JP2008149515A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ファインアート紙のような紙粉が発生しやすい記録用紙に記録を行なう場合であっても、吐出不良が生じ難いインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 インクを吐出可能な複数の吐出口が並ぶ吐出口列が複数並列に形成された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、記録媒体に画像を記録する。この際、互いに隣接する2つの吐出口列における複数の吐出口のうち、記録媒体の種類に応じて変更された数の吐出口を使用して、画像を記録する。
【選択図】 図23

Description

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、特に、記録媒体の種類に応じた吐出口を用いて記録動作を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
近年インクジェット記録装置は、普通紙を主体としたオフィス文書の出力だけでなく、銀塩写真に迫るような高画質の記録も可能となってきている。これは、インクジェット記録ヘッドの高密度化や小液滴化、写真用記録メディアの開発および画像処理の進化によるところが大きい。また、従来は染料インクを用いて画像形成を行っていたのに対して、近年は、顔料インクが開発され、写真出力用途としても使用されるようになってきている。顔料インクの開発により、画像堅牢性の向上を図ることができるようになってきている。
また、この画像堅牢性の向上にあいまって、インクジェット記録装置は、ファインアート作品製作の用途としても急速に広がりつつある。ファインアートとは、写真や絵画といった題材をファインアート専用メディアに記録し、その出力物をアート作品として展示、販売するような世界である。従ってこのファインアート作品を製作するためにはインクの保存性のみならず、記録用紙の保存性も重要となってくる。
長期保存を実現するために記録用紙は、中性紙やコットン紙といった材料を基材に用いて、その上にインク受容層を形成するような構造が採用される。さらには表面に凹凸を持たせて、絵画に用いる用紙やキャンバスのような独特の風合いを表現する。また、紙の厚みを従来のインクジェット用紙よりも厚くして、紙の質感を向上させる。このように、様々な種類のファインアート専用紙が市場に流通してきている。具体的には、記録用紙の坪量が1平方メートル当たり約200gから300g程度、紙の厚さが約0.3mmから0.5mmといった、比較的厚みやこしのある記録用紙になっている。
このようなファインアート用紙は、紙表面や紙端部から紙粉が発生しやすい。これにより、給紙機構に用いられている給紙ローラに紙粉が付着し、摩擦力が低下することによって、給紙不良が発生するおそれがある。また、記録中に紙粉が記録ヘッドの吐出口近傍に付着して、インクが吐出できなくなったり、インクの吐出方向が曲がったり、インクの吐出量が減少する等の吐出不良が生じるおそれがある(以下、不吐出現象ともいう。)この不吐出現象が発生することで、記録時に画像上に白く抜けたようなスジが入るおそれがある。
このような記録ヘッドの吐出口近傍には、紙粉のみならず、吐出時に発生するインクミストが吐出口近傍に付着して、紙粉と同様に吐出が妨げられて不吐出現象が発生する場合もある。このミストには記録に伴って記録装置内を浮遊しているいわゆる浮遊ミストがある。また、紙面に着弾したインクの一部が跳ね返って記録ヘッド面に付着するいわゆる跳ね返りミストもある。このように吐出口近傍に付着した紙粉やミストを徐去するために、従来のインクジェット記録装置では、記録ヘッドの吐出口面をワイピングする機構を具備し、周期的に、あるいは好適なタイミングでワイピングを行うことが一般的となっている(特許文献1参照)。
しかしながら、紙粉はミストに比較して、記録ヘッドの吐出口近傍に付着した場合に不吐出現象に至ることが多いため、ワイピングだけではその対策が不十分である。すなわち、ミストは粒径が数μmであるのに対して、ファインアート専用紙から発生する紙粉は数百μmであることから、1個の紙粉が付着するだけでも不吐出現象が発生しやすい。従って、紙紛が発生しない、あるいは紙紛が紙面上から記録ヘッド面に向かって舞い上がらないようにする必要がある。
ところで、近年のインクジェット記録装置においては、高画質でかつ高速な記録を実現するために、複数の吐出口を高密度に配列しており、複数の吐出口を千鳥状に2列配列した記録ヘッドを採用する場合が多い。しかしながら、2列に配列された吐出口から同時にインクを吐出する吐出動作を行った場合、その吐出動作に伴って、それぞれの吐出口列に対応する2列の気流が発生する。この時、2列の吐出口列の間の空間は、気流によって減圧され、紙面から記録ヘッドの吐出口面に向かって舞い上がる方向に気流が発生する。この結果、紙面上の紙紛や跳ね返りミストを巻き上げやすくなる。また、2列の吐出口列の間の空間は、2列の気流によって、閉じられた空間となり、紙紛やミストが外に逃げにくい状態となり、記録ヘッドの吐出口面に紙紛やミストが付着するおそれがある。
この2列の吐出口列の間に発生する減圧効果による気流の影響を回避するために、例えば特許文献2には、画像の記録デューティに応じて、使用する吐出口列を変更する技術が開示されている。これによれば、記録デューティが低い場合には2列の吐出口列を同時に使って記録を行う。また、記録デューティが高い場合には、2列の吐出口列を1列ずつ使用して、2列の吐出口列間の気流の影響を低減している。
特開平07−164643号公報 特開2005−288909
しかしながら、紙粉の発生を軽減するために特許文献2の方法を採用しても、無駄に記録時間が長くかかってしまう場合がある。すなわち、特許文献2の方法によれば、紙粉の発生しやすい記録媒体であろうが紙粉の発生しにくい記録媒体であろうが、高い記録デューティのときには一律に使用吐出口列が制限される。しかし、紙粉が発生しにくい記録媒体では、高い記録デュ-ティであっても紙粉が殆ど発生しないか発生しても少量なので、紙粉軽減のために吐出口列を制限する必要性は低い。よって、紙粉の軽減のために特許文献2の方法を採用することは効果的ではない。
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、ファインアート紙のような紙粉が発生しやすい記録媒体に記録を行なう場合であっても、吐出不良が生じ難いインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
以上の点を鑑みてなされた本発明は、インクを吐出可能な吐出口が複数配列された吐出口列が前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って複数配置された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置において、前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って隣接する2つの前記吐出口列における複数の吐出口のうち、前記記録媒体の種類に応じて変更された数の吐出口を使用して、画像を記録する記録手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、インクを吐出可能な吐出口が複数配列された吐出口列が前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って複数配置された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、前記記録媒体の種類を判別する工程と、前記判別された記録媒体の種類に基づいて、前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って隣接する2つの前記吐出口列における複数の吐出口のうちで記録に使用可能な吐出口を決定する工程と、前記決定された吐出口を使用して画像を記録する工程とを有し、前記決定工程において決定される吐出口の数は前記判定工程において判定される記録媒体の種類に応じて異なることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置によれば、紙粉等の飛散物が発生しやすい記録媒体では記録に使用可能な吐出口の数を制限する。この結果、吐出に伴って発生する気流の舞い上がりによって、紙粉等が記録ヘッドの吐出口面に付着することを軽減することができる。また、必要以上にマルチパスのパス数を増やす必要もなくなるため、画質を高品位に保ったまま、高速な記録が可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
1.記録システム概要
図1は、本実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。この記録システムJ0011は、ホスト装置J0012と記録装置J0013とで構成される。ホスト装置J0012は、記録すべき画像を示す画像データの生成やそのデータ生成のためのUI(ユーザインタフェース)設定等を行う。また、記録装置J0013は、このホスト装置J0012で生成された画像データに基づいて記録媒体に記録を行う。
記録装置J0013は、10色のインクによって記録を行なう。10色のインクは、シアン(C)、ライトシアン(Lm)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)、第1のブラック(K1)、第2のブラック(K2)、グレー(Gray)である。これら10色のインクを吐出するために、記録ヘッドH1001が用いられる。これらのインクは、色材として顔料を含む顔料インクである。
ホスト装置J0012のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001は記録装置で記録するための画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のホスト装置は、先ずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。また、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウエブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、ホスト装置のモニタに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。ホスト装置J0012のモニタに表示されるUI画面において、ユーザは、記録に使用する記録媒体の種類や記録の品位等の設定を行うと共に記録指示を出す。この記録指示に応じて画像データR、G、Bがプリンタドライバに渡される。
プリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、および記録データ作成J0006を有している。以下、プリンタドライバで行われる各処理J0002〜J0006について簡単に説明する。
(A)前段処理
前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態では、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、記録装置J0013によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的には、R、G、Bのそれぞれが8ビットで表現された256階調の画像データR、G、Bを3次元LUTを用いることにより、記録装置J0013の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
(B)後段処理
後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされた8ビットデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した8ビットの色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayを求める処理を行う。本実施形態では、この処理は前段処理と同様3次元LUTに補間演算を併用して行う。
(C)γ処理
γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその濃度値(階調値)変換を行う。具体的には、記録装置J0013の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。
(D)ハーフトーニング
ハーフトーニングJ0005は、γ補正がなされた8ビットの色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
(E)記録データの作成処理
プリンタドライバで行う処理の最後には、記録データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする記録画像データに記録制御情報を加えた記録データを作成する。
図2は、記録データの構成図を示した図である。記録データは、記録の制御を司る記録制御情報および記録すべき画像を示す記録画像データ(上述の4ビットのインデックスデータ)で構成されている。記録制御情報は、「記録媒体情報」、「記録品位情報」、および給紙方法等のような「その他制御情報」とから構成されている。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類が記述されており、普通紙、光沢紙、はがき、プリンタブルディスクなどのうち、いずれか1種類の記録媒体が規定されている。記録品位情報には、記録の品位が記述されており、「きれい」、「標準」、「はやい」等のうち、いずれか1種の品位が規定されている。なお、これらの記録制御情報は、ホスト装置J0012のモニタおけるUI画面にてユーザが指定した内容に基づいて形成されるものである。また、記録画像データは、前述のハーフトーン処理J0005によって生成された画像データが記述さているものとする。以上のようにして生成された記録データは、記録装置J0013へ供給される。
記録装置J0013は、ホスト装置J0012から供給された記録データに対して、ドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
(F)ドット配置パターン化処理
次に、ドット配置パターン化処理J0007について説明する。
上述したハーフトーン処理J0005では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)までに階調レベル数を下げている。しかし、実際に記録装置J0013が記録できるデータは、インクドットを記録するか否かの2値データ(1ビットデータ)である。そこで、ドット配置パターン化処理J0007では、ハーフトーン処理J0005からの出力値である階調レベル0〜8の4ビットデータで表現される各画素ごとに、その画素の階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。これにより1画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフを定義し、1画素内の各エリアごとに「1」または「0」の1ビットの2値データを配置する。ここで、「1」はドットの記録を示す2値データであり、「0」は非記録を示す2値データである。
図3は、本実施形態のドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示している。図の左に示した各レベル値は、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜レベル8に相当している。右側に配列した縦2エリア×横4エリアで構成される領域は、ハーフトーン処理で出力される1画素の領域に対応するものである。また、1画素内の各エリアは、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当するものである。なお、本明細書において「画素」とは、階調表現可能な最少単位のことであり、複数ビットの多値データの画像処理(上記前段、後段、γ補正、ハーフトーニング等の処理)の対象となる最小単位である。
図3において、丸印を記入したエリアがドットの記録を行うエリアを示しており、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加している。本実施形態においては、最終的にこのような形でオリジナル画像の濃度情報が反映されていることになる。
(4n)〜(4n+3)は、nに1以上の整数を代入することにより、記録すべき画像データの左端からの横方向の画素位置を示している。また、その下に示した各パターンは、同一の入力レベルにおいても画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されていることを示している。すなわち、同一のレベルが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられる構成となっているのである。
図3においては、縦方向を記録ヘッドの吐出口が配列する方向、横方向を記録ヘッドの走査方向としている。このように同一レベルに対して複数の異なるドット配置で記録できる構成にしておくことは、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させたり、記録装置特有の様々なノイズを分散させるという効果がある。
以上説明したドット配置パターン化処理を終了した段階で、記録媒体に対するドットの配置パターンが全て決定される。
(H)マスクデータ変換処理
上述したドット配置パターン化処理J0007により、記録媒体上の各エリアに対するドットの有無は決定されたので、このドット配置を示す2値データを記録ヘッドH1001の駆動回路J0009に入力すれば、所望の画像を記録することが可能である。この場合、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を1回の(単一の)走査によって完成させる、いわゆる1パス記録が実行される。しかし、ここでは、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を複数回の走査によって完成させる、いわゆるマルチパス記録の例をとって説明する。
図4は、マルチパス記録方法を説明するために、記録ヘッドおよび記録パターンを模式的に示したものである。記録ヘッドH10001は実際には768個のノズルを有するが、ここでは簡単のため16個のノズルを有するものとして説明する。ノズルは、図4のように第1〜第4の4つのノズル群に分割され、各ノズル群には4つずつのノズルが含まれている。マスクパターンP0002は、第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)で構成される。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は、第1〜第4のノズル群が記録可能なエリアを示している。マスクパターンにおける黒塗りエリアは記録許容エリアを示し、白塗りエリアは非記録エリアを示している。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は互いに補完の関係にあり、これら4つのマスクパターンを重ね合わせると4×4のエリアに対応した領域の記録が完成される構成となっている。
P0003〜P0006で示した各パターンは、記録走査を重ねていくことによって画像が完成されていく様子を示したものである。各記録走査が終了するたびに、記録媒体は図の矢印の方向にノズル群の幅分(この図では4ノズル分)ずつ搬送される。よって、記録媒体の同一領域(各ノズル群の幅に対応する領域)は4回の記録走査によって初めて画像が完成される構成となっている。以上のように、記録媒体の各同一領域が複数回の走査で複数のノズル群によって形成されることは、ノズル特有のばらつきや記録媒体の搬送精度のばらつき等を低減させる効果がある。
図5は、本実施形態で実際に適用可能なマスクパターンの一例を示したものである。本実施形態で適用する記録ヘッドH1001は768個のノズルを有しており、4つのノズル群にはそれぞれ192個ずつのノズルが属している。マスクパターン大きさは、縦方向がノズル数と同等の768エリア、横方向は256エリアとなっており、4つのノズル群それぞれに対応する4つのマスクパターンで互いに補完の関係を保つような構成となっている。
ところで、本実施形態で適用するような、多数の小液滴を高周波数で吐出するようなインクジェット記録ヘッドにおいては、記録動作時に記録部近傍に気流が生じる。そして、この気流が特に記録ヘッドの端部に位置するノズルの吐出方向に影響を与えることが確認されている。よって、本実施形態のマスクパターンにおいては、図5からも判るように、各ノズル群また同一のノズル群の中でも、領域によって記録許容率の分布に偏りを持たせている。図5で示すように、端部のノズルの記録許容率を中央部の記録許容率よりも小さくした構成のマスクパターンを適用することにより、端部のノズルにより吐出されるインク滴の着弾位置ずれによる弊害を目立たなくすることが可能となるのである。
なお、マスクパターンで定められる記録許容率とは、マスクパターンを構成する記録許容エリア(図4のP0002の黒塗りエリア)と非記録許容エリア(図4のP0002の白塗りエリア)の合計数に対する記録許容エリアの数の割合を百分率で表したものである。すなわち、マスクパターンの記録許容エリアをM個、非記録許容エリアをN個とすると、そのマスクパターンの記録許容率(%)は、M÷(M+N)×100となる。
本実施形態においては、図5で示したマスクデータが記録装置本体内のメモリに格納してある。マスクデータ変換処理J0008においては、当該マスクデータと上述したドット配置パターン化処理で得られた2値データとの間でAND処理をかけることにより、各記録走査での記録対象となる2値データが決定さる。そして、その2値データを駆動回路J0009へ送る。これにより、記録ヘッドH1001が駆動されて2値データに従ってインクが吐出される。
なお、図1では、前段処理J0002、後段処理J0003、γ処理J0004、ハーフトーニングJ0005、記録データ作成処理J0006をホスト装置J0012で実行している。そして、ドット配置パターン化処理J0007、マスクデータ変換処理J0008を記録装置J0013で実行している。しかしながら、本発明はこの形態に限られるものではない。例えば、ホスト装置J0012で実行している処理J0002〜J0005の一部を記録装置J0013にて実行する形態であってもよい。また、処理J0002〜J0008をホスト装置J0012にて実行する形態であってもよい。また、処理J0002〜J0008を記録装置J0013にて実行する形態であってもよい。
2.機構部の構成
次に、本実施形態で適用する記録装置における機構部の構成を説明する。本実施形態で使用する記録装置は、吐出口が複数配列され、吐出口列が吐出口の配列方向と交差する方向に沿って複数配置された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、記録媒体に画像を記録可能する。本実施形態における記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部、外装部、フラットパス部、およびウェット液転写部に分類することができる。以下、これらを項目別に概略を説明していく。
(A)給紙部
図6、図7、図11、図12、および、図13は、本実施形態で適用する記録装置の斜視図である。図6は記録装置の非使用状態、図7は記録装置M1の使用状態の前面状態、図11はフラットパス印字時の前面状態、図12は記録装置の非使用時の背面状態、図13はフラットパス印字時の背面状態をそれぞれ示している。また、図8〜図10、図14〜図17は、記録装置本体の内部機構を説明するための図である。図8は右上部からの斜視図、図9は左上部からの斜視図および図10は記録装置本体の側断面図、図14はフラットパス印字時の断面図、図15はウェット液転写部の斜視図、図16、17はウェット液転写部の断面図をそれぞれ示したものである。
給紙部は記録媒体を積載する圧板2010、記録媒体を1枚ずつ給紙する給紙ローラM2080、記録媒体を分離する分離ローラM2041、記録媒体を積載位置に戻す為の戻しレバーM2020、等がベースM2000に取り付けられる構成となっている。
(B)用紙搬送部
曲げ起こした板金からなるシャーシM1010には、記録媒体を搬送する搬送ローラM3060とペーパエンドセンサ(以下PEセンサと称す)E0007が回動可能に取り付けられている。搬送ローラM3060は、金属軸の表面にセラミックの微小粒がコーティングされた構成となっており、両軸の金属部分を不図示の軸受けが受ける状態で、シャーシM1010に取り付けられている。軸受けM3080と搬送ローラM3060との間には、不図示のローラテンションバネが設けられており、搬送ローラM3060を付勢することにより、回転時に適量の負荷を与えて安定した搬送が行えるようになっている。
搬送ローラM3060には、従動する複数のピンチローラM3070が当接して設けられている。ピンチローラM3070は、ピンチローラホルダM3000に保持されているが、不図示のピンチローラバネによって付勢されることで、搬送ローラM3060に圧接し、ここで記録媒体の搬送力を生み出している。この時、ピンチローラホルダM3000の回転軸は、シャーシM1010の軸受けに取り付けられ、この位置を中心に回転する。
記録媒体が搬送されてくる入口には、記録媒体をガイドするためのペーパガイドフラッパM3030およびプラテンM3040が配設されている。また、ピンチローラホルダM3000には、PEセンサレバーM3021が設けられており、PEセンサレバーM3021は、記録媒体の先端および後端の検出をPEセンサ−E0007に伝える役割を果たす。プラテンM3040は、シャーシM1010に取り付けられ、位置決めされている。ペーパガイドフラッパM3030は、不図示の軸受け部を中心に回転可能で、シャーシM1010に当接することで位置決めされる。また、軸受け部M3031は、搬送ローラM3060と嵌合して摺動する。
搬送ローラM3060の記録媒体搬送方向における下流側には、不図示の記録ヘッドH1001が設けられている。
上記構成における搬送の過程を説明する。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパガイドフラッパM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバー−M3021が、記録媒体の先端を検知して、これにより記録媒体に対する記録位置が求められている。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。プラテンM3040には、搬送基準面となるリブが形成されており、このリブにより、記録ヘッドH1001と記録媒体表面との間のギャップが管理されている。また同時に、当該リブが、後述する排紙部と合わせて、記録媒体の波打ちを抑制する役割も果たしている。
搬送ローラM3060が回転するための駆動力は、例えばDCモータからなるLFモータE0002の回転力が、不図示のタイミングベルトを介して、搬送ローラM3060の軸上に配設されたプーリM3061に伝達されることによって得られている。また、搬送ローラM306の軸上には、搬送ローラM3060による搬送量を検出する為のコードホイールM3062が設けられている。隣接するシャーシM1010には、コードホイールM3062に形成されたマーキングを読み取るためのエンコードセンサM3090が配設されている。尚、コードホイールM3062に形成されたマーキングは、150〜300lpi(ライン/インチ;参考値)のピッチで形成されているものとする。
(C)排紙部
排紙部は、第1の排紙ローラM3100および第2の排紙ローラM3110、複数の拍車M3120およびギア列などから構成されている。
第1の排紙ローラM3100は、金属軸に複数のゴム部を設けて構成されている。第1の排紙ローラM3100の駆動は、搬送ローラM3060の駆動が、アイドラギアを介して第1の排紙ローラM3100まで伝達されることによって行われている。
第2の排紙ローラM3110は、樹脂の軸にエラストマの弾性体M3111を複数取り付けた構成になっている。第2の排紙ローラM3110の駆動は、第1の排紙ローラM3100の駆動が、アイドラギアを介して伝達すること行われる。
拍車M3120は、周囲に凸形状を複数設けた例えばSUSでなる円形の薄板を樹脂部と一体としたもので、拍車ホルダM3130に複数取り付けられている。この取り付けは、コイルバネを棒状に設けた拍車バネによって行われているが、同時に拍車バネのばね力は、拍車M3120を排紙ローラM3100およびM3110に対し所定圧で当接させている。この構成によって拍車M3120は、2つの排紙ローラM3100およびM3110に従動して回転可能となっている。拍車M3120のいくつかは、第1の排紙ローラM3100のゴム部、あるいは第2の排紙ローラM3110の弾性体M3111の位置に設けられており、主に記録媒体の搬送力を生み出す役割を果たしている。また、その他のいくつかは、ゴム部M3101あるいは弾性体部M3111が無い位置に設けられ、主に記録時の記録媒体の浮き上がりを抑える役割を果たしている。
また、ギア列は、搬送ローラM3060の駆動を排紙ローラM3100およびM3110に伝達する役割を果たしている。
第1の排紙ローラM3100と第2の排紙ローラM3110の間には、不図示の紙端サポートが設けられている。紙端サポートは、記録媒体の両端を持ち上げて、第1の排紙ローラM3100の先で記録媒体を保持することにより、記録媒体に成された記録を、キャリッジの擦過などから守る役割を果たしている。具体的には、先端に不図示のコロが設けられた樹脂部材が、不図示の紙端サポートバネM3152によって付勢されて、所定の圧力でコロM3151を記録媒体に押し付けている。これにより、記録媒体の両端が持ち上げられ、こしを作り、所定の位置に保持できるように構成されている。
以上の構成によって、画像形成された記録媒体は、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。排紙トレイM3160は、複数に分割され、後述する下ケースM7080の下部に収納できる構成になっている。使用時は、引出して使用する。また、排紙トレイM3160は、先端に向けて高さが上がり、更にその両端は高い位置に保持されるよう設計されており、排出された記録媒体の積載性を向上し、記録面の擦れなどを防止している(図7)。
(D)キャリッジ部
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。ガイドレールM1011は、シャーシM1010に一体に形成されており、キャリッジM4000の後端を保持して記録ヘッドH1001と記録媒体との隙間を維持する役割を果たしている。また、ガイドレールM1011のキャリッジM4000との摺動側には、ステンレス等の薄板からなる摺動シートM4030が張設され、記録装置の摺動音の低減化を図っている。
キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。また、タイミングベルトM4041は、アイドルプーリM4042によって張設、支持されている。更に、タイミングベルトM4042は、キャリッジM4000とゴム等からなるキャリッジダンパーを介して結合されており、キャリッジモータE0001等の振動を減衰することで、記録される画像のむら等を低減している。
キャリッジM4000の位置を検出する為のエンコーダスケールE0005が、タイミングベルトM4041と平行に設けられている。エンコーダスケールE0005上には、150〜300lpiのピッチでマーキングが形成されている。当該マーキングを読み取るためのエンコーダセンサE0004(図18にて後述)が、キャリッジM4000に搭載されたキャリッジ基板E0013(図18にて後述)に設けられている。キャリッジ基板E0013には、記録ヘッドH1001と電気的な接続を行う為のヘッドンタクトE0101も設けられている。また、キャリッジM4000には、電気基板E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012(図18にて後述)が接続されている。
記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に固定する為の構成として、不図示の突き当て部と、所定の位置に固定する為の不図示の押圧手段が、キャリッジM4000上に設けられている。突き当て部は、記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に押し付けながら位置決めしている。押圧手段は、ヘッドセットレバーM4010に搭載され、記録ヘッドH1001をセットする際に、ヘッドセットレバーM4010を回転支点中心に回して、記録ヘッドH1001に作用する構成になっている。
さらに、キャリッジM4000には、CD−R等の特殊メディアへ記録を行う際や、記録結果や用紙端部等の位置検出用として、反射型の光センサからなる位置検出センサM4090が取り付けられている。位置検出センサM4090は、発光素子より発光し、その反射光を受光することで、キャリッジM4000の現在位置を検出することができる。
上記構成において記録媒体に画像形成する場合、行位置に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、列位置に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成および記録システムは後述する。本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に記録主走査を行なう。また、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査を行なう。記録ヘッドを吐出口列と交差する主走査方向に移動させ、記録媒体を主走査方向と交差する副走査方向に搬送する。これらの記録主走査と副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
(E)クリ−ニング部
クリーニング部は、ポンプM5000、キャップM5010、ワイパーM5020、などから構成されている。ポンプM5000は、記録ヘッドH1001のクリーニングを行う。キャップM5010は、記録ヘッドH1001の乾燥を抑えるためのキャップである。また、ワイパーM5020は、記録ヘッドH1001の吐出口形成面をクリーニングするために備えられている。
クリーニング部には、専用のクリーニングモータE0003が配されている。クリーニングモータE0003には、不図示のワンウェイクラッチが設けられており、一方向の回転でポンプが作動し、もう一方向の回転ではワイパーM5020が動作すると同時にキャップM5010の昇降動作が作用するようになっている。
ポンプM5000では、不図示のポンプコロが2本の不図示のチューブをしごくことによって負圧が発生させるように構成されている。またキャップM5010は、不図示の弁などを介してポンプM5000に接続されている。キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。更にキャップM5010の内側部分には、吸引後のヘッドM6000のフェイス面に残るインクを削減する為に、キャップ吸収体M5011が設けられている。また、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。なお、ポンプM5000で吸引されたインクは廃インクとなり、下ケースM7080に設けられた廃インク吸収体M7090に吸収され、ここに保持される。
ワイパーM5020の動作、キャップM5010の昇降、および弁M5050の開閉など、連続して行われる一連の動作は、軸上に複数のカムを設けた不図示のメインカムによって制御される。それぞれの部位のカムやアームがメインカムに作用され、所定の動作を行うことが可能となっている。メインカムM5030の位置は、フォトインタラプタ等の位置検出センサで検出することができる。キャップM5010の降時には、ワイパーM5020がキャリッジM4000の走査方向に垂直に移動し、記録ヘッドH1001のフェイス面をクリーニングする構成となっている。ワイパーM5020は、記録ヘッドH1001のノズル近傍をクリーニングするものと、フェイス面全体をクリーニングするものと、複数設けられている。そして、キャリッジM4000が、一番奥に移動した際には、ワイパークリーナーM5060に当接することにより、ワイパーM5020自身へ付着したインクなども除去することができる構成になっている。
(F)外装部
(A)〜(E)で説明した各ユニットは、主にシャーシM1010に組み込まれ、記録装置の機構部分を形成している。外装は、その回りを覆うように取り付けられている。外装部は主に、下ケースM7080、上ケースM7040、アクセスカバーM7030、コネクタカバーおよびフロントカバーM7010から構成されている。
下ケースM7080の下部には、不図示の排紙トレイレールが設けられており、分割された排紙トレイM3160が収納可能に構成されている。また、フロントカバーM7010は、非使用時に排紙口を塞ぐ構成になっている。
上ケースM7040には、アクセスカバーM7030が取り付けられており、回動可能に構成されている。上ケースの上面の一部は開口部を有しており、この位置で、インクタンクH1900および記録ヘッドH1001が交換可能な様に構成されている。なお、本実施形態の記録装置においては、1色のインクを吐出可能な記録ヘッドを複数色分一体的に構成した記録ヘッドユニットに対し、インクタンクH1900が色毎に独立に着脱可能なヘッドカートリッジ構成となっている。更に、上ケースには、アクセスカバーの開閉を検知する為の不図示のドアスイッチレバー、LEDの光を伝達・表示するLEDガイドM7060、基板のスイッチ(SW)に作用するキースイッチM7070等が設けられている。また、多段式の給紙トレイM2060が回動可能に取り付けられており、給紙部が使われない時は、給紙トレイM2060を収納すれることにより、給紙部のカバーにもなるように構成されている。
上ケースM7040と下ケースM7080は、弾性を持った勘合爪で取り付けられており、その間のコネクタ部分が設けられている部分を、不図示のコネクタカバーが覆っている。
(G)フラットパス印字部
給紙部からの給紙は、メディアが通る経路がメディアの通る方向にピンチローラに達するまで曲がっている為、メディアを給紙方向に曲げた状態で給紙をする事になる。例えば、0.5mm程度以上の厚いメディア等を給紙装置から給紙しようとすると、曲がったメディアの反力が発生し、給紙抵抗が増えて、給紙ができない場合がある。また、給紙が可能であっても、メディアが曲がったままになったり、折れたりといった事が起こる。厚いメディア等、曲げたくないメディアに印字可能にするのが、フラットバス印字である。
フラットパス印字には本体背面のスリット上の開口部から(給紙装置の下)、手差しメディアを本体のピンチローらまで挿入してピンチローラにニップさせ、印字をするタイプがある。しかしながら、本件のフラットパス印字は、メディアを本体手前の排紙口から印字位置まで給紙し、スイッチバックして印字タイプである。
フロントトレイM7010は、通常記録したメディアを数十枚程度貯めて置く為に排紙部より下にある。メディアを排紙口から水平に給紙(通常の搬送方向とは反対)する為に、フロントトレイM7010を排紙口の位置まで上げる。フロントトレイM7010に図示していないフック等が付いていて、フラットパス給紙位置にフロントトレイを固定する。フロントトレイM7010がフラットパス印字位置にある事はセンサで検知する。検知したら、フラットパスモードと判断する。
フラットパスモードでは、まず、フラットパスキーE3004を押す事によって、想定しているメディアの厚みより高く、拍車ホルダ3130とピンチローラホルダM3000を図示していない機構により持ち上げる。これにより、メディアをフロントトレイM7010に載せて、排紙口からメディアを挿入することができる。またリヤトレイボタンM7110を押す事によって、リヤトレイM7090を開く。更にリヤサブトレイM7091をV字に開く事も可能である。リヤトレイM7090、リヤサブトレイM7091は長いメディアを本体前面から挿入した場合本体背面から飛び出すので、長いメディアを本体背面でも支える為のトレイである。厚いメディアは記録中、フラットな姿勢を保たないと、ヘッド擦れの原因になったら、搬送負荷の変化から印字品位に影響を及ぼす可能性がある。
このシーケンスによって、メディアは排紙口から本体内にメディアを挿入可能となる(スイッチバックで本体背面からはみ出ない長さのメディアは、リヤトレイM7090を開く必要はない)。メディアの手前側と給紙部と同じように右端をフロントトレイM7010の目印に揃えて、フロントトレイM7010に載せる。
ここでフラットパスキーE3004を押すと、拍車ホルダ3130が降りて排紙ローラM3100,3110と拍車3120でメディアをニップする。その後、排紙ローラM3100,3110でメディアを所定量本体内に引き込む(記録方向とは反対、フラットパスの給紙方向)。所定量とは、最初にメディアをセットした前後方向の位置は、メディアの手前側を揃えているので、短いメディアは搬送ローラM3060まで届いていない。想定している一番短いメディアが搬送ローラM3060に届くまでの距離が所定量である。
所定量送られたメディアは搬送ローラM3060に届いているので、その位置でピンチローラホルダM3000を降ろして、搬送ローラM3060とピンチローラM3070でメディアをニップさせる。これでメディアのフラットパスでの給紙が終了した事になる(記録待機位置)。排紙ローラ3100、3110と排紙ローラのニップ力は弱いので、メディアの位置が記録するまでにずれてしまう可能性がある。搬送ローラM3060とピンチローラM3070のニップ力は高いので、メディアのセット位置がしっかり決まった事になる。また、所定量メディアを本体内に送る時、プラテンM3040と拍車ホルダM3130の間にあるフラットパス紙検知センサM3170で用紙の手前の位置を検知する。
記録待機状態で記録コマンドを実行する事になる。記録位置まで搬送ローラM3060でメディアを搬送し、後は通常の記録と同じように記録を行い、記録後フロントトレイM3010に排紙する事になる。
フラットパス印字で更に印字を続けたい場合は、記録したメディアをフロントトレイM7010から取り出す。後は前述したシーケンスを繰り返す。具体的には、フラットパスキーE3004を押す事によって、拍車ホルダM3130とピンチローラホルダM3000を持ち上げて、メディアをセットすることから始まる。
フラットパス印字を終了する場合は、フロントトレイM7010を通常記録位置に戻す事によって、通常記録モードに戻る。
本発明で取り上げているファインアート用紙は、既に述べているように、紙の厚みが0.3から0.5mm程度の比較的厚い用紙が多い。このため、ここで記載しているフラットパス印字部を用いて給紙を行うことで、給紙時の不送りの発生を防止したり、記録ヘッドが記録媒体表面を擦るヘッド擦れの回避も可能となる。
(H)ウェット液転写部
主に顔料インクのみを使用している場合、顔料インクが吐出口面に付着したままワイピングスすると吐出口面を傷つけ易い。
そこで、ブレードM5020に溶液を付着させ、その後に濡れたブレードM5020をワイピングする事で、顔料インクによる吐出口面の劣化を防ぐのが、ウェットワイピングである。
M5090はウェット液タンクで、ブレードに付着させる、例えばグリセリン溶液等が入っている。M5100はウェット液保持部材で、ウェット液がウェット液タンクM5090から漏れない様に適度な表面張力を有する繊維質部材等であり、ウェット液を染み込ませている。
M5080はウェット液転写部材でブレードと接触するウェット液転写部M5081を有している。例えば、多孔質であって適度な毛管力を備えた材質である。ウェット液転写部材M5080はウェット液が染み込んだウェット液保持部材M5090と接しているので、ウェット液転写部材M5080もウェット液が染み込むことになる。ウェット液転写部材M5080はウェット液が残り少なくなっても、ウェット液転写部M5081へウェット液を供給出来るだけの毛管力を有した材質である。
キャリッジM4000がブレードM5020に触れない位置に退避している位置にいる時に、ブレードM5020はブレードクリーナM5060を潜り抜けて(−Y方向)、ウェット液転写部M5081に接触させる(図16)。適度な時間接触することで、ブレードM5020にウェット液が適量転写される事になる。
次にブレードM5020は+Y方向に移動するが、ブレードクリーナM5060に触れるのはウェット液が転写していない方の面なので、ウェット液はブレードM5020に転写されたままになる。
ブレードをワイピング開始位置まで戻した後、キャリッジM4000をワイピング位置まで移動さる。再度、ブレードM5020を−Y方向に移動させる事によって、ウェット液が付いた面で記録ヘッドH1001をワイピングする事が可能となる。
ブレードM5020に溶液を付着させ、その後に濡れたブレードM5020をワイピングする事で、顔料インクの吐出口面に対する劣化を防ぐ事が可能となり、顔料インクのみでのワイピングが可能となった。
3.対応記録メディア
ここで、本実施形態の記録装置が対応する記録媒体(メディア)の種類について触れる。インクジェットプリンタは記録するメディアを選ばないことが大きなメリットの一つとなっている。例えば、普通紙やコート紙、光沢紙といった一般的なメディアはもとより、はがきや名刺のような小サイズの用紙にも記録が可能である。また、インク受容層が表層にコーティングされたプリンタブルCDやプリンタブルDVDのような特殊な形状をしたメディアにも専用のトレイを用いることで記録が可能となる。また、前述のように、本実施形態における記録装置は、フラットパス機構を有しており、ファインアート紙のような比較的厚いメディア、およびボード紙のような曲げることのできないメディアにも記録が可能である。
ここで述べたファインアート紙については、基材にコットン繊維を用いた中性紙を採用し紙自体の保存性を高めている。また、通常のインクジェット用紙に含まれている、紙の白色度を向上させる蛍光増白剤が含まれているが、長期間保存すると紙が黄変してしまう問題があるため、ファインアート紙にはこの蛍光増白剤を用いない場合が多い。一方、ファインアート紙の特性として、紙の繊維同士の結合力(内部結合強度)が弱いため、繊維が紙表面から分離し、紙紛となり易い。
4.電気回路構成
次に本実施形態における電気的回路の構成を説明する。
図18は、記録装置J0013における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。本実施形態で適用する記録装置では、主にキャリッジ基板E0013、メイン基板E0014、電源ユニットE0015およびフロントパネルE0106等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メイン基板E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4000に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタE0101を通じて記録ヘッドH1001との信号の授受、ヘッド駆動電源の供給を行うインターフェースとして機能する。ヘッド駆動電源の制御に供する部分として、記録ヘッドH1001の各色吐出部に対する複数チャネルのヘッド駆動電圧変調回路E3001を有しする。そして、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014から指定された条件に従ってヘッド駆動電源電圧を発生する。また、キャリッジM4000の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出する。更にその出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力する。
キャリッジ基板E0013には、図20に示すように、2つの発光素子(LED)E3011および受光素子E3013でなる光学センサE3010および周囲温度を検出するためのサーミスタE3020が接続されている。以下、これらのセンサをマルチセンサE3000として参照する。マルチセンサE3000により得られる情報は、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力される。
メイン基板E0014は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットである。その基板上にホストインタフェース(ホストI/F)E0017を有しており、不図示のホストコンピュータからの受信データをもとに記録動作の制御を行う。また、キャリッジモータE0001、LFモータE0002、APモータE3005、PRモータE3006など、各種モータと接続されて各機能の駆動を制御している。キャリッジモータE0001は、キャリッジM4000を主走査させるための駆動源となるモータである。LFモータE0002、記録媒体を搬送するための駆動源となるモータである。APモータE3005は、記録ヘッドH1001の回復動作および記録媒体の給紙動作の駆動源となるモータである。PRモータE3006は、フラットパス記録動作の駆動源となるモータである。さらに、PEセンサ、CRリフトセンサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサのような、プリンタ各部の動作状態を検出する様々なセンサに対して、制御信号および検出信号の送受信を行うためのセンサ信号E0104に接続される。また、メイン基板E0014は、CRFFC E0012および電源ユニットE0015にそれぞれ接続されるとともに、さらにパネル信号E0107を介してフロントパネルE0106と情報の授受を行うためのインターフェースを有している。
フロントパネルE0106は、ユーザ操作の利便性のために、記録装置本体の正面に設けたユニットである。これは、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018およびフラットパスキーE3004を有するほか(図6)、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F E0100を有している。
図19は、メイン基板E1004の内部構成を示すブロック図である。
図において、E1102はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。これは、制御バスE1014を通じてROM E1004に接続され、ROM E1004に格納されたプログラムに従って、各種制御を行っている。例えば、各種センサに関連するセンサ信号E0104や、マルチセンサE3000に関連するマルチセンサ信号E4003の送受信を行う。そのほか、エンコーダ信号E1020、フロントパネルE0106上の電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004からの出力の状態を検出している。また、ホストI/F E0017、フロントパネル上のデバイスI/F E0100の接続およびデータ入力状態に応じて、各種論理演算や条件判断等を行い、各構成要素を制御し、インクジェット記録装置の駆動制御を司っている。
E1103はドライバ・リセット回路である。これは、ASIC E1102からのモータ制御信号E1106に従って、CRモータ駆動信号E1037、LFモータ駆動信号E1035、APモータ駆動信号E4001およびPRモータ駆動信号E4002を生成し、各モータを駆動する。さらに、ドライバ・リセット回路E1103は、電源回路を有しており、メイン基板E0014、キャリッジ基板E0013、フロントパネルE0106など各部に必要な電源を供給する。さらには電源電圧の低下を検出して、リセット信号E1015を発生および初期化を行う。
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1102からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
ホストI/F E0017は、ASIC E1102からのホストI/F信号E1028を、外部に接続されるホストI/FケーブルE1029に伝達し、またこのケーブルE1029からの信号をASIC E1102に伝達する。
一方、電源ユニットE0015からは電力が供給される。供給された電力は、メイン基板E0014内外の各部へ、必要に応じて電圧変換された上で供給される。また、ASIC E1102からの電源ユニット制御信号E4000が電源ユニットE0015に接続され、記録装置本体の低消費電力モード等を制御する。
ASIC E1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、前述したモータ制御信号E1106、電源制御信号E1024および電源ユニット制御信号E4000等を出力する。そして、ホストI/F E0017との信号の授受を行うとともに、パネル信号E0107を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F E0100との信号の授受を行う。さらに、センサ信号E0104を通じてPEセンサ、ASFセンサ等各部センサ類により状態を検知する。さらに、マルチセンサ信号E4003を通じてマルチセンサE3000を制御するとともに状態を検知する。またパネル信号E0107の状態を検知して、パネル信号E0107の駆動を制御してフロントパネル上のLED E0020の点滅を行う。
さらにASIC E1102は、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドH1001とのインターフェースをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はCRFFC E0012を通じて入力されるエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012を通じてキャリッジ基板E0013に接続される。そして、前述のヘッド駆動電圧変調回路E3001およびヘッドコネクタE0101を経て記録ヘッドH1001に供給されるとともに、記録ヘッドH1001からの各種情報をASIC E1102に伝達する。
このうち吐出部毎のヘッド温度情報については、メイン基板上のヘッド温度検出回路E3002で信号増幅された後、ASIC E1102に入力され、各種制御判断に用いられる。
図中、E3007はDRAMであり、記録用のデータバッファ、ホストコンピュータからの受信データバッファ等として、また各種制御動作に必要なワーク領域しても使用されている。
4.記録ヘッド部構成
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。
本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有している。そして、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図21は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、10色の顔料インクによって画像を形成する。10色とはシアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、レッド(R)、グリーン(G)およびグレー(Gray)である。従ってインクタンクT0001もこれら10色分のものが独立に用意されている。そして、図に示すように、インクタンクそれぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。なお、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
本実施形態で用いる記録ヘッドH1001に関して、各インク色毎の吐出口列を模式的に示した図22を用いて説明する。本図は記録ヘッドH1001の吐出口面側から見たときの吐出口列の並びを示しており、本実施形態の記録ヘッドは401と402の2つのチップから構成されている。さらに各チップには、それぞれ5色のインクを吐出するための吐出口列が2列ずつ配置されている。チップ401には、LM、K1、K2、LC、Grayのインクを吐出するための吐出口列が各々2列ずつ、すなわち計10列の吐出口列が並列に配置されている。同様にチップ402にはY、M、G、R、Cのインクを吐出するための吐出口列が各々2列ずつ、すなわち計10列の吐出口列が並列に配置されている。各インク色毎に2列ずつの吐出口列において、吐出口600dpiに相当するピッチ(P)で配列されている。また、2列間における吐出口は1200dpiに相当するピッチ(P/2)ずつずらして配置されている。図中、吐出口の番号を0から767番まで割り振った場合、LM_eは、0,2,4、・・・766の偶数番目の吐出口が配置された偶数列を示している。同様にLM_oは、1,3,5・・・767の奇数番目の吐出口が配列された奇数列を示している。以下、他のインク色についても同様に、それぞれ偶数列・奇数列の2列の吐出口列が形成されている。
5.記録動作
図23は、本発明の第1の実施形態における、記録方法を示すフローチャートである。ホスト装置のプリンタドライバで用紙種類や記録品位、記録部数の設定を行ったあとに記録命令が発行され、本実施形態における記録方法が開始される(S301)。ステップS302において、図2に示した記録データ中のメディア情報の検出を行う。すなわち、選択されたメディア(記録媒体)が光沢紙やコート紙などの記録時に飛散物の発生量の少ないメディアなのか、ファインアート紙のように記録時に飛散物の発生量の多いメディアなのかを判別する。
次にステップS303で記録媒体を給紙する。このときファインアート紙のような比較的厚みのあるメディアについては前述のフラットパス部から給紙を行い、それ以外の比較的薄いメディアについては、既に機構部の構成で説明を行った給紙部より給紙を行う。
ステップS304では、S302で検出したメディア情報の内容を基に、ファインアート紙か否かの判定を行う。ここで、ファインアート紙と判定された場合には、ステップS306に移行し、後述する紙粉の発生しにくい分割記録方法による記録(分割記録)を行う。このステップS306では、まず、隣接する吐出口列(LM_e、LM_o)における複数の吐出口のうち、ファインアート紙の記録に使用する吐出口を決定する。その後、こうして決定された吐出口を使用して分割記録を行う。一方、ファインアート紙以外の紙粉の発生がほとんどないメディアであった場合には、ステップS305に移行し、通常の記録方式による記録(通常記録)を行う。このステップS305では、まず、隣接する吐出口列(LM_e、LM_o)における複数の吐出口のうち、ファインアート紙以外の用紙の記録に使用する吐出口を決定する。その後、こうして決定された吐出口を使用して通常記録を行う。
ここでS305の通常記録とS306の分割記録の記録方法の違いを説明する。S306では、ファインアート紙のような紙粉が発生しやすいメディアであることから、分割記録を行なう。すなわち、2列の吐出口列の気流による紙粉の舞い上がりを軽減するため、それぞれのインク色毎において、2列ある吐出口列のうち、片方の吐出口列を使用して記録走査(スキャン)し、使用する吐出口列はスキャン毎に交互に変更する。具体的に、図22に示した記録ヘッドの吐出口列の内、LMインクに着目して説明する。LMの2つの吐出口列、すなわち偶数列LM_eと奇数列のLM_oにおいて、第n番目のスキャンでは偶数列のLM_eを用い、次のn+1番目のスキャンでは奇数列のLM_oを用いて記録を行う。
例えば、記録する際のマルチパスのパス数が8パスであった場合には、1回のパスにおける記録画像の間引き率は、平均して各インク色当たり12.5%となる。S305の通常記録の場合には、どちらのノズル列も1パス目から8パス目までの平均間引き率は全て12.5%となる。一方、S306の分割記録のように偶数列と奇数列を交互に使用する場合には、1パス目から8パス目までの偶数列の平均間引き率は、25%、0%、25%、0%、25%、0%、25%、0%となる。一方、奇数列は、0%、25%、0%、25%、0%、25%、0%、25%となる。
このように本実施形態では、紙粉が発生しやすいメディアに対して記録を行う場合と紙粉が発生しにくいメディアに対して記録を行う場合とで使用可能な吐出口を変更している。詳しくは、紙粉が発生しやすいメディアについては、相対移動中に、吐出口の配列方向と交差する方向に沿って隣接する2つの吐出口列(隣接吐出口)に属する吐出口のうち使用可能な吐出口の数を制限することで、紙粉の発生量を軽減している。
このような記録方法により、入力された記録データの全ての記録が終了すると、ステップS307に移行してメディアを排紙し、S308で記録処理を終了する。図24(a)および図24(b)は、2列の吐出口列を同時に使用した場合と、1列ずつ使用した場合の紙粉の舞い上がりを説明する図である。本図は、記録ヘッドの主走査方向に直交する方向から、記録ヘッドと記録メディアの間の空間の断面を示す図である。
図24(a)は、偶数列と奇数列のノズル列を両方同時に使用した時に生じる気流と、それによって紙粉がどのように舞い上がるかを説明する図である。記録ヘッド201に配列された偶数列の吐出口列202と奇数列の吐出口列203は、1200dpiの12画素分、すなわち254μmの間隔が空けられている。204、205は偶数列、奇数列の各吐出口からのインク液滴の吐出の影響で発生する気流を模式的に示したものである。図示するように記録ヘッドから紙面に向かって下向きの気流が発生する。この下向きの気流は記録ヘッドと紙の間の空気抵抗によってその力は減衰されるが、紙面に到達した気流は、207や208に示すように記録ヘッド側に向かって上昇する気流となる。この上昇気流によって紙面上に存在する紙粉が209のように舞い上がって記録ヘッドと紙面間を浮遊することとなる。しかしながら、この2つの吐出口列の外側に生じる気流207と208で舞い上がった紙粉は、後続のインク液滴の吐出によって生じる下向きの気流204、205によって押し戻されて、記録ヘッドにまでは到達しない。一方、2つの吐出口列に挟まれた領域は、下向きの気流の影響で減圧された状態となり、紙面から舞い上がった上昇気流206はあまり減衰されず、外側の気流に比較して記録ヘッド面近傍まで到達することとなる。したがって、この206の気流によって舞い上がった紙粉は、記録ヘッドの吐出口近傍にまで舞い上がって浮遊する。しかも、2列の吐出口列の間の空間は204、205の2列の気流によって閉じられた空間となり、舞い上がった紙粉は閉じ込められた状態となり、引いては吐出口近傍への付着しやすい状態へとつながる。
一方、図24(b)は奇数列のみを用いた場合の気流の流れと、紙粉の舞い上がり状態を模式的に示したものである。奇数列203のみを用いることで、気流によって舞い上がった紙粉は、後続のインク液滴の吐出によって発生する下向きの気流によって押し戻されるため、記録ヘッドまでは到達しない。このため、紙粉の吐出口近傍への付着は発生しない。
このように隣接する吐出口列のうち、同一走査では一方の吐出口列だけを使用可能とし、他方の吐出口列を使用不可にすることで、吐出口列間の気流を抑制でき、その結果、気流によって舞い上がる紙粉の量を軽減することができる。
図25は、本実施形態の記録方法で記録した場合に、紙粉が付着することによる不吐出の発生がどのぐらい減少するかを説明する図である。本表は、本実施形態で用いられる、吐出口列を1列のみに限定して用いる分割記録と、2列を同時に用いる通常記録と、によって実験を行い、各インク色毎の吐出口の内、インクの不吐出が発生した数をカウントしたものである。具体的には、紙粉の発生しやすいファインアート紙でA4サイズの画像を1枚記録した後に、各インク色毎の768個の吐出口の内、紙粉によってインクの不吐出が生じた吐出口の数を、チェックパターンの記録結果から確認したものである。通常記録時は、10色全ての吐出口のうち18個の吐出口が不吐出となっている。本実施形態の記録装置は、各インク色毎の吐出口数が768と多く、かつ高密度に配列されているため、数個程度の吐出口における不吐出は記録画像に大きな影響は及ぼさない。しかしながら、不吐出の吐出口が18個も存在すると記録品位に大きく影響を及ぼす。一方、分割記録を行えば、A4サイズ1枚程度の記録では紙粉は付着せず、不吐出も起きないことが実験によっても明らかになった。
なお、上述した実施形態の記録制御は、記録装置のメイン基板上の制御手段により行なわれる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、記録ヘッドの吐出口列を偶数列と奇数列で交互に用いた。すなわち、分割記録を行なう場合、吐出口列ごとに、すなわち第n番目のスキャンでは偶数列の吐出口を用い、次のn+1番目のスキャンでは奇数列の吐出口を用いて記録を行ったが、本発明はこのような方法に限定されない。
図26は、第2の実施形態における分割記録を説明する図である。本図では、記録ヘッドのある1色のインクを吐出するための、偶数列と奇数列の2列の吐出口列を示しており、1回の(単一の)スキャンに使用する吐出口を黒く塗りつぶして表している。図にあるように、本例では吐出口列毎に、4個の吐出口を1組とした吐出口群に分割している。なお、本実施形態では4個の吐出口を1組としているが、4個の吐出口を1組とするものに限定されず、吐出口列を複数単位の吐出口群に分けられていればよい。この第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、隣接する2つの吐出口列に属する吐出口のうち使用可能な吐出口の数を制限することで、紙粉の発生量を軽減する。特に、隣接する吐出口のうち、同一走査では一方の吐出口だけを使用可能とし、他方の吐出口は使用不可とすることが、紙粉量の軽減に効果的である。
図26(a)においては、マルチパスのNパス目のスキャンを行う際の使用する吐出口の位置を黒く塗りつぶしている。すなわち、Nパス目のスキャンを行う際には、偶数列では503_1、503_5・・・の吐出口群が使用されm奇数列では503_4、503_8・・・の吐出口群が使用される。図では省略しているが、各吐出口列は384個の吐出口を有しており、従って、96(=384÷4)の吐出口群に分割される。
偶数列に関しては、使用する吐出口群が503_1、503_5・・・となるように、1吐出口群おきに使用吐出口群と、不使用吐出口群とが交互に位置する。一方、奇数列に関しては、偶数列と主走査方向に隣り合う吐出口群と排他関係になるように、1吐出口群おきに使用吐出口群と、不使用吐出口群とが交互に位置する。
図26(b)は、マルチパスのN+1パス目のスキャン時に使用する吐出口を黒く塗りつぶして表している。図26(b)においては、図26(a)において不使用であった吐出口が使用され、一方、図26(a)において使用されていた吐出口が不使用となる。以下、マルチパスを繰り返していく中で、図26(a)、(b)のように、吐出群の使用形態を交互に繰り返す。
このように、奇数列と偶数列における吐出口群を副走査方向に隣り合う吐出口群と排他関係になるように使用することで、2列の隣接した吐出口群を同時に使用する場合に比べて、紙紛の舞い上がり量を抑制することができる。すなわち、副走査方向に隣り合う吐出口群において、一方が吐出すると他方が吐出しないため、図24(a)に示したような気流の状況にはならない。すなわち、図24(b)のように気流の上昇が抑えられた状況となる。従って、本実施形態では、ファインアート紙から発生しやすい紙紛の舞い上がりを抑制する記録が可能となる。
なお、本実施形態では、各吐出口列を4個ずつに分割して、偶数列と奇数列で排他的に吐出を行うこととしたが、本発明はこのような分割に限定されるものではない。すなわち吐出口群の個数を変更しても良く、また、1スキャン毎に使用する吐出口群の位置を変更せずに、2スキャン以上の複数のスキャン毎に変更しても良い。
以上のように本実施形態によれば、紙粉が発生しやすいメディアについては、隣接する2つの吐出口のうち同一走査では一方の吐出口だけを使用可能とし、他方の吐出口は使用不可とすることで、紙粉の発生量を軽減することができる。
(第3の実施形態)
上述の実施形態では、図22に示すように、各吐出口列のインクの吐出量が同じである吐出口を有するものであった。しかしながら、本発明の各吐出口列のインクの吐出量が異なる吐出口を有する記録ヘッドであってもよい。
図27は、本実施形態にかかる各インク色毎の吐出口列を模式的に示した図である。本実施形態では、CMYKの4色のインクを用いる。本図に示すように、CおよびMの2種類のインクは、吐出量の異なる2種類の吐出口を持つ。具体的には5pl(pl=10−12l)と2plの2種類の吐出量を有し、C1とC2の吐出口列が5plの吐出口、sC1とsC2の吐出口列が2plの吐出口列である。同様にM1とM2の吐出口列が5plの吐出口列、sM1とsM2の吐出口列が2plの吐出口列である。また、YとKは5plのみの吐出口列Y1とY2、およびK1とK2から吐出される。CとMの吐出口列についてはYおよびKの吐出口列を挟んで対称形に配置されている。これは、記録ヘッドを主走査方向に往復動作させる双方向記録時に往走査と副走査で各色のインクの記録メディアへの着弾順序を同一にするためにこのような吐出口の配列となっている。
また、吐出量を5plと2plの2種類を有しているのは、画像の低濃度部での粒状感を改善するためである。すなわち、低濃度部では主に2plを用いて画像を形成し、中濃度部から高濃度部になるに従って徐々に5plに置き換えていって、最終的には5plのみで画像を形成する。中濃度部以降も2plのみで画像を形成しようとすると、吐出周波数を上げるか、マルチパスのスキャン数を増やして、エリアファクタを増やしていく必要がある。しかしながら、吐出周波数を上げるとインクのリフィルが間に合わずに正常な吐出ができなくなるため、吐出周波数は大幅に向上はできない。また、マルチパスのスキャン数を増やすと印刷速度の低下を招くため好ましくない。従って2plと5plの2種類の吐出量を有して画像を形成することで、低濃度部での粒状性を低く抑えたまま、高速記録が可能な記録ヘッド構成となっている。
本実施形態の記録ヘッドを用いて記録を行う場合においても、2列の吐出口列を同時に使用した場合に発生する気流の影響によって、ファインアート紙からの紙紛の舞い上がりの問題は発生し得る。例えば、C1とsC1の2列間でC1の吐出口列から吐出された5plのインク滴の吐出で発生する気流と、sC1の吐出口列から吐出された2plのインク滴の吐出で発生する気流との相互作用で紙紛を巻き上がらせる気流が生じることとなる。
従って本実施形態では、ファインアート紙のような紙紛の発生しやすい記録メディアが選択された場合には2種類の吐出量の内、小さい吐出量すなわち2plのインク滴でのみ画像形成を行う。一方、紙紛の発生しにくい他の記録メディアが選択された場合には2種類の吐出量を両方使用して画像を形成する。
このとき、ファインアート紙を記録する場合にCとMについては2plの吐出口列のみを使用するが、YとKについては5plの吐出口列しか持たない。したがって、YとKに関しては実施形態1または実施形態2において説明した方法で紙紛が舞い上がらないような記録方法で記録を行うことになる。
以上の説明では、ファインアート紙の記録では2plの吐出口列のみを用いて画像形成を行っているが、記録速度を優先して5plの吐出口列のみを用いて画像形成を行っても良い。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、記録ヘッドを吐出口列と交差する主走査方向に移動させる移動手段と、記録媒体を主走査方向と交差する副走査方向に搬送する搬送手段とを備えたシリアルタイプの記録装置を用いた。しかしながら本発明は、記録媒体の記録領域の幅方向全域に渡って延在する長尺な記録ヘッドを用いて、画像を記録するいわゆるフルラインタイプの記録装置であってもよい。すなわち、ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置であればよい。また、上述した実施形態の記録制御は記録装置のメイン基板上の制御手段で行なったが、一部または全部をホスト側で行なっても良い。
また、ファインアート紙の紙粉が飛散する場合について説明したが、飛散物は紙粉に限定されず、記録媒体の表面にコーティングされた物質等の記録媒体の表面からインクの吐出により飛散するものであればよい。
本発明の第1の実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。 図1の記録システムにおいて、ホスト装置のプリンタドライバが記録装置に渡す記録データの構成例を示す説明図である。 実施形態で用いられる記録装置がドット配列パターン化処理で変換する入力レベルに対する出力パターンを示した図である。 実施形態で用いられる記録装置が実行するマルチパス記録方法を説明するための模式図である。 実施形態で用いられる記録装置が実行するマルチパス記録方法に適用されるマスクパターンの一例を示す説明図である。 実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、非使用時における前面からた状態を示している。 実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、非使用時における背面から見た状態を示している。 実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、使用時における前面から見た状態を示している。 実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、右上部からの斜視図である。 実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、左上部からの斜視図である。 実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための側断面図である。 実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、フラットパス記録時における前面から見た状態を示している。 実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、フラットパス記録時における背面から見た状態を示している。 実施形態で行われるフラットパス記録を説明するための模式的側断面図である。 実施形態で用いられる記録装置本体におけるクリーニング部を示す斜視図である。 図15のクリーニング部におけるワイパ部の構成および動作を説明するための断面図である。 図15のクリーニング部におけるウェット液転写部の構成および動作を説明するための断面図である。 本発明の実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。 図18におけるメイン基板の内部構成例を示すブロック図である。 図18におけるキャリッジ基板に実装されるマルチセンサの構成例を示す図である。 実施形態で適用したヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態示した斜視図である。 本発明の第1の本実施形態で用いる、記録ヘッドの各インク色毎の吐出口列を模式的に示した図である。 本発明の第1の実施形態における、記録方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態において、2列の吐出口列を同時に使用した場合と、1列ずつ使用した場合の紙粉の舞い上がりを説明する図である。 本発明の第1の実施形態の記録方法で記録した場合に、紙粉が付着することによる不吐の発生がどのぐらい減少するかを説明する図である。 本発明の第2の実施形態における、分割記録を説明する図である。 本発明の第3の実施形態で用いる、記録ヘッドの各インク色毎の吐出口列を模式的に示した図である。
符号の説明
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1900 インクタンク

Claims (9)

  1. インクを吐出可能な吐出口が複数配列された吐出口列が前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って複数配置された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置において、
    前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って隣接する2つの前記吐出口列における複数の吐出口のうち、前記記録媒体の種類に応じて変更された数の吐出口を使用して、画像を記録する記録手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録媒体は、種類に応じて記録時に表面から飛散する飛散物の発生量が異なり、
    前記記録手段は、第1の種類の記録媒体に画像を記録するときには、前記第1の種類の記録媒体よりも前記飛散物の発生量が少ない第2の種類の記録媒体に画像を記録するときよりも少ない数の吐出口を使用することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記飛散物は紙粉であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録手段は、前記第1の種類の記録媒体に対する単一の前記相対移動中に前記2つの吐出口列の両方における吐出口を使用して記録を行い、前記第2の種類の記録媒体に対する単一の前記相対移動中に前記2つの吐出口列の片方における吐出口を使用して記録を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録手段は、前記第2の種類の記録媒体に対して記録を行う場合、前記相対移動を繰り返す毎に、前記2つの吐出口列の一方における吐出口と他方における吐出口を交互に使用することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録手段は、前記第1の種類の記録媒体に対する単一の前記相対移動中に前記2つの吐出口列における隣接吐出口の両方を使用して記録を行い、前記第2の種類の記録媒体に対する単一の前記相対移動中に前記2つの吐出口列における隣接吐出口の片方を使用して記録を行うことを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記2つの吐出口列のうち、一方の吐出口列の吐出口と、他方の吐出口列の吐出口とは、インクの吐出量が異なることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記2つの吐出口列における吐出口は同じインクを吐出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. インクを吐出可能な吐出口が複数配列された吐出口列が前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って複数配置された記録ヘッドと記録媒体との相対移動を伴って、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、
    前記記録媒体の種類を判別する工程と、
    前記判別された記録媒体の種類に基づいて、前記吐出口の配列方向と交差する方向に沿って隣接する2つの前記吐出口列における複数の吐出口のうちで記録に使用可能な吐出口を決定する工程と、
    前記決定された吐出口を使用して画像を記録する工程とを有し、
    前記決定工程において決定される吐出口の数は前記判定工程において判定される記録媒体の種類に応じて異なることを特徴とするインクジェット記録方法。
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