JPH111497A - 新規膜タンパク質およびそのdna - Google Patents
新規膜タンパク質およびそのdnaInfo
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- JPH111497A JPH111497A JP9156376A JP15637697A JPH111497A JP H111497 A JPH111497 A JP H111497A JP 9156376 A JP9156376 A JP 9156376A JP 15637697 A JP15637697 A JP 15637697A JP H111497 A JPH111497 A JP H111497A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ヒト樹状細胞由来の新規膜タンパク質の提供。
【解決手段】ヒト樹状細胞由来の膜タンパク質,その部
分ペプチドまたはそれらの塩、該膜タンパク質をコード
するDNA、該DNAを含有する組換えベクター、該組
換えベクターで形質転換された形質転換体、該膜タンパ
ク質の製造法、該膜タンパク質に対する抗体、該膜タン
パク質に対するリガンドの決定方法、リガンドと該膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グ方法/スクリーニング用キット、該スクリーニングで
得られる化合物、該化合物を含有する医薬など。 【効果】本発明の膜タンパク質、その部分ペプチドまた
はそれらの塩は、リガンド,アゴニスト,アンタゴニス
トなどをスクリーニングするための試薬として有用であ
る。本発明の抗体は、被検液中の本発明の膜タンパク質
の濃度を定量するための試薬として有用である。
分ペプチドまたはそれらの塩、該膜タンパク質をコード
するDNA、該DNAを含有する組換えベクター、該組
換えベクターで形質転換された形質転換体、該膜タンパ
ク質の製造法、該膜タンパク質に対する抗体、該膜タン
パク質に対するリガンドの決定方法、リガンドと該膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グ方法/スクリーニング用キット、該スクリーニングで
得られる化合物、該化合物を含有する医薬など。 【効果】本発明の膜タンパク質、その部分ペプチドまた
はそれらの塩は、リガンド,アゴニスト,アンタゴニス
トなどをスクリーニングするための試薬として有用であ
る。本発明の抗体は、被検液中の本発明の膜タンパク質
の濃度を定量するための試薬として有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト樹状細胞由来
の新規膜タンパク質およびその用途に関する。
の新規膜タンパク質およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】樹状細胞(dendritic cell)は、骨髄に
存在するCD34陽性の前駆細胞より成熟、分化し、他
の単球系の細胞とは形態、運動性、貪食能の程度により
区別されている細胞である。本細胞は、末梢血中に遊走
していたり、皮膚組織や心、肺などの非リンパ組織、お
よびリンパ節、胸腺などのリンパ組織に広く分布し、生
体防御の最前線で主として皮膚感作物質、ウイルス抗
原、腫瘍関連抗原などのT細胞への抗原提示細胞として
重要な役割を果たしている。例えば、この樹状細胞ファ
ミリーに属する細胞の一種のランゲルハンス細胞は、皮
膚組織、特に表皮細胞層に広く分布し、アレルギー性の
炎症性皮膚疾患(例えばアレルギー性接触皮膚炎、アト
ピー性皮膚炎)の発症にエフェクターとして深く関与し
ていることが知られている〔臨床免疫、27巻、1013-101
8(1995)〕。また、その抗原提示能の強さから、抗腫
瘍免疫療法や各種感染症における免疫賦活療法を適用す
る際のマクロファージに代わる新しい材料として近年注
目されている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunology T
oday)、18巻、102-104(1997)〕。現在のところ、樹
状細胞の成熟は、いわゆる2ステップモデルで考えられ
ており、微生物などの外来抗原やサイトカイン(例、I
L−1β,GM−CSF,TNF−αなど)からのシグ
ナルを介したイニシャル・マチュレーション(Initial
Maturation)と細胞表層分子(例、CD40Lなど)や
新たなサイトカインシグナルを介したターミナル・マチ
ュレーション(Terminal Maturation)で進行するとさ
れている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunology Toda
y)、18巻、102-104(1997)〕。また、前述のランゲル
ハンス細胞が抗原提示細胞としてヘルパーT細胞を活性
化する際、Class II抗原とT細胞レセプターを介するシ
グナルと、B7−1,B7−2などのいわゆるCostimul
atory moleculeによる2つのシグナルが必要であること
も報告されている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunolo
gyToday)、15巻、464-469(1994)〕。
存在するCD34陽性の前駆細胞より成熟、分化し、他
の単球系の細胞とは形態、運動性、貪食能の程度により
区別されている細胞である。本細胞は、末梢血中に遊走
していたり、皮膚組織や心、肺などの非リンパ組織、お
よびリンパ節、胸腺などのリンパ組織に広く分布し、生
体防御の最前線で主として皮膚感作物質、ウイルス抗
原、腫瘍関連抗原などのT細胞への抗原提示細胞として
重要な役割を果たしている。例えば、この樹状細胞ファ
ミリーに属する細胞の一種のランゲルハンス細胞は、皮
膚組織、特に表皮細胞層に広く分布し、アレルギー性の
炎症性皮膚疾患(例えばアレルギー性接触皮膚炎、アト
ピー性皮膚炎)の発症にエフェクターとして深く関与し
ていることが知られている〔臨床免疫、27巻、1013-101
8(1995)〕。また、その抗原提示能の強さから、抗腫
瘍免疫療法や各種感染症における免疫賦活療法を適用す
る際のマクロファージに代わる新しい材料として近年注
目されている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunology T
oday)、18巻、102-104(1997)〕。現在のところ、樹
状細胞の成熟は、いわゆる2ステップモデルで考えられ
ており、微生物などの外来抗原やサイトカイン(例、I
L−1β,GM−CSF,TNF−αなど)からのシグ
ナルを介したイニシャル・マチュレーション(Initial
Maturation)と細胞表層分子(例、CD40Lなど)や
新たなサイトカインシグナルを介したターミナル・マチ
ュレーション(Terminal Maturation)で進行するとさ
れている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunology Toda
y)、18巻、102-104(1997)〕。また、前述のランゲル
ハンス細胞が抗原提示細胞としてヘルパーT細胞を活性
化する際、Class II抗原とT細胞レセプターを介するシ
グナルと、B7−1,B7−2などのいわゆるCostimul
atory moleculeによる2つのシグナルが必要であること
も報告されている〔イムノロジー・トゥデイ(Immunolo
gyToday)、15巻、464-469(1994)〕。
【0003】また、樹状細胞の抗原処理能に関与する分
子としては、最近、同細胞表面に発現している膜タンパ
ク質DEC−205が報告されている〔ネーチャー(Na
ture)、375巻、151-155(1995)〕。本タンパク質は、
当初モノクローナル抗体NLDC−145によって認識
される分子量205キロダルトンの表面抗原として報告
された〔ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデ
ィスン(Journal of Experimental Medicine)、163
巻、981-997(1986)〕が、遺伝子解析の結果、システ
イン残基に富んだ領域に続いて、II型フィブロネクチン
領域と10個のC−タイプレクチン様領域を細胞外領域
として持つ膜タンパク質であることが判明した。C−タ
イプレクチンは、一般にレクチンが特定の糖鎖構造に対
して選択的に結合能を有するタンパク質として定義され
る中、その結合にカルシウムイオンを必須とし、構造上
共通性のある認識ドメインCRD(COOH-terminal
carbohydrate-recognition domain)を有する点からさ
らに分類される動物レクチンの一種である〔ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of B
iological Chemistry)、263巻、9557-9560(198
8)〕。通常、C−タイプレクチンファミリーに属する
タンパク質は細胞の表層部分に局在し、細胞外マトリッ
クスやある種の細胞群に対して特異的な結合能を示すこ
とにより細胞内へ何らかのシグナルを伝達しているもの
と考えられている。該ファミリーに属するタンパク質の
大半が典型的なII型膜タンパク質であり、例えばCD2
3、NKレセプター〔サイエンス(Science)、249巻、
1298-1300(1990)〕、あるいはマクロファージC−タ
イプレクチン(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Jour
nal of Immunology)、156巻、128-135(1996)〕とい
った細胞表層膜タンパク質が知られているが、一方でL
−セレクチン、E−セレクチンあるいはP−セレクチン
といったI型膜タンパク質である接着分子もC−タイプ
レクチン構造を有しており、このDEC−205もまた
I型膜タンパク質に分類される。樹状細胞におけるDE
C−205タンパク質の生理機能としては、このレクチ
ン様領域を介してある種の外来抗原を捕捉し、抗原の細
胞内取り込みとその処理を促進することで最終的に同細
胞の抗原提示能を向上させ、惹いてはT細胞の活性化を
促進することが考えられている。しかし、実際にはこの
タンパク質だけであらゆる抗原に対する樹状細胞の強力
な抗原提示能を説明できるものではなく、また抗体を用
いた発現分布を調べた実験から、本タンパク質はランゲ
ルハンス細胞や脾臓内樹状細胞の他に、骨髄前駆細胞や
脾臓内B細胞などにも発現していることが明らかになっ
ていることから〔セルラー・イムノロジー(Cellular I
mmunology)、163巻、148-156(1995)〕、そうした樹
状細胞以外の他の細胞での生理機能やDEC−205に
認識される抗原の実体など依然不明なことも多い。
子としては、最近、同細胞表面に発現している膜タンパ
ク質DEC−205が報告されている〔ネーチャー(Na
ture)、375巻、151-155(1995)〕。本タンパク質は、
当初モノクローナル抗体NLDC−145によって認識
される分子量205キロダルトンの表面抗原として報告
された〔ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデ
ィスン(Journal of Experimental Medicine)、163
巻、981-997(1986)〕が、遺伝子解析の結果、システ
イン残基に富んだ領域に続いて、II型フィブロネクチン
領域と10個のC−タイプレクチン様領域を細胞外領域
として持つ膜タンパク質であることが判明した。C−タ
イプレクチンは、一般にレクチンが特定の糖鎖構造に対
して選択的に結合能を有するタンパク質として定義され
る中、その結合にカルシウムイオンを必須とし、構造上
共通性のある認識ドメインCRD(COOH-terminal
carbohydrate-recognition domain)を有する点からさ
らに分類される動物レクチンの一種である〔ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of B
iological Chemistry)、263巻、9557-9560(198
8)〕。通常、C−タイプレクチンファミリーに属する
タンパク質は細胞の表層部分に局在し、細胞外マトリッ
クスやある種の細胞群に対して特異的な結合能を示すこ
とにより細胞内へ何らかのシグナルを伝達しているもの
と考えられている。該ファミリーに属するタンパク質の
大半が典型的なII型膜タンパク質であり、例えばCD2
3、NKレセプター〔サイエンス(Science)、249巻、
1298-1300(1990)〕、あるいはマクロファージC−タ
イプレクチン(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Jour
nal of Immunology)、156巻、128-135(1996)〕とい
った細胞表層膜タンパク質が知られているが、一方でL
−セレクチン、E−セレクチンあるいはP−セレクチン
といったI型膜タンパク質である接着分子もC−タイプ
レクチン構造を有しており、このDEC−205もまた
I型膜タンパク質に分類される。樹状細胞におけるDE
C−205タンパク質の生理機能としては、このレクチ
ン様領域を介してある種の外来抗原を捕捉し、抗原の細
胞内取り込みとその処理を促進することで最終的に同細
胞の抗原提示能を向上させ、惹いてはT細胞の活性化を
促進することが考えられている。しかし、実際にはこの
タンパク質だけであらゆる抗原に対する樹状細胞の強力
な抗原提示能を説明できるものではなく、また抗体を用
いた発現分布を調べた実験から、本タンパク質はランゲ
ルハンス細胞や脾臓内樹状細胞の他に、骨髄前駆細胞や
脾臓内B細胞などにも発現していることが明らかになっ
ていることから〔セルラー・イムノロジー(Cellular I
mmunology)、163巻、148-156(1995)〕、そうした樹
状細胞以外の他の細胞での生理機能やDEC−205に
認識される抗原の実体など依然不明なことも多い。
【0004】樹状細胞に関してはごく最近まで、その細
胞機能や各種生物活性を詳細に検討する上で必須であ
る、該細胞の大量単離精製を行う技術上の困難さがあっ
たため、上述のような樹状細胞の生理機能に関与すると
考えられる遺伝子に関する研究は、マクロファージなど
他の類縁関係にある免疫担当細胞に比べて大きく立ち遅
れた。したがって既存の遺伝子の機能と樹状細胞の成熟
・分化、抗原の処理、抗原提示、T細胞の活性化機構等
に関する現状のモデルだけで樹状細胞が担っている重要
な生理機能、ひいては各種疾患との関わりが十分に説明
されているとは言い難い。そこで、抗原提示細胞として
の樹状細胞の機能を分子レベルで詳細に明らかにしてい
くのは勿論のこと、今後樹状細胞を標的にした各種疾患
の治療・予防薬の開発、あるいは樹状細胞を用いた免疫
療法を効果的に行う上で、樹状細胞に由来する新しい細
胞機能調節遺伝子の単離とその生理機能の解明が望まれ
ていた。
胞機能や各種生物活性を詳細に検討する上で必須であ
る、該細胞の大量単離精製を行う技術上の困難さがあっ
たため、上述のような樹状細胞の生理機能に関与すると
考えられる遺伝子に関する研究は、マクロファージなど
他の類縁関係にある免疫担当細胞に比べて大きく立ち遅
れた。したがって既存の遺伝子の機能と樹状細胞の成熟
・分化、抗原の処理、抗原提示、T細胞の活性化機構等
に関する現状のモデルだけで樹状細胞が担っている重要
な生理機能、ひいては各種疾患との関わりが十分に説明
されているとは言い難い。そこで、抗原提示細胞として
の樹状細胞の機能を分子レベルで詳細に明らかにしてい
くのは勿論のこと、今後樹状細胞を標的にした各種疾患
の治療・予防薬の開発、あるいは樹状細胞を用いた免疫
療法を効果的に行う上で、樹状細胞に由来する新しい細
胞機能調節遺伝子の単離とその生理機能の解明が望まれ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒト樹状細
胞由来の新規膜タンパク質,その部分ペプチドまたはそ
れらの塩、該タンパク質をコードするDNA、該DNA
を含有する組換えベクター、該組換えベクターで形質転
換された形質転換体、該タンパク質またはその塩の製造
法、該タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
に対する抗体、該タンパク質に対するリガンドの決定方
法、該リガンドと該タンパク質との結合性を変化させる
化合物のスクリーニング方法、該スクリーニング用キッ
ト、該スクリーニング方法もしくはスクリーニング用キ
ットを用いて得られるリガンドと該タンパク質との結合
性を変化させる化合物、およびリガンドと該タンパク質
との結合性を変化させる化合物を含有してなる医薬など
を提供する。
胞由来の新規膜タンパク質,その部分ペプチドまたはそ
れらの塩、該タンパク質をコードするDNA、該DNA
を含有する組換えベクター、該組換えベクターで形質転
換された形質転換体、該タンパク質またはその塩の製造
法、該タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
に対する抗体、該タンパク質に対するリガンドの決定方
法、該リガンドと該タンパク質との結合性を変化させる
化合物のスクリーニング方法、該スクリーニング用キッ
ト、該スクリーニング方法もしくはスクリーニング用キ
ットを用いて得られるリガンドと該タンパク質との結合
性を変化させる化合物、およびリガンドと該タンパク質
との結合性を変化させる化合物を含有してなる医薬など
を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ヒト樹状細胞由来の
新規膜タンパク質をコードするcDNAを単離し、その
全塩基配列およびそれにコードされる該膜タンパク質の
全アミノ酸配列を解析することに成功した。本発明者ら
は、これらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至った。
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ヒト樹状細胞由来の
新規膜タンパク質をコードするcDNAを単離し、その
全塩基配列およびそれにコードされる該膜タンパク質の
全アミノ酸配列を解析することに成功した。本発明者ら
は、これらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを
特徴とするタンパク質またはその塩、(2)C−タイプ
レクチンファミリーに属する樹状細胞由来の膜タンパク
質である第(1)項記載のタンパク質、(3)第(1)
項記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩、
(4)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
A、(5)配列番号:5で表わされる塩基配列を有する
第(4)項記載のDNA、(6)第(4)項記載のDN
Aを含有する組換えベクター、(7)第(6)項記載の
組換えベクターで形質転換させた形質転換体、(8)第
(1)項記載のタンパク質をコードするDNAを含有す
るDNAを含有する組換えベクターで形質転換された形
質転換体を培養し、該タンパク質を生成、蓄積せしめ、
これを採取することを特徴とする第(1)項記載のタン
パク質またはその塩の製造法、
もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを
特徴とするタンパク質またはその塩、(2)C−タイプ
レクチンファミリーに属する樹状細胞由来の膜タンパク
質である第(1)項記載のタンパク質、(3)第(1)
項記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩、
(4)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
A、(5)配列番号:5で表わされる塩基配列を有する
第(4)項記載のDNA、(6)第(4)項記載のDN
Aを含有する組換えベクター、(7)第(6)項記載の
組換えベクターで形質転換させた形質転換体、(8)第
(1)項記載のタンパク質をコードするDNAを含有す
るDNAを含有する組換えベクターで形質転換された形
質転換体を培養し、該タンパク質を生成、蓄積せしめ、
これを採取することを特徴とする第(1)項記載のタン
パク質またはその塩の製造法、
【0008】(9)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体、(10)第(1)項記載のタンパク質、第(3)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを
特徴とする第(1)項記載のタンパク質またはその塩に
対するリガンドの決定方法、(11)第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩を用いることを特徴とするリガンドと第(1)項
記載のタンパク質との結合性を変化させる化合物または
その塩をスクリーニングする方法、(12)第(1)項
記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまた
はそれらの塩を含有することを特徴とするリガンドと第
(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、(13)第(11)項記載のスクリーニング方法ま
たは第(12)項記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパク質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩、および(14)第(11)項記載のスクリーニング
方法または第(12)項記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパ
ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩を含有してなる医薬を提供する。
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体、(10)第(1)項記載のタンパク質、第(3)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを
特徴とする第(1)項記載のタンパク質またはその塩に
対するリガンドの決定方法、(11)第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩を用いることを特徴とするリガンドと第(1)項
記載のタンパク質との結合性を変化させる化合物または
その塩をスクリーニングする方法、(12)第(1)項
記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまた
はそれらの塩を含有することを特徴とするリガンドと第
(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、(13)第(11)項記載のスクリーニング方法ま
たは第(12)項記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパク質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩、および(14)第(11)項記載のスクリーニング
方法または第(12)項記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパ
ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩を含有してなる医薬を提供する。
【0009】さらに、本発明は、(15)配列番号:1
もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1もしくは配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列と約40%以上の相
同性を有するアミノ酸配列である第(1)項記載のタン
パク質、(16)配列番号:1もしくは配列番号:2で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
が、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配
列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度)のア
ミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、また
はそれらを組み合わせたアミノ酸配列である第(1)
項記載のタンパク質またはその塩、(17)配列番号:
3または配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する第(3)
項記載の部分ペプチド、(18)可溶性である第(1
3)項記載の部分ペプチド、
もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1もしくは配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列と約40%以上の相
同性を有するアミノ酸配列である第(1)項記載のタン
パク質、(16)配列番号:1もしくは配列番号:2で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
が、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配
列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度)のア
ミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、また
はそれらを組み合わせたアミノ酸配列である第(1)
項記載のタンパク質またはその塩、(17)配列番号:
3または配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する第(3)
項記載の部分ペプチド、(18)可溶性である第(1
3)項記載の部分ペプチド、
【0010】(19)配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA
を含有するDNA、(20)配列番号:5で表わされる
塩基配列を有する第(19)項記載のDNA、(21)
第(19)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(22)第(21)項記載の組換えベクターで形質転換
させた形質転換体、(23)配列番号:5または配列番
号6で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAを含
有するDNA、(24)第(23)項記載のDNAを含
有する組換えベクター、(25)第(24)項記載の組
換えベクターで形質転換させた形質転換体、(26)第
(25)項記載の形質転換体を培養し、第(19)項記
載のDNAにコードされるタンパク質を生成し、蓄積せ
しめることを特徴とする第(19)項記載のDNAでコ
ードされるタンパク質またはその塩の製造法、(27)
第(26)項記載の製造法で製造されるタンパク質また
はその塩、(28)第(3)項または第(17)項記載
の部分ペプチドをコードするDNAを含有するDNA、
(29)配列番号:7または配列番号:8で表わされる
塩基配列を有する第(28)項記載のDNA、(30)
第(28)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(31)第(30)項記載の組換えベクターで形質転換
させた形質転換体、(32)第(31)項記載の形質転
換体を培養し、ペプチドを生成、蓄積せしめ、これを採
取することを特徴とする第(3)項または第(17)項
記載の部分ペプチドまたはその塩の製造法、
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA
を含有するDNA、(20)配列番号:5で表わされる
塩基配列を有する第(19)項記載のDNA、(21)
第(19)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(22)第(21)項記載の組換えベクターで形質転換
させた形質転換体、(23)配列番号:5または配列番
号6で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAを含
有するDNA、(24)第(23)項記載のDNAを含
有する組換えベクター、(25)第(24)項記載の組
換えベクターで形質転換させた形質転換体、(26)第
(25)項記載の形質転換体を培養し、第(19)項記
載のDNAにコードされるタンパク質を生成し、蓄積せ
しめることを特徴とする第(19)項記載のDNAでコ
ードされるタンパク質またはその塩の製造法、(27)
第(26)項記載の製造法で製造されるタンパク質また
はその塩、(28)第(3)項または第(17)項記載
の部分ペプチドをコードするDNAを含有するDNA、
(29)配列番号:7または配列番号:8で表わされる
塩基配列を有する第(28)項記載のDNA、(30)
第(28)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(31)第(30)項記載の組換えベクターで形質転換
させた形質転換体、(32)第(31)項記載の形質転
換体を培養し、ペプチドを生成、蓄積せしめ、これを採
取することを特徴とする第(3)項または第(17)項
記載の部分ペプチドまたはその塩の製造法、
【0011】(33)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と、試験
化合物とを接触させることを特徴とする第(10)項記
載のリガンドの決定方法、(34)第(10)項または
第(33)項記載のリガンドの決定方法で得られるリガ
ンド、(35)(i)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と、リガ
ンドとを接触させた場合と、(ii)第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合
との比較を行なうことを特徴とする第(7)項記載のス
クリーニング方法、(36)(i)標識したリガンドを
第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペ
プチドまたはそれらの塩に接触させた場合と、(ii)標
識したリガンドおよび試験化合物を第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩に接触させた場合における、標識したリガンドの第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩に対する結合量を測定し、比較す
ることを特徴とするリガンドと第(1)項記載のタンパ
ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、(37)(i)標識した
リガンドを第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞
に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試
験化合物を第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞
に接触させた場合における、標識したリガンドの該細胞
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリ
ガンドと第(1)項記載のタンパク質またはその塩との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(38)(i)標識したリガンドを第(1)項
記載のタンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた
場合と、(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を第
(1)項記載のタンパク質を含有する細胞の膜画分に接
触させた場合における、標識したリガンドの該細胞膜画
分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
リガンドと第(1)項記載のタンパク質またはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と、試験
化合物とを接触させることを特徴とする第(10)項記
載のリガンドの決定方法、(34)第(10)項または
第(33)項記載のリガンドの決定方法で得られるリガ
ンド、(35)(i)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と、リガ
ンドとを接触させた場合と、(ii)第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合
との比較を行なうことを特徴とする第(7)項記載のス
クリーニング方法、(36)(i)標識したリガンドを
第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペ
プチドまたはそれらの塩に接触させた場合と、(ii)標
識したリガンドおよび試験化合物を第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩に接触させた場合における、標識したリガンドの第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩に対する結合量を測定し、比較す
ることを特徴とするリガンドと第(1)項記載のタンパ
ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、(37)(i)標識した
リガンドを第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞
に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試
験化合物を第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞
に接触させた場合における、標識したリガンドの該細胞
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするリ
ガンドと第(1)項記載のタンパク質またはその塩との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(38)(i)標識したリガンドを第(1)項
記載のタンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた
場合と、(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を第
(1)項記載のタンパク質を含有する細胞の膜画分に接
触させた場合における、標識したリガンドの該細胞膜画
分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
リガンドと第(1)項記載のタンパク質またはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、
【0012】(39)(i)標識したリガンドを第
(7)項または第(22)項記載の形質転換体を培養す
ることによって該形質転換体の細胞膜に発現した第
(1)項記載のタンパク質に接触させた場合と、(ii)
標識したリガンドおよび試験化合物を第(7)項または
第(22)項記載の形質転換体を培養することによって
該形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタン
パク質に接触させた場合における、標識したリガンドの
第(1)項記載のタンパク質に対する結合量を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと第(1)項記載の
タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(40)(i)第
(1)項記載のタンパク質またはその塩を活性化する物
質を第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞に接触
させた場合と、(ii)第(1)項記載のタンパク質また
はその塩を活性化する物質および試験化合物を第(1)
項記載のタンパク質を含有する細胞に接触させた場合に
おける、第(1)項記載のタンパク質を介した細胞刺激
活性を測定し、比較することを特徴とするリガンドと第
(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(41)第(1)項記載のタンパク質またはその塩を活
性化する物質を第(7)項または第(22)項記載の形
質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜
に発現した第(1)項記載のタンパク質に接触させた場
合と、第(1)項記載のタンパク質またはその塩を活性
化する物質および試験化合物を第(7)項または第(2
2)項記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタンパク質
に接触させた場合における、第(1)項記載のタンパク
質を介する細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴
とするリガンドと第(1)項記載のタンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、
(7)項または第(22)項記載の形質転換体を培養す
ることによって該形質転換体の細胞膜に発現した第
(1)項記載のタンパク質に接触させた場合と、(ii)
標識したリガンドおよび試験化合物を第(7)項または
第(22)項記載の形質転換体を培養することによって
該形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタン
パク質に接触させた場合における、標識したリガンドの
第(1)項記載のタンパク質に対する結合量を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと第(1)項記載の
タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(40)(i)第
(1)項記載のタンパク質またはその塩を活性化する物
質を第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞に接触
させた場合と、(ii)第(1)項記載のタンパク質また
はその塩を活性化する物質および試験化合物を第(1)
項記載のタンパク質を含有する細胞に接触させた場合に
おける、第(1)項記載のタンパク質を介した細胞刺激
活性を測定し、比較することを特徴とするリガンドと第
(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(41)第(1)項記載のタンパク質またはその塩を活
性化する物質を第(7)項または第(22)項記載の形
質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜
に発現した第(1)項記載のタンパク質に接触させた場
合と、第(1)項記載のタンパク質またはその塩を活性
化する物質および試験化合物を第(7)項または第(2
2)項記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタンパク質
に接触させた場合における、第(1)項記載のタンパク
質を介する細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴
とするリガンドと第(1)項記載のタンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、
【0013】(42)第(35)項〜第(41)項記載
のいずれかのスクリーニング方法で得られる、リガンド
と第(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩、(43)第(35)
項〜第(41)項記載のいずれかのスクリーニング方法
で得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパク質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
を含有することを特徴とする医薬、(44)第(1)項
記載のタンパク質を含有する細胞を含有することを特徴
とする第(12)項記載のスクリーニング用キット、
(45)第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞の
膜画分を含有することを特徴とする第(12)項記載の
スクリーニング用キット、(46)第(7)項または第
(22)項記載の形質転換体を培養することによって該
形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタンパ
ク質を含有することを特徴とする第(12)項記載のス
クリーニング用キット、(47)第(12)項および第
(44)項〜第(46)項記載のいずれかのスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、リガンドと第(1)項
記載のタンパク質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩、(48)第(12)項および第
(44)項〜第(46)項記載のいずれかのスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、リガンドと第(1)項
記載のタンパク質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩を含有することを特徴とする医薬、
のいずれかのスクリーニング方法で得られる、リガンド
と第(1)項記載のタンパク質またはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩、(43)第(35)
項〜第(41)項記載のいずれかのスクリーニング方法
で得られる、リガンドと第(1)項記載のタンパク質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
を含有することを特徴とする医薬、(44)第(1)項
記載のタンパク質を含有する細胞を含有することを特徴
とする第(12)項記載のスクリーニング用キット、
(45)第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞の
膜画分を含有することを特徴とする第(12)項記載の
スクリーニング用キット、(46)第(7)項または第
(22)項記載の形質転換体を培養することによって該
形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタンパ
ク質を含有することを特徴とする第(12)項記載のス
クリーニング用キット、(47)第(12)項および第
(44)項〜第(46)項記載のいずれかのスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、リガンドと第(1)項
記載のタンパク質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩、(48)第(12)項および第
(44)項〜第(46)項記載のいずれかのスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、リガンドと第(1)項
記載のタンパク質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩を含有することを特徴とする医薬、
【0014】(49)第(11)項および第(35)項
〜第(41)のいずれかのスクリーニング方法、または
第(12)項および第(44)項〜第(46)項記載の
いずれかのスクリーニング用キットを用いて得られる、
第(1)項記載のタンパク質またはその塩に対するアゴ
ニストを含有することを特徴とする医薬、(50)癌
(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p
53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸
癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌
など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染
症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感染症、
ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイル
ス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲性ブド
ウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全身性真
菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス
脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リン
パ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖
尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン
性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結
核などの治療・予防剤である第(49)項記載の医薬、
(51)第(11)項および第(35)項〜第(41)
のいずれかのスクリーニング方法、または第(12)項
もしくは第(44)項〜第(46)項記載のいずれかの
スクリーニング用キットを用いて得られる、第(1)項
記載のタンパク質またはその塩に対するアンタゴニスト
を含有することを特徴とする医薬、(52)アレルギー
性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、ア
レルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝
炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性
エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸
球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤
である第(51)項記載の医薬、
〜第(41)のいずれかのスクリーニング方法、または
第(12)項および第(44)項〜第(46)項記載の
いずれかのスクリーニング用キットを用いて得られる、
第(1)項記載のタンパク質またはその塩に対するアゴ
ニストを含有することを特徴とする医薬、(50)癌
(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p
53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸
癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌
など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染
症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感染症、
ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイル
ス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲性ブド
ウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全身性真
菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス
脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リン
パ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖
尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン
性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結
核などの治療・予防剤である第(49)項記載の医薬、
(51)第(11)項および第(35)項〜第(41)
のいずれかのスクリーニング方法、または第(12)項
もしくは第(44)項〜第(46)項記載のいずれかの
スクリーニング用キットを用いて得られる、第(1)項
記載のタンパク質またはその塩に対するアンタゴニスト
を含有することを特徴とする医薬、(52)アレルギー
性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、ア
レルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝
炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性
エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸
球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤
である第(51)項記載の医薬、
【0015】(53)第(9)項記載の抗体と、第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩とを接触させることを特徴とする
第(1)項のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチ
ドまたはそれらの塩の定量法、(54)第(9)項記載
の抗体と、被検液および標識化された第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化
された第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩の割合を測定することを
特徴とする被検液中の第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量
法、(55)被検液と担体上に不溶化した第(9)項記
載の抗体および標識化された別の第(9)項記載の抗体
とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中
の第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分
ペプチドまたはそれらの塩の定量法、(56)第(9)
項記載の抗体を含有してなる医薬、(57)アゴニスト
様活性を有する第(9)項記載の抗体を含有してなる医
薬、(58)癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性
リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子
宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小
細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペス
ウイルス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイ
ルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯
状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染
症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染
症、重症全身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜
炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリ
ア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、イン
シュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨
髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗
血症ショック、結核などの治療・予防剤である第(5
7)項記載の医薬、
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩とを接触させることを特徴とする
第(1)項のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチ
ドまたはそれらの塩の定量法、(54)第(9)項記載
の抗体と、被検液および標識化された第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化
された第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩の割合を測定することを
特徴とする被検液中の第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量
法、(55)被検液と担体上に不溶化した第(9)項記
載の抗体および標識化された別の第(9)項記載の抗体
とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中
の第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分
ペプチドまたはそれらの塩の定量法、(56)第(9)
項記載の抗体を含有してなる医薬、(57)アゴニスト
様活性を有する第(9)項記載の抗体を含有してなる医
薬、(58)癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性
リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子
宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小
細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペス
ウイルス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイ
ルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯
状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染
症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染
症、重症全身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜
炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリ
ア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、イン
シュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨
髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗
血症ショック、結核などの治療・予防剤である第(5
7)項記載の医薬、
【0016】(59)アンタゴニスト様活性を有する第
(9)項記載の抗体を含有してなる医薬、(60)アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・
予防剤である第(59)項記載の医薬、(61)第(1
8)項記載の可溶性部分ペプチドを含有する医薬、(6
2)アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接
触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症
(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマ
チ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病な
ど)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症な
どの治療・予防剤である第(61)項記載の医薬、(6
3)第(4)項または第(19)項記載のDNAに相補
的または実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの
発現を抑制し得る作用を有するアンチセンスDNA、
(64)第(4)項または第(19)項記載のDNAに
実質的に相補的な塩基配列が、該DNAに相補的な塩基
配列の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上
(好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上)の相同性を有する塩
基配列である第(63)項記載のアンチセンスDNA、
および(65)第(63)項記載のアンチセンスDNA
を含有してなる医薬、(66)アレルギー性免疫疾患
(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性
鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、
自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマト
ーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、
気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤である第
(65)項記載の医薬、
(9)項記載の抗体を含有してなる医薬、(60)アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・
予防剤である第(59)項記載の医薬、(61)第(1
8)項記載の可溶性部分ペプチドを含有する医薬、(6
2)アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接
触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症
(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマ
チ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病な
ど)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症な
どの治療・予防剤である第(61)項記載の医薬、(6
3)第(4)項または第(19)項記載のDNAに相補
的または実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの
発現を抑制し得る作用を有するアンチセンスDNA、
(64)第(4)項または第(19)項記載のDNAに
実質的に相補的な塩基配列が、該DNAに相補的な塩基
配列の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上
(好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上)の相同性を有する塩
基配列である第(63)項記載のアンチセンスDNA、
および(65)第(63)項記載のアンチセンスDNA
を含有してなる医薬、(66)アレルギー性免疫疾患
(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性
鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、
自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマト
ーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、
気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤である第
(65)項記載の医薬、
【0017】(67)(i)第(1)項記載のタンパク
質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と
T細胞とを接触させた場合と、(ii)第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩および試験化合物とT細胞とを接触させた場合と
の比較を行なうことを特徴とする、第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(68)(i)標
識した第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩とT細胞とを接触させた
場合と、(ii)標識した第(1)項記載のタンパク質、
第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩および
試験化合物とT細胞とを接触させた場合における、標識
した第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞に対する結合量を
測定し、比較することを特徴とする、第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法、(69)(i)
第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞とT細胞と
を接触させた場合と、(ii)第(1)項記載のタンパク
質を含有する細胞および試験化合物とT細胞とを接触さ
せた場合における、T細胞の活性化を測定し、比較する
ことを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング方法、(70)(i)第(7)項また
は第(22)項記載の形質転換体を培養することによっ
て該形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタ
ンパク質とT細胞とを接触させた場合と、(ii)第
(7)項または第(22)項記載の形質転換体を培養す
ることによって該形質転換体の細胞膜に発現した第
(1)項記載のタンパク質および試験化合物とT細胞と
を接触させた場合における、T細胞の活性化を測定し、
比較することを特徴とする、第(1)項記載のタンパク
質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の
T細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、
質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と
T細胞とを接触させた場合と、(ii)第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩および試験化合物とT細胞とを接触させた場合と
の比較を行なうことを特徴とする、第(1)項記載のタ
ンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれら
の塩のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(68)(i)標
識した第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩とT細胞とを接触させた
場合と、(ii)標識した第(1)項記載のタンパク質、
第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩および
試験化合物とT細胞とを接触させた場合における、標識
した第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞に対する結合量を
測定し、比較することを特徴とする、第(1)項記載の
タンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法、(69)(i)
第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞とT細胞と
を接触させた場合と、(ii)第(1)項記載のタンパク
質を含有する細胞および試験化合物とT細胞とを接触さ
せた場合における、T細胞の活性化を測定し、比較する
ことを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング方法、(70)(i)第(7)項また
は第(22)項記載の形質転換体を培養することによっ
て該形質転換体の細胞膜に発現した第(1)項記載のタ
ンパク質とT細胞とを接触させた場合と、(ii)第
(7)項または第(22)項記載の形質転換体を培養す
ることによって該形質転換体の細胞膜に発現した第
(1)項記載のタンパク質および試験化合物とT細胞と
を接触させた場合における、T細胞の活性化を測定し、
比較することを特徴とする、第(1)項記載のタンパク
質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の
T細胞活性化作用を促進もしくは阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、
【0018】(71)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有す
ることを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(72)第(1)項記載の
タンパク質を含有する細胞を含有することを特徴とす
る、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作用を促進
もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
用キット、(73)第(1)項記載のタンパク質を含有
する細胞の膜画分を含有することを特徴とする、第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩のT細胞活性化作用を促進もしく
は阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、(74)第(7)項または第(22)項記載の形質
転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜に
発現した第(1)項記載のタンパク質を含有することを
特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項
記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作
用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キット、
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有す
ることを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(72)第(1)項記載の
タンパク質を含有する細胞を含有することを特徴とす
る、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作用を促進
もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
用キット、(73)第(1)項記載のタンパク質を含有
する細胞の膜画分を含有することを特徴とする、第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩のT細胞活性化作用を促進もしく
は阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、(74)第(7)項または第(22)項記載の形質
転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜に
発現した第(1)項記載のタンパク質を含有することを
特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項
記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作
用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キット、
【0019】(75)第(67)項〜第(70)項記載
のいずれかのスクリーニング方法または第(71)項〜
第(74)項記載のいずれかのスクリーニング用キット
を用いて得られる、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその
塩、(76)第(67)項〜第(70)項記載のいずれ
かのスクリーニング方法または第(71)項〜第(7
4)項記載のいずれかのスクリーニング用キットを用い
て得られる、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項
記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作
用を促進する化合物またはその塩を含有することを特徴
とする医薬、(77)癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣
癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、
膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細
胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの治療・予防剤
である第(76)項記載の医薬、(78)第(67)項
〜第(70)項記載のいずれかのスクリーニング方法ま
たは第(71)項〜第(74)項記載のいずれかのスク
リーニング用キットを用いて得られる、第(1)項記載
のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩のT細胞活性化作用を阻害する化合物またはそ
の塩を含有することを特徴とする医薬、および(79)
アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性
皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、
関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節
炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、
エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治
療・予防剤である第(78)項記載の医薬を提供する。
のいずれかのスクリーニング方法または第(71)項〜
第(74)項記載のいずれかのスクリーニング用キット
を用いて得られる、第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその
塩、(76)第(67)項〜第(70)項記載のいずれ
かのスクリーニング方法または第(71)項〜第(7
4)項記載のいずれかのスクリーニング用キットを用い
て得られる、第(1)項記載のタンパク質、第(3)項
記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のT細胞活性化作
用を促進する化合物またはその塩を含有することを特徴
とする医薬、(77)癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣
癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、
膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細
胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの治療・予防剤
である第(76)項記載の医薬、(78)第(67)項
〜第(70)項記載のいずれかのスクリーニング方法ま
たは第(71)項〜第(74)項記載のいずれかのスク
リーニング用キットを用いて得られる、第(1)項記載
のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩のT細胞活性化作用を阻害する化合物またはそ
の塩を含有することを特徴とする医薬、および(79)
アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性
皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、
関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節
炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、
エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治
療・予防剤である第(78)項記載の医薬を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の膜タンパク質は、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列〔図1〕または配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列〔図2〕と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する。ここで、配
列番号:2で表わされるアミノ酸配列は、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第67番目のMetと第6
8番目のGlyとの間に、配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列の第68番目のAlaから第118番目のT
hrまでの46個のアミノ酸が挿入されたものである。
本発明の膜タンパク質は、例えば、ヒトや哺乳動物(例
えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒ
ツジ、ウマ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例え
ば、樹状細胞(例、ランゲルハンス細胞)、脾細胞、神
経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギ
ウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、
内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、
免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチ
ュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン
細胞など、好ましくは、樹状細胞)や血球系の細胞(例
えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEH
I−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−
1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,C
CRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCR
T−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−7
8,HUT−102,H9,U937,THP−1,H
EL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01
など)、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、
例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底
球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延
髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳
染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、
顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵
巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特に、脳や脳
の各部位)に由来するタンパク質であってもよく、また
合成タンパク質であってもよい。
号:1で表わされるアミノ酸配列〔図1〕または配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列〔図2〕と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する。ここで、配
列番号:2で表わされるアミノ酸配列は、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第67番目のMetと第6
8番目のGlyとの間に、配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列の第68番目のAlaから第118番目のT
hrまでの46個のアミノ酸が挿入されたものである。
本発明の膜タンパク質は、例えば、ヒトや哺乳動物(例
えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒ
ツジ、ウマ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例え
ば、樹状細胞(例、ランゲルハンス細胞)、脾細胞、神
経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギ
ウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、
内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、
免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチ
ュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン
細胞など、好ましくは、樹状細胞)や血球系の細胞(例
えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEH
I−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−
1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,C
CRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCR
T−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−7
8,HUT−102,H9,U937,THP−1,H
EL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01
など)、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、
例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底
球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延
髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳
染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、
顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵
巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特に、脳や脳
の各部位)に由来するタンパク質であってもよく、また
合成タンパク質であってもよい。
【0021】配列番号:1または配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として
は、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
約40%以上、好ましくは約50%以上、より好ましく
は約70%以上、さらに好ましくは約80%以上、さら
に好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以
上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第71番目〜第201番目
のアミノ酸配列を有し、かつ、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは約50%以
上、より好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約
80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
が好ましい。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例え
ば、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第70番
目〜第247番目のアミノ酸配列を有し、かつ、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ま
しくは約50%以上、より好ましくは約70%以上、さ
らに好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などが好ましい。本発明の配列番号:1ま
たは配列番号;2で表わされるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例
えば、前記した配列番号:1または配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
し、配列番号:1または配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を
有する膜タンパク質などが好ましい。実質的に同質の活
性としては、例えば、リガンド結合能、シグナル伝達作
用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着
分子様活性などが挙げられる。実質的に同質とは、それ
らの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学
的に)同質であることを示す。したがって、リガンド結
合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細
胞の活性化、細胞接着分子様活性などの活性が同等
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜2
0倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好
ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合能、
シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活
性化、細胞接着分子様活性などの活性の測定は、自体公
知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後述
するリガンドの決定方法や各スクリーニング方法に従っ
て測定することができる。
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として
は、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
約40%以上、好ましくは約50%以上、より好ましく
は約70%以上、さらに好ましくは約80%以上、さら
に好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以
上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第71番目〜第201番目
のアミノ酸配列を有し、かつ、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは約50%以
上、より好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約
80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
が好ましい。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例え
ば、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第70番
目〜第247番目のアミノ酸配列を有し、かつ、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ま
しくは約50%以上、より好ましくは約70%以上、さ
らに好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などが好ましい。本発明の配列番号:1ま
たは配列番号;2で表わされるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例
えば、前記した配列番号:1または配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
し、配列番号:1または配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を
有する膜タンパク質などが好ましい。実質的に同質の活
性としては、例えば、リガンド結合能、シグナル伝達作
用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着
分子様活性などが挙げられる。実質的に同質とは、それ
らの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学
的に)同質であることを示す。したがって、リガンド結
合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細
胞の活性化、細胞接着分子様活性などの活性が同等
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜2
0倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好
ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合能、
シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活
性化、細胞接着分子様活性などの活性の測定は、自体公
知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後述
するリガンドの決定方法や各スクリーニング方法に従っ
て測定することができる。
【0022】また、本発明の膜タンパク質としては、
配列番号:1または配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(例、1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1または配列番号:2配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好まし
くは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1または配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以
上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))
のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する
蛋白質なども用いられる。上記のようにアミノ酸配列が
欠失、付加または置換されている場合、その欠失、付加
または置換の位置としては、特に限定されないが、例え
ば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第71番
目〜第201番目のアミノ酸配列以外の位置、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列の第70番目〜第21
4番目のアミノ酸配列以外の位置などが挙げられる。な
お、この配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第7
1番目〜第201番目のアミノ酸配列(すなわち、配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列)および配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の第70番目〜第247番
目のアミノ酸配列(すなわち、配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列)は、それぞれ配列番号:1または配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有する本発明の
膜タンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列を示し、好ま
しくはリガンド結合部位を示す。
配列番号:1または配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(例、1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1または配列番号:2配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好まし
くは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1または配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以
上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))
のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する
蛋白質なども用いられる。上記のようにアミノ酸配列が
欠失、付加または置換されている場合、その欠失、付加
または置換の位置としては、特に限定されないが、例え
ば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第71番
目〜第201番目のアミノ酸配列以外の位置、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列の第70番目〜第21
4番目のアミノ酸配列以外の位置などが挙げられる。な
お、この配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第7
1番目〜第201番目のアミノ酸配列(すなわち、配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列)および配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の第70番目〜第247番
目のアミノ酸配列(すなわち、配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列)は、それぞれ配列番号:1または配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有する本発明の
膜タンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列を示し、好ま
しくはリガンド結合部位を示す。
【0023】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1ま
たは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有する
タンパク質をはじめとする本発明の膜タンパク質は、C
末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボ
キシレート(−COO-)であるが、C末端がアミド(−
CONH2)またはエステル(−COOR)であっても
よい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn
−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、
例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール
基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C
1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−
ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチル基などが用いられる。本発明の膜タンパク質
がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレー
ト)を有している場合、カルボキシル基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明の膜タンパク質に
含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記し
たC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明
の膜タンパク質には、上記したタンパク質において、N
末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基など
のC1-6アシル基など)で保護されているもの、N端側
が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタ
ミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカ
ノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質な
どの複合タンパク質なども含まれる。本発明の膜タンパ
ク質の具体例としては、例えば、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列〔図1〕を含有するヒト樹状細胞由
来の膜タンパク質(以下、DC3と略記する場合があ
る)、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有
するヒト樹状細胞由来の膜タンパク質(以下、DC3'
と略記する場合がある)などが用いられる。
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1ま
たは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有する
タンパク質をはじめとする本発明の膜タンパク質は、C
末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボ
キシレート(−COO-)であるが、C末端がアミド(−
CONH2)またはエステル(−COOR)であっても
よい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn
−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、
例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール
基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C
1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−
ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチル基などが用いられる。本発明の膜タンパク質
がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレー
ト)を有している場合、カルボキシル基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明の膜タンパク質に
含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記し
たC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明
の膜タンパク質には、上記したタンパク質において、N
末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基など
のC1-6アシル基など)で保護されているもの、N端側
が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタ
ミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカ
ノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質な
どの複合タンパク質なども含まれる。本発明の膜タンパ
ク質の具体例としては、例えば、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列〔図1〕を含有するヒト樹状細胞由
来の膜タンパク質(以下、DC3と略記する場合があ
る)、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有
するヒト樹状細胞由来の膜タンパク質(以下、DC3'
と略記する場合がある)などが用いられる。
【0024】本発明の膜タンパク質の部分ペプチド(以
下、本発明の部分ペプチドと略記する場合がある)とし
ては、前記した本発明の膜タンパク質の部分ペプチドで
あれば何れのものであってもよいが、例えば、本発明の
膜タンパク質分子のうち、細胞膜の外に露出している部
位であって、好ましくは、リガンド結合能を有するもの
などが用いられる。さらに、本発明の部分ペプチドは、
可溶性であることが好ましい。具体的には、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質の部分
ペプチドとしては、親水性プロット解析〔図3〕におい
て細胞外領域(+領域;親水性(Hydrophilic)部位)
であると分析された部分を含むペプチドなどが、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質の
部分ペプチドとしては、親水性プロット解析〔図4〕に
おいて細胞外領域(+領域;親水性(Hydrophilic)部
位)であると分析された部分を含むペプチドなどが用い
られる。また、該細胞外領域に疎水性(Hydrophobic)
部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができ
る。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得る
が、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良
い。本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記した
本発明の膜タンパク質の構成アミノ酸配列のうち、少な
くとも約20個以上、好ましくは約50個以上、より好
ましくは約100個以上、さらに好ましくは約150個
以上で、約200個以下のアミノ酸配列を有するペプチ
ドなどが好ましい。具体的には、例えば、配列番号:3
または配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、好ましく
は、本発明の膜タンパク質と実質的に同質の活性を有す
るペプチドなどが好ましく、さらには可溶性であるペプ
チドが好適である。配列番号:3または配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
とは、配列番号:3または配列番号:4で表わされるア
ミノ酸配列と約40%以上、好ましくは約50%以上、
より好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80
%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義を
示す。「実質的に同質の活性」の測定は、後述するリガ
ンドの決定方法や各スクリーニング方法に従って測定す
ることができる。
下、本発明の部分ペプチドと略記する場合がある)とし
ては、前記した本発明の膜タンパク質の部分ペプチドで
あれば何れのものであってもよいが、例えば、本発明の
膜タンパク質分子のうち、細胞膜の外に露出している部
位であって、好ましくは、リガンド結合能を有するもの
などが用いられる。さらに、本発明の部分ペプチドは、
可溶性であることが好ましい。具体的には、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質の部分
ペプチドとしては、親水性プロット解析〔図3〕におい
て細胞外領域(+領域;親水性(Hydrophilic)部位)
であると分析された部分を含むペプチドなどが、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質の
部分ペプチドとしては、親水性プロット解析〔図4〕に
おいて細胞外領域(+領域;親水性(Hydrophilic)部
位)であると分析された部分を含むペプチドなどが用い
られる。また、該細胞外領域に疎水性(Hydrophobic)
部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができ
る。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得る
が、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良
い。本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記した
本発明の膜タンパク質の構成アミノ酸配列のうち、少な
くとも約20個以上、好ましくは約50個以上、より好
ましくは約100個以上、さらに好ましくは約150個
以上で、約200個以下のアミノ酸配列を有するペプチ
ドなどが好ましい。具体的には、例えば、配列番号:3
または配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、好ましく
は、本発明の膜タンパク質と実質的に同質の活性を有す
るペプチドなどが好ましく、さらには可溶性であるペプ
チドが好適である。配列番号:3または配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
とは、配列番号:3または配列番号:4で表わされるア
ミノ酸配列と約40%以上、好ましくは約50%以上、
より好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80
%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義を
示す。「実質的に同質の活性」の測定は、後述するリガ
ンドの決定方法や各スクリーニング方法に従って測定す
ることができる。
【0025】また、本発明の部分ペプチドは、上記アミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のア
ミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または
2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましく
は1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5
個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、
より好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されていてもよい。また、本発明の部
分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COO
H)またはカルボキシレート(−COO-)であるが、
前記した本発明の膜タンパク質のごとく、C末端がアミ
ド(−CONH2 )またはエステル(−COOR)であ
ってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、前記
した本発明の膜タンパク質と同様に、N末端のメチオニ
ン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端
側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログル
タミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が
結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども
含まれる。また、本発明の部分ペプチドはC末端が通常
カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート
(−COO-)であるが、前記した本発明の膜タンパク質
のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエス
テル(−COOR)であってもよい。本発明の部分ペプ
チドは抗体作成のための抗原として用いることができる
ので、必ずしもリガンド結合能、シグナル伝達作用、T
細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着分子様
活性などの活性を有する必要はない。
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のア
ミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または
2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましく
は1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5
個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、
より好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されていてもよい。また、本発明の部
分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COO
H)またはカルボキシレート(−COO-)であるが、
前記した本発明の膜タンパク質のごとく、C末端がアミ
ド(−CONH2 )またはエステル(−COOR)であ
ってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、前記
した本発明の膜タンパク質と同様に、N末端のメチオニ
ン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端
側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログル
タミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が
結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども
含まれる。また、本発明の部分ペプチドはC末端が通常
カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート
(−COO-)であるが、前記した本発明の膜タンパク質
のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエス
テル(−COOR)であってもよい。本発明の部分ペプ
チドは抗体作成のための抗原として用いることができる
ので、必ずしもリガンド結合能、シグナル伝達作用、T
細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着分子様
活性などの活性を有する必要はない。
【0026】本発明の膜タンパク質または部分ペプチド
の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。本発明の膜タンパク
質、部分ペプチド、またはそれらの塩は、前述したヒト
や哺乳動物の細胞または組織から自体公知のタンパク質
またはペプチドの精製方法に従って製造することもでき
るし、後述する本発明の膜タンパク質または部分ペプチ
ドをコードするDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによっても製造することができる。また、後述のペ
プチド合成法あるいはそれに準じる方法に従って製造す
ることもできる。これら膜タンパク質またはペプチドを
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒ
トや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、
酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグ
ラフィー、ゲル濾過、塩析、透析などを組み合わせるこ
とにより精製単離することもできる。
の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。本発明の膜タンパク
質、部分ペプチド、またはそれらの塩は、前述したヒト
や哺乳動物の細胞または組織から自体公知のタンパク質
またはペプチドの精製方法に従って製造することもでき
るし、後述する本発明の膜タンパク質または部分ペプチ
ドをコードするDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによっても製造することができる。また、後述のペ
プチド合成法あるいはそれに準じる方法に従って製造す
ることもできる。これら膜タンパク質またはペプチドを
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒ
トや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、
酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグ
ラフィー、ゲル濾過、塩析、透析などを組み合わせるこ
とにより精製単離することもできる。
【0027】本発明の膜タンパク質、部分ペプチドもし
くはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すとともに各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取
得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タン
パク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることが
できるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイ
ミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイ
ミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カル
ボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化には
ラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保
護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無
水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとして
あらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に、樹脂
に添加することができる。
くはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すとともに各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取
得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タン
パク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることが
できるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイ
ミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイ
ミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カル
ボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化には
ラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保
護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無
水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとして
あらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に、樹脂
に添加することができる。
【0028】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は、樹脂上のアミノ基に対して、通常1.5〜4倍過剰
で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結
果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうこと
なく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なう
ことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られ
ないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを
用いて未反応アミノ酸をアセチル化して、後の反応に影
響を及ぼさないようにすることができる。
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は、樹脂上のアミノ基に対して、通常1.5〜4倍過剰
で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結
果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうこと
なく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なう
ことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られ
ないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを
用いて未反応アミノ酸をアセチル化して、後の反応に影
響を及ぼさないようにすることができる。
【0029】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイ
ル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基など
が用いられる。また、エーテル化に適する基としては、
例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチ
ル基などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護
基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンの
イミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メト
キシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベン
ジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いら
れる。
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイ
ル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基など
が用いられる。また、エーテル化に適する基としては、
例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチ
ル基などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護
基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンの
イミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メト
キシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベン
ジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いら
れる。
【0030】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-炭素
などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、ま
た、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの
混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに
よる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる
還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、
一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処
理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチ
オールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効であ
る。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用い
られる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理に
より除去され、トリプトファンのインドール保護基とし
て用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-炭素
などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、ま
た、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの
混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに
よる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる
還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、
一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処
理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチ
オールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効であ
る。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用い
られる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理に
より除去され、トリプトファンのインドール保護基とし
て用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0031】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。本発明の膜タンパク質またはその
部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例え
ば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル
基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖
(タンパク質鎖)を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプ
チド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタ
ンパク質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去
したタンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記し
たような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につ
いては上記と同様である。縮合により得られた保護タン
パク質を精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質を得ることができる。この
粗タンパク質または粗ペプチドは既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質またはその部分ペプチドのアミド体を得るこ
とができる。本発明の膜タンパク質またはその部分ペプ
チドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端
アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と
縮合しアミノ酸エステルとした後、膜タンパク質のアミ
ド体と同様にして、所望の膜タンパク質またはその部分
ペプチドのエステル体を得ることができる。
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。本発明の膜タンパク質またはその
部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例え
ば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル
基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖
(タンパク質鎖)を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプ
チド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタ
ンパク質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去
したタンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記し
たような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につ
いては上記と同様である。縮合により得られた保護タン
パク質を精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質を得ることができる。この
粗タンパク質または粗ペプチドは既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質またはその部分ペプチドのアミド体を得るこ
とができる。本発明の膜タンパク質またはその部分ペプ
チドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端
アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と
縮合しアミノ酸エステルとした後、膜タンパク質のアミ
ド体と同様にして、所望の膜タンパク質またはその部分
ペプチドのエステル体を得ることができる。
【0032】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、自
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
膜タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによ
って製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによって
も良い。すなわち、目的とするペプチドを構成し得る部
分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、
生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することに
より目的のペプチドを製造することができる。公知の縮
合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜
に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて、目的のペプチドを精製単
離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊
離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩
で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって遊離体または他の塩に変換することができ
る。
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
膜タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによ
って製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによって
も良い。すなわち、目的とするペプチドを構成し得る部
分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、
生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することに
より目的のペプチドを製造することができる。公知の縮
合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜
に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて、目的のペプチドを精製単
離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊
離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩
で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって遊離体または他の塩に変換することができ
る。
【0033】本発明の膜タンパク質をコードするDNA
としては、前述した本発明の膜タンパク質をコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを
用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain R
eaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増
幅することもできる。具体的には、本発明の膜タンパク
質をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:
5で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列
番号:5で表わされる塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明
の膜タンパク質と実質的に同質の活性(例、リガンド結
合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細
胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有するタンパ
ク質をコードするDNA、配列番号:6で表わされる
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:6で表わ
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を有し、本発明の膜タンパク質
と実質的に同質の活性(例、リガンド結合能、シグナル
伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細
胞接着分子様活性など)を有するタンパク質をコードす
るDNAであれば何れのものでもよい。配列番号:5ま
たは配列番号:6で表わされる塩基配列とハイブリダイ
ズできるDNAとしては、例えば、配列番号:5または
配列番号:6で表わされる塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNAなどが用いられる。
としては、前述した本発明の膜タンパク質をコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを
用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain R
eaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増
幅することもできる。具体的には、本発明の膜タンパク
質をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:
5で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列
番号:5で表わされる塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明
の膜タンパク質と実質的に同質の活性(例、リガンド結
合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細
胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有するタンパ
ク質をコードするDNA、配列番号:6で表わされる
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:6で表わ
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を有し、本発明の膜タンパク質
と実質的に同質の活性(例、リガンド結合能、シグナル
伝達作用、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細
胞接着分子様活性など)を有するタンパク質をコードす
るDNAであれば何れのものでもよい。配列番号:5ま
たは配列番号:6で表わされる塩基配列とハイブリダイ
ズできるDNAとしては、例えば、配列番号:5または
配列番号:6で表わされる塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNAなどが用いられる。
【0034】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook
etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行なうことができる。また、市販
のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記
載の方法に従って行なうことができる。より好ましく
は、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが
できる。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナ
トリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜
20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60
〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19
mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体
的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するタンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:5で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用い
られ、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有す
るタンパク質をコードするDNAとしては、配列番号:
6で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook
etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行なうことができる。また、市販
のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記
載の方法に従って行なうことができる。より好ましく
は、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが
できる。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナ
トリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜
20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60
〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19
mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体
的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するタンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:5で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用い
られ、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有す
るタンパク質をコードするDNAとしては、配列番号:
6で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。
【0035】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT-P
CR法によって増幅することもできる。具体的には、本
発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDN
Aの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:
5で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の膜タ
ンパク質ペプチドと実質的に同質の活性(例、リガンド
結合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T
細胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有するタン
パク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDN
Aなど、配列番号:6で表わされる塩基配列を有する
DNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番
号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の
膜タンパク質ペプチドと実質的に同質の活性(例、リガ
ンド結合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示
能、T細胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有す
るタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を有す
るDNAなどが用いられる。配列番号:5または配列番
号:6で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:5または配列番号:
6で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する
DNAなどが用いられる。
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT-P
CR法によって増幅することもできる。具体的には、本
発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDN
Aの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:
5で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の膜タ
ンパク質ペプチドと実質的に同質の活性(例、リガンド
結合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示能、T
細胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有するタン
パク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDN
Aなど、配列番号:6で表わされる塩基配列を有する
DNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番
号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の
膜タンパク質ペプチドと実質的に同質の活性(例、リガ
ンド結合能、シグナル伝達作用、T細胞への抗原提示
能、T細胞の活性化、細胞接着分子様活性など)を有す
るタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を有す
るDNAなどが用いられる。配列番号:5または配列番
号:6で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:5または配列番号:
6で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する
DNAなどが用いられる。
【0036】より具体的には、配列番号:3で表わされ
るアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードするDN
Aとしては、配列番号:7で表わされる塩基配列または
それとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
する塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番
号:7で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:5で表わされる塩基
配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れる。配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有する
部分ペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:
8で表わされる塩基配列またはそれとハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するD
NAなどが用いられる。配列番号:8で表わされる塩基
配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、
配列番号:8で表わされる塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼー
ションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記
と同様のものが用いられる。
るアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードするDN
Aとしては、配列番号:7で表わされる塩基配列または
それとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
する塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番
号:7で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:5で表わされる塩基
配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れる。配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有する
部分ペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:
8で表わされる塩基配列またはそれとハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するD
NAなどが用いられる。配列番号:8で表わされる塩基
配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、
配列番号:8で表わされる塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼー
ションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記
と同様のものが用いられる。
【0037】本発明の膜タンパク質またはその部分ペプ
チド(以下、本発明の膜タンパク質等と略記する場合が
ある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段
としては、(1)本発明の膜タンパク質等の部分塩基配
列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によ
って増幅するか、または(2)適当なベクターに組み込
んだDNAと、本発明の膜タンパク質等の一部あるいは
全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを標
識したものとのハイブリダイゼーションによって選別す
ること、などが挙げられる。ハイブリダイゼーションの
方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecu
lar Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring
Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って
行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用
する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行な
うことができる。DNAの塩基配列の変換(欠失・付加
・置換)は、公知のキット、例えば、MutanTM-G(宝酒
造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを用い
て、Gapped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法
あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができ
る。クローン化された膜タンパク質等をコードするDN
Aは、目的によりそのまま、または所望により制限酵素
で消化したり、リンカーを付加したりして使用すること
ができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コ
ドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していて
もよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、
適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもで
きる。本発明の膜タンパク質等の発現ベクターは、例え
ば、(イ)本発明の膜タンパク質等をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
チド(以下、本発明の膜タンパク質等と略記する場合が
ある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段
としては、(1)本発明の膜タンパク質等の部分塩基配
列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によ
って増幅するか、または(2)適当なベクターに組み込
んだDNAと、本発明の膜タンパク質等の一部あるいは
全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを標
識したものとのハイブリダイゼーションによって選別す
ること、などが挙げられる。ハイブリダイゼーションの
方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecu
lar Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring
Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って
行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用
する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行な
うことができる。DNAの塩基配列の変換(欠失・付加
・置換)は、公知のキット、例えば、MutanTM-G(宝酒
造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを用い
て、Gapped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法
あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができ
る。クローン化された膜タンパク質等をコードするDN
Aは、目的によりそのまま、または所望により制限酵素
で消化したり、リンカーを付加したりして使用すること
ができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コ
ドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していて
もよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、
適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもで
きる。本発明の膜タンパク質等の発現ベクターは、例え
ば、(イ)本発明の膜タンパク質等をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0038】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プ
ロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げられ
る。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である
場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プ
ロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げられ
る。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である
場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。
【0039】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニー
ズハムスター細胞CHOを用いてdhfr遺伝子を選択
マーカーとして使用する場合、目的遺伝子で形質転換さ
れた細胞をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、本発明の膜タンパク質等のアミノ末端側に付加す
る。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シ
グナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明の膜タンパク質等
をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質
転換体を製造することができる。
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニー
ズハムスター細胞CHOを用いてdhfr遺伝子を選択
マーカーとして使用する場合、目的遺伝子で形質転換さ
れた細胞をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、本発明の膜タンパク質等のアミノ末端側に付加す
る。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シ
グナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明の膜タンパク質等
をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質
転換体を製造することができる。
【0040】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクレイック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン(G
ene),24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などが用
いられる。
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクレイック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン(G
ene),24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などが用
いられる。
【0041】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Viv
o),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫とし
ては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
r-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞、293細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、
Sp−2細胞などが用いられる。これらの中でも、CH
O細胞、CHO(dhfr-)細胞、293細胞などが
好ましい。
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Viv
o),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫とし
ては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
r-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞、293細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、
Sp−2細胞などが用いられる。これらの中でも、CH
O細胞、CHO(dhfr-)細胞、293細胞などが
好ましい。
【0042】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。 バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレ
キュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mo
lecular & General Genetics),168巻,111(1
979)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン
・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),19
4巻,182−187(1991)、プロシージングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記
載の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または
昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジ
ー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記載の
方法に従って行なうことができる。動物細胞を形質転換
するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プ
ロトコール.263−267(1995)(秀潤社発
行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1
973)に記載の方法に従って行なうことができる。発
現ベクターの細胞への導入方法としては、例えば、リン
酸カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb, A.
J.ヴィロロジー(Virology) 52, 456-467(1973)〕、
電気穿孔法〔Neumann, E. et al. エンボ・ジャーナル
(EMBO J.) 1,841-845(1982)〕等が挙げられる。こ
のようにして、本発明の膜タンパク質等をコードするD
NAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換
体が得られる。
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。 バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレ
キュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mo
lecular & General Genetics),168巻,111(1
979)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン
・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),19
4巻,182−187(1991)、プロシージングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記
載の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または
昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジ
ー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記載の
方法に従って行なうことができる。動物細胞を形質転換
するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プ
ロトコール.263−267(1995)(秀潤社発
行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1
973)に記載の方法に従って行なうことができる。発
現ベクターの細胞への導入方法としては、例えば、リン
酸カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb, A.
J.ヴィロロジー(Virology) 52, 456-467(1973)〕、
電気穿孔法〔Neumann, E. et al. エンボ・ジャーナル
(EMBO J.) 1,841-845(1982)〕等が挙げられる。こ
のようにして、本発明の膜タンパク質等をコードするD
NAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換
体が得られる。
【0043】なお、動物細胞を用いて、本発明の膜タン
パク質等を安定に発現させる方法としては、上記の動物
細胞に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた
細胞をクローン選択によって選択する方法がある。具体
的には、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を
選択する。さらに、このように選択マーカーを用いて得
られた動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行な
うことにより本発明の膜タンパク質等の高発現能を有す
る安定な動物細胞株を得ることができる。また、dhf
r遺伝子を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度
を徐々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、
dhfr遺伝子とともに、本発明の膜タンパク質等をコ
ードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに高発現の
動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転換体を本
発明の膜タンパク質等をコードするDNAが発現可能な
条件下で培養し、本発明の膜タンパク質等を生成、蓄積
せしめることによって、本発明の膜タンパク質等を製造
することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス
属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される
培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質
転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が
含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母抽出液、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
パク質等を安定に発現させる方法としては、上記の動物
細胞に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた
細胞をクローン選択によって選択する方法がある。具体
的には、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を
選択する。さらに、このように選択マーカーを用いて得
られた動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行な
うことにより本発明の膜タンパク質等の高発現能を有す
る安定な動物細胞株を得ることができる。また、dhf
r遺伝子を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度
を徐々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、
dhfr遺伝子とともに、本発明の膜タンパク質等をコ
ードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに高発現の
動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転換体を本
発明の膜タンパク質等をコードするDNAが発現可能な
条件下で培養し、本発明の膜タンパク質等を生成、蓄積
せしめることによって、本発明の膜タンパク質等を製造
することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス
属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される
培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質
転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が
含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母抽出液、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0044】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に
応じて通気や撹拌を加える。
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に
応じて通気や撹拌を加える。
【0045】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30〜40℃で約1
5〜70時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。特に、CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いる場合、チミジンをほと
んど含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用
いるのが好ましい。以上のようにして、形質転換体に本
発明の膜タンパク質等を生成せしめることができる。
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30〜40℃で約1
5〜70時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。特に、CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いる場合、チミジンをほと
んど含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用
いるのが好ましい。以上のようにして、形質転換体に本
発明の膜タンパク質等を生成せしめることができる。
【0046】上記培養物から本発明の膜タンパク質等を
分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうこ
とができる。本発明の膜タンパク質等を培養菌体、昆虫
あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の
方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に
懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解な
どによって、菌体、昆虫あるいは細胞を破壊したのち、
遠心分離やろ過により膜タンパク質等の粗抽出液を得る
方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グ
アニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−10
0TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中
に膜タンパク質等が分泌される場合には、培養終了後、
それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれる膜タンパク質等の精製は、
自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこ
とができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩
析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、
限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用
する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の
差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー
などの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用
いられる。かくして得られる膜タンパク質等が遊離体で
得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生する膜タンパク質等を、精製前ま
たは精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させるこ
とにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分
的に除去することもできる。タンパク質修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明の膜タ
ンパク質等またはその塩の存在または活性は、標識した
リガンドとの結合実験および特異抗体を用いたエンザイ
ムイムノアッセイなどにより測定することができる。
分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうこ
とができる。本発明の膜タンパク質等を培養菌体、昆虫
あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の
方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に
懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解な
どによって、菌体、昆虫あるいは細胞を破壊したのち、
遠心分離やろ過により膜タンパク質等の粗抽出液を得る
方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グ
アニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−10
0TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中
に膜タンパク質等が分泌される場合には、培養終了後、
それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれる膜タンパク質等の精製は、
自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこ
とができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩
析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、
限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用
する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の
差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー
などの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用
いられる。かくして得られる膜タンパク質等が遊離体で
得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生する膜タンパク質等を、精製前ま
たは精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させるこ
とにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分
的に除去することもできる。タンパク質修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明の膜タ
ンパク質等またはその塩の存在または活性は、標識した
リガンドとの結合実験および特異抗体を用いたエンザイ
ムイムノアッセイなどにより測定することができる。
【0047】本発明の膜タンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩(本発明の膜タンパク質等)に対する
抗体は、本発明の膜タンパク質等を認識し得る抗体であ
れば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れ
であってもよい。さらには、本発明の膜タンパク質等に
対する抗体は、本発明の膜タンパク質等と結合して、該
膜タンパク質等のレセプター活性を中和する活性(アン
タゴニスト様活性)を有するものであってもよく、ある
いは、本発明の膜タンパク質等と結合して、該膜タンパ
ク質等のレセプター活性を惹起する活性(アゴニスト様
活性)を有するものであってもよい。本発明の膜タンパ
ク質等に対する抗体は、本発明の膜タンパク質等を抗原
として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従
って製造することができる。
またはそれらの塩(本発明の膜タンパク質等)に対する
抗体は、本発明の膜タンパク質等を認識し得る抗体であ
れば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れ
であってもよい。さらには、本発明の膜タンパク質等に
対する抗体は、本発明の膜タンパク質等と結合して、該
膜タンパク質等のレセプター活性を中和する活性(アン
タゴニスト様活性)を有するものであってもよく、ある
いは、本発明の膜タンパク質等と結合して、該膜タンパ
ク質等のレセプター活性を惹起する活性(アゴニスト様
活性)を有するものであってもよい。本発明の膜タンパ
ク質等に対する抗体は、本発明の膜タンパク質等を抗原
として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従
って製造することができる。
【0048】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明の膜タンパク質等は、哺乳動物に対して投与によ
り抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈
剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高め
るため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイン
トアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週
毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。哺乳動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどが用いられ、マウス
およびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗
体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動
物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動
物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗
血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化膜タン
パク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した
標識剤の活性を測定することにより行なうことができ
る。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、49
5頁(1975年)〕に従い実施することができる。融
合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール
(PEG)やセンダイウィルスなどが用いられ、好まし
くはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としては、例え
ば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−aなどの
温血動物の骨髄腫細胞などが用いられるが、P3U1が
好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜2
0:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG100
0〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加
され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約
1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細
胞融合を実施できる。
り抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈
剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高め
るため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイン
トアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週
毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。哺乳動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどが用いられ、マウス
およびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗
体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動
物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動
物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗
血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化膜タン
パク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した
標識剤の活性を測定することにより行なうことができ
る。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、49
5頁(1975年)〕に従い実施することができる。融
合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール
(PEG)やセンダイウィルスなどが用いられ、好まし
くはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としては、例え
ば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−aなどの
温血動物の骨髄腫細胞などが用いられるが、P3U1が
好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜2
0:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG100
0〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加
され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約
1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細
胞融合を実施できる。
【0049】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、本発明の膜タンパク質等の抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロ
ブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで
標識した本発明の膜タンパク質等を加え、固相に結合し
たモノクローナル抗体を検出する方法などが用いられ
る。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそ
れに準じる方法に従って行なうことができるが、通常は
HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)
を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。
選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育
できるものならばどのような培地を用いても良い。例え
ば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清
を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血
清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイ
ブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製
薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通
常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1〜2週間である。
培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハ
イブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗
体価の測定と同様にして測定できる。
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、本発明の膜タンパク質等の抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロ
ブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで
標識した本発明の膜タンパク質等を加え、固相に結合し
たモノクローナル抗体を検出する方法などが用いられ
る。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそ
れに準じる方法に従って行なうことができるが、通常は
HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)
を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。
選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育
できるものならばどのような培地を用いても良い。例え
ば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清
を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血
清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイ
ブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製
薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通
常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1〜2週間である。
培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハ
イブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗
体価の測定と同様にして測定できる。
【0050】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0051】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(本発明の膜タンパク質等)自体、あるいはそれ
とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノク
ローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行な
い、該免疫動物から本発明の膜タンパク質等に対する抗
体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことによ
り製造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免
疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリア
ー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカップルさせる方法が
用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタル
アルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステ
ル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エス
テル試薬等が用いられる。縮合生成物は、哺乳動物に対
して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約
2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうこと
ができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫さ
れた哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採
取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価
の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(本発明の膜タンパク質等)自体、あるいはそれ
とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノク
ローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行な
い、該免疫動物から本発明の膜タンパク質等に対する抗
体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことによ
り製造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免
疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリア
ー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカップルさせる方法が
用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタル
アルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステ
ル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エス
テル試薬等が用いられる。縮合生成物は、哺乳動物に対
して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約
2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうこと
ができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫さ
れた哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採
取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価
の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
【0052】本発明の膜タンパク質または部分ペプチド
をコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する
場合がある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基
配列を有するアンチセンスDNAとしては、本発明のD
NAに相補的、または実質的に相補的な塩基配列を有
し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであ
れば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。本
発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列としては、例
えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、
本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩
基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。特に、本
発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明の膜タ
ンパク質またはその部分ペプチドのN末端部位をコード
する部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配
列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適
である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA
合成装置などを用いて製造することができる。
をコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する
場合がある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基
配列を有するアンチセンスDNAとしては、本発明のD
NAに相補的、または実質的に相補的な塩基配列を有
し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであ
れば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。本
発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列としては、例
えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、
本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩
基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。特に、本
発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明の膜タ
ンパク質またはその部分ペプチドのN末端部位をコード
する部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配
列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適
である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA
合成装置などを用いて製造することができる。
【0053】本発明の膜タンパク質は、その構造上の特
徴からはC−タイプレクチンファミリーに属する。本発
明の膜タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
は、例えば、レセプター活性、シグナル情報伝達作用、
T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着分子
様活性などの活性を有している。本発明の膜タンパク質
等またはそれをコードするDNAは、本発明の膜タン
パク質に対するリガンドの決定、抗体および抗血清の
調製、組換え型膜タンパク質の発現系の構築、同発
現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品
候補化合物のスクリーニング、構造的に類似したリガ
ンド・レセプターとの比較にもとづいたドラッグデザイ
ンの実施、遺伝子診断におけるプローブやPCRプラ
イマーの作成、トランスジェニック動物の作製および
遺伝子予防・治療剤などに用いることができる。特
に、本発明の組換え型膜タンパク質の発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系を用いることによって、ヒトや
哺乳動物に特異的なレセプターに対するリガンドの結合
性を変化させる化合物(例、アゴニスト、アンタゴニス
トなど)をスクリーニングすることができ、該アゴニス
トまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療剤など
として使用することができる。さらには、本発明の組換
え型膜タンパク質の発現系を用いることによって、本発
明の膜タンパク質のT細胞活性化作用を促進または阻害
する化合物をスクリーニングすることができる。本発明
の膜タンパク質等、本発明のDNAおよび本発明の膜タ
ンパク質等に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記す
る場合がある)の用途について、以下に具体的に説明す
る。
徴からはC−タイプレクチンファミリーに属する。本発
明の膜タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
は、例えば、レセプター活性、シグナル情報伝達作用、
T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞接着分子
様活性などの活性を有している。本発明の膜タンパク質
等またはそれをコードするDNAは、本発明の膜タン
パク質に対するリガンドの決定、抗体および抗血清の
調製、組換え型膜タンパク質の発現系の構築、同発
現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品
候補化合物のスクリーニング、構造的に類似したリガ
ンド・レセプターとの比較にもとづいたドラッグデザイ
ンの実施、遺伝子診断におけるプローブやPCRプラ
イマーの作成、トランスジェニック動物の作製および
遺伝子予防・治療剤などに用いることができる。特
に、本発明の組換え型膜タンパク質の発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系を用いることによって、ヒトや
哺乳動物に特異的なレセプターに対するリガンドの結合
性を変化させる化合物(例、アゴニスト、アンタゴニス
トなど)をスクリーニングすることができ、該アゴニス
トまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療剤など
として使用することができる。さらには、本発明の組換
え型膜タンパク質の発現系を用いることによって、本発
明の膜タンパク質のT細胞活性化作用を促進または阻害
する化合物をスクリーニングすることができる。本発明
の膜タンパク質等、本発明のDNAおよび本発明の膜タ
ンパク質等に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記す
る場合がある)の用途について、以下に具体的に説明す
る。
【0054】(1)本発明の膜タンパク質に対するリガ
ンドの決定方法 本発明の膜タンパク質等は、本発明の膜タンパク質に対
するリガンド(アゴニスト)を決定または探索するため
の試薬として有用である。すなわち、本発明は、本発明
の膜タンパク質等と試験化合物とを接触させることを特
徴とする本発明の膜タンパク質に対するリガンドの決定
方法を提供する。具体的には、本発明のリガンド決定方
法は、本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換
え型膜タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用い
たレセプター結合アッセイ系を用いることによって、本
発明の膜タンパク質に結合して、細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP
生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、
細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性)を有する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)また
はその塩を決定する方法である。本発明のリガンド決定
方法においては、本発明の膜タンパク質等と試験化合物
とを接触させた場合の、例えば、該膜タンパク質等に対
する試験化合物の結合量や、該膜タンパク質等を含有す
る細胞に対する細胞刺激活性などを測定することを特徴
とする。
ンドの決定方法 本発明の膜タンパク質等は、本発明の膜タンパク質に対
するリガンド(アゴニスト)を決定または探索するため
の試薬として有用である。すなわち、本発明は、本発明
の膜タンパク質等と試験化合物とを接触させることを特
徴とする本発明の膜タンパク質に対するリガンドの決定
方法を提供する。具体的には、本発明のリガンド決定方
法は、本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換
え型膜タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用い
たレセプター結合アッセイ系を用いることによって、本
発明の膜タンパク質に結合して、細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP
生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、
細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性)を有する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)また
はその塩を決定する方法である。本発明のリガンド決定
方法においては、本発明の膜タンパク質等と試験化合物
とを接触させた場合の、例えば、該膜タンパク質等に対
する試験化合物の結合量や、該膜タンパク質等を含有す
る細胞に対する細胞刺激活性などを測定することを特徴
とする。
【0055】より具体的には、本発明は、 標識した試験化合物を、本発明の膜タンパク質等に接
触させた場合における、標識した試験化合物の該膜タン
パク質等に対する結合量を測定することを特徴とする本
発明の膜タンパク質またはその塩に対するリガンドの決
定方法、 標識した試験化合物を、本発明の膜タンパク質等を含
有する細胞またはその膜画分に接触させた場合におけ
る、標識した試験化合物の該細胞またはその膜画分に対
する結合量を測定することを特徴とする本発明の膜タン
パク質またはその塩に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、本発明の膜タンパク質をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
って細胞膜上に発現した膜タンパク質に接触させた場合
における、標識した試験化合物の該膜タンパク質または
その塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発
明の膜タンパク質に対するリガンドの決定方法、 試験化合物を、本発明の膜タンパク質を含有する細胞
に接触させた場合における、膜タンパク質を介した細胞
刺激活性(例えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活
性化、細胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を測定することを特徴とす
る本発明の膜タンパク質またはその塩に対するリガンド
の決定方法、および 試験化合物を、本発明の膜タンパク質をコードするD
NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現した膜タンパク質に接触させた場合におけ
る、膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例えば、T細
胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖刺激活
性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜
電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を測定することを特徴とする本発明の膜タンパク
質またはその塩に対するリガンドの決定方法を提供す
る。 特に、上記〜の試験を行ない、試験化合物が本発明
の膜タンパク質に結合することを確認した後に、上記
〜の試験を行なうことが好ましい。
触させた場合における、標識した試験化合物の該膜タン
パク質等に対する結合量を測定することを特徴とする本
発明の膜タンパク質またはその塩に対するリガンドの決
定方法、 標識した試験化合物を、本発明の膜タンパク質等を含
有する細胞またはその膜画分に接触させた場合におけ
る、標識した試験化合物の該細胞またはその膜画分に対
する結合量を測定することを特徴とする本発明の膜タン
パク質またはその塩に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、本発明の膜タンパク質をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
って細胞膜上に発現した膜タンパク質に接触させた場合
における、標識した試験化合物の該膜タンパク質または
その塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発
明の膜タンパク質に対するリガンドの決定方法、 試験化合物を、本発明の膜タンパク質を含有する細胞
に接触させた場合における、膜タンパク質を介した細胞
刺激活性(例えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活
性化、細胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を測定することを特徴とす
る本発明の膜タンパク質またはその塩に対するリガンド
の決定方法、および 試験化合物を、本発明の膜タンパク質をコードするD
NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現した膜タンパク質に接触させた場合におけ
る、膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例えば、T細
胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖刺激活
性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜
電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を測定することを特徴とする本発明の膜タンパク
質またはその塩に対するリガンドの決定方法を提供す
る。 特に、上記〜の試験を行ない、試験化合物が本発明
の膜タンパク質に結合することを確認した後に、上記
〜の試験を行なうことが好ましい。
【0056】まず、リガンド決定方法に用いる膜タンパ
ク質標品としては、前記した本発明の膜タンパク質等ま
たは本発明の膜タンパク質等を含有する細胞(例、樹状
細胞など)であれば何れのものであってもよいが、動物
細胞を用いて大量発現させた膜タンパク質が適してい
る。本発明の膜タンパク質等を製造するには、前述の発
現方法が用いられるが、該膜タンパク質をコードするD
NAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行
なうことが好ましい。目的とする膜タンパク質部分をコ
ードするDNA断片には、通常、cDNAが用いられる
が、必ずしもこれに制約されるものではない。例えば、
遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。本発明の膜タ
ンパク質等をコードするDNA断片を宿主動物細胞に導
入し、それらを効率よく発現させるためには、該DNA
断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルスに属する核多
角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis virus;NP
V)のポリヘドリンプロモーター、SV40由来のプロ
モーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオ
ネインプロモーター、ヒトヒートショックプロモータ
ー、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモ
ーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現したレ
セプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行うこ
とができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol.
Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法
に従って行なうことができる。
ク質標品としては、前記した本発明の膜タンパク質等ま
たは本発明の膜タンパク質等を含有する細胞(例、樹状
細胞など)であれば何れのものであってもよいが、動物
細胞を用いて大量発現させた膜タンパク質が適してい
る。本発明の膜タンパク質等を製造するには、前述の発
現方法が用いられるが、該膜タンパク質をコードするD
NAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行
なうことが好ましい。目的とする膜タンパク質部分をコ
ードするDNA断片には、通常、cDNAが用いられる
が、必ずしもこれに制約されるものではない。例えば、
遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。本発明の膜タ
ンパク質等をコードするDNA断片を宿主動物細胞に導
入し、それらを効率よく発現させるためには、該DNA
断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルスに属する核多
角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis virus;NP
V)のポリヘドリンプロモーター、SV40由来のプロ
モーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオ
ネインプロモーター、ヒトヒートショックプロモータ
ー、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモ
ーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現したレ
セプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行うこ
とができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol.
Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法
に従って行なうことができる。
【0057】したがって、本発明のリガンド決定方法に
用いる本発明の膜タンパク質等としては、それ自体公知
の方法に従って精製した膜タンパク質等であってもよい
し、該膜タンパク質等を含有する細胞またはその膜画分
を用いてもよい。本発明のリガンド決定方法において、
本発明の膜タンパク質等を含有する細胞を用いる場合、
該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化
してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って
行なうことができる。本発明の膜タンパク質等を含有す
る細胞としては、本発明の膜タンパク質等を発現した宿
主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草
菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが用いられる。細胞
膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現した膜タンパク質等と
細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含ま
れる。該膜タンパク質等を含有する細胞やその膜画分中
の膜タンパク質等の量は、1細胞当たり103〜108分
子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好
適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガ
ンド結合能(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニ
ング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで
大量の試料を測定できるようになる。
用いる本発明の膜タンパク質等としては、それ自体公知
の方法に従って精製した膜タンパク質等であってもよい
し、該膜タンパク質等を含有する細胞またはその膜画分
を用いてもよい。本発明のリガンド決定方法において、
本発明の膜タンパク質等を含有する細胞を用いる場合、
該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化
してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って
行なうことができる。本発明の膜タンパク質等を含有す
る細胞としては、本発明の膜タンパク質等を発現した宿
主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草
菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが用いられる。細胞
膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現した膜タンパク質等と
細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含ま
れる。該膜タンパク質等を含有する細胞やその膜画分中
の膜タンパク質等の量は、1細胞当たり103〜108分
子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好
適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガ
ンド結合能(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニ
ング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで
大量の試料を測定できるようになる。
【0058】本発明の膜タンパク質に対するリガンドを
決定する前記の〜の方法を実施するためには、適当
な膜タンパク質画分と、標識した試験化合物が必要であ
る。膜タンパク質画分としては、天然型の膜タンパク質
画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レセ
プター画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、
同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5
〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)のリガンド
結合能、シグナル伝達作用などを示す。試験化合物とし
ては、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、マウス、
ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽出
物、細胞培養上清、血漿などが用いられる。例えば、該
組織抽出物、細胞培養上清、血漿などを本発明の膜タン
パク質等またはそれを含有する細胞に添加し、リガンド
結合能、細胞刺激活性などを測定しながら分画し、最終
的に単一のリガンドを得ることができる。試験化合物の
標識には、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どの放射性物質が用いられる。
決定する前記の〜の方法を実施するためには、適当
な膜タンパク質画分と、標識した試験化合物が必要であ
る。膜タンパク質画分としては、天然型の膜タンパク質
画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レセ
プター画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、
同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5
〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)のリガンド
結合能、シグナル伝達作用などを示す。試験化合物とし
ては、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、マウス、
ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽出
物、細胞培養上清、血漿などが用いられる。例えば、該
組織抽出物、細胞培養上清、血漿などを本発明の膜タン
パク質等またはそれを含有する細胞に添加し、リガンド
結合能、細胞刺激活性などを測定しながら分画し、最終
的に単一のリガンドを得ることができる。試験化合物の
標識には、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どの放射性物質が用いられる。
【0059】具体的には、本発明の膜タンパク質または
その塩に対するリガンドの決定方法〜を行なうに
は、例えば、本発明の膜タンパク質等を含有する細胞ま
たはその膜画分を、決定方法に適したバッファーに懸濁
することによりレセプター標品を調製する。バッファー
には、pH約4〜10(望ましくはpH約6〜8)のリ
ン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガン
ドと本発明の膜タンパク質等との結合を阻害しないバッ
ファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を
低減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレー
トなどの界面活性剤やウシ血清アルブミンやゼラチンな
どの各種蛋白質をバッファーに加えることもできる。さ
らに、プロテアーゼによる本発明の膜タンパク質やリガ
ンドの分解を抑える目的で、PMSF、ロイペプチン、
E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプ
ロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。そして、
0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量
(5000cpm〜500000cpm)の〔3H〕、
〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応チューブ
も用意する。反応は、約0〜50℃、望ましくは約4〜
37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜
3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適
量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存
する放射活性を液体シンチレーションカウンターあるい
はγ−カウンターで計測する。全結合量(B)から非特
異的結合量(NSB)を引いたカウント(B−NSB)
が0cpmを越える試験化合物を本発明の膜タンパク質
またはその塩に対するリガンド(アゴニスト)として選
択することができる。
その塩に対するリガンドの決定方法〜を行なうに
は、例えば、本発明の膜タンパク質等を含有する細胞ま
たはその膜画分を、決定方法に適したバッファーに懸濁
することによりレセプター標品を調製する。バッファー
には、pH約4〜10(望ましくはpH約6〜8)のリ
ン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガン
ドと本発明の膜タンパク質等との結合を阻害しないバッ
ファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を
低減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレー
トなどの界面活性剤やウシ血清アルブミンやゼラチンな
どの各種蛋白質をバッファーに加えることもできる。さ
らに、プロテアーゼによる本発明の膜タンパク質やリガ
ンドの分解を抑える目的で、PMSF、ロイペプチン、
E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプ
ロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。そして、
0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量
(5000cpm〜500000cpm)の〔3H〕、
〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応チューブ
も用意する。反応は、約0〜50℃、望ましくは約4〜
37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜
3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適
量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存
する放射活性を液体シンチレーションカウンターあるい
はγ−カウンターで計測する。全結合量(B)から非特
異的結合量(NSB)を引いたカウント(B−NSB)
が0cpmを越える試験化合物を本発明の膜タンパク質
またはその塩に対するリガンド(アゴニスト)として選
択することができる。
【0060】本発明の膜タンパク質またはその塩に対す
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、該膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP
生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、
細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos
の活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制す
る活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを
用いて測定することができる。具体的には、まず、本発
明の膜タンパク質等を含有する細胞をマルチウェルプレ
ート等に培養する。リガンド決定を行なうにあたっては
前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当
なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定
時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液
を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定
量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラ
キドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によ
って検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添
加してアッセイを行なってもよい。また、T細胞活性化
作用は、例えば、本発明の膜タンパク質発現細胞とT細
胞(株化細胞であってもよい)を混合培養し、両者の結
合やサイトカイン(例、IL−2など)産生誘導活性な
どを自体公知の方法に従って測定することによって、測
定することができる。IL−2産生誘導活性は、IL−
2産生量を指標にして測定することができる。IL−2
産生量の測定としては、例えば、抗IL−2抗体を用い
るEIA法、IL−2依存性細胞の増殖を調べるバイオ
アッセイ法などが知られている。種々の試験化合物が混
在する場合には、それが細胞に作用する場合があるの
で、EIA法での定量が好ましい。EIA法によるIL
−2の定量には「免疫実験操作II、819頁、南江堂」に
記載されている公知の方法を用いることもできるし、市
販のEIA法を用いたIL−2測定キットを利用するこ
ともできる。
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、該膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP
生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、
細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos
の活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制す
る活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを
用いて測定することができる。具体的には、まず、本発
明の膜タンパク質等を含有する細胞をマルチウェルプレ
ート等に培養する。リガンド決定を行なうにあたっては
前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当
なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定
時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液
を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定
量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラ
キドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によ
って検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添
加してアッセイを行なってもよい。また、T細胞活性化
作用は、例えば、本発明の膜タンパク質発現細胞とT細
胞(株化細胞であってもよい)を混合培養し、両者の結
合やサイトカイン(例、IL−2など)産生誘導活性な
どを自体公知の方法に従って測定することによって、測
定することができる。IL−2産生誘導活性は、IL−
2産生量を指標にして測定することができる。IL−2
産生量の測定としては、例えば、抗IL−2抗体を用い
るEIA法、IL−2依存性細胞の増殖を調べるバイオ
アッセイ法などが知られている。種々の試験化合物が混
在する場合には、それが細胞に作用する場合があるの
で、EIA法での定量が好ましい。EIA法によるIL
−2の定量には「免疫実験操作II、819頁、南江堂」に
記載されている公知の方法を用いることもできるし、市
販のEIA法を用いたIL−2測定キットを利用するこ
ともできる。
【0061】本発明の膜タンパク質に対するリガンドを
決定するためのキットとしては、本発明の膜タンパク質
等、本発明の膜タンパク質等を含有する細胞またはその
膜画分などを含有するものが用いられる。本発明のリガ
ンド決定用キットの例としては、次のものが挙げられ
る。 1.リガンド決定用試薬 (i)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 (ii)膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 (iii)標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難
溶性を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミ
ド、DMSO、メタノール等に溶解する。 (iv)非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
決定するためのキットとしては、本発明の膜タンパク質
等、本発明の膜タンパク質等を含有する細胞またはその
膜画分などを含有するものが用いられる。本発明のリガ
ンド決定用キットの例としては、次のものが挙げられ
る。 1.リガンド決定用試薬 (i)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 (ii)膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 (iii)標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難
溶性を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミ
ド、DMSO、メタノール等に溶解する。 (iv)非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
【0062】2.測定法 (i)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の膜
タンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2
回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 (ii)標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには、さらに非標識
試験化合物を5μl加えておく。 (iii)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗
浄する。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N N
aOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレー
ターA(和光純薬製)と混合する。 (iv)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定する。 (v)非標識試験化合物を添加した時の放射活性が減少し
た場合、該試験化合物をリガンド候補化合物として選択
することができる。 (vi)さらに、本発明の膜タンパク質に対する該試験化合
物の親和性等の特異性を調べるなどして、リガンド候補
化合物であるかどうかを確認する。 (vii)このリガンド候補化合物を用いて、前記した〜
のスクリーニング方法を実施し、細胞刺激活性を有す
るものをリガンド(アゴニスト)として選択することが
できる。 該決定方法で得られたリガンドは塩を形成していてもよ
く、該リガンドの塩としては、とりわけ生理学的に許容
される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられ
る。
タンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2
回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 (ii)標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには、さらに非標識
試験化合物を5μl加えておく。 (iii)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗
浄する。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N N
aOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレー
ターA(和光純薬製)と混合する。 (iv)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定する。 (v)非標識試験化合物を添加した時の放射活性が減少し
た場合、該試験化合物をリガンド候補化合物として選択
することができる。 (vi)さらに、本発明の膜タンパク質に対する該試験化合
物の親和性等の特異性を調べるなどして、リガンド候補
化合物であるかどうかを確認する。 (vii)このリガンド候補化合物を用いて、前記した〜
のスクリーニング方法を実施し、細胞刺激活性を有す
るものをリガンド(アゴニスト)として選択することが
できる。 該決定方法で得られたリガンドは塩を形成していてもよ
く、該リガンドの塩としては、とりわけ生理学的に許容
される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられ
る。
【0063】(2)本発明の膜タンパク質の欠乏症の治
療・予防剤 本発明の膜タンパク質またはその部分ペプチドをコード
するDNA(本発明のDNA)は、本発明の膜タンパク
質の欠乏症の治療・予防剤などの医薬として使用するこ
とができる。例えば、生体内において本発明の膜タンパ
ク質が減少しているためにリガンドの生理作用が期待で
きない患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患
者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対
象となる細胞に本発明のDNAを挿入し発現させた後
に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者
の体内における膜タンパク質の量を増加させ、リガンド
の作用を充分に発揮させることができる。したがって、
本発明のDNAは、安全で低毒性であり、本発明の膜タ
ンパク質欠乏症、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵
巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫
瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非
小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの治療・予防剤
などの医薬として有用である。
療・予防剤 本発明の膜タンパク質またはその部分ペプチドをコード
するDNA(本発明のDNA)は、本発明の膜タンパク
質の欠乏症の治療・予防剤などの医薬として使用するこ
とができる。例えば、生体内において本発明の膜タンパ
ク質が減少しているためにリガンドの生理作用が期待で
きない患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患
者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対
象となる細胞に本発明のDNAを挿入し発現させた後
に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者
の体内における膜タンパク質の量を増加させ、リガンド
の作用を充分に発揮させることができる。したがって、
本発明のDNAは、安全で低毒性であり、本発明の膜タ
ンパク質欠乏症、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵
巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫
瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非
小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの治療・予防剤
などの医薬として有用である。
【0064】本発明のDNAを上記した疾患の治療・予
防剤として使用する場合は、本発明のDNAを単独ある
いはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
ヒトまたは温血動物に投与することができる。本発明の
DNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助
剤などの生理学的に認められる担体とともに、遺伝子銃
やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって
投与できる。本発明のDNAを含有するベクターは、例
えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、
あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液と
の無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経
口的に使用できる。例えば、本発明のDNAを含有する
ベクターを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形
剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一
般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混
和することによって製造することができる。これら製剤
における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得
られるようにするものである。
防剤として使用する場合は、本発明のDNAを単独ある
いはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
ヒトまたは温血動物に投与することができる。本発明の
DNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助
剤などの生理学的に認められる担体とともに、遺伝子銃
やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって
投与できる。本発明のDNAを含有するベクターは、例
えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、
あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液と
の無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経
口的に使用できる。例えば、本発明のDNAを含有する
ベクターを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形
剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一
般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混
和することによって製造することができる。これら製剤
における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得
られるようにするものである。
【0065】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。また、上記の治療・予防剤に
は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存
剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、
酸化防止剤などを配合してもよい。調製された注射液な
どの医薬組成物は、通常、適当なアンプルに充填され
る。
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。また、上記の治療・予防剤に
は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存
剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、
酸化防止剤などを配合してもよい。調製された注射液な
どの医薬組成物は、通常、適当なアンプルに充填され
る。
【0066】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。本発明のDNAの
投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより
差異はあるが、例えば、癌治療の目的で本発明のDNA
を経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)
においては、一日につき該DNAを約0.1mg〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該DNAの1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、癌治療の目的で本発明の
DNAを注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投
与する場合は、一日につき該DNAを約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。本発明のDNAの
投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより
差異はあるが、例えば、癌治療の目的で本発明のDNA
を経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)
においては、一日につき該DNAを約0.1mg〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該DNAの1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、癌治療の目的で本発明の
DNAを注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投
与する場合は、一日につき該DNAを約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0067】(3)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)における本
発明の膜タンパク質等をコードするDNAまたはmRN
Aの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、
例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異ある
いは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるい
は発現過多などを検出するための遺伝子診断剤として有
用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings ofth
e Natinal Academy of Sciences of the United States
of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより本発明の膜
タンパク質等をコードするmRNAの発現低下が検出さ
れた場合は、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣
癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、
膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細
胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの疾患である、
または将来罹患する可能性が高いと診断することができ
る。
り、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)における本
発明の膜タンパク質等をコードするDNAまたはmRN
Aの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、
例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異ある
いは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるい
は発現過多などを検出するための遺伝子診断剤として有
用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings ofth
e Natinal Academy of Sciences of the United States
of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより本発明の膜
タンパク質等をコードするmRNAの発現低下が検出さ
れた場合は、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣
癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、
膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細
胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイズ、感染症
(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイルス感染
症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒトパピロー
マウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、インフ
ルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症など)、急性バ
クテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候
群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性
白血病、インシュリン依存性糖尿病(I型)、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、消化性潰
瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの疾患である、
または将来罹患する可能性が高いと診断することができ
る。
【0068】一方、ハイブリダイゼーションにより該m
RNAの発現過多が検出された場合は、例えば、アレル
ギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患で
ある、または将来罹患する可能性が高いと診断すること
ができる。また、PCR−SSCP法によりDNAの突
然変異が検出された場合は、例えば、癌(例、乳癌、前
立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う
癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸
癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核、アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患で
ある、または将来罹患する可能性が高いと診断すること
ができる。
RNAの発現過多が検出された場合は、例えば、アレル
ギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患で
ある、または将来罹患する可能性が高いと診断すること
ができる。また、PCR−SSCP法によりDNAの突
然変異が検出された場合は、例えば、癌(例、乳癌、前
立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う
癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸
癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核、アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患で
ある、または将来罹患する可能性が高いと診断すること
ができる。
【0069】(4)本発明の膜タンパク質に対するリガ
ンドの定量法 本発明の膜タンパク質等は、リガンドに対して結合性を
有しているので、生体内におけるリガンド濃度を感度良
く定量することができる。本発明の定量法は、例えば、
競合法と組み合わせることによって用いることができ
る。すなわち、被検体を本発明の膜タンパク質等と接触
させることによって被検体中のリガンド濃度を測定する
ことができる。具体的には、例えば、以下のまたは
などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用
いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
ンドの定量法 本発明の膜タンパク質等は、リガンドに対して結合性を
有しているので、生体内におけるリガンド濃度を感度良
く定量することができる。本発明の定量法は、例えば、
競合法と組み合わせることによって用いることができ
る。すなわち、被検体を本発明の膜タンパク質等と接触
させることによって被検体中のリガンド濃度を測定する
ことができる。具体的には、例えば、以下のまたは
などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用
いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0070】(5)本発明の膜タンパク質とリガンドと
の結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法 本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換え型膜
タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系を用いることによって、リガンド
と本発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物
(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくス
クリーニングすることができる。このような化合物に
は、(イ)本発明の膜タンパク質を介して細胞刺激活性
(例えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細
胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明
の膜タンパク質に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺
激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の膜タンパ
ク質に対するアンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本発
明の膜タンパク質との結合力を増強する化合物、あるい
は(ニ)リガンドと本発明の膜タンパク質との結合力を
減少させる化合物などが含まれる(なお、上記(イ)の
化合物は、前記したリガンド決定方法によってスクリー
ニングすることが好ましい)。すなわち、本発明は、
(i)本発明の膜タンパク質等とリガンドとを接触させ
た場合と(ii)本発明の膜タンパク質等とリガンドおよ
び試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうこと
を特徴とするリガンドと本発明の膜タンパク質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。本発明のスクリーニング方法において
は、(i)と(ii)の場合における、例えば、本発明の
膜タンパク質等に対するリガンドの結合量、本発明の膜
タンパク質等を含有する細胞に対する細胞刺激活性など
を測定して、比較することを特徴とする。
の結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法 本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換え型膜
タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系を用いることによって、リガンド
と本発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物
(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくス
クリーニングすることができる。このような化合物に
は、(イ)本発明の膜タンパク質を介して細胞刺激活性
(例えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細
胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明
の膜タンパク質に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺
激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の膜タンパ
ク質に対するアンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本発
明の膜タンパク質との結合力を増強する化合物、あるい
は(ニ)リガンドと本発明の膜タンパク質との結合力を
減少させる化合物などが含まれる(なお、上記(イ)の
化合物は、前記したリガンド決定方法によってスクリー
ニングすることが好ましい)。すなわち、本発明は、
(i)本発明の膜タンパク質等とリガンドとを接触させ
た場合と(ii)本発明の膜タンパク質等とリガンドおよ
び試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうこと
を特徴とするリガンドと本発明の膜タンパク質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。本発明のスクリーニング方法において
は、(i)と(ii)の場合における、例えば、本発明の
膜タンパク質等に対するリガンドの結合量、本発明の膜
タンパク質等を含有する細胞に対する細胞刺激活性など
を測定して、比較することを特徴とする。
【0071】より具体的には、本発明は、 (i)標識したリガンドを、本発明の膜タンパク質等
に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試
験化合物を本発明の膜タンパク質等に接触させた場合に
おける、標識したリガンドの該膜タンパク質等に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと
本発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、 (i)標識したリガンドを、本発明の膜タンパク質等
を含有する細胞またはその膜画分に接触させた場合と、
(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を本発明の膜
タンパク質等を含有する細胞またはその膜画分に接触さ
せた場合における、標識したリガンドの該細胞またはそ
の膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴
とするリガンドと本発明の膜タンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (i)標識したリガンドを、本発明のDNAを含有す
る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現し
た膜タンパク質等に接触させた場合と、(ii)標識した
リガンドおよび試験化合物を本発明のDNAを含有する
形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した
本発明の膜タンパク質等に接触させた場合における、標
識したリガンドの該膜タンパク質等に対する結合量を測
定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の膜
タンパク質との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング方法、
に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試
験化合物を本発明の膜タンパク質等に接触させた場合に
おける、標識したリガンドの該膜タンパク質等に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと
本発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、 (i)標識したリガンドを、本発明の膜タンパク質等
を含有する細胞またはその膜画分に接触させた場合と、
(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を本発明の膜
タンパク質等を含有する細胞またはその膜画分に接触さ
せた場合における、標識したリガンドの該細胞またはそ
の膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴
とするリガンドと本発明の膜タンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (i)標識したリガンドを、本発明のDNAを含有す
る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現し
た膜タンパク質等に接触させた場合と、(ii)標識した
リガンドおよび試験化合物を本発明のDNAを含有する
形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した
本発明の膜タンパク質等に接触させた場合における、標
識したリガンドの該膜タンパク質等に対する結合量を測
定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の膜
タンパク質との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング方法、
【0072】(i)本発明の膜タンパク質等を活性化
する物質(例えば、本発明の膜タンパク質等に対するリ
ガンドなど)を本発明の膜タンパク質等を含有する細胞
に接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等を
活性化する物質および試験化合物を本発明の膜タンパク
質等を含有する細胞に接触させた場合における、本発明
の膜タンパク質を介した細胞刺激活性(例えば、T細胞
への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖刺激活性、
抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、アセチルコリ
ン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞
内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、
pHの低下などを促進する活性または抑制する活性な
ど)を測定し、比較することを特徴とするリガンドと本
発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング方法、および (i)本発明の膜タンパク質等を活性化する物質(例
えば、本発明の膜タンパク質等に対するリガンドなど)
を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した本発明の膜タンパク質等に
接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等を活
性化する物質および試験化合物を本発明のDNAを含有
する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現
した本発明の膜タンパク質等に接触させた場合におけ
る、本発明の膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下などを促進する活性または抑制する活性など)を測定
し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法を提供する。
する物質(例えば、本発明の膜タンパク質等に対するリ
ガンドなど)を本発明の膜タンパク質等を含有する細胞
に接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等を
活性化する物質および試験化合物を本発明の膜タンパク
質等を含有する細胞に接触させた場合における、本発明
の膜タンパク質を介した細胞刺激活性(例えば、T細胞
への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖刺激活性、
抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、アセチルコリ
ン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞
内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、
pHの低下などを促進する活性または抑制する活性な
ど)を測定し、比較することを特徴とするリガンドと本
発明の膜タンパク質との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング方法、および (i)本発明の膜タンパク質等を活性化する物質(例
えば、本発明の膜タンパク質等に対するリガンドなど)
を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した本発明の膜タンパク質等に
接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等を活
性化する物質および試験化合物を本発明のDNAを含有
する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現
した本発明の膜タンパク質等に接触させた場合におけ
る、本発明の膜タンパク質を介する細胞刺激活性(例え
ば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増殖
刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下などを促進する活性または抑制する活性など)を測定
し、比較することを特徴とするリガンドと本発明の膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法を提供する。
【0073】特に、本発明のヒト由来膜タンパク質等が
得られる以前は、アゴニストまたはアンタゴニストをス
クリーニングする場合、まずラットなどの膜タンパク質
を含む細胞、組織またはその細胞膜画分を用いて候補化
合物を得て(一次スクリーニング)、その後に該候補化
合物が実際にヒトの膜タンパク質とリガンドとの結合を
阻害するか否かを確認する試験(二次スクリーニング)
が必要であった。細胞、組織または細胞膜画分をそのま
ま用いれば他の膜タンパク質も混在するために、目的と
する膜タンパク質に対するアゴニストまたはアンタゴニ
ストを実際にスクリーニングすることは困難であった。
しかしながら、例えば、本発明のヒト由来膜タンパク質
を用いることによって、一次スクリーニングの必要がな
くなり、リガンドと膜タンパク質との結合を阻害する化
合物を効率良くスクリーニングすることができる。さら
に、スクリーニングされた化合物がアゴニストかアンタ
ゴニストかを簡便に評価することができる。
得られる以前は、アゴニストまたはアンタゴニストをス
クリーニングする場合、まずラットなどの膜タンパク質
を含む細胞、組織またはその細胞膜画分を用いて候補化
合物を得て(一次スクリーニング)、その後に該候補化
合物が実際にヒトの膜タンパク質とリガンドとの結合を
阻害するか否かを確認する試験(二次スクリーニング)
が必要であった。細胞、組織または細胞膜画分をそのま
ま用いれば他の膜タンパク質も混在するために、目的と
する膜タンパク質に対するアゴニストまたはアンタゴニ
ストを実際にスクリーニングすることは困難であった。
しかしながら、例えば、本発明のヒト由来膜タンパク質
を用いることによって、一次スクリーニングの必要がな
くなり、リガンドと膜タンパク質との結合を阻害する化
合物を効率良くスクリーニングすることができる。さら
に、スクリーニングされた化合物がアゴニストかアンタ
ゴニストかを簡便に評価することができる。
【0074】本発明のスクリーニング方法に用いる本発
明の膜タンパク質標品としては、前記した本発明の膜タ
ンパク質等またはそれを含有する細胞であれば何れのも
のであってもよいが、本発明の膜タンパク質等を含有す
る哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。しかし、
ヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリ
ーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて
大量発現させたヒト由来の膜タンパク質等などが適して
いる。本発明の膜タンパク質等を製造するには、前述の
方法が用いられるが、本発明のDNAを哺乳細胞や昆虫
細胞で発現することにより行なうことが好ましい。目的
とする蛋白質部分をコードするDNA断片にはcDNA
が用いられるが、必ずしもこれに制約されるものではな
い。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。
本発明の膜タンパク質等をコードするDNA断片を宿主
動物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるために
は、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルス
に属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis v
irus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40
由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、
メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプ
ロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プロモー
ター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むのが好
ましい。発現した膜タンパク質の量と質の検査はそれ自
体公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Namb
i,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19559頁,
1992年〕に記載の方法に従って行なうことができる。し
たがって、本発明のスクリーニング方法に用いる本発明
の膜タンパク質標品としては、それ自体公知の方法に従
って精製した膜タンパク質等であってもよいし、該膜タ
ンパク質等を含有する細胞を用いてもよく、また該膜タ
ンパク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
明の膜タンパク質標品としては、前記した本発明の膜タ
ンパク質等またはそれを含有する細胞であれば何れのも
のであってもよいが、本発明の膜タンパク質等を含有す
る哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。しかし、
ヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリ
ーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて
大量発現させたヒト由来の膜タンパク質等などが適して
いる。本発明の膜タンパク質等を製造するには、前述の
方法が用いられるが、本発明のDNAを哺乳細胞や昆虫
細胞で発現することにより行なうことが好ましい。目的
とする蛋白質部分をコードするDNA断片にはcDNA
が用いられるが、必ずしもこれに制約されるものではな
い。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。
本発明の膜タンパク質等をコードするDNA断片を宿主
動物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるために
は、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルス
に属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis v
irus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40
由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、
メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプ
ロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プロモー
ター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むのが好
ましい。発現した膜タンパク質の量と質の検査はそれ自
体公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Namb
i,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19559頁,
1992年〕に記載の方法に従って行なうことができる。し
たがって、本発明のスクリーニング方法に用いる本発明
の膜タンパク質標品としては、それ自体公知の方法に従
って精製した膜タンパク質等であってもよいし、該膜タ
ンパク質等を含有する細胞を用いてもよく、また該膜タ
ンパク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
【0075】本発明のスクリーニング方法において、本
発明の膜タンパク質等を含有する細胞を用いる場合、該
細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化し
てもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行
なうことができる。本発明の膜タンパク質等を含有する
細胞としては、該膜タンパク質等を発現した宿主細胞を
いうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、
昆虫細胞、動物細胞などが好ましい。細胞膜画分として
は、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる
細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方
法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞
を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(キネマティカ社製)のよる破砕、超音波による破砕、
フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルか
ら噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜
の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法など
の遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、
細胞破砕液を低速(約500rpm〜約3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜約10分)遠心し、上清
をさらに高速(約15000rpm〜約30000rp
m)で通常約30分〜約2時間遠心し、得られる沈澱を
膜画分とする。該膜画分中には、発現した膜タンパク質
等と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く
含まれる。該膜タンパク質等を含有する細胞やその膜画
分中の膜タンパク質の量は、1細胞当たり約103〜約
108分子であるのが好ましく、特に、約105〜約10
7分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど
膜画分当たりのリガンド結合能(比活性)が高くなり、
高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりで
なく、同一ロットで大量の試料を測定できるようにな
る。
発明の膜タンパク質等を含有する細胞を用いる場合、該
細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化し
てもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行
なうことができる。本発明の膜タンパク質等を含有する
細胞としては、該膜タンパク質等を発現した宿主細胞を
いうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、
昆虫細胞、動物細胞などが好ましい。細胞膜画分として
は、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる
細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方
法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞
を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(キネマティカ社製)のよる破砕、超音波による破砕、
フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルか
ら噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜
の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法など
の遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、
細胞破砕液を低速(約500rpm〜約3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜約10分)遠心し、上清
をさらに高速(約15000rpm〜約30000rp
m)で通常約30分〜約2時間遠心し、得られる沈澱を
膜画分とする。該膜画分中には、発現した膜タンパク質
等と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く
含まれる。該膜タンパク質等を含有する細胞やその膜画
分中の膜タンパク質の量は、1細胞当たり約103〜約
108分子であるのが好ましく、特に、約105〜約10
7分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど
膜画分当たりのリガンド結合能(比活性)が高くなり、
高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりで
なく、同一ロットで大量の試料を測定できるようにな
る。
【0076】リガンドと本発明の膜タンパク質等との結
合性を変化させる化合物をスクリーニングする前記の
〜を実施するためには、例えば、適当な膜タンパク質
画分と、標識したリガンドが必要である。膜タンパク質
画分としては、天然型の膜タンパク質画分か、またはそ
れと同等の活性を有する組換え型膜タンパク質画分など
が望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド
結合能、シグナル伝達作用などを示す。リガンドとして
は、前記のリガンドの決定方法を用いて得られたリガン
ドや、そのアナログ化合物が用いられる。標識したリガ
ンドとしては、例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、
〔35S〕などの放射性物質で標識された上記リガンドな
どが用いられる。具体的には、リガンドと本発明の膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グを行なうには、まず本発明の膜タンパク質を含有する
細胞またはその細胞膜画分を、スクリーニングに適した
バッファーに懸濁することにより膜タンパク質標品を調
製する。バッファーには、約pH4〜10(望ましくは
約pH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッ
ファーなどのリガンドと膜タンパク質との結合を阻害し
ないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異
的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−
80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコ
レートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもで
きる。さらに、プロテアーゼによる膜タンパク質やリガ
ンドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E
−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤を添加することもできる。約0.01m
l〜10mlの該膜タンパク質溶液に、一定量(約50
00cpm〜約500000cpm)の標識したリガン
ドを添加し、同時に約10-4M〜約10-10 Mの試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも
用意する。反応は約0〜約50℃、望ましくは約4〜約
37℃で、約20分〜約24時間、望ましくは約30分
〜約3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない
場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を
引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、
特異的結合量(B−NSB)が、例えば、約80%以
下、好ましくは70%以下、より好ましくは約50%以
下になる試験化合物を拮抗阻害活性を有する候補物質と
して選択することができる。
合性を変化させる化合物をスクリーニングする前記の
〜を実施するためには、例えば、適当な膜タンパク質
画分と、標識したリガンドが必要である。膜タンパク質
画分としては、天然型の膜タンパク質画分か、またはそ
れと同等の活性を有する組換え型膜タンパク質画分など
が望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド
結合能、シグナル伝達作用などを示す。リガンドとして
は、前記のリガンドの決定方法を用いて得られたリガン
ドや、そのアナログ化合物が用いられる。標識したリガ
ンドとしては、例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、
〔35S〕などの放射性物質で標識された上記リガンドな
どが用いられる。具体的には、リガンドと本発明の膜タ
ンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グを行なうには、まず本発明の膜タンパク質を含有する
細胞またはその細胞膜画分を、スクリーニングに適した
バッファーに懸濁することにより膜タンパク質標品を調
製する。バッファーには、約pH4〜10(望ましくは
約pH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッ
ファーなどのリガンドと膜タンパク質との結合を阻害し
ないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異
的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−
80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコ
レートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもで
きる。さらに、プロテアーゼによる膜タンパク質やリガ
ンドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E
−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤を添加することもできる。約0.01m
l〜10mlの該膜タンパク質溶液に、一定量(約50
00cpm〜約500000cpm)の標識したリガン
ドを添加し、同時に約10-4M〜約10-10 Mの試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも
用意する。反応は約0〜約50℃、望ましくは約4〜約
37℃で、約20分〜約24時間、望ましくは約30分
〜約3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない
場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を
引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、
特異的結合量(B−NSB)が、例えば、約80%以
下、好ましくは70%以下、より好ましくは約50%以
下になる試験化合物を拮抗阻害活性を有する候補物質と
して選択することができる。
【0077】リガンドと本発明の膜タンパク質との結合
性を変化させる化合物スクリーニングする前記の〜
の方法を実施するためには、例えば、膜タンパク質を介
する細胞刺激活性(例えば、T細胞への抗原提示能、T
細胞の活性化、細胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走
能、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
a遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イ
ノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質
のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促
進する活性または抑制する活性など)を公知の方法また
は市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、まず、本発明の膜タンパク質を含有する細
胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニン
グを行なうにあたっては、前もって新鮮な培地あるいは
細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験
化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、
細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物を
それぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標
とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細
胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分
解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なっても
よい。細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なう
には、適当な膜タンパク質を発現した細胞が必要であ
る。本発明の膜タンパク質を発現した細胞としては、天
然型の本発明の膜タンパク質を有する細胞株、前述の組
換え型膜タンパク質を発現した細胞株などが望ましい。
本発明のスクリーニング方法に用いられる試験化合物と
しては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化
合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化合
物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であ
ってもよい。
性を変化させる化合物スクリーニングする前記の〜
の方法を実施するためには、例えば、膜タンパク質を介
する細胞刺激活性(例えば、T細胞への抗原提示能、T
細胞の活性化、細胞増殖刺激活性、抗原貧食能、遊走
能、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
a遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イ
ノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質
のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促
進する活性または抑制する活性など)を公知の方法また
は市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、まず、本発明の膜タンパク質を含有する細
胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニン
グを行なうにあたっては、前もって新鮮な培地あるいは
細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験
化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、
細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物を
それぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標
とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細
胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分
解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なっても
よい。細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なう
には、適当な膜タンパク質を発現した細胞が必要であ
る。本発明の膜タンパク質を発現した細胞としては、天
然型の本発明の膜タンパク質を有する細胞株、前述の組
換え型膜タンパク質を発現した細胞株などが望ましい。
本発明のスクリーニング方法に用いられる試験化合物と
しては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化
合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化合
物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であ
ってもよい。
【0078】リガンドと本発明の膜タンパク質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用
キットは、本発明の膜タンパク質等、本発明の膜タンパ
ク質を含有する細胞またはその細胞膜画分などを含有す
るものである。本発明のスクリーニング用キットの例と
しては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド水溶液の状態のものを4℃あるいは−
20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希
釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用
キットは、本発明の膜タンパク質等、本発明の膜タンパ
ク質を含有する細胞またはその細胞膜画分などを含有す
るものである。本発明のスクリーニング用キットの例と
しては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド水溶液の状態のものを4℃あるいは−
20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希
釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。
【0079】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の膜タ
ンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回
洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
ンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回
洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【0080】
【数1】 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0081】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドと本発明の膜タンパク質等との結合性を変
化させる作用を有する化合物であり、具体的には、
(イ)本発明の膜タンパク質を介して細胞刺激活性(例
えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増
殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明の
膜タンパク質等に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺
激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の膜タンパ
ク質等に対するアンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本
発明の膜タンパク質等との結合力を増強する化合物、あ
るいは(ニ)リガンドと本発明の膜タンパク質等との結
合力を減少させる化合物である。該化合物は、前述した
試験化合物から得られるものであり、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。本発明の膜タンパ
ク質等に対するアゴニストは、本発明の膜タンパク質に
対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を有して
いるので、該リガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬
として有用である。該アゴニストは、癌(例、乳癌、前
立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う
癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸
癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの
治療・予防剤などの医薬として有用である。
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドと本発明の膜タンパク質等との結合性を変
化させる作用を有する化合物であり、具体的には、
(イ)本発明の膜タンパク質を介して細胞刺激活性(例
えば、T細胞への抗原提示能、T細胞の活性化、細胞増
殖刺激活性、抗原貧食能、遊走能、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明の
膜タンパク質等に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺
激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の膜タンパ
ク質等に対するアンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本
発明の膜タンパク質等との結合力を増強する化合物、あ
るいは(ニ)リガンドと本発明の膜タンパク質等との結
合力を減少させる化合物である。該化合物は、前述した
試験化合物から得られるものであり、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。本発明の膜タンパ
ク質等に対するアゴニストは、本発明の膜タンパク質に
対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を有して
いるので、該リガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬
として有用である。該アゴニストは、癌(例、乳癌、前
立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う
癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸
癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの
治療・予防剤などの医薬として有用である。
【0082】本発明の膜タンパク質等に対するアンタゴ
ニストは、本発明の膜タンパク質に対するリガンドが有
する生理活性を抑制することができるので、該リガンド
活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
該アンタゴニストは、例えば、アレルギー性免疫疾患
(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性
鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、
自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマト
ーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、
気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤などの医薬
として有用である。リガンドと本発明の膜タンパク質等
との結合力を増強する化合物は、本発明の膜タンパク質
等に対するリガンドが有する生理活性を増強するための
安全で低毒性な医薬として有用である。該化合物は、例
えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ
球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部
癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺
癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイル
ス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感
染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹
ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲
性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全
身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウ
イルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢
性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依
存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホ
ジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショッ
ク、結核などの治療・予防剤などの医薬として有用であ
る。リガンドと本発明の膜タンパク質等との結合力を減
少させる化合物は、本発明の膜タンパク質等に対するリ
ガンドが有する生理活性を減少させるための安全で低毒
性な医薬として有用である。該化合物は、例えば、アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・
予防剤などの医薬として有用である。上記スクリーニン
グ方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該
化合物の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
ニストは、本発明の膜タンパク質に対するリガンドが有
する生理活性を抑制することができるので、該リガンド
活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
該アンタゴニストは、例えば、アレルギー性免疫疾患
(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性
鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、
自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマト
ーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、
気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防剤などの医薬
として有用である。リガンドと本発明の膜タンパク質等
との結合力を増強する化合物は、本発明の膜タンパク質
等に対するリガンドが有する生理活性を増強するための
安全で低毒性な医薬として有用である。該化合物は、例
えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ
球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部
癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺
癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイル
ス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感
染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹
ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲
性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全
身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウ
イルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢
性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依
存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホ
ジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショッ
ク、結核などの治療・予防剤などの医薬として有用であ
る。リガンドと本発明の膜タンパク質等との結合力を減
少させる化合物は、本発明の膜タンパク質等に対するリ
ガンドが有する生理活性を減少させるための安全で低毒
性な医薬として有用である。該化合物は、例えば、アレ
ルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節
炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイ
ズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・
予防剤などの医薬として有用である。上記スクリーニン
グ方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該
化合物の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0083】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、前記した本発明のDNA
を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリ
キシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤
などとすることができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物
(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、癌治
療の目的で本発明の膜タンパク質等に対するアゴニスト
を経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)
においては、一日につき該アンタゴニストを約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、癌治療の目的で
本発明の膜タンパク質等に対するアゴニストを注射剤の
形で通常成人(60kgとして)に投与する場合は、一
日につき該アゴニストを約0.01〜30mg程度、好
ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。また、例えば、アレル
ギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜タンパク質等に
対するアンタゴニストを経口投与する場合、一般的に成
人(60kgとして)においては、一日につき該アンタ
ゴニストを約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回
投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、
例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜
タンパク質等に対するアンタゴニストを注射剤の形で通
常成人(60kgとして)に投与する場合は、一日につ
き該アンタゴニストを約0.01〜30mg程度、好ま
しくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.
1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合
である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した
量を投与することができる。
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、前記した本発明のDNA
を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリ
キシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤
などとすることができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物
(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、癌治
療の目的で本発明の膜タンパク質等に対するアゴニスト
を経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)
においては、一日につき該アンタゴニストを約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、癌治療の目的で
本発明の膜タンパク質等に対するアゴニストを注射剤の
形で通常成人(60kgとして)に投与する場合は、一
日につき該アゴニストを約0.01〜30mg程度、好
ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。また、例えば、アレル
ギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜タンパク質等に
対するアンタゴニストを経口投与する場合、一般的に成
人(60kgとして)においては、一日につき該アンタ
ゴニストを約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回
投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、
例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜
タンパク質等に対するアンタゴニストを注射剤の形で通
常成人(60kgとして)に投与する場合は、一日につ
き該アンタゴニストを約0.01〜30mg程度、好ま
しくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.
1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合
である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した
量を投与することができる。
【0084】(6)本発明の膜タンパク質のT細胞活性
化作用を促進または阻害する化合物のスクリーニング方
法 本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換え型膜
タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系を用いることによって、本発明の
膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害
する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を
効率よくスクリーニングすることができる。すなわち、
本発明は、(i)本発明の膜タンパク質等とT細胞とを
接触させた場合と(ii)本発明の膜タンパク質等および
試験化合物とT細胞とを接触させた場合との比較を行な
うことを特徴とする、本発明のタンパク質等のT細胞の
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニ
ング方法においては、(i)と(ii)の場合における、
例えば、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用な
どを測定して、比較することを特徴とする。
化作用を促進または阻害する化合物のスクリーニング方
法 本発明の膜タンパク質等を用いるか、または組換え型膜
タンパク質等の発現系を構築し、該発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系を用いることによって、本発明の
膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害
する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を
効率よくスクリーニングすることができる。すなわち、
本発明は、(i)本発明の膜タンパク質等とT細胞とを
接触させた場合と(ii)本発明の膜タンパク質等および
試験化合物とT細胞とを接触させた場合との比較を行な
うことを特徴とする、本発明のタンパク質等のT細胞の
活性化作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニ
ング方法においては、(i)と(ii)の場合における、
例えば、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用な
どを測定して、比較することを特徴とする。
【0085】より具体的には、本発明は、 (i)本発明の膜タンパク質等とT細胞とを接触させ
た場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等および試験化
合物とT細胞とを接触させた場合との比較を行なうこと
を特徴とする、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化
作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング方法、 (i)標識した本発明の膜タンパク質等とT細胞とを
接触させた場合と、(ii)標識した本発明の膜タンパク
質等および試験化合物とT細胞とを接触させた場合にお
ける、標識した本発明の膜タンパク質等のT細胞に対す
る結合量を測定し、比較することを特徴とする、本発明
の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻
害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (i)本発明の膜タンパク質を含有する細胞とT細胞
とを接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等
を含有する細胞および試験化合物とT細胞とを接触させ
た場合における、本発明の膜タンパク質等によるT細胞
の活性化を測定し、比較することを特徴とする、本発明
の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻
害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、およ
び (i)本発明の膜タンパク質をコードするDNAを含
有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を培
養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した本
発明の膜タンパク質等とT細胞とを接触させた場合と、
(ii)該形質転換体の細胞膜に発現した本発明の膜タン
パク質等および試験化合物とT細胞とを接触させた場合
における、本発明の膜タンパク質等によるT細胞の活性
化を測定し、比較することを特徴とする、本発明の膜タ
ンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
た場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等および試験化
合物とT細胞とを接触させた場合との比較を行なうこと
を特徴とする、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化
作用を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング方法、 (i)標識した本発明の膜タンパク質等とT細胞とを
接触させた場合と、(ii)標識した本発明の膜タンパク
質等および試験化合物とT細胞とを接触させた場合にお
ける、標識した本発明の膜タンパク質等のT細胞に対す
る結合量を測定し、比較することを特徴とする、本発明
の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻
害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (i)本発明の膜タンパク質を含有する細胞とT細胞
とを接触させた場合と、(ii)本発明の膜タンパク質等
を含有する細胞および試験化合物とT細胞とを接触させ
た場合における、本発明の膜タンパク質等によるT細胞
の活性化を測定し、比較することを特徴とする、本発明
の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻
害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、およ
び (i)本発明の膜タンパク質をコードするDNAを含
有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を培
養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した本
発明の膜タンパク質等とT細胞とを接触させた場合と、
(ii)該形質転換体の細胞膜に発現した本発明の膜タン
パク質等および試験化合物とT細胞とを接触させた場合
における、本発明の膜タンパク質等によるT細胞の活性
化を測定し、比較することを特徴とする、本発明の膜タ
ンパク質等のT細胞活性化作用を促進もしくは阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0086】本発明のスクリーニング方法に用いる本発
明の膜タンパク質標品としては、前記(5)のスクリー
ニング方法に用いられるものと同様のものを使用するこ
とができる。本発明のスクリーニング方法において、本
発明の膜タンパク質等を含有する細胞またはその細胞膜
画分は、前記(5)のスクリーニング方法で用いられる
ものと同様のものを使用することができる。試験化合物
としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽
出液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。T細胞としては、ヒトまたは哺乳動物
(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど)から採取したT細胞集団や、株化
細胞などを用いることができる。また、IL−2産生能
を有するヒトT細胞株を用いることもできる。T細胞の
分取には、例えば、採血した末梢血をリンフォサイトセ
パレーションメディウム(Organon Teknika co.)等に
重層して遠心分離を行い単核球画分を得る。単核球画分
からT細胞を分離するには、それ自体公知のナイロンウ
ールカラムを使う方法、抗体を使う方法、フローサイト
メトリーを使う方法、マグネティックセルソーターを使
う方法等があるが、マグネティックセルソーターを使う
方法が簡便で好適である。単核球画分をT細胞特異的マ
イクロ磁気ビーズ抗体である標識後、マグネティックセ
ルソーターの磁場内に設置した分離カラムにアプライ
し、標識T細胞群をカラム内に保持、濃縮する。次に、
カラムを磁場外にはずすことにより、該細胞を溶出する
ことで高純度のT細胞が分離調製できる。IL−2産生
能力を有するヒトT細胞株としては、例えば、Jurkat細
胞等を用いることができる。T細胞はマルチウェルプレ
ート等に培養することができる。スクリーニングを行な
うにあたっては、前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒
性を示さない適当なバッファーに交換する。試験化合物
を添加する場合は、該試験化合物を前以て添加して一定
時間インキュベートした後、使用することができる。
明の膜タンパク質標品としては、前記(5)のスクリー
ニング方法に用いられるものと同様のものを使用するこ
とができる。本発明のスクリーニング方法において、本
発明の膜タンパク質等を含有する細胞またはその細胞膜
画分は、前記(5)のスクリーニング方法で用いられる
ものと同様のものを使用することができる。試験化合物
としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽
出液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。T細胞としては、ヒトまたは哺乳動物
(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど)から採取したT細胞集団や、株化
細胞などを用いることができる。また、IL−2産生能
を有するヒトT細胞株を用いることもできる。T細胞の
分取には、例えば、採血した末梢血をリンフォサイトセ
パレーションメディウム(Organon Teknika co.)等に
重層して遠心分離を行い単核球画分を得る。単核球画分
からT細胞を分離するには、それ自体公知のナイロンウ
ールカラムを使う方法、抗体を使う方法、フローサイト
メトリーを使う方法、マグネティックセルソーターを使
う方法等があるが、マグネティックセルソーターを使う
方法が簡便で好適である。単核球画分をT細胞特異的マ
イクロ磁気ビーズ抗体である標識後、マグネティックセ
ルソーターの磁場内に設置した分離カラムにアプライ
し、標識T細胞群をカラム内に保持、濃縮する。次に、
カラムを磁場外にはずすことにより、該細胞を溶出する
ことで高純度のT細胞が分離調製できる。IL−2産生
能力を有するヒトT細胞株としては、例えば、Jurkat細
胞等を用いることができる。T細胞はマルチウェルプレ
ート等に培養することができる。スクリーニングを行な
うにあたっては、前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒
性を示さない適当なバッファーに交換する。試験化合物
を添加する場合は、該試験化合物を前以て添加して一定
時間インキュベートした後、使用することができる。
【0087】上記またはのスクリーニング方法を実
施するためには、標識した適当な膜タンパク質画分が必
要である。標識試薬としては、例えば〔3H〕、
〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などが用いられる。標
識の程度は、通常、約5,000cpm〜約500,00
0cpmである。本スクリーニングを行なうには、まず
標識した本発明の膜タンパク質等を、スクリーニングに
適したバッファーに懸濁することにより膜タンパク質標
品を調製する。バッファーには、約pH4〜10(望ま
しくは約pH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩
酸バッファーなどの該膜タンパク質とT細胞との結合を
阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、
非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Twe
en−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオ
キシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えるこ
ともできる。さらに、プロテアーゼによる該膜タンパク
質の分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−
64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテ
アーゼ阻害剤を添加することもできる。約0.01ml
〜10mlの該膜タンパク質溶液を前記のT細胞培養液
に添加する。非特異的結合量(NSB)を知るために大
過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも用意す
る。反応は、通常、約0〜約50℃、望ましくは約4〜
約37℃で、約20分〜約24時間、望ましくは約30
分〜約3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。試験化合物を添加し
た場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)
を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした
時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、約20%
以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%
以上になる試験化合物をT細胞活性化作用を促進する候
補物質として選択することができる。一方、試験化合物
を添加した場合のカウント(B0)から非特異的結合量
(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100
%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、
約20%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは
約50%以下になる試験化合物をT細胞活性化作用を阻
害する候補物質として選択することができる。
施するためには、標識した適当な膜タンパク質画分が必
要である。標識試薬としては、例えば〔3H〕、
〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などが用いられる。標
識の程度は、通常、約5,000cpm〜約500,00
0cpmである。本スクリーニングを行なうには、まず
標識した本発明の膜タンパク質等を、スクリーニングに
適したバッファーに懸濁することにより膜タンパク質標
品を調製する。バッファーには、約pH4〜10(望ま
しくは約pH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩
酸バッファーなどの該膜タンパク質とT細胞との結合を
阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、
非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Twe
en−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオ
キシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えるこ
ともできる。さらに、プロテアーゼによる該膜タンパク
質の分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−
64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテ
アーゼ阻害剤を添加することもできる。約0.01ml
〜10mlの該膜タンパク質溶液を前記のT細胞培養液
に添加する。非特異的結合量(NSB)を知るために大
過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも用意す
る。反応は、通常、約0〜約50℃、望ましくは約4〜
約37℃で、約20分〜約24時間、望ましくは約30
分〜約3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。試験化合物を添加し
た場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)
を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした
時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、約20%
以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%
以上になる試験化合物をT細胞活性化作用を促進する候
補物質として選択することができる。一方、試験化合物
を添加した場合のカウント(B0)から非特異的結合量
(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100
%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、
約20%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは
約50%以下になる試験化合物をT細胞活性化作用を阻
害する候補物質として選択することができる。
【0088】上記またはのスクリーニング方法は、
本発明の膜タンパク質を含有する細胞とT細胞とを混合
培養するか、あるいは、T細胞の培養液に本発明の膜タ
ンパク質を含有する細胞の細胞膜画分を添加し、両細胞
の結合や本発明の膜タンパク質等によるT細胞活性化作
用(例、IL−2などのサイトカイン産生誘導活性な
ど)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測
定する。IL−2産生誘導活性は、IL−2産生量を指
標にして測定することができる。IL−2産生量の測定
としては、例えば、抗IL−2抗体を用いるEIA法、
IL−2依存性細胞の増殖を調べるバイオアッセイ法な
どが知られている。種々の試験化合物が混在する場合に
は、それが細胞に作用する場合があるので、EIA法で
の定量が好ましい。EIA法によるIL−2の定量には
「免疫実験操作II、819頁、南江堂」に記載されている
公知の方法を用いることもできるし、市販のEIA法を
用いたIL−2測定キットを利用することもできる。
本発明の膜タンパク質を含有する細胞とT細胞とを混合
培養するか、あるいは、T細胞の培養液に本発明の膜タ
ンパク質を含有する細胞の細胞膜画分を添加し、両細胞
の結合や本発明の膜タンパク質等によるT細胞活性化作
用(例、IL−2などのサイトカイン産生誘導活性な
ど)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測
定する。IL−2産生誘導活性は、IL−2産生量を指
標にして測定することができる。IL−2産生量の測定
としては、例えば、抗IL−2抗体を用いるEIA法、
IL−2依存性細胞の増殖を調べるバイオアッセイ法な
どが知られている。種々の試験化合物が混在する場合に
は、それが細胞に作用する場合があるので、EIA法で
の定量が好ましい。EIA法によるIL−2の定量には
「免疫実験操作II、819頁、南江堂」に記載されている
公知の方法を用いることもできるし、市販のEIA法を
用いたIL−2測定キットを利用することもできる。
【0089】本発明の膜タンパク質のT細胞活性化作用
を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリー
ニング用キットは、本発明の膜タンパク質等、本発明の
膜タンパク質を含有する細胞またはその細胞膜画分など
を含有するものである。本発明のスクリーニング用キッ
トの例としては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 T細胞標品 Jurkat細胞を12穴プレートに5×105個/穴で継代
し、37℃、5%CO2で2日間培養したもの。
を促進もしくは阻害する化合物またはその塩のスクリー
ニング用キットは、本発明の膜タンパク質等、本発明の
膜タンパク質を含有する細胞またはその細胞膜画分など
を含有するものである。本発明のスクリーニング用キッ
トの例としては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 膜タンパク質標品 本発明の膜タンパク質を発現させたCHO細胞を、12
穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2で2日間培養したもの。 T細胞標品 Jurkat細胞を12穴プレートに5×105個/穴で継代
し、37℃、5%CO2で2日間培養したもの。
【0090】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の膜タ
ンパク質発現CHO細胞およびT細胞を、測定用緩衝液
1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を
各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、室温にて1時間反応させる。 IL−2産生量を抗IL−2抗体を用いるEIA法で
定量する。IL−2産生量を約20%以上、好ましくは
約30%以上、より好ましくは約50%以上増加させる
化合物を本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を
促進する化合物として、一方、IL−2産生量を約20
%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約5
0%以上減少させる化合物を本発明の膜タンパク質等の
T細胞活性化作用を阻害する化合物として選択すること
ができる。
ンパク質発現CHO細胞およびT細胞を、測定用緩衝液
1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を
各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、室温にて1時間反応させる。 IL−2産生量を抗IL−2抗体を用いるEIA法で
定量する。IL−2産生量を約20%以上、好ましくは
約30%以上、より好ましくは約50%以上増加させる
化合物を本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を
促進する化合物として、一方、IL−2産生量を約20
%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約5
0%以上減少させる化合物を本発明の膜タンパク質等の
T細胞活性化作用を阻害する化合物として選択すること
ができる。
【0091】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進
もしくは阻害する化合物である。該化合物は、前述した
試験化合物から得られるものであり、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。該スクリーニング
方法またはスクリーニング用キットを用いて得られた化
合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩として
は、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明の膜タンパク質等
のT細胞活性化作用を促進する化合物またはその塩は、
癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、
p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大
腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃
癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染
症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感染症、
ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイル
ス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲性ブド
ウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全身性真
菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス
脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リン
パ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖
尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン
性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結
核などの治療・予防剤などの安全で低毒性な医薬として
有用である。本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作
用を阻害する化合物またはその塩は、例えば、アレルギ
ー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、
肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身
性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、
糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防
剤などの安全で低毒性な医薬として有用である。
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進
もしくは阻害する化合物である。該化合物は、前述した
試験化合物から得られるものであり、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。該スクリーニング
方法またはスクリーニング用キットを用いて得られた化
合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩として
は、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明の膜タンパク質等
のT細胞活性化作用を促進する化合物またはその塩は、
癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、
p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大
腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃
癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染
症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感染症、
ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイル
ス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲性ブド
ウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全身性真
菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス
脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リン
パ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖
尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン
性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結
核などの治療・予防剤などの安全で低毒性な医薬として
有用である。本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作
用を阻害する化合物またはその塩は、例えば、アレルギ
ー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、
肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身
性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、
糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの治療・予防
剤などの安全で低毒性な医薬として有用である。
【0092】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、本発明のDNAを含有す
る医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などと
することができる。このようにして得られる製剤は安全
で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例え
ば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与
ルートなどにより差異はあるが、例えば、癌治療の目的
で本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進す
る化合物を経口投与する場合、一般的に成人(60kg
として)においては、一日につき該化合物を約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、癌治療の目的で
本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進する
化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投
与する場合は、一日につき該アゴニストを約0.01〜
30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、よ
り好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60k
g当たりに換算した量を投与することができる。また、
例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜
タンパク質等のT細胞活性化作用を阻害する化合物を経
口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)にお
いては、一日につき該化合物を約0.1mg〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、アレルギー性免疫疾患治療
の目的で本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を
阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合は、一日につき該化合物を約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、本発明のDNAを含有す
る医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などと
することができる。このようにして得られる製剤は安全
で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例え
ば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与
ルートなどにより差異はあるが、例えば、癌治療の目的
で本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進す
る化合物を経口投与する場合、一般的に成人(60kg
として)においては、一日につき該化合物を約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、癌治療の目的で
本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を促進する
化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投
与する場合は、一日につき該アゴニストを約0.01〜
30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、よ
り好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60k
g当たりに換算した量を投与することができる。また、
例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で本発明の膜
タンパク質等のT細胞活性化作用を阻害する化合物を経
口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)にお
いては、一日につき該化合物を約0.1mg〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、アレルギー性免疫疾患治療
の目的で本発明の膜タンパク質等のT細胞活性化作用を
阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合は、一日につき該化合物を約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0093】(7)本発明の膜タンパク質、その部分ペ
プチドまたはそれらの塩の定量 本発明の抗体は、本発明の膜タンパク質等を特異的に認
識することができるので、被検液中の本発明の膜タンパ
ク質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量
などに使用することができる。すなわち、本発明は、例
えば、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化膜タ
ンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化膜タンパク質等の割合を測定することを特徴とする
被検液中の本発明の膜タンパク質等の定量法、(ii)被
検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化さ
れた別の本発明の抗体とを同時あるいは連続的に反応さ
せたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること
を特徴とする被検液中の本発明の膜タンパク質等の定量
法を提供する。上記(ii)においては、一方の抗体が本
発明の膜タンパク質等のN端部を認識する抗体で、他方
の抗体が本発明の膜タンパク質等のC端部を認識する抗
体であることが好ましい。
プチドまたはそれらの塩の定量 本発明の抗体は、本発明の膜タンパク質等を特異的に認
識することができるので、被検液中の本発明の膜タンパ
ク質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量
などに使用することができる。すなわち、本発明は、例
えば、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化膜タ
ンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化膜タンパク質等の割合を測定することを特徴とする
被検液中の本発明の膜タンパク質等の定量法、(ii)被
検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化さ
れた別の本発明の抗体とを同時あるいは連続的に反応さ
せたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること
を特徴とする被検液中の本発明の膜タンパク質等の定量
法を提供する。上記(ii)においては、一方の抗体が本
発明の膜タンパク質等のN端部を認識する抗体で、他方
の抗体が本発明の膜タンパク質等のC端部を認識する抗
体であることが好ましい。
【0094】本発明においては、本発明の膜タンパク質
等に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノク
ローナル抗体と略記する)を用いて本発明の膜タンパク
質等の測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行
なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのも
のを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、F
ab'、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
膜タンパク質等に対する抗体を用いる測定法は、特に制
限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例え
ば、膜タンパク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗
体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検
出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製し
た標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定
法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、
イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用い
られるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ
法を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法
に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元
素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射
性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フル
オレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなど
が用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
が用いられる。さらに、抗体または抗原と標識剤との結
合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
等に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノク
ローナル抗体と略記する)を用いて本発明の膜タンパク
質等の測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行
なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのも
のを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、F
ab'、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
膜タンパク質等に対する抗体を用いる測定法は、特に制
限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例え
ば、膜タンパク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗
体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検
出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製し
た標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定
法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、
イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用い
られるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ
法を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法
に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元
素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射
性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フル
オレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなど
が用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
が用いられる。さらに、抗体または抗原と標識剤との結
合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0095】抗原または抗体の不溶化に当っては、物理
吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、デ
キストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あ
るいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法において
は不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反
応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモ
ノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中
の本発明の膜タンパク質量を定量することができる。1
次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同時
に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標
識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じること
ができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法にお
いて、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体
は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上さ
せる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による膜タンパク質等の測
定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発
明のモノクローナル抗体は膜タンパク質等の結合する部
位が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反
応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反
応で用いられる抗体が、膜タンパク質のC端部を認識す
る場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端
部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、デ
キストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あ
るいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法において
は不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反
応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモ
ノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中
の本発明の膜タンパク質量を定量することができる。1
次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同時
に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標
識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じること
ができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法にお
いて、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体
は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上さ
せる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による膜タンパク質等の測
定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発
明のモノクローナル抗体は膜タンパク質等の結合する部
位が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反
応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反
応で用いられる抗体が、膜タンパク質のC端部を認識す
る場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端
部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
【0096】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法またはネフロメトリーなどに用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、または、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、または、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを
反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を
固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、
いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量
する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内または溶液中
で抗原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測
定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物
しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレー
ザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法またはネフロメトリーなどに用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、または、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、または、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを
反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を
固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、
いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量
する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内または溶液中
で抗原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測
定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物
しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレー
ザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0097】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明の膜タンパク質またはその塩の測定系を構築すればよ
い。これらの一般的な技術手段の詳細については、総
説、成書などを参照することができる〔例えば、入江
寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発
行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵
素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医
学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エンジ
モノジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70(Immunoc
hemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoc
hemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoc
hemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoc
hemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Me
thods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibo
dies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。
以上のように、本発明の抗体を用いることによって、本
発明の膜タンパク質等を感度良く定量することができ
る。さらに、本発明の抗体を用いて本発明の膜タンパク
質等を定量することによって、本発明の膜タンパク質が
関与する種々の疾病の診断をすることができる。
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明の膜タンパク質またはその塩の測定系を構築すればよ
い。これらの一般的な技術手段の詳細については、総
説、成書などを参照することができる〔例えば、入江
寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発
行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵
素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医
学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エンジ
モノジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70(Immunoc
hemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoc
hemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoc
hemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoc
hemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Me
thods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibo
dies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。
以上のように、本発明の抗体を用いることによって、本
発明の膜タンパク質等を感度良く定量することができ
る。さらに、本発明の抗体を用いて本発明の膜タンパク
質等を定量することによって、本発明の膜タンパク質が
関与する種々の疾病の診断をすることができる。
【0098】具体的には、本発明の膜タンパク質等の濃
度の減少が検出された場合は、例えば、癌(例、乳癌、
前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴
う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直
腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの
疾患である、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断
することができる。一方、本発明の膜タンパク質等の濃
度の増加が検出された場合は、例えば、アレルギー性免
疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレル
ギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎な
ど)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリ
テマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体
腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患である、ある
いは将来罹患する可能性が高いと診断することができ
る。このように、本発明の抗体は上記疾患の診断剤とし
て有用である。また、本発明の抗体は、体液や組織など
の被検体中に存在する本発明の膜タンパク質等を検出す
るために使用することができる。また、本発明の膜タン
パク質等を精製するために使用する抗体カラムの作製、
精製時の各分画中の本発明の膜タンパク質等の検出、被
検細胞内における本発明の膜タンパク質の挙動の分析な
どのために使用することができる。
度の減少が検出された場合は、例えば、癌(例、乳癌、
前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴
う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直
腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、エイ
ズ、感染症(例、ヘルペスウイルス感染症、アデノウイ
ルス感染症、ボックスウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ヒト
パピローマウイルス感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染
症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染症な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人
呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性リンパ性白血
病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依存性糖尿病(I
型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ
腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショック、結核などの
疾患である、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断
することができる。一方、本発明の膜タンパク質等の濃
度の増加が検出された場合は、例えば、アレルギー性免
疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレル
ギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、肝炎な
ど)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身性エリ
テマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、糸球体
腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの疾患である、ある
いは将来罹患する可能性が高いと診断することができ
る。このように、本発明の抗体は上記疾患の診断剤とし
て有用である。また、本発明の抗体は、体液や組織など
の被検体中に存在する本発明の膜タンパク質等を検出す
るために使用することができる。また、本発明の膜タン
パク質等を精製するために使用する抗体カラムの作製、
精製時の各分画中の本発明の膜タンパク質等の検出、被
検細胞内における本発明の膜タンパク質の挙動の分析な
どのために使用することができる。
【0099】(8)本発明の可溶性部分ペプチドを含有
する医薬 本発明の可溶性部分ペプチドは、リガンドと結合し、該
リガンドと本発明の膜タンパク質との結合を阻害するこ
とができるので、該リガンドの生理活性を抑制すること
ができる。したがって、本発明の可溶性部分ペプチド
は、例えば、アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮
膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症な
ど)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患
(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェ
ーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、
動脈硬化症などの種々の疾病の治療・予防剤などの医薬
として使用することができる。本発明の可溶性部分ペプ
チドを上記の医薬として使用する場合、前記した本発明
のDNAを含有する医薬と同様にして製造し、ヒトまた
は哺乳動物に投与することができる。
する医薬 本発明の可溶性部分ペプチドは、リガンドと結合し、該
リガンドと本発明の膜タンパク質との結合を阻害するこ
とができるので、該リガンドの生理活性を抑制すること
ができる。したがって、本発明の可溶性部分ペプチド
は、例えば、アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮
膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症な
ど)、炎症(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患
(例、リウマチ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェ
ーグレン病など)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、
動脈硬化症などの種々の疾病の治療・予防剤などの医薬
として使用することができる。本発明の可溶性部分ペプ
チドを上記の医薬として使用する場合、前記した本発明
のDNAを含有する医薬と同様にして製造し、ヒトまた
は哺乳動物に投与することができる。
【0100】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。本発明の可溶性部
分ペプチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルー
トなどにより差異はあるが、例えば、アレルギー性免疫
疾患治療の目的で本発明の可溶性部分ペプチドを経口投
与する場合、一般的に成人(60kgとして)において
は、一日につき該可溶性部分ペプチドを約0.1mg〜
100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ま
しくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与す
る場合は、該可溶性部分ペプチドの1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患治療の目的で本発明の可溶性部分ペプチドを注射
剤の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合
は、一日につき該可溶性部分ペプチドを約0.01〜3
0mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より
好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投
与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg
当たりに換算した量を投与することができる。
性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。本発明の可溶性部
分ペプチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルー
トなどにより差異はあるが、例えば、アレルギー性免疫
疾患治療の目的で本発明の可溶性部分ペプチドを経口投
与する場合、一般的に成人(60kgとして)において
は、一日につき該可溶性部分ペプチドを約0.1mg〜
100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ま
しくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与す
る場合は、該可溶性部分ペプチドの1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患治療の目的で本発明の可溶性部分ペプチドを注射
剤の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合
は、一日につき該可溶性部分ペプチドを約0.01〜3
0mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より
好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投
与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg
当たりに換算した量を投与することができる。
【0101】(9)本発明の抗体を含有する医薬 本発明の膜タンパク質等のレセプター活性を惹起する作
用(アゴニスト様活性)を有する本発明の抗体は、例え
ば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球
腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部
癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺
癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイル
ス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感
染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹
ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲
性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全
身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウ
イルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢
性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依
存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホ
ジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショッ
ク、結核などの疾患の治療・予防剤などの医薬として有
用である。一方、本発明の膜タンパク質等のレセプター
活性を中和する作用(アンタゴニスト様活性)を有する
本発明の抗体または本発明の膜タンパク質等のT細胞活
性化作用を中和する作用を有する本発明の抗体は、例え
ば、アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接
触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症
(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマ
チ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病な
ど)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症な
どの種々の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用す
ることができる。
用(アゴニスト様活性)を有する本発明の抗体は、例え
ば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球
腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部
癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺
癌、胃癌など)、エイズ、感染症(例、ヘルペスウイル
ス感染症、アデノウイルス感染症、ボックスウイルス感
染症、ヘリコバクター・ピロリ感染症、水痘-帯状疱疹
ウイルス感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、侵襲
性ブドウ状球菌感染症、インフルエンザ感染症、重症全
身性真菌感染症など)、急性バクテリア髄膜炎、急性ウ
イルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢
性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、インシュリン依
存性糖尿病(I型)、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホ
ジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショッ
ク、結核などの疾患の治療・予防剤などの医薬として有
用である。一方、本発明の膜タンパク質等のレセプター
活性を中和する作用(アンタゴニスト様活性)を有する
本発明の抗体または本発明の膜タンパク質等のT細胞活
性化作用を中和する作用を有する本発明の抗体は、例え
ば、アレルギー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接
触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症
(例、関節炎、肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマ
チ関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン病な
ど)、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症な
どの種々の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用す
ることができる。
【0102】本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・
予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医
薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して経口的または非経口的に投与することができる。
投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなど
によっても異なるが、例えば、成人の癌の治療・予防の
ために使用する場合には、本発明の膜タンパク質のレセ
プター活性を惹起する抗体を1回量として、通常0.0
1〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10
mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg
/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日
1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合であ
る。また、例えば、成人のアレルギー性免疫疾患の治療
・予防のために使用する場合には、本発明の膜タンパク
質のレセプター活性またはT細胞活性化作用を中和する
抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体
重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、
さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1
日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注
射により投与するのが好都合である。他の非経口投与お
よび経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することが
できる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増
量してもよい。アゴニスト様活性、アンタゴニスト活性
などを有する本発明の抗体は、それ自体または適当な医
薬組成物として投与することができる。上記投与に用い
られる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許
容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むもので
ある。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する
剤形として提供される。すなわち、例えば、経口投与の
ための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的
には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を
含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。
かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤
分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形
剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形
剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグ
ネシウムなどが用いられる。
予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医
薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して経口的または非経口的に投与することができる。
投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなど
によっても異なるが、例えば、成人の癌の治療・予防の
ために使用する場合には、本発明の膜タンパク質のレセ
プター活性を惹起する抗体を1回量として、通常0.0
1〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10
mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg
/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日
1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合であ
る。また、例えば、成人のアレルギー性免疫疾患の治療
・予防のために使用する場合には、本発明の膜タンパク
質のレセプター活性またはT細胞活性化作用を中和する
抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体
重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、
さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1
日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注
射により投与するのが好都合である。他の非経口投与お
よび経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することが
できる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増
量してもよい。アゴニスト様活性、アンタゴニスト活性
などを有する本発明の抗体は、それ自体または適当な医
薬組成物として投与することができる。上記投与に用い
られる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許
容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むもので
ある。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する
剤形として提供される。すなわち、例えば、経口投与の
ための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的
には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を
含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。
かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤
分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形
剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形
剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグ
ネシウムなどが用いられる。
【0103】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0104】(10)アンチセンスDNAを含有する医
薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、生体内にお
ける本発明の膜タンパク質等またはDNA(mRNA)
の機能を抑制することができるので、例えば、アレルギ
ー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、
肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身
性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、
糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの種々の疾病
の治療・予防剤などの医薬として使用することができ
る。上記アンチセンスDNAを上記の医薬として使用す
る場合、前記した本発明のDNAを含有する医薬と同様
にして製造し、ヒトまたは哺乳動物に投与することがで
きる。また、該アンチセンスDNAを単独あるいはレト
ロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ
ウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当
なベクターに挿入した後、常套手段に従ってヒトまたは
温血動物に投与することができる。該アンチセンスDN
Aは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤な
どの生理学的に認められる担体とともに、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性で
あるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)
に対して投与することができる。本発明のDNAの投与
量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で
本発明のDNAを経口投与する場合、一般的に成人(6
0kgとして)においては、一日につき該DNAを約
0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該DNAの1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患治療の目的で本発明のDNAを注射剤の形で通常
成人(60kgとして)に投与する場合は、一日につき
該DNAを約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。
薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、生体内にお
ける本発明の膜タンパク質等またはDNA(mRNA)
の機能を抑制することができるので、例えば、アレルギ
ー性免疫疾患(例、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、花粉症など)、炎症(例、関節炎、
肝炎など)、自己免疫疾患(例、リウマチ関節炎、全身
性エリテマトーデス、シェーグレン病など)、エイズ、
糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化症などの種々の疾病
の治療・予防剤などの医薬として使用することができ
る。上記アンチセンスDNAを上記の医薬として使用す
る場合、前記した本発明のDNAを含有する医薬と同様
にして製造し、ヒトまたは哺乳動物に投与することがで
きる。また、該アンチセンスDNAを単独あるいはレト
ロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ
ウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当
なベクターに挿入した後、常套手段に従ってヒトまたは
温血動物に投与することができる。該アンチセンスDN
Aは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤な
どの生理学的に認められる担体とともに、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性で
あるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)
に対して投与することができる。本発明のDNAの投与
量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、アレルギー性免疫疾患治療の目的で
本発明のDNAを経口投与する場合、一般的に成人(6
0kgとして)においては、一日につき該DNAを約
0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該DNAの1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫疾患治療の目的で本発明のDNAを注射剤の形で通常
成人(60kgとして)に投与する場合は、一日につき
該DNAを約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。
【0105】(11)本発明のDNAを有する非ヒト動
物の作製 本発明のDNAを用いて、本発明の膜タンパク質等を発
現するトランスジェニック非ヒト動物を作製することが
できる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)など(以下、動物と略記する)が挙げれ
るが、特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発明
のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DN
Aを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合
した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有利
である。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを転移さ
せる場合、これと相同性が高い動物由来のプロモーター
であって、本発明のDNAを動物細胞で発現させうる各
種プロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクト
を、例えば、ウサギ受精卵へマイクロインジェクション
することによって本発明の膜タンパク質等を高産生する
DNA転移動物を作出できる。このプロモーターとして
は、例えば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネ
イン等のユビキタスな発現プロモーターも使用しうる。
物の作製 本発明のDNAを用いて、本発明の膜タンパク質等を発
現するトランスジェニック非ヒト動物を作製することが
できる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)など(以下、動物と略記する)が挙げれ
るが、特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発明
のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DN
Aを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合
した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有利
である。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを転移さ
せる場合、これと相同性が高い動物由来のプロモーター
であって、本発明のDNAを動物細胞で発現させうる各
種プロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクト
を、例えば、ウサギ受精卵へマイクロインジェクション
することによって本発明の膜タンパク質等を高産生する
DNA転移動物を作出できる。このプロモーターとして
は、例えば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネ
イン等のユビキタスな発現プロモーターも使用しうる。
【0106】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
転移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽
細胞において本発明の膜タンパク質等が存在すること
は、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全
てに本発明の膜タンパク質等を有することを意味する。
遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞
および体細胞の全てに本発明の膜タンパク質等を有す
る。本発明のDNA転移動物は、交配により遺伝子を安
定に保持することを確認して、該DNA保有動物として
通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さら
に、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配することに
より、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴ
ート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによ
りすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代する
ことができる。本発明のDNAが転移された動物は、本
発明の膜タンパク質等が高発現させられているので、本
発明の膜タンパク質等に対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング用の動物などとして有用であ
る。本発明のDNA転移動物を、組織培養のための細胞
源として使用することもできる。例えば、本発明のDN
A転移マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分
析するか、または遺伝子により発現された本発明の膜タ
ンパク質が存在する組織を分析することにより、本発明
の膜タンパク質等について分析することができる。本発
明の膜タンパク質等を有する組織の細胞を標準組織培養
技術により培養し、これらを使用して、例えば、脳や末
梢組織(例、皮膚など)由来のような一般に培養困難な
組織からの細胞の機能を研究することができる。また、
その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の機能
を高めるような医薬の選択も可能である。また、高発現
細胞株があれば、そこから、本発明の膜タンパク質等を
単離精製することも可能である。
転移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽
細胞において本発明の膜タンパク質等が存在すること
は、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全
てに本発明の膜タンパク質等を有することを意味する。
遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞
および体細胞の全てに本発明の膜タンパク質等を有す
る。本発明のDNA転移動物は、交配により遺伝子を安
定に保持することを確認して、該DNA保有動物として
通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さら
に、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配することに
より、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴ
ート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによ
りすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代する
ことができる。本発明のDNAが転移された動物は、本
発明の膜タンパク質等が高発現させられているので、本
発明の膜タンパク質等に対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング用の動物などとして有用であ
る。本発明のDNA転移動物を、組織培養のための細胞
源として使用することもできる。例えば、本発明のDN
A転移マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分
析するか、または遺伝子により発現された本発明の膜タ
ンパク質が存在する組織を分析することにより、本発明
の膜タンパク質等について分析することができる。本発
明の膜タンパク質等を有する組織の細胞を標準組織培養
技術により培養し、これらを使用して、例えば、脳や末
梢組織(例、皮膚など)由来のような一般に培養困難な
組織からの細胞の機能を研究することができる。また、
その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の機能
を高めるような医薬の選択も可能である。また、高発現
細胞株があれば、そこから、本発明の膜タンパク質等を
単離精製することも可能である。
【0107】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 dNTP :dATP、dTTP、dGTPおよびdCTPの混合物 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 dNTP :dATP、dTTP、dGTPおよびdCTPの混合物 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0108】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0109】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0110】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3')のアミノ酸配列を示し、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列の第67番目のMetと第68
番目のGlyとの間に、この配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列の第68番目のAlaから第118番目の
Thrまでの46アミノ酸が挿入されたものである。 〔配列番号:3〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3)の部分アミノ酸配列(配列番号:1で示さ
れるアミノ酸配列の第71番目〜201番目のアミノ酸
配列)を示す。 〔配列番号:4〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3')の部分アミノ酸配列(配列番号:2で示
されるアミノ酸配列の第70番目〜247番目のアミノ
酸配列)を示す。 〔配列番号:5〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3')をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3)の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:8〕配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3')の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列
を示す。
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3')のアミノ酸配列を示し、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列の第67番目のMetと第68
番目のGlyとの間に、この配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列の第68番目のAlaから第118番目の
Thrまでの46アミノ酸が挿入されたものである。 〔配列番号:3〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3)の部分アミノ酸配列(配列番号:1で示さ
れるアミノ酸配列の第71番目〜201番目のアミノ酸
配列)を示す。 〔配列番号:4〕本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク
質(DC3')の部分アミノ酸配列(配列番号:2で示
されるアミノ酸配列の第70番目〜247番目のアミノ
酸配列)を示す。 〔配列番号:5〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3')をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3)の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:8〕配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質(D
C3')の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列
を示す。
【0111】〔配列番号:9〕実施例1において、本発
明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質をコードするcDN
Aの増幅に使用した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例1において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質をコードするcDNAの増幅に
使用した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。
明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質をコードするcDN
Aの増幅に使用した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例1において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質をコードするcDNAの増幅に
使用した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例2において、本発明のヒト樹
状細胞由来膜タンパク質の発現プラスミドの構築に使用
した合成プライマーの塩基配列を示す。
【0112】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α/pTB
2005は、平成9年6月6日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−5963として、平成9年6月3日から財
団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16
088として寄託されている。また、後述の実施例1で
得られた形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia
coli)DH5α/pTB2006は、平成9年6月6日
から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(N
IBH)に寄託番号FERM BP−5964として、
平成9年6月3日から財団法人・発酵研究所(IFO)
に寄託番号IFO 16089として寄託されている。
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α/pTB
2005は、平成9年6月6日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−5963として、平成9年6月3日から財
団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16
088として寄託されている。また、後述の実施例1で
得られた形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia
coli)DH5α/pTB2006は、平成9年6月6日
から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(N
IBH)に寄託番号FERM BP−5964として、
平成9年6月3日から財団法人・発酵研究所(IFO)
に寄託番号IFO 16089として寄託されている。
【0113】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載さ
れている方法に従った。
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載さ
れている方法に従った。
【0114】
【実施例1】ヒト樹状細胞由来膜タンパク質をコードす
るcDNAのクローニングと塩基配列の決定 本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質をコードするD
NAは以下のようなPCR法により取得した。まず凍結
保存されたヒト樹状細胞cDNAライブラリー〔ヒュー
マン・ゲノム・サイエンス(Human Genome Science)
社、Library ID H0521〕の大腸菌DH10Bを100μ
g/mlのアンピシリンナトリウム塩(和光純薬(株))を
含むTerrific Broth(12g/l bacto-tryptone(Difc
o),24g/lbacto-yeast extract(Difco),2.3g/l
potassium dihydrogen phosphate,12.5g/l potass
ium monohydrogen phosphate)で30℃、16時間振と
う培養し、プラスミドDNAを増幅した。キアジェンプ
ラスミドキット(キアジェン社)で該プラスミドDNA
を精製し、DNA溶液を得た。該DNA 0.63μgと
DNA合成装置(Oligo1000M、ベックマン
社)で合成した2種のオリゴDNA: 5'−GATGATTTGACTCAGAGATTCT
−3'(配列番号:9) 5'−TCTGTCCTCCTTACTACCTCAC
−3'(配列番号:10) 各25pmol、Takara LA PCRTM Kit Ver.2(宝酒造
(株))に含まれる、dNTP Mixture 8μl,10×
LA PCR Buffer II(Mg2+ plus)5μl,およびTakara
LA TaqTM 5.0 Unitを含む混合液50μlをサーマル
サイクラーGeneAmpR PCR System 2400(パーキンエルマ
ー社)を用いて、94℃、1分、続いて98℃、10秒
→50℃、10秒→72℃、2分のサイクルを35回繰
り返した後、72℃、4分という条件でPCR反応を行
なった。反応終了液を1.0%アガロースを用いて電気
泳動したところ、0.8kbから0.9kb付近の位置にかけ
てPCR反応で増幅されたDNAに対応するバンドを確
認した。キアクィックゲルエキストラクションキット
(キアジェン社)を用いて該DNA断片を回収し、塩基
配列を決定するためにpT7Blue T−vector(ノバジ
ェン社)のTクローニングサイトにDNAライゲーショ
ンキットバージョン2(宝酒造(株))を用いて挿入・
連結した。該ライゲーション液を大腸菌DH5α株に導
入後、アンピシリン含有LB寒天培地上で出現するアン
ピシリン耐性形質転換株のコロニーの中から4クローン
(#1、#2、#3、#4)を選択し、各々からプラス
ミドDNAを調製した。制限酵素による該プラスミドD
NAの消化パターンから、クローン#1、#2、および
#3のプラスミドDNAにはいずれも0.75kbの同一
の挿入断片が含まれており、またクローン#4には0.
9kbの別の挿入断片が含まれていることがわかった。
るcDNAのクローニングと塩基配列の決定 本発明のヒト樹状細胞由来膜タンパク質をコードするD
NAは以下のようなPCR法により取得した。まず凍結
保存されたヒト樹状細胞cDNAライブラリー〔ヒュー
マン・ゲノム・サイエンス(Human Genome Science)
社、Library ID H0521〕の大腸菌DH10Bを100μ
g/mlのアンピシリンナトリウム塩(和光純薬(株))を
含むTerrific Broth(12g/l bacto-tryptone(Difc
o),24g/lbacto-yeast extract(Difco),2.3g/l
potassium dihydrogen phosphate,12.5g/l potass
ium monohydrogen phosphate)で30℃、16時間振と
う培養し、プラスミドDNAを増幅した。キアジェンプ
ラスミドキット(キアジェン社)で該プラスミドDNA
を精製し、DNA溶液を得た。該DNA 0.63μgと
DNA合成装置(Oligo1000M、ベックマン
社)で合成した2種のオリゴDNA: 5'−GATGATTTGACTCAGAGATTCT
−3'(配列番号:9) 5'−TCTGTCCTCCTTACTACCTCAC
−3'(配列番号:10) 各25pmol、Takara LA PCRTM Kit Ver.2(宝酒造
(株))に含まれる、dNTP Mixture 8μl,10×
LA PCR Buffer II(Mg2+ plus)5μl,およびTakara
LA TaqTM 5.0 Unitを含む混合液50μlをサーマル
サイクラーGeneAmpR PCR System 2400(パーキンエルマ
ー社)を用いて、94℃、1分、続いて98℃、10秒
→50℃、10秒→72℃、2分のサイクルを35回繰
り返した後、72℃、4分という条件でPCR反応を行
なった。反応終了液を1.0%アガロースを用いて電気
泳動したところ、0.8kbから0.9kb付近の位置にかけ
てPCR反応で増幅されたDNAに対応するバンドを確
認した。キアクィックゲルエキストラクションキット
(キアジェン社)を用いて該DNA断片を回収し、塩基
配列を決定するためにpT7Blue T−vector(ノバジ
ェン社)のTクローニングサイトにDNAライゲーショ
ンキットバージョン2(宝酒造(株))を用いて挿入・
連結した。該ライゲーション液を大腸菌DH5α株に導
入後、アンピシリン含有LB寒天培地上で出現するアン
ピシリン耐性形質転換株のコロニーの中から4クローン
(#1、#2、#3、#4)を選択し、各々からプラス
ミドDNAを調製した。制限酵素による該プラスミドD
NAの消化パターンから、クローン#1、#2、および
#3のプラスミドDNAにはいずれも0.75kbの同一
の挿入断片が含まれており、またクローン#4には0.
9kbの別の挿入断片が含まれていることがわかった。
【0115】そこで、クローン#2と#4の各挿入DN
A断片の塩基配列を決定するため、該プラスミドDNA
を鋳型に2種(PRM−007、PRM−008)の市
販プライマーDNA(東洋紡績(株))の他、DNA合
成装置(Oligo1000M、ベックマン社)で合成したオリゴ
DNAをプライマーとし、ABI PRISMTM Dye Terminator
Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(パーキン
エルマー社)を用いたシークエンス反応を添付資料の条
件に従ってGeneAmpR PCR System 2400で行なったのち、
該試料をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー
社)で分析した。得られた塩基配列は遺伝子解析ソフト
レーザージーン(Lasergene、ディーエヌエースター(D
NASTAR)社)で解析した。その結果、クローン#2のT
クローニングサイトには、配列番号:1で表される20
1個のアミノ酸からなる新規膜タンパク質(DC3)を
コードする配列番号:5で表される603個の塩基配列
からなるオープンリーディングフレーム(Open reading
frame)を含む762個の塩基配列のDNA断片が含ま
れていた〔図1〕。また、クローン#4のTクローニン
グサイトには、配列番号:2で表される247個のアミ
ノ酸からなる新規膜タンパク質(DC3')をコードす
る配列番号:6で表される741個の塩基配列からなる
オープンリーディングフレーム(Open reding frame)
を含む900個の塩基配列のDNA断片が含まれていた
〔図2〕。クローン#2のプラスミドpTB2005を
大腸菌DH5αに形質転換し、大腸菌DHα/pTB2
005を得た。また、クローン#4のプラスミドpTB
2006を大腸菌DH5αに形質転換し、大腸菌DHα
/pTB2006を得た。
A断片の塩基配列を決定するため、該プラスミドDNA
を鋳型に2種(PRM−007、PRM−008)の市
販プライマーDNA(東洋紡績(株))の他、DNA合
成装置(Oligo1000M、ベックマン社)で合成したオリゴ
DNAをプライマーとし、ABI PRISMTM Dye Terminator
Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(パーキン
エルマー社)を用いたシークエンス反応を添付資料の条
件に従ってGeneAmpR PCR System 2400で行なったのち、
該試料をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー
社)で分析した。得られた塩基配列は遺伝子解析ソフト
レーザージーン(Lasergene、ディーエヌエースター(D
NASTAR)社)で解析した。その結果、クローン#2のT
クローニングサイトには、配列番号:1で表される20
1個のアミノ酸からなる新規膜タンパク質(DC3)を
コードする配列番号:5で表される603個の塩基配列
からなるオープンリーディングフレーム(Open reading
frame)を含む762個の塩基配列のDNA断片が含ま
れていた〔図1〕。また、クローン#4のTクローニン
グサイトには、配列番号:2で表される247個のアミ
ノ酸からなる新規膜タンパク質(DC3')をコードす
る配列番号:6で表される741個の塩基配列からなる
オープンリーディングフレーム(Open reding frame)
を含む900個の塩基配列のDNA断片が含まれていた
〔図2〕。クローン#2のプラスミドpTB2005を
大腸菌DH5αに形質転換し、大腸菌DHα/pTB2
005を得た。また、クローン#4のプラスミドpTB
2006を大腸菌DH5αに形質転換し、大腸菌DHα
/pTB2006を得た。
【0116】さらに、クローン#2と#4の配列比較か
ら、クローン#4の塩基配列は、配列番号:2で表され
るクローン#2のオープンリーディングフレームの20
1番目のグアニンと202番目のグアニンの間に、配列
番号:4で表されるクローン#4のオープンリーディン
グフレームの202番目のグアニンから339番目のア
デニンまでの138個の塩基配列が挿入されたものであ
ることがわかった。これにより、各塩基配列にコードさ
れる膜タンパク質も、クローン#4のアミノ酸配列が、
配列番号:1で表されるクローン#2の67番目のMe
tと68番目のGlyの間に、配列番号:2で表される
クローン#4の68番目のAlaから118番目のTh
rまでの46個のアミノ酸からなるペプチド配列が挿入
されたものであることがわかった。これら2種の膜タン
パク質は親水性プロット解析の結果から、#2は42番
(Pro)から70番(Leu)、#4は42番(Pr
o)から69番(Ile)の疎水性領域がそれぞれ該タ
ンパク質の膜貫通領域にあたる、いわゆるII型膜タンパ
ク質であることが予想された〔図3および図4〕。これ
らの膜タンパク質と公知のタンパク質との相同性は、両
者ともヒトox−LDL膜タンパク質〔ネーチャー(Na
ture)、386巻、73-77(1997)〕が最も高かったが、そ
の相同性はアミノ酸レベルで#2が32%、#4が29
%であった。また、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の71番(Ser)から201番(Met)にあた
る両タンパク質に共通の細胞外領域と予想されるアミノ
酸配列には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
第74番、第85番、第102番、第174番、第18
7番、第195番の各Cys残基のようにC−タイプレ
クチンに特徴的なモチーフが存在し、本膜タンパク質が
新規なC−タイプレクチンファミリーに属するタンパク
質であることが明らかとなった。
ら、クローン#4の塩基配列は、配列番号:2で表され
るクローン#2のオープンリーディングフレームの20
1番目のグアニンと202番目のグアニンの間に、配列
番号:4で表されるクローン#4のオープンリーディン
グフレームの202番目のグアニンから339番目のア
デニンまでの138個の塩基配列が挿入されたものであ
ることがわかった。これにより、各塩基配列にコードさ
れる膜タンパク質も、クローン#4のアミノ酸配列が、
配列番号:1で表されるクローン#2の67番目のMe
tと68番目のGlyの間に、配列番号:2で表される
クローン#4の68番目のAlaから118番目のTh
rまでの46個のアミノ酸からなるペプチド配列が挿入
されたものであることがわかった。これら2種の膜タン
パク質は親水性プロット解析の結果から、#2は42番
(Pro)から70番(Leu)、#4は42番(Pr
o)から69番(Ile)の疎水性領域がそれぞれ該タ
ンパク質の膜貫通領域にあたる、いわゆるII型膜タンパ
ク質であることが予想された〔図3および図4〕。これ
らの膜タンパク質と公知のタンパク質との相同性は、両
者ともヒトox−LDL膜タンパク質〔ネーチャー(Na
ture)、386巻、73-77(1997)〕が最も高かったが、そ
の相同性はアミノ酸レベルで#2が32%、#4が29
%であった。また、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の71番(Ser)から201番(Met)にあた
る両タンパク質に共通の細胞外領域と予想されるアミノ
酸配列には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
第74番、第85番、第102番、第174番、第18
7番、第195番の各Cys残基のようにC−タイプレ
クチンに特徴的なモチーフが存在し、本膜タンパク質が
新規なC−タイプレクチンファミリーに属するタンパク
質であることが明らかとなった。
【0117】
【実施例2】大腸菌における本発明の膜タンパク質の細
胞外領域組換えタンパク質の発現 発現プラスミドGST−DC3およびGST−DC3'
は、1)大腸菌replicationオリジン、2)アンピシリ
ン耐性遺伝子および3)tacプロモーターとその下流
にグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、
トロンビン切断部位及びマルチクローニング部位(MC
S)を含むベクターpGEX−4T−3(ファルマシア
・バイオテック社)に由来する。本発明のDC3細胞外
領域およびDC3'細胞外領域をコードするDNA断片
をベクターのMCSの中へサブクローニングする。従っ
て、組換えタンパク質はGSTからその5'末端フレー
ムに融合され、その発現はtacプロモーターの制御下
で行なわれる。目的タンパク質のGSTへの融合によ
り、GSTエピトープを認識する抗体を用いて組換えタ
ンパク質を容易に検出することができ、アフィニティー
・マトリックス・グルタチオン・セファロース4Bを用
いて組換えタンパク質を容易に精製することができる。
プラスミド構築は次のように行なわれる。まず、本発明
のDC3およびDC3'の各細胞外領域をコードするD
NA断片はPCR法により調製するが、その際、次の2
組(AまたはB)のプライマーの組み合わせで増幅反応
を行なう。 (A:DC3細胞外領域増幅用) 5'−プライマー:(配列番号:11) 5'−TGGATCCAGCCCTTGTCCTCCT
AAT−3' (このプライマーは、BamHI認識配列とその3'側
に配列番号7で表されるDC3細胞外領域のN末端のコ
ーディング配列の21塩基を有する) 3'−プライマー:(配列番号:12) 5'−GGTCGACTTACATTGAAAACTT
CTTCTC−3' (このプライマーは、SalI認識配列とその3'側に
終止コドン(TAA)と配列番号7で表されるDC3細
胞外領域のC末端のコーディング配列の18塩基に相補
的な配列を有する)
胞外領域組換えタンパク質の発現 発現プラスミドGST−DC3およびGST−DC3'
は、1)大腸菌replicationオリジン、2)アンピシリ
ン耐性遺伝子および3)tacプロモーターとその下流
にグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、
トロンビン切断部位及びマルチクローニング部位(MC
S)を含むベクターpGEX−4T−3(ファルマシア
・バイオテック社)に由来する。本発明のDC3細胞外
領域およびDC3'細胞外領域をコードするDNA断片
をベクターのMCSの中へサブクローニングする。従っ
て、組換えタンパク質はGSTからその5'末端フレー
ムに融合され、その発現はtacプロモーターの制御下
で行なわれる。目的タンパク質のGSTへの融合によ
り、GSTエピトープを認識する抗体を用いて組換えタ
ンパク質を容易に検出することができ、アフィニティー
・マトリックス・グルタチオン・セファロース4Bを用
いて組換えタンパク質を容易に精製することができる。
プラスミド構築は次のように行なわれる。まず、本発明
のDC3およびDC3'の各細胞外領域をコードするD
NA断片はPCR法により調製するが、その際、次の2
組(AまたはB)のプライマーの組み合わせで増幅反応
を行なう。 (A:DC3細胞外領域増幅用) 5'−プライマー:(配列番号:11) 5'−TGGATCCAGCCCTTGTCCTCCT
AAT−3' (このプライマーは、BamHI認識配列とその3'側
に配列番号7で表されるDC3細胞外領域のN末端のコ
ーディング配列の21塩基を有する) 3'−プライマー:(配列番号:12) 5'−GGTCGACTTACATTGAAAACTT
CTTCTC−3' (このプライマーは、SalI認識配列とその3'側に
終止コドン(TAA)と配列番号7で表されるDC3細
胞外領域のC末端のコーディング配列の18塩基に相補
的な配列を有する)
【0118】(B:DC3'細胞外領域増幅用) 5'−プライマー:(配列番号:13) 5'−TGGATCCTGGAGATCCAATTCA
GGAAGC−3' (このプライマーは、BamHI認識配列とその3'側
に配列番号8で表されるDC3'細胞外領域のN末端の
コーディング配列の21塩基を有する) 3'−プライマー: 前記の配列番号:12で表わされる塩基配列を有するプ
ライマーと同様(このプライマーは、SalI認識配列
とその3'側に終止コドン(TAA)と配列番号8で表
されるDC3'細胞外領域のN末端のコーディング配列
の18塩基に相補的な配列を有する) 各PCR増幅DNA断片をBamHI、SalIで消化
後、BamHI、SalIで切断し線状化したpGEX
−4T−3に連結する。連結後、環状化したプラスミド
DNAは大腸菌形質転換体から単離し、目的のDNA断
片の挿入はシークエンス分析で確認できる。組換えタン
パク質の発現のために、発現ベクターを保持する大腸菌
JM109を1.0mM イソプロピル−β−チオガラク
トピラノシド(IPTG)の存在下で培養する。各組換
えタンパク質の発現は、GSTエピトープを認識する抗
体を含むGST検出キット(ファルマシア・バイオテッ
ク社)を用いて確認することができる。また、グルタチ
オン・セファロース4Bまたは充填済みグルタチオン・
セファロース4B(いずれもファルマシア・バイオテッ
ク社)を用いて細胞抽出物から該組換えタンパク質を精
製することができる。精製された各タンパク質は、抗体
作製、リガンド結合能の測定等にそれぞれ用いることが
できる。
GGAAGC−3' (このプライマーは、BamHI認識配列とその3'側
に配列番号8で表されるDC3'細胞外領域のN末端の
コーディング配列の21塩基を有する) 3'−プライマー: 前記の配列番号:12で表わされる塩基配列を有するプ
ライマーと同様(このプライマーは、SalI認識配列
とその3'側に終止コドン(TAA)と配列番号8で表
されるDC3'細胞外領域のN末端のコーディング配列
の18塩基に相補的な配列を有する) 各PCR増幅DNA断片をBamHI、SalIで消化
後、BamHI、SalIで切断し線状化したpGEX
−4T−3に連結する。連結後、環状化したプラスミド
DNAは大腸菌形質転換体から単離し、目的のDNA断
片の挿入はシークエンス分析で確認できる。組換えタン
パク質の発現のために、発現ベクターを保持する大腸菌
JM109を1.0mM イソプロピル−β−チオガラク
トピラノシド(IPTG)の存在下で培養する。各組換
えタンパク質の発現は、GSTエピトープを認識する抗
体を含むGST検出キット(ファルマシア・バイオテッ
ク社)を用いて確認することができる。また、グルタチ
オン・セファロース4Bまたは充填済みグルタチオン・
セファロース4B(いずれもファルマシア・バイオテッ
ク社)を用いて細胞抽出物から該組換えタンパク質を精
製することができる。精製された各タンパク質は、抗体
作製、リガンド結合能の測定等にそれぞれ用いることが
できる。
【0119】
【発明の効果】本発明の膜タンパク質,その部分ペプチ
ドまたはそれらの塩は、該膜タンパク質に対するリガン
ド、アゴニストまたはアンタゴニストなどをスクリーニ
ングするための試薬として有用である。該アゴニスト
は、癌,エイズ,感染症などの治療・予防剤として、該
アンタゴニストは、アレルギー性免疫疾患、炎症、自己
免疫疾患、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化
症などの治療・予防剤として有用である。本発明の抗体
を用いることによって、被検液中の本発明の膜タンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩の濃度を定量す
ることができる。
ドまたはそれらの塩は、該膜タンパク質に対するリガン
ド、アゴニストまたはアンタゴニストなどをスクリーニ
ングするための試薬として有用である。該アゴニスト
は、癌,エイズ,感染症などの治療・予防剤として、該
アンタゴニストは、アレルギー性免疫疾患、炎症、自己
免疫疾患、エイズ、糸球体腎炎、気管支喘息、動脈硬化
症などの治療・予防剤として有用である。本発明の抗体
を用いることによって、被検液中の本発明の膜タンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩の濃度を定量す
ることができる。
【0120】
【配列番号:1】 配列の長さ:201 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Tyr His Pro Asp Leu Glu Asn Leu Asp Glu Asp Gly Tyr Thr 1 5 10 15 Gln Leu His Phe Asp Ser Gln Ser Asn Thr Arg Ile Ala Val Val Ser 20 25 30 Glu Lys Gly Ser Cys Ala Ala Ser Pro Pro Trp Arg Leu Ile Ala Val 35 40 45 Ile Leu Gly Ile Leu Cys Leu Val Ile Leu Val Ile Ala Val Val Leu 50 55 60 Gly Thr Met Gly Val Leu Ser Ser Pro Cys Pro Pro Asn Trp Ile Ile 65 70 75 80 Tyr Glu Lys Ser Cys Tyr Leu Phe Ser Met Ser Leu Asn Ser Trp Asp 85 90 95 Gly Ser Lys Arg Gln Cys Trp Gln Leu Gly Ser Asn Leu Leu Lys Ile 100 105 110 Asp Ser Ser Asn Glu Leu Gly Phe Ile Val Lys Gln Val Ser Ser Gln 115 120 125 Pro Asp Asn Ser Phe Trp Ile Gly Leu Ser Arg Pro Gln Thr Glu Val 130 135 140 Pro Trp Leu Trp Glu Asp Gly Ser Thr Phe Ser Ser Asn Leu Phe Gln 145 150 155 160 Ile Arg Thr Thr Ala Thr Gln Glu Asn Pro Ser Pro Asn Cys Val Trp 165 170 175 Ile His Val Ser Val Ile Tyr Asp Gln Leu Cys Ser Val Pro Ser Tyr 180 185 190 Ser Ile Cys Glu Lys Lys Phe Ser Met 195 200
【0121】
【配列番号:2】 配列の長さ:247 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Tyr His Pro Asp Leu Glu Asn
Leu Asp Glu Asp Gly Tyr Thr 1 5
10 15 Gln Leu His Phe Asp Ser Gln Ser Asn
Thr Arg Ile Ala Val Val Ser 20 25
30 Glu Lys Gly Ser Cys Ala Ala Ser Pro
Pro Trp Arg Leu Ile Ala Val 35 40
45 Ile Leu Gly Ile Leu Cys Leu Val Ile
Leu Val Ile Ala Val Val Leu 50 55
60 Gly Thr Met Ala Ile Trp Arg Ser Asn
Ser Gly Ser Asn Thr Leu Glu 65 70
75 80 Asn Gly Tyr Phe Leu Ser Arg Asn Lys
Glu Asn His Ser Gln Pro Thr 85
90 95 Gln Ser Ser Leu Glu Asp Ser Val Thr
Pro Thr Lys Ala Val Lys Thr 100 105
110 Thr Gly Val Leu Ser Ser Pro Cys Pro
Pro Asn Trp Ile Ile Tyr Glu 115 120
125 Lys Ser Cys Tyr Leu Phe Ser Met Ser
Leu Asn Ser Trp Asp Gly Ser 130 135
140 Lys Arg Gln Cys Trp Gln Leu Gly Ser
Asn Leu Leu Lys Ile Asp Ser 145 150
155 160 Ser Asn Glu Leu Gly Phe Ile Val Lys
Gln Val Ser Ser Gln Pro Asp 165
170 175 Asn Ser Phe Trp Ile Gly Leu Ser Arg
Pro Gln Thr Glu Val Pro Trp 180 185
190 Leu Trp Glu Asp Gly Ser Thr Phe Ser
Ser Asn Leu Phe Gln Ile Arg 195 200
205 Thr Thr Ala Thr Gln Glu Asn Pro Ser
Pro Asn Cys Val Trp Ile His 210 215
220 Val Ser Val Ile Tyr Asp Gln Leu Cys
Ser Val Pro Ser Tyr Ser Ile 225 230
235 240 Cys Glu Lys Lys Phe Ser Met 245
Leu Asp Glu Asp Gly Tyr Thr 1 5
10 15 Gln Leu His Phe Asp Ser Gln Ser Asn
Thr Arg Ile Ala Val Val Ser 20 25
30 Glu Lys Gly Ser Cys Ala Ala Ser Pro
Pro Trp Arg Leu Ile Ala Val 35 40
45 Ile Leu Gly Ile Leu Cys Leu Val Ile
Leu Val Ile Ala Val Val Leu 50 55
60 Gly Thr Met Ala Ile Trp Arg Ser Asn
Ser Gly Ser Asn Thr Leu Glu 65 70
75 80 Asn Gly Tyr Phe Leu Ser Arg Asn Lys
Glu Asn His Ser Gln Pro Thr 85
90 95 Gln Ser Ser Leu Glu Asp Ser Val Thr
Pro Thr Lys Ala Val Lys Thr 100 105
110 Thr Gly Val Leu Ser Ser Pro Cys Pro
Pro Asn Trp Ile Ile Tyr Glu 115 120
125 Lys Ser Cys Tyr Leu Phe Ser Met Ser
Leu Asn Ser Trp Asp Gly Ser 130 135
140 Lys Arg Gln Cys Trp Gln Leu Gly Ser
Asn Leu Leu Lys Ile Asp Ser 145 150
155 160 Ser Asn Glu Leu Gly Phe Ile Val Lys
Gln Val Ser Ser Gln Pro Asp 165
170 175 Asn Ser Phe Trp Ile Gly Leu Ser Arg
Pro Gln Thr Glu Val Pro Trp 180 185
190 Leu Trp Glu Asp Gly Ser Thr Phe Ser
Ser Asn Leu Phe Gln Ile Arg 195 200
205 Thr Thr Ala Thr Gln Glu Asn Pro Ser
Pro Asn Cys Val Trp Ile His 210 215
220 Val Ser Val Ile Tyr Asp Gln Leu Cys
Ser Val Pro Ser Tyr Ser Ile 225 230
235 240 Cys Glu Lys Lys Phe Ser Met 245
【0122】
【配列番号:3】 配列の長さ:131 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Ser Pro Cys Pro Pro Asn Trp Ile
Ile Tyr Glu Lys Ser Cys Tyr 1 5
10 15 Leu Phe Ser Met Ser Leu Asn Ser Trp
Asp Gly Ser Lys Arg Gln Cys 20 25
30 Trp Gln Leu Gly Ser Asn Leu Leu Lys
Ile Asp Ser Ser Asn Glu Leu 35 40
45 Gly Phe Ile Val Lys Gln Val Ser Ser
Gln Pro Asp Asn Ser Phe Trp 50 55
60 Ile Gly Leu Ser Arg Pro Gln Thr Glu
Val Pro Trp Leu Trp Glu Asp 65 70
75 80 Gly Ser Thr Phe Ser Ser Asn Leu Phe
Gln Ile Arg Thr Thr Ala Thr 85
90 95 Gln Glu Asn Pro Ser Pro Asn Cys Val
Trp Ile His Val Ser Val Ile 100 105
110 Tyr Asp Gln Leu Cys Ser Val Pro Ser
Tyr Ser Ile Cys Glu Lys Lys 115 120
125 Phe Ser Met 130
Ile Tyr Glu Lys Ser Cys Tyr 1 5
10 15 Leu Phe Ser Met Ser Leu Asn Ser Trp
Asp Gly Ser Lys Arg Gln Cys 20 25
30 Trp Gln Leu Gly Ser Asn Leu Leu Lys
Ile Asp Ser Ser Asn Glu Leu 35 40
45 Gly Phe Ile Val Lys Gln Val Ser Ser
Gln Pro Asp Asn Ser Phe Trp 50 55
60 Ile Gly Leu Ser Arg Pro Gln Thr Glu
Val Pro Trp Leu Trp Glu Asp 65 70
75 80 Gly Ser Thr Phe Ser Ser Asn Leu Phe
Gln Ile Arg Thr Thr Ala Thr 85
90 95 Gln Glu Asn Pro Ser Pro Asn Cys Val
Trp Ile His Val Ser Val Ile 100 105
110 Tyr Asp Gln Leu Cys Ser Val Pro Ser
Tyr Ser Ile Cys Glu Lys Lys 115 120
125 Phe Ser Met 130
【0123】
【配列番号:4】 配列の長さ:178 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Arg Ser Asn Ser Gly Ser Asn Thr Leu Glu Asn Gly Tyr Phe Leu 1 5 10 15 Ser Arg Asn Lys Glu Asn His Ser Gln Pro Thr Gln Ser Ser Leu Glu 20 25 30 Asp Ser Val Thr Pro Thr Lys Ala Val Lys Thr Thr Gly Val Leu Ser 35 40 45 Ser Pro Cys Pro Pro Asn Trp Ile Ile Tyr Glu Lys Ser Cys Tyr Leu 50 55 60 Phe Ser Met Ser Leu Asn Ser Trp Asp Gly Ser Lys Arg Gln Cys Trp 65 70 75 80 Gln Leu Gly Ser Asn Leu Leu Lys Ile Asp Ser Ser Asn Glu Leu Gly 85 90 95 Phe Ile Val Lys Gln Val Ser Ser Gln Pro Asp Asn Ser Phe Trp Ile 100 105 110 Gly Leu Ser Arg Pro Gln Thr Glu Val Pro Trp Leu Trp Glu Asp Gly 115 120 125 Ser Thr Phe Ser Ser Asn Leu Phe Gln Ile Arg Thr Thr Ala Thr Gln 130 135 140 Glu Asn Pro Ser Pro Asn Cys Val Trp Ile His Val Ser Val Ile Tyr 145 150 155 160 Asp Gln Leu Cys Ser Val Pro Ser Tyr Ser Ile Cys Glu Lys Lys Phe 165 170 175 Ser Met
【0124】
【配列番号:5】 配列の長さ:603 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAATATC ATCCTGATTT AGAAAATTTG GATGAAGATG GATATACTCA ATTACACTTC 60 GACTCTCAAA GCAATACCAG GATAGCTGTT GTTTCAGAGA AAGGATCGTG TGCTGCATCT 120 CCTCCTTGGC GCCTCATTGC TGTAATTTTG GGAATCCTAT GCTTGGTAAT ACTGGTGATA 180 GCTGTGGTCC TGGGTACCAT GGGGGTTCTT TCCAGCCCTT GTCCTCCTAA TTGGATTATA 240 TATGAGAAGA GCTGTTATCT ATTCAGCATG TCACTAAATT CCTGGGATGG AAGTAAAAGA 300 CAATGCTGGC AACTGGGCTC TAATCTCCTA AAGATAGACA GCTCAAATGA ATTGGGATTT 360 ATAGTAAAAC AAGTGTCTTC CCAACCTGAT AATTCATTTT GGATAGGCCT TTCTCGGCCC 420 CAGACTGAGG TACCATGGCT CTGGGAGGAT GGATCAACAT TCTCTTCTAA CTTATTTCAG 480 ATCAGAACCA CAGCTACCCA AGAAAACCCA TCTCCAAATT GTGTATGGAT TCACGTGTCA 540 GTCATTTATG ACCAACTGTG TAGTGTGCCC TCATATAGTA TTTGTGAGAA GAAGTTTTCA 600 ATG 603
【0125】
【配列番号:6】 配列の長さ:741 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAATATC ATCCTGATTT AGAAAATTTG GATGAAGATG GATATACTCA ATTACACTTC 60 GACTCTCAAA GCAATACCAG GATAGCTGTT GTTTCAGAGA AAGGATCGTG TGCTGCATCT 120 CCTCCTTGGC GCCTCATTGC TGTAATTTTG GGAATCCTAT GCTTGGTAAT ACTGGTGATA 180 GCTGTGGTCC TGGGTACCAT GGCTATTTGG AGATCCAATT CAGGAAGCAA CACATTGGAG 240 AATGGCTACT TTCTATCAAG AAATAAAGAG AACCACAGTC AACCCACACA ATCATCTTTA 300 GAAGACAGTG TGACTCCTAC CAAAGCTGTC AAAACCACAG GGGTTCTTTC CAGCCCTTGT 360 CCTCCTAATT GGATTATATA TGAGAAGAGC TGTTATCTAT TCAGCATGTC ACTAAATTCC 420 TGGGATGGAA GTAAAAGACA ATGCTGGCAA CTGGGCTCTA ATCTCCTAAA GATAGACAGC 480 TCAAATGAAT TGGGATTTAT AGTAAAACAA GTGTCTTCCC AACCTGATAA TTCATTTTGG 540 ATAGGCCTTT CTCGGCCCCA GACTGAGGTA CCATGGCTCT GGGAGGATGG ATCAACATTC 600 TCTTCTAACT TATTTCAGAT CAGAACCACA GCTACCCAAG AAAACCCATC TCCAAATTGT 660 GTATGGATTC ACGTGTCAGT CATTTATGAC CAACTGTGTA GTGTGCCCTC ATATAGTATT 720 TGTGAGAAGA AGTTTTCAAT G 741
【0126】
【配列番号:7】 配列の長さ:393 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TCCAGCCCTT GTCCTCCTAA TTGGATTATA TATGAGAAGA GCTGTTATCT ATTCAGCATG 60 TCACTAAATT CCTGGGATGG AAGTAAAAGA CAATGCTGGC AACTGGGCTC TAATCTCCTA 120 AAGATAGACA GCTCAAATGA ATTGGGATTT ATAGTAAAAC AAGTGTCTTC CCAACCTGAT 180 AATTCATTTT GGATAGGCCT TTCTCGGCCC CAGACTGAGG TACCATGGCT CTGGGAGGAT 240 GGATCAACAT TCTCTTCTAA CTTATTTCAG ATCAGAACCA CAGCTACCCA AGAAAACCCA 300 TCTCCAAATT GTGTATGGAT TCACGTGTCA GTCATTTATG ACCAACTGTG TAGTGTGCCC 360 TCATATAGTA TTTGTGAGAA GAAGTTTTCA ATG 393
【0127】
【配列番号:8】 配列の長さ:534 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TGGAGATCCA ATTCAGGAAG CAACACATTG GAGAATGGCT ACTTTCTATC AAGAAATAAA 60 GAGAACCACA GTCAACCCAC ACAATCATCT TTAGAAGACA GTGTGACTCC TACCAAAGCT 120 GTCAAAACCA CAGGGGTTCT TTCCAGCCCT TGTCCTCCTA ATTGGATTAT ATATGAGAAG 180 AGCTGTTATC TATTCAGCAT GTCACTAAAT TCCTGGGATG GAAGTAAAAG ACAATGCTGG 240 CAACTGGGCT CTAATCTCCT AAAGATAGAC AGCTCAAATG AATTGGGATT TATAGTAAAA 300 CAAGTGTCTT CCCAACCTGA TAATTCATTT TGGATAGGCC TTTCTCGGCC CCAGACTGAG 360 GTACCATGGC TCTGGGAGGA TGGATCAACA TTCTCTTCTA ACTTATTTCA GATCAGAACC 420 ACAGCTACCC AAGAAAACCC ATCTCCAAAT TGTGTATGGA TTCACGTGTC AGTCATTTAT 480 GACCAACTGT GTAGTGTGCC CTCATATAGT ATTTGTGAGA AGAAGTTTTC AATG 534
【0128】
【配列番号:9】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GATGATTTGA CTCAGAGATT CT 22
【0129】
【配列番号:10】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TCTGTCCTCC TTACTACCTC AC
22
22
【0130】
【配列番号:11】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGGATCCAGC CCTTGTCCTC CTA
AT 25
AT 25
【0131】
【配列番号:12】 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGTCGACTTA CATTGAAAAC TTCTTCTC 28
【0132】
【配列番号:13】 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGGATCCTGG AGATCCAATT CAG
GAAGC 28
GAAGC 28
【0133】
【図1】実施例1で得られた本発明のヒト樹状細胞由来
の新規レセプター蛋白質(DC3)をコードするDNA
の塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を
示す。
の新規レセプター蛋白質(DC3)をコードするDNA
の塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列を
示す。
【図2】実施例1で得られた本発明のヒト樹状細胞由来
の新規レセプター蛋白質(DC3’)をコードするDN
Aの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列
を示す。
の新規レセプター蛋白質(DC3’)をコードするDN
Aの塩基配列、およびそれから推定されるアミノ酸配列
を示す。
【図3】図1に示したアミノ酸配列をもとに作成した、
本発明のヒト樹状細胞由来レセプター蛋白質(DC3)
の親水性プロットを示す。縦軸の+領域は親水性領域
を、−領域は疎水性領域を示す。
本発明のヒト樹状細胞由来レセプター蛋白質(DC3)
の親水性プロットを示す。縦軸の+領域は親水性領域
を、−領域は疎水性領域を示す。
【図4】図2に示したアミノ酸配列をもとに作成した、
本発明のヒト樹状細胞由来レセプター蛋白質(DC
3')の親水性プロットを示す。縦軸の+領域は親水性
領域を、−領域は疎水性領域を示す。
本発明のヒト樹状細胞由来レセプター蛋白質(DC
3')の親水性プロットを示す。縦軸の+領域は親水性
領域を、−領域は疎水性領域を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ADZ C12P 21/02 C 39/395 C12Q 1/68 A 48/00 ADU G01N 33/53 D C07K 16/28 A61K 37/02 ABC C12N 1/21 ABE 15/09 ZNA ABF C12P 21/02 ADY C12Q 1/68 ADZ G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (72)発明者 新谷 靖 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ703号
Claims (14)
- 【請求項1】配列番号:1もしくは配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質または
その塩。 - 【請求項2】C−タイプレクチンファミリーに属する樹
状細胞由来の膜タンパク質である請求項1記載のタンパ
ク質。 - 【請求項3】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
またはその塩。 - 【請求項4】配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを含有す
るDNA。 - 【請求項5】配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
る請求項4記載のDNA。 - 【請求項6】請求項4記載のDNAを含有する組換えベ
クター。 - 【請求項7】請求項6記載の組換えベクターで形質転換
させた形質転換体。 - 【請求項8】請求項1記載のタンパク質をコードするD
NAを含有するDNAを含有する組換えベクターで形質
転換された形質転換体を培養し、該タンパク質を生成、
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする請求項1
記載のタンパク質またはその塩の製造法。 - 【請求項9】請求項1記載のタンパク質、請求項3記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。 - 【請求項10】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
とする請求項1記載のタンパク質またはその塩に対する
リガンドの決定方法。 - 【請求項11】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
とするリガンドと請求項1記載のタンパク質またはその
塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法。 - 【請求項12】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有することを特
徴とするリガンドと請求項1記載のタンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング用キット。 - 【請求項13】請求項11記載のスクリーニング方法ま
たは請求項12記載のスクリーニング用キットを用いて
得られる、リガンドと請求項1記載のタンパク質または
その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩。 - 【請求項14】請求項11記載のスクリーニング方法ま
たは請求項12記載のスクリーニング用キットを用いて
得られる、リガンドと請求項1記載のタンパク質または
その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含
有してなる医薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9156376A JPH111497A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 新規膜タンパク質およびそのdna |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9156376A JPH111497A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 新規膜タンパク質およびそのdna |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111497A true JPH111497A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15626408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9156376A Withdrawn JPH111497A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 新規膜タンパク質およびそのdna |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111497A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999047673A3 (en) * | 1998-03-17 | 1999-11-18 | Schering Corp | Isolated mammalian membrane protein genes and related reagents |
WO2002022683A1 (fr) * | 2000-09-12 | 2002-03-21 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | Nouvelle membrane a paroi cellulaire dendritique et son utilisation |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP9156376A patent/JPH111497A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999047673A3 (en) * | 1998-03-17 | 1999-11-18 | Schering Corp | Isolated mammalian membrane protein genes and related reagents |
WO2002022683A1 (fr) * | 2000-09-12 | 2002-03-21 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | Nouvelle membrane a paroi cellulaire dendritique et son utilisation |
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |