JP2002360284A - 新規タンパク質およびその用途 - Google Patents

新規タンパク質およびその用途

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JP2002360284A
JP2002360284A JP2002026822A JP2002026822A JP2002360284A JP 2002360284 A JP2002360284 A JP 2002360284A JP 2002026822 A JP2002026822 A JP 2002026822A JP 2002026822 A JP2002026822 A JP 2002026822A JP 2002360284 A JP2002360284 A JP 2002360284A
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protein
salt
amino acid
partial peptide
acid sequence
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JP2002026822A
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Shoichi Okubo
尚一 大久保
Kuniko Kikuchi
久仁子 菊地
Yasushi Shintani
靖 新谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規分泌性タンパク質の提供。 【解決手段】 分泌性新規タンパク質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩、該タンパク質の製造法、該タン
パク質等を含有してなる医薬、該タンパク質に対する抗
体、該タンパク質の活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法/スクリーニング用キ
ット、該スクリーニングによって得られる化合物、該化
合物を含有してなる医薬など。 【効果】 本発明のタンパク質またはその部分ペプチド
などは、例えば、疾患組織摘出後の再生剤または癌の診
断剤などとして使用することができる。また、本発明の
抗体は、被検液中の本発明のタンパク質の定量などに使
用することができる。さらに、本発明のタンパク質は、
本発明のタンパク質の活性を促進または阻害する化合物
をスクリーニングするための試薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な分泌タンパ
ク質などに関する。
【0002】
【従来の技術】現在までに、癌関連の遺伝子としては、
細胞の増殖因子、あるいは受容体の遺伝子として、脳腫
瘍に関係するPDGF(Ross R., Nature 1993, 362:
801)、乳癌に関係するerb-B,erb-B2(Cell 1983;3
5,718, Burden S,Neuron 1997;18, 847)などが見出
されている他、シグナル伝達を促進する大腸癌に関係す
るKi-ras、白血病に関与するN-ras、細胞の増殖促進遺
伝子を活性化する転写因子の白血病、乳癌、胃癌などに
関与するc-myc(Maheswaran, Mol Cell Biol, 1994;14
(2) 1147)、神経芽腫に関与するN-myc(Schwab, Natu
re 1983 ; 305.245),肺癌に関与するL-myc(Nau, Na
ture 1985; 318,69)さらにBcl-2、Bcl-1、MDM2などの
濾胞性B細胞性リンパ腫、乳癌、頭頚部癌、p53癌抑制
蛋白質と拮抗する蛋白質などの蛋白類の遺伝子( Ree
d,Nature 1997;387,773, Donehower,Nature 1992,
356,215)など多数の遺伝子が見出されている。また、
これらの遺伝子とは異なり、癌細胞の増殖を抑制するよ
うに働く遺伝子であるAPC、DPC4、NF-1、NF-2、MTS1、R
B、P53、WT1など多数発見されている(Weinberg,Scien
tific American,1996,September,32)。これらの遺
伝子は細胞、組織が癌化した時に見出された特異的な蛋
白質を分析し、そのアミノ酸配列の情報を基にして同定
された物であり、その発見の経緯は種々である。 ま
た、現在発見されているこれらの遺伝子だけでは、癌の
発生、治癒を説明できるものではない。また、最近のヒ
ト遺伝子の解析から、機能が不明のEST(Expressed Sequ
ence Tag) の塩基配列が多数報告されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、癌に特異的な
蛋白の遺伝子を機能が未知のESTから見出すことによ
る、新たな癌の予防・治療剤の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ESTの塩
基配列を基に新規な塩基配列を有する分泌型タンパク質
遺伝子を見出し、さらに検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:8
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質ま
たはその塩、(2)配列番号:8で表されるアミノ酸配
列を含有する上記(1)記載のタンパク質またはその
塩、(3)上記(1)記載のタンパク質の部分ペプチド
またはその塩、(4)癌細胞で産生される上記(1)記
載のタンパク質またはその塩、(5)上記(1)記載の
タンパク質または上記(3)記載の部分ペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(6)DNAである上記(5)記載のポリヌクレオチ
ド、(7)上記(6)記載のポリヌクレオチドを含有す
る組換えベクター、(8)上記(7)記載の組換えベク
ターで形質転換させた形質転換体、(9)上記(8)記
載の形質転換体を培養し、上記(1)記載のタンパク質
または上記(3)記載の部分ペプチドを生成せしめるこ
とを特徴とする、上記(1)記載のタンパク質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の製造法、
(10)上記(1)記載のタンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる
医薬、(11)細胞増殖調節剤である上記(10)記載
の医薬、(12)細胞がナチュラルキラー細胞である上
記(11)記載の医薬、(13)ナチュラルキラー細胞
増殖阻害剤である上記(11)記載の医薬、(14)上
記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部
分ペプチドに対する抗体、(15)上記(14)記載の
抗体を含有してなる診断剤、(16)上記(14)記載
の抗体を含有してなる医薬、(17)上記(6)記載の
DNAを含有する医薬、(18)上記(1)記載のタン
パク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはそ
の塩を用いることを特徴とする、上記(1)記載のタン
パク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはそ
の塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
スクリーニング方法、(19)活性が細胞増殖阻害活性
である上記(18)記載のスクリーニング方法、(2
0)活性が細胞増殖促進活性である上記(18)記載の
スクリーニング方法、(21)上記(1)記載のタンパ
ク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその
塩を含有してなる、上記(1)記載のタンパク質もしく
は上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ用キット、(22)上記(18)記載のスクリーニン
グ方法または上記(21)記載のスクリーニング用キッ
トを用いて得られる、上記(1)記載のタンパク質もし
くは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の活性
を促進または阻害する化合物またはその塩、(23)上
記(22)記載の化合物またはその塩を含有してなる医
薬、(24)癌の予防・治療剤である上記(23)記載
の医薬、(25)上記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそ
の塩によるナチュラルキラー細胞の細胞増殖阻害を阻害
する活性を有する化合物またはその塩を含有する医薬、
(26)上記(14)記載の抗体を用いることを特徴と
する上記(1)記載のタンパク質の定量方法、(27)
上記(26)記載の定量方法を用いることを特徴とする
上記(1)記載のタンパク質の機能が関連する疾患の診
断法、(28)癌の予防・治療剤である上記(10)、
(16)または(17)記載の医薬、(29)癌の診断
剤である上記(15)記載の診断剤、(30)配列番
号:4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩を含有してなるナチュラルキ
ラー細胞増殖阻害剤、(31)配列番号:4で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコー
ドするDNAを含有してなるナチュラルキラー細胞増殖
阻害剤、(32)癌の予防・治療剤である上記(30)
または(31)記載の剤、(33)配列番号:4で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチド
に対する抗体を含有してなる癌の予防・治療剤、(3
4)配列番号:4で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含
有してなる癌の診断剤、(35)配列番号:4で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩のナチュラルキラ
ー細胞増殖阻害活性を阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法、(36)配列番号:4で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩を含有してなる、該タンパク質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩のナチュラルキラー細胞増殖阻害
活性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用
キット、(37)上記(35)記載のスクリーニング方
法または上記(36)記載のスクリーニング用キットを
用いて得られる、配列番号:4で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のナ
チュラルキラー細胞増殖阻害活性を阻害する化合物また
はその塩、(38)上記(37)記載の化合物またはそ
の塩を含有してなる医薬、(39)癌の予防・治療剤で
ある上記(38)記載の医薬、(40)哺乳動物に対し
て、上記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記
載の部分ペプチドまたはその塩の有効量を投与すること
を特徴とする癌の予防・治療方法、(41)哺乳動物に
対して、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の有効量を投
与することを特徴とする癌の予防・治療方法、(42)
癌の予防・治療剤を製造するための上記(1)記載のタ
ンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたは
その塩の使用、(43)癌の予防・治療剤を製造するた
めの配列番号:4で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩の使用、(44)
哺乳動物に対して、上記(22)記載の化合物またはそ
の塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治
療方法、(45)哺乳動物に対して、上記(37)記載
の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴と
する癌の予防・治療方法、(46)癌の予防・治療剤を
製造するための上記(22)記載の化合物またはその塩
の使用、(47)癌の予防・治療剤を製造するための上
記(37)記載の化合物またはその塩の使用などを提供
する。
【0006】さらには、本発明は、(48)配列番号:
8で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列が、配列番号:8で表されるアミノ酸配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列である上記(1)記載のタンパク質また
はその塩、(49)配列番号:8で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:8で
表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜
3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:8で表されるアミノ酸配列に1〜10個(好ましく
は、1〜5個(より好ましくは、1〜3個))のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:8で表される
アミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、ま
たはそれらを組み合わせたアミノ酸配列である上記
(1)記載のタンパク質またはその塩、
【0007】(50)(i)上記(1)記載のタンパク
質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩
に基質を接触させた場合と、(ii)上記(1)記載のタ
ンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたは
その塩に基質および試験化合物を接触させた場合におけ
る、上記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記
載の部分ペプチドまたはその塩の活性を測定し、比較す
ることを特徴とする上記(18)記載のスクリーニング
方法、(51)上記(18)記載のスクリーニング方法
または上記(21)記載のスクリーニング用キットを用
いて得られる、上記(1)記載のタンパク質もしくは上
記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進
する化合物またはその塩を含有してなる医薬、(52)
疾患組織摘出後の再生剤である上記(51)記載の医
薬、(53)上記(18)記載のスクリーニング方法ま
たは上記(21)記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる、上記(1)記載のタンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の活性を阻
害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、(5
4)癌の治療・予防剤である上記(53)記載の医薬、
【0008】(55)上記(14)記載の抗体と、被検
液および標識化された上記(1)記載のタンパク質もし
くは上記(3)記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された上
記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部
分ペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴と
する、被検液中の上記(1)記載のタンパク質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
および(56)被検液と担体上に不溶化した上記(1
4)記載の抗体および標識化された上記(14)記載の
抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする、被
検液中の上記(1)記載のタンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法などを
提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】配列番号:4または配列番号:8
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を有するタンパク質(以下、本発明のタ
ンパク質と称する場合がある)は、ヒトや非ヒト温血動
物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、
ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例え
ば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細
胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または
血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,
M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−
60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−
3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CE
M,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−
2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−
102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−
1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来
するタンパク質であってもよく、合成タンパク質であっ
てもよい。本発明のタンパク質は、ヒトや非ヒト温血動
物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、
ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の胎児の細胞
(特に胎児の脳細胞)または癌細胞に由来するものが好
ましい。
【0010】配列番号:8で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:8で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
があげられる。配列番号:8で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質と
しては、例えば、前記の配列番号:8で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列
番号:8で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質
と実質的に同質の活性(例、細胞増殖調節作用等)を有
するタンパク質などが好ましい。配列番号:4で表わさ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として
は、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列などがあげられる。配列番号:4で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質としては、例えば、前記の配列番号:
4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有し、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
を有するタンパク質と実質的に同質の活性(例、ナチュ
ラルキラー細胞増殖阻害作用等)を有するタンパク質な
どが好ましい。実質的に同質とは、それらの活性が性質
的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であ
ることを示す。従って、細胞増殖調節、ナチュラルキラ
ー細胞増殖阻害などの活性が同等(例、約0.1〜10
0倍、好ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは約
0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性
の程度、タンパク質の分子量などの量的要素は異なって
いてもよい。細胞増殖の測定は、公知の方法に準じて行
なうことができるが、例えば、後述するスクリーニング
方法に従って測定することができる。
【0011】また、本発明のタンパク質としては、例え
ば、配列番号:4または配列番号:8で表わされるア
ミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:4または
配列番号:8で表わされるアミノ酸配列に1〜10個
(好ましくは、1〜5個(より好ましくは、1〜3
個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:4または配列番号:8で表わされるアミノ酸配列に
1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入さ
れたアミノ酸配列、配列番号:4または配列番号:8
で表わされるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、
1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列
を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含まれ
る。前記のようにアミノ酸配列が挿入、欠失または置換
されている場合、その挿入、欠失または置換の位置とし
ては、特に限定されない。
【0012】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:4ま
たは配列番号:8で表わされるアミノ酸配列を含有する
タンパク質をはじめとする、本発明のタンパク質は、C
末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレー
ト(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエステ
ル(−COOR)の何れであってもよい。ここでエステ
ルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などが用いられる。本発明のタンパク質がC末端以外に
カルボキシル基(またはカルボキシレート)を有してい
る場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ
れているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば前記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明のタンパク質に
は、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基など
のC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、生体内で切断されて生成するN末端の
グルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内
のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、
アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ
基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチ
ル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基な
ど)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれ
る。本発明のタンパク質の具体例としては、例えば、配
列番号:4で表わされるアミノ酸配列を含有するヒト由
来のタンパク質(図1)または配列番号:8で表わされ
るアミノ酸配列を含有するヒト由来のタンパク質(図
2)などが用いられる。また、本明細書中、配列番号:
4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を有するタンパク質を「タンパク質
A」と、配列番号:8で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク
質を「タンパク質B」と称することもある。
【0013】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、好ましくは、前記した本発明のタンパク質と同様の
活性(例、細胞増殖など)を有するものであればいかな
るものでもよい。例えば、本発明のタンパク質の構成ア
ミノ酸配列中の少なくとも20%以上、好ましくは50
%以上、さらに好ましくは70%以上、より好ましくは
90%以上、最も好ましくは95%以上のアミノ酸配列
を有し、細胞増殖活性を有するペプチドなどが用いられ
る。また、本発明の部分ペプチドは、そのアミノ酸配列
中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠
失し、または、そのアミノ酸配列に1〜10個(好まし
くは、1〜5個(より好ましくは、1〜3個))のアミ
ノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に1〜5個
(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入され、また
は、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜
3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよ
い。
【0014】また、本発明の部分ペプチドはC末端がカ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−C
OO―)、アミド(−CONH2)またはエステル(−
COOR)(Rは前記と同意義を示す)の何れであって
もよい。本発明の部分ペプチドがC末端以外にカルボキ
シル基(またはカルボキシレート)を有している場合、
カルボキシル基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この場合のエ
ステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなど
が用いられる。さらに、本発明の部分ペプチドには、前
記した本発明のタンパク質と同様に、N末端のアミノ酸
残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護
されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグ
ルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内の
アミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されて
いるもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチド
などの複合ペプチドなども含まれる。また、本発明の部
分ペプチドは抗体作成のための抗原として用いることが
できるので、必ずしも細胞増殖活性を有する必要はな
い。
【0015】本発明のタンパク質または部分ペプチドの
塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有
機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有
機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質また
はその塩は、前述したヒトや非ヒト温血動物の細胞(特
に癌細胞など)または組織(特に胎児脳など)から公知
のタンパク質の精製方法によって製造することもできる
し、後述するタンパク質をコードするDNAを含有する
形質転換体を培養することによっても製造することがで
きる。また、後述のペプチド合成法に準じて製造するこ
ともできる。ヒトや非ヒト温血動物の組織または細胞
(特に癌細胞、胎児脳など)から製造する場合、ヒトや
非ヒト温血動物の組織または細胞をホモジナイズした
後、酸などで抽出を行ない、得られた抽出液を逆相クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどの
クロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離
することができる。
【0016】本発明のタンパク質、部分ペプチドもしく
はその塩、またはそのアミド体の合成には、通常市販の
タンパク質合成用樹脂を用いることができる。そのよう
な樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキ
シメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチ
ル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、
4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4
−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメトキ
シフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェ
ノキシ樹脂などをあげることができる。このような樹脂
を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したア
ミノ酸を、目的とするタンパク質の配列通りに、公知の
各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後
に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を
除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合
形成反応を実施し、目的のタンパク質またはそれらのア
ミド体を取得する。前記した保護アミノ酸の縮合に関し
ては、タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用
いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。
カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピル
カルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロ
リル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる
活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)
とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、
対応する酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエ
ステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なっ
た後に樹脂に添加することができる。
【0017】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0018】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
【0019】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。前記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は前記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0020】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を前記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については前記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、前記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0021】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、自
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによっ
て製造することができる。ペプチドの合成法としては、
例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良
い。すなわち、本発明の部分ペプチドを構成し得る部分
ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することによ
り目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合
方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に
記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。前記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0022】本発明のタンパク質をコードするポリヌク
レオチドとしては、前述した本発明のタンパク質をコー
ドする塩基配列を含有するものであればいかなるもので
あってもよい。好ましくはDNAである。DNAとして
は、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記し
た細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来
のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtota
lRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直
接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。本発明のタンパク質をコードするDNA
としては、例えば、配列番号:3または配列番号:7
で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番
号:3または配列番号:7で表わされる塩基配列とハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列を有し、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性
(例、細胞増殖活性など)を有するタンパク質をコード
するDNAなどであれば何れのものでもよい。
【0023】より具体的には、配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
としては、配列番号:3で表わされる塩基配列を有する
DNAなどが、配列番号:8で表わされるアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードするDNAとしては、配列
番号:7で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用
いられる。
【0024】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:3または配列番号:7で
表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有
するDNA、または配列番号:3または配列番号:7で
表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のタンパク
質と実質的に同質の活性を有するタンパク質をコードす
るDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。
【0025】本発明のタンパク質または部分ペプチド
(以下、これらタンパク質等をコードするDNAのクロ
ーニングおよび発現の説明においては、これらタンパク
質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合がある)
を完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、本発明のタンパク質をコードするDNAの塩基配列
の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて
自体公知のPCR法によって増幅するか、または適当な
ベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク質の一
部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成
DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーショ
ンによって選別することができる。ハイブリダイゼーシ
ョンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング
(MolecularCloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold
Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など
に従って行なうことができる。また、市販のライブラリ
ーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従
って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換は、
PCRや公知のキット、例えば、MutanTM-superExpress
Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を
用いて、ODA-LAPCR法やGapped duplex法やKunkel法等の
公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なう
ことができる。クローン化されたタンパク質をコードす
るDNAは目的によりそのまま、または所望により制限
酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用する
ことができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コ
ドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有して
いてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、例え
ば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNAから
目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片
を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結す
ることにより製造することができる。
【0026】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40初期プロモータ
ー、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモータ
ー、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。これ
らのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモータ
ー、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿
主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーター、T7プロモータ
ーなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1
プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモ
ーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモ
ーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、A
DHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞であ
る場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモー
ターなどが好ましい。
【0027】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、組換え体細胞をチミジンを
含まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造することができる。
【0028】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピヒア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0029】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spod
optera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia n
iの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来の
High FiveTM細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx
mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf
細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、
Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ
(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる
〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592
(1985)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞C
OS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO
(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。さらに、各種の正常ヒト細胞、例
えば肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)などを用いることも
可能である。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。
【0030】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。
【0031】動物細胞を形質転換するには、例えば、細
胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−
267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Vi
rology),52巻,456(1973)に記載の方法に従
って行なうことができる。このようにして、タンパク質
をコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換
された形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリ
ヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する
際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であ
り、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒
素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カル
シウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムな
どがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長
促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8
が望ましい。
【0032】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。
【0033】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,53
30(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜
8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35
℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体
を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium
(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞外に本発明の
タンパク質を生成せしめることができる。
【0034】前記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、公知の分離・精製法を適宜組み合わせて行なう
ことができる。これらの公知の分離、精製法としては、
塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析
法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を
利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷
電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体
クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、
等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法など
が用いられる。
【0035】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊
離体または他の塩に変換することができる。なお、組換
え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適
当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意
に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去するこ
ともできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、ト
リプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダ
ーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用い
られる。かくして生成する本発明のタンパク質またはそ
の塩の存在または活性は、標識したリガンドとの結合実
験および特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイな
どにより測定することができる。
【0036】本発明のタンパク質もしくは部分ペプチド
またはその塩に対する抗体は、本発明のタンパク質もし
くは部分ペプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のタンパク質もしくは部分ペプチ
ドまたはその塩(以下、抗体の説明においては、これら
タンパク質等を単に本発明のタンパク質と略記する場合
がある)に対する抗体は、本発明のタンパク質を抗原と
して用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製
造することができる。
【0037】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0038】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、前記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0039】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0040】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアータンパク
質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製
造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から
本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗
体の分離精製を行なうことにより製造することができ
る。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキ
ャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータン
パク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンや
ウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプ
テン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の
割合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテン
とキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いる
ことができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミ
ド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリ
ジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮
合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位
にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。
投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイント
アジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与し
てもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約
3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上
記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ま
しくは血液から採取することができる。抗血清中のポリ
クローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の
測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分
離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様
の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことがで
きる。
【0041】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩をコードするDNA(以下、本発
明のDNAと略記する場合がある)および本発明のタン
パク質もしくは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体
(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)の用途を
説明する。
【0042】(1)本発明のタンパク質またはDNAを
含有する各種疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質は、GPI(グリコシル化フォスフ
ァチジルイノシトール)アンカー型タンパク質として機
能しうる。また、本発明のタンパク質は細胞増殖調節活
性を有しているので、本発明のタンパク質および本発明
のDNAは疾患組織摘出(全摘出・部分摘出の双方を含
むが、部分摘出が好ましい)後の組織再生剤、各種癌
(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺
癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)など
の疾病の治療・予防剤などの医薬として、好ましくは疾
患組織摘出後の組織再生剤などとして使用することがで
きる。本発明のタンパク質を上記の治療・予防剤として
使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%
以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは9
9%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
【0043】本発明のタンパク質は、例えば、必要に応
じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マ
イクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もし
くはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、
または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、本発明のタンパク質を生理学的に認められ
る担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求さ
れる単位用量形態で混和することによって製造すること
ができる。これら製剤における有効成分量は指示された
範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
【0044】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。本発明のDNAを
上記の製剤として使用する場合は、該DNAを単独ある
いはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従っ
て、ヒトまたは非ヒト温血動物に投与することができ
る。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進
のための補助剤などの生理学的に認められる担体ととも
に製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよう
なカテーテルによって投与できる。
【0045】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト温血動物
(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ト
リ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、な
ど)に対して投与することができる。本発明のタンパク
質の投与量は、対象疾患、投与対象などにより差異はあ
るが、例えば、疾患組織摘出後の組織再生剤として本発
明のタンパク質を投与する場合、一般的に成人(60k
gとして)においては、一日につき該タンパク質等を約
0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。
【0046】(2)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング ナチュラルキラー(NK)細胞は癌細胞の増殖を阻害す
る。本発明のタンパク質であるタンパク質Aは、正常細
胞の増殖に影響を与えないが、NK細胞の増殖を阻害す
る為、本発明のタンパク質によるNK細胞増殖阻害活性
を阻害する活性を有する化合物またはその塩は、例え
ば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸
癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色
腫等)などの疾病の治療・予防剤などの医薬として使用
できる。従って、タンパク質Aは、タンパク質Aによる
NK細胞増殖阻害を阻害する活性を有する化合物または
その塩のスクリーニングのための試薬として有用であ
る。すなわち、本発明は、(a)タンパク質Aもしく
はその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴と
する、タンパク質Aもしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩のNK細胞増殖阻害を阻害する活性を有する化合物
(「(2)疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニン
グ」において阻害剤と略記する場合がある)のスクリー
ニング方法(「(2)疾病に対する医薬候補化合物のス
クリーニング」において本発明のスクリーニング方法と
称することもある)、タンパク質Aもしくはその部分
ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする、阻
害剤のスクリーニング用キット(「(2)疾病に対する
医薬候補化合物のスクリーニング」において本発明のス
クリーニング用キットと称することもある)を提供し、
より具体的には、例えば、(b)(i)タンパク質A
もしくはその部分ペプチドまたはその塩にNK細胞を接
触させた場合と(ii)タンパク質Aもしくはその部分ペ
プチドまたはその塩にNK細胞および試験化合物を接触
させた場合との比較を行なうことを特徴とする阻害剤の
スクリーニング方法、タンパク質Aもしくはその部分
ペプチドまたはその塩、必要に応じさらにNK細胞を含
有することを特徴とする阻害剤のスクリーニング用キッ
トを提供する。具体的には、上記スクリーニング方法、
スクリーニング用キットにおいては、例えば、(i)と
(ii)の場合における、本発明のタンパク質のNK細胞
増殖阻害活性などを測定して、比較する。
【0047】タンパク質AのNK細胞増殖阻害活性は、
公知の方法あるいはそれに準じる方法などに従って測定
することができ、後述の実施例に記載の方法で行なうこ
とが好ましい。試験化合物としては、例えば、ペプチ
ド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液な
どがあげられ、これら化合物は新規な化合物であっても
よいし、公知の化合物であってもよい。
【0048】例えば、上記(ii)の場合におけるNK細
胞増殖阻害活性が上記(i)の場合に比べて、約20%
以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%
以上阻害する試験化合物を阻害剤として選択することが
できる。
【0049】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物であり、本発明のタンパク質のNK細胞
増殖阻害を阻害する活性を有する化合物である。該化合
物の塩としては、上記した本発明のタンパク質の塩と同
様のものが用いられる。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、上記した本発明のタンパク質
を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリ
キシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤
などとすることができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト
温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。該化合物またはその塩の投
与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートな
どにより差異はあるが、例えば、子宮内膜腫瘍の治療目
的でタンパク質AのNK細胞増殖阻害を阻害する活性を
有する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重
60kgとして)においては、一日につき該化合物を約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的
に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、
対象疾患などによっても異なるが、例えば、子宮内膜腫
瘍の治療目的でタンパク質AのNK細胞増殖阻害を阻害
する活性を有する化合物を注射剤の形で通常成人(60
kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0051】(3)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング タンパク質Bは、細胞増殖調節活性を有する。したがっ
て、タンパク質Bの機能(例、細胞増殖調節活性など)
を促進する化合物またはその塩は、例えば、疾患組織摘
出後の組織再生剤などの医薬として使用できる。一方、
タンパク質Bの機能(例、細胞増殖調節活性など)を阻
害する化合物またはその塩は、例えば、各種癌(例、子
宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺
癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病
の治療・予防剤などの医薬として使用できる。また、タ
ンパク質Bは、タンパク質Bの分子の種類(単量体、多
量体など)により、NK細胞増殖を促進または阻害する
活性を有する。したがって、タンパク質Bの機能(例、
NK細胞増殖促進活性など)を促進する化合物またはそ
の塩、あるいはタンパク質Bの機能(例、NK細胞増殖
阻害活性など)を阻害する化合物またはその塩は、例え
ば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸
癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色
腫等)などの疾病の治療・予防剤などの医薬として使用
できる。タンパク質Bは、タンパク質Bの機能を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニングのた
めの試薬として有用である。すなわち、本発明は、
(c)タンパク質Bもしくはその部分ペプチドまたは
その塩を用いることを特徴とする、タンパク質Bもしく
はその部分ペプチドまたはその塩の機能(例えば、細胞
増殖調節活性、NK細胞増殖の促進または阻害活性な
ど)を促進する化合物もしくはその塩(「(3)疾病に
対する医薬候補化合物のスクリーニング」において促進
剤と略記する場合がある)、またはタンパク質Bもしく
はその部分ペプチドまたはその塩の機能(例えば、細胞
増殖調節活性、NK細胞増殖の促進または阻害活性な
ど)を阻害する化合物(「(3)疾病に対する医薬候補
化合物のスクリーニング」において阻害剤と略記する場
合がある)のスクリーニング方法、タンパク質Bもし
くはその部分ペプチドまたはその塩を含有することを特
徴とする、促進剤または阻害剤のスクリーニング用キッ
ト(「(3)疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニ
ング」において本発明のスクリーニング用キットと称す
ることもある)を提供し、より具体的には、例えば、
(d)(i)タンパク質Bもしくはその部分ペプチド
またはその塩に細胞(例、上記の各種組織(好ましくは
ヒトなど)由来の正常細胞または上記の癌細胞など)を
接触させた場合と(ii)タンパク質Bもしくはその部分
ペプチドまたはその塩に細胞(例、上記の各種組織(好
ましくはヒトなど)由来の正常細胞または上記の癌細胞
など)および試験化合物を接触させた場合との比較を行
なうことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリーニ
ング方法、タンパク質Bもしくはその部分ペプチドま
たはその塩および細胞(例、上記の各種組織(好ましく
はヒトなど)由来の正常細胞または上記の癌細胞など)
を含有することを特徴とする、促進剤または阻害剤のス
クリーニング用キットを提供する。具体的には、上記ス
クリーニング方法においては、例えば、(i)と(ii)
の場合における、タンパク質Bの細胞増殖調節活性、N
K細胞増殖の促進または阻害活性などを測定して、比較
することを特徴とするものである。
【0052】本発明のタンパク質の細胞増殖調節活性
は、公知の方法あるいはそれに準じる方法などに従って
測定することができる。細胞としては、例えば、上記の
各種組織(好ましくはヒトなど)由来の正常細胞または
上記の癌細胞などが用いられる。試験化合物としては、
例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、
合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動
物組織抽出液などがあげられ、これら化合物は新規な化
合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
上記のスクリーニング方法を実施するには、本発明のタ
ンパク質を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁
することにより本発明のタンパク質の標品を調製する。
バッファーには、pH約4〜10(望ましくは、pH約
6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファー
などの、本発明のタンパク質と試験化合物との反応を阻
害しないバッファーであればいずれでもよい。
【0053】例えば、上記(ii)の場合における細胞増
殖調節活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上上昇させる試験化合物を促進剤として、一方、上記
(ii)の場合における細胞増殖活性が上記(i)の場合
に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より
好ましくは約50%以上阻害する試験化合物を阻害剤と
して選択することができる。
【0054】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物であり、タンパク質Bの機能(例、細胞
増殖調節活性など)を促進または阻害する化合物であ
る。該化合物の塩としては、上記した本発明のタンパク
質の塩と同様のものが用いられる。
【0055】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、上記した本発明のタンパク質
を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリ
キシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤
などとすることができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト
温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。該化合物またはその塩の投
与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートな
どにより差異はあるが、例えば、疾患組織摘出後の組織
再生剤として、タンパク質Bの機能を促進する化合物を
経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとし
て)においては、一日につき該化合物を約0.1〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。他の動物の場合も、6
0kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0056】一方、子宮内膜腫瘍の治療目的でタンパク
Bの機能を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的
に成人(体重60kgとして)においては、一日につき
該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、子宮内膜腫瘍の治療目的で本発明のタンパク質の機
能を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg
として)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.
01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0057】(4)本発明のタンパク質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0058】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0059】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等があげられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0060】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、上記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0061】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、本発明
のタンパク質の濃度の増加が検出された場合、例えば、
各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、
前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫
等)などの疾病である、または将来罹患する可能性が高
いと診断することができる。また、本発明の抗体は、体
液や組織などの被検体中に存在する本発明のタンパク質
を検出するために使用することができる。また、本発明
のタンパク質を精製するために使用する抗体カラムの作
製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質の検出、被
検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分析など
のために使用することができる。
【0062】(5)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質の活性を中和する作用を有する本発
明の抗体(中和抗体)は、例えば、 各種癌(例、子宮
体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、
腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病の治
療・予防剤などの医薬として使用することができる。本
発明のタンパク質に対する本発明のヒト化抗体は、例え
ば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸
癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色
腫等)などの疾病の治療・予防剤などの医薬として使用
することができる。該ヒト化抗体は、Nat Biotechnol,
14,845‐851.(1996) 、Nat Genet.15,146‐156.
(1997)、PNAS,97(2),722−727 (2000)等に記載の
方法に準じて作製することができる。以下、「(5)本
発明の抗体を含有する医薬」において、本発明の中和抗
体およびヒト化抗体を本発明の抗体と総称する。本発明
の抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤は、そのまま
液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒ
トまたは非ヒト温血動物(例えば、マウス、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、
サルなど)に対して経口的または非経口的に投与するこ
とができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投
与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の子宮
内膜腫瘍患者の治療・予防のために使用する場合には、
本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg
/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体
重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程
度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程
度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の非
経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与
することができる。症状が特に重い場合には、その症状
に応じて増量してもよい。本発明の抗体は、それ自体ま
たは適当な医薬組成物として投与することができる。上
記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と
薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤と
を含むものである。かかる組成物は、経口または非経口
投与に適する剤形として提供される。すなわち、例え
ば、経口投与のための組成物としては、固体または液体
の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティン
グ錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフ
トカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤など
があげられる。かかる組成物は公知の方法によって製造
され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤も
しくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の
担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステア
リン酸マグネシウムなどが用いられる。
【0063】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に
従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に
用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁また
は乳化することによって調製する。注射用の水性液とし
ては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬
を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール
(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenatedcastor oil)〕などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお上記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0064】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸
【0065】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0066】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル MBzl :メトキシベンジル MeBzl :4−メチルベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル OBzl :ベンジルエステル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF :N、N−ジメチルホルムアミド TEA :トリエチルアミン WSCD :1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル) −カルボジイミド EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0067】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕実施例1で用いられたプライマー1の
塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕実施例1で用いられたプライマー2の
塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕配列番号:4で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列を示す 〔配列番号:4〕本発明のヒト由来タンパク質(ALCAN-
β)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例2で用いられたプライマー3の
塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例2で用いられたプライマー4の
塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:8で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕本発明のヒト由来タンパク質(ALCAN-
γ)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例3で用いられた合成DNAの塩
基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例4で用いられた合成DNAの
塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例6で用いられた合成DNAの
塩基配列を示す。
【0068】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)XL-10/pCR2.1-TO
PO-ALCAN-βは、2001(平成13)年2月8日から
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵
便番号305−8566)独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター(旧 経済産業省産業技術
総合研究所生命工学工業技術研究所(NIBH))に寄
託番号FERM BP−7446として、2001年1
月25日から、日本国大阪府大阪市淀川区十三本町2丁
目17番85号(郵便番号532−8686) 財団法
人・発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 1652
9として寄託されている。後述の実施例2で得られた形
質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)XL-1
0/pCR2.1-TOPO-ALCAN-γは、2001(平成13)年
2月8日から日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)独立行政法人産
業技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 経済産
業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所(NI
BH))に寄託番号FERM BP−7447として、
2001年1月25日から、日本国大阪府大阪市淀川区
十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−868
6) 財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号IF
O 16530として寄託されている。
【0069】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)に記載され
ている方法に従った。
【0070】実施例1 ALCAN-βcDNAのクローニング ヒト胎児脳cDNA(Marathon-ReadyTM cDNA;Clontec
h 社)を鋳型とし、2個のプライマー、プライマー1
(配列番号:1)およびプライマー2(配列番号:2)
を用いてPCRを行なった。PCR反応には Advantage
2 Polymerase Mixture( Clontech 社)を用い、9
5℃、1分の後、95℃、30秒、60℃、30秒、
72℃、2分を30回の後、72℃、5分の伸長反応
を行なった。反応後、反応産物をTAクローニングキッ
ト(Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクタ
ーpCR2.1-TOPO( Invitrogen 社)へクローニン
グした。個々のクローンの配列を解析した結果、新規分
泌タンパクをコードするcDNAの塩基配列(配列番
号:3)を得た。このcDNAより導き出されるアミノ
酸配列(配列番号:4)はWO00/055197に記載のヒト TG
C838( ALCAN-α )と約60% の相同性を有し、これをAL
CAN-βと命名した。配列番号:3で表わされるcDNA
を含有する形質転換体をエシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli)XL-10/pCR2.1-TOPO-ALCAN-βと命名した。
【0071】実施例2 ALCAN-γcDNAのクローニング ヒト胎児脳cDNA(Marathon-ReadyTM cDNA;Clontec
h 社)を鋳型とし、2個のプライマー、プライマー3
(配列番号:5)およびプライマー4(配列番号:6)
を用いてPCRを行なった。PCR反応には Advantage
2 Polymerase Mixture( Clontech 社)を用い、9
5℃、1分の後、95℃、30秒、60℃、30秒、
72℃、2分を30回の後、72℃、5分の伸長反応
を行なった。反応後、反応産物をTAクローニングキッ
ト(Invitrogen 社)の処方に従い、プラスミドベクタ
ーpCR2.1-TOPO( Invitrogen 社)へクローニン
グした。個々のクローンの配列を解析した結果、新規分
泌タンパクをコードするcDNA配列(配列番号:7)
を得た。このcDNAより導き出されるアミノ酸配列配
列番号:8)はヒト TGC838( ALCAN-α )と約 55% の
相同性を有し、これをALCAN-γと命名した。配列番号:
7で表わされるcDNAを含有する形質転換体をエシェ
リヒア・コリ(Escherichia coli)XL-10/pCR2.1-TOPO
-ALCAN-γと命名した。
【0072】実施例3 ALCAN-β の動物細胞での発現ベクターの構築 ALCAN-β を動物細胞中で発現させるための発現ベクタ
ーは、ALCAN-β をコードする ORF (open reading fla
me)を含む DNA 断片を、動物細胞用発現ベクター pCAN
618FLAG に挿入することによって得た。pCAN618FLAG は
プラスミドベクター pCAN618 (図5)に由来し、Sal I
部位直後に存在する 8 アミノ酸の FLAG 配列( Asp-T
yr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys )をコードする塩基配列
と終止コドンに読取り枠を合わせることで、該目的タン
パクを FLAG 融合タンパクとして発現させることが可能
である。まず ALCAN-β タンパクをコードしている cDN
A断片を鋳型にして、翻訳開始コドンの直前に制限酵素
Eco RI 認識部位がくるように設計した合成 DNA(配列
番号:1 )と、ALCAN-β タンパクの 219 番目のアミノ
酸の後に制限酵素 Xho I 認識部位がくるように設計し
た合成 DNA(配列番号:9 )を用いて PCR を行なっ
た。PCR 反応には Advantage 2 Polymerase Mixture(
Clontech 社)を用い、 94℃ 1 分の後、 98℃ 1
0 秒、60℃ 30秒、72℃ 1 分を 30 回の後、 72℃
10 分の伸長反応を行なってALCAN-βの ORF を含む DN
A 断片を得た。この DNA 断片を TA Cloning Kit(Invi
trogen社)の処方に従い、プラスミドベクターpVR2.1-T
OPO( Invitrogen 社)へクローニングした。得られた
プラスミドを制限酵素 Eco RI 及び Xho I で切断して
挿入断片を回収し、pCAN618FLAG の Eco RI/Sal I 部
位に挿入してヒト ALCAN-β タンパクの動物細胞での発
現ベクター pCAN618/ALCAN-β-FLAG を得た。
【0073】実施例4 ALCAN-γ の動物細胞での発現ベクターの構築 ALCAN-γ を動物細胞中で発現させるための発現ベクタ
ーは、実施例3と同様にALCAN-γ をコードする ORF を
含む DNA 断片を、動物細胞用発現ベクター pCAN618FLA
G に挿入することによって得た。まず ALCAN-γ タンパ
クをコードしている cDNA 断片を鋳型にして、翻訳開始
コドンの直前に制限酵素 Eco RI 認識部位がくるように
設計した合成 DNA(配列番号:5 )と、ALCAN-γ タン
パクの 220 番目のアミノ酸の後に制限酵素 Sal I 認識
部位がくるように設計した合成 DNA(配列番号:10 )
を用いて PCR を行なった。PCR で得られた断片のクロ
ーニングは実施例 3 と同様に行なった。このプラスミ
ドを制限酵素 Eco RI 及び Sal I で切断して挿入断片
を回収し、pCAN618FLAG の Eco RI/Sal I 部位に挿入
してヒト ALCAN-γ タンパクの動物細胞での発現ベクタ
ー pCAN618/ALCAN-γ-FLAG を得た。
【0074】実施例5 ALCAN-β 及び ALCAN-γ の COS7 細胞での発現 COS7 細胞 2×106 個を、10% の FBS(ウシ胎児血清)
を含む DMEM(培地;GibcoBRL )中、10 cm シャーレで
24 時間培養した。この細胞に、実施例 3 または実施
例 4 で得た発現ベクター pCAN618/ALCAN-β-FLAG ま
たは pCAN618/ALCAN-γ-FLAG を、LipofectAMINE( Gi
bcoBRL )を用いて導入し、さらに 18 時間培養した。
次に培地を 0.05% CHAPS を含む Opti-MEM(培地;Gib
coBRL )に換えてさらに 24 時間培養し、培養上清を回
収した。上清は遠心によって浮いている細胞を除いた
後、2-メルカプトエタノールを含む同量の SDS-Sample
Bufferを加えて 16% Peptide-PAGE( TEFCO )で電気
泳動し、これを PVDF 膜( Amersham )に電気的に移し
た。一次抗体として抗 FLAG 抗体(マウス IgG;Sigm
a)を用い、二次抗体にはHRP( Horseraddish peroxida
se )標識抗マウス IgG抗体( Amersham )を用いた。
発色は、ECLplus Western Blot Detection System( Am
ersham )を用いて5分間露光することにより行なっ
た。図4に示す通り、抗 FLAG 抗体で認識される産物を
培養上清中に確認した。
【0075】実施例6 ALCAN-γ タンパクのヒト IgG Fc 領域との融合タンパ
クの発現 ALCAN-γ をヒト IgG Fc 領域との融合タンパクとして
発現させるための発現ベクターの構築は、ALCAN-γ タ
ンパクの一部をコードする DNA 断片を動物細胞用発現
ベクター pCAN618Fc に挿入することによって行なっ
た。pCAN618Fc はプラスミドベクター pCAN618 に由来
し、制限酵素 Xho I 部位の直後に存在するヒト Ig の
Fc 領域及びそれに続く終止コドンをコードする塩基配
列に読み取り枠を合わせることで、該目的タンパクをヒ
ト Ig の Fc との融合タンパクとして発現させることが
可能である。まず、ALCAN-γ タンパクをコードしてい
る cDNAを鋳型にして、先の合成 DNA(配列番号:5)
と、ALCAN-γ タンパクの 221 番目のアミノ酸の後に制
限酵素 Xho I 認識部位がくるように設計した合成 DNA
(配列番号:11)を用いて PCR を行なった。PCR 反
応には Advantage 2 Polymerase Mixture( Clontech
社)を用い、 94℃ 1 分の後、 98℃ 10 秒、65
℃ 30 秒、72℃ 1 分を 25 回の後、 72℃ 10 分
の伸長反応を行なって ALCAN-γ の ORF を含む DNA 断
片を得た。この DNA 断片を制限酵素 Eco RI 及び Xho
I で切断して回収し、pCAN618Fc の Eco RI/Xho I
部位に挿入してヒト CSP2 タンパクの動物細胞での発現
ベクター pCAN618/ALCAN-γ-Fc を得た。得られた発現
ベクター pCAN618/ALCAN-γ-Fc は、実施例 4 と同様
の方法で10 cm シャーレ 10 枚分の COS7 細胞に導入し
て培養上清を回収した。回収した培養上清は遠心によっ
て細胞等を除いた後、Centricon-10( Amicon 社)を用
いて 100 倍に濃縮した。
【0076】実施例7 ALCAN-γ-Fc タンパクのヒト NKG2D 発現 CHO-K1 細胞
への結合 ヒトの NKG2D を発現する CHO-K1 細胞株 CHO-K1/hNKG
2D-11 を、PBS/1% FBS で 2 回洗浄後、実施例6で得
た ALCAN-γ-Fc 発現 COS7 細胞の培養上清濃縮物 10μ
l を含む 50μl の PBS/1% FBS に懸濁した。これを 0
℃ 60 分反応させて結合させた後、200μl の PBS/1%
FBS で 2 回洗浄後、1μl の anti-human IgG (Fc)-FI
TC conjugate( Caltag 社)を含む 50μl の PBS/1%
FBS に懸濁した。これを 0℃ 60 分反応させて標識し
た後、200μl の PBS/1% FBS で2 回洗浄後、 600μl
の PBS/1% FBS に再懸濁した。これを FACSVantage(
Becton Dickinson 社)を用いて解析したところ、FITC
蛍光強度の強い細胞が認められ、CHO-K1 細胞表面に発
現したヒト NKG2D に対して ALCAN-γ-Fc タンパクの明
らかな結合が観察された。
【0077】
【発明の効果】本発明のタンパク質などは、例えば、細
胞増殖調節活性などを有するため、疾患組織摘出後の組
織再生剤などとして使用することができる。また、本発
明のタンパク質は、本発明のタンパク質の活性を促進も
しくは阻害する化合物またはその塩のスクリーニングの
ための試薬として有用であり、スクリーニングによって
得られる阻害剤は各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫
瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、神経芽
腫、膀胱癌、黒色腫等)の予防・治療剤として期待され
る。さらに、本発明のタンパク質に対する抗体は、本発
明のタンパク質を特異的に認識することができるので、
被検液中の本発明のタンパク質の定量などに使用するこ
とができ、上記各種癌の診断剤として利用することがで
きる。また、本発明のタンパク質に対するヒト化抗体
は、上記各種癌の予防・治療剤として用いることができ
る。
【0078】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Protein and its Use <130> P01-0296 <150> JP2001-028655 <151> 2001-02-05 <150> JP2001-040534 <151> 2001-02-16 <160> 11 <210> 1 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 gaattccacc atggcagcgg ccgccagccc cgcct 35 <210> 2 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 gcggccgctc atctgccagc tagaatgaag cagaggaa 38 <210> 3 <211> 732 <212> DNA <213> Human <400> 3 atggcagcgg ccgccagccc cgccttcctt ctgtgcctcc cgcttctgca cctgctgtct 60 ggctggtccc gggcaggatg ggtcgacaca cactgtcttt gctatgactt catcatcact 120 cctaagtcca gacctgaacc acagtggtgt gaagttcaag gcctggtgga tgaaaggcct 180 tttcttcact atgactgtgt taaccacaag gccaaagcct ttgcttctct ggggaagaaa 240 gtcaatgtca caaaaacctg ggaagaacaa actgaaacac taagagacgt ggtggatttc 300 cttaaagggc aactgcttga cattcaagtg gagaatttaa tacccattga gcccctcacc 360 ctgcaggcca ggatgtcttg tgagcatgaa gcccatggac acggcagagg atcttggcag 420 ttcctcttca atggacagaa gttcctcctc tttgactcaa acaacagaaa gtggacagca 480 cttcatcctg gagccaagaa gatgacagag aagtgggaga agaacaggga tgtgaccatg 540 ttcttccaga agatttcact gggggattgt aagatgtggc ttgaagaatt tttgatgtac 600 tgggaacaaa tgctggatcc aacaaaacca ccctctctgg ccccaggcac aacccaaccc 660 aaggccatgg ccaccaccct cagtccctgg agccttctca tcatcttcct ctgcttcatt 720 ctagctggca ga 732 <210> 4 <211> 244 <212> PRT <213> Human <400> 4 Met Ala Ala Ala Ala Ser Pro Ala Phe Leu Leu Cys Leu Pro Leu Leu 5 10 15 His Leu Leu Ser Gly Trp Ser Arg Ala Gly Trp Val Asp Thr His Cys 20 25 30 Leu Cys Tyr Asp Phe Ile Ile Thr Pro Lys Ser Arg Pro Glu Pro Gln 35 40 45 Trp Cys Glu Val Gln Gly Leu Val Asp Glu Arg Pro Phe Leu His Tyr 50 55 60 Asp Cys Val Asn His Lys Ala Lys Ala Phe Ala Ser Leu Gly Lys Lys 65 70 75 80 Val Asn Val Thr Lys Thr Trp Glu Glu Gln Thr Glu Thr Leu Arg Asp 85 90 95 Val Val Asp Phe Leu Lys Gly Gln Leu Leu Asp Ile Gln Val Glu Asn 100 105 110 Leu Ile Pro Ile Glu Pro Leu Thr Leu Gln Ala Arg Met Ser Cys Glu 115 120 125 His Glu Ala His Gly His Gly Arg Gly Ser Trp Gln Phe Leu Phe Asn 130 135 140 Gly Gln Lys Phe Leu Leu Phe Asp Ser Asn Asn Arg Lys Trp Thr Ala 145 150 155 160 Leu His Pro Gly Ala Lys Lys Met Thr Glu Lys Trp Glu Lys Asn Arg 165 170 175 Asp Val Thr Met Phe Phe Gln Lys Ile Ser Leu Gly Asp Cys Lys Met 180 185 190 Trp Leu Glu Glu Phe Leu Met Tyr Trp Glu Gln Met Leu Asp Pro Thr 195 200 205 Lys Pro Pro Ser Leu Ala Pro Gly Thr Thr Gln Pro Lys Ala Met Ala 210 215 220 Thr Thr Leu Ser Pro Trp Ser Leu Leu Ile Ile Phe Leu Cys Phe Ile 225 230 235 240 Leu Ala Gly Arg 244 <210> 5 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 5 gaattccacc atggcagcgg ccgccagccc cgcga 35 <210> 6 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 6 ggcgccgctc agatgccagg gaggatgaag cagaggat 38 <210> 7 <211> 732 <212> DNA <213> Human <400> 7 atggcagcgg ccgccagccc cgcgatcctt ccgcgcctcg cgattcttcc gtacctgcta 60 ttcgactggt ccgggacggg gcgggccgac gctcactctc tctggtataa cttcaccatc 120 attcatttgc ccagacatgg gcaacagtgg tgtgaggtcc agagccaggt ggatcagaag 180 aattttctct cctatgactg tggcagtgac aaggtcttat ctatgggtca cctagaagag 240 cagctgtatg ccacagatgc ctggggaaaa caactggaaa tgctgagaga ggtggggcag 300 aggctcagac tggaactggc tgacactgag ctggaggatt tcacacccag tggacccctc 360 acgctgcagg tcaggatgtc ttgtgagtgt gaagccgatg gatacatccg tggatcttgg 420 cagttcagct tcgatggacg gaagttcctc ctctttgact caaacaacag aaagtggaca 480 gtggttcacg ctggagccag gcggatgaaa gagaagtggg agaaggatag cggactgacc 540 accttcttca agatggtctc aatgagagac tgcaagagct ggcttaggga cttcctgatg 600 cacaggaaga agaggctgga acccacagca ccacccacca tggccccagg cttagctcaa 660 cccaaagcca tagccaccac cctcagtccc tggagcttcc tcatcatcct ctgcttcatc 720 ctccctggca tc 732 <210> 8 <211> 244 <212> PRT <213> Human <400> 8 Met Ala Ala Ala Ala Ser Pro Ala Ile Leu Pro Arg Leu Ala Ile Leu 5 10 15 Pro Tyr Leu Leu Phe Asp Trp Ser Gly Thr Gly Arg Ala Asp Ala His 20 25 30 Ser Leu Trp Tyr Asn Phe Thr Ile Ile His Leu Pro Arg His Gly Gln 35 40 45 Gln Trp Cys Glu Val Gln Ser Gln Val Asp Gln Lys Asn Phe Leu Ser 50 55 60 Tyr Asp Cys Gly Ser Asp Lys Val Leu Ser Met Gly His Leu Glu Glu 65 70 75 80 Gln Leu Tyr Ala Thr Asp Ala Trp Gly Lys Gln Leu Glu Met Leu Arg 85 90 95 Glu Val Gly Gln Arg Leu Arg Leu Glu Leu Ala Asp Thr Glu Leu Glu 100 105 110 Asp Phe Thr Pro Ser Gly Pro Leu Thr Leu Gln Val Arg Met Ser Cys 115 120 125 Glu Cys Glu Ala Asp Gly Tyr Ile Arg Gly Ser Trp Gln Phe Ser Phe 130 135 140 Asp Gly Arg Lys Phe Leu Leu Phe Asp Ser Asn Asn Arg Lys Trp Thr 145 150 155 160 Val Val His Ala Gly Ala Arg Arg Met Lys Glu Lys Trp Glu Lys Asp 165 170 175 Ser Gly Leu Thr Thr Phe Phe Lys Met Val Ser Met Arg Asp Cys Lys 180 185 190 Ser Trp Leu Arg Asp Phe Leu Met His Arg Lys Lys Arg Leu Glu Pro 195 200 205 Thr Ala Pro Pro Thr Met Ala Pro Gly Leu Ala Gln Pro Lys Ala Ile 210 215 220 Ala Thr Thr Leu Ser Pro Trp Ser Phe Leu Ile Ile Leu Cys Phe Ile 225 230 235 240 Leu Pro Gly Ile 244 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 9 ctcgagttgg gttgtgcctg gggccagaga 30 <210> 10 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 10 gtcgacttga gctaagcctg gggccatggt 30 <210> 11 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 11 ctcgagggtt gagctaagcc tggggccatg 30
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒト由来タンパク質(ALCAN-β)の
アミノ酸配列を示す(1文字表記)。
【図2】 本発明のヒト由来タンパク質(ALCAN-γ)の
アミノ酸配列を示す(1文字表記)。
【図3】 ALCAN-α、ALCAN-βおよびALCAN-γのアミノ
酸配列を示す。
【図4】 実施例5で行われた、ALCAN-βおよびALCAN-
γの COS7 細胞での発現結果を示す。レーン3はMockの
プラスミドを導入した細胞を、レーン2はpCAN618/ALC
AN-β-FLAGを導入した細胞を、レーン3はpCAN618/ALC
AN-γ-FLAGを導入した細胞を表す。
【図5】 プラスミドpCAN618の制限酵素地図を
示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 35/00 4C084 48/00 43/00 105 4C085 A61P 35/00 C07K 14/47 4C087 43/00 105 16/18 4H045 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/02 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 33/574 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A 33/574 A61K 37/02 Fターム(参考) 2G045 AA26 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 DA78 FB02 FB03 4B024 AA01 AA12 CA04 EA04 HA01 4B063 QA18 QA19 QQ08 QR48 QR72 4B064 AG01 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA03 AA07 AA13 AA17 BA35 BA44 CA53 CA59 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA38 MA41 MA43 MA52 MA60 MA66 NA14 ZB212 ZB262 ZC412 4C085 AA13 AA14 BB11 BB24 CC02 CC12 CC17 CC29 DD23 DD24 DD25 DD33 DD34 DD35 DD38 DD39 DD42 DD43 DD63 DD86 DD88 GG01 GG08 4C087 AA01 AA02 BC83 CA09 CA12 CA20 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA38 MA41 MA43 MA52 MA60 MA66 NA14 ZB21 ZB26 ZC41 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA09 CA40 DA75 EA28 EA51 FA74

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:8で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
    とを特徴とするタンパク質またはその塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:8で表されるアミノ酸配列を
    含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
    ドまたはその塩。
  4. 【請求項4】 癌細胞で産生される請求項1記載のタン
    パク質またはその塩。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のタンパク質または請求項
    3記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを
    含有するポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 DNAである請求項5記載のポリヌクレ
    オチド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のポリヌクレオチドを含有
    する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えベクターで形質転
    換させた形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のタンパク質または請求項3記載の部分ペプ
    チドを生成せしめることを特徴とする、請求項1記載の
    タンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる
    医薬。
  11. 【請求項11】 細胞増殖調節剤である請求項10記載
    の医薬。
  12. 【請求項12】 細胞がナチュラルキラー細胞である請
    求項11記載の医薬。
  13. 【請求項13】 ナチュラルキラー細胞増殖阻害剤であ
    る請求項11記載の医薬。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドに対する抗体。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の抗体を含有してなる
    診断剤。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の抗体を含有してなる
    医薬。
  17. 【請求項17】 請求項6記載のDNAを含有する医
    薬。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを
    特徴とする、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    3記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】 活性が細胞増殖阻害活性である請求項
    18記載のスクリーニング方法。
  20. 【請求項20】 活性が細胞増殖促進活性である請求項
    18記載のスクリーニング方法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してな
    る、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項3記載の
    部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する
    化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  22. 【請求項22】 請求項18記載のスクリーニング方法
    または請求項21記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    3記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  24. 【請求項24】 癌の予防・治療剤である請求項23記
    載の医薬。
  25. 【請求項25】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項3記載の部分ペプチドもしくはその塩
    によるナチュラルキラー細胞の細胞増殖阻害を阻害する
    活性を有する化合物またはその塩を含有する医薬。
  26. 【請求項26】 請求項14記載の抗体を用いることを
    特徴とする請求項1記載のタンパク質の定量方法。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のタンパク質の機能が関連
    する疾患の診断法。
  28. 【請求項28】 癌の予防・治療剤である請求項10、
    請求項16または請求項17記載の医薬。
  29. 【請求項29】 癌の診断剤である請求項15記載の診
    断剤。
  30. 【請求項30】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含
    有してなるナチュラルキラー細胞増殖阻害剤。
  31. 【請求項31】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質またはその部分ペプチドをコードするDNA
    を含有してなるナチュラルキラー細胞増殖阻害剤。
  32. 【請求項32】 癌の予防・治療剤である請求項30ま
    たは31記載の剤。
  33. 【請求項33】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその部分ペプチドに対する抗体を含
    有してなる癌の予防・治療剤。
  34. 【請求項34】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対
    する抗体を含有してなる癌の診断剤。
  35. 【請求項35】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用
    いることを特徴とする、該タンパク質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩のナチュラルキラー細胞増殖阻害
    活性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
    法。
  36. 【請求項36】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含
    有してなる、該タンパク質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩のナチュラルキラー細胞増殖阻害活性を阻害
    する化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  37. 【請求項37】 請求項35記載のスクリーニング方法
    または請求項36記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩のナチュ
    ラルキラー細胞増殖阻害活性を阻害する化合物またはそ
    の塩。
  38. 【請求項38】 請求項37記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  39. 【請求項39】 癌の予防・治療剤である請求項38記
    載の医薬。
  40. 【請求項40】 哺乳動物に対して、請求項1記載のタ
    ンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたはそ
    の塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治
    療方法。
  41. 【請求項41】 哺乳動物に対して、配列番号:4で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチ
    ドまたはその塩の有効量を投与することを特徴とする癌
    の予防・治療方法。
  42. 【請求項42】 癌の予防・治療剤を製造するための請
    求項1記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペ
    プチドまたはその塩の使用。
  43. 【請求項43】 癌の予防・治療剤を製造するための配
    列番号:4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
    的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくは
    その部分ペプチドまたはその塩の使用。
  44. 【請求項44】 哺乳動物に対して、請求項22記載の
    化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とす
    る癌の予防・治療方法。
  45. 【請求項45】 哺乳動物に対して、請求項37記載の
    化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とす
    る癌の予防・治療方法。
  46. 【請求項46】 癌の予防・治療剤を製造するための請
    求項22記載の化合物またはその塩の使用。
  47. 【請求項47】 癌の予防・治療剤を製造するための請
    求項37記載の化合物またはその塩の使用。
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