JP2002335964A - 新規タンパク質およびその用途 - Google Patents
新規タンパク質およびその用途Info
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- JP2002335964A JP2002335964A JP2001131638A JP2001131638A JP2002335964A JP 2002335964 A JP2002335964 A JP 2002335964A JP 2001131638 A JP2001131638 A JP 2001131638A JP 2001131638 A JP2001131638 A JP 2001131638A JP 2002335964 A JP2002335964 A JP 2002335964A
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- JP
- Japan
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- salt
- protein
- partial peptide
- ester
- cells
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- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 癌の発生や進展を抑制する可能性のある新た
な遺伝子を見出し、その用途を開発する。 【解決手段】 配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質またはその塩およびそれをコードするポリヌ
クレオチドを提供する。それらの医薬用等の用途も提供
する。
な遺伝子を見出し、その用途を開発する。 【解決手段】 配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質またはその塩およびそれをコードするポリヌ
クレオチドを提供する。それらの医薬用等の用途も提供
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規分泌タンパク
質およびその用途に関する。
質およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】我々ヒトを含む多くの生物体を構成する
個々の細胞が、細胞外の環境を正確に把握し迅速に対応
していくことは、機能的な細胞活動にとって必要不可欠
である。その中で重要な働きをしているのが細胞表面に
ある種々の分子であり、とりわけ受容体を含む多くのタ
ンパク分子が中心的役割を担っている。例えば、多くの
Tyr kinase 型の受容体は、細胞外のリガンドに対応し
て細胞内の特定のタンパクをリン酸化することによって
機能している。またある種の白血球細胞に発現している
表面タンパクの中には、細胞間相互作用を通して他の細
胞に働きかけることにより体内の免疫反応を担ってい
る。これらのタンパク分子の多くは何らかの形で細胞膜
上に固定された状態で存在している。しかし、酵素的に
あるいは他の機構によって細胞外へ遊離し、分泌型とし
ても機能しているものもある。このような分泌型のタン
パクには、本来の機能を増強あるいは拮抗するものや、
全く異なる機能を持つものなど様々である。例えば、多
くの分泌型の受容体は、膜上の受容体とリガンドをめぐ
って競合する。また、 CD55 や CD59 などの分子は、
分泌型か膜結合型かを問わず補体系の抑制に働く(Immu
nology Today 20, 576-582 (1999))。一方癌関連の遺
伝子としては、細胞の増殖因子あるいはその受容体、転
写因子やシグナル伝達に関わるタンパクなど多数の遺伝
子が見出だされている。例えば、脳腫瘍に関係する PDG
F(Nature 362, 801 (1997))や乳癌や胃癌、神経芽腫
に関与する c-mycや N-myc、大腸癌や白血病に関与する
Ki-ras や N-ras などが挙げられる。これらの遺伝子
は特定の細胞や組織が癌化したときに見出された特異的
なタンパクや遺伝子を分析し、その配列の情報をもとに
して同定されたものであり、すべてまたは多くの癌細胞
や組織に普遍的に発現しているものではない。また、ヒ
トを含む哺乳類の免疫系は非常に複雑であり、単一の遺
伝子産物によってすべての癌の発生・進行のメカニズム
を説明することは困難であることが予想される。
個々の細胞が、細胞外の環境を正確に把握し迅速に対応
していくことは、機能的な細胞活動にとって必要不可欠
である。その中で重要な働きをしているのが細胞表面に
ある種々の分子であり、とりわけ受容体を含む多くのタ
ンパク分子が中心的役割を担っている。例えば、多くの
Tyr kinase 型の受容体は、細胞外のリガンドに対応し
て細胞内の特定のタンパクをリン酸化することによって
機能している。またある種の白血球細胞に発現している
表面タンパクの中には、細胞間相互作用を通して他の細
胞に働きかけることにより体内の免疫反応を担ってい
る。これらのタンパク分子の多くは何らかの形で細胞膜
上に固定された状態で存在している。しかし、酵素的に
あるいは他の機構によって細胞外へ遊離し、分泌型とし
ても機能しているものもある。このような分泌型のタン
パクには、本来の機能を増強あるいは拮抗するものや、
全く異なる機能を持つものなど様々である。例えば、多
くの分泌型の受容体は、膜上の受容体とリガンドをめぐ
って競合する。また、 CD55 や CD59 などの分子は、
分泌型か膜結合型かを問わず補体系の抑制に働く(Immu
nology Today 20, 576-582 (1999))。一方癌関連の遺
伝子としては、細胞の増殖因子あるいはその受容体、転
写因子やシグナル伝達に関わるタンパクなど多数の遺伝
子が見出だされている。例えば、脳腫瘍に関係する PDG
F(Nature 362, 801 (1997))や乳癌や胃癌、神経芽腫
に関与する c-mycや N-myc、大腸癌や白血病に関与する
Ki-ras や N-ras などが挙げられる。これらの遺伝子
は特定の細胞や組織が癌化したときに見出された特異的
なタンパクや遺伝子を分析し、その配列の情報をもとに
して同定されたものであり、すべてまたは多くの癌細胞
や組織に普遍的に発現しているものではない。また、ヒ
トを含む哺乳類の免疫系は非常に複雑であり、単一の遺
伝子産物によってすべての癌の発生・進行のメカニズム
を説明することは困難であることが予想される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、癌の発生や進
展に関わるような癌関連遺伝子あるいは癌化に伴なって
発現増強されるようないわゆる癌抗原分子と言われるよ
うな一群のタンパクをコードする遺伝子が近年注目され
ているが、特に免疫系に対して何らかの関与を有するこ
とにより癌の発生や進展を直接あるいは間接的に亢進す
る可能性のある新たな遺伝子の発見が望まれている。
展に関わるような癌関連遺伝子あるいは癌化に伴なって
発現増強されるようないわゆる癌抗原分子と言われるよ
うな一群のタンパクをコードする遺伝子が近年注目され
ているが、特に免疫系に対して何らかの関与を有するこ
とにより癌の発生や進展を直接あるいは間接的に亢進す
る可能性のある新たな遺伝子の発見が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、予想されるア
ミノ酸配列上でN末端およびC末端の両方に疎水性アミ
ノ酸のクラスターを持つ膜結合型および/または分泌型
のタンパクをコードしている新規遺伝子を見出した。本
発明者らはこれらの知見に基づいて、さらに検討を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、予想されるア
ミノ酸配列上でN末端およびC末端の両方に疎水性アミ
ノ酸のクラスターを持つ膜結合型および/または分泌型
のタンパクをコードしている新規遺伝子を見出した。本
発明者らはこれらの知見に基づいて、さらに検討を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1) 配列番号:
4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質
またはその塩、(2) 上記(1)記載のタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩、(3) 上記(1)記載のタンパク質を
コードするDNAを含有するDNA、(4) 配列番
号:3で表わされる塩基配列を有する上記(3)記載の
DNA、(5) 上記(2)記載の部分ペプチドをコー
ドするDNAを含有するDNA、(6) 上記(3)ま
たは上記(5)記載のDNAを含有する組換えベクタ
ー、(7) 上記(6)記載の組換えベクターで形質転
換された形質転換体、(8) 上記(7)記載の形質転
換体を培養し、上記(1)記載のタンパク質または上記
(2)記載の部分ペプチドを生成せしめることを特徴と
する上記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、また
は上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩の製造法、(9) 上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に対する抗体、(10) 上
記(3)もしくは上記(5)記載のDNAまたは上記
(9)記載の抗体を含有してなる診断剤、(11) 上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩あるいは上記(9)記載の抗
体を含有してなる医薬、(12) 癌の予防・治療剤で
ある上記(11)記載の医薬、(13) 上記(1)記
載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(1)記
載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(14) 上記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記
載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩を含有してなる上記(1)記載のタン
パク質もしくはその塩、または上記(2)記載の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(15) 上記(13)記
載のスクリーニング方法または上記(14)記載のスク
リーニング用キットを用いて得られる上記(1)記載の
タンパク質もしくはその塩、上記(2)記載の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩の活性を促進する化合物またはその塩、(16)
上記(15)記載の化合物またはその塩を含有してなる
医薬、(17) 癌の予防・治療剤である上記(16)
記載の医薬、(18) 抗癌作用を有する医薬を製造す
るための上記(1)記載のタンパク質もしくはその
塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩、または上記(1
3)記載のスクリーニング方法または上記(14)記載
のスクリーニング用キットを用いて得られる上記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩、上記(2)記載の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の使
用、(19) 上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、または上記
(12)記載のスクリーニング方法または上記(13)
記載のスクリーニング用キットを用いて得られる上記
(1)記載のタンパク質もしくはその塩、上記(2)記
載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩
を哺乳動物に投与することを特徴とする癌の予防・治療
方法、(20) 上記(13)記載のスクリーニング方
法または上記(14)記載のスクリーニング用キットを
用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくはそ
の塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する
化合物またはその塩、(21) 上記(20)記載の化
合物またはその塩を含有してなる医薬、(22) 免疫
抑制剤または抗炎症剤である上記(21)記載の医薬、
(23) 免疫抑制作用または抗炎症作用を有する医薬
を製造するための上記(13)記載のスクリーニング
方法または上記(14)記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害す
る化合物またはその塩、あるいは上記(9)記載の抗体
の使用、(24) 上記(13)記載のスクリーニング
方法または上記(14)記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害す
る化合物またはその塩、あるいは上記(9)記載の抗体
を哺乳動物に投与することを特徴とする免疫抑制方法ま
たは炎症の治療方法などを提供する。
4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質
またはその塩、(2) 上記(1)記載のタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩、(3) 上記(1)記載のタンパク質を
コードするDNAを含有するDNA、(4) 配列番
号:3で表わされる塩基配列を有する上記(3)記載の
DNA、(5) 上記(2)記載の部分ペプチドをコー
ドするDNAを含有するDNA、(6) 上記(3)ま
たは上記(5)記載のDNAを含有する組換えベクタ
ー、(7) 上記(6)記載の組換えベクターで形質転
換された形質転換体、(8) 上記(7)記載の形質転
換体を培養し、上記(1)記載のタンパク質または上記
(2)記載の部分ペプチドを生成せしめることを特徴と
する上記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、また
は上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩の製造法、(9) 上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に対する抗体、(10) 上
記(3)もしくは上記(5)記載のDNAまたは上記
(9)記載の抗体を含有してなる診断剤、(11) 上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩あるいは上記(9)記載の抗
体を含有してなる医薬、(12) 癌の予防・治療剤で
ある上記(11)記載の医薬、(13) 上記(1)記
載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(1)記
載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(14) 上記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩、または上記(2)記
載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩を含有してなる上記(1)記載のタン
パク質もしくはその塩、または上記(2)記載の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(15) 上記(13)記
載のスクリーニング方法または上記(14)記載のスク
リーニング用キットを用いて得られる上記(1)記載の
タンパク質もしくはその塩、上記(2)記載の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩の活性を促進する化合物またはその塩、(16)
上記(15)記載の化合物またはその塩を含有してなる
医薬、(17) 癌の予防・治療剤である上記(16)
記載の医薬、(18) 抗癌作用を有する医薬を製造す
るための上記(1)記載のタンパク質もしくはその
塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩、または上記(1
3)記載のスクリーニング方法または上記(14)記載
のスクリーニング用キットを用いて得られる上記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩、上記(2)記載の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の使
用、(19) 上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、または上記
(12)記載のスクリーニング方法または上記(13)
記載のスクリーニング用キットを用いて得られる上記
(1)記載のタンパク質もしくはその塩、上記(2)記
載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩
を哺乳動物に投与することを特徴とする癌の予防・治療
方法、(20) 上記(13)記載のスクリーニング方
法または上記(14)記載のスクリーニング用キットを
用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくはそ
の塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する
化合物またはその塩、(21) 上記(20)記載の化
合物またはその塩を含有してなる医薬、(22) 免疫
抑制剤または抗炎症剤である上記(21)記載の医薬、
(23) 免疫抑制作用または抗炎症作用を有する医薬
を製造するための上記(13)記載のスクリーニング
方法または上記(14)記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害す
る化合物またはその塩、あるいは上記(9)記載の抗体
の使用、(24) 上記(13)記載のスクリーニング
方法または上記(14)記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩、上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害す
る化合物またはその塩、あるいは上記(9)記載の抗体
を哺乳動物に投与することを特徴とする免疫抑制方法ま
たは炎症の治療方法などを提供する。
【0006】さらには、本発明は、(25)配列番号:
4で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列が、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列である上記(1)記載のタンパク質また
はその塩、(26)配列番号:4で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:4で
表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜
3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:4で表されるアミノ酸配列に1〜10個(好ましく
は、1〜5個(より好ましくは、1〜3個))のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:4で表される
アミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、ま
たはそれらを組み合わせたアミノ酸配列である上記
(1)記載のタンパク質またはその塩、
4で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列が、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列である上記(1)記載のタンパク質また
はその塩、(26)配列番号:4で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:4で
表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜
3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:4で表されるアミノ酸配列に1〜10個(好ましく
は、1〜5個(より好ましくは、1〜3個))のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:4で表される
アミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、ま
たはそれらを組み合わせたアミノ酸配列である上記
(1)記載のタンパク質またはその塩、
【0007】(27)(i)上記(1)記載のタンパク
質もしくはその塩、または上記(2)記載の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩に基質を接触させた場合と、(ii)上記(1)記載の
タンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩に基質および試験化合物を接触させた場合に
おける、上記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、
または上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を測定し、
比較することを特徴とする上記(13)記載のスクリー
ニング方法、
質もしくはその塩、または上記(2)記載の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩に基質を接触させた場合と、(ii)上記(1)記載の
タンパク質もしくはその塩、または上記(2)記載の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩に基質および試験化合物を接触させた場合に
おける、上記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、
または上記(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を測定し、
比較することを特徴とする上記(13)記載のスクリー
ニング方法、
【0008】(28)上記(9)記載の抗体と、被検液
および標識化された上記(1)記載のタンパク質もしく
はその塩、または上記(2)記載の部分ペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩と
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の割合を測定することを特徴
とする被検液中の上記(1)記載のタンパク質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(29)被検液と担体上に不溶化した上記(9)記載の
抗体および標識化された上記(9)記載の抗体とを同時
あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識
剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記
(1)記載のタンパク質もしくは上記(2)記載の部分
ペプチドまたはその塩の定量法などを提供する。
および標識化された上記(1)記載のタンパク質もしく
はその塩、または上記(2)記載の部分ペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩と
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された上
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩、または上記
(2)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の割合を測定することを特徴
とする被検液中の上記(1)記載のタンパク質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(29)被検液と担体上に不溶化した上記(9)記載の
抗体および標識化された上記(9)記載の抗体とを同時
あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識
剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記
(1)記載のタンパク質もしくは上記(2)記載の部分
ペプチドまたはその塩の定量法などを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質と
称する)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラ
ット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経
細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウ
ム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内
皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免
疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュ
ラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細
胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組
織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳
基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小
脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養
細胞(例えば、MEL、M1、CTLL−2、HT−
2、WEHI−3、HL−60、JOSK−1、K56
2、ML−1、MOLT−3、MOLT−4、MOLT
−10、CCRF−CEM、TALL−1、Jurka
t、CCRT−HSB−2、KE−37、SKW−3、
HUT−78、HUT−102、H9、U937、TH
P−1、HEL、JK−1、CMK、KO−812、M
EG−01など)に由来するタンパク質であってもよ
く、合成タンパク質であってもよい。
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質と
称する)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラ
ット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経
細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウ
ム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内
皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免
疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュ
ラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細
胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組
織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳
基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小
脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養
細胞(例えば、MEL、M1、CTLL−2、HT−
2、WEHI−3、HL−60、JOSK−1、K56
2、ML−1、MOLT−3、MOLT−4、MOLT
−10、CCRF−CEM、TALL−1、Jurka
t、CCRT−HSB−2、KE−37、SKW−3、
HUT−78、HUT−102、H9、U937、TH
P−1、HEL、JK−1、CMK、KO−812、M
EG−01など)に由来するタンパク質であってもよ
く、合成タンパク質であってもよい。
【0010】配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
があげられる。本発明の配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質としては、例えば、上記の配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好
ましい。実質的に同質の活性としては、例えば、NKG
2Dに対する結合活性、免疫細胞の活性化などがあげら
れる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に
(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であるこ
とを示す。したがって、NKG2Dに対する結合活性、
免疫細胞の活性化などの活性が同等(例、約0.1〜1
00倍、好ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。NKG2Dに対する結合活性は、ELI
SA法等の自体公知の方法よって測定すれば良い。ま
た、例えば、後に記載するスクリーニング方法に従って
測定することもできる。免疫細胞の活性化の測定は、自
体公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、
免疫細胞活性化の指標として、ひとつは細胞の増殖を調
べる方法がある。これは詳細には細胞内の DNA 合成を
測定するもので、通常 thymidine またはその誘導体の
取込みとして定量できる。すなわち [3H]thymidine の
取込みをその放射活性を指標にして定量する方法や、th
ymidine の誘導体であるbromodeoxiuridine (BrdU) の
取り込みを BrdU に特異的な抗体を用いて定量する方法
などがある。別法として、免疫細胞の活性化に伴なう各
種サイトカイン等の産生を調べてもよい。すなわち詳細
には、活性化に伴なって培地中または血清中に分泌され
てくる interleukin 類 (IL-1、IL-2、IL-3I、L-4 等)
や interferon 類(alpha、beta、gamma)TNF、GM-CS
F、各種ケモカイン類等をそれらに特異的な抗体を用い
て測定する。
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
があげられる。本発明の配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質としては、例えば、上記の配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好
ましい。実質的に同質の活性としては、例えば、NKG
2Dに対する結合活性、免疫細胞の活性化などがあげら
れる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に
(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であるこ
とを示す。したがって、NKG2Dに対する結合活性、
免疫細胞の活性化などの活性が同等(例、約0.1〜1
00倍、好ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。NKG2Dに対する結合活性は、ELI
SA法等の自体公知の方法よって測定すれば良い。ま
た、例えば、後に記載するスクリーニング方法に従って
測定することもできる。免疫細胞の活性化の測定は、自
体公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、
免疫細胞活性化の指標として、ひとつは細胞の増殖を調
べる方法がある。これは詳細には細胞内の DNA 合成を
測定するもので、通常 thymidine またはその誘導体の
取込みとして定量できる。すなわち [3H]thymidine の
取込みをその放射活性を指標にして定量する方法や、th
ymidine の誘導体であるbromodeoxiuridine (BrdU) の
取り込みを BrdU に特異的な抗体を用いて定量する方法
などがある。別法として、免疫細胞の活性化に伴なう各
種サイトカイン等の産生を調べてもよい。すなわち詳細
には、活性化に伴なって培地中または血清中に分泌され
てくる interleukin 類 (IL-1、IL-2、IL-3I、L-4 等)
や interferon 類(alpha、beta、gamma)TNF、GM-CS
F、各種ケモカイン類等をそれらに特異的な抗体を用い
て測定する。
【0011】また、本発明のタンパク質としては、例え
ば、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列中の1〜
5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したア
ミノ酸配列、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
に1〜10個(好ましくは、1〜5個(より好ましく
は、1〜3個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列に1〜5個
(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミ
ノ酸配列、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列中
の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを
組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などの
いわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配
列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、
欠失または置換の位置としては、特に限定されない。
ば、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列中の1〜
5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したア
ミノ酸配列、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
に1〜10個(好ましくは、1〜5個(より好ましく
は、1〜3個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列に1〜5個
(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミ
ノ酸配列、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列中
の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを
組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などの
いわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配
列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、
欠失または置換の位置としては、特に限定されない。
【0012】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
O-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここで、エス
テルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1
-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用
エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基な
どが用いられる。本発明のタンパク質がC末端以外にカ
ルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している
場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化され
ているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合
のエステルとしては、例えば、上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明のタンパク質に
は、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基など
のC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、生体内で切断されて生成するN末端の
グルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内
のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、
アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ
基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチ
ル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基な
ど)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれ
る。本発明のタンパク質の具体例としては、例えば、配
列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来
(好ましくはヒト腎臓由来)のタンパク質などが用いら
れる。
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
O-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここで、エス
テルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1
-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用
エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基な
どが用いられる。本発明のタンパク質がC末端以外にカ
ルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している
場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化され
ているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合
のエステルとしては、例えば、上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明のタンパク質に
は、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基など
のC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、生体内で切断されて生成するN末端の
グルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内
のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、
アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ
基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチ
ル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基な
ど)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれ
る。本発明のタンパク質の具体例としては、例えば、配
列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来
(好ましくはヒト腎臓由来)のタンパク質などが用いら
れる。
【0013】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、上記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、好ましくは、上記した本発明のタンパク質と同様の
活性(例、NKG2Dに対する結合活性、免疫細胞の活
性化作用など)を有するものであればいかなるものでも
よい。例えば、本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列
中の少なくとも20%以上、好ましくは50%以上、さ
らに好ましくは70%以上、より好ましくは90%以
上、最も好ましくは95%以上のアミノ酸配列を有し、
NKG2Dに対する結合活性または免疫細胞の活性化作
用を有するペプチドなどが用いられる。また、本発明の
部分ペプチドは、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好ま
しくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失し、または、その
アミノ酸配列に1〜10個(好ましくは、1〜5個(よ
り好ましくは、1〜3個))のアミノ酸が付加し、また
は、そのアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは、1〜3
個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列
中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されていてもよい。本発明の部分ペプ
チドとしてより具体的には、配列番号:4で表わされる
アミノ酸配列の第24〜255番目の部分アミノ酸配列
を有する部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列の第31〜255番目の部分アミノ酸配列を有
する部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸
配列の第26〜255番目の部分アミノ酸配列を有する
部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
の第25〜255番目の部分アミノ酸配列を有する部分
ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第
27〜255番目の部分アミノ酸配列を有する部分ペプ
チドなどが挙げられる。
は、上記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、好ましくは、上記した本発明のタンパク質と同様の
活性(例、NKG2Dに対する結合活性、免疫細胞の活
性化作用など)を有するものであればいかなるものでも
よい。例えば、本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列
中の少なくとも20%以上、好ましくは50%以上、さ
らに好ましくは70%以上、より好ましくは90%以
上、最も好ましくは95%以上のアミノ酸配列を有し、
NKG2Dに対する結合活性または免疫細胞の活性化作
用を有するペプチドなどが用いられる。また、本発明の
部分ペプチドは、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好ま
しくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失し、または、その
アミノ酸配列に1〜10個(好ましくは、1〜5個(よ
り好ましくは、1〜3個))のアミノ酸が付加し、また
は、そのアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは、1〜3
個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列
中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されていてもよい。本発明の部分ペプ
チドとしてより具体的には、配列番号:4で表わされる
アミノ酸配列の第24〜255番目の部分アミノ酸配列
を有する部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列の第31〜255番目の部分アミノ酸配列を有
する部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸
配列の第26〜255番目の部分アミノ酸配列を有する
部分ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
の第25〜255番目の部分アミノ酸配列を有する部分
ペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第
27〜255番目の部分アミノ酸配列を有する部分ペプ
チドなどが挙げられる。
【0014】また、本発明の部分ペプチドはC末端が通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO−)であるが、上記した本発明のタンパク
質のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)であ
ってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、上記
した本発明のタンパク質と同様に、N末端のアミノ酸残
基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護さ
れているもの、N端側が生体内で切断され生成したグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドな
どの複合ペプチドなども含まれる。また、本発明の部分
ペプチドは抗体作成のための抗原として用いることがで
きるので、必ずしもNKG2Dに対する結合活性または
免疫細胞の活性化作用を有する必要はない。本発明のタ
ンパク質もしくはその部分ペプチドまたは本発明のタン
パク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNA
は、自体公知の方法で標識化されていてもよく、具体的
にはアイソトープ化されたもの、蛍光標識されたもの
(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオ
チン化されたもの、酵素標識されたものなどが挙げられ
る。
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO−)であるが、上記した本発明のタンパク
質のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)であ
ってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、上記
した本発明のタンパク質と同様に、N末端のアミノ酸残
基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護さ
れているもの、N端側が生体内で切断され生成したグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドな
どの複合ペプチドなども含まれる。また、本発明の部分
ペプチドは抗体作成のための抗原として用いることがで
きるので、必ずしもNKG2Dに対する結合活性または
免疫細胞の活性化作用を有する必要はない。本発明のタ
ンパク質もしくはその部分ペプチドまたは本発明のタン
パク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNA
は、自体公知の方法で標識化されていてもよく、具体的
にはアイソトープ化されたもの、蛍光標識されたもの
(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオ
チン化されたもの、酵素標識されたものなどが挙げられ
る。
【0015】本発明のタンパク質または部分ペプチドの
塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有
機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有
機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質また
はその塩は、上記したヒトや温血動物の細胞または組織
(特に腎臓など)から自体公知のタンパク質の精製方法
によって製造することもできるし、後に記載するタンパ
ク質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによっても製造することができる。また、後に記
載するペプチド合成法に準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞(特に腎臓など)から
製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモ
ジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆
相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー
などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精
製単離することができる。ヒトや哺乳動物の組織または
細胞(特に腎臓など)から製造する場合、ヒトや哺乳動
物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽
出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組み合わせることにより精製単離することができる。
塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有
機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有
機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質また
はその塩は、上記したヒトや温血動物の細胞または組織
(特に腎臓など)から自体公知のタンパク質の精製方法
によって製造することもできるし、後に記載するタンパ
ク質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによっても製造することができる。また、後に記
載するペプチド合成法に準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞(特に腎臓など)から
製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモ
ジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆
相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー
などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精
製単離することができる。ヒトや哺乳動物の組織または
細胞(特に腎臓など)から製造する場合、ヒトや哺乳動
物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽
出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組み合わせることにより精製単離することができる。
【0016】本発明のタンパク質、部分ペプチド、もし
くはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質またはそれらのアミド体を取得する。上記した保
護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DC
C、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-
(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用
いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹
脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステ
ルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ
酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができ
る。
くはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質またはそれらのアミド体を取得する。上記した保
護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DC
C、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-
(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用
いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹
脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステ
ルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ
酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができ
る。
【0017】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0018】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
【0019】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0020】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0021】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、自
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによっ
て製造することができる。ペプチドの合成法としては、
例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良
い。すなわち、本発明の部分ペプチドを構成し得る部分
ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することによ
り目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合
方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に
記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによっ
て製造することができる。ペプチドの合成法としては、
例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良
い。すなわち、本発明の部分ペプチドを構成し得る部分
ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することによ
り目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合
方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に
記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0022】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、上記した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、上記した細胞・組織より
totalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用い
て直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain React
ion(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅す
ることもできる。本発明のタンパク質をコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配
列を有するDNAを含有するDNA、または配列番号:
3で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のタン
パク質と実質的に同質の活性(例、NKG2Dに対する
結合活性、免疫細胞の活性化作用など)を有するタンパ
ク質をコードするDNAなどであれば何れのものでもよ
い。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で、温度が約65℃の場合が好ましい。
しては、上記した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、上記した細胞・組織より
totalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用い
て直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain React
ion(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅す
ることもできる。本発明のタンパク質をコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配
列を有するDNAを含有するDNA、または配列番号:
3で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のタン
パク質と実質的に同質の活性(例、NKG2Dに対する
結合活性、免疫細胞の活性化作用など)を有するタンパ
ク質をコードするDNAなどであれば何れのものでもよ
い。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で、温度が約65℃の場合が好ましい。
【0023】より具体的には、配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
としては、配列番号:3で表わされる塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。
るアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
としては、配列番号:3で表わされる塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。
【0024】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、上記した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配列
を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または
配列番号:3で表わされる塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本
発明のタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパ
ク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA
などが用いられる。
としては、上記した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配列
を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または
配列番号:3で表わされる塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本
発明のタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパ
ク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA
などが用いられる。
【0025】本発明のタンパク質または部分ペプチド
(以下、これらタンパク質等をコードするDNAのクロ
ーニングおよび発現の説明においては、これらタンパク
質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合がある)
を完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、本発明のタンパク質の部分塩基配列を有する合成D
NAプライマーを用いて自体公知のPCR法によって増
幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを
本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする
DNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものと
のハイブリダイゼーションによって選別することができ
る。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J.
Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 19
89)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。DNA
の塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM-
G(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを
用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化されたタンパク質をコードするDN
Aは目的によりそのまま、または、所望により制限酵素
で消化したり、リンカーを付加したりして使用すること
ができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コ
ドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していて
もよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、
適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもで
きる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、例えば、
(イ)本発明のタンパク質をコードするDNAから目的
とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適
当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結するこ
とにより製造することができる。
(以下、これらタンパク質等をコードするDNAのクロ
ーニングおよび発現の説明においては、これらタンパク
質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合がある)
を完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、本発明のタンパク質の部分塩基配列を有する合成D
NAプライマーを用いて自体公知のPCR法によって増
幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを
本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする
DNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものと
のハイブリダイゼーションによって選別することができ
る。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J.
Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 19
89)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。DNA
の塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM-
G(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを
用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化されたタンパク質をコードするDN
Aは目的によりそのまま、または、所望により制限酵素
で消化したり、リンカーを付加したりして使用すること
ができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コ
ドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していて
もよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、
適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもで
きる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、例えば、
(イ)本発明のタンパク質をコードするDNAから目的
とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適
当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結するこ
とにより製造することができる。
【0026】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322、pBR325、pUC12、p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40初期プロモータ
ー、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモータ
ー、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。これ
らのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモータ
ー、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿
主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーター、T7プロモータ
ーなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1
プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモ
ーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモ
ーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、A
DHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞であ
る場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモー
ターなどが好ましい。
ド(例、pBR322、pBR325、pUC12、p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40初期プロモータ
ー、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモータ
ー、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。これ
らのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモータ
ー、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿
主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーター、T7プロモータ
ーなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1
プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモ
ーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモ
ーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、A
DHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞であ
る場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモー
ターなどが好ましい。
【0027】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、組換え体細胞をチミジンを
含まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、組換え体細胞をチミジンを
含まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
【0028】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22、A
H22R−、NA87−11A、DKD−5D、20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピヒア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22、A
H22R−、NA87−11A、DKD−5D、20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピヒア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0029】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7(以下、COS−7細胞と略記)、Vero,チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略
記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記)、マ
ウスL細胞、マウスAtT−20、マウスミエローマ細
胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。さ
らに、各種の正常ヒト細胞、例えば肝細胞、脾細胞、神
経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギ
ウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、
内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、
免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチ
ュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細
胞など)などを用いることも可能である。エシェリヒア
属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),69巻,2110(1972)やジーン(G
ene),17巻,107(1982)などに記載の方法に
従って行なうことができる。
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7(以下、COS−7細胞と略記)、Vero,チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略
記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記)、マ
ウスL細胞、マウスAtT−20、マウスミエローマ細
胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。さ
らに、各種の正常ヒト細胞、例えば肝細胞、脾細胞、神
経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギ
ウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、
内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、
免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチ
ュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細
胞など)などを用いることも可能である。エシェリヒア
属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),69巻,2110(1972)やジーン(G
ene),17巻,107(1982)などに記載の方法に
従って行なうことができる。
【0030】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。
【0031】動物細胞を形質転換するには、例えば、細
胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−
267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Vi
rology),52巻,456(1973)に記載の方法に従
って行なうことができる。このようにして、タンパク質
をコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換
された形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリ
ヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する
際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であ
り、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒
素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カル
シウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムな
どがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長
促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8
が望ましい。
胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−
267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Vi
rology),52巻,456(1973)に記載の方法に従
って行なうことができる。このようにして、タンパク質
をコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換
された形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリ
ヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する
際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であ
り、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒
素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カル
シウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムな
どがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長
促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8
が望ましい。
【0032】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。
【0033】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最少培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,53
30(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜
8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35
℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体
を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium
(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内または細胞
外に本発明のタンパク質を生成せしめることができる。
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最少培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,53
30(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜
8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35
℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体
を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium
(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内または細胞
外に本発明のタンパク質を生成せしめることができる。
【0034】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるい
は細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにし
て得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタン
パク質の精製は、自体公知の分離・精製法を適宜組み合
わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製
法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する
方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分
子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィ
ーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロ
マトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆
相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用
する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用す
る方法などが用いられる。
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるい
は細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにし
て得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタン
パク質の精製は、自体公知の分離・精製法を適宜組み合
わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製
法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する
方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分
子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィ
ーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロ
マトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆
相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用
する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用す
る方法などが用いられる。
【0035】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られ
た場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に
より、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精
製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去する
こともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。かくして生成する本発明のタンパク質またはその
塩の存在または活性は、標識したリガンドとの結合実験
および特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなど
により測定することができる。
られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られ
た場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に
より、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精
製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去する
こともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。かくして生成する本発明のタンパク質またはその
塩の存在または活性は、標識したリガンドとの結合実験
および特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなど
により測定することができる。
【0036】本発明のタンパク質もしくは部分ペプチド
またはその塩に対する抗体は、本発明のタンパク質もし
くは部分ペプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のタンパク質もしくは部分ペプチ
ドまたはその塩(以下、抗体の説明においては、これら
タンパク質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合
がある)に対する抗体は、本発明のタンパク質を抗原と
して用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。
またはその塩に対する抗体は、本発明のタンパク質もし
くは部分ペプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のタンパク質もしくは部分ペプチ
ドまたはその塩(以下、抗体の説明においては、これら
タンパク質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合
がある)に対する抗体は、本発明のタンパク質を抗原と
して用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。
【0037】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後に記載
する標識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗
体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なう
ことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラ
ーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、
495 (1975)〕に従い、実施することができる。融合促進
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PE
G)やセンダイウィルスなどがあげられるが、好ましく
はPEGが用いられる。
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後に記載
する標識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗
体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なう
ことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラ
ーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、
495 (1975)〕に従い、実施することができる。融合促進
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PE
G)やセンダイウィルスなどがあげられるが、好ましく
はPEGが用いられる。
【0038】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0039】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
【0040】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗
原(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー
蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体
の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物
から本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取し
て、抗体の分離精製を行なうことにより製造することが
できる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原
とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白
質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キ
ャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が
効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋
させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサ
イログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1
に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合で
カプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャ
リアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることが
できるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレ
イミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を
含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物
は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自
体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際
して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバ
ントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜1
0回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取することができる。抗血清中のポリクロー
ナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と
同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫
グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗
原(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー
蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体
の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物
から本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取し
て、抗体の分離精製を行なうことにより製造することが
できる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原
とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白
質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キ
ャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が
効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋
させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサ
イログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1
に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合で
カプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャ
リアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることが
できるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレ
イミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を
含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物
は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自
体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際
して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバ
ントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜1
0回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取することができる。抗血清中のポリクロー
ナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と
同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫
グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0041】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質等と
略記する場合がある)、および本発明のタンパク質もし
くは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本
発明の抗体と略記する場合がある)の用途を説明する。
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質等と
略記する場合がある)、および本発明のタンパク質もし
くは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本
発明の抗体と略記する場合がある)の用途を説明する。
【0042】(1)本発明のタンパク質等を含有する各
種疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質等は免疫細胞等で発現の見られる受
容体であるNKG2Dに対する結合活性を有している。
NKG2DはNK細胞を中心として一分のT細胞でも発
現しており、これらの細胞を活性化する受容体として知
られている。したがって、本発明のタンパク質用はNK
G2Dを介して免疫細胞を活性化する作用が期待でき
る。その用途として、様々な疾患に対して、免疫賦活作
用による治療や予防に使用することができる。すなわち
細菌や新菌、ウイルス感染疾患に対する治療および予防
剤の他、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、
大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、
黒色腫等)などの疾病の治療・予防剤などの疾病の治療
・予防剤などの医薬として使用できる。特に各種癌に対
しては、免疫賦活作用に基いて癌腫摘出後の再発予防お
よび根治のための医薬として有用である。本発明のタン
パク質等を上記の治療・予防剤として使用する場合は、
少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好まし
くは98%以上、さらに好ましくは99%以上に精製さ
れたものを使用するのが好ましい。
種疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質等は免疫細胞等で発現の見られる受
容体であるNKG2Dに対する結合活性を有している。
NKG2DはNK細胞を中心として一分のT細胞でも発
現しており、これらの細胞を活性化する受容体として知
られている。したがって、本発明のタンパク質用はNK
G2Dを介して免疫細胞を活性化する作用が期待でき
る。その用途として、様々な疾患に対して、免疫賦活作
用による治療や予防に使用することができる。すなわち
細菌や新菌、ウイルス感染疾患に対する治療および予防
剤の他、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、
大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、
黒色腫等)などの疾病の治療・予防剤などの疾病の治療
・予防剤などの医薬として使用できる。特に各種癌に対
しては、免疫賦活作用に基いて癌腫摘出後の再発予防お
よび根治のための医薬として有用である。本発明のタン
パク質等を上記の治療・予防剤として使用する場合は、
少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好まし
くは98%以上、さらに好ましくは99%以上に精製さ
れたものを使用するのが好ましい。
【0043】本発明のタンパク質等は、例えば、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、本発明のタンパク質等を生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、本発明のタンパク質等を生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。
【0044】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。
【0045】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対
して投与することができる。本発明のタンパク質等の投
与量は、対象疾患、投与対象などにより差異はあるが、
例えば、抗癌剤として本発明のタンパク質等を投与する
場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一
日につき該タンパク質等を約0.1mg〜100mg、
好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mg投与する。
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対
して投与することができる。本発明のタンパク質等の投
与量は、対象疾患、投与対象などにより差異はあるが、
例えば、抗癌剤として本発明のタンパク質等を投与する
場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一
日につき該タンパク質等を約0.1mg〜100mg、
好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mg投与する。
【0046】(2)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物またはその
塩、すなわち本発明のタンパク質のアンタゴニストは、
免疫細胞を抑制する作用が期待できる。その用途とし
て、自己免疫疾患や感染性の免疫過剰反応等の各種疾患
に対して、さらに臓器や組織の移植後に拒絶反応抑制の
ため、免疫抑制剤や抗炎症剤として使用することができ
る。また、本発明のタンパク質の活性を促進する化合物
またはその塩、すなわち本発明のタンパク質のアゴニス
トは、本発明のタンパク質同様、様々な疾患に対して、
免疫賦活作用による治療や予防に使用することができ
る。すなわち細菌や新菌、ウイルス感染疾患に対する治
療および予防剤の他、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜
腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽
腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病の治療・予防剤など
の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用できる。し
たがって、本発明のタンパク質等は、本発明のタンパク
質等によるNKG2Dに対する結合または免疫細胞の活
性化を促進または阻害する活性を有する化合物またはそ
の塩のスクリーニングのための試薬として有用である。
すなわち、本発明は、 1.本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩を用いることを特徴とする本発明のタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のNKG2D
に対する結合または免疫細胞の活性化を促進または阻害
する活性を有する化合物(「(2)疾病に対する医薬候
補化合物のスクリーニング」において促進剤または阻害
剤と略記する場合がある)のスクリーニング方法
(「(2)疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニン
グ」において本発明のスクリーニング方法と称すること
もある)、本発明のタンパク質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩を含有することを特徴とする阻害剤の
スクリーニング用キット(「(2)疾病に対する医薬候
補化合物のスクリーニング」において本発明のスクリー
ニング用キットと称することもある)を提供し、より具
体的には、例えば、 2.(i)本発明のタンパク質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩に基質を接触させた場合と(ii)本発
明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
に基質および試験化合物を接触させた場合との比較を行
なうことを特徴とする阻害剤のスクリーニング方法、
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩および基質を含有することを特徴とする阻害剤のス
クリーニング用キットを提供する。具体的には、上記ス
クリーニング方法、スクリーニング用キットにおいて
は、例えば、(i)と(ii)の場合における、本発明の
タンパク質等のNKG2Dに対する結合または免疫細胞
の活性化などを測定して、比較することを特徴とするも
のである。
リーニング 本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物またはその
塩、すなわち本発明のタンパク質のアンタゴニストは、
免疫細胞を抑制する作用が期待できる。その用途とし
て、自己免疫疾患や感染性の免疫過剰反応等の各種疾患
に対して、さらに臓器や組織の移植後に拒絶反応抑制の
ため、免疫抑制剤や抗炎症剤として使用することができ
る。また、本発明のタンパク質の活性を促進する化合物
またはその塩、すなわち本発明のタンパク質のアゴニス
トは、本発明のタンパク質同様、様々な疾患に対して、
免疫賦活作用による治療や予防に使用することができ
る。すなわち細菌や新菌、ウイルス感染疾患に対する治
療および予防剤の他、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜
腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽
腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病の治療・予防剤など
の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用できる。し
たがって、本発明のタンパク質等は、本発明のタンパク
質等によるNKG2Dに対する結合または免疫細胞の活
性化を促進または阻害する活性を有する化合物またはそ
の塩のスクリーニングのための試薬として有用である。
すなわち、本発明は、 1.本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩を用いることを特徴とする本発明のタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のNKG2D
に対する結合または免疫細胞の活性化を促進または阻害
する活性を有する化合物(「(2)疾病に対する医薬候
補化合物のスクリーニング」において促進剤または阻害
剤と略記する場合がある)のスクリーニング方法
(「(2)疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニン
グ」において本発明のスクリーニング方法と称すること
もある)、本発明のタンパク質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩を含有することを特徴とする阻害剤の
スクリーニング用キット(「(2)疾病に対する医薬候
補化合物のスクリーニング」において本発明のスクリー
ニング用キットと称することもある)を提供し、より具
体的には、例えば、 2.(i)本発明のタンパク質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩に基質を接触させた場合と(ii)本発
明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
に基質および試験化合物を接触させた場合との比較を行
なうことを特徴とする阻害剤のスクリーニング方法、
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩および基質を含有することを特徴とする阻害剤のス
クリーニング用キットを提供する。具体的には、上記ス
クリーニング方法、スクリーニング用キットにおいて
は、例えば、(i)と(ii)の場合における、本発明の
タンパク質等のNKG2Dに対する結合または免疫細胞
の活性化などを測定して、比較することを特徴とするも
のである。
【0047】本発明のタンパク質等のNKG2Dに対す
る結合および免疫細胞の活性化は、自体公知の方法ある
いはそれに準じる方法などに従って測定することができ
る。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。基質としては、本発明のタ
ンパク質等の基質となり得るものであれば何れのもので
もよい。
る結合および免疫細胞の活性化は、自体公知の方法ある
いはそれに準じる方法などに従って測定することができ
る。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。基質としては、本発明のタ
ンパク質等の基質となり得るものであれば何れのもので
もよい。
【0048】例えば、上記(ii)の場合におけるNKG
2Dに対する結合または免疫細胞の活性化を上記(i)
の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約30%以
上、より好ましくは約50%以上阻害する試験化合物
を、本発明のタンパク質等のNKG2Dに対する結合ま
たは免疫細胞の活性化をそれぞれ阻害する化合物として
選択することができる。また、上記(ii)の場合におけ
るNKG2Dに対する結合または免疫細胞の活性化を上
記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約
30%以上、より好ましくは約50%以上促進する試験
化合物を、本発明のタンパク質等のNKG2Dに対する
結合または免疫細胞の活性化をそれぞれ促進する化合物
として選択することができる。
2Dに対する結合または免疫細胞の活性化を上記(i)
の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約30%以
上、より好ましくは約50%以上阻害する試験化合物
を、本発明のタンパク質等のNKG2Dに対する結合ま
たは免疫細胞の活性化をそれぞれ阻害する化合物として
選択することができる。また、上記(ii)の場合におけ
るNKG2Dに対する結合または免疫細胞の活性化を上
記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約
30%以上、より好ましくは約50%以上促進する試験
化合物を、本発明のタンパク質等のNKG2Dに対する
結合または免疫細胞の活性化をそれぞれ促進する化合物
として選択することができる。
【0049】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を
含有するものである。本発明のスクリーニング用キット
の例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 1.測定用緩衝液 FBS(ウシ胎児血清)を含有するリン酸緩衝液 pH7.5のTris−HClバッファー(MgCl2、ED
TA含有) 2.タンパク質標品 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩とFcとの融合タンパク 3.KG2Dソース KG2D 発現 CHO-K1 細胞 4.標識化抗体 抗ヒト IgG (Fc)-FITCコンジュゲート 5.検出 フローサイトメーター 〔測定法〕KG2D 発現 CHO-K1 細胞に、上記タンパク質
標品および試験化合物を加え、抗ヒト IgG (Fc)-FITCコ
ンジュゲートで標識を行い、フローサイトメータでKG2D
との結合を測定する。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿な
どから選ばれた化合物であり、本発明のタンパク質等の
NKG2Dに対する結合を阻害する活性を有する化合物
である。該化合物の塩としては、上記した本発明のタン
パク質の塩と同様のものが用いられる。
明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を
含有するものである。本発明のスクリーニング用キット
の例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 1.測定用緩衝液 FBS(ウシ胎児血清)を含有するリン酸緩衝液 pH7.5のTris−HClバッファー(MgCl2、ED
TA含有) 2.タンパク質標品 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩とFcとの融合タンパク 3.KG2Dソース KG2D 発現 CHO-K1 細胞 4.標識化抗体 抗ヒト IgG (Fc)-FITCコンジュゲート 5.検出 フローサイトメーター 〔測定法〕KG2D 発現 CHO-K1 細胞に、上記タンパク質
標品および試験化合物を加え、抗ヒト IgG (Fc)-FITCコ
ンジュゲートで標識を行い、フローサイトメータでKG2D
との結合を測定する。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿な
どから選ばれた化合物であり、本発明のタンパク質等の
NKG2Dに対する結合を阻害する活性を有する化合物
である。該化合物の塩としては、上記した本発明のタン
パク質の塩と同様のものが用いられる。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上記の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、上記した本発明のタンパク質
等を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液
剤などとすることができる。このようにして得られる製
剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血
動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該化合物またはその塩の投与
量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、自己免疫疾患の治療目的
で本発明のタンパク質等の細胞増殖活性を阻害する活性
を有する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患の治療目的で本発明のタンパク質等の細胞増殖活
性を阻害する活性を有する化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化
合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。上記のスクリーニング方法を実施するに
は、本発明のタンパク質等を、スクリーニングに適した
バッファーに懸濁することにより本発明のタンパク質等
の標品を調製する。バッファーには、pH約4〜10
(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、ト
リス−塩酸バッファーなどの、本発明のタンパク質等と
試験化合物との反応を阻害しないバッファーであればい
ずれでもよい。
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上記の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、上記した本発明のタンパク質
等を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液
剤などとすることができる。このようにして得られる製
剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血
動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該化合物またはその塩の投与
量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、自己免疫疾患の治療目的
で本発明のタンパク質等の細胞増殖活性を阻害する活性
を有する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患の治療目的で本発明のタンパク質等の細胞増殖活
性を阻害する活性を有する化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化
合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。上記のスクリーニング方法を実施するに
は、本発明のタンパク質等を、スクリーニングに適した
バッファーに懸濁することにより本発明のタンパク質等
の標品を調製する。バッファーには、pH約4〜10
(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、ト
リス−塩酸バッファーなどの、本発明のタンパク質等と
試験化合物との反応を阻害しないバッファーであればい
ずれでもよい。
【0051】(3)本発明のタンパク質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質等に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質等を
特異的に認識することができるので、被検液中の本発明
のタンパク質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法に
よる定量などに使用することができる。すなわち、本発
明は、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化され
た本発明のタンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化された本発明のタンパク質等の割合を
測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク
質等の定量法、および(ii)被検液と担体上に不溶化し
た本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の
本発明のタンパク質等の定量法を提供する。上記(ii)
の定量法においては、一方の抗体が本発明のタンパク質
等のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のタ
ンパク質等のC端部に反応する抗体であることが望まし
い。
分ペプチドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質等に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質等を
特異的に認識することができるので、被検液中の本発明
のタンパク質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法に
よる定量などに使用することができる。すなわち、本発
明は、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化され
た本発明のタンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化された本発明のタンパク質等の割合を
測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク
質等の定量法、および(ii)被検液と担体上に不溶化し
た本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の
本発明のタンパク質等の定量法を提供する。上記(ii)
の定量法においては、一方の抗体が本発明のタンパク質
等のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のタ
ンパク質等のC端部に反応する抗体であることが望まし
い。
【0052】また、本発明のタンパク質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
称する場合がある)を用いて本発明のタンパク質等の定
量を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこと
もできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用い
てもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あ
るいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用い
る本発明のタンパク質等の定量法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパ
ク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合
体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを
既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線よ
り算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いても
よい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリ
ック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後に記載するサンドイッチ法を用い
るのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いら
れる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、
蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素
としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、
〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で
比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクト
シダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用
いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
称する場合がある)を用いて本発明のタンパク質等の定
量を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこと
もできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用い
てもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あ
るいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用い
る本発明のタンパク質等の定量法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパ
ク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合
体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを
既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線よ
り算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いても
よい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリ
ック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後に記載するサンドイッチ法を用い
るのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いら
れる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、
蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素
としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、
〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で
比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクト
シダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用
いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0053】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また、通常、タンパク質あるい
は酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合
を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デ
キストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あ
るいはガラス等があげられる。サンドイッチ法において
は不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反
応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモ
ノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中
の本発明のタンパク質量を定量することができる。1次
反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行
なってもよいし、時間をずらして行なってもよい。標識
化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じることが
できる。また、サンドイッチ法による免疫測定法におい
て、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は
必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させ
る等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質
等の測定法においては、1次反応と2次反応に用いられ
る本発明のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質
等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられ
る。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗
体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明の
タンパク質等のC端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を
認識する抗体が用いられる。
理吸着を用いてもよく、また、通常、タンパク質あるい
は酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合
を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デ
キストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あ
るいはガラス等があげられる。サンドイッチ法において
は不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反
応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモ
ノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中
の本発明のタンパク質量を定量することができる。1次
反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行
なってもよいし、時間をずらして行なってもよい。標識
化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じることが
できる。また、サンドイッチ法による免疫測定法におい
て、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は
必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させ
る等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質
等の測定法においては、1次反応と2次反応に用いられ
る本発明のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質
等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられ
る。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗
体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明の
タンパク質等のC端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を
認識する抗体が用いられる。
【0054】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、上記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、上記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0055】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。さらには、本発明の抗体を用いて本
発明のタンパク質等の濃度を定量することによって、本
発明のタンパク質等の濃度の減少が検出された場合、例
えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大
腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒
色腫等)などの疾病である、または将来罹患する可能性
が高いと診断することができる。また、本発明の抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタン
パク質等を検出するために使用することができる。ま
た、本発明のタンパク質等を精製するために使用する抗
体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク
質等の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質の
挙動の分析などのために使用することができる。
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。さらには、本発明の抗体を用いて本
発明のタンパク質等の濃度を定量することによって、本
発明のタンパク質等の濃度の減少が検出された場合、例
えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大
腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒
色腫等)などの疾病である、または将来罹患する可能性
が高いと診断することができる。また、本発明の抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタン
パク質等を検出するために使用することができる。ま
た、本発明のタンパク質等を精製するために使用する抗
体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク
質等の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質の
挙動の分析などのために使用することができる。
【0056】(4)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質等の活性を中和する作用を有する本
発明の抗体(中和抗体)は、例えば、自己免疫疾患や感
染性の免疫過剰反応等の各種疾患に対して、さらに臓器
や組織の移植後に拒絶反応抑制のため、免疫抑制剤や抗
炎症剤として使用することができる。以下、「(4)本
発明の抗体を含有する医薬」において、本発明の中和抗
体を本発明の抗体と称する場合がある。本発明の抗体を
含有する上記疾患の治療・予防剤は、そのまま液剤とし
て、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは
哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的
に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾
患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例え
ば、成人の自己免疫疾患患者の治療・予防のために使用
する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.
01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜1
0mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5m
g/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1
日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準
ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合に
は、その症状に応じて増量してもよい。本発明の抗体
は、それ自体または適当な医薬組成物として投与するこ
とができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記
またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤も
しくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経
口または非経口投与に適する剤形として提供される。す
なわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固
体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィル
ムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプ
セル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳
剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自体公知
の方法によって製造され、製剤分野において通常用いら
れる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものであ
る。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、で
んぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いら
れる。
発明の抗体(中和抗体)は、例えば、自己免疫疾患や感
染性の免疫過剰反応等の各種疾患に対して、さらに臓器
や組織の移植後に拒絶反応抑制のため、免疫抑制剤や抗
炎症剤として使用することができる。以下、「(4)本
発明の抗体を含有する医薬」において、本発明の中和抗
体を本発明の抗体と称する場合がある。本発明の抗体を
含有する上記疾患の治療・予防剤は、そのまま液剤とし
て、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは
哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的
に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾
患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例え
ば、成人の自己免疫疾患患者の治療・予防のために使用
する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.
01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜1
0mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5m
g/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1
日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準
ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合に
は、その症状に応じて増量してもよい。本発明の抗体
は、それ自体または適当な医薬組成物として投与するこ
とができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記
またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤も
しくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経
口または非経口投与に適する剤形として提供される。す
なわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固
体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィル
ムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプ
セル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳
剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自体公知
の方法によって製造され、製剤分野において通常用いら
れる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものであ
る。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、で
んぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いら
れる。
【0057】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお、上記した各組成物は、上記抗体との配合により好
ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有
してもよい。
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお、上記した各組成物は、上記抗体との配合により好
ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有
してもよい。
【0058】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸
【0059】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0060】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル MBzl :メトキシベンジル MeBzl :4−メチルベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル OBzl :ベンジルエステル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF :N、N−ジメチルホルムアミド TEA :トリエチルアミン WSCD :1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル) −カルボジイミド EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル MBzl :メトキシベンジル MeBzl :4−メチルベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル OBzl :ベンジルエステル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF :N、N−ジメチルホルムアミド TEA :トリエチルアミン WSCD :1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル) −カルボジイミド EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0061】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 配列番号:1 実施例1で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:2 実施例1で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:3 配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有する本発明
のヒト由来タンパク質をコードするDNAの塩基配列を
示す。 配列番号:4 本発明のヒト由来タンパク質(CSP2タンパク質)の
アミノ酸配列を示す。 配列番号:5 実施例2で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:6 実施例2で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:7 FLAG 配列を示す。 配列番号:8 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:9 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:10 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:11 実施例7で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:12 実施例7で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。
配列を示す。 配列番号:1 実施例1で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:2 実施例1で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:3 配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有する本発明
のヒト由来タンパク質をコードするDNAの塩基配列を
示す。 配列番号:4 本発明のヒト由来タンパク質(CSP2タンパク質)の
アミノ酸配列を示す。 配列番号:5 実施例2で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:6 実施例2で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:7 FLAG 配列を示す。 配列番号:8 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:9 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:10 実施例6で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:11 実施例7で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。 配列番号:12 実施例7で用いられたプライマー(合成)DNAの塩基
配列を示す。
【0062】以下の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109/pC
R2.1−CSP2は、平成12年3月16日から茨城
県つくば市東1−1−1 中央第6の独立行政法人産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD)に
寄託番号FERM BP−7091として、平成12年
2月16日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−
85の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16363として寄託されている。
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109/pC
R2.1−CSP2は、平成12年3月16日から茨城
県つくば市東1−1−1 中央第6の独立行政法人産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD)に
寄託番号FERM BP−7091として、平成12年
2月16日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−
85の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16363として寄託されている。
【0063】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)に記載され
ている方法に従った。 実施例1 CSP2cDNAのクローニング ヒト腎臓cDNA(Marathon-ReadyTM cDNA;Clontech
社)を鋳型とし、2個のプライマー、プライマー1(配
列番号:1)およびプライマー2(配列番号:2)を用
いてPCRを行なった。PCR反応には Advantage 2 P
olymerase Mixture( Clontech 社)を用い、95
℃、1分の後、95℃、30秒、62℃、30秒、6
8℃、2分を30回の後、68℃、5分の伸長反応を
行なった。反応後、反応産物をTAクローニングキット
(Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクター
pCR2.1( Invitrogen 社)へクローニングした。
個々のクローンの配列を解析した結果、新規分泌タンパ
クをコードするcDNA配列(配列番号:3)を得た。
このcDNAより導き出されるアミノ酸配列配列番号:
4)をCSP2と命名した。配列番号:3で表わされる
cDNAを含有する形質転換体をエシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)JM109/pCR2.1−CS
P2と命名した。
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)に記載され
ている方法に従った。 実施例1 CSP2cDNAのクローニング ヒト腎臓cDNA(Marathon-ReadyTM cDNA;Clontech
社)を鋳型とし、2個のプライマー、プライマー1(配
列番号:1)およびプライマー2(配列番号:2)を用
いてPCRを行なった。PCR反応には Advantage 2 P
olymerase Mixture( Clontech 社)を用い、95
℃、1分の後、95℃、30秒、62℃、30秒、6
8℃、2分を30回の後、68℃、5分の伸長反応を
行なった。反応後、反応産物をTAクローニングキット
(Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクター
pCR2.1( Invitrogen 社)へクローニングした。
個々のクローンの配列を解析した結果、新規分泌タンパ
クをコードするcDNA配列(配列番号:3)を得た。
このcDNAより導き出されるアミノ酸配列配列番号:
4)をCSP2と命名した。配列番号:3で表わされる
cDNAを含有する形質転換体をエシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)JM109/pCR2.1−CS
P2と命名した。
【0064】実施例2 CSP2の動物細胞での発現ベクターの構築 CSP2を動物細胞中で発現させるための発現ベクター
は、CSP2をコードするオープンリーディングフレー
ム(ORF)を含むDNA断片を、動物細胞用発現ベク
ター pCAN618FLAG に挿入することによって得た。pCAN6
18FLAG はプラスミドベクター pCAN618(国際出願;P
CT JP00/05685号)に由来し、Sal I 部位
直後に存在する8アミノ酸の FLAG 配列(配列番号:
7;Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)をコードする
塩基配列と終止コドンにORFを合わせることで、該目
的タンパクを FLAG 融合タンパクとして発現させること
が可能である。まずCSP2タンパクをコードしている
cDNA を鋳型にして、翻訳開始コドンの直前に制限酵素
Mfe I 認識部位がくるように設計した合成 DNA(配列
番号:5)と、CSP2タンパクの 222 番目のアミノ
酸の後に制限酵素 SalI 認識部位がくるように設計した
合成 DNA(配列番号:6)を用いてPCRを行なった。
PCR反応には Advantage 2 Polymerase Mixture( Cl
ontech 社)を用い、 94℃ 1 分の後、 98℃ 10
秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を 30 回の後、 72℃
10 分の伸長反応を行なってCSP2のORFを含むD
NA断片を得た。このDNA断片を TA Cloning Kit(
Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクター pV
R2.1-TOPO( Invitrogen 社)へクローニングした。得
られたプラスミドを制限酵素 Mfe I 及び Sal I で切断
して挿入断片を回収し、pCAN618FLAG の Eco RI/Sal I
部位に挿入してヒトCSP2タンパクの動物細胞での
発現ベクター pCAN618/CSP2-FLAG を得た。
は、CSP2をコードするオープンリーディングフレー
ム(ORF)を含むDNA断片を、動物細胞用発現ベク
ター pCAN618FLAG に挿入することによって得た。pCAN6
18FLAG はプラスミドベクター pCAN618(国際出願;P
CT JP00/05685号)に由来し、Sal I 部位
直後に存在する8アミノ酸の FLAG 配列(配列番号:
7;Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)をコードする
塩基配列と終止コドンにORFを合わせることで、該目
的タンパクを FLAG 融合タンパクとして発現させること
が可能である。まずCSP2タンパクをコードしている
cDNA を鋳型にして、翻訳開始コドンの直前に制限酵素
Mfe I 認識部位がくるように設計した合成 DNA(配列
番号:5)と、CSP2タンパクの 222 番目のアミノ
酸の後に制限酵素 SalI 認識部位がくるように設計した
合成 DNA(配列番号:6)を用いてPCRを行なった。
PCR反応には Advantage 2 Polymerase Mixture( Cl
ontech 社)を用い、 94℃ 1 分の後、 98℃ 10
秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を 30 回の後、 72℃
10 分の伸長反応を行なってCSP2のORFを含むD
NA断片を得た。このDNA断片を TA Cloning Kit(
Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクター pV
R2.1-TOPO( Invitrogen 社)へクローニングした。得
られたプラスミドを制限酵素 Mfe I 及び Sal I で切断
して挿入断片を回収し、pCAN618FLAG の Eco RI/Sal I
部位に挿入してヒトCSP2タンパクの動物細胞での
発現ベクター pCAN618/CSP2-FLAG を得た。
【0065】実施例3 CSP2のCOS−7細胞での
発現 COS−7細胞 2×106 を、10% の FBS(ウシ胎児血
清)を含む DMEM(培地; GibcoBRL )中、10 cm シャ
ーレで 24 時間培養した。これに、実施例2で得た発現
ベクター pCAN618/CSP2-FLAG または対照ベクターpCAN
618を、LipofectAMINE( GibcoBRL )を用いて細胞に導
入し、さらに 18 時間培養した。次に培地を 0.05% CH
APS を含む Opti-MEM(培地;GibcoBRL )に換えてさら
に 24 時間培養し、培養上清を回収した。遠心によって
浮いている細胞を除いた後、上清1μlに2-メルカプト
エタノールを含む同量の SDS-Sample Buffer を加えて
16%Peptide-PAGE( TEFCO )で電気泳動し、これを PVD
F 膜( Amersham )に電気的に移した。一次抗体として
抗 FLAG 抗体(マウス IgG;Sigma )を用い、二次抗体
にはHRP(Horseraddish peroxidase;西洋ワサビペルオ
キシダーゼ)標識抗マウス IgG 抗体( Amersham )を
用いた。発色は、ECLplus ウエスタンブロット検出シス
テム(Western Blot Detection System)( Amersham
)を用いて5分間露光して行なった。結果は図1に示
す。図1中、レーン2は発現ベクター(pCAN618/CSP2-
FLAG)であり、レーン1は対照プラスミド(pCAN618)
である。図1から明らかなように、抗 FLAG 抗体で認識
される産物を培養上清中に確認した。
発現 COS−7細胞 2×106 を、10% の FBS(ウシ胎児血
清)を含む DMEM(培地; GibcoBRL )中、10 cm シャ
ーレで 24 時間培養した。これに、実施例2で得た発現
ベクター pCAN618/CSP2-FLAG または対照ベクターpCAN
618を、LipofectAMINE( GibcoBRL )を用いて細胞に導
入し、さらに 18 時間培養した。次に培地を 0.05% CH
APS を含む Opti-MEM(培地;GibcoBRL )に換えてさら
に 24 時間培養し、培養上清を回収した。遠心によって
浮いている細胞を除いた後、上清1μlに2-メルカプト
エタノールを含む同量の SDS-Sample Buffer を加えて
16%Peptide-PAGE( TEFCO )で電気泳動し、これを PVD
F 膜( Amersham )に電気的に移した。一次抗体として
抗 FLAG 抗体(マウス IgG;Sigma )を用い、二次抗体
にはHRP(Horseraddish peroxidase;西洋ワサビペルオ
キシダーゼ)標識抗マウス IgG 抗体( Amersham )を
用いた。発色は、ECLplus ウエスタンブロット検出シス
テム(Western Blot Detection System)( Amersham
)を用いて5分間露光して行なった。結果は図1に示
す。図1中、レーン2は発現ベクター(pCAN618/CSP2-
FLAG)であり、レーン1は対照プラスミド(pCAN618)
である。図1から明らかなように、抗 FLAG 抗体で認識
される産物を培養上清中に確認した。
【0066】実施例4 CSP2 タンパクの COS7 細胞培
養上清からの精製 実施例3において CSP2 タンパクが COS7 細胞培養上清
中に分泌されることが確認されたので、CSP2-FLAG タン
パクを COS7 細胞培養上清中から精製した。実施例2で
得た発現ベクターを実施例3の方法に従って 10 cm シ
ャーレ 30 枚のCOS7 細胞に導入し、培養上清を回収し
た。回収した培養上清は遠心によって細胞等を除いた
後、anti-FLAG M2-agarose affinity gel( SIGMA 社)
に吸着させ、FLAG peptide(配列番号:7;Asp-Tyr-Ly
s-Asp-Asp- Asp-Asp-Lys )で目的タンパクを溶出し
た。この溶出液を TBS 緩衝液( pH 7.2 )に対して透
析し、Centricon-10( Amicon 社)を用いて 500μl に
まで濃縮し、精製標品を得た。これを SDS-PAGE にかけ
て銀染色を行なったところ、約 40 kDa の位置にブロー
ドなバンドが検出された。またこれを Micro BCA Prote
in Assay Kit( Piercr社)を用いてタンパク定量した
ところ、15μg のタンパクが得られた。
養上清からの精製 実施例3において CSP2 タンパクが COS7 細胞培養上清
中に分泌されることが確認されたので、CSP2-FLAG タン
パクを COS7 細胞培養上清中から精製した。実施例2で
得た発現ベクターを実施例3の方法に従って 10 cm シ
ャーレ 30 枚のCOS7 細胞に導入し、培養上清を回収し
た。回収した培養上清は遠心によって細胞等を除いた
後、anti-FLAG M2-agarose affinity gel( SIGMA 社)
に吸着させ、FLAG peptide(配列番号:7;Asp-Tyr-Ly
s-Asp-Asp- Asp-Asp-Lys )で目的タンパクを溶出し
た。この溶出液を TBS 緩衝液( pH 7.2 )に対して透
析し、Centricon-10( Amicon 社)を用いて 500μl に
まで濃縮し、精製標品を得た。これを SDS-PAGE にかけ
て銀染色を行なったところ、約 40 kDa の位置にブロー
ドなバンドが検出された。またこれを Micro BCA Prote
in Assay Kit( Piercr社)を用いてタンパク定量した
ところ、15μg のタンパクが得られた。
【0067】実施例5 精製 CSP2-FLAG タンパクの N
末端アミノ酸配列の決定 実施例4で得られた精製標品のうち、20μlについて
0.1% TFAで希釈した後、PVDF膜に吸着して
低分子夾雑物を除去した。これをプロテインシーケンサ
ー Procice 491 cLC (Applied Biosystems社)を用い
てPL-Prosorbサイクルで分析した。その結果、主要産物
としてN末端から順に、1.ヒスチジン(0.92pm
ol)、2.セリン(1.00pmol)、3.ロイシ
ン(1.87pmol)の各アミノ酸残基が得られた
他、2番目の成分としてN末端から順に1.グリシン
(0.70pmol)、2.ヒスチジン(0.43pm
ol)、3.セリン(0.64pmol)、4.ロイシ
ン(1.11pmol)の各アミノ酸残基が検出され
た。このことからCSP2タンパクはその前駆タンパク
のN末端の30アミノ酸もしくは29アミノ酸残基のシ
グナル配列が切断され、31残基目のヒスチジン残基ま
たは30残基目のグリシン残基から始まるCSP2成熟
タンパクとして培地中に分泌されることが分った。
末端アミノ酸配列の決定 実施例4で得られた精製標品のうち、20μlについて
0.1% TFAで希釈した後、PVDF膜に吸着して
低分子夾雑物を除去した。これをプロテインシーケンサ
ー Procice 491 cLC (Applied Biosystems社)を用い
てPL-Prosorbサイクルで分析した。その結果、主要産物
としてN末端から順に、1.ヒスチジン(0.92pm
ol)、2.セリン(1.00pmol)、3.ロイシ
ン(1.87pmol)の各アミノ酸残基が得られた
他、2番目の成分としてN末端から順に1.グリシン
(0.70pmol)、2.ヒスチジン(0.43pm
ol)、3.セリン(0.64pmol)、4.ロイシ
ン(1.11pmol)の各アミノ酸残基が検出され
た。このことからCSP2タンパクはその前駆タンパク
のN末端の30アミノ酸もしくは29アミノ酸残基のシ
グナル配列が切断され、31残基目のヒスチジン残基ま
たは30残基目のグリシン残基から始まるCSP2成熟
タンパクとして培地中に分泌されることが分った。
【0068】実施例6 CSP2 タンパクのヒト IgG Fc
領域との融合タンパクの発現 CSP2 をヒト IgG Fc 領域との融合タンパクとして発現
させるための発現ベクターの構築は、以下の手順で行な
った。まずヒト脾臓 IgG Fc cDNA( Clontech社)を鋳
型として、制限酵素 Xho I または Not I 部位をアンカ
ーとして持つ合成 DNA(配列番号:8及び9)を用いて
PCR を行なった。PCR 反応には Advantage 2 Polymera
se Mixture( Clontech 社)を用い、 94℃ 1 分の
後、 96℃ 10 秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を 35
回の後、 72℃ 10 分の伸長反応を行なってヒト IgG
Fc 領域をコードする DNA 断片を得た。この DNA 断片
を TA Cloning Kit(Invitrogen 社)の処方に従い、プ
ラスミドベクターpCR2.1-TOPO( Invitrogen 社)へク
ローニングした。得られたプラスミドを制限酵素 XhoI
及び Not I で切断して挿入断片を回収し、pCAN618 の
Xho I/Not I 部位に挿入して pCAN618Fc を得た。
次に CSP2 タンパクをコードしている cDNA を鋳型にし
て、先の合成 DNA(配列番号:5)と、CSP2 タンパク
の 221 番目のアミノ酸の後に制限酵素 Xho I 認識部位
がくるように設計した合成 DNA(配列番号:10)を用
いて PCR を行なった。PCR 反応には Advantage 2 Poly
merase Mixture( Clontech 社)を用い、 94℃ 1
分の後、 98℃ 10 秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を
25 回の後、 72℃ 10 分の伸長反応を行なってCSP2
のORF を含む DNA 断片を得た。この DNA 断片を制限酵
素 Mfe I 及び Xho I で切断して回収し、pCAN618Fc
の Eco RI/Xho I 部位に挿入してヒト CSP2 タンパク
の動物細胞での発現ベクター pCAN618/CSP2-Fc を得
た。得られた発現ベクター pCAN618/CSP2-Fc は、実施
例4と同様の方法で 10 cmシャーレ 2 枚分の COS7 細
胞に導入して培養上清を回収した。回収した培養上清は
遠心によって細胞等を除いた後、Centricon-10( Amico
n 社)を用いて 100倍に濃縮した。タンパク発現の確認
は、実施例3と同様の方法で、電気泳動し、これをPVDF
膜に移し、発色させて行なった(結果は図示せず)。
領域との融合タンパクの発現 CSP2 をヒト IgG Fc 領域との融合タンパクとして発現
させるための発現ベクターの構築は、以下の手順で行な
った。まずヒト脾臓 IgG Fc cDNA( Clontech社)を鋳
型として、制限酵素 Xho I または Not I 部位をアンカ
ーとして持つ合成 DNA(配列番号:8及び9)を用いて
PCR を行なった。PCR 反応には Advantage 2 Polymera
se Mixture( Clontech 社)を用い、 94℃ 1 分の
後、 96℃ 10 秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を 35
回の後、 72℃ 10 分の伸長反応を行なってヒト IgG
Fc 領域をコードする DNA 断片を得た。この DNA 断片
を TA Cloning Kit(Invitrogen 社)の処方に従い、プ
ラスミドベクターpCR2.1-TOPO( Invitrogen 社)へク
ローニングした。得られたプラスミドを制限酵素 XhoI
及び Not I で切断して挿入断片を回収し、pCAN618 の
Xho I/Not I 部位に挿入して pCAN618Fc を得た。
次に CSP2 タンパクをコードしている cDNA を鋳型にし
て、先の合成 DNA(配列番号:5)と、CSP2 タンパク
の 221 番目のアミノ酸の後に制限酵素 Xho I 認識部位
がくるように設計した合成 DNA(配列番号:10)を用
いて PCR を行なった。PCR 反応には Advantage 2 Poly
merase Mixture( Clontech 社)を用い、 94℃ 1
分の後、 98℃ 10 秒、60℃ 30 秒、72℃ 1 分を
25 回の後、 72℃ 10 分の伸長反応を行なってCSP2
のORF を含む DNA 断片を得た。この DNA 断片を制限酵
素 Mfe I 及び Xho I で切断して回収し、pCAN618Fc
の Eco RI/Xho I 部位に挿入してヒト CSP2 タンパク
の動物細胞での発現ベクター pCAN618/CSP2-Fc を得
た。得られた発現ベクター pCAN618/CSP2-Fc は、実施
例4と同様の方法で 10 cmシャーレ 2 枚分の COS7 細
胞に導入して培養上清を回収した。回収した培養上清は
遠心によって細胞等を除いた後、Centricon-10( Amico
n 社)を用いて 100倍に濃縮した。タンパク発現の確認
は、実施例3と同様の方法で、電気泳動し、これをPVDF
膜に移し、発色させて行なった(結果は図示せず)。
【0069】実施例7 ヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞
株の樹立 ヒト NKG2D を発現させるための発現ベクターは以下の
方法で構築した。まずヒト脾臓 NKG2D cDNA( Clontech
社)を鋳型として、制限酵素 Eco RI またはNot I 部
位をアンカーとして持つ合成 DNA(配列番号:11及び
12)を用いてPCR を行なった。PCR 反応には Advanta
ge 2 Polymerase Mixture( Clontech社)を用い、 9
5℃ 1 分の後、 95℃ 20 秒、72℃ 4 分を 5 回、
95℃20 秒、68℃ 4 分を 5 回、95℃ 20 秒、64
℃ 20 秒、68℃ 4 分を 30回の後、 68℃ 3 分の
伸長反応を行なってヒト NKG2D をコードする DNA 断片
を得た。この DNA 断片を TA Cloning Kit(Invitrogen
社)の処方に従い、プラスミドベクターpCR2.1-TOPO
( Invitrogen 社)へクローニングした。得られたプラ
スミドを制限酵素 Eco RI 及び Not I で切断して挿入
断片を回収し、pCAN618 の Eco RI/Not I 部位に挿
入して pCAN618/hNKG2D を得た。得られた発現ベクタ
ー pCAN618/hNKG2D は、LipofectAMINE( GibcoBRL )
を用いて CHO-K1 細胞に導入した。導入後 0.5 mg/ml
の Geneticin(和光純薬)で発現ベクターの導入された
細胞を選択し、ヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞株 CHO-K1
/hNKG2D-11 を得た。
株の樹立 ヒト NKG2D を発現させるための発現ベクターは以下の
方法で構築した。まずヒト脾臓 NKG2D cDNA( Clontech
社)を鋳型として、制限酵素 Eco RI またはNot I 部
位をアンカーとして持つ合成 DNA(配列番号:11及び
12)を用いてPCR を行なった。PCR 反応には Advanta
ge 2 Polymerase Mixture( Clontech社)を用い、 9
5℃ 1 分の後、 95℃ 20 秒、72℃ 4 分を 5 回、
95℃20 秒、68℃ 4 分を 5 回、95℃ 20 秒、64
℃ 20 秒、68℃ 4 分を 30回の後、 68℃ 3 分の
伸長反応を行なってヒト NKG2D をコードする DNA 断片
を得た。この DNA 断片を TA Cloning Kit(Invitrogen
社)の処方に従い、プラスミドベクターpCR2.1-TOPO
( Invitrogen 社)へクローニングした。得られたプラ
スミドを制限酵素 Eco RI 及び Not I で切断して挿入
断片を回収し、pCAN618 の Eco RI/Not I 部位に挿
入して pCAN618/hNKG2D を得た。得られた発現ベクタ
ー pCAN618/hNKG2D は、LipofectAMINE( GibcoBRL )
を用いて CHO-K1 細胞に導入した。導入後 0.5 mg/ml
の Geneticin(和光純薬)で発現ベクターの導入された
細胞を選択し、ヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞株 CHO-K1
/hNKG2D-11 を得た。
【0070】実施例8 CSP2-Fc タンパクのヒト NKG2D
発現 CHO-K1 細胞への結合 実施例7で得たヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞株 CHO-K1
/hNKG2D-11 を、 PBS/1% FBS で 2 回洗浄後、実施例
6で得た CSP2-Fc 発現 COS7 細胞の培養上清濃縮物 10
μl を含む 50μl の PBS/1% FBS に懸濁した。これを
0℃ 60 分反応させて結合させた後、200μl の PBS/
1% FBS で 2 回洗浄後、1μl の anti-human IgG (Fc)-
FITC conjugate( Caltag 社)を含む 50μl の PBS/1
% FBSに懸濁した。これを 0℃ 60 分反応させて標識し
た後、200μl の PBS/1% FBSで 2 回洗浄後、 600μl
の PBS/1% FBS に再懸濁した。これを フローサイトメ
ーター FACSVantage( Becton Dickinson 社)を用い
て解析したところ、FITC 蛍光強度の強い細胞が認めら
れ、CHO-K1 細胞表面に発現したヒト NKG2D に対して C
SP2-Fc タンパクの明らかな結合が観察された(図2の
A)。また、同様にして、CHO-K1 細胞(コントロー
ル)に対する、実施例6で得られた CSP2-Fc 発現 COS7
細胞の培養上清濃縮物の結合(図2のB)、ならびに
上記CHO-K1/hNKG2D-11に対する、実施例6と同様の方
法でMock プラスミドを導入して得られた Mock プラス
ミド導入 COS7 細胞の培養上清濃縮物の結合を調べた
(図2のC)。なお、細胞に結合した CSP2-Fc は、FIT
C 標識した anti-human IgG (Fc) 抗血清で染色した
後、FACS を用いて検出した。ヒト NKG2D 発現 CHO-K1
細胞に対しては、 CSP2-Fc 発現 COS7 細胞の培養上清
濃縮物を加えた時に(図2のA)、 Mock プラスミド導
入 COS7 細胞の培養上清濃縮物(図2のB)に比べて
明らかに蛍光強度の増強が観察された。また NKG2D を
発現していないコントロールの CHO-K1 細胞に対しては
CSP2-Fc による蛍光強度の増強は見られなかった(図
2のC)。これらA〜Cの図を重ねたのが図2のDであ
る。これらのことから、CSP2-Fc が CHO-K1 の細胞表面
に発現した NKG2D に結合することが示され、NKG2D が
CSP2 タンパクの特異的な受容体であることが分った。
発現 CHO-K1 細胞への結合 実施例7で得たヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞株 CHO-K1
/hNKG2D-11 を、 PBS/1% FBS で 2 回洗浄後、実施例
6で得た CSP2-Fc 発現 COS7 細胞の培養上清濃縮物 10
μl を含む 50μl の PBS/1% FBS に懸濁した。これを
0℃ 60 分反応させて結合させた後、200μl の PBS/
1% FBS で 2 回洗浄後、1μl の anti-human IgG (Fc)-
FITC conjugate( Caltag 社)を含む 50μl の PBS/1
% FBSに懸濁した。これを 0℃ 60 分反応させて標識し
た後、200μl の PBS/1% FBSで 2 回洗浄後、 600μl
の PBS/1% FBS に再懸濁した。これを フローサイトメ
ーター FACSVantage( Becton Dickinson 社)を用い
て解析したところ、FITC 蛍光強度の強い細胞が認めら
れ、CHO-K1 細胞表面に発現したヒト NKG2D に対して C
SP2-Fc タンパクの明らかな結合が観察された(図2の
A)。また、同様にして、CHO-K1 細胞(コントロー
ル)に対する、実施例6で得られた CSP2-Fc 発現 COS7
細胞の培養上清濃縮物の結合(図2のB)、ならびに
上記CHO-K1/hNKG2D-11に対する、実施例6と同様の方
法でMock プラスミドを導入して得られた Mock プラス
ミド導入 COS7 細胞の培養上清濃縮物の結合を調べた
(図2のC)。なお、細胞に結合した CSP2-Fc は、FIT
C 標識した anti-human IgG (Fc) 抗血清で染色した
後、FACS を用いて検出した。ヒト NKG2D 発現 CHO-K1
細胞に対しては、 CSP2-Fc 発現 COS7 細胞の培養上清
濃縮物を加えた時に(図2のA)、 Mock プラスミド導
入 COS7 細胞の培養上清濃縮物(図2のB)に比べて
明らかに蛍光強度の増強が観察された。また NKG2D を
発現していないコントロールの CHO-K1 細胞に対しては
CSP2-Fc による蛍光強度の増強は見られなかった(図
2のC)。これらA〜Cの図を重ねたのが図2のDであ
る。これらのことから、CSP2-Fc が CHO-K1 の細胞表面
に発現した NKG2D に結合することが示され、NKG2D が
CSP2 タンパクの特異的な受容体であることが分った。
【0071】
【発明の効果】本発明のタンパク質等は、例えば、NK
G2Dに対する結合活性、免疫細胞の活性化作用などを
有するため、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳
癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)の予防・治療剤。また、本発明のタンパ
ク質は、本発明のタンパク質の活性を促進もしくは阻害
する化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬
として有用であり、スクリーニングによって得られる阻
害剤は免疫抑制剤や抗炎症剤として期待される。さら
に、本発明のタンパク質に対する抗体は、本発明のタン
パク質を特異的に認識することができるので、被検液中
の本発明のタンパク質の定量などに使用することがで
き、上記各種癌の診断剤として利用することができる。
また、本発明のタンパク質に対するヒト化抗体は、免疫
抑制剤や抗炎症剤として用いることができる。
G2Dに対する結合活性、免疫細胞の活性化作用などを
有するため、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳
癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)の予防・治療剤。また、本発明のタンパ
ク質は、本発明のタンパク質の活性を促進もしくは阻害
する化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬
として有用であり、スクリーニングによって得られる阻
害剤は免疫抑制剤や抗炎症剤として期待される。さら
に、本発明のタンパク質に対する抗体は、本発明のタン
パク質を特異的に認識することができるので、被検液中
の本発明のタンパク質の定量などに使用することがで
き、上記各種癌の診断剤として利用することができる。
また、本発明のタンパク質に対するヒト化抗体は、免疫
抑制剤や抗炎症剤として用いることができる。
【0072】
配列番号:1 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:2 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:5 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:6 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:7 FLAG sequence of pCAN618FLAG 配列番号:8 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding IgG Fc 配列番号:9 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding IgG Fc 配列番号:10 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:11 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding NKG2D 配列番号:12 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding NKG2D
oding CSP2 配列番号:2 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:5 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:6 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:7 FLAG sequence of pCAN618FLAG 配列番号:8 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding IgG Fc 配列番号:9 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding IgG Fc 配列番号:10 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding CSP2 配列番号:11 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding NKG2D 配列番号:12 Designed oligonucleotide primer to amplify DNA enc
oding NKG2D
【0073】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Protein and Its Use <130> 177120 <150> JP 2000-127547 <150> 2000-04-27 <150> JP 2001-64862 <150> 2001-03-08 <160> 12 <210> 1 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding CSP2 <400> 1 ctcgagacgc ccagcttcct gcctgttact 30 <210> 2 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding CSP2 <400> 2 CTCGAGGTGG GAGCCAAGGC TGTCAGCGAT 30 <210> 3 <211> 765 <212> DNA <213> Human <400> 3 atgcgaagaa tatccctgac ttctagccct gtgcgccttc ttttgtttct gctgttgcta 60 ctaatagcct tggagatcat ggttggtggt cactctcttt gcttcaactt cactataaaa 120 tcattgtcca gacctggaca gccctggtgt gaagcgcagg tcttcttgaa taaaaatctt 180 ttccttcagt acaacagtga caacaacatg gtcaaacctc tgggcctcct ggggaagaag 240 gtaaatgcca ccagcacttg gggagaattg acccaaacgc tgggagaagt ggggcgagac 300 ctcaggatgc tcctttgtga catcaaaccc cagataaaga ccagtgatcc ttccactctg 360 caagtcgaga tgttttgtca acgtgaagca gaacggtgca ctggtgcatc ctggcagttc 420 gccatcaatg gagagaaatc cctcctcttt gacgcaatga acatgacctg gacagtaatt 480 aatcatgaag ccagtaagat caaggagaca tggaagaaag acagagggct ggaaaagtat 540 ttcaggaagc tctcaaaggg agactgcgat cactggctca gggaattctt agggcactgg 600 gaggcaatgc cagaaccgac agtgtcacca gtaaatgctt cagatatcca ctggtcttct 660 tctagtctac cagatagatg gatcatcctg ggggcattca tcctgttact tttaatggga 720 attgttctca tctgtgtctg gtggcaaaat ggcagaagat ccacc 765 <210> 4 <211> 255 <212> PRT <213> Human <400> 4 Met Arg Arg Ile Ser Leu Thr Ser Ser Pro Val Arg Leu Leu Leu Phe 5 10 15 Leu Leu Leu Leu Leu Ile Ala Leu Glu Ile Met Val Gly Gly His Ser 20 25 30 Leu Cys Phe Asn Phe Thr Ile Lys Ser Leu Ser Arg Pro Gly Gln Pro 35 40 45 Trp Cys Glu Ala Gln Val Phe Leu Asn Lys Asn Leu Phe Leu Gln Tyr 50 55 60 Asn Ser Asp Asn Asn Met Val Lys Pro Leu Gly Leu Leu Gly Lys Lys 65 70 75 80 Val Asn Ala Thr Ser Thr Trp Gly Glu Leu Thr Gln Thr Leu Gly Glu 85 90 95 Val Gly Arg Asp Leu Arg Met Leu Leu Cys Asp Ile Lys Pro Gln Ile 100 105 110 Lys Thr Ser Asp Pro Ser Thr Leu Gln Val Glu Met Phe Cys Gln Arg 115 120 125 Glu Ala Glu Arg Cys Thr Gly Ala Ser Trp Gln Phe Ala Ile Asn Gly 130 135 140 Glu Lys Ser Leu Leu Phe Asp Ala Met Asn Met Thr Trp Thr Val Ile 145 150 155 160 Asn His Glu Ala Ser Lys Ile Lys Glu Thr Trp Lys Lys Asp Arg Gly 165 170 175 Leu Glu Lys Tyr Phe Arg Lys Leu Ser Lys Gly Asp Cys Asp His Trp 180 185 190 Leu Arg Glu Phe Leu Gly His Trp Glu Ala Met Pro Glu Pro Thr Val 195 200 205 Ser Pro Val Asn Ala Ser Asp Ile His Trp Ser Ser Ser Ser Leu Pro 210 215 220 Asp Arg Trp Ile Ile Leu Gly Ala Phe Ile Leu Leu Leu Leu Met Gly 225 230 235 240 Ile Val Leu Ile Cys Val Trp Trp Gln Asn Gly Arg Arg Ser Thr 245 250 255 <210> 5 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding CSP2 <400> 5 caattgccac catgcgaaga atatccctga cttct 35 <210> 6 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding CSP2 <400> 6 gtcgacacta gaagaagacc agtggatatc t 31 <210> 7 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> FLAG sequence of pCAN618FLAG <400> 7 Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys 8 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding IgG Fc <400> 8 ctcgagatct tgtgacaaaa ctcacacatg 30 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding IgG Fc <400> 9 gcggccgctc atttacccgg agacagggag 30 <210> 10 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding CSP2 <400> 10 gtagactcga ggaagaccag tggatatctg aagca 35 <210> 11 <211> 42 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding NKG2D <400> 11 atgaattcca ccatggggtg gattcgtggt cggaggtctc ga 42 <210> 12 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding NKG2D <400> 12 aagcggccgc ttacacagtc ctttgcatgc agatgtag 38
【図1】 CSP−FLAGのCOS−7細胞での発現
を示すウエスタンブロットである。
を示すウエスタンブロットである。
【図2】 Aは、CHO-K1/hNKG2D-11細胞に対してCSP2-
Fc 発現 COS7 細胞の培養上清濃縮物を加えた場合のFIT
Cのヒストグラムであり、Bは、CHO-K1 細胞(コントロ
ール)に対して実施例6で得られた CSP2-Fc 発現 COS7
細胞の培養上清濃縮物を加えた場合のFITCのヒストグ
ラムであり、Cは、CHO-K1/hNKG2D-11細胞に対してMoc
k プラスミド導入 COS7 細胞の培養上清濃縮物を加えた
場合のFITCのヒストグラムであり、DはA〜Cを重ね合
わせたヒストグラムである。
Fc 発現 COS7 細胞の培養上清濃縮物を加えた場合のFIT
Cのヒストグラムであり、Bは、CHO-K1 細胞(コントロ
ール)に対して実施例6で得られた CSP2-Fc 発現 COS7
細胞の培養上清濃縮物を加えた場合のFITCのヒストグ
ラムであり、Cは、CHO-K1/hNKG2D-11細胞に対してMoc
k プラスミド導入 COS7 細胞の培養上清濃縮物を加えた
場合のFITCのヒストグラムであり、DはA〜Cを重ね合
わせたヒストグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 29/00 4C084 45/00 35/00 4C085 A61P 29/00 37/06 4H045 35/00 C07K 14/47 37/06 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 A61K 37/02 (72)発明者 菊地 久仁子 茨城県取手市新町五丁目8−18−101号 (72)発明者 新谷 靖 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ703号 Fターム(参考) 2G045 AA26 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA07 CA09 CA20 DA02 EA04 GA13 HA03 HA11 4B063 QA05 QA19 QQ21 QQ41 QQ61 QQ79 QR08 QR32 QR35 QR40 QR48 QR55 QR62 QR77 QR80 QS16 QS25 QS34 QS36 QX02 4B064 AG01 CA10 CA19 CC01 CC24 CE12 DA01 DA13 4B065 AA01X AA58X AA72X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA05 BD14 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA03 AA07 AA17 BA01 BA02 BA22 CA53 NA14 ZB082 ZB112 ZB262 4C085 AA13 AA14 AA19 DD62 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA75 EA20 EA51 FA71 FA74 GA26
Claims (24)
- 【請求項1】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
とを特徴とするタンパク質またはその塩。 - 【請求項2】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩。 - 【請求項3】 請求項1記載のタンパク質をコードする
DNAを含有するDNA。 - 【請求項4】 配列番号:3で表わされる塩基配列を有
する請求項3記載のDNA。 - 【請求項5】 請求項2記載の部分ペプチドをコードす
るDNAを含有するDNA。 - 【請求項6】 請求項3または請求項5記載のDNAを
含有する組換えベクター。 - 【請求項7】 請求項6記載の組換えベクターで形質転
換された形質転換体。 - 【請求項8】 請求項7記載の形質転換体を培養し、請
求項1記載のタンパク質または請求項2記載の部分ペプ
チドを生成せしめることを特徴とする請求項1記載のタ
ンパク質もしくはその塩、または請求項2記載の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩の製造法。 - 【請求項9】 請求項1記載のタンパク質もしくはその
塩、または請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体。 - 【請求項10】 請求項3もしくは請求項5記載のDN
Aまたは請求項9記載の抗体を含有してなる診断剤。 - 【請求項11】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
の塩、または請求項2記載の部分ペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩あるいは請求
項9記載の抗体を含有してなる医薬。 - 【請求項12】 癌の予防・治療剤である請求項11記
載の医薬。 - 【請求項13】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
の塩、または請求項2記載の部分ペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いること
を特徴とする請求項1記載のタンパク質もしくはその
塩、または請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法。 - 【請求項14】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
の塩、または請求項2記載の部分ペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してな
る請求項1記載のタンパク質もしくはその塩、または請
求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の活性を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング用キット。 - 【請求項15】 請求項13記載のスクリーニング方法
または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる請求項1記載のタンパク質もしくはその塩、
請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物ま
たはその塩。 - 【請求項16】 請求項15記載の化合物またはその塩
を含有してなる医薬。 - 【請求項17】 癌の予防・治療剤である請求項16記
載の医薬。 - 【請求項18】 抗癌作用を有する医薬を製造するため
の請求項1記載のタンパク質もしくはその塩、請求項
2記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩、または請求項13記載のスク
リーニング方法または請求項14記載のスクリーニング
用キットを用いて得られる請求項1記載のタンパク質も
しくはその塩、請求項2記載の部分ペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促
進する化合物またはその塩の使用。 - 【請求項19】 請求項1記載のタンパク質もしくは
その塩、請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求項
12記載のスクリーニング方法または請求項13記載の
スクリーニング用キットを用いて得られる請求項1記載
のタンパク質もしくはその塩、請求項2記載の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩の活性を促進する化合物またはその塩を哺乳動物に
投与することを特徴とする癌の予防・治療方法。 - 【請求項20】 請求項13記載のスクリーニング方法
または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる請求項1記載のタンパク質もしくはその塩、
請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物ま
たはその塩。 - 【請求項21】 請求項20記載の化合物またはその塩
を含有してなる医薬。 - 【請求項22】 免疫抑制剤または抗炎症剤である請求
項21記載の医薬。 - 【請求項23】 免疫抑制作用または抗炎症作用を有す
る医薬を製造するための請求項13記載のスクリーニ
ング方法または請求項14記載のスクリーニング用キッ
トを用いて得られる請求項1記載のタンパク質もしくは
その塩、請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する
化合物またはその塩、あるいは請求項9記載の抗体の使
用。 - 【請求項24】 請求項13記載のスクリーニング方法
または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる請求項1記載のタンパク質もしくはその塩、
請求項2記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物ま
たはその塩、あるいは請求項9記載の抗体を哺乳動物に
投与することを特徴とする免疫抑制方法または炎症の治
療方法。
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---|---|---|---|
JP2001131638A JP2002335964A (ja) | 2000-04-27 | 2001-04-27 | 新規タンパク質およびその用途 |
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---|---|---|---|
JP2000127547 | 2000-04-27 | ||
JP2000-127547 | 2000-04-27 | ||
JP2001-64862 | 2001-03-08 | ||
JP2001064862 | 2001-03-08 | ||
JP2001131638A JP2002335964A (ja) | 2000-04-27 | 2001-04-27 | 新規タンパク質およびその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002335964A true JP2002335964A (ja) | 2002-11-26 |
JP2002335964A5 JP2002335964A5 (ja) | 2008-06-05 |
Family
ID=27343222
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001131638A Pending JP2002335964A (ja) | 2000-04-27 | 2001-04-27 | 新規タンパク質およびその用途 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002335964A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO1999031236A2 (en) * | 1997-12-17 | 1999-06-24 | Genset | EXTENDED cDNAs FOR SECRETED PROTEINS |
EP1033401A2 (en) * | 1999-02-26 | 2000-09-06 | Genset | Expressed sequence tags and encoded human proteins |
WO2001040466A2 (en) * | 1999-12-01 | 2001-06-07 | Genentech, Inc. | Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001131638A patent/JP2002335964A/ja active Pending
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