JP2008144944A - 無段変速機用ベルトおよび無段変速機 - Google Patents

無段変速機用ベルトおよび無段変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】各エレメントが取り付けられたリングまたはリングの構成片が、その幅方向でセンタリング性の低下を抑制できる無段変速機用ベルトを提供する。
【解決手段】環状の構成片26を内外周に重ねて構成されたリング17と、リング17に円周方向に取り付けられた複数のエレメント18とを有し、複数のエレメント18には首部20が設けられており、この首部20の両側にリング17がぞれぞれ配置されており、エレメント18が駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、構成片26同士の間、またはリング17とエレメント18との間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油を外部に排出する潤滑油排出機構25,27が設けられており、潤滑油排出機構25,27は、首部20から遠い領域B1,D1の潤滑油を排出する機能の方が、首部20に近い領域A1,C1の潤滑油を排出する機能よりも高い構成を有している。
【選択図】図1

Description

この発明は、駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられる無段変速機用ベルト、および無段変速機用ベルトを有する無段変速機に関するものである。
一般に、車両の動力源から車輪に至る動力伝達経路には変速機が設けられており、その変速機としてベルト式無段変速機が知られている。このベルト式無段変速機は、駆動プーリおよび従動プーリにベルトを巻き掛けて構成され、前記駆動プーリと従動プーリとの間でベルトを介して動力伝達をおこなうものであり、前記駆動プーリおよび従動プーリにおける前記ベルトの巻き掛け半径を制御することにより、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間における変速比が制御される。このベルト式無段変速機に用いられる駆動ベルトの一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された駆動ベルトは、無端バンドを重ねて構成したバンドの組み合わせ体からなるキャリアと、このキャリアに摺動可能に組み付けた多数の金属性横断部材とを有している。前記各横断部材には首部が設けられており、その首部の両側に2つの窪みが設けられている。
なお、無段変速機用ベルトを有するベルト式無段変速機の潤滑装置が、特許文献2に記載されている。この特許文献2においては、入力プーリ側と出力プーリ側の各々に、ベルトに潤滑油を供給する給油ノズルが配置されている。前記ベルトはリングとエレメントとを有しており、ベルトの駆動によりリングとエレメントの相対滑りが発生し、接触面に摩擦熱が発生する。そこで、給油ノズルからベルトの摩擦発熱部に潤滑油を供給することで、摩擦発熱部を潤滑することができ、摩擦熱が比較的発生しにくくなるとされている。
特公平2−22254号公報 特開平10−141459号公報
ところで、上記の特許文献1に記載されたベルトを有するベルト式無段変速機において、特許文献2に記載されているベルトの潤滑をおこなった場合、エレメントの窪みの奥、つまり、首部の近くまでは潤滑油が供給されにくい。そのため、キャリアの幅方向における摩擦係数は、前記窪みの奥側、つまり、前記首部に近い領域の方が、前記首部から離れた領域よりも高くなる。その結果、キャリアの外周側から見た平面で、キャリアの幅方向の中心線が、駆動ベルトの幅方向の中心線に対して偏っていたり、キャリアを構成するバンド同士に傾きが生じたりして、窪みの幅方向における前記キャリアのセンタリング性能が低下する虞があった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、各エレメントのリング収容部に配置されたリングが、そのリング収容部で幅方向におけるセンタリング性が低下することを抑制できる無段変速機用ベルトおよび無段変速機を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、環状の構成片を内外周に重ねて構成されたリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、前記環状の構成片同士の間、または前記リングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油を外部に排出する潤滑油排出機構が設けられており、この潤滑油排出機構は、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高い構成を有していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記潤滑油排出機構は、前記環状の構成片の内周および外周に設けられた第1の溝、または前記複数のエレメントに設けられた第2の溝を有しており、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第1の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積よりも広くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されており、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第2の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積よりも広くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた2つの首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記2つの首部の間にリング収容部が設けられているとともに、前記リング収容部に前記リングが配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、前記環状の構成片同士の間、または前記リングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油を外部に排出する潤滑油排出機構が設けられており、この潤滑油排出機構は、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高い構成を有していることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、前記潤滑油排出機構は、前記環状の構成片の内周および外周に設けられた第1の溝、または前記複数のエレメントに設けられた第2の溝を有しており、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第1の面積よりも狭くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されており、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第2の面積よりも狭くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントにはリング収容部が設けられており、前記リングは前記リング収容部に配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触して生じる摩擦力を、前記リングの幅方向で均等となるようにする摩擦力均等化機構が設けられていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の構成に加えて、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されており、前記2つのリング収容部の底面と、前記リングの内周面とが接触する構成を有しており、前記摩擦力均等化機構は、前記各底面を前記首部に近い第1の領域と、前記首部から離れた第2の領域とに仕切り、かつ、前記第2の領域を通って前記第1の領域に潤滑油が至ることを防止する仕切溝であるとともに、前記第1の領域の面積は前記第2の領域の面積よりも狭いことを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項5の構成に加えて、複数のエレメントには、前記リングの幅方向の異なる位置に、半径方向に延ばされた2つの首部が設けられており、この2つの首部の間にリング収容部が設けられており、このリング収容部に前記リングが配置されており、前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触する構成を有しており、前記摩擦力均等化機構は、前記各底面を前記首部に近い2つの外側領域と、前記首部から離れた内側領域とに仕切り、かつ、前記外側領域を通って前記内側領域に潤滑油が至ることを防止する仕切溝であるとともに、前記内側領域の面積は前記1つの外側領域の面積よりも狭いことを特徴とするものである。
請求項8の発明は、駆動プーリおよび従動プーリと、これら駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられる無段変速機用ベルトとを有し、この無段変速機用ベルトは、環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されている無段変速機において、前記リング収容部に向けてエアーを吹き付けて、前記リング収容部内の潤滑油を、そのリング収容部の奥側に移動させることにより、前記無段変速機用ベルトを外周側または内周側から見た平面内で、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部に近い領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力と、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部から離れた領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力との差を小さくするエアー吹き付け機構が設けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、環状の構成片を内外周に重ねて構成される2つのリングと、この2つのリングに円周方向に、それぞれ積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記各リングの半径方向に延ばされた首部が設けられている。また、前記複数のエレメントには前記各リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記2つのリングがぞれぞれ配置されて無段変速機用ベルトが構成されている。その無段変速機用ベルトを駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けると、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する。また、潤滑油が供給されて前記2つのリング収容部に入り込むと、前記2つのリングと前記エレメントとの間、前記構成片同士の間に潤滑油が進入して、発熱が抑制される。このように、リング収容部に潤滑油が供給された場合、各リングの幅方向で首部から離れた領域の方が、首部に近い領域よりも潤滑油の供給量が多くなる。これは、各リングの幅方向で首部から離れた領域の方が、首部に近い領域よりも潤滑油の通過経路が短いからである。
一方、前記構成片同士の間、または前記2つのリングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油は、潤滑油排出機構により外部に排出される。ここで、潤滑油排出機構は、前記各リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記各リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高い。このため、前記各リングの幅方向で、潤滑油の残留量が均等化されて、同方向における前記構成片同士の接触面で生じる摩擦力、または前記各リングと前記エレメントとの接触面で生じる摩擦力が均等化される。したがって、前記各リング収容部内で、前記各リングの幅方向における前記各リングの傾きや、前記構成片同士の傾きが抑制され、センタリング性能が向上する。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第1の溝および第2の溝を経由して、潤滑油が外部に排出(振り落とされる)。これは、無段変速機ベルトの運動エネルギよりも、無段変速機ベルトに付着している潤滑油がもつ運動エネルギの方が低いからである。前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記各リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第1の溝の面積は、前記各リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積よりも広い。このため、前記リングを構成する構成片同士の間において、前記各リングの幅方向で前記首部から遠い領域から排出される潤滑油量は、前記各リングの幅方向で前記首部に近い領域から排出される潤滑油量よりも多くなる。また、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第2の溝の面積の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積よりも広い。このため、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域から排出される潤滑油量の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域から排出される潤滑油量よりも多くなる。
請求項3の発明によれば、複数のエレメントには、リングの幅方向で前記2つの首部の間にリング収容部が設けられている。そして、前記リング収容部に前記リングが配置されて無段変速機用ベルトが構成されている。その無段変速機用ベルトを駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けると、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する。また、潤滑油が供給されて前記リング収容部に入り込むと、前記リングと前記首部との間を通過して、前記リングと前記エレメントとの間、および前記構成片同士の間に潤滑油が供給され、発熱が抑制される。このように、リング収容部に潤滑油が供給された場合、各リングの幅方向で首部に近い領域の方が、首部から離れた領域よりも潤滑油の供給量が多くなる。これは、各リングの幅方向で首部に近い領域の方が、首部から離れた領域よりも潤滑油の通過経路が短いからである。
一方、前記構成片同士の間、または前記リングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油は、潤滑油排出機構により外部に排出される。ここで、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域から排出される潤滑油量の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域から排出される潤滑油量よりも多くなる。このため、前記リング収容部における前記リングの幅方向で、潤滑油の残留量が均等化されて、同方向における前記構成片同士の接触面で生じる摩擦力、または前記リングと前記エレメントとの接触面で生じる摩擦力が均等化される。したがって、前記リング収容部内で、前記リングの幅方向における前記リングの傾きや、前記構成片同士の傾きが抑制され、センタリング性能が向上する。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、第1の溝および第2の溝を経由して潤滑油が外部に排出される。これは、無段変速機ベルトの運動エネルギよりも、無段変速機ベルトに付着している潤滑油がもつ運動エネルギの方が低いからである。具体的には、隣り合うエレメント同士の間を通過して潤滑油が排出される。また、リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積は、前記リングの幅方向で前記首部から離れた領域に存在する第1の溝の面積よりも狭い。このため、前記リングを構成する構成片同士の間において、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域から排出される潤滑油量は、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域から排出される潤滑油量よりも多くなる。また、前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積の方が、前記リングの幅方向で前記首部から離れた領域に存在する第2の溝の面積よりも狭い。このため、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域から排出される潤滑油量の方が、前記リングの幅方向で前記首部から離れた領域から排出される潤滑油量よりも多くなる。
請求項5の発明によれば、リングに複数のエレメントが積層して取り付けられて、無段変速機用ベルトが構成されている。その無段変速機用ベルトを駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けると、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する。また、潤滑油がリング収容部に浸入すると、前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触して生じる摩擦力が、前記リングの幅方向で均一化される。したがって、前記リング収容部内で、前記リングの幅方向における前記リングの傾きや、前記構成片同士の傾きが抑制され、センタリング性能が向上する。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、複数のエレメントにはリングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられており、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されている。そして、前記2つのリング収容部を構成する底面が、第1の領域と第2の領域とに仕切られる。ここで、第1の領域の面積の方が第2の領域の面積よりも狭い一方、第2の領域を通過して第1の領域に潤滑油が至ることが防止される。そして潤滑油量が多い場合は、摩擦係数が小さくなる。このため、面積、摩擦係数などから求められる摩擦力は、第1の領域と第2の領域とで略均等になり、前記リングのセンタリング性能の低下を抑制できる。
請求項7の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、複数のエレメントにはリングの幅方向で2つの首部の間にリング収容部が設けられており、このリング収容部に前記リングが配置されている。そして、前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触する。そして、前記リング収容部を構成する底面が、外側領域と内側領域とに仕切られる。ここで、内側領域の面積の方が1つの外側領域の面積よりも狭い一方、外側領域を通過して内側領域に潤滑油が至ることが防止される。そして潤滑油量が多い場合は、摩擦係数が小さくなる。このため、面積、摩擦係数などから求められる摩擦力は、内側領域と外側領域とで略均等になり、前記リングのセンタリング性能の低下を抑制できる。
請求項8の発明によれば、前記複数のエレメントのリング収容部が設けられているとともに、このリング収容部にリングが配置されて無段変速機用ベルトが構成されている。その無段変速機用ベルトを駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けると、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する。また、前記リング収容部に潤滑油を供給するとともに、前記リング収容部に向けてエアーを吹き付けて、前記リング収容部内の潤滑油を、そのリング収容部の奥側に移動させることにより、前記無段変速機用ベルトを外周側または内周側から見た平面内で、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部に近い領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力と、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部から離れた領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力との差が小さくなる。したがって、前記リング収容部内で、前記リングの幅方向における前記リングの傾きや、前記構成片同士の傾きが抑制され、センタリング性能が向上する。
つぎに、この発明の無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機を車両に用いた場合の概念を説明する。このベルト式無段変速機は、車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に配置される。このベルト式無段変速機は、駆動プーリおよび従動プーリを有しており、前記駆動力源と駆動プーリとが動力伝達可能に接続され、前記従動プーリと前記車輪とが動力伝達可能に接続される。前記車両としては二輪駆動車または四輪駆動車のいずれであってもよい。すなわち、前記駆動力源の動力が、前輪(車輪)または後輪(車輪)の何れか一方に伝達される構成のパワートレーンを有する二輪駆動車、または、前記駆動力源の動力が、前輪および後輪の両方に伝達される構成のパワートレーンを有する四輪駆動車のいずれでもよい。ここで、四輪駆動車としては、前記駆動力源の動力が、前輪および後輪に常時伝達されるフルタイム四輪駆動車、または、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを選択的に切り換え可能なスタンバイ四輪駆動車のいずれでもよい。
前記駆動力源は前記車輪に伝達するトルクを発生する動力装置であり、例えば、エンジン、モータ・ジェネレータ、油圧モータ、フライホイールシステムなどのうち何れか1種類、または複数種類を組み合わせて搭載することが可能である。前記エンジンは燃料を燃焼させて発生する熱エネルギを運動エネルギに変換する装置であり、例えば、内燃機関を用いることができる。前記モータ・ジェネレータは、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備した動力装置である。油圧モータは、圧油の流体エネルギを回転部材の運動エネルギに変換する装置である。フライホイールシステムは、運動エネルギを蓄積することの可能な装置である。すなわち、これらの動力装置は、何れも動力の発生原理が異なる。
また、前記駆動力源と車輪との間で伝達されるトルクを制御するクラッチを設けることが可能である。このクラッチは、前記駆動力源から駆動プーリに至る経路、または前記従動プーリから前記車輪に至る経路の何れに設けられていてもよい。また、クラッチは、伝達トルクもしくはトルク容量を制御可能な動力伝達装置であり、例えば、電磁クラッチ、流体クラッチ、摩擦クラッチなどを用いることが可能である。さらに、前記駆動力源から前記車輪に至る動力伝達経路に、前後進切換装置を設けることが可能である。この前後進切換装置は、入力側回転部材の回転方向に対して、出力側回転部材の回転方向を正・逆に切り換える装置であり、前記駆動力源から前記ベルト式無段変速機に至る経路、または前記ベルト式無段変速機から前記車輪に至る経路の何れに設けられていてもよい。この前後進切換装置としては、例えば、遊星歯車機構式の前後進切換装置、または平行軸歯車式の前後進切換装置などを用いることが可能である。さらにこの発明における無段変速機用ベルトは、環状のリングの円周方向に多数のエレメントが積層して取り付けられており、前記エレメント同士の間に発生する圧縮力により、前記駆動プーリと従動プーリとの間でトルクが伝達される。また、前記リングは多数のエレメントを整列状態で保持し、かつ、エレメント同士を相対回転可能に保持するキャリアとしての機能を有する。この発明において、駆動プーリとは動力が入力される側のプーリであり、その駆動プーリのトルクが、ベルトを経由して前記従動プーリに伝達される構成である。
以下、この発明の実施例を図2に基づいて説明する。まず、車両1には駆動力源2が搭載されており、その駆動力源2から車輪3に至る動力伝達経路に、無段変速機、具体的にはベルト式無段変速機4が配置されている。なお、駆動力源2からベルト式無段変速機4に至る経路、またはベルト式無段変速機4から車輪3に至る経路には前後進切換装置を設けることが可能であるが、この実施例では省略している。さらに、駆動力源2からベルト式無段変速機4に至る経路、またはベルト式無段変速機4から車輪3に至る経路にはクラッチを設けることが可能であるが、この実施例では省略している。前記ベルト式無段変速機4は、第1のプーリである駆動プーリ5と、第2のプーリである従動プーリ6とを有しており、前記駆動プーリ5と駆動力源2とが動力伝達可能に接続されている。
前記駆動プーリ5は、インプットシャフト7と一体回転する構成を有している。この駆動プーリ5は、前記インプットシャフト7の回転軸線と平行な方向(軸線方向)に動作可能な可動片8と、前記軸線方向には動作しない固定片9とを有している。また、従動プーリ6と車輪3とが動力伝達可能に接続されている。さらに、前記駆動プーリ5の回転軸線(図示せず)と、前記従動プーリ6の回転軸線(図示せず)とが平行に、かつ、略水平に配置されている。この従動プーリ6はアウトプットシャフト10と一体回転するように構成されている。この従動プーリ6は、前記アウトプットシャフト10の回転軸線と平行な方向(軸線方向)に動作可能な可動片11と、前記軸線方向には動作しない固定片12とを有している。そして、駆動プーリ5および従動プーリ6は、何れも可動片8,11を軸線方向に動作することにより、その溝幅を調整可能に構成されている。
さらに、前記軸線方向における駆動プーリ5の可動片8の位置を制御する油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室およびピストンおよびリターンスプリング等を有する公知の機構である。また、前記軸線方向における従動プーリ6の可動片11の位置を制御する油圧サーボ機構14が設けられている。この油圧サーボ機構14は、油圧室およびピストンおよびリターンスプリング等を有する公知の機構である。前記油圧サーボ機構13,14の油圧室の油圧、もしくは油圧室に供給される圧油量を制御するアクチュエータとして、油圧制御装置15が設けられている。すなわち、このベルト式無段変速機4は油圧制御式のものである。なお、前記クラッチとして流体クラッチ、摩擦クラッチを用いた場合、その伝達トルクを前記油圧制御装置15により制御するように構成することが可能である。前記油圧制御装置15は、油圧回路およびバルブなどを有する公知のものであり、電子制御装置100により制御される。また、上記前後進切換装置を設けた場合、そのアクチュエータとして油圧制御装置15を用いることが可能である。上記の駆動プーリ5および従動プーリ6に、環状の無段変速機用ベルトが巻き掛けられている。さらに、前記油圧制御装置15には油路を介して潤滑油供給装置50が接続されている。この潤滑油供給装置50は、前記ベルト式無段変速機4の発熱部、摺動部に潤滑油を供給して、これらの部位を冷却・潤滑するものである。潤滑油供給装置50は、バルブおよび噴射ノズルなどを有している。この潤滑油供給装置50は、電子制御装置100により制御される構成となっており、潤滑油供給タイミング、潤滑油供給時間、潤滑油供給量、潤滑油供給圧力(噴射圧)、ベルト16に対する潤滑油供給角度などを調整可能である。以下、無段変速機用ベルトの具体的な構成例を順次説明する。
この実施例1は、請求項1および2に相当するものであり、図1および図3に基づいて説明する。図1は無段変速機用ベルト(以下、ベルトと記す)16を外周側から見た部分的な平面断面図、図3はベルト16の厚さ方向における縦断面図(正面縦断面図)である。前記ベルト16は2本のリング17と、この2本のリング17に取り付けられた複数(多数)のエレメント18とを有している。この多数のエレメントは金属材料をプレス加工して成形したものであり、前記2本のリング17の円周方向に沿って取り付けられており、前記リング17の円周方向で、隣り合うエレメント18同士が接触している。各エレメント18は、ベルト16の幅方向に沿って配置された基部(板形状部)19と、この基部19に連続して形成され、かつ、ベルト16の半径方向で外側に突出された首部20と、この首部20に連続して形成され、かつ、前記ベルト16の幅方向に沿って配置された押え部21とを有している。この押え部21は、前記首部20の上端からベルト16の幅方向で両側に突出されている。すなわち、この首部20は、前記基部19と前記押え部21とを接続する部分である。前記ベルト16の幅方向とは、ベルト16の幅方向に沿った方向、または幅方向と平行な方向という意味である。前記基部19における前記ベルト16の幅方向の両端には、接触面22がそれぞれ形成されている。そして、ベルト16の幅方向における2つの接触面22同士の距離が、ベルト16の内周であるほど短くなるように、ベルト16の幅方向におけるエレメント18の中心線(図示せず)に対して、各接触面22が傾斜している。そして、ベルト16を前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6に巻き掛けると、図3に示すようにエレメント18の接触面22が、駆動プーリ5および従動プーリ6に接触する。
前記エレメント18の上部における厚さ方向の一方にはピン18Aが突出して設けられており、前記エレメント18の上部における厚さ方向の他方には凹部18Bが設けられている。そして、各エレメント18同士が厚さ方向に重ねられた場合に、隣り合うエレメント18同士のピン18Aが凹部18Bに配置されて、隣り合う位置に配置されたエレメント18同士の位置決め、具体的にはエレメント18同士の積層方向に直交する平面内での位置決めがおこなわれる。前記ベルト16の幅方向において、前記基部19の長さ(幅)は前記押え部21の長さ(幅)よりも長く構成されており、この構成により、ベルト16の半径方向(内外周方向)で、前記基部19と前記押え部21との間にリング収容部23が設けられている。ここで、ベルト16の半径方向とは、より具体的には、ベルト16の半径方向と同じ方向もしくは半径方向に沿った方向という意味である。前記基部19の上端面(表面)24は概略では平坦に形成されており、その上端面24が前記リング収容部23の底面を構成している。すなわち、上端面24は、ベルト16の幅方向で首部20の両側に2箇所配置されており、各上端面24には、上端面24とリング17との間に存在する潤滑油を、前記リング収容部24の外部に排出する潤滑油排出機構が設けられている。
この実施例1においては、潤滑油排出機構として溝25が設けられている。この溝25は、図3において、ベルト16の半径方向の深さを有する凹部もしくは窪みであり、図1においては、直線状の溝25を交差させて格子縞模様が形成されている。また、図1に示すように、前記ベルト16の幅方向で異なる位置に配置された領域A1,B1では、前記溝25の配置密度が異なる。ここで、領域A1は、前記ベルト16の幅方向において、前記リング収容部23の奥側に配置されており、領域B1は、前記ベルト16の幅方向において、前記リング収容部23の入口側に配置されている。言い換えれば、前記上端面24において、前記首部20に近い位置が領域A1であり、前記首部20から離れた位置が領域B1である。さらに、ベルト16を外側から見た平面において、前記領域A1の配置位置は、前記押え部21の配置位置と略重なっている。そして、上記上端面24において、前記領域A1に設けられた溝25の密度よりも、前記領域B1に設けられた溝25の密度の方が高密度となっている。すなわち、領域A1,B1には、共に複数の溝25が相互に平行に設けられているが、領域B1に設けられた溝25同士の間隔は、領域A1に設けられた溝25同士の間隔よりも短い。言い換えれば、領域B1における単位面積あたりの溝25の密度は、領域A1における単位面積あたりの溝25の密度よりも高密度である。つまり、領域B1の単位面積当たりにおける溝25の面積は、領域A1の単位面積当たりにおける溝25の面積よりも広く構成されている。
つぎに、前記2本のリング17の構成を説明する。各リング17は、環状に構成された金属製の薄板26を内外周に複数積層して構成されている。つまり、薄板26同士がその厚さ方向に重ね合わされてリング17を構成している。また、各薄板26同士は、重ねられた状態で相互に円周方向に相対移動可能に構成されている。また、前記ベルト16の幅方向において、各薄板26の幅は同一に構成されている。ここで、前記ベルト16の幅方向において、各薄板26の幅は、前記エレメント18の上端面24の幅よりも狭く構成されている。上記のように構成された各リング17に対して、前記多数のエレメント18が取り付けられている。具体的には、各リング17が各リング収容部23に配置されている。このように、各リング17を各リング収容部23に収容した状態で。前記ベルト16の幅方向で、各リング17の略半分が前記リング収容部23の内部に位置しており、各リング17の残りの半分が前記リング収容部23の外部に位置(露出)している。すなわち、前記ベルト16の幅方向で、各リング17の幅は、前記リング収容部23の幅よりも大きく構成されている。なお、ベルト16の半径方向で、前記リング収容部23の幅は一定に構成されており、前記リング17の厚さは前記リング収容部23の幅よりも薄く構成されている。このため、前記リング17に対して各エレメント18が、リング17の円周方向に相対移動可能である。
そして、前記各リング17を構成する薄板26の内周面または外周面の少なくとも一方には、潤滑油排出機構として溝27が設けられている。この溝27は、各薄板26の厚さ方向の深さを有する凹部もしくは窪みである。図1においては、薄板26の外周面に溝27を設けた例が示されている。具体的には、直線状の溝27を交差させて格子縞模様が形成されている。また、図1に示すように、前記ベルト16の幅方向で異なる位置に配置された領域C1,D1では、前記溝27の配置密度が異なる。ここで、領域C1は、前記ベルト16の幅方向において、前記リング収容部23の奥側に配置されており、領域D1は、前記ベルト16の幅方向において、前記リング収容部23の入口側に配置されている。言い換えれば、前記首部20に近い方が領域C1であり、前記首部20から離れている方が領域D1である。そして、前記領域C1に設けられた溝27の密度よりも、前記領域D1に設けられた溝27の密度の方が高密度となっている。すなわち、領域C1,D1には、共に複数の溝27が相互に平行に設けられているが、領域D1に設けられた溝27同士の間隔は、領域C1に設けられた溝27同士の間隔よりも短い。言い換えれば、領域D1における単位面積あたりの溝27の密度は、領域C1における単位面積あたりの溝27の密度よりも高密度である。
上記のように構成されたベルト16が前記駆動プーリ5および従動プーリ6に巻き掛けられた状態で、前記駆動力源2のトルクが前記インプットシャフト7に伝達されるとともに、前記駆動プーリ5および従動プーリ6から前記ベルト16に対して挟圧力が加えられる。前記駆動プーリ5と前記エレメント18との接触部分では、摩擦力に応じた動力伝達がおこなわれ、各エレメント18に対して圧縮荷重が加えられる。この圧縮荷重は、前記駆動プーリ5および従動プーリ6の何れにも巻き掛けられていない領域に位置するエレメント18を経由して、前記従動プーリ6に接触しているエレメント18に伝達される。そのエレメント18と前記従動プーリ6との摩擦力により、前記圧縮荷重に応じた動力が従動プーリに伝達される。このようにして、前記駆動プーリ5のトルクが前記従動プーリ6に伝達される。そして、前記駆動プーリ5から前記ベルト16に加えられる挟圧力が制御されて、前記駆動プーリ5および従動プーリ6におけるベルト16の巻き掛け半径が制御され、前記駆動プーリ5の回転数と前記従動プーリ6の回転数との比、すなわち、変速比が制御される。また、前記従動プーリ6からベルト16に加えられる挟圧力が制御されて、前記ベルト式無段変速機4で伝達されるトルクの容量が制御される。このようにして、アウトプットシャフト10に伝達されたトルクが前記車輪3に伝達されて駆動力が発生する。
前記ベルト式無段変速機4におけるトルク伝達時において、前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6にベルト16が巻き掛けられている領域では、隣り合う位置に配置されたエレメント18同士が、ロッキングエッジ(図示せず)を支点として、一定の角度範囲内で相対回転し、各エレメント18と前記リング17の内周面とが摺動する。また、前記リング17は環状の薄板26を重ねた構成であり、前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6にベルト16が巻き掛けられている領域では、各薄板26の周速度が異なり、薄板26同士が円周方向に相対移動して摺動する。また、前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6から前記ベルト16に加えられる挟圧力が制御されて、前記駆動プーリ5および従動プーリ6におけるベルト16の巻き掛け半径が変化する場合、前記エレメント18が前記駆動プーリ5および従動プーリ6の斜面に沿って摺動する。このように、前記ベルト式無段変速機4においては、各種の部品同士が摺動して発熱する箇所があるため、前記潤滑油供給装置50から前記ベルト16に向けて潤滑油が供給(噴射)され、これらの摺動部分の冷却および潤滑がおこなわれる。例えば、前記ベルト16が前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6の何れにも巻き掛けられていない領域で、そのベルト16の上方またはベルト16の側方から、噴射ノズルなどにより供給される。なお、ベルト16のたるみ側(圧縮力が加えられていない側)に潤滑油が噴射される。つまり、前記従動プーリ6から離れて前記駆動プーリ5に巻き係るまでの領域で潤滑油が噴射される。
ところで、前記ベルト16においては、前記リング17が前記リング収容部23に配置されている。このため、潤滑油が供給された場合に、前記リング収容部23の入口側と奥側とでは、潤滑油の供給量が異なる。具体的には、前記リング収容部23の入口に多量の潤滑油が供給されるが、前記リング収容部23の奥側に供給される潤滑油量はこれよりも少ない。その理由は、前記リング収容部23の奥側に至るまでの潤滑油供給経路(隙間)が狭いため、潤滑油の流通抵抗が強いとともに、その距離が長いために潤滑油の運動エネルギが低下するからである。すると、前記エレメント18の上端面24と前記リング17の内周面との間に供給される潤滑油量は、前記ベルト16の幅方向で異なることになる。すなわち、前記首部20に近い領域A1に供給される潤滑油量よりも、前記首部20から離れた領域B1に供給される潤滑油量の方が多くなる。
ここで、前記溝25が設けられていない場合(比較例)について説明すると、前記エレメント18の上端面24と前記リング17の内周面との接触面における摩擦係数は、図4に破線で示す傾向となる。すなわち、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど摩擦係数が小さくなる特性を示す。すると、前記エレメント18の上端面24と前記リング17の内周面との接触面における摩擦力は、図5に破線で示す傾向となる。すなわち、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど摩擦力が低下する特性となる。また、前記リング17全体としての張力も、その幅方向で異なる。具体的には、図6に破線で示すように、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど張力が低下する特性となる。このような張力特性により、前記リング17全体としての周長も、その幅方向で異なる。具体的には、図7に破線で示すように、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど周長が短くなる特性となる。これらの原理により、前記リング17の円周方向における移動力は、図8に破線の矢印で示す特性となる。具体的には、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど、移動力F1が低下する特性となる。その結果、前記ベルト16の停止状態における前記リング17の幅方向の中心線(図示せず)に対して、移動するリング17の幅方向の中心線が傾斜した状態となる。つまり、前記リング収容部23内における前記リング17のセンタリング性能が低下する可能性がある。
これに対して、この実施例1では、前記エレメント18と前記リング17との接触面間から、前記溝25に沿って前記潤滑油が外部に排出される(振り落とされる)。これは、ベルト16の運動エネルギよりも潤滑油の運動エネルギの方が低いからである。また実施例1では、前記領域B1における溝25の密度の方が、前記領域A1における溝25の密度よりも高い。このため、前記領域B1に供給される潤滑油量は、前記領域A1に供給される潤滑油量よりも多いが、前記領域B1から溝25に沿って外部に排出される潤滑油量は、前記領域A1から溝25に沿って外部に排出される潤滑油量よりも多い。したがって、結果的には領域A1に存在する潤滑油量と、領域B1に存在する潤滑油量とが略均一になり、前記図4に示す摩擦係数は、実線の特性のようにリング17の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、前記図5に示す摩擦力は、実線の特性のようにリング17の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、前記図6に示すリング17の張力は、実線の特性のようにリング17の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、銭リング17の周長も、実線の特性のようにリング17の幅方向の位置に関わりなく略一定となる。これらの作用および特性が相まって、前記図8に示すリング17の移動力は、実線の特性のようにリング17の幅方向の位置に関わりなく略一定となる。したがって、前記リング17のセンタリング性能が向上する。
また、前記リング17を構成する薄板26の内周面に溝27が設けられており、前記エレメント18と前記リング17との接触面間から、前記溝27に沿って前記潤滑油が外部に排出される(振り落とされる)。そして、この実施例1では、前記領域B1における溝27の密度の方が、前記領域A1における溝27の密度よりも高い。したがって、溝25における潤滑油の排出原理と同じ原理により、リング17のセンタリング性が向上する。
つぎに、前記リング17を構成する薄板26同士の間に供給される潤滑油量について説明する。前記薄板26同士の間において、前記リング収容部23の入口に多量の潤滑油が供給されるが、前記リング収容部23の奥側に供給される潤滑油量はこれよりも少ない。その理由は前述と同じである。つまり、前記首部20に近い領域C1に供給される潤滑油量よりも、前記首部20から離れた領域D1に供給される潤滑油量の方が多くなる。ここで、前記溝27が設けられていない場合(比較例)について説明すると、前記薄板26同士の接触面における摩擦係数は、図4に破線で示す傾向となる。すなわち、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど摩擦係数が小さくなる特性を示す。すると、前記薄板26同士の接触面における摩擦力は、図5に破線で示す傾向となる。すなわち、首部20側から駆動プーリ5または従動プーリ6に近づくほど摩擦力が低下する特性となる。その結果、内側に位置する薄板26の幅方向の中心線と、外側に位置する薄板26の幅方向の中心線とが傾斜した状態となる。つまり、前記リング収容部23内における前記リング17のセンタリング性能が低下する可能性がある。よって、幅方向におけるリング17の寿命を均一化させることができる。
これに対して、この実施例1では、前記薄板26同士の接触面間から、前記溝27に沿って前記潤滑油が外部に排出される(振り落とされる)。これは、ベルト16の運動エネルギよりも潤滑油の運動エネルギの方が低いからである。また実施例1では、前記領域D1における溝27の密度の方が、前記領域C1における溝27の密度よりも高い。このため、前記領域D1に供給される潤滑油量は、前記領域C1に供給される潤滑油量よりも多いが、前記領域D1から溝27に沿って外部に排出される潤滑油量は、前記領域C1から溝27に沿って外部に排出される潤滑油量よりも多い。したがって、結果的には領域C1に存在する潤滑油量と、領域D1に存在する潤滑油量とが略均一になり、前記図4に示す摩擦係数は、実線の特性のように薄板26の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、前記図5に示す摩擦力は、実線の特性のように薄板26の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、前記図6に示す薄板26の張力は、実線の特性のように薄板26の幅方向の位置に関わりなく略一定となり、薄板26の周長も、実線の特性のように薄板26の幅方向の位置に関わりなく略一定となる。
これらの作用および特性が相まって、前記図8に示す薄板26の移動力は、実線の特性のように薄板26の幅方向の位置に関わりなく略一定となる。したがって、前記薄板26のセンタリング性能が向上する。なお、この実施例1では溝25,27の両方が設けられているが、何れか一方を設けてもよい。ここで、実施例1で説明した構成と、請求項1、2の発明の構成との対応関係を説明すると、薄板26が、この発明の構成片に相当し、前記溝25,27が、この発明の潤滑油排出機構に相当し、溝27が、この発明の第1の溝に相当し、溝25が、この発明の第2の溝に相当する。
つぎに、前記ベルト16の他の構成例を、図9および図10に基づいて説明する。この実施例2は、請求項3、4の発明に相当する実施例である。図9は、ベルト16の厚さ方向における縦断面図(正面縦断面図)、図10は、ベルト16を外周側から見た場合の部分的な平面断面図である。この実施例2においては、前記ベルト16が、環状のリング130と、このリング130の円周方向に取り付けられた多数のエレメント131とを有している。まず、各エレメント131について説明すると、このエレメント131は金属材料をプレス加工して成形されており、各エレメント131はその厚さ方向に重ねて配置されている。各エレメント131は、ベルト16の幅方向に延ばされた内側部132と、その内側部132の幅方向の一端に連続して設けられ、かつ、ベルト16の厚さ方向で外周側に向けて突出された首部133と、この首部133からベルト16の幅方向に延ばされた押え部134とを有している。内側部132および押え部134は、略平行に延ばされており、前記内側部132の先端と、押え部134の先端との間には開口部135が設けられており、内側部132と押え部134との間にリング収容部136が設けられている。このリング収容部136は空間もしくは凹部であり、このリング収容部136は前記開口部135につながっている。
前記エレメント131における内側部132の上端面137は、前記リング収容部136の底面を兼ねており、その上端面137には潤滑油排出機構が設けられている。この潤滑油排出機構は、前記リング130の内周面と前記エレメント131の内側部132との間から潤滑油を排出する機構であり、この実施例2では、溝138が設けられている。この溝138は、前記ベルト16の厚さ方向の深さを有する凹部もしくは窪みであり、図10においては、直線状の溝138を交差させて格子縞模様が形成されている。また、図10に示すように、前記ベルト16の幅方向で異なる位置に配置された領域E1,F1では、前記溝138の配置密度が異なる。ここで、領域E1は、前記ベルト16の幅方向において、前記リング収容部136における前記開口部135に近い領域である。また、前記領域F1は、前記ベルト16の幅方向で、前記首部133と前記領域E1同士の間に相当する領域である。そして、上記上端面137において、前記領域F1に設けられた溝138の密度よりも、前記領域E1に設けられた溝138の密度の方が高密度となっている。すなわち、領域E1,F1には、共に複数の溝138が相互に平行に、かつ、交差して設けられているが、領域E1に設けられた溝138同士の間隔は、領域F1に設けられた溝138同士の間隔よりも短い。言い換えれば、領域E1における単位面積あたりの溝138の密度は、領域F1における単位面積あたりの溝138の密度よりも高密度である。つまり、領域E1の単位面積当たりにおける溝138の面積は、領域F1の単位面積当たりにおける溝138の面積よりも広く構成されている。
一方、前記エレメント31における前記ベルト16の幅方向の両端には、共に接触面139が形成されている。そして、ベルト16の幅方向における2つの接触面139同士の距離が、ベルト16の内周であるほど短くなるように、前記ベルト16の幅方向におけるエレメント18の中心線(図示せず)に対して、各接触面139が傾斜している。そして、ベルト16を前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6に巻き掛けると、図9に示すようにエレメント18の接触面139が、駆動プーリ5および従動プーリ6に接触する。また、前記押え部134における一方の面には2個のピン40が突出して設けられており、前記押え部134における他方の面には2個の凹部141が設けられている。押え部134の一方の面及び他方の面とは、前記エレメント18の厚さ方向における面を意味する。そして、各エレメント31同士が厚さ方向に重ねられた場合に、隣り合うエレメント31同士のピン140が凹部141に配置されて、隣り合う位置に配置されたエレメント31同士の位置決め、具体的にはエレメント31同士の積層方向に直交する平面内での位置決めがおこなわれる。
つぎに、前記リング収容凹部136に配置された1本のリング130の構成を説明する。このリング130は、環状に構成された金属製の薄板142を内外周に複数積層して構成されている。つまり、薄板142同士がその厚さ方向に重ね合わされてリング130を構成している。また、各薄板142同士は、重ねられた状態で相互に円周方向に相対移動可能に構成されている。また、前記ベルト16の幅方向において、各薄板142の幅は同一に構成されている。さらに、前記ベルト16の幅方向で、前記リング130の幅は、前記リング収容部136の幅よりも狭く構成されている。このため、前記リング130を前記リング収容部136に配置した場合、つまり、前記リング130に前記エレメント31を取り付けてベルト16を組み立て、そのベルト16を前記駆動プーリ5および従動プーリ6に巻き掛けると、前記内側部132が前記リング130の内周面に接触することで、前記エレメント31が前記リング130から脱落することを防止できる。
さらに、前記リング130を構成する薄板142の内周面または外周面の少なくとも一方には、図10に示すように、潤滑油排出機構として溝143が設けられている。この溝143は、各薄板142の厚さ方向の深さを有する凹部もしくは窪みである。図10においては、薄板142の外周面に溝143を設けた例が示されている。具体的には、直線状の溝143を交差させて格子縞模様が形成されている。また、図10に示すように、前記ベルト16の幅方向で異なる位置に配置された領域G1,H1では、前記溝143の配置密度が異なる。ここで、領域G1は、前記ベルト16の幅方向において、前記首部133に近い領域である。また、前記領域H1は、領域G1よりも前記開口部135に近い。つまり、前記ベルト16の幅方向で、領域H1は領域G1よりも首部133から離れた位置を占めている。そして、上記前記領域G1に設けられた溝143の密度よりも、前記領域H1に設けられた溝143の密度の方が高密度となっている。すなわち、領域G1,H1には、共に複数の溝143が相互に平行に、かつ、交差して設けられているが、領域H1に設けられた溝143同士の間隔は、領域G1に設けられた溝143同士の間隔よりも短い。言い換えれば、領域H1における単位面積あたりの溝143の密度は、領域G1における単位面積あたりの溝143の密度よりも高密度である。つまり、領域H1の単位面積当たりにおける溝143の面積は、領域G1の単位面積当たりにおける溝143の面積よりも広く構成されている。
つぎに、実施例2におけるベルト16においても、実施例1と同様に、前記駆動プーリ5のトルクが前記エレメント31同士の圧縮力に変換され、その圧縮力が前記従動プーリ6に伝達されて、従動プーリ6を回転させる向きのトルクが発生する。また、トルクの伝達時には、隣り合う位置に配置されたエレメント18同士が、ロッキングエッジ(図示せず)を支点として、一定の角度範囲内で相対回転し、各エレメント31と前記リング30の内周面とが摺動する。また、前記リング130は環状の薄板142を重ねた構成であり、実施例1と同様の原理により、薄板142同士が摺動する。また、実施例2においても、実施例1と同様の原理により、前記エレメント131が前記駆動プーリ5および従動プーリ6の斜面に沿って摺動する。そして、実施例2においても実施例1と同様にベルト16に潤滑油が供給されて、ベルト16における摺動部分の冷却・および潤滑がおこなわれる。
この実施例2において、図9に示すベルト16に対してその上方から潤滑油が供給されると、その潤滑油はエレメント131の開口部135を通過してリング収容部136内に供給される。ここで、前記リング130の幅方向において、前記リング収容部136内の潤滑油の供給量が異なる。具体的には、前記開口部135付近には多量の潤滑油が供給されるが、前記首部133に供給される潤滑油量はこれよりも少ない。その理由は、前記首部133に至るまでの潤滑油供給経路(隙間)が狭いため、潤滑油の流通抵抗が強いとともに、その距離が長いために潤滑油の運動エネルギが低下するからである。これに対して、実施例2では、前記溝143の配置密度は、領域E1の方が領域F1よりも高い。つまり、領域E1の方が領域F1よりも潤滑油排出機能が高い。その結果、前記エレメント131の上端面137と前記リング130の内周面との接触面における摩擦係数、摩擦力は、前記リング130の幅方向で略均一となる。したがって、前記リング30のセンタリング性能が向上する。
つぎに、前記リング130を構成する薄板142同士の間に供給される潤滑油量について説明する。前記薄板142同士の間においても、上記と同様の理由により、前記リング130の幅方向で供給される潤滑油量が異なる。つまり、前記首部133に近い領域G1に供給される潤滑油量よりも、前記首部133から離れた領域H1に供給される潤滑油量の方が多くなる。これに対して、実施例2においては、前記薄板142同士の接触面間から、前記溝143に沿って前記潤滑油が排出される(振り落とされる)。前記領域G1に存在する潤滑油は、領域H1を通過して排出される。また、領域H1の潤滑油は、そのまま排出される。このようにリング収容部136に排出された潤滑油は、エレメント131同士の間を通過して外部空間に排出される。ここで、前記領域H1における溝143の密度の方が、前記領域G1における溝143の密度よりも高い。つまり、前記領域H1における潤滑油排出機能は、前記領域G1における潤滑油排出機能よりも高い。したがって、、領域H1に存在する潤滑油量と、領域G1に存在する潤滑油量とが略均一になり、前記薄板142同士の接触面における摩擦係数、摩擦力は、前記リング130の幅方向で略均一となる。したがって、前記薄板142のセンタリング性能が向上する。なお、この実施例2では溝138,143の両方が設けられているが、何れか一方を設けてもよい。ここで、実施例2で説明した構成と、請求項3、4の発明の構成との対応関係を説明すると、薄板42が、この発明の構成片に相当し、前記溝138,143が、この発明の潤滑油排出機構に相当し、前記溝143が、この発明の第1の溝に相当し、溝138が、この発明の第2の溝に相当する。
つぎに、前記ベルト16の実施例3を図11に基づいて説明する。この実施例3は、請求項5、6に相当する。また、図11は、ベルト16の厚さ方向における縦断面図(正面断面図)である。なお、実施例3において、実施例1で説明した構成と同じ構成部分については、実施例1と同じ符号を付してある。この実施例3においては、実施例1で説明した溝25,27は共に設けられていない。この実施例3においては、前記エレメント18の2つの上端面24に、前記ベルト16の円周方向に沿った溝60がそれぞれ設けられている。この溝60により、上端面24が、前記リング17の幅方向で、領域J1と領域K1とに仕切られている。領域J1は首部20に近く、領域K1は首部20から離れている。そして、前記ベルト6を外周側から見た平面内で、領域J1の面積は領域K1の面積よりも狭く構成されている。より具体的には、前記リング17の内周面に接触する有効面積は、領域J1の方が領域K1よりも狭く構成されている。
この実施例3の作用を説明すると、実施例1と同様にして、潤滑油が前記リング17と上端面24との間に浸入する。具体的には、領域K1には潤滑油が供給されるが、溝60があるために、その溝60に沿って潤滑油が排出される。つまり、領域J1には供給されないか、または、供給量は少なくなる。このため、領域K1の摩擦係数は、領域J1の摩擦係数よりも小さくなる。これに対して、領域J1の面積は領域K1の面積よりも狭い。すると、摩擦係数、面積などから求められる摩擦力は、前記リング17の幅方向の異なる位置、つまり、領域J1と領域K1とで略均等になり、前記リング17のセンタリング性能の低下を抑制できる。ここで、実施例3で説明した構成と、請求項5、6の構成との関係を説明すると、前記溝60、上記の面積関係に構成された領域K1,J1が、この発明の摩擦力均等化機構に相当し、前記溝60が、この発明の仕切溝に相当し、領域J1が、この発明の第1の領域に相当し、領域K1が、この発明の第2の領域に相当する。実施例3のその他の構成と、請求項5、6の構成との関係は、実施例1の構成と、請求項1、2の構成との関係と同じである。
つぎに、前記ベルト16の実施例4を図12に基づいて説明する。この実施例4は、請求項5、7に相当する。また、図12は、ベルト16の厚さ方向における断面図である。この実施例4においては、前記ベルト16が、環状のリング30と、このリング30の円周方向に取り付けられた多数のエレメント31とを有している。まず、各エレメント31について説明すると、このエレメント31は金属材料をプレス加工して成形されており、各エレメント31はその厚さ方向に重ねて配置されている。各エレメント31は、ベルト16の幅方向に延ばされた基部32と、その基部32の幅方向の両端に連続して設けられ、かつ、ベルト16の厚さ方向で外周側に向けて突出された2つの首部33とを有している。このように、エレメント31にベルト16の幅方向における両端に首部33が2つ設けられており、各首部33には、他の首部33に向けて突出された押え部34がそれぞれ設けられている。このようにして、押え部34同士の間には開口部35が設けられており、2つの押え部34と、2つの首部33と、基部32とにより取り囲まれたリング収容部36が設けられている。このリング収容部36は空間もしくは凹部であり、このリング収容部36には前記開口部35がつながっている。また、前記ベルト16の幅方向において、リング収容部36の幅は、前記開口部35の開口幅よりも広く構成されている。上記リング収容部36に前記リング30が配置されている。
前記エレメント31における基部32の上端面37は、前記リング収容部36の底面を兼ねており、前記上端面37に、前記ベルト16の円周方向に沿った溝61が2箇所設けられている。この溝61は、前記ベルト16の幅方向で異なる位置に設けられている。このようにして、上端面37が、前記リング30の幅方向で、2つの領域L1と、1つの領域M1とに仕切られている。ここで、2つの領域L1は首部33に近く、領域M1は、領域L1同士の間に配置されており、首部33から離れている。そして、領域M1の面積は、1つの領域L1の面積よりも狭く構成されている。より具体的には、前記リング30の内周面に接触する有効面積は、領域M1の方が、1つの領域L1よりも狭く構成されている。
この実施例4の作用を説明すると、潤滑油が前記開口部35を経由してリング30と上端面37との間に浸入する。具体的には、領域L1には潤滑油が供給されるが、溝61があるために、その溝61に沿って潤滑油が排出される。つまり、領域M1には供給されないか、または、供給量は少なくなる。このため、領域M1の摩擦係数は、1つの領域L1の摩擦係数よりも大きくなる。これに対して、1つの領域L1の面積は領域M1の面積よりも狭い。すると、摩擦係数、面積などから求められる摩擦力は、前記リング30の幅方向で略均等になり、前記リング30のセンタリング性能の低下を抑制できる。ここで、実施例4で説明した構成と、請求項5、7の構成との関係を説明すると、前記溝61が、この発明の摩擦力均等化機構および仕切溝に相当し、領域M1が、この発明の内側領域に相当し、領域L1が、この発明の外側領域に相当する。実施例4のその他の構成と、請求項5、7の構成との関係は、実施例2の構成と、請求項3、4の構成との関係と同じである。
つぎに、前記ベルト式無段変速機1における実施例5を、図2および図13および図14および図15に基づいて説明する。図13は、前記ベルト16の厚さ方向における縦断面図(正面縦断面図)、図14は、ベルト16を外周側から見た部分的な平面図、図15はベルト16の部分的な側面図である。この実施例5は、請求項8に対応するものである。この実施例5において、前記ベルト16は実施例1および実施例3で説明したものと同様に、2つのリング収容部23と、この2つのリング収容部23に配置されたリング17とを有している。そして、前記駆動プーリ5と従動プーリ6との間にエアー吹き付け機構70が設けられている。このエアー吹き付け機構70は、ベルト16に対してエアーを吹き付けて、リング17を構成する薄板26同士の間に位置する潤滑油、またはリング17とエレメント18との間に位置する潤滑油を、なるべく首部20に近い領域(位置または箇所)まで押し込む力を発生する装置である。このエアー吹き付け機構70は、空気圧縮機(図示せず)、角度調整機構、バルブ(図示せず)、エアー噴射ノズル71等を有しており、前記エアー噴射ノズル71は、前記ベルト16の移動経路において、前記潤滑油供給機構50による潤滑油供給位置から、前記駆動プーリ5にベルト16が巻き付く位置までの間に配置されている。この前記エアー噴射ノズル71は、前記ベルト16の移動経路を挟む両側に配置されており、そのエアー噴射ノズル71の先端が、前記ベルト16のリング17に向けられている。また、エアー噴射ノズル71の先端は、図13および図15に示すように、前記ベルト16の厚さ方向で、前記リング収容部23および前記リング17と同じ位置(高さ)に配置されている。
そして、前記電子制御装置100により制御されて、エアーの噴射時期、噴射圧、噴射量、噴射速度、噴射角度(向き)などを調整可能に構成されている。前記角度調整機構は、アクチュエータ、例えば、ステップモータを有している。ここで、噴射角度とは、図14の平面図において、ベルトの幅方向の中心線と、エアーの噴射中心線とのなす角度、前記リングの厚さ方向の中心線と、エアーの噴射中心線とのなす角度を意味する。前記バルブは、例えばソレノイドバルブにより構成し、通電電流・通電時期・開度など調整することにより、エアー噴射ノズル71からエアーを噴射する時期、噴射量、噴射圧、噴射速度等を制御可能である。
前述したように、潤滑油供給機構50から前記ベルト16に向けて潤滑油が供給される。ここで、図13に示す構成のベルト16は、前記エレメント18にベルト16の幅方向の奥行きを有するリング収容部23が設けられており、そのリング収容部23にリング17が配置されている。このため、前記リング収容部23の入り口付近では潤滑油量が多く、前記リング収容部23の奥側付近では潤滑油の流通抵抗が高く、潤滑油量が少なくなる。これに対して、この実施例5においては、前記エアー噴射ノズル71からエアーを噴射すると、前記リング収容部23の入り口付近の潤滑油が、エアーの噴射圧により前記リング収容部23の奥側に向けて押し込まれる。このため、前記リング17の幅方向で、前記エレメント18の上端面24と前記リング17の内周面との間に存在する潤滑油量、および前記リング17を構成する薄板26同士の間に存在する潤滑油量が略均等になる。したがって、実施例1と同様の効果を得られる。
なお、この実施例5を適用するベルト16は、前記溝25,27,60のいずれも設けられていないもの、或いはこれらの何れかが設けられているものであってもよい。また、前記エアー噴射ノズル71の配置位置は、前記エレメント16同士の間に圧縮荷重が発生する領域であってもよい。つまり、潤滑油を前記ベルト16に供給した後に、エアーをベルト16に向けて噴射できればよい。すなわち、前記ベルト16が前記駆動プーリ5および従動プーリ6の何れにも巻き掛かっていない領域(直線移動領域)に、前記エアー噴射ノズル71が配置される。また、この実施例5で説明した構成と、請求項8の発明の構成との対応関係は、実施例1の構成と、請求項1、2の発明の構成との対応関係と同じである。
この発明の無段変速機用ベルトを外周側から見た部分的な平面断面図である。 この発明の無段変速機を有する車両のパワートレーンおよびその制御系統を示す概念図である。 図1に示された無段変速機用ベルトの厚さ方向における縦断面図である。 無段変速機用ベルトを構成するリングおよび薄板の摩擦係数特性を示す線図である。 無段変速機用ベルトを構成するリングおよび薄板の摩擦力特性を示す線図である。 無段変速機用ベルトを構成するリングおよび薄板の張力特性を示す線図である。 無段変速機用ベルトを構成するリングおよび薄板の周長を示す線図である。 無段変速機用ベルトを構成するリングおよび薄板の移動力特性を示す部分的な平面図である。 この発明の実施例2に相当する無段変速機用ベルトの厚さ方向における縦断面図である。 この発明の実施例2に相当する無段変速機用ベルトを外周側から見た部分的な平面断面図である。 この発明の実施例3に相当する無段変速機用ベルトの厚さ方向における縦断面図である。 この発明の実施例4に相当する無段変速機用ベルトの厚さ方向における縦断面図である。 この発明の実施例5に相当する無段変速機用ベルトの厚さ方向における縦断面図である。 この発明の実施例5に相当する無段変速機用ベルトを外周側から見た部分的な平面図である。 この発明の実施例4に相当する無段変速機用ベルトの厚さ方向における部分的な側面図である。
符号の説明
4…無段変速機、 5…駆動プーリ、 6…従動プーリ、 16…無段変速機用ベルト(ベルト)、 17,30,130…リング、 18,31,131…エレメント、 20,33,133…首部、 23,36,136…リング収容部、 25,27,38,43,60,61,138,143…溝、 26…薄板、 70…エアー吹き付け機構、 71…エアー噴射ノズル、 A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1,J1,K1,L1,M1…領域。

Claims (8)

  1. 環状の構成片を内外周に重ねて構成されたリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、
    前記環状の構成片同士の間、または前記リングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油を外部に排出する潤滑油排出機構が設けられており、この潤滑油排出機構は、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高い構成を有していることを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 前記潤滑油排出機構は、前記環状の構成片の内周および外周に設けられた第1の溝、または前記複数のエレメントに設けられた第2の溝を有しており、
    前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第1の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積よりも広くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されており、
    前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第2の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積よりも広くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機用ベルト。
  3. 環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた2つの首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記2つの首部の間にリング収容部が設けられているとともに、前記リング収容部に前記リングが配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、
    前記環状の構成片同士の間、または前記リングと前記エレメントとの間の少なくとも一方に入り込んでいる潤滑油を外部に排出する潤滑油排出機構が設けられており、この潤滑油排出機構は、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高い構成を有していることを特徴とする無段変速機用ベルト。
  4. 前記潤滑油排出機構は、前記環状の構成片の内周および外周に設けられた第1の溝、または前記複数のエレメントに設けられた第2の溝を有しており、
    前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第1の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第1の面積よりも狭くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されており、
    前記リングを外周側または内周側から見た平面内で、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域に存在する第2の溝の面積を、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域に存在する第2の面積よりも狭くすることにより、前記リングの幅方向で前記首部に近い領域の潤滑油を排出する機能の方が、前記リングの幅方向で前記首部から遠い領域の潤滑油を排出する機能よりも高く構成されていることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機用ベルト。
  5. 環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントにはリング収容部が設けられており、前記リングは前記リング収容部に配置されており、前記エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに接触する、無段変速機用ベルトにおいて、
    前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触して生じる摩擦力を、前記リングの幅方向で均等となるようにする摩擦力均等化機構が設けられていることを特徴とする無段変速機用ベルト。
  6. 複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されており、前記2つのリング収容部の底面と、前記リングの内周面とが接触する構成を有しており、
    前記摩擦力均等化機構は、前記各底面を前記首部に近い第1の領域と、前記首部から離れた第2の領域とに仕切り、かつ、前記第2の領域を通って前記第1の領域に潤滑油が至ることを防止する仕切溝であるとともに、前記第1の領域の面積は前記第2の領域の面積よりも狭いことを特徴とする請求項5に記載の無段変速機用ベルト。
  7. 複数のエレメントには、前記リングの幅方向の異なる位置に、半径方向に延ばされた2つの首部が設けられており、この2つの首部の間にリング収容部が設けられており、このリング収容部に前記リングが配置されており、前記リング収容部を構成する底面と、前記リングの内周面とが接触する構成を有しており、
    前記摩擦力均等化機構は、前記各底面を前記首部に近い2つの外側領域と、前記首部から離れた内側領域とに仕切り、かつ、前記外側領域を通って前記内側領域に潤滑油が至ることを防止する仕切溝であるとともに、前記内側領域の面積は前記1つの外側領域の面積よりも狭いことを特徴とする請求項5に記載の無段変速機用ベルト。
  8. 駆動プーリおよび従動プーリと、これら駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられる無段変速機用ベルトとを有し、
    この無段変速機用ベルトは、環状の構成片を内外周に重ねて構成されるリングと、このリングに円周方向に積層して取り付けられた複数のエレメントとを有し、複数のエレメントには前記リングの半径方向に延ばされた首部が設けられているとともに、前記複数のエレメントには前記リングの幅方向で前記首部の両側にリング収容部が2つ設けられているとともに、2つのリング収容部に前記リングがぞれぞれ配置されている無段変速機において、
    前記リング収容部に向けてエアーを吹き付けて、前記リング収容部内の潤滑油を、そのリング収容部の奥側に移動させることにより、前記無段変速機用ベルトを外周側または内周側から見た平面内で、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部に近い領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力と、前記無段変速機用ベルトの幅方向で前記首部から離れた領域における前記構成片同士の接触部分の摩擦力または前記リングの内周面と前記エレメントとの接触部分で生じる摩擦力との差を小さくするエアー吹き付け機構が設けられていることを特徴とする無段変速機。
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