JP4370943B2 - ベルト - Google Patents

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Description

本発明は例えば、互いに対面させて環状に配列されるベルトエレメントがフープと称されるバンドで環状に結束されたベルトに関するものである。
一般に、車両の走行状態に応じた最適の条件でエンジンを運転することを目的として、エンジンの出力側に変速比を無段階(連続的)に制御することのできるベルト式無段変速機が設けられている。このベルト式無段変速機は、平行に配置された入力軸及び出力軸と、入力軸及び出力軸に別々に取り付けた入力プーリおよび出力プーリとを有している。この入力プーリおよび出力プーリは、共に、固定シーブと可動シーブとを組み合わせて構成されており、固定シーブと可動シーブとの間にV字形状の溝が形成されている。
また、入力プーリの溝及び出力プーリの溝にベルトが巻き掛けられているとともに、入力プーリの可動シーブに入力軸線方向の押圧力を作用させる油圧アクチュエータと、出力プーリの可動シーブに出力軸線方向の押圧力を作用させる油圧アクチュエータとが別個に設けられている。
従来、特許文献1では、ベルトは多数のベルトエレメントと、環状の金属帯であるフープとを有している。多数のベルトエレメントは互いにベルト進行方向に環状に並べて配置されており、フープにより結束されている。また、ベルトエレメントは概略台形状の胴体部と、胴体部の中央部から延出する首部と、首部に接続される山形の頭部とを有している。そして、ベルトエレメント間にバネ鋼からなる緩衝材を介在させ、相隣り合うベルトエレメント同士が衝突する際の衝突音を緩衝材が弾性変形することで緩和することが示されている。
また、特許文献2、特許文献3においても、特許文献1と同様に緩衝材をベルトエレメント間に介在させ衝突音を緩和することが示されており、特許文献4では特定の周波数成分の騒音を分散させたベルトが示されている。特許文献5には、ベルト式無段変速機が示されている。
実開平3−7553号公報 実開平2−146254号公報 実開平2−140057号公報 特開平4−83940号公報 特開2001−330089号公報
ところで、上記ベルト式無段変速機においては、ベルトエレメントの速度変動による振動(後で詳述)を抑制することもできる。しかしながら、振動を抑制させるために新たに緩衝材を設ける必要があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、新たに緩衝材を設けることなく、ベルトエレメントの速度変動による振動を抑制することの可能なベルトを提供することを課題としている。
本発明は上記課題を解決するために、本出願に係る請求項1の発明は、プーリにベルトが巻き掛けられた状態でのプーリを構成する一対のシーブ間で連続してベルト進行方向の厚みを有する連続部と、一対のシーブ間で部分的にベルト進行方向の厚みを有する不連続部とを備えたベルトエレメントと、複数の前記ベルトエレメントが分離しないように結束するフープとを備え、前記連続部は、前記ベルトエレメントが一対の前記シーブ間に存在する溝に両側面にて摺接されている胴体部であり、前記不連続部は、該胴体部から延出する首部と、該首部に接続され、前記一対のシーブ間を結ぶ方向に延びる頭部とからなるベルトにおいて、前記不連続部の曲がり方が異なる2種類以上のベルトエレメントを有することを特徴とするベルトである。
なお、“プーリを構成する一対のシーブ間で連続してベルト進行方向の厚みを有する連続部”とは、一対のシーブによって挟まれている部分のことであり、“一対のシーブ間で部分的にベルト進行方向の厚みを有する不連続部”とは、一対のシーブによって挟まれていない部分のことである。
本出願に係る請求項2の発明は、請求項1の構成に加え、複数の前記ベルトエレメントにおける前記不連続部の曲がりの平均値が前記連続部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とするベルトである。
なお、“曲がり”とはベルト進行方向における最前方と最後方とのベルト進行方向の距離と、ベルト進行方向における厚みの最大値との差のことである。ベルト進行方向における最前方と最後方とのベルト進行方向の距離とは、ベルト進行方向を座標軸として、その座標軸に対する該部分の座標の最大値と最小値の差のことである。
本出願に係る請求項3の発明は、請求項2の構成に加え、前記頭部はベルト進行方向前面に設けられた嵌合用突起部と、隣接するベルトエレメントの嵌合用突起部を挿入するためにベルト進行方向後面に設けられた嵌合用凹部とを備え、複数の前記ベルトエレメントの、前記頭部のうち前記嵌合用突起部と嵌合用凹部とを除いた部分の曲がりの平均値が、前記胴体部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とするベルトである。
本出願に係る請求項4の発明は、請求項3の構成に加え、複数の前記ベルトエレメントの、前記頭部のうち前記嵌合用突起部と嵌合用凹部とを除いた部分の曲がりの平均値が、前記首部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とするベルトである。
なお、以下において、前記頭部のうち前記嵌合用突起部と嵌合用凹部とを除いた部分は頭部の本体部と呼ぶこととする。
請求項1の発明によれば、1本のベルト全体において、ベルトエレメント自体が減衰作用を備えることにより、ベルトエレメントの速度変動による振動を新たに緩衝材を設けることなく抑制することができる。
請求項2の発明によれば、1本のベルト全体において、不連続部の曲がりが相対的に大きいことで剛性が下がり、減衰作用を備えることにより、ベルトエレメントの速度変動による振動を新たに緩衝材を設けることなく抑制することができる。また、連続部の曲がりが相対的に小さいことでシーブ間で挟みつけられた際に曲がっている場合の応力集中を抑えることができるため、連続部の強度が確保され、ベルトエレメント全体としての強度も確保することができる。
請求項3の発明によれば、1本のベルト全体において、頭部の本体部の曲がりが相対的に大きいことで剛性が下がり、減衰作用を備えることにより、ベルトエレメントの速度変動による振動を新たに緩衝材を設けることなく抑制することができる。また、胴体部の曲がりが相対的に小さいことでシーブ間で挟みつけられた際に曲がっている場合の応力集中を抑えることができるため、胴体部の強度が確保され、ベルトエレメント全体としての強度も確保することができる。
請求項4の発明によれば、胴体部に直接つながっている首部の曲がりが相対的に小さいことで、強度をより確保することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1〜図14において、この発明における実施例1を説明する。なお、この実施例1は請求項1乃至4に対応したものである。図1は、この発明を適用したFF車(フロントエンジンフロントドライブ車;エンジン前置き前輪駆動車)のエンジン及びトランスミッション等の概略構成図である。図1において、1は車両の駆動力源としてのエンジンであり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどが用いられる。そして、エンジン1のクランクシャフト2が車両の幅方向に配置されている。 なお、以下の説明においては、エンジン1として便宜上、ガソリンエンジンを用いた場合について説明する。
また前記エンジン1の出力側には、トランスアクスル3が設けられている。このトランスアクスル3は、エンジン1の後端側に取り付けられたトランスアクスルハウジング4と、トランスアクスルハウジング4におけるエンジン1とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルケース5と、トランスアクスルケース5におけるトランスアクスルハウジング4とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルリヤカバー6とを有している。
トランスアクスルハウジング4の内部には、トルクコンバータ7が設けられており、トランスアクスルケース5およびトランスアクスルリヤカバー6の内部には、前後進切り換え機構8およびベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)9とならびに最終減速機(言い換えれば差動装置)10が設けられている。
前記ベルト式無段変速機9は、インプットシャフト11と同心状に配置されたプライマリシャフト(言い換えれば駆動側シャフト)12と、プライマリシャフト12と相互に平行に配置されたセカンダリシャフト(言い換えればカウンタシャフト、もしくは従動側シャフト)13とを有している。プライマリシャフト12およびセカンダリシャフト13は、金属材料、例えばニッケルクロム鋼等の機械構造用合金鋼により構成されている。また、軸受14,15によりプライマリシャフト12が回転可能に保持されているとともに、軸受16,17によりセカンダリシャフト13が回転可能に保持されている。軸受14乃至17は公知のラジアル軸受である。
前記プライマリシャフト12には入力プーリ(言い換えれば駆動プーリ、ドライブプーリ、プライマリプーリ)101が設けられており、セカンダリシャフト13側には出力プーリ(言い換えれば被駆動プーリ、ドリブンプーリ、セカンダリプーリ)102が設けられている。入力プーリ101は、プライマリシャフト12の外周に一体的に形成された固定シーブ(言い換えれば固定部材)103と、プライマリシャフト12の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ(言い換えれば可動部材)104とを有している。そして、固定シーブ103と可動シーブ104との対向面間にV字形状の溝105が形成されている。
また、この可動シーブ104をプライマリシャフト12の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ104と固定シーブ103とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ(言い換えれば油圧サーボ機構)106が設けられている。この油圧アクチュエータ106は、油路(図示せず)および油圧室(図示せず)等を備えている。一方、出力プーリ102は、セカンダリシャフト13の外周に一体的に形成された固定シーブ(言い換えれば固定部材)107と、セカンダリシャフト13の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ(言い換えれば可動部材)108とを有している。そして、固定シーブ107と可動シーブ108との対向面間にV字形状の溝109が形成されている。また、この可動シーブ108をセカンダリシャフト13の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ108と固定シーブ107とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ(言い換えれば油圧サーボ機構)110が設けられている。油圧アクチュエータ110は、油路(図示せず)、油圧室(図示せず)等を備えている(例えば特許文献5参照)。
上記構成の入力プーリ101の溝105および出力プーリ102の溝109に対して、無端ベルト100が巻き掛けられている。無端ベルト100は、多数の金属製のベルトエレメントおよび2本のフープ(言い換えればスチールリング、積層ベルト、後で詳述)を有している無端金属ベルトである。これらの金属製ベルトエレメント及びフープの材料としては、例えば炭素鋼や鉄等を選択することが出来る。さらに、軸受17はトランスアクスルリヤカバー6側に設けられている。
また、前記最終減速機10には別個にフロントドライブシャフト18が接続され、各フロントドライブシャフト18には、車輪(前輪)19が接続されている。なお、本実施形態例の構成はあくまで一例であり、本実施形態による効果が達成されるような構成であれば他の構成であってもよい。
図2(a)、(b)は第1の実施例にかかるベルトエレメント200であり、図2(a)が正面図、図2(b)はベルトエレメント200が入力プーリ101、または出力プーリ102に巻き掛けられた時の正面図である。 図3はベルトエレメントを図2(a)のA方向から見た図の縮小図である。図4の左図及び右図は図3のP−P線における断面図の拡大図である(図4左図は全体図、図4右図は一部を特徴づけた図である)。
図2(a)及び図2(b)に示すように、板状のベルトエレメント200は、両側面250にて前記入力プーリ101または出力プーリ102の溝に摺接される概略台形状の胴体部201と、該胴体部201の中央部から延出する首部202と、前記首部202に接続され、一対のシーブ間を結ぶ方向に延びる概略三角形の頭部204とを備えている。
また、頭部204には相対的な位置を決めるための嵌合用突起部208と嵌合用凹部209と、それらにつながった本体部207が形成されている。言い換えれば、前述した首部202の延長位置(あるいは頭部204の中心部)には、ベルト進行方向前方に凸となる断面円形の突起面208が形成されており、この突起面208とは反対側の面に、隣接するベルトエレメント200における突起面208を緩く嵌合(挿入)させる有底円筒状の凹部面209が形成されており、凹部面209により、ベルトエレメント200は挿入する空間を有する。(図4右図参照)。従ってこれらの突起面208と凹部面209とが嵌合することにより、ベルトエレメント200の胴体部長手方向(図2(a)に記載のX方向、以下X方向)および高さ方向(図2(a)に記載のY方向、以下Y方向)の相対位置を決めるようになっている。なお、凹部面209が突起面208に比べて、X方向及びY方向において少し大きくなっており、隣接するベルトエレメント200同士が嵌合する際は突起面208と隣接する凹部面209との間にクリアランスができる。そして、ベルトエレメント200は、本体部207と首部202と胴体部201との間に囲まれたスリット部203なる空間を首部202の左右に形成している。
胴体部201の両側面250は、固定シーブ103,107及び可動シーブ104,108のテーパ状のシーブ面に接触する対シーブ摩擦面であって、シーブ面と対応するテーパ面とされている。また胴体部201の上部にあり、スリット部と接しているサドル面205は2つのフープ206が接触する面である。2つのフープ206の各々は、図2(b)中左右のスリット部203の各々に通されている。フープ206はリングを複数枚積み上げた積層リングとなっているが、1枚でも構わない。
胴体部201の両側面250が固定シーブ103(107)と可動シーブ104(108)との間で接している一方で、頭部201、首部202は両シーブ103,104(107,108)との接触点を有していない。図2(b)に示す通り、頭部201及び首部202は、正面図から見て左右にスペースを有している(首部202においてはそのスペースにフープ206がある)。つまり、頭部201及び首部202は一対のシーブ間で部分的に厚みを有していることになる。両シーブ103,104(107,108)間で連続している胴体部201は両シーブ103,104(107,108)からの応力を図2(b)の矢印のように受けることになるが、頭部201、首部202は両シーブ103,104(107,108)からの応力を受けることはない。
図3に示すように、頭部204の本体部207はベルト進行方向前方に円弧状に凸になるように曲がっている一方で、胴体部201は曲がっていない。つまり、頭部204の本体部207の曲がりは胴体部201の曲がりより大きくなっており、頭部204の本体部207の剛性は胴体部201の剛性より下がっている。
図5は、図3を拡大し、頭部204の本体部207を特徴づけた図である。曲がりとは、ベルト進行方向における最前方と最後方とのベルト進行方向の距離(以下、全体板厚とする)とベルト進行方向における厚みの最大値(以下、板厚の最大値とする)との差を表している。図5に示すように頭部204の本体部207の全体板厚はベルト進行方向において最前方にある中心部とベルト進行方向において最後方にある両端部とのベルト進行方向の距離になる。また、頭部204の本体部207の板厚の最大値は図5に示す通り、ベルト進行方向前面とベルト進行方向後面との距離になる(図5に示す頭部204の本体部207は全体として同じ板厚を有しているためどこを板厚として設定しても構わない)。よって、曲がりはこの全体板厚と板厚の最大値との差で測ることになる。
また、図4左図に示す通り、胴体部201はベルト進行方向前面のサドル面205(図2(a)に記載)より所定寸法下がった部分から下側の部分が傾斜面212となって削り落とされた状態で薄肉化されている。したがって、各ベルトエレメント200が扇形に拡がって接触する場合、その板厚の変化する境界部分で接触する。そして、その境界部分のエッジがロッキングエッジ211となっている。胴体部201は、Y方向において、ロッキングエッジより上の部分(以下、胴体部の本体部214とする)が一番厚く、またその部分の厚みは略一定となっている(図4左図参照)。また、傾斜面212の下部には切欠き部213が設けられている。なお、切欠き部213は製造上の容易性により設計されたものであるため、傾斜面212を最下部まで延ばすことで切欠き部213を設けなくてもよい。
なお、頭部204の本体部207は円弧状に曲がっている必要はないが、円弧状以外の形状だと応力が集中する恐れがあるため、円弧状にするのが好ましい。また、本実施例を構成するベルトエレメントは、図3のベルトエレメント200のように、ベルト進行方向前方に対して円弧状に凸に曲がっているものに限定されず、ベルト進行方向後方に対して円弧状に凸に曲がっているベルトエレメントでも構わない(図6参照)。
図7は、図5と同様、図3を拡大した図であり、頭部204の本体部207と胴体部201を比較している。頭部204の本体部207を曲げることで、頭部204の本体部207の全体板厚(図7に記載の太い矢印の距離)が胴体部201の全体板厚(図7に記載の細い矢印の距離)より大きくなり、頭部204の本体部207が胴体部201よりはみ出すような形状となっている。(図7に記載の太い矢印の距離)。なお、胴体部201の全体板厚においても、頭部204の本体部207の全体板厚と同様に、ベルト進行方向における最前方と最後方とのベルト進行方向の距離を表しているが、胴体部201は曲がっていないため、胴体部201の板厚と等しい値となっている。
図8は頭部204の本体部207の曲がり方が異なる2種類以上のベルトエレメント200を並べた例である。具体的には、第1の実施例にかかる図3に記載のベルトエレメント200(以下エレメント1)と、図4に記載のベルトエレメント200(以下エレメント2)の2種類のベルトエレメント200をランダムに並べた図である。本実施例では、ベルト進行方向前方からエレメント2→エレメント1→エレメント2→エレメント2→エレメント1→エレメント1の順に並べている。なお、並べ方は図4のような形式に限定されるものではない。しかし、好適には、隣り合うベルトエレメント200の頭部204の本体部207同士が隙間を有するように、エレメント1とエレメント2とを交互に並べることが望ましい。
図9は図1に示す無段変速機9の無端ベルト100が入力プーリ101と出力プーリ102に巻き掛けられている模式図である。入力プーリ101と出力プーリが各1つずつに対し、複数のベルトエレメント200と一対のフープ206,207(図2(b)に記載)で構成された無端ベルト100が巻き掛けられている図である。一般には約400個程度のベルトエレメント200によって構成されているが、ベルトエレメント200の個数は制限されない。また、ベルトエレメント200が入力プーリ101及び出力プーリ102を時計回りに回転しているが、回転方向を反時計回りにして、進行方向を逆にしても構わない。入力プーリ101及び出力プーリ102に巻き掛けられていない直線部のベルトエレメント200は上側と下側で密接度が異なる。図9における上側の直線部は入力プーリからの圧縮力(以下、ベルトコンプレッション)を受けているため、ベルトエレメント200同士は密接につながっている状態になっている。一方、図9における下側の直線部はベルトコンプレッションを受けていないため、ベルトエレメント200同士は密接にはつながっていない。
次に、ベルトエレメント200の速度変動によるノイズ発生の仕組みを説明する。図10は図9に示す無段変速機9の入力プーリ101の出口付近(図9のBの部分)にあるベルトエレメント200の側面図を示している。入力プーリ101に巻き掛けられている状態の時には、速度ベクトルは半径方向に対して垂直に向いている。よって、図9の直線部方向への速度ベクトルは分解されて小さくなっている。つまり、巻き掛けられている時の直線部方向の速度(変位)に対して、直線部に入った時の進行方向である直線部方向の速度(変位)が大きくなっている。
コンプレッションを受けている直線部のベルトエレメント200は入力プーリ101からの力を直接受けることはなく、入力プーリ101出口付近のベルトエレメント200の速度(変位)によって押される形でベルト進行方向に動くことになる。よって、直線部にあるベルトエレメント200の速度(変位)は入力プーリ101出口付近のベルトエレメント200の速度(変位)によって決まる。
以上より、入力プーリ101出口付近のベルトエレメント200がまだ入力プーリ101に巻き掛けられている状態の時は直線部の速度(変位)は小さいのに対して、直線部に入った瞬間は直線部の速度(変位)が大きくなる。その後、そのベルトエレメント200は入力プーリ101からの力を受けることはないため、直線部の速度(変位)は後方のベルトエレメント200の速度(変位)によって決まり、後方のベルトエレメント200は入力プーリ101に巻き掛けられているため、速度(変位)は小さくなる。
以下に図を用いて、速度が周期的に変動する仕組みを説明する。図11は、入力プーリ出口付近の動きを表している図である。入力プーリ出口付近では、時間経過と共に(a)→(b)→(c)の順で変化していく。なお、この図においては、あるi番目のベルトエレメント200の後にはi+1番目のベルトエレメント200があり、以下、同様にi+2番目…と続いていくこととする。
(a)はi番目のベルトエレメント200が直線部に入る瞬間の状態である。この時は、直線部の速度(変位)が最大になっている。(b)はi番目のベルトエレメント200が直線部に入った後の状態である。この時i番目のベルトエレメント200には入力プーリ101から直接の力を受けないので、この時点でi+1番目のベルトエレメント200に押される形で動く。i+1番目のベルトエレメント200はこの時点では直線部に対して少し傾いているので直線部方向の速度ベクトルは(a)の時点でのi番目のベルトエレメント200の速度ベクトルより小さくなっている。その後、i+1番目のベルトエレメント200が徐々に直線部に近づいていく。それにつれ、直線部方向の速度ベクトルも大きくなっていく。そして、i+1番目のベルトエレメント200が直線部に入る瞬間の時((c)の状態)の直線部方向の速度ベクトルが最大になる。以下、i+2番目のベルトエレメント200…においても同様の現象が起こる。
つまり、直線部の速度(変位)は入力プーリ101出口付近のベルトエレメント200が直線部に入った瞬間に最大になり、入力プーリ101から離れ、直線部に入りきった時に最小になる特性を有している。最小になった後、徐々に大きくなり、次のベルトエレメント200が直線部に入った瞬間に最大になる。つまり、周期的に最大→最小→徐々に大きくなる→最大→最小…というように速度変動を起こす仕組みとなり、その速度変動による振動が発生する。速度変動による振動はコンプレッション側のベルトエレメント200を通じ、出力プーリ102へと伝わる。その出力プーリ102に伝わった振動が軸受17を介して最終的にトランスアクスルカバー6の振動へと変わりノイズが発生する(図1参照)。
そこで、速度変動による振動を抑制するため、図2乃至図7に記載されている頭部204の本体部207が曲がっているベルトエレメント200を図8のように並べる。それにより、頭部204の本体部207が振動の減衰作用を有し、入力プーリ101出口付近で発生した速度変動による振動を、緩衝材を用いることなく直線部ベルトコンプレッション側のベルトエレメント200で抑制する。
具体的な抑制作用を以下に説明する。図12はベルトコンプレッションを受けているベルトエレメント200を表した図である。図12に示す通り、頭部204の本体部207の曲がりはベルトコンプレッションを受けることで小さくなる。しかし、ベルトコンプレッションを受けていても多少の曲がりを有しており、隣り合うベルトエレメント200の頭部204の本体部207の曲がり方が異なっている場合は、ベルトエレメント200間で隙間を有する。そのようなベルトコンプレッション側のベルトエレメント200に速度変動による振動が来た際、頭部204の本体部207がバネのようにベルト進行方向の前後に動く。つまり、頭部204の本体部207が振動の減衰作用を有することになり、速度変動による振動を吸収する。隣り合うベルトエレメント200の頭部204の本体部207の曲がりが異なっている部分において振動が減衰されることで、出力プーリ102入口付近においては、入力プーリ101出口付近で起きた速度変動がかなり抑制されて伝わる。よって、最終的にトランスアクスルカバー6の振動を抑制することになり、ノイズを低減することができる。
頭部204の本体部207の曲がりを相対的に大きくして、振動減衰能力を胴体部201より大きくしたことによる他の効果を以下に説明する。図2(b)のように、両シーブ103,104(107,108)から胴体部に応力がかかるので、胴体部201を曲げてしまうと、曲がった部分に応力が集中してしまい、胴体部201の強度に影響を与えてしまう恐れがある。これに対して本実施例においては、胴体部201を曲げないことによって、シーブからの応力の集中を防ぐことができ、胴体部201の強度を確保することができる。
図13及び図14は、胴体部201と両シーブ103,104(107,108)を図2(a)の矢印A方向から見た図である。ベルトエレメント200が入力プーリ101もしくは出力プーリ102に巻きついている状態でベルト進行方向後側のベルトエレメント200からベルト進行方向前側のベルトエレメント200にベルトエレメントの進行による応力がかかった時には両シーブ103,104(107,108)を支点とするベルト進行方向への力のモーメントが発生する。ここで、胴体部201が曲がっていると、ベルトエレメント同士が接触する際の接触点が少なくなるため、応力が集中してしまう。また、曲がっている場合は中央に接触点を有する場合が多いため、支点からの距離が長くなり、力のモーメントが大きくなり、強度に影響が出る恐れがある(図13参照)。
これに対して本実施例においては、胴体部201を曲げないことによって、直線同士が接触するため、接触点が多くなる。また、中央部以外にも外側に接触点を有するので支点からの距離も短く、力のモーメントはそれほど大きくない(図14参照)。よって、後側のベルトエレメント200からの力のモーメントの集中を防ぐことができ、胴体部201の強度を確保することができる。
一方、頭部204の本体部207はシーブとの接触点を有しないので、頭部204の本体部207を曲げることによるベルトエレメント200の強度低下はほとんどない。よって、頭部204がベルトエレメント200の強度に与える影響はほとんどなく、頭部204の本体部207を曲げたベルトエレメント200の強度は、頭部204の本体部207を曲げなかったベルトエレメント200の強度とほとんど変わらない。
以上より、頭部204の本体部207の曲がりを相対的に大きくすることにより、頭部204の本体部207の振動減衰能力が相対的に大きくなり、ベルトエレメント200の速度変動による振動を、緩衝材を用いることなく抑制することができる。さらに、胴体部201の曲がりが相対的に小さいことでシーブ間で挟みつけられた際に曲がっている場合の応力集中を抑えることができるため、胴体部201の強度が確保され、ベルトエレメント200全体としての強度も確保することができる。
ところで、頭部204の本体部207の全体板厚を胴体部201の全体板厚より大きくしなくても(言い換えれば、頭部204の本体部207がはみ出ていなくても)ベルトコンプレッションのかかった直線部において、頭部204の本体部207同士が接している状態になっていれば速度変動による振動を抑制することは可能である。しかし、頭部204の全体板厚を胴体部201の全体板厚より大きくする(言い換えれば、はみ出した状態にする)ことによって、ベルトエレメント200の速度変動抑制効果の他にベルトエレメント200同士が衝突する際にまず剛性の低い頭部204の本体部207同士が当たり、衝撃を抑制してから胴体部201が当たるので、衝突に対しての胴体部201の強度も確保することができる。
また、首部202は両シーブ103,104(107,108)との接触点を有していないので頭部204の本体部207と同様に曲げてもよいが、首部202は胴体部201とつながっているため、首部202を曲げないことによって、胴体部201の強度をより確保することができる。
ここで上述した実施例とこの発明との関係を簡単に説明すると、無端ベルト100が請求項1に記載のベルトに相当し、固定シーブ103(107)と可動シーブ104(108)が請求項1に記載の一対のシーブに相当する。ディンプル208が請求項3に記載の嵌合用突起部に相当し、ホール209が請求項3に記載の嵌合用凹部に相当する。また、胴体部201が請求項1に記載の一対のシーブ間で連続してベルト進行方向の厚みを有する連続部に相当し、首部202及び頭部204が請求項1に記載の一対のシーブ間で部分的にベルト進行方向の厚みを有する不連続部に相当する。
実施例1は、曲がり方が異なる(曲がっている向きが異なる)ものの、曲がりの値は一致している2種類のベルトエレメント200を用いているが、曲がりの値は一致している必要はなく、ばらつきがあっても構わない。以下に、本発明における第2の実施例を図15乃至図17を参照して説明する。なお、この実施例は請求項1乃至4に対応している。また、実施例1と同様の装置を使うこととする。
図15は第2の実施例にかかるベルトエレメント200であり、実施例1におけるベルトエレメント200と構造は同じである。しかし、頭部204の本体部207及び本体部201の曲がりにばらつきがある。図16は、曲がりにばらつきのあるベルトエレメント200をランダムに並べて図15の矢印A方向から見た図である。また、図17はベルト全体におけるベルトエレメント200の曲がりとベルトエレメント200の個数との統計グラフ図である。縦軸にはベルトエレメント200の個数、横軸には頭部204の本体部207及び胴体部201の曲がりが表されている。図17において、Mの実線が頭部204の本体部207の曲がりの統計グラフ図、Mの点線が頭部204の本体部207の曲がりの平均値であり、Nが胴体部201の曲がりの統計グラフ図、Nの点線が胴体部201の曲がりの平均値である。また、縦軸は上にいくほど個数が多いことを示しており、横軸は右にいくほど曲がりが大きくなることを示している。なお、縦軸は全体の中の割合によっても示すことができる。
図17のグラフによると、胴体部201の曲がりは製造工程によるプレスや熱処理により、多少のばらつきはあるが、曲がりの平均値は相対的に小さくなっている。一方、頭部204の本体部207の曲がりに関しては、かなりのばらつきがあるが、曲がりの平均値は相対的に大きくなっている。つまり、頭部204の本体部207の曲がりと胴体部201の曲がりとを平均値で比較すると頭部204の本体部207の曲がりの方が大きくなっている。
ベルトエレメント200の速度変動においては、入力プーリ101で発生する振動が出力プーリ102へ伝わる際に抑制されていれば、その結果ノイズが低減されるので、1本のベルトを構成するベルトエレメント200の全てのベルトエレメント頭部204の本体部207の曲がりが相対的に大きくなくても、1本のベルト全体として頭部204の本体部207において曲がりが相対的に大きくなっていれば、頭部204の本体部207は減衰機能を有することになるので、効果は十分に得ることができる。
また、胴体部201の曲がりに関してはばらつきが少ないため、実施例1と同様にシーブ間の応力に対する強度が確保され、頭部204がシーブとの接触点を有していないことから、ベルトエレメント200全体の強度が確保される。
以上より、頭部204の本体部207の曲がりの平均値を胴体部201の曲がりの平均値より大きくすることにより、1本のベルト全体で、頭部204の本体部207が振動を減衰する機能を有し、ベルトエレメント200の速度変動による振動を、緩衝材を用いることなく抑制することができる。さらに、ベルトエレメント200の強度を確保することができる。
なお、首部202は両シーブ103,104(107,108)との接触点を有していないので頭部204と同様に曲げても構わないが、首部202を曲げないことによって、首部202は胴体部201と直接つながっているため、胴体部201の強度をより確保することができる。また、実施例1と同様に頭部204の本体部207を曲げることで、頭部204の全体板厚が胴体部201の全体板厚より大きくなっている。これにより、ベルトエレメント200の速度変動抑制効果の他にベルトエレメント200同士が衝突する際にまず剛性の低い頭部204の本体部207同士が当たり、衝撃を抑制してから胴体部201が当たるので、衝突に対しての胴体部201の強度も確保することができる。
また、曲がり方は実施例1や実施例2とは違う曲がり方でも構わない。以下に、図18、19を参照して本発明における第3の実施例を説明する。この第3の実施例は請求項1乃至4に対応している。図18は第3の実施例にかかるベルトエレメント230の側面図である。なお、ベルトエレメント以外は図1と同様の装置を使うこととする。
板状のベルトエレメント230は、両側面250にて前記入力プーリ101または出力プーリ102の溝に摺接される概略台形状の胴体部231と、該胴体部231の中央部から延出する首部232と、前記首部232に接続され、一対のシーブ間を結ぶ方向に延びる概略三角形の頭部234とを有する。頭部234には相対的な位置を決めるための嵌合用突起部238と嵌合用凹部239と、それらにつながった本体部237が形成されている。すなわち、前述した首部232の延長位置(あるいは頭部234の中心部)にベルト進行方向前方に凸となる断面円形の突起面238が形成されている。この突起面238とは反対側の面に、隣接するベルトエレメント230における突起面238を緩く嵌合(挿入)させる有底円筒状の凹部面239が形成されている。そしてベルトエレメント230は、本体部237と首部232と胴体部231との間に囲まれたスリット部(言い換えれば凹部)233なる空間を正面図から見て首部232の左右に形成している。
また、図18の左図においては頭部234の本体部237が側面図における高さ方向(Y方向)において左側(ベルト進行方向)に凸状に曲がっていて、また図18の右図においては頭部234の本体部237が側面図における高さ方向(Y方向)において右側(ベルト進行方向とは逆方向)に凸状に曲がっている。一方、胴体部231は曲がっていない。つまり、頭部234の本体部237の曲がりが胴体部231の曲がりより大きくなっている。なお、頭部234の本体部237は円弧状に曲がっている必要はないが、円弧状以外の形状だと応力が集中する恐れがあるため、円弧状にするのが好ましい。
図19は頭部234の本体部237の曲がり方が異なる2種類以上のベルトエレメント230を並べた例である。具体的には、第3の実施例にかかる図18左図に記載の、ベルト進行方向に凸状に曲がっているベルトエレメント230や、図18右図に記載の、ベルト進行方向とは逆方向に凸状に曲がっているベルトエレメント230等の曲がりの異なるベルトエレメント230をランダムに並べた図である。なお、並べ方は図19に記載のものに限定されない。しかし、好適には隣り合うベルトエレメント230の頭部234の本体部237同士が隙間を有するように、図18左図に記載の左側に凸状に曲がっているベルトエレメント230と、図18右図に記載の右側に凸状に曲がっているベルトエレメント230とを交互に並べることが望ましい。
本実施例においても、頭部234の本体部237の曲がりを胴体部231の曲がりより大きくすることで、隣り合う曲がりの異なるベルトエレメント200の頭部234の本体部237同士が接触することにより、頭部234の本体部237が振動の減衰機能を有し、バネのようにベルト進行方向の前後に動き、振動を吸収することで、緩衝材を用いることなく速度変動による振動を抑制することができる。さらに、胴体部231の曲がりを頭部234の本体部237の曲がりより小さくすることにより、シーブからの応力の集中を防ぐことができ、強度を確保することができる。
なお、首部232は両シーブ103,104(107,108)との接触点を有していないので頭部234と同様に曲げても構わないが、首部232を曲げないことによって、首部232は胴体部231と直接つながっているため、胴体部231の強度をより確保することができる。また、実施例1と同様に頭部234の本体部237が曲がることで、頭部234の全体板厚が胴体部231の全体板厚より大きくなっている。これにより、ベルトエレメント230の速度変動抑制効果の他にベルトエレメント230同士が衝突する際にまず剛性の低い頭部234の本体部237同士が当たり、衝撃を抑制してから胴体部231が当たるので、衝突に対しての胴体部231の強度も確保することができる。
さらに、ベルトエレメントは実施例1乃至3の形状に限られない。図20を参照して本発明における第4の実施例を説明する。この第4の実施例は請求項1、2に対応している。図20には第4の実施例において用いるベルトエレメント220である。左図は正面図、右図は矢印Cから見た図である。なお、ベルトエレメント、フープ以外は図1と同様の装置を使うこととする。
ベルトエレメント220は両側面250にて前記入力プーリ101または出力プーリ102の溝に摺接される概略台形上の胴体部221と、該胴体部221の正面図から見た左右方向両端から延出し、側面250の一方に接する左右の首部222と、該首部222のに接続され側面250の一方に接する左右の頭部224を有する。そして、ベルトエレメント胴体部221および首部222、頭部224に囲まれたスリット部(言い換えればリングスロット)223にフープ(言い換えればスチールリング、積層リング)226が収納されている。図20右図において、左右の頭部224に図20右図の左方向(X方向)のベルト進行方向に円弧状に凹状となるように曲がっている一方、胴体部221は曲がっていない。なお、頭部224は円弧状に曲がっている必要はないが、円弧状以外の形状だと応力が集中する恐れがあるため、円弧状にするのが好ましい。
本実施例においては、胴体部221に限らず、首部222及び頭部224に関しても両シーブ103,104(107,108)と接しているが、両シーブ103,104(107,108)間で連続しているわけではなく、中央部にスリット部223となる空間があるので、両シーブ103,104(107,108)からの応力が中央部に集中することはない。
よって、首部222及び頭部224が胴体部221に比べ相対的に曲がっていることによるベルトエレメント220全体の強度への影響は少ない。よって、胴体部221の曲がりを相対的に小さくすることにより、シーブからの応力の集中を防ぐことができ、ベルトエレメント220全体の強度を確保することができる。さらに、頭部224及び首部222の曲がりを相対的に大きくし、振動の減衰機能を有することにより、頭部224及び首部222がバネのようにベルト進行方向の前後に動き、振動を吸収することで、緩衝材を用いることなく速度変動による振動を抑制することができる。なお、頭部224及び首部222の曲がっている方向は実施例1と同様に、図20右図に記載の方向に限られない。
なお、首部222は両シーブ103,104(107,108)との接触点を有していないので頭部224と同様に曲げても構わないが、首部222を曲げないことによって、首部222は胴体部221と直接つながっているため、胴体部221の強度をより確保することができる。また、実施例1と同様に頭部224が曲がることで、頭部224の全体板厚が胴体部221の全体板厚より大きくなっている。これにより、ベルトエレメント220の速度変動抑制効果の他にベルトエレメント220同士が衝突する際にまず剛性の低い頭部224同士が当たり、衝撃を抑制してから胴体部221が当たるので、衝突に対しての胴体部221の強度も確保することができる。
速度変動による振動の抑制効果は上記実施例及び構成に限るものではない。つまり、不連続部に減衰機能を備えたものであれば、同様の効果を得ることができる。例えば、不連続部の素材を連続部より剛性の低い素材にして減衰機能を備えても構わないし、不連続部を熱処理等により剛性を低くして減衰機能を備えても構わない。また、不連続部の剛性を下げるだけでなく、不連続部の質量を下げることで減衰機能を備えても構わない。さらに、不連続部を曲げて減衰機能を備える際も、全体を曲げる必要はなく、一部を曲げても構わない。例えば、図21のように頭部の本体部の一部を曲げても減衰機能を有し、速度変動による振動を抑制することができる。
本発明のベルトエレメントを有するために用いたベルト式無段変速機の概略構成図。 第1の実施例にかかるベルトエレメントの図。 図2(a)の矢印Aから見た図の縮小図。 図3のP-Pでの断面図の拡大図。 図3の拡大図。 図3の別形態図。 図3の拡大図。 第1の実施例にかかるベルトエレメントを並べた図。 図1に示すベルト装置の側面図。 図9に示すベルト装置の入力プーリ出口付近にあるベルトエレメントの側面図。 入力プーリ出口付近のベルトエレメントの時間経過による変化図。 コンプレッションがかかった際のベルトエレメントの矢印Aから見た図。 胴体部を曲げた場合のベルトエレメントの胴体部及びプーリを矢印Aから見た図。 第1の実施例にかかるベルトエレメントの胴体部及びプーリを矢印Aから見た図。 第2の実施例にかかるベルトエレメントの正面図。 第2の実施例にかかるベルトエレメントを並べた図。 第2の実施例にかかる、ベルト全体におけるベルトエレメントの曲がりとエレメントの個数との統計図。 第3の実施例にかかるベルトエレメントの側面図。 第3の実施例にかかるベルトエレメントを並べた図。 第4の実施例にかかるベルトエレメントの正面図及び正面図の矢印Cから見た図。 他の実施例にかかるベルトエレメントの側面図及び並べた図。
符号の説明
1 エンジン
2 クランクシャフト
3 トランスアクスル
4 トランスアクスルハウジング
5 トランスアクスルケース
6 トランスアクスルリアカバー
7 トルクコンバータ
8 前後進切り換え機構
9 無段変速機
10 最終減速機
11 インプットシャフト
12 プライマリシャフト
13 セカンダリシャフト
14〜17 軸受
18 フロントドライブシャフト
19 車輪
100 無端ベルト
101 入力プーリ
102 出力プーリ
103、107 固定シーブ
104、108 可動シーブ
105、109 溝
106、110 油圧アクチュエータ
200 ベルトエレメント
201 胴体部
202 首部
203 スリット部
204 頭部
205 サドル面
206 フープ
207 頭部の本体部
208 突起面
209 凹部面
211 ロッキングエッジ
212 傾斜面
213 切欠き部
214 胴体部の本体部
220 ベルトエレメント
221 胴体部
222 首部
223 スリット部
224 頭部
226 フープ
230 ベルトエレメント
231 胴体部
232 首部
233 スリット部
234 頭部
237 本体部
238 突起面
239 凹部面
250 側面

Claims (4)

  1. プーリにベルトが巻き掛けられた状態でのプーリを構成する一対のシーブ間で連続してベルト進行方向の厚みを有する連続部と、一対のシーブ間で部分的にベルト進行方向の厚みを有する不連続部とを備えたベルトエレメントと、
    複数の前記ベルトエレメントが分離しないように結束するフープとを備え、
    前記連続部は、前記ベルトエレメントが一対の前記シーブ間に存在する溝に両側面にて摺接されている胴体部であり、
    前記不連続部は、該胴体部から延出する首部と、該首部に接続され、前記一対のシーブ間を結ぶ方向に延びる頭部とからなる
    ベルトにおいて、
    前記不連続部の曲がり方が異なる2種類以上のベルトエレメントを有することを特徴とするベルト。
  2. 複数の前記ベルトエレメントにおける前記不連続部の曲がりの平均値が前記連続部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とする請求項1に記載のベルト。
  3. 記頭部はベルト進行方向前面に設けられた嵌合用突起部と、隣接するベルトエレメントの嵌合用突起部を挿入するためにベルト進行方向後面に設けられた嵌合用凹部とを備え、複数の前記ベルトエレメントの、前記頭部のうち前記嵌合用突起部と嵌合用凹部とを除いた部分の曲がりの平均値が、前記胴体部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とする請求項2に記載のベルト。
  4. 複数の前記ベルトエレメントの、前記頭部のうち前記嵌合用突起部と嵌合用凹部とを除いた部分の曲がりの平均値が、前記首部の曲がりの平均値より大きいことを特徴とする請求項3に記載のベルト。
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