互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clo
ntechから商業的に入手可能である。また、この系は、特定のタンパク質相互作用に含ま
れるタンパク質ドメインのマッピング、並びにこれら相互作用にとって重要なアミノ酸残
基の特定へ拡大適用することができる。
互作用を阻害する化合物は、次のように試験できる:通常、反応混合物は、遺伝子産物と
細胞外又は細胞内成分を、これら2つの生成物の相互作用及び結合が可能な条件下及び時
間に渡って含むように調製される。候補化合物が結合を阻害する能力を試験するために、
反応は試験化合物の不存在及び存在下で実施される。さらに、プラシーボを第3の反応混
合物に添加してポジティブコトロールを提供してもよい。混合物中に存在する試験化合物
と細胞内又は細胞外成分との結合(複合体形成)は上記のようにモニターされる。試験化
合物を含有する反応混合物ではなく、コントロール反応における複合体の形成は、試験化
合物が試験化合物とその結合パートナーとの相互作用を阻害することを示す。
物とともにPROポリペプチドを細胞へ添加してもよく、PROポリペプチド存在下にお
ける対象活性を阻害する化合物の能力は、化合物がPROポリペプチドのアンタゴニスト
であることを示す。あるいは、PROポリペプチドと膜結合PROポリペプチドレセプタ
ー又は組換えレセプターを有する潜在的アンタゴニストを競合的阻害アッセイに適した条
件下で結合させることによって、アンタゴニストを検出してもよい。放射活性などでPR
Oポリペプチドを標識することが可能であり、潜在的アンタゴニストの有効性を判断する
ためにレセプターに結合したPROポリペプチドの数を利用することができる。レセプタ
ーをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えばリガンドパンニング及び
FACSソートによって同定できる。Coliganら, Current Protocols in Immun., 1(2): 第5
章(1991)。好ましくは、発現クローニングが用いられ、ポリアデニル化RNAがPROポ
リペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成されたcDNAライブラリ
がプールに分配され、COS細胞又はPROポリペプチド反応性でない他の細胞の形質移
入に使用される。スライドガラスで成長させた形質移入細胞を、標識したPROポリペプ
チドで暴露する。このPROポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナー
ゼの認識部位の封入を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、
スライドにオートラジオグラフィ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互作用サブ
プール化及び再スクリーニング工程を用いてサブプールを調製して再形質移入し、最終的
に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
する細胞膜又は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架橋材料をPAGEで溶
解させ、X線フィルムへ暴露する。レセプターを含む標識複合体を励起し、ペプチド断片
へ分解し、タンパク質マイクロ配列決定を施すことができる。マイクロ配列決定から得た
アミノ酸配列は、推定レセプターをコードする遺伝子を同定するcDNAライブラリをス
クリーニングする縮重オリゴヌクレオチドプローブの一組の設計に用いられる。
アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候
補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この
相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプチドとの融
合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリペプチド-及びモノクロ
ーナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は
断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あ
るいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認
識するが効果を与えず、従ってPROポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリ
ペプチドの変異形態であってもよい。
たアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNA
は、標的mRNAにハイブリッド形成してタンパク質翻訳を妨害することによりmRNA
の翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、トリプルへリックス形成又
はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの
方法はともに、ポリペプチドヌクレオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば
、ここでの成熟PROポリペプチドをコードするポリペプチドヌクレオチド配列の5’コ
ード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計
に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であ
るように設計され(トリプルへリックス−Leeら, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Co
oneyら, Science, 241: 456 (1988); Dervanら, Science, 251: 1360 (1991)参照)、そ
れによりPROポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌク
レオチドはインビボでmRNAにハイブリッド形成してmRNA分子のPROポリペプチ
ドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeox
ynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (SRS Press: Boca Raton,
FL, 1988))。上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又は
DNAをインビボで発現させて、PROポリペプチドの生産を阻害することもできる。ア
ンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列
の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい
。
長因子又は他の関連結合部位に結合し、それによりPROポリペプチドの正常な生物学的
活性を阻止する小分子を含む。小分子の例は、これらに限られないが、小型ペプチド又は
ペプチド様分子、好ましくは可溶性ペプチド、及び合成非ペプチド有機又は無機化合物を
含む。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは
、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いでヌクレオチド鎖切断的切断
により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定
できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT
公報、番号WO97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
レオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を
介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の
鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例
えば、PCT公報、番号WO97/33551、上掲を参照。
これらの小分子は、上記で検討したスクリーニングアッセイの1つ又は複数の任意のもの
により及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる
。
また、ここで開示されている分子の診断的及び治療的利用は、下記に開示及び記載のポジ
ティブ機能アッセイヒットに基づいている。
本発明は、さらに抗-PRO抗体を提供するものである。抗体の例としては、ポリクロー
ナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
抗-PRO抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に
知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫剤、及び所望するの
であればアジュバントを、1つ又は複数回注射することで発生させることができる。典型
的には、免疫剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に
注射する。免疫剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫剤を
免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用
である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペ
ットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビ
ターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及び
MPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が
含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
あるいは、抗-PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は
、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ
法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター
又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤により免疫化することで、免疫剤に特異的に
結合する抗体を生成するか或いは生成可能なリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球を
インビトロで免疫化することもできる。
般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBLs」)が使用され、ある
いは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。
次いで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と
融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principle
s and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103]。不死化株化細胞は、通常は、
形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通
常、ラット又はマウスの骨髄腫株化細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましく
は、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培
地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトラ
ンスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典
型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物
質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である。より好まし
い不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これは例えばカリフォルニア州サンディエゴ
のSalk Institute Cell Distribution Centerやメリーランド州ロックビルのアメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生
成するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫株化細胞も開示されている[Kozbor,
J. Immunol., 133:3001 (1984)、Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniq
ues and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63]。
次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROに対するモノクローナル抗体
の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクロ
ーナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測
定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッ
セイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMuns
on及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード解析法によっ
て測定することができる。
グし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。この目的のための適当
な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI−1640倍地が含ま
れる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として成長させ
ることもできる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロ
ース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はア
フィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又
は腹水液から単離又は精製される。
に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードす
るDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺
伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し配列
決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給
源となる。ひとたび単離されたら、DNAは発現ベクター内に配することができ、これが
宿主細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは
免疫グロブリンタンパク質を生成等しない骨髄腫細胞内に形質移入され、組換え宿主細胞
内でモノクローナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス
配列に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[米国特
許第4,816,567号;Morrisonら, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列に非免
疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合することにより修飾す
ることができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメ
インに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換でき
、キメラ性二価抗体を生成する。
。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般
的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、関連す
るシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その断片、特に
Fab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成できる。
本発明の抗-PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス
)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例え
ばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であ
って、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピ
エントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特
異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換された
ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンの
Fvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化
抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出
されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全ての
CDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領
域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2
つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領
域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[
Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmannら, Nature, 332:323-329 (1988); 及
びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。
非ヒト由来の1つ又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、
しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト
化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換すること
によりウィンター(Winter)及び共同研究者[Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986);Rie
chmannら, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyenら, Science, 239:1534-1536 (1988)
]の方法に従って、齧歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換するこ
とにより実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインよ
り実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第
4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基
及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置
換されたヒト抗体である。
27:381(1991);Marksら, J. Mol. Biol., 222:381 (1991)]を含むこの分野で知られた種
々の方法を用いて作成することもできる。また、Coleら及びBoernerらの方法も、ヒトモ
ノクローナル抗体の調製に利用することができる[Coleら, Monoclonal Antibodies and
Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1985)及びBoernerら, J. Immunol., 147(1):86-9
5(1991) ]。同様に、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例
えば内在性免疫グロブリン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入するこ
とにより産生することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリ
ーを含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の生産
が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,5
45,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,63
3,425号;同第5,661,016号、及び次の科学文献:Marksら, Bio/Technolog
y 10, 779-783 (1992); Lonbergら, Nature 368 856-859 (1994); Morrison, Nature 368
, 812-13 (1994); Fishwildら, Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996); Neuberger,
Nature Biotechnology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13
65-93 (1995)に記載されている。
的に成熟している。好ましい親和性成熟抗体は、5倍、より好ましくは10倍、さらによ
り好ましくは20又は30倍も成熟抗体の調製の元である出発抗体(一般的には、マウス
、ヒト化又はヒト)より高い親和性を有する。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクロー
ナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合においては、結合特
異性の一方はPROに対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパ
ク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特
異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/
軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537-539 (1983)]。免疫
グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドロー
マ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内の一種のみが正しい二重
特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によ
って通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開のWO93/08829、
及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655-3656 (1991)に開示されている。
ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3
領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。少なくとも一つの融
合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが望まし
い。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽
鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗
体を作成するための更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 1
21:210(1986)を参照されたい。
WO96/27011に記載された他の方法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作し
て組換え細胞培養から回収される異種二量体の割合を最大にすることができる。好適な界
面は抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分
子の界面からの1つ又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又
はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キ
ャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き
換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような
不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される
。
て調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている
。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Sci
ence, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab’)2断片を産生
する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存
在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生
されたFab’断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fa
b’-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab’-チオ
ールに再転換し、他のFab’-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形
成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することがで
きる。
大腸菌からFab’フラグメントを直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗
体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒ
ト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造を記述している。各Fab’フラグメ
ントは大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体
を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErb
B2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障
害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Ko
stelnyら, J.Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロ
イシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab’部分に結合さ
せる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗
体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用する
ことができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記
述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供し
た。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカー
により軽鎖可変ドメイン(VL)に重鎖可変ドメイン(VH)を結合してなる。従って、一つ
の断片のVH及びVLドメインは他の断片の相補的VL及びVHドメインと強制的に対形
成させられ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二
重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol. 152
:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt
ら J.Immunol. 147:60(1991)。
ープに結合しうる。あるいは、抗-PROポリペプチドのアームは、特定のPROポリペ
プチド発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、T細胞レセプター分子(例え
ばCD2、CD3、CD28、又はB7)等の白血球上のトリガー分子又はFcγRI(C
D64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対す
るFcレセプターに結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体は特定のPRO
ポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性薬を局在化させるためにも使用されうる。これら
の抗体はPRO結合アーム及び細胞毒性薬又は放射性キレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA
、DOTA、又はTETAと結合するアームを有する。興味の対象となる他の二重特異性抗体はP
ROポリペプチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2
つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に
対してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の
治療のために[WO91/00360;WO92/200373;EP03089]提案
されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の
方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィ
ド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成す
ることができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-
4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,6767,980号に開示さ
れたものが含まれる。
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を
向上させることが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、
この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成され
た同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗
体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caronら, J. Exp. Med. 176:
1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。また、向
上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolffら, Cancer research 53: 2560-2565 (
1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗
体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を
向上させることもできる。Stevensonら, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参
照。
また、本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性
毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性コンジュ
ゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵
素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑
膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アル
ファ-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(
dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PA
PI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビ
ター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonari
a oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリク
トシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリ
コテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射
性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、9
0Y及び186Reが含まれる。
-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラ
ン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性
エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、
ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニ
ウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネ
ート(トリエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジ
フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は
、Vitettaら, Science 238: 1098 (1987)に記載されているように調製することができる
。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五
酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である
。WO94/11026参照。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレ
プトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体-レセプター複合体は患者に投与され、次い
で清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞毒性薬(例えば、放射性ヌ
クレオチド等)に抱合された「リガンド」(アビジン等)を投与する。
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソ
ームは、Epsteinら, Proc. Natl. acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985);Hwangら, Proc. n
atl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4
,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上し
た循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導ホス
ファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成さ
れる。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリ
ポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257
: 286-288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに
抱合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含
される。Gabizonら, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
ここで同定されるPROポリペプチドに特異的に結合する抗体、並びに上記に開示したス
クリーニングアッセイによって同定された他の分子は、種々の疾患の治療のために、製薬
組成物の形態で投与することができる。
PROポリペプチドが細胞内にあり、全抗体が阻害剤として用いられる場合、取り込める
抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又はリポソームも抗体、又は抗体断片を細胞
に導入するのために使用できる。抗体断片が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメ
インに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づい
て、標的タンパク質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このよう
なペプチドは、化学的に合成でき、又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、
Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 (1993)参照。ここでの製剤は、
治療すべき特定の徴候に必要な場合に1つ以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を
及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は
、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には
、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
マイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカ
プセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例
えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル
)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remingto
n's Pharmaceutical Science, 上掲に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなけらばならない。これは、滅菌濾過膜を通した
濾過により容易に達成される。
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリ
マーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又
はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は、ポリエステルヒドロゲル(
例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、
ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸及びγ-エチル-L-
グルタメート、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール
酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸
コポリマー、ポリ-(D)-3-ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-
グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種
のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身体
内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その
結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、
含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ
−ジスルフィド交換を通した分子間S−S結合形成であると発見された場合、安定化はス
ルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の
付加、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。
本発明の抗-PRO抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗-PRO抗体は、PRO
の診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現の検出に用いられる。競
合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われ
る免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Pre
ss, Inc. (1987) pp. 147-158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用
される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識される。検出可能な部
位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可
能な部位は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセ
インイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あ
るいはアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキ
シダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を抱合させるためにこの分野で知
られた任意の方法が用いられ、それにはHunterら, Nature 144:945 (1962);Davidら, Bi
ochemistry, 13: 1014 (1974);Painら, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981);及びNygre
n, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
精製にも有用である。この方法においては、PROに対する抗体を、当該分野でよく知ら
れている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾紙のような適当な支持体に固定化する
。次に、固定化された抗体を精製するPROを含む試料と接触させた後、固定化された抗
体に結合したPRO以外の試料中の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗
浄する。最後に、PROを抗体から脱離させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定
することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている
細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニ
アである。
メイン相同性スクリーニング
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ドメイ
ン(ECD)配列(必要ならな、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデータベースの検
索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、Dayhoff、GenBank)
及び独自に開発したデータベース(例えば、LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals
、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST-2(Altschu
lら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、ECDタンパク質配列の
EST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、
Blastスコア70(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap
」(Phil Green, University of Washington,Seattle,WA)で集団化してコンセンサス
DNA配列に構築した。
この細胞外ドメイン相同性スクリーニングを用いて、phrapを用いて他の同定されたES
T配列に対してコンセンサスDNA配列を構築した。さらに、得られたコンセンサスDN
A配列を、しばしば(全てではない)BLAST又はBLAST-2及びphrapの繰り返しサイクルを
用いて伸長し、コンセンサス配列を上で議論したEST配列の供給源を用いて可能な限り
伸長させた。
、PCRにより対象とする配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及びPROポ
リペプチドの全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして用いるために使用し
た。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20から30ヌクレオチドの範囲であ
り、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるために設計される。プロー
ブ配列は、典型的に40−55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−
1.5kbpより大きいときに付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。全長クローン
について幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、
Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, のように、PCRプライマー対
でのPCRによりスクリーニングした。ポジティブライブラリを、次いで、プローブオリ
ゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて対象とする遺伝子をコードするクローン
を単離するのに使用した。
cDNAクローンの単離に用いたcDNAライブラリは、Invitrogen, San Diego,CAな
どの市販試薬を用いる標準的な方法によって作成した。cDNAは、NotI部位を有するオ
リゴdTでプライムし、平滑末端でSalIヘミキナーゼアダプターに結合させ、NotIで切断
してゲル電気泳動で適切なサイズに分類し、そして適合するクローニングベクター(pR
KB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holm
esら, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)の唯一のXhoI及びNotI部位において、所定
の方向でクローニングした。
1.オリゴdTプライムcDNAライブラリの調製
Invitrogen, San Diego, CAの試薬及びプロトコールを用いて、対象とするヒト組織から
mRNAを単離した(Fast Track 2)。このRNAを、Life Technologies, Gaithersbur
g, MD(Super Script Plasmid system)の試薬及びプロトコールを利用するベクターpRK
5DでのオリゴdTプライム化cDNAライブラリの生成に用いた。この方法においては
、二本鎖cDNAを1000bpを越えるサイズに分類し、SalI/NotIリンカー化cDN
AをXhoI/NotI切断化ベクターへクローニングした。pRK5Dは、XhiI/NotIcDNA
クローニング部位の前に位置するSfiI制限酵素部位が後に続くsp6転写開始部位を有する
クローニングベクターである。
一次cDNAクローンの5’末端を好ましく表現するために、二次cDNAライブラリを
作成した。Sp6RNAを(上記の)一次ライブラリから生成し、このRNAを、Life Tech
nologies (上で参照したSuper Script Plasmid system)からの試薬及びプロトコールを利
用するベクターpSST-AMY.0でのランダムプライム化cDNAライブラリの生成
に用いた。この方法においては、二本鎖cDNAを500−1000bpへサイズ分類し
、平滑末端でNotIアダプターに結合させ、SfiI部位で切断し、そしてSfiI/NotI切断化ベ
クターへクローニングした。pSST-AMY.0は、cDNAクローニング部位の前に
酵母アルコールデヒドロゲナーゼプロモータ、並びにアルコールデヒドロゲナーゼ転写終
結区が後に続くマウスアミラーゼ配列(分泌シグナルを持たない成熟配列)をクローニン
グ部位の後に有するクローニングベクターである。従って、アミラーゼ配列でフレームに
融合するこのベクターへクローニングされたcDNAは、適切に形質移入された酵母コロ
ニーからのアミラーゼの分泌を導く。
上記のパラグラフ2に記載したライブラリのDNAを氷上で冷却し、それにエレクトロコ
ンピテントDH10B細菌(Life Technoligies、20ml)を添加した。細菌及びベク
ターの混合物は、次いで製造者に推奨されているように電気穿孔した。次いで、SOC培
地(Life Technologies、1ml)を添加し、この混合物を37℃で30分間インキュベ
ートした。形質転換体は、次いでアンピシリンを含む20標準150mmLBプレートに
蒔き、16時間インキュベートした(37℃)。ポジティブコロニーをプレートからこす
り取り、この細菌ペレットから標準的な方法、例えばCsCl-勾配を用いてDNAを単
離した。次に、、以下の酵母プロトコールを精製DNAへ適用した。
酵母方法は3つの範疇に分けられる:(1)酵母のプラスミド/cDNA結合ベクターで
の形質転換;(2)アミラーゼを分泌する酵母クローンの検出及び単離;及び(3)酵母
コロニーからの直接的な挿入物のPCR増幅、並びに配列決定及びさらなる分析のための
DNAの精製。
伝子型:MATアルファ、ura3-52、leu2-3、leu2-112、his3-11
、his3-15、MAL+、SUC+、GAL+を有する。好ましくは、不完全な翻訳
後経路を持つ酵母変異体を用いることができる。このような変異体は、sec71、se
c72、sec62に転位不全対立遺伝子を持つが、切断されたsec71が最も好まし
い。あるいは、これらの遺伝子の正常な操作を阻害するアンタゴニスト(アンチセンスヌ
クレオチド及び/又はリガンドを含む)、この翻訳後経路に含まれる他のタンパク質(例
えば、SEC61p、SEC72p、SEC62p、SEC63p、TDJ1p、SSA
1p-4p)又はこれらのタンパク質の複合体形成も、アミラーゼ発現酵母と組み合わせ
て好まれて用いられる。
形質転換は、Gietzら, Nucl. Acid. Res., 20: 1425 (1992)によって概略が記されたプロ
トコールに基づいて実施された。形質転換細胞は、次いで寒天からYEPD複合培地ブロ
ス(100ml)に播種し、30℃で終夜成長させた。YEPDブロスは、Kaiserら, Me
thods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, p. 20
7 (1994)に記載のように調製した。終夜培地は、次いで新鮮なYEPDブロス(500m
l)中におよそ2x106細胞/ml(約OD600=0.1)に希釈し、1x107細
胞/ml(約OD600=0.4−0.5)まで再成長させた。
ーボトルに移し、上清を捨て、次いで無菌水に再懸濁することで形質転換のために調製し
、そして次に50mlのファルコン管でBeckman GS-6KR遠心機において3,500rp
mで再度遠心分離した。その上清を捨て、続いて細胞をLiAc/TE(10ml,10
mMのトリス−HCl,1mMのEDTA pH7.5,100mMのLi2OOCCH
3)で洗浄し、LiAc/TE(2.5ml)中に再懸濁させた。
形質転換は、マイクロチューブ内で、調製した細胞(100μl)を新鮮な変性一本鎖サ
ケ精子DNA(Lofstrand Labs, Gaithersburg, MD)及び形質転換DNA(1μg vo
l.<10μl)と混合することにより開始した。混合物はボルテックスにより簡単に混
合し、次いで40%PEG/TE(600μl,40%のポリエチレングリコール-40
00, 10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,100mMのLiOOCCH3,
pH7.5)を添加した。この混合物を緩く撹拌し、30℃で撹拌しながら30分間イン
キュベートした。次いで細胞に42℃で15分間熱衝撃を与え、反応容器をミクロチュー
ブ内で12,000rpmで5−10秒間遠心分離し、デカントし、そしてTE(500
μl,10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,pH7.5)への再懸濁に次いで
遠心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希釈し、一定分量(200μl)を1
50mm成長プレート(VWR)に予め調製した選択培地に広げた。
プし、形質転換を1回の大規模反応で実施した。
用いた選択培地は、Kaiserら, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press
, Cold Spring Harbor, NY, p. 208-210 (1994)に記載されているように調製したウラシ
ルを欠く合成完全デキストロース寒天(SCD-Ura)であった。形質転換体を30℃
で2−3日成長させた。
アミラーゼを分泌するコロニーの検出は、選択成長培地に赤色デンプンを包含することに
よって実施した。Bielyら, Anal. Biochem., 172: 176-179 (1988)に記載された方法に従
って、デンプンを赤色染料(反応性 Red-120, Sigma)に結合させた。結合したデンプン
をSCD-Ura寒天プレートへ最終濃度0.15%(w/v)で組み入れ、リン酸カリ
ウムでpH7.0に緩衝化した(最終濃度50−100mM)。
十分に単離されていて同定可能な単一コロニーを得るために、ポジティブコロニーを拾い
、これを新鮮な選択培地(150mmプレート)に画線した。アミラーゼ分泌についてポ
ジティブであり、十分に単離されたコロニーの検出は、緩衝化SCD-Ura寒天への赤
色デンプンの直接組み入れによっておこなった。コロニーのデンプンを分解することでポ
ジティブコロニーの周囲に直接目視できる明瞭なハローを形成する能力によって、ポジテ
ィブコロニーを決定した。
ポジティブコロニーが単離された場合には、その一部を楊枝でひろい、96ウェルプレー
トで無菌水(30μl)によって希釈した。この時点では、ポジティブコロニーを凍結し
て次の分析のために保存するか、或いは即座に増幅するかのいずれかである。細胞の一定
分量 (5μl)を、0.5μlのKlentaq(Clontech, Palo Alto, CA); 4.0μlの
10mMdNTP(Perkin Elmer-Cetus);2.5μlのKentaqバッファー(Clontech);0.
25μlの正方向オリゴ1;0.25μlの逆方向オリゴ2;12.5μlの蒸留水を含
有する25μl容量でのPCR反応のテンプレートとして使用した。
正方向オリゴヌクレオチド1の配列は:
5'-TGTAAAACGACGGCCAGTTAAATAGACCTGCAATTATTAATCT-3'
(配列番号:553)
逆方向オリゴヌクレオチド2の配列は:
5'-CAGGAAACAGCTATGACCACCTGCACACCTGCAAATCCATT -3'
(配列番号:554)
であった。
次いで、PCRは以下の通り実施した:
a. 変性 92℃、 5分間
b.次の3サイクル 変性 92℃、30秒間
アニール 59℃、30秒間
伸長 72℃、60秒間
c.次の3サイクル 変性 92℃、30秒間
アニール 57℃、30秒間
伸長 72℃、60秒間
d.次の25サイクル 変性 92℃、30秒間
アニール 55℃、30秒間
伸長 72℃、60秒間
e. 保持 4℃
、挿入物が存在しない場合はベクターpSST-AMY.0の307bp領域を増幅する
。典型的には、これらのオリゴヌクレオチドの5’末端の最初の18ヌクレオチドは、配
列プライマーのアニーリング部位を含んでいた。従って、空のベクターからのPCR反応
の全生成物は343bpであった。しかしながら、シグナル配列融合cDNAは、かなり
長いヌクレオチド配列をもたらした。
PCRに続いて、反応の一定分量(5μl)を、上記のSambrook等に記載されているよう
に1%アガロースゲル中でトリス−ホウ酸塩−EDTA(TBE)緩衝系を用いたアガロ
ースゲル電気泳動によって検討した。400bpより大きな単一で強いPCR産物を生じ
るクローンを、96 Qiaquick PCR 清浄化カラム(Quagen Inc., Chatsworth, CA)での
精製の後にDNA配列によってさらに分析した。
ジェネンテク,インク(サウス サンフランシスコ,カリフォルニア)が独自に開発した
配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、GenBank)及び/又は個人の(LIFESEQ(登録商
標), Incyte Pharmaceuticals, Inc.,Palo Alto, CA)データベースから集団化及び組み
立てられたEST断片だけでなくESTsへ適用することで、種々のポリペプチド-コー
ド化核酸配列を同定した。このシグナル配列アルゴリズムは、検討中の配列又は配列断片
の5’末端にある第1、あるいは第2のメチオニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌ
クレオチドの文字に基づく分泌シグナルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオ
チドには、停止コドンを持たない少なくとも35の明白なアミノ酸がコードされていなけ
ればならない。第1のATGが必須のアミノ酸を有する場合、第2のものは検討しない。
何れも要件を満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナ
ル配列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するアミ
ノ酸配列に、分泌シグナルに関連することが知られている7つのセンサー(評価パラメー
タ)の一組を用いてスコアをつけた。このアルゴリズムを利用することで、多くのポリペ
プチド-コード化核酸配列の同定がなされた。
上記の実施例1から3に記載されている技術を用いて、ここに開示されているように、多
くの全長cDNAクローンがPROポリペプチドをコードしているものと同定された。そ
して、これらのcDNAは、下記の表7示してあるように、ブダペスト条約の条項に従っ
てアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801 ユニバーシティ・ブル
バード、マナッサス、バージニア 20110−2209米国(ATCC)へ寄託した。
その規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、
寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約
の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手す
ることができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発行時又は任意の
米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とす
ることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号8
86OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長
官が決定した者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしく
は損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと即座に取り替えることに
同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権
利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
以下の方法は、PROをコードする核酸配列のハイブリダイゼーションプローブとしての
利用を示している。
ここに開示されている全長又は成熟PROをコード化配列を含むDNAは、ヒト組織cD
NAライブラリ又はヒト組織ゲノムライブラリの同種DNA(PROの天然発生変異体を
コードするもの等)のスクリーニングのためのプローブとして用いられ得る。
ハイブリダイゼーション及びいずれかのライブラリDNAを含むフィルターの洗浄を、次
の高緊縮性条件下において実施する。放射標識PRO誘導プローブのフィルターへのハイ
ブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピ
ロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び
10%デキストラン硫酸の溶液中において42℃で20時間実施する。フィルターの洗浄
は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶液中において42℃で実施する。
次いで、全長天然配列をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分
野で知られている標準的技術を用いて同定することができる。
この実施例は、大腸菌中における組み換え発現によるPROの非グリコシル化型の調製を
例証する。
DNA配列コード化は選択されたPCRプライマーを利用して最初に増幅される。このプ
ライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含まな
ければならない。様々な発現ベクターを使用することができる。適したベクターの例とし
ては、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含むpBR322(大腸
菌由来;Bolivarら, Gene, 2:95 (1997)を参照のこと)がある。ベクターは制限酵素によ
って消化され、脱リン酸化される。次いで、PCR増幅配列をベクターにライゲーション
する。ベクターは好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリHisリー
ダー(最初の6つのSTIIコドン、ポリHisリーダー、及びエンテロキナーゼ切断部位を含
む)、PROコード領域、ラムダ転写集結因子及びargU遺伝子をコードする配列を含
む。
するために、このライゲーション混合物を利用した。形質転換体をLB部レート上でのそ
の成長能力によって同定し、次いで抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNA
を単離し、それを制限分析及びDNA配列決定によって確認することができる。
選択されたクローンを、抗生物質が補填されたLBブロスのような液体培地で一晩かけて
成長させることができる。この一晩の培養を、次により大きなスケールでの培養を播種す
るために使用してもよい。そして、細胞を所望の光学密度になるまで成長させ、その間に
発現プロモーターが作用し始める。
更に数時間、細胞を培養した後に、遠心分離によって細胞を収集することが可能である。
遠心分離によって得られた細胞ペレットは、当該分野で公知の様々な薬剤を使用して可溶
化でき、次いで、この溶解したPROタンパク質を、タンパク質の堅固な結合を可能にす
る条件下において金属キレート化カラムを用いて精製すること可能である。
OをコードするDNAを、選択したPCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプラ
イマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的
で信頼性のある翻訳開始、金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼで
のタンパク質分解的除去を与える他の有用な配列を含む。次いで、PCR増幅されたポリ
-Hisタグ配列を発現ベクターへ結合させ、これを株52(W3110 fuhA(tonA) lon galE rp
oHts(htpRts) clpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用した。形質転換体を、
最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中で、30℃で振盪しながら3−
5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培養液をCRAP培地(3.57g
の(NH4)2SO4、0.71gのクエン酸ナトリウム・2H2O、1.07gのKC
l、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL水中の5.36gのSheffield hycase SF
、並びに110mMのMPOS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコース及び7
mMのMgSO4の混合で調製)中にて50−100倍希釈し、30℃で振盪によって約
20−30時間成長させた。SDS-PAGEにより発現を確認するために試料を取り出
し、細胞がペレットとなるようにバルク培地を遠心分離した。精製及びリフォールディン
グ(再折りたたみ)まで、細胞ペレットを凍結させた。
ン、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁させた。固体
硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を各々0.1M及び0
.02Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により、すべてのシステイン残基が
亜硫酸によりブロックされた変性タンパク質が生じる。溶液をBeckman Ultracentrifuge
中で40,000rpmで30分間濃縮した。上清を金属キレートカラムバッファー(6
Mのグアニジン、20mMのトリス、pH7.4)の3−5容量で希釈し、透明にするた
めに0.22ミクロンフィルターを通して濾過する。透明抽出物を、金属キレートカラム
バッファーで平衡化させた5mlのQiagen Ni-NTA金属キレートカラムに負荷した。
カラムを50mMのイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッファー、
pH7.4で洗浄した。タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッファーで
溶離した。所望のタンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した。タンパク質濃
度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて280nmにおけるその吸
収により見積もった。
システイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製した再生バッ
ファー中で徐々に希釈することによって、タンパク質を再生させた。リフォールディング
容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラム/mlとなるように選択
した。リフォールディング溶液を4℃で12−36時間ゆっくり撹拌した。リフォールデ
ィング反応はTFAを採取濃度0.4%(約3のpH)で添加することにより停止させた
。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターを通して濾過し
、アセトニトリルを最終濃度2−10%で添加した。再生したタンパク質を、Poros R1/
H逆相カラムで、0.1%TFAの移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配
での溶離を用いてクロマトグラフにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSD
Sポリアクリルアミドゲルで分析し、相同な再生タンパク質を含有する画分をプールした
。一般的に、殆どの正しく再生したタンパク質種は、これらの種が最もコンパクトであり
、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されているので、アセトニトリルの最
低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高いアセトニトリル濃度で溶離される。誤
って再生したタンパク質を所望の形態から除くのに加えて、逆相工程は試料からエンドト
キシンも除去する。
気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡
化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの
塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した
。
ここで開示された多くのPROポリペプチドは、上記の方法によって成功裏に発現した。
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態
のPROの調製を例証する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307,247
参照)を用いた。場合によっては、PRO DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に
結合させ、上記のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRODN
Aを挿入させる。得られたベクターは、pRK5-PROと呼ばれる。
(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及び/又は抗生物質を
添加したDMEMなどの培地中で組織培養プレートにおいて成長させて集密化した。約1
0μgのpRK5-PRODNAを約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmap
payaら, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mM トリス-HCl、0.1
mM EDTA、0.227M CaCl2に溶解させた。この混合物に、滴状の500μ
lの50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM NaP
O4を添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、293細胞に加
えて37℃で約4時間定着させた。培地を吸引し、2mlのPBS中20%グリセロール
を30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、
細胞を約5日間インキュベートした。
システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培地で置換した。12時間
のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィルターで濃縮し、15%SD
Sゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PROポリペプチドの存在を現す選択され
た時間にわたってフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地に、更なるインキュ
ベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
(1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入される。2
93細胞は、スピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5-PR
ODNAを添加する。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PB
Sで洗浄した。DNA-デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートし
た。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培地で洗浄し、組織培地、5μg
/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラ
スコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細胞及び細胞片を除
去した。次いで発現されたPROを含む試料を濃縮し、透析及び/又はカラムクロマトグ
ラフィー等の選択した方法によって精製した。
他の実施態様では、PROをCHO細胞で発現させることができる。pRK5-PROは
、CaPO4又はDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞に形質移
入することができる。上記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(
のみ)又は35S-メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PR
Oポリペプチドの存在を同定した後、培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、
培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現されたPR
Oを含む培地を濃縮して、任意の選択した方法によって精製することができる。
RK5ベクターからサブクローニングしてもよい。サブクローン挿入物は、PCRを施し
てバキュロウイルス発現ベクター中のポリ-hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ
枠に融合できる。ポリ-hisタグPRO挿入物は、次いで、安定なクローンの選択のための
DHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後
に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)形質移入した。発現を確認す
るために、上記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ-hisタグPROを含む培
地は、次いで濃縮し、Ni2+-キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択され
た方法により精製できる。
またPROは、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法
によりCHO細胞で発現させてもよい。
CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質は、それぞ
れのタンパク質の可溶化形態のコード配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒン
ジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアド
ヘシン)、又はポリ-Hisタグ形態として発現された。
Biology, Unit 3.26, John Wiley and Sons (1997)に記載されたような標準的技術を用い
てCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現ベクターは、対象とするDN
Aの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cDNAの便利なシャトル化ができるよう
に作成される。ベクターは、Lucasら, Nucl. Acids Res. 24: 9, 1774-1779 (1996)に記
載されたようにCHO細胞での発現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレート
レダクターゼ(DHFR)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用
いる。DHFR発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にす
る。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superfect(登録商
標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)約1千
万のCHO細胞に導入する。細胞は、上記のLucas等に記載されているように成長させた
。約3x10−7細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結さ
せた。
内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで5分間遠心分離
した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過PS20、5%の0.
2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次いで細胞を90mLの選択培地
を含む100mLスピナーに分ける。1−2日後、細胞を150mLの選択培地を満たし
た250mLスピナーに移し、37℃でインキュベートする。さらに2−3日後、250
mL、500mL及び2000mLのスピナーを3x105細胞/mLで播種した。細胞
培地を遠心分離により新鮮培地に交換し、生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO
培地を用いてもよいが、実際には1992年6月16日に発行された米国特許第5,12
2,469号に記載された生産培地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x106細
胞/mLで播種した。0日目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプ
ルし、濾過空気での散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に
変え、30mLの500g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35
%ポリジメチルシロキサンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)を
とった。生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生存率が7
0%を下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルターを通して濾過
した。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに充填した。
した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した。条件培地を、
0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes,pH7.4バッフ
ァーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムへ4−5ml/分の流速によって4℃でポ
ンプ供給した。充填後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25
Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続い
て10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトール,pH6.8を含む
貯蔵バッファー中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で
貯蔵した。
イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を、以下通りに条件培地から精製した。条件培地を
、20mMのリン酸ナトリウムバッファー,pH6.8で平衡化した5mlのプロテイン
Aカラム(Pharmacia)へポンプ注入した。充填後、カラムを平衡バッファーで強く洗浄
した後、100mMのクエン酸,pH3.5で溶離した。溶離したタンパク質は、1ml
の画分を275μLの1Mトリスバッファー,pH9を含む管に回収することにより即座
に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ−Hisタグタンパク質につ
いて上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルとエ
ドマン(Edman)分解によるN−末端アミノ酸配列決定により評価した。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
以下の方法は、酵母菌中でのPROの組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPROの細胞内生産又は分泌のための
酵母菌発現ベクターを作成する。PROをコードするDNA及びプロモーターを選択した
プラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPROの細胞内発現を指示する。分泌のため
に、PROをコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモー
ターをコードするDNA、天然PROシグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチ
ド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(
必要ならば)PROの発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる
。
た発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリクロロ酢酸での沈降
及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシーブルー染色でゲルの染色をす
ることができる。
続いて組換えPROは、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択さ
れたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。
PROを含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製し
てもよい。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現を記載する
。
PROコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上
流に融合させた。このようなエピトープタグは、ポリ-hisタグ及び免疫グロブリンタグ(
IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Navagen)などの市販されているプラ
スミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単に
は、PRO又はPROコード配列の所定部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン
をコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列
などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プラ
イマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次い
で、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGold(商品名)ウイルスDNA(
Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 171
1)中にリポフェクチン(GIBCO-BRLから市販)を用いて同時形質移入することにより作
成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイルスを回収し、更な
る増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O'Reilleyら, Baculovirus expre
ssion vectors: A laboratory Manual, Oxford: Oxford University Press (1994)に記載
されているように実施した。
トグラフィーにより次のように精製される。抽出は、Rupertら, Nature, 362:175-179 (1
993)に記載されているように、ウイルス感染した組み換えSf9細胞から調製した。簡単
には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理用バッファー(25mLのHepes,pH7.9;
12.5mMのMgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%のN
P−40;0.4MのKCl)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理した。超音
波処理物を遠心分離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸塩、300mM
のNaCl、10%グリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィルタ
ーで濾過した。Ni2+-NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5mLの総容積
で調製し、25mLの水で洗浄し、25mLの負荷バッファーで平衡させた。濾過した細
胞抽出物は、毎分0.5mLでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始まる点である
A280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カラムを、結合タンパク
質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMリン酸塩;300mMのNaCl
、10%グリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280のベースラインに再度到達し
た後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMイミダゾール勾配で展開した。
1mLの分画を回収し、SDS-PAGE及び銀染色又はアルカリホスファターゼ(Qiage
n)に複合したNi2+-NTAでのウェスタンブロットで分析した。溶離したHis10
-タグPROを含む画分をプールして負荷バッファーで透析した。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PROの精製は、例えば、プロテインA又はプロ
テインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施で
きる。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
この実施例は、PROに特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば、上記のGo
dingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO、PROを含む融合タンパク
質、細胞表面に組換えPROを発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実
験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1
−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMP
L−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Researh, ハミルトン, モンタナ)に乳
化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後に
、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マ
ウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗PRO抗体の検出のためのELISAアッ
セイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取
してもよい。
注射の最後の注入をすることができる。3から4日後、マウスを屠殺し、脾臓細胞を取り
出した。次いで脾臓細胞を(35%ポリエチレングリコールを用いて)、ACTTから番
号CRL1597で入手可能なP3X63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫株化細
胞に融合させた。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポキサ
ンチン、アミノプテリン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに蒔き
、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害した。
ハイブリドーマ細胞は、PROに対する反応性についてのELISAでスクリーニングさ
れる。PROに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイ
ブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PROモノクロ
ーナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラス
コ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗
体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行
うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくア
フィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
天然又は組換えPROポリペプチドは、この分野の種々の標準的なタンパク質精製方法に
よって精製できる。例えば、プロ-PROポリペプチド、成熟ポリペプチド、又はプレ-P
ROポリペプチドは、対象とするPROポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性
クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PROポリペプ
チド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(
Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清
から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロ
テインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製され
た免疫グロブリンは、CnBr-活性化セファロース(商品名)(Pharmacia LKB Biotech
nology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂が
ブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
画分を調製することによるPROポリペプチドの精製において利用される。この調製物は
、洗浄剤の添加又はこの分野で公知の方法により微分遠心分離を介して得られる全細胞又
は細胞成分画分の可溶化により誘導される。あるいは、シグナル配列を含む可溶化PRO
ポリペプチドは、細胞が成長する培地中に有用な量で分泌される。
可溶化PROポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPROポ
リペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッフ
ァー)で洗浄される。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合を分解する条件
下(例えば、約2−3といった低pH、高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオト
ロープ)で溶離され、PROポリペプチドが回収される。
本発明は、PROポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術におい
て使用することによる化合物のスクリーニングとって特に有用である。そのような試験に
用いられるPROポリペプチド又は断片は、溶液中の自由状態でも、固体支持体に固定さ
れても、細胞表面に担持されていても、或いは細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリ
ーニングの1つの方法では、PROポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定に
形質移入される真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのような形質移入
細胞に対して、競合的結合アッセイによってスクリーニングされる。生存可能又は固定化
形態のいずれかによって、このような細胞は標準的な結合アッセイで使用できる。例えば
、PROポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。
あるいは、試験する試薬によって生ずるPROポリペプチドとその標的細胞との間の複合
体形成における減少を試験することもできる。
従って、本発明は、PROポリペプチド関連疾患又は障害に影響を与えうる薬剤又は任意
の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、その試薬をPROポリペ
プチド又は断片に接触させ、(i)試薬とPROポリペプチド又は断片との間の複合体の存
在について、又は(ii)PROポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について
、検定することを含む。これらの競合結合アッセイでは、PROポリペプチド又は断片が
典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、自由なPROポリペプチド又は
断片を結合形態のものから分離し、自由又は未複合の標識の量が、特定の試薬がPROポ
リペプチドに結合する又はPROポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる
。
化合物についての高スループットスクリーニングを提供し、1984年9月13日に公開
されたWO84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べれば、多数の異なる小
型ペプチド試験化合物が、プラスチックピン等の固体支持体又は幾つかの他の表面上で合
成される。PROポリペプチドに適用すると、ペプチド試験化合物はPROポリペプチド
と反応して洗浄される。結合したPROポリペプチドはこの分野で良く知られた方法によ
り検出される。精製したPROポリペプチドは、上記の薬剤スクリーニング技術に使用す
るためにプレート上に直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ペプチドを捕
捉し、それを固体支持体上に固定化するのに使用できる。
また、本発明は、PROポリペプチドに結合可能な中和抗体がPROポリペプチド又はそ
の断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも考慮す
る。この方法において、抗体は、PROポリペプチドで、1つ又は複数の抗原決定基を持
つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
合理的薬物設計の目的は、対象とする生物学的活性ポリペプチド(例えば、PROポリペ
プチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はイ
ンヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PROポ
リペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPROポリペプチドに機能を促進又は
阻害する薬物の創作に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19-21 (1991))
。
体の三次元構造が、x線結晶学により、コンピュータモデル化により、最も典型的には2
つの方法の組み合わせにより決定される。分子の構造を解明し活性部位を決定するために
は、PROポリペプチドの形状及び電荷の両方が確認されなければならない。数は少ない
が、PROポリペプチドの構造に関する有用な情報が相同タンパク質の構造に基づいたモ
デル化によって得られることもある。両方の場合において、関連する構造情報は、類似P
ROポリペプチド様分子の設計又は効果的なインヒビターの同定に使用される。合理的な
薬剤設計の有用な例は、Braxton及びWells, Biochemistry, 31: 7796-7801 (1992)に示さ
れているような向上した活性又は安定性を持つ分子、又はAthaudaら,J. Biochem., 113:
742-746 (1993)に示されているような天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、又はア
ンタゴニストとして作用する分子を含む。
構造を解明することもできる。この方法は、原理的には、それに続く薬剤設計が基礎をお
くことのできるファーマコア(pharmacore)を生成する。機能的な薬理学的に活性な抗体に
対する抗-イディオタイプ抗体(抗-ids)を生成することにより、タンパク質結晶学をバ
イパスすることができる。鏡像の鏡像として、抗-idsの結合部位は最初のレセプターの類
似物であると予測できる。抗-idは、次いで、化学的又は生物学的に製造したペプチドの
バンクからペプチドを同定及び単離するのに使用できる。単離されたペプチドは、ファー
マコアとして機能するであろう。
本発明によって、X線結晶学などの分析実験を実施するために十分な量のPROポリペプ
チドが入手可能である。さらに、ここに提供したPROポリペプチドアミノ酸配列の知識
は、X線結晶学に代わる又はそれに加わるコンピュータモデル化技術で用いられるガイダ
ンスを提供する。
セイ128)
このアッセイは、本発明のあるPROポリペプチドが、ヒト血液におけるTNF−αの放
出を刺激することを示している。このアッセイでポジティブ(陽性)と検定されたPRO
ポリペプチドは、他の事例を含めて、TNF-αの放出を刺激が所望されている研究目的
、及びTNF-αの放出の増加が有益である症状の治療上の処置にとって有用である。特
に、50mM Hepesバッファー(pH7.2)で補充した200μlのヒト血液を、96
ウェルテストプレートのウェルへ等分して配する。次いで、各ウェルへは、50mM Hep
esバッファーに含まれる試験PROポリペプチド(種々の濃度)又は50mM Hepesバッ
ファーのみ(ネガティブ(負)のコントロール)のいずれかを300μl添加し、このプ
レートを37℃で6時間インキュベートした。次に、試料を遠心分離し、各ウェルから5
0μlの血漿を収集し、ELISAアッセイによってTNF-αの存在を試験した。アッ
セイでのポジティブ(陽性)とは、ネガティブ(負)のコントロール試料と比較して、P
ROポリペプチド処理試料中により多量のTNF-αがあることである。
以下のPROポリペプチドが、このアッセイにおいてポジティブ(陽性)であった:PR
O195、PRO202、PRO215、PRO221、PRO217、PRO222、
PRO198、PRO245、PRO172、PRO265、PRO266、PRO34
4、PRO337、PRO322、PRO1286、PRO1279、PRO1338及
びPRO1343。
(アッセイ106)
このアッセイは、PROポリペプチドが骨格筋のグルコース又はFFA取り込に影響を及
ぼす能力を示すかどうかを決定するために設計されている。このアッセイにおいてポジテ
ィブと評価されたPROポリペプチドは、例えば糖尿病或いは高又は低インシュリン血症
を含む骨格筋によるグルコース取り込みの刺激又は阻害である疾患の治療上の処置にとっ
て有用であると期待される。
96ウェルフォーマットにおいて、アッセイされるPROポリペプチドは初期ラット分化
型骨格筋へ加えられ、そして一晩インキュベートされる。ついで、PROポリペプチド及
び+/−インシュリンを含む新鮮な培地がウェルに加えられる。その後、試料培地は、骨
格筋によるグルコース又はFFA取り込みを測定するために監視される。イシュリンは、
骨格筋によるグルコース又はFFA取り込みを刺激し、PROポリペプチドを含まないイ
ンシュリンを含む培地を、ポジティブの基準コントロール及びスコーリング制限として使
用する。試験されるPROポリペプチドがグルコース又はFFA取り込みを刺激或いは阻
害した場合、インシュリンのコントロールより1.5倍より高い又は0.5倍より低いと
、結果はポジティブと記録される。
以下の試験PROポリペプチドが、このアッセイにおいてグルコース及び/又はFAAの
取り込みの刺激剤又は阻害剤としてポジティブであった:PRO182、PRO336、
PRO198、PRO172及びPRO719。
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが軟骨細胞の再分化を誘導する働きをし、
それ故に例えばスポーツ障害や関節炎のような様々な骨及び/又は軟骨の障害の治療に役
立つことが期待されていることを示す。このアッセイは次のように実施される。ブタの軟
骨細胞を、4−6月齢の雌ブタの中手指節関節の関節軟骨を一晩コラゲナーゼ消化するこ
とによって単離する。次いで、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲン
タマイシンを含むヘムF-12へ25,000細胞/cm2で播種する。この培地を3日
ごとに交換し、次いで細胞を血清を含まない100μlの同培地の96ウェルに5,00
0細胞/ウェルで播種し、そして100μl試験PROポリペプチド、5nMのスタウロス
ポリン(ポジティブコントロール)又は培地のみ(ネガティブコントロール)を加えて最
終的な総量が200μl/ウェルとなるようにする。37℃での5日間のインキュベーシ
ョンの後、各々のウェルの写真を撮り、軟骨細胞の分化状態を判定するする。軟骨細胞の
再分化がネガティブコントロールよりもポジティブのコントロールに類似していると判定
された場合には、このアッセイにおけるポジティブの結果が生じたものとする。
次のポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブと検定された:PRO182、PR
O366、PRO198及びPRO1868。
このアッセイは、培養において、本発明のPROポリペプチドが軟骨細胞の増殖を阻害す
る能力を示すか否かを測定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブ
と試験されたポリペプチドは、例えばスポーツ傷害及び関節炎などの種々の骨及び/又は
軟骨組織疾患の治療上の処置に対して有用であると期待されうる。
ブタ軟骨細胞を、4−6ヶ月の年長雌ブタの中手指節関節の関節軟骨から、一晩に渡るコ
ラゲナーゼ消化によって単離する。そして、この単離した細胞を、25,000細胞/c
m2の割合で、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むハムF−12へ播種
する。培地を3日ごとに交換し、25,000細胞/cm2となるように細胞を5日ごと
に再播種する。12日目に、この細胞を血清を含まない100μlの同じ培地の96ウェ
ルプレートへ5,000細胞/ウェルで播種し、無血清培地(ネガティブコントロール)
、スタウロスポリン(最終濃度5nM;ポジティブのコントロール)又は試験PROポリ
ペプチドのいずれかを添加して最終容量が200μl/ウェルとなるようにする。37℃
で5日間の後、20μlのアラマーブルー(Alamar blue)を各ウェルへ添加し、プレート
をさらに3時間に渡って37℃でインキュベートする。そして、各ウェルの蛍光を測定す
る(Ex:530nm;Em:590nm)。バックグラウンドを得るために、200μ
lの無血清培地を含むプレートの蛍光を測定する。このアッセイでのポジティブの結果は
、PROポリペプチド処理試料の蛍光が、ネガティブコントロールのそれよりもポジティ
ブのコントロールのそれに類似する場合に得られる。
以下の試験ポリペプチドがこのアッセイでポジティブであった:PRO202、PRO2
24、PRO172及びPRO1312。
ROポリペプチドの検出(アッセイ94)
このアッセイは、PROポリペプチドが脂肪細胞によるグルコース又はFFA取りみに影
響を及ぼす能力を示すかどうかを確定するために設計されている。このアッセイでポジテ
ィブと評価されたPROポリペプチドは、例えば肥満、糖尿病或いは高又は低インシュリ
ン血症を含む、脂肪細胞によるグルコース取り込みの刺激又は阻害いずれかが有益である
疾患の治療にとって有用であると期待される。
96ウェルフォーマットで、アッセイされるPROポリペプチドを初期ラット脂肪細胞へ
加え、そして一晩インキュベートした。グリセロール、グルコース及びFFA取り込みの
アッセイのための試料を、4及び16時間目に採取する。16時間のイキュベーション後
、イシュリンを培地へ加え、4時間のインキュベートをおこなう。この時、試料が採取さ
れて、グリセロール、グルコース及びFAAの取り込みを測定する。ポジティブの基準コ
ントロールとしては、PROポリペプチドが無くインシュリンを含む培地を使用する。試
験されるPROポリペプチドがグルコース又はFFA取り込みを刺激又は阻害し、インシ
ュリンのコントロールより1.5倍より高い又は0.5倍より低いと、結果はポジティブ
であると記録される。
以下のPROポリペプチドが、このアッセイにおいてグルコース及び/又はFAAの取り
込みへ作用するとしてポジティブと評価された:PRO202、PRO211、PRO3
44及びPRO1338。
このアッセイは、周皮細胞における遺伝子発現を活性化するPROポリペプチドを同定す
るために設定されている。このようなポリペプチドは、成長因子として及び/又は遺伝子
発現が所望されるか有益である症状にとって有用であると期待される。1週間に渡って、
ウシ周皮細胞を成長培地の60mm培養皿に配した。1日目に、種々のPROポリペプチ
ドを希釈(1%)し、周皮細胞と1,4,24時間のタイムポイントでインキュベートし
た。この細胞を収集し、そして指示書に従ってTRI-試薬を用いてRNAを単離した。
次いで、分光光度計を利用して260/280 ODを読みとることによって、このRN
Aを定量化した。遺伝子発現の分析は、Perkin Elmer試薬及び特別に設計されたウシプロ
ーブ及びプライマーを用いてTaqMan反応によっておこなった。次の遺伝子の発現を分析し
た:GAPDH、ベータ-インテグリン、結合組織成長因子(CTGF)、ICAM-1、
単球走化性タンパク質1(MCP-1)、オステオポンチン、トランスフォーミング成長因
子-ベータ(TGF-ベータ)、TGF-ベータレセプター、メタロプロテイナーゼ(TI
MP)の組織インヒビター、組織因子(TF)、VEGF-α、トロンボスポンジン、V
EGF-β、アンジオポエチン-2及びコラゲナーゼ。次いで、複製物を平均化し、SDを
測定した。そして、遺伝子発現レベルをGAPDHへ標準化した。次に、これらを、未処
理コントロールと比較した場合に、ウシ周皮細胞において遺伝子発現を顕著に誘導しない
タンパク質(PIN32)によって得られた発現レベルに対して標準化した。PIN32
コントロールより2倍又はより高い遺伝子発現レベルを示す任意のPROポリペプチドを
、ポジティブヒットとした。
この試験では、次のPROポリペプチドがポジティブだと評価した:PRO366。
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが周皮細胞の増殖を活性化するように作用
し、それ故に、特定の種類の周皮細胞に関連する腫瘍の診断用マーカーとして有用である
ばかりでなく、周皮細胞に関連する腫瘍の治療上の処置に有用であると期待されるアンタ
ゴニストを誘発することにも有用であることを示す。また、このようなPROポリペプチ
ドは、成長因子として及び/又は細胞増殖が所望されるか有益である症状にとって有用で
あると期待される。周皮細胞増殖の活性化は血管新生の誘導にも関連しており、よって周
皮細胞増殖を誘導することができるPROポリペプチドは、例えば創傷治癒のような場合
を含む誘導された血管新生が有益である症状の治療にとって有用であると期待できる。特
に1日目には、周皮細胞をVEC Technologiesから得て、5mlの培地以外のすべてをフラス
コから取り出した。2日目には、周皮細胞をトリプシン処理し、洗浄し、スピンにかけて
96ウェルプレートに蒔いた。7日目には、培地を取り除き、周皮細胞を100μlの特
定のPROポリペプチド又はコントロール処理(ポジティブコントロール=DEM+5%+
/−PDGF@500ng/μl;ネガティブコントロール=PIN32、周皮細胞に対
して顕著な作用を有しないものと確かめられたポリペプチド)のいずれかによって処理し
た。次いで、C-fos及びGAPDH遺伝子発現レベルを測定し、複製を平均化してSD/
CVを確定した。c-fos値をGAPDHに対して標準化し、この結果をPIN32に対す
る倍数増加で表した。ネガティブコントロールと比較して、少なくとも2倍又はより高い
反応を示した任意のものを、このアッセイではポジティブであるとした。
このアッセイでは、次のPROポリペプチドがポジティブだと評価した:PRO366。
ッセイ97)
軟骨組織からのプロテオグリカンの放出を刺激する種々のPROポリペプチドの能力を以
下のようにして試験した。
4-6月齢のブタの手指節関節を無菌で切除し、関節軟骨を下の骨を注意深く避けたフリ
ーハンドスライスによって取り除いた。軟骨を細かく切り刻み、0.1%BSA及び10
0U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを添加した無血清(SF
)培地(DME/F12 1:1)中、95%空気、5%CO2雰囲気においてバルクで2
4時間培養した。3回洗浄した後、約100mgの関節軟骨をミクロニクス(micronics)
管に分け、上記SF培地中でさらに24時間インキュベートした。次いで、PROポリペ
プチドの1%を、単独あるいは公知の軟骨組織からのプロテオグリカン放出刺激剤である
インターロイキン-1αの18ng/mlとともに添加した。次いで上清を回収し、1,
9-ジメチル-メチレンブルー(DMB)比色アッセイ(FarndaleおよびButtle, Biochem.
Biophys. Acta 883: 173-177 (1985))を用いてプロテオグリカンの量を検定した。この
アッセイにおけるポジティブな結果は、試験ポリペプチドには、例えば、運動に関連する
関節の問題、関節軟骨障害、変形性関節症又は慢性関節リウマチの治療においての利用が
見出されることを示している。
上記のアッセイによって種々のPROポリペプチドを試験したとき、ポリペプチドは、根
本的におよびインターロイキン-1αでの刺激後および処理後24および72時間に軟骨
組織からのプロテオグリカン放出を刺激する顕著な能力を示し、これによって、これらP
ROポリペプチドは軟骨組織からのプロテオグリカンの放出刺激に有用であるをこと示し
ている。従って、PROポリペプチドは運動に関連する関節の問題、関節軟骨障害、変形
性関節症又は慢性関節リウマチの治療において有用である。このアッセイにおいて、ポジ
ティブだと評価されたポリペプチドはPRO216である。
このアッセイは本発明のあるポリペプチドが聴覚毛細胞前駆体である内耳支持細胞の有糸
分裂促進剤として作用し、よって哺乳動物における聴覚毛細胞の再生誘発と軟調の治療に
利用できることを示す。アッセイは次のように実施する。ラットUEC−4小嚢上皮細胞
を33℃、200μlの血清添加培地で密度3000細胞/ウェルで96ウェルプレート
に等分する。細胞を一晩培養し、ついで37℃で無血清培地に移す。ついで様々な希釈率
のPROポリペプチド(又はコントロールには不含有)が培地に加えられ、ついで細胞を
24時間に渡ってインキュベートする。24時間のインキュベーションの後、3H−チミ
ジン(1μCi/ウェル)を加えられ、次いでさらに24時間培養する。次に組み込まれ
なかった放射能標識を取り除くために培地を洗浄し、細胞を取り出し、1ウェルあたりの
Cpmを決定する。コントロール培地と比較しPROポリペプチドで処置した培地におい
て少なくとも30%又はそれ以上のCpmであった場合には、アッセイにおいてポジティ
ブと判断する。
このアッセイでは、次のポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO172。
この実施例は、本発明の所定のペプチドが、刺激されたT-リンパ球の増殖の刺激剤とし
て活性であることを示す。リンパ球の増殖を刺激する化合物は、免疫応答の増強が有益な
場合、治療的に有用である。治療剤は、本発明のポリペプチドのアンタゴニストの形をと
り、例えば、ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメラ、ヒト化又はヒト抗体である。こ
のアッセイの基本的プロトコールは、Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E
Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所,
John Wiley & Sons, Incから出版に記載されている。
さらに具体的には、このアッセイの一変形例では、末梢血液単核細胞(PBMC)を個々の
哺乳類、例えばヒトのボランティアからロイコフェレーシスにより単離する(一人のドナ
ーには刺激物PBMCを供給し、他のドナーにはレスポンダーPBMCを供給する)。所
望するならば、単離後に、細胞をウシ胎児血清及びDMSO中で凍結する。凍結細胞をア
ッセイ用培地(37℃、5%CO2)で一晩解凍し、ついで洗浄し、アッセイ用培地(RPMI;
10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HE
PES、1%非必須アミノ酸、1%ピルビン酸塩)で3x106細胞/mlに再懸濁する
。刺激物PBMCは、細胞を照射する(約300ラド)ことによって調製される。
このアッセイは混合物:
100:1の1%又は0.1%に希釈された試験試料、
50:1の照射を受けた刺激物細胞、及び
50:1のレスポンダーPBMC細胞、
を三重ウェルに蒔くことによって調製される。100マイクロタイターの細胞培養培地或
いは100マイクロタイターのCD4-IgGをコントロールとして使用する。ついで、
ウェルを37℃、5%CO2で4日間インキュベートする。5日目には、各ウェルへトリ
チウム化チミジン(1.0 mC/ウェル;Amersham)を適用する。6時間後に細胞を3
回洗浄し、次いで標識の取込を評価する。
このアッセイの他の変形例では、PBMCをBalb/cマウス及びC57B6マウスの
脾臓から単離する。細胞を、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリ
ン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピル
バート)において新たに回収された脾臓から顕微鏡検査用に細かく切断し、リンパライト
M(Lympholyte M)(Organon Teknika)上にこれらの細胞をオーバーレイすることにより
PMBCを単離し、2000rpmで20分間遠心分離し、集め、アッセイ用培地におけ
る単核細胞層を洗浄し、アッセイ用培地に1x107細胞/mlになるように細胞を再懸濁
させる。ついで、このアッセイは上記のように行われる。
コントロールに対する増加がポジティブであると考えられ、好ましくは180%以上又は
180%と同等の増加が好ましい。しかしながら、コントロールより大きい全ての値は、
試験用タンパク質に関して刺激効果を示す。
以下の試験ポリペプチドがこのアッセイでポジティブであった:PRO344。
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが周皮細胞におけるc-fosの発現を誘発す
るように作用し、よって特定の種類の周皮細胞結合腫瘍の診断用マーカーとして有用であ
るばかりでなく、周皮細胞結合腫瘍の治療上の処置に有用であると予期されるアンタゴニ
ストを生じせしめることを示す。また、周皮細胞でのc-fosの誘導は血管新生そのものの
誘導を示し、そしてc-fosの発現を誘導することができるPROポリペプチドは、例えば
創傷治癒及びそれに同じような、誘導された血管新生が有益である症状の治療に有用であ
る。特に1日目に、周皮細胞をVEC Technologiesから得て、5mlの培地以外をフラスコか
ら取り出した。2日目に周皮細胞をトリプシン処理し、洗浄し、スピンにかけ、次いで9
6ウェルプレートに蒔いた。7日目に培地を取り出し、周皮細胞を100μlのPROポ
リペプチドテスト用試料及びコントロール(ポジティブコントロール=DME+5%血清
+/−500ng/mlのPDGF;ネガティブコントロール=プロテイン32)で処理
した。複製を平均化し、SD/CVを確定した。蛍光ルミネセンス単位(RLU)照度計リ
ーディングバース頻度により示されたプロテイン32値を越える倍数増加(バッファーコ
ントロール)をヒストグラム上にプロットし、上記のプロテイン32値を2倍は、アッセ
イについてポジティブであると考えられる。ASYマトリックス:成長培地=低グルコー
スDMEM=20%FBS+1Xペンストレップ(pen strep)+1Xフンギゾン(fungizon
e)。アッセイ用培地=低グルコースDMEM+5%FBS。
以下の試験ポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブであった:PRO301、P
RO619、PRO1066及びPRO1265。
このアッセイは、本発明のPROポリペプチドが末梢血単核細胞(PBMC)からのサイ
トカインの放出を誘発することができる否かを確定するために設計されている。PBMC
からのサイトカインの放出を誘発することのできるPROポリペプチドは、サイトカイン
放出の増加によって益を得る症状の治療にとって有用である。具体的には、1x106細
胞/mlの末梢血単核細胞(PBMC)を、3日間に渡って1%のPROポリペプチドで
完全RPMI培地によって培養する。次いで、その上清を収集し、ヒトIgGで処理され
たコントロールとの比較によるELISAによって、種々のサイトカインの増加濃度につ
いて試験する。このアッセイにおけるポジティブとは、ヒトIgG処理試料と比較して、
PROポリペプチド処理試料中でのサイトカイン濃度の10倍又はより大きな増加である
。
このアッセイにおいては、次のポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO5
26及びPRO1343。
このアッセイは、A-ペプチドの因子VIIAへの結合を阻害し、それによって血液強固カス
ケードに作用することすることができるPROポリペプチドを同定するために設計されて
いる。このアッセイでポジティブと評価されるPROポリペプチドは、例えば、発作、心
臓発作及び種々の凝固疾患を含む、血液凝固カスケードの改変が有益であろう症状の治療
のために有用であると期待される。また、これらのPROポリペプチドは、これら症状の
治療のためにも有用であるアゴニスト及びアンタゴニストの同定のために有用である。
具体的には、384ウェルプレートを可溶性因子VIIAでコートし、4℃で一晩に渡ってイ
ンキュベーションする。次いで、このウェルデカントし、0.5%BSAを添加して1時
間に渡ってブロックする。次に、ウェルを洗浄し、各ウェルへ20μlのビオチン化A-
ペプチドを加え、それに種々の濃度のPROポリペプチド(試験)か何も加えない(ネガ
ティブコントロール)。次いで、このプレートを室温で1時間に渡ってインキュベーショ
ンする。ウェルを再び洗浄し、そして各ウェルへ40μlのストレプトアビジン-ユーロ
ピウムを添加する。次いで、このプレートを室温で30分に渡ってインキュベーションし
て洗浄する。次いで、各ウェルへ40μlの蛍光増進溶液を添加してプレートを室温で5
分間インキュベーションし、次いでユーロピウム遅延蛍光設定の下で、各ウェルをWallac
Vivtor readerで読みとる。そして、アッセイにおけるポジティブが30%又はそれ以上
のパーセント阻害として、A-ペプチドの因子VLLAへの結合のパーセント阻害を測定する
(ネガティブコントロールと比較し)。
このアッセイでは、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO1
82。
このアッセイは、脂肪細胞のインシュリン誘発分化を阻害することが可能であるPROポ
リペプチドを同定するために設計されている。このアッセイでポジティブと評価されたP
ROポリペプチドは、肥満、糖尿病などに関連する症状の治療のために有用であると期待
される。
具体的には、3T3-L1細胞を、6x104細胞/ウェルで96ウェルプレートへ播種
し、7日間に渡って集密化するまで生育させた。7日目には、1μg/mlインシュリン
、0.25x10−6M デキサメタゾン及び0.5mM IBMXの存在下で、種々の濃
度のPROポリペプチド(或いはネガテティブコントロールとして加えない)によって細
胞を処理する。次いで、この試料を2日間に渡って、7%CO2中において37℃でイン
キュベートする。このインキュベーションの後、吸引によって培地を取り除き、細胞をP
BSで洗浄し、PROポリペプチド(或いはネガティブコントロールとして加えず)及び
1μg/mlインシュリンへ再曝露する。5日後には、細胞を溶菌し、細胞溶解物をシグ
マのトリグリセリド[INT]キット(Sigma procedure#336)でアッセイする。このアッセイ
におけるポジティブとは、ネガティブコントロールと比較して、PROポリペプチド処理
試料において20%より高い脂肪細胞分化の阻害である。
このアッセイでは、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO1
85及びPRO198。
このアッセイは、HUVEC細胞の増殖を刺激することができるPROポリペプチドを同
定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブと評価されるPROポリ
ペプチドは、例えば創傷治癒のようなものを含む、血管新生が有益である症状の治療ため
の血管新生を誘発することにとって有用であると期待される。これらPROポリペプチド
のアンタゴニストは、例えば腫瘍のような症状の治療のための血管新生の阻害において有
用であると期待される。
具体的には、COSTAR(登録商標)フラットボトムブラックプレートをフィブロネク
チンで20分間に渡って処理し、次いでPBSで二回洗浄する。そして、HUVEC細胞
を、適切な成長培地の2000細胞/ウェルにプレートする。次いで、このプレートを一
晩に渡ってインキュベートし、そしてPROポリペプチド(1%最終濃度)、無添加(ネ
ゲティブコントロール)又はIL1β(3.3ng/ml最終濃度;ポジティブコントロ
ール)を添加する。このアッセイにおけるポジティブとは、ポジティブコントロールと比
較して、蛍光の2倍又はそれ以上の増加である。
このアッセイにおいて、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PR
O222。
このアッセイは、本発明のPROペプチドが、培地で軟骨細胞の増殖及び/又は再分化を
誘導する能力を示すか否かを確定するために設計されている。このアッセイにおいてポジ
ティブと評価されるPROポリペプチドは、例えばスポーツ傷害及び関節炎などの種々の
骨及び/又は軟骨組織疾患の治療に有用であると期待される。ブタ軟骨細胞を、4−6ヶ
月の年長雌ブタの中手指節関節の関節軟骨の一晩に渡るコラゲナーゼ消化によって単離す
る。そして、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むハ
ムF-12へ25,000細胞/cm2の割合で播種する。培地を3日ごとに交換する。
12日目には、細胞を血清を含まない100μlの同じ培地へ5,000細胞/ウェルで
96ウェルプレートへ播種し、100μlの無血清培地(ネガティブコントロール)、ス
タウロスポリン(最終濃度が5nM;ポジティブコントロール)又は試験PROポリペプチ
ドのいずれかを添加して最終容量を200μl/ウェルとする。37℃での5日間の後、1
00μg/ml Hoechst 33342及び50μg/ml 5-CFDAを含む22μlの培地を
各ウェルへ添加し、さらに10分間に渡って37℃でインキュベートする。各ウェルの緑
色蛍光を写真に取り、形態計測分析によって軟骨細胞の分化段階を計算する。>50%の
PROポリペプチドで処理した細胞が分化している場合には(ネガティブコントロールに
よって得られたバックグラウンドと比較して)、このアッセイでポジティブな結果が得ら
れていることになる。
このアッセイにおいて、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PR
O301。
イ分析
幾千もの遺伝子配列を殆ど場合において含む核酸マイクロアレイは、組織の正常な対応物
と比較して、疾患組織において差次的に発現している遺伝子を同定するために有用である
。核酸マイクロアッセイを用いると、試験及びコントロール組織試料からの試験及びコン
トロールmRNA試料が逆転写され、cDNAプローブを生成するために標識される。次
いで、このcDNAプローブは、固体支持体上に固定化さた多くの核酸とハイブリダイズ
される。このアレイは、アレイの各メンバーの配列と位置がわかるように構成されている
。例えば、ある疾患段階で発現することが知られている遺伝子から選ばれたものを固体支
持体上に整列してもよい。標識プローブとある特定のアレイのメンバーとのハイブリダイ
ゼーションは、プローブが誘導された試料がその遺伝子を発現していることを示す。試験
(疾患組織)からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルが、コントロール(正常
組織)試料からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルより大きい場合は、疾患組
織において過剰発現している遺伝子又は複数遺伝子が同定される。この結果の意味は、疾
患組織で過剰発現しているタンパク質は、疾患症状の存在のための診断的マーカーとして
だけではなく、疾患症状の治療のための治療上の標的としても有用であるということであ
る。
核酸のハイブリダイゼーション及びマイクロアレイ技術の方法論は、当業者には良く知ら
れている。本実施例では、ハイブリダイゼーション及びプローブ、スライドのための核酸
の特別な調製、並びにハイブリダイゼーションの条件は、2000年3月31日に出願さ
れた米国仮出願一連番号 60/193,767にすべて詳述されており、ここにおいて
文献として取り入れられている。
して、非癌牲ヒト組織に関連するPROポリペプチドコード化遺伝子発現のために、種々
のヒト組織から誘導された癌牲腫瘍が研究された。2セットの実験データーが作成された
。1つのセットでは、同じ患者からの癌牲ヒト結腸腫瘍組織、及び適合した非癌牲ヒト結
腸腫瘍組織(「適合した直腸コントロール」)を得て、そして上記で記載したマイクロア
レイ技術を用いてPROポリペプチド発現について分析した。二番目のセットのデーター
では、任意の種々の異なるヒト腫瘍を得て、肝臓、腎臓、及び肺を含む上皮由来の非癌牲
ヒト組織をプールすることによって調製される「普遍的」上皮コントロール試料と比較し
た。プールされた組織から単離されたmRNAは、これら異なる組織での発現遺伝子産物
の混合物を示す。プールされたコントロール試料を用いたマイクロアレイハイブリダイゼ
ーション実験は、二色分析において直線的なプロットを生じた。次いで、二色分析におい
て生じたこの線の傾斜を、各実験の(試験:コントロール検出)の比率を標準化するため
に用いた。次いで、種々の実験の標準化された比率を比較し、そして遺伝子発現の集積牲
を同定するために用いた。従って、プール化された「普遍的なコントロール」試料は、単
純な二つの試料の比較における有効で相対的遺伝子発現の判定を可能にするだけではなく
、幾つかの実験に渡る複数の試料の比較をも可能にする。
本実験では、ここに記載のPROポリペプチドコード化核酸配列から誘導された核酸プロ
ーブをマイクロアレイの作製に用い、上記に列挙した腫瘍組織のRNAをさらにハイブリ
ダイゼーションに用いた。標準化比:実験比に基づく値は、「カットオフ」と命名された
。このカットオフを上回る値のみを重要であると判定した。下記の表8は、これらの実験
の結果を示しており、本発明の種々のPROポリペプチドが非癌牲ヒト組織コントロール
と比べて種々のヒト腫瘍組織において著しく過剰発現していることを示している。上記に
て記載のように、これらのデーターは、本発明のPROポリペプチドが一つ以上の癌牲腫
瘍の存在を示す診断マーカーとしてだけではなく、これら腫瘍の治療のための治療上の標
的としての機能も果たすことを示している。
本アッセイでは、レセプター/リガンド相互作用を同定する目的で、潜在的なレセプター
又はリガンド分子の一団と結合する能力に関して、種々のPROポリペプチドを試験した
。既知のレセプターに対するリガンド、既知のリガンドに対するレセプター、或いは新規
のレセプター/リガンド対の同定は、例えばレセプター又はリガンドを発現することが知
られている細胞へ生物活性分子(リガンド又はレセプター)を標的化すること、組成物が
リガンド又はレセプターを発現すると思われる細胞を含んでなるであろう場合に、リガン
ド又はレセプターを含むと思われる組成物中からリガンド又はレセプターの存在を検出す
るためにリガンド又はレセプターを試薬として利用すること、レセプター又はリガンドを
発現或いはそれらへ応答することが知られている細胞の成長、又はその他の生物学的又は
免疫活性を調節すること、細胞の免疫応答、或いはレセプター又はリガンドを発現する細
胞に対する免疫応答を調節すること、レセプター又はリガンドを発現している細胞の成長
又は生物学的又は免疫活性を調節するレセプター又はリガンドに対する アゴニスト、ア
ンタゴニスト及び/又は抗体の調製を可能にすること、並びに当業者にとって容易に明ら
かである種々の他の徴候を含む種々の徴候に対して有用である。
る本発明のPROポリペプチドは、ヒトIgGのFcドメイン(イムノアドへシン)を含
有する融合タンパク質として発現される。レセプター-リガンド結合は、候補PROポリ
ペプチドレセプターを発現する細胞(例えばCos細胞)とイムノアドへシンポリペプチ
ドの相互作用、Fc融合ドメインに対する蛍光試薬による結合イムノアドへシンの視覚化
、そして顕微鏡による検査を可能にすることによって検出される。候補レセプターを発現
する細胞は、同時に、レセプター分子として機能することができるPROポリペプチドを
をコードするcDNA発現ベクターのライブラリの確定したサブセットの一過性トランス
フェクション(形質移入)によって生産される。次いで、可能なレセプター結合に関して
試験したPROポリペプチドイムノアドへシンの存在下で、細胞を1時間に渡ってインキ
ュベートする。そして、この細胞を洗浄し、パラホルムアルデヒドで固定化する。次いで
、この細胞を、PROポリペプチドイムノアドへシンのFc部分に対する蛍光コンジュゲ
ート抗体(FITCコンジュゲート抗体(ヤギ抗-ヒト-Fc抗体)とインキュベートする
。そして、この細胞を再び洗浄し、顕微鏡で検査した。ポジティブの相互作用は、蛍光ラ
ベルされた特定のPROポリペプチドレセプター又はレセプターのプールをコードするc
DNAで形質移入された細胞の存在、同じように蛍光ラベルされた他のcDNA又はcD
NAのプールで形質移入されている同じように調製された細胞が存在しないことによって
判定される。PROポリペプチドイムノアドへシンとの相互作用において、cDNA発現
ベクターの確定されたプールがポジティブと判定されたならば、PROポリペプチドイム
ノアドへシンと相互作用することが可能なレセプターをコードする特定のcDNAを確定
するために、プールを構成する個々のcDNA種が別々に試験される(プールは「分解」
される)。
えば、8ヒスチジン「His」タッグ)が、ヒトIgGのFcドメイン(イムノアドへシン
)と融合して発現する潜在的なレセプターPROポリペプチド分子の一団と相互作用する
ことが許容されている。1時間に渡るエピトープタッグPROポリペプチドとの同時イン
キュベーションに続いて、各々の候補レセプターをプロテインAビーズによって免疫沈降
し、ビーズを洗浄した。潜在的なリガンド相互作用は、エピトープタッグに対する抗体に
よる免疫沈降複合体のウェスタンブロット分析によって測定される。候補化合物によるウ
ェスタンブロト分析において、エピトープタッグタンパク質の期待される分子量のバンド
が観察されるが、潜在的レセプターの一団の他のメンバーによっては起こらないことが観
察されるならば、相互作用は起こるものと判断される。
これらのアッセイを利用して、以下のレセプター/リガンド相互作用が同定されている:
(1)PRO1801はPRO1114及びPRO4978と結合。
(2)PRO100はPRO1114と結合。
考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として意図されており、機
能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため、寄託された作成物により、
本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの物質の寄託は、文書による説明が、そ
のベストモードを含む、本発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であること
を認めるものではないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解
釈されるものでもない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に改変す
ることは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の範囲内に
入るものである。
Claims (29)
- 以下の(a)又は(b)のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸:
(a)配列番号:68に示すアミノ酸をコードするヌクレオチド配列、及び
(b)配列番号:68に示すアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置
換若しくは付加された、配列番号:68に示すアミノ酸配列から由来するポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列であって、かつ前記ヌクレオチド配列からなる核酸が大腸癌
に過剰発現するヌクレオチド配列。 - 以下の(a)又は(b)のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸:
(a)配列番号:67に示されるヌクレオチド配列、及び
(b)配列番号:67に示されるヌクレオチド配列の核酸に対し相補的なヌクレオチド配
列からなる核酸と高度の緊縮性条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、
かつ前記ヌクレオチド配列からなる核酸が大腸癌に過剰発現するヌクレオチド配列。 - 以下の(a)又は(b)のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸。
(a)配列番号:67に示されるヌクレオチド配列の全長コード配列、及び
(b)配列番号:67に示されるヌクレオチド配列の核酸に対し相補的なヌクレオチド配
列からなる核酸と高度の緊縮性条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、
かつ前記ヌクレオチド配列からなる核酸が大腸癌に過剰発現するヌクレオチド配列。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の核酸に対し相補的なヌクレオチド配列を含んで
なる単離された核酸。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の核酸を含んでなるベクター。
- ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列と作用可能に結
合した請求項5に記載のベクター。 - 請求項5又は6に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 前記細胞がCHO細胞である、請求項7に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が大腸菌である、請求項7に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が酵母細胞である、請求項7に記載の宿主細胞。
- 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の宿主細胞をポリペプチドの発現に適した条件
下で培養し、細胞培養物から前記ポリペプチドを回収することを含んでなる、前記ポリペ
プチドの製造方法。 - 以下の(a)又は(b)のアミノ酸配列を含む単離された天然配列ポリペプチド:
(a)配列番号:68に示すアミノ酸配列、及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加さ
れた、(a)から由来するアミノ酸配列であって、かつ前記アミノ酸配列からなるポリペ
プチドをコードする核酸が大腸癌に過剰発現するアミノ酸配列。 - 異種アミノ酸配列に融合した、請求項12に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子
。 - 前記異種アミノ酸配列がエピトープダグ配列である、請求項13に記載のキメラ分子。
- 前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である、請求項13に記載のキメラ分子
。 - 請求項12に記載のポリペプチドへ特異的に結合する抗体。
- 前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体または単鎖抗体である、請求項1
6に記載の抗体。 - 哺乳類被験者の身体から分離された試験生物学的試料中の配列番号:68のポリペプチド
をコードする核酸のレベルを、対応する正常生物学的試料中の前記核酸のレベルと比較し
て決定することを含んでなる、前記試験生物学的試料中の前記核酸のレベルの増加が試験
生物学的試料中に癌細胞を含むことを示す診断方法。 - 試験生物学的試料または正常生物学的試料が組織試料である、請求項18に記載の方法。
- 試験組織試料を大腸組織から採取する、請求項19に記載の方法。
- 試験生物学的試料又は正常生物学的試料から得られた核酸のレベルを、配列番号:68の
ポリペプチドをコードする核酸に特異的なプローブを1つもしくはそれ以上用いてハイブ
リダイゼーションすることにより決定する請求項18に記載の方法。 - ハイブリダイゼーションが高度の緊縮性条件下で行われる、請求項21に記載の方法。
- 試験生物学的試料又は正常生物学的試料から得られた核酸がcDNAである、請求項21に記
載の方法。 - 試験生物学的試料又は正常生物学的試料から得られた核酸がマイクロアレイに置かれる、
請求項23に記載の方法。 - 正常生物学的試料と比較して、哺乳類被験者の身体から分離された試験生物学的試料中の
配列番号:68のポリペプチドの発現レベルを決定することを含んでなる、前記試験生物
学的試料中の前記ポリペプチドの過剰発現が試験生物学的試料中に癌細胞を含むことを示
す診断方法。 - 配列番号:68のポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いて過剰発現を検出する請求
項25に記載の方法。 - 前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体または単鎖抗体である、請求項2
6に記載の方法。 - 前記抗体が抗体断片である、請求項26に記載の方法。
- 前記抗体が標識されている、請求項26に記載の方法。
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