JP2008144731A - 圧縮機および空気調和機および給湯機 - Google Patents

圧縮機および空気調和機および給湯機 Download PDF

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Abstract

【課題】地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を提供する。
【解決手段】冷媒にCOを用いた圧縮機であって、密閉容器1と、密閉容器1内に搭載され、トロイダル巻線が施されたステータ40とロータ30を有するモータ3と、密閉容器1内に搭載され、モータ3により回転軸4を介して駆動される圧縮機構部2とを備える。上記ステータ40は、環状のステータコア41と、ステータコア41にトロイダル巻きされたコイル42とを有する。上記ステータ40と密閉容器1の内壁との間に、モータ3の軸方向両側の空間を連通するモータ外周通路60を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、圧縮機および空気調和機および給湯機に関する。
近年、地球温暖化防止対策として、フロン等の人工冷媒を用いた冷凍サイクルから自然冷媒を用いた冷凍サイクルへ変換する動きが国内外問わず市場要求として高まっている。
このような自然冷媒の中でも、CO冷媒はODP(オゾン破壊係数)=0、GWP(地球温暖化係数)=1であり、更に毒性や可燃性が共に無いことから、有力冷媒として注目されている。
しかしながら、CO冷媒は、同じ吐出ガス温度を得る圧力がR410A等に代表されるHFC冷媒の値とくらべて約3倍以上(約10[MPa])も高いため、軸受の負荷が増大し、軸受面圧も大きくなる。
一般に、軸受部において良好な潤滑を得るためには、
油の粘度×軸の速度÷面圧
で表される値を、ある一定以上に保つ必要がある。
よって、HFC冷媒の置き換え等としてCO冷媒を用いる場合、圧縮機の速度および軸受周辺温度が同一の条件では、HFC冷媒を使用しているときよりも高粘度な油を使用する必要がある。例えば、100℃において、同じ油膜を得る(良好な潤滑性を得る)ために、エーテル油、エステル油の約2倍の粘度が必要である。
特に、一般に油の粘度が低下する高温において、高粘度を維持できる冷凍機油がCO冷媒を使用する圧縮機には不可欠となる。
ところで、冷凍機油の粘度が高いと、ステータコア外周に、例えばティース部の延長線上にわずかなコアカットを設けただけでは、流路抵抗が高くなり、モータの上部の空間で冷媒と分離された冷凍機油は、コアカットを通ってモータの下にある油溜めに戻らず、油溜めの油面が低下して、軸受が損傷するという問題がある。
また、高圧ドームの圧縮機の場合、CO冷媒は高圧となり、ガス冷媒の密度が高く、油との密度差が小さくなり、油を押し上げる浮力が大きくなる。
このような理由から、CO冷媒を用いた圧縮機は、油を戻す通路を、ステータ外周に大きく設ける必要がある。例えば、従来の分布巻や集中巻のモータであれば、ステータコアの外周に大きなコアカットを設ける必要があるが、ステータコアは磁束が多く通るので、一定の断面積が必要である。従って、大きな断面積のコアカットを設けることにより、実質ステータの外径を小さくすることになり、ロータ径を小さくするか、または、スロット面積を小さくしなければならないので、サイズのわりには出力の小さいモータとなってしまう。
一方、特許文献1には、トロイダルモータを搭載した圧縮機が記載されているが、CO冷媒と粘度の高い冷凍機油を用いた場合の冷媒密度と油戻しについては言及されておらず、そのような冷凍機油が油溜めに戻らず、油溜めの油面が低下して、軸受が損傷するという課題を解決する手段についても記載されていない。
特開平11−332137号公報
そこで、この発明の課題は、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の圧縮機は、
冷媒としてCOを用いた圧縮機であって、
密閉容器と、
上記密閉容器内に搭載され、トロイダル巻線が施されたステータとロータを有するモータと、
上記密閉容器内に搭載され、上記モータにより回転軸を介して駆動される圧縮機構部と
を備え、
上記ステータは、環状のステータコアと、上記ステータコアにトロイダル巻きされたコイルとを有し、
上記ステータと上記密閉容器の内壁との間に、上記モータの軸方向両側の空間を連通する通路(60,160,360)を設けたことを特徴とする。
上記構成の圧縮機によれば、上記トロイダル巻線が施されたステータと密閉容器の内壁との間に、モータの軸方向両側の空間を連通する通路を、ステータコアを通る磁束を阻害せずに設けることが可能となる。また、トロイダル巻線が施されたステータとロータを有するモータでは、モータの上部の空間で分離された冷凍機油が、上記通路を通って落ちる間に、ステータのトロイダル巻きされたコイルにより加熱されて粘度が下がるため、冷凍機油がより油溜めに戻りやすい。したがって、粘度の高い冷凍機油が使用されるCO冷媒を用いた圧縮機において、集中巻や分布巻にコアカットを設けた場合に比べて、ステータコアとして有効に働く部分に巻線が収納されるトロイダル巻を採用することにより良好な特性が得られる。このようにして、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現できる。
通常、HFC冷媒等においては、集中巻や分布巻であっても、ステータコアを阻害せずにコアカットを設けることが十分可能である。一方、トロイダル巻においては、ロータの対向していない面におけるコイルによる漏れ磁束の発生や、ステータコアの外周部にもコイルを配置しなければならず、それによる特性の低下が、集中巻や分布巻でステータコアにコアカットを設けた場合の特性低下を上回るため、トロイダル巻は通常圧縮機には採用されていない。
しかしながら、CO冷媒であれば、集中巻や分布巻にコアカットを設けた場合、ステータコアの断面積を確保すると、ステータコアとして有効に働く部分の外径が小さくなり、その部分に巻線が収納されるトロイダル巻を採用した方が、分布巻や集中巻きでコアカットを大きくした場合より、特性の低下が小さくなる。つまり、CO冷媒の場合に限って、トロイダル巻を採用した方が、通常特性が良くなる傾向にある。なお、トロイダル巻は、分布巻のようにエアギャップの磁束分布が正弦波に近くなり、かつ、集中巻と同じ程度にコイルエンドの高さを抑制できるという利点を十分に生かせる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記モータは、上記圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる上記密閉容器内の領域に配置されている。
上記圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器内の領域にモータが配置された構成では、CO冷媒は高圧となり、ガス冷媒の密度が高く、冷凍機油との密度差が小さくなるため、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなる。しかしながら、このような構成の圧縮機において、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくするので、特に有効である。
また、一実施形態の圧縮機では、上記ロータは、上記ステータの軸方向両端部に設けられている。
上記実施形態によれば、上記モータは、ステータの軸方向両端部にロータが設けられたアキシャルギャップ型においても、軸方向を上下方向にすることによって、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくできる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ロータは、上記ステータの軸方向かつ上下に配置され、
少なくとも下側の上記ロータの外径は、上記ステータコアの上記コイルの巻かれていない箇所の外径以下である。
上記実施形態によれば、少なくとも下側のロータの外径を、ステータコアのコイルの巻かれていない箇所の外径以下とすることによって、ステータと密閉容器の内壁との間の通路から油溜め戻ろうとした冷凍機油を再び下側のロータが吹き上げることが無い。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ロータは、上記ステータの軸方向かつ上下に配置され、
少なくとも上側の上記ロータの外径は、上記ステータコアの上記コイルの巻かれた箇所の上記コイルも含めた外径以上である。
上記実施形態によれば、少なくとも上側のロータの外径を、ステータコアのコイルの巻かれた箇所のコイルも含めた外径以上とすることによって、上側のロータの下面に当たり、遠心力により密閉容器の内壁に達した冷凍機油を、流路抵抗が高い上側のロータと密閉容器の内側との間の通路を通って吹き上げることを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機では、下側の上記ロータの上記回転軸近傍に、軸方向に複数の貫通孔を設けた。
上記実施形態によれば、下側のロータの回転軸近傍に、軸方向に設けた複数の貫通孔を冷媒通路とすることによって、上記通路を油戻し専用とし、上向の速度を持つ冷媒により冷凍機油が吹き上げられることを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ステータコアの上記コイルが巻かれていない箇所であって、かつ、隣接する上記コイルの相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外側に突出させた固定部を設け、
上記ステータコアの上記固定部を上記密閉容器の内壁に固定することにより、上記密閉容器内に上記ステータを保持した。
上記実施形態によれば、上記ステータコアのコイルが巻かれていない箇所であって、かつ、隣接するコイルの相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外側に突出させた固定部を設け、その固定部を密閉容器の内壁に固定して、ステータの磁気回路に影響を及ぼすことなく密閉容器内にステータを保持することができる。また、ステータコアのうちのコイルが巻かれていない箇所でかつ固定部を除く部分に、ステータと密閉容器との間にモータの上下を連通する通路を形成できる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記コイルと上記ステータコアを絶縁するための絶縁のうち、上記ステータコアの外周は、上記ステータコアの外周の略全周を絶縁物で覆うことにより絶縁している。
上記実施形態によれば、上記ステータコアの外周の略全周を絶縁物で覆うことにより、ステータコアのコイルの巻かれる部分は絶縁効果を有するが、ステータコアのコイルの巻かれない部分は、ステータコアが軸方向に積層した薄板からなる場合であっても、軸方向に段差のない抵抗の少ない形態となるため、冷凍機油が落下しやすい。
また、この発明の空気調和機では、上記のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする。
上記構成によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い空気調和機を実現できる。
また、この発明の給湯機では、上記のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする。
上記構成によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、性能がよく信頼性の高い給湯機を実現できる。
以上より明らかなように、この発明の圧縮機によれば、CO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現することができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器内の領域にモータが配置された構成において、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくする。
また、一実施形態の圧縮機によれば、ステータの軸方向両端部にロータが設けられたアキシャルギャップ型のモータにおいても、軸方向を上下方向にすることによって、モータの上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくできる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、少なくとも下側のロータの外径を、ステータコアのコイルの巻かれていない箇所の外径以下とすることによって、ステータと密閉容器の内壁との間の通路から油溜め戻ろうとした冷凍機油が、再び下側のロータにより吹き上げられるのを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、少なくとも上側のロータの外径を、ステータコアのコイルの巻かれた箇所のコイルも含めた外径以上とすることによって、上側のロータの下面に当たった後、遠心力により密閉容器の内壁に達した冷凍機油が、流路抵抗が高い上側のロータと密閉容器の内側との間の通路を通って吹き上げられるのを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、下側のロータの回転軸近傍に、軸方向に設けた複数の貫通孔を冷媒通路とすることによって、ステータと密閉容器の内壁との間の通路を油戻し専用とし、上向の速度を持つ冷媒により冷凍機油が吹き上げられるのを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、ステータコアのコイルが巻かれていない箇所であって、かつ、隣接するコイルの相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外側に突出させた固定部を設け、その固定部を密閉容器の内壁に固定して、ステータの磁気回路に影響を及ぼすことなく密閉容器内にステータを保持することができる。
また、一実施形態の圧縮機によれば、ステータコアの外周の略全周を絶縁物で覆うことにより、ステータコアのコイルの巻かれる部分は絶縁効果を有するが、ステータコアのコイルの巻かれない部分は、ステータコアが軸方向に積層した薄板からなる場合であっても、軸方向に段差のない抵抗の少ない形態となるため、冷凍機油を落下しやすく、油戻しを効果的に行うことができる。
また、この発明の空気調和機によれば、CO冷媒を用いて油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしい空気調和機を実現することができる。
また、この発明の給湯機によれば、CO冷媒を用いて油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしい給湯機を実現することができる。
以下、この発明の圧縮機および空気調和機および給湯機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、この発明の第1実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図を示している。この第1実施形態のロータリ圧縮機は、CO冷媒を用いた高圧ドーム型である。
この圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1と、上記密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、上記密閉容器1内かつ圧縮機構部2の上側に配置され、上記圧縮機構部2を回転軸4を介して駆動するラジアルギャップ型のモータ3とを備えている。上記密閉容器1の下側側方に、吸入管11を接続する一方、密閉容器1の上側に吐出管12を接続している。上記吸入管11から供給される冷媒ガスは、圧縮機構部2の吸込側に導かれる。
ここで、上方向とは、密閉容器1の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器1の中心軸に沿った上方向をいう。また、このロータリ圧縮機は、少なくともモータ3の下部に油溜めを有する縦型である。
上記密閉容器1内は、圧縮機構部2を挟んで高圧領域Hと低圧領域Lとに区画され、モータ3は、圧縮機構部2から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器1内の高圧領域Hに配置されている。
上記ラジアルギャップ型のモータ3は、互いにエアギャップ50を介して、軸と直交する方向(径方向)に対向するステータ40およびロータ30を有する。上記ロータ30は、回転軸4に固定された円柱形状のロータコア31と、上記ロータコア31に軸方向に埋設され、周方向に略8角形状に配置された8つの板状の永久磁石32とを有する。また、上記ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置され、密閉容器1に固定されている。上記回転軸4は、ロータ30の回転力を圧縮機構部2に伝達する。
また、上記圧縮機構部2は、図1に示すように、シリンダ状の本体部20と、この本体部20の上下の開口端のそれぞれに取り付けられた上端板8および下端板9とを備える。上記回転軸4は、上端板8および下端板9を貫通して、本体部20の内部に挿入されている。上記回転軸4は、圧縮機構部2の上端板8に設けられた軸受21と、圧縮機構部2の下端板9に設けられた軸受22により回転自在に支持されている。上記本体部20内の回転軸4にクランクピン5が設けられ、そのクランクピン5に嵌合されて駆動されるピストン6とそれに対応するシリンダとの間に形成された圧縮室7により圧縮を行う。ピストン6は偏芯した状態で回転し、または、公転運動を行い、圧縮室7の容積を変化させる。
図2Aは上記ロータリ圧縮機のモータ3の上面図を示し、図2Bは上記ロータリ圧縮機のモータ3の斜視図を示している。なお、図2Aにおいて、密閉容器1は一部のみを示す。
上記ステータ40は、図2A,図2Bに示すように、環状のステータコア41と、上記ステータコア41に周方向に所定の間隔をあけてトロイダル巻された複数のコイル42からなる。ステータコア41のコイル42が巻回されない部分は、内周にティース41aが伸び、ティース41aの先端側がロータ30と近接して対向している。コイルは、隣接するコイルが異なる相で巻回方向が互いに逆である。具体的には、+U,−V,+W,−U,+V,−Wの順で巻回され、3相8極のコイルを構成する(+および−は、コイルの巻回方向が一定の側からコイルを見たときの巻回方向が逆であることを示し、U,V,Wはそのコイルの端部が電源(インバータ出力)端子の相を示す)。なお、コイルは、細線を何回か巻回してなるが、便宜上1つの環として図示している。
このステータ40は、何らかの形で密閉容器1の内部に固定される。例えば、コイル42が巻かれていない箇所であって、かつ、隣接するコイル42の相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外向に突出させた固定部41bを設け、その固定部41bを密閉容器1の内部に溶接等によって固定するか、または、軸方向に突出させて、下部にあるハウジングに固定する。これにより、ステータコア41のうちのコイル42が巻かれていない箇所であって、上記固定のために突出した部分(固定部41b)を除いて、ステータ40と密閉容器1との間に、モータ3の上下を連通するモータ外周通路60ができる。このモータ外周通路60を、油戻し通路として有効に使うことができる。
なお、例えば分布巻や集中巻とした場合、ステータ外径および内径はトロイダル巻のステータコアの場合と同じであっても、トロイダル巻は、外周部にもコイルが設けられ、かつ、コイルエンド高さが小さいため、また、ロータの遠心力で外周部に冷凍機油が吹き飛ばされるとき、コイルエンドに邪魔されないため、油戻しが容易になり、油上がりが防止される。
図2Cはステータ40を密閉容器1に固定した状態を示す上面図を示している。ステータ40のステータコア41から半径方向外側に突出した固定部41bが被固定部材(図示せず)に接触し、その被固定部材を密閉容器1に固定する。具体的には、突出した固定部41bを介してステータ40および被固定部材を貫通し、被固定部材に対してステータ40と反対の側からナットで締結する。ここで、固定部41bに隣接するコイル42の相および巻方向が同一の(+U,−W)である。
図2Dは上記ロータリ圧縮機に用いられる他の形態のモータの斜視図を示している。このモータは、図1,図2A〜図2Cに示すモータ3とコイルおよびロータを除いて同一の構成をしている。図2Dに示すモータのロータ30は、回転軸4に固定された円柱形状のロータコア31と、上記ロータコア31に軸方向に埋設され、周方向に略正方形状に配置された4つの板状の永久磁石35とを有する。コイルの構成は、周方向に+U,+U,−V,−V,+W,+W,−U,−U,+V,+V,−W,−Wの順で巻回され、3相4極のコイルを構成する。
次に、上記ロータリ圧縮機の作用を説明する。
図1に示すように、吸入管11から圧縮機構部2の圧縮室7に冷媒ガスを供給し、モータ3により圧縮機構部2を駆動させて、冷媒ガスを圧縮する。そして、圧縮された冷媒ガスは、冷凍機油と共に、圧縮機構部2の吐出孔23から密閉容器1内に吐出され、モータ3を通って、圧縮機構部2の上部空間に運ばれ、吐出管12より密閉容器1の外側に吐出される。
このとき、冷媒ガスは、図1の実線の矢印に示すように、エアギャップ50や、ロータ30内に設けられた通路(図示せず)を通って上部空間に導かれる。この冷媒ガスに含まれる冷凍機油は、ロータ30の遠心力で飛ばされ、密閉容器1の内側に微粒子の状態で付着することで液化した後、重力の作用によって、モータ3の冷媒ガス流れの上流側に戻る。
なお、分布巻や集中巻のように、コイルエンドが周方向に伸びるようなモータにおいては、冷媒ガスを含む冷凍機油がコイルエンドに当たり、コイルエンドに傾斜が設けられているため、上向きの初速度を与えられ、冷凍機油を押し上げる浮力と相まって、冷凍機油も吐出管から出て行ってしまう恐れがある。これは、CO冷媒で特に顕著な課題である。なお、圧縮機は、数百ワット以上の出力になるため、コイルの厚みは、油戻し通路の断面積を確保するのに十分な厚みとなる。
これに対して、この第1実施形態のロータリ圧縮機においては、モータ3の上部の空間で分離された冷凍機油は、モータ3の上下を連通するモータ外周通路60を通って落ちる間に、ステータ40のコイル42により加熱されて粘度が下げるため、冷凍機油がより油溜めに戻りやすくなるという特有の効果を奏する。なお、コイル42は、軸方向に延びる部分の上端の角部は、コイルエンドとの間にアールが設けられるため、モータ3の上部の空間からモータ外周通路60への入口部は、モータ外周通路60よりも面積が大きい。さらに、まずはコイルエンド部に冷凍機油が付着して、加熱された状態でモータ外周通路60に導かれるため、他のモータ形態と比べて、モータ外周通路60の面積を小さくできる(分布巻、集中巻は、ステータの最外周にコイルがあるわけではない)。
さらに、ステータコア41は、コイル42と絶縁を施す必要があるため、コアモールド、樹脂成形体(インシュレータ)、絶縁物の一例としての絶縁フィルム等を用いる必要があるが、少なくとも、ステータコア41の外周部は、ほぼ全周にわたってフィルム43(図2Aに示す)等を巻きつけると好適である。こうすると、ステータコア41のコイル42の巻かれる部分は絶縁効果を有するが、ステータコア41のコイル42の巻かれない部分は、コアが軸方向に積層した薄板でなる場合であっても、軸方向に段差のない形態となるため、冷凍機油が落下しやすい(積層面が露出していると、段差となるので、落下するときの抵抗になる)。なお、ステータコア41とコイル42を絶縁する絶縁物は、絶縁フィルムに限らず、樹脂コーティング等の他のものでもよい。
通常、圧縮機内部で、熱源となるのはコイルであり、コイルが冷媒および冷凍機油により熱を奪われることにより、コイルの抵抗は低下し、銅損が低減され、一方、冷凍機油は温度が上がり、粘度が低下し、冷凍機油が戻りやすくなる。油溜めに戻った冷凍機油は、油溜めの熱容量が大きく、また、吸入管に触れる等して、冷凍機油の温度は低下し、粘性を増す。
また、高圧ドームの圧縮機の場合、CO冷媒は高圧となり、ガス冷媒の密度が高く、冷凍機油との密度差が小さくなり、冷凍機油を押し上げる浮力が大きくなる。そのため、モータ上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくする第1実施形態の構成は、特に有効である。
なお、油溜めから圧縮機構部2および軸受21,22を潤滑した冷凍機油は、ロータ30の内部またはエアギャップ50を通ってモータ3の上部空間に上がるが、コイル42に直接触れる機会は少ないため、温度上昇は、ステータ外周通路60を通る場合に比べて小さい。従って、上部にも軸受を有する場合や、上部に圧縮機構部を有する場合であっても、上記効果は同じである。
上記構成のロータリ圧縮機によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現することができる。
また、ステータコア41のコイル42が巻かれていない箇所であって、かつ、隣接するコイル42の相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外側に突出させた固定部41bを設け、その固定部41bを密閉容器1の内壁に固定すれば、磁気的に短絡する各部の磁位が等しいため、磁束の漏洩を防ぐことができるので、ステータ40の磁気回路に影響を及ぼすことなく密閉容器1内にステータ40を保持することができる。
〔第2実施形態〕
図3はこの発明の第2実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図を示しており、この第2実施形態のスクロール圧縮機は、高圧ドーム型である。
このスクロール圧縮機は、図3に示すように、密閉容器101と、上記密閉容器101内に配置された圧縮機構部102と、上記密閉容器101内かつ圧縮機構部2の下側に配置され、上記圧縮機構部102を回転軸104を介して駆動するラジアルギャップ型のモータ103とを備えている。
上記密閉容器101内は、圧縮機構部102を挟んで高圧領域Hと低圧領域Lとに区画され、モータ103は、圧縮機構部102から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器101内の高圧領域Hに配置されている。
上記モータ103は、互いにエアギャップ150を介して、軸と直交する方向(径方向)に対向するステータ140およびロータ130を有する。上記ロータ130は、回転軸104に固定された円柱形状のロータコア131と、上記ロータコア131に軸方向に埋設された永久磁石132とを有する。また、上記ステータ140は、環状のステータコア141と、上記ステータコア141に周方向に所定の間隔をあけてトロイダル巻された複数のコイル142からなる。このモータ103は、第1実施形態のモータ3と同一の構成をしている。
上記密閉容器101上部に設けられた吸入管111から冷媒が吸入され、圧縮機構部102にて冷媒が圧縮された後、吐出管112から吐出される。この圧縮機構部102への冷凍機油の導入経路は、密閉容器101の油溜めに回転軸104の下端が浸漬していて、回転軸104の回転により、軸内通路(図示せず)に冷凍機油を導く経路である。冷凍機油は、圧縮機構部102や軸受等の摺動部を潤滑する。いずれを通った冷凍機油も、圧縮機構部102から滴下して、エアギャップ150やステータ外部通路160を通って、油溜め108に戻る。しかし、回転軸104およびロータ130は回転しているため、遠心力により、冷凍機油は、密閉容器101の内壁を通りやすい。そこで、ステータ外周通路160の流路抵抗が低いことが求められる。密閉容器101の内壁にて、ステータ140に沿って冷凍機油が溜まることを防止することが必要となる。このとき、コイル142に触れて、冷凍機油の温度が上昇し、粘性を失うことで、滴下しやすくする効果は第1実施形態と同様である。
上記第2実施形態のスクロール圧縮機は、第1実施形態のロータリ圧縮機と同一の効果を有する。
〔第3実施形態〕
図4はこの発明の第3実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図を示しており、この第3実施形態のスクロール圧縮機は、CO冷媒を用いた低圧ドーム型である。
このスクロール圧縮機は、図4に示すように、密閉容器201内に配置されたアキシャルギャップ型のモータ203と、密閉容器201内かつモータ203の上側に配置され、モータ203により駆動される圧縮機構部202とを備えている。
上記モータ203は、圧縮機構部202に吸入されるべき低圧の冷媒が満たされる密密閉容器201内の低圧領域に配置されている。具体的には、上記密閉容器201内は、圧縮機構部202を挟んで高圧領域Hと低圧領域Lとに区画され、モータ203は低圧領域Lに配置されている。
上記モータ203は、第1,第2実施形態のモータと同一の構成をしており、説明を省略する。
この第3実施形態のスクロール圧縮機は、モータ203を含む密閉容器201の内部が低圧冷媒(吸入ガス)で満たされていること以外は、冷凍機油の経路等については、図3と同様である。特に、低圧雰囲気中では、冷凍機油の温度がより低いため、モータ203による冷凍機油の加熱効果は大きい。
上記第3実施形態のスクロール圧縮機は、第1実施形態のロータリ圧縮機と同一の効果を有する。
〔第4実施形態〕
図5はこの発明の第4実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。この第4実施形態のロータリ圧縮機は、CO冷媒を用いた高圧ドーム型である。
このロータリ圧縮機は、図5に示すように、密閉容器301と、上記密閉容器1内に配置された圧縮機構部302と、上記密閉容器301内かつ圧縮機構部302の上側に配置され、上記圧縮機構部302を回転軸304を介して駆動するアキシャルギャップ型のモータ303とを備えている。ここで、上方向とは、密閉容器301の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器301の中心軸に沿った上方向をいう。
上記密閉容器301内は、圧縮機構部302を挟んで高圧領域Hと低圧領域Lとに区画され、モータ303は、圧縮機構部302から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる密閉容器301内の高圧領域Hに配置されている。
上記モータ303は、上側ロータ330Aと、トロイダル巻線が施されたステータ340と、下側ロータ330Bが上から順に配置されている。上記上側ロータ330A,下側ロータ330Bは、回転軸304に夫々固定されている。上記回転軸304は、上側ロータ330A,下側ロータ330Bの回転力を圧縮機構部302に伝達する。
上記構成のロータリ圧縮機によれば、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いて油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を実現することができる。
上記ステータ340の軸方向両端部に上側ロータ330A,下側ロータ330が設けられたアキシャルギャップ型のモータにおいても、軸方向を上下方向にすることによって、モータ303の上部空間にある冷凍機油を油溜めに戻しやすくできる。
図6Aは上記ロータリ圧縮機のモータ303の上面図を示し、図6Bは上記ロータリ圧縮機のモータ303の斜視図を示している。なお、図6A,図6Bにおいて、密閉容器301は一部のみを示す。また、コイルは、ステータコア形状が分かりやすいよう、厚みを省略して示す。
上記ステータ340は、図6A, 図6Bに示すように、環状のステータコア341と、上記ステータコア341に周方向に所定の間隔をあけてトロイダル巻された複数のコイル342からなる。ステータコア341のコイル342が巻回されない部分は、軸方向両側にティース341aが伸び、ティース341aの先端側が上側ロータ330A,下側ロータ330Bと近接して対向している。
上記ステータ340は、何らかの形で密閉容器301の内部に固定される。例えば、コイル342が巻かれていない箇所であって、かつ、隣接するコイル342の相および巻方向が同一の(+U,−W)である箇所を外周部に、半径方向外向に固定部341bを突出させて、その固定部341bを密閉容器301の内部に溶接等によって固定する。
これにより、ステータコア341のうち、コイル342が巻かれていない箇所であって、上記固定のために突出した部分(固定部341b)を除いて、ステータ340と密閉容器301との間にモータ外周通路360ができる。このモータ外周通路360を、油戻し通路として有効に使うことができる。
なお、少なくとも下側ロータ330Bの外径は、ステータコア341のコイル342の巻かれていない箇所の外径以下である。これにより、ステータ340の外側から油溜め戻ろうとした冷凍機油を再びロータが吹き上げることが無い。
また、上側ロータ330Aの外径は、ステータコア341のコイル342の巻かれた箇所のコイル342も含めた外径以上とすれば、上側ロータ330Aの下面に当たり、遠心力により密閉容器301の内壁に達した冷凍機油を、流路抵抗が高い上側ロータ330Aと密閉容器301の内側との間の通路を通って吹き上げることを防ぐことができる。
また、下側ロータ330Bの回転軸304付近には、複数の貫通孔335(図5では1つのみを示す)設け、冷媒通路とすることで、ステータ外周通路360を油戻し専用とし、上向の速度を持つ冷媒により冷凍機油が吹き上げられることを防ぐ。
なお、上側ロータ330A,下側ロータ330Bの外周の通路は、ステータ外周通路260に比べて、十分な断面積を取ることができる。そもそも、上側ロータ330A,下側ロータ330Bの外周は、密閉容器301の内側と接触しないために必要な空間が設けられる。また、ステータ340にはコイル342があるが、上側ロータ330A,下側ロータ330Bは、ステータ340のコイル342の芯となっているいわゆるティース部とさえ対向すればいいため、必然的に、ロータ外径は、ステータ外径より相当小さくなる。従って、ステータ外周通路360についてのみ考慮すればいいことになる。
また、図6Cはステータコア341を密閉容器301に固定する前の状態を示している。ステータコア341は、突出した部分である固定部341bの外周側が密閉容器301の内周面に焼き嵌めや溶接によって固定される。なお、図6Cにおいて、密閉容器301は一部のみを示す。
〔第5実施形態〕
図7はこの発明の第5実施形態の圧縮機を用いた空気調和機の回路図を示している。この第5実施形態の空気調和機では、第1,第4実施形態のロータリ圧縮機または第2,第3実施形態のスクロール圧縮機のうちのいずれか1つを用いる。
この空気調和機は、図7に示すように、圧縮機401と、上記圧縮機401の吐出側が一端に接続された四路弁402と、上記四路弁402の他端に一端が接続された室外熱交換器403と、上記室外熱交換器403の他端に一端が接続された電動膨張弁404と、上記電動膨張弁4の他端に一端が接続された室内熱交換器405と、上記室内熱交換器405の他端に四路弁402を介して一端が接続され、他端が圧縮機401の吸入側に接続されたアキュムレータ406とを備えている。上記圧縮機401,四路弁402,室外熱交換器403,電動膨張弁404, 室内熱交換器405およびアキュムレータ406で冷媒回路を構成している。
また、この空気調和機は、室外熱交換器403近傍に配置された室外ファン407と、室内熱交換器5近傍に配置された室内ファン408を備えている。
上記圧縮機401,四路弁402,室外熱交換器403,電動膨張弁404,キュムレータ406,室外ファン407で室外機410を構成し、上記室内熱交換器405と室内ファン408で室内機420を構成している。
この第5実施形態の空気調和機によれば、CO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしい空気調和機を実現することができる。
〔第6実施形態〕
図8はこの発明の第6実施形態の圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機の回路図を示している。この第6実施形態の空気調和機では、第1,第4実施形態のロータリ圧縮機または第2,第3実施形態のスクロール圧縮機のうちのいずれか1つを用いる。
このヒートポンプ給湯機は、図8に示すように、室外ユニット510,室内ユニット520および給湯タンクユニット530を備えている。上記室外ユニット510は、圧縮機501と、上記圧縮機501の吐出側に接続された四路弁502と、上記四路弁502に一端が接続された室外熱交換器503と、上記室外熱交換器503の他端に一端が接続された電動膨張弁504とを有している。上記電動膨張弁504の他端に減圧器としての電動膨張弁505の一端を接続している。また、上記室外ユニット510の電動膨張弁505の他端と室内ユニット520の室内熱交換器507の一端と接続している。上記室内ユニット520の室内熱交換器507の他端を室外ユニット510の四路弁502,アキュムレータ508を介して圧縮機501の吸入側に接続している。また、上記圧縮機501と四路弁502との間の冷媒配管551に電磁弁552を配設している。
また、上記圧縮機501の吐出側に給湯タンクユニット530の二重管構造の給湯熱交換器531の一端を冷媒配管553により接続して、その冷媒配管553に電磁弁554を配設している。上記給湯熱交換器531の他端を電動膨張弁504と電動膨張弁505との間の冷媒配管に電動膨張弁506を介して接続している。上記給湯熱交換器531の内管の上端を給湯タンク532の中間位置に接続する一方、給湯熱交換器531の内管の下端を給湯タンク532の底に接続している。上記給湯タンク532内の湯を給湯熱交換器531の内管を介して循環ポンプ533により循環させる。
この第6実施形態の給湯機によれば、CO冷媒を用いて、油戻しが良好な信頼性の高い圧縮機を用いることによって、高性能,高信頼性でかつ地球環境にやさしいヒートポンプ給湯機を実現することができる。
上記第1〜第6実施形態において、高粘度を維持できる冷凍機油がCO冷媒を使用する圧縮機には不可欠となる。
例えば、エーテル油、エステル油であっても、高温において高粘度である冷凍機油を使う方法があるが、同時に低温ではより冷凍機油の粘度が高くなるので、低温における冷凍機油またはCO2が飽和溶解した冷凍機油の流動性に注意する必要がある。粘度指数が150未満の冷凍機油を使う場合、高温で高粘度であると、低温においては粘度が過剰に大きくなり、冷凍機油が流動性を失い、圧縮機が潤滑油不足となり起動不良などを引起こす。
このように、高温においても高粘度を維持し、低温においても流動性を失わない冷凍機油の特性としては、冷凍機油の温度による動粘度の変化の割合を表す尺度である粘度指数が、150以上、望ましくは200程度が望ましい。上記第1〜第4実施形態の圧縮機では、冷凍機油としてPAG(ポリアルキレングルコール)を用いる。
上記第1〜第4実施形態では、スクロール圧縮機およびロータリ圧縮機について説明したが、他の構成の圧縮機にこの発明を適用してもよい。
また、上記第5,第6実施形態では、圧縮機を用いた空気調和機およびヒートポンプ給湯機について説明したが、空気調和機と給湯機の構成はこれに限らない。また、この発明の圧縮機は、第5,第6実施形態に限らず、他の冷凍機等に適用してもよい。
図1はこの発明の第1実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。 図2Aは上記圧縮機のモータの上面図である。 図2Bは上記圧縮機のモータの斜視図である。 図2Cはステータを被固定部材に固定した状態を示す上面図である。 図2Dは上記圧縮機の他の形態のモータの斜視図である。 図3はこの発明の第2実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。 図4はこの発明の第3実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。 図5はこの発明の第4実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。 図6Aは上記ロータリ圧縮機のモータの上面図である。 図6Bは上記ロータリ圧縮機のモータの斜視図である。 図6Cは上記ロータリ圧縮機のモータのステータコアを密閉容器に固定する前の状態を示す図である。 図7はこの発明の第5実施形態の圧縮機を用いた空気調和機の回路図である。 図8はこの発明の第6実施形態の圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機の回路図である。
符号の説明
1,101,201,301…密閉容器
2,102,202,302…圧縮機構部
3,103,203,303…モータ
4,104,304…回転軸
5…クランクピン
6…ピストン
7…圧縮室
8…上端板
9…下端板
11,111…吸入管
12,112…吐出管
20…本体部
21,22…軸受
23…吐出孔
30,130…ロータ
31,131…ロータコア
32…永久磁石
40,140,340…ステータ
41,141,340…ステータコア
42,142,342…コイル
43…絶縁フィルム
50,150…エアギャップ
60,160,360…モータ外周通路
330A,330B…ロータ
335…貫通孔
341b…固定部
401,501…圧縮機

Claims (10)

  1. 冷媒としてCOを用いた圧縮機であって、
    密閉容器(1,101,201,301)と、
    上記密閉容器(1,101,201,301)内に搭載され、トロイダル巻線が施されたステータ(40,140,340)とロータ(30,130,330A,330B)を有するモータ(3,103,203,303)と、
    上記密閉容器(1,101,201,301)内に搭載され、上記モータ(3,103,203,303)により回転軸(4,104,304)を介して駆動される圧縮機構部(2,102,202,302)と
    を備え、
    上記ステータ(40,140,340)は、環状のステータコア(41,141,341)と、上記ステータコア(41,141,341)にトロイダル巻きされたコイル(42,142,342)とを有し、
    上記ステータ(40,140,340)と上記密閉容器(1,101,201,301)の内壁との間に、上記モータ(3,103,203,303)の軸方向両側の空間を連通する通路(60,160,360)を設けたことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機において、
    上記モータ(3,103,303)は、上記圧縮機構部(2,102,302)から吐出された高圧の冷媒ガスが満たされる上記密閉容器(1,101,301)内の領域に配置されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2に記載の圧縮機において、
    上記ロータ(330A,330B)は、上記ステータ(340)の軸方向両端部に設けられていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3に記載の圧縮機において、
    上記ロータ(330A,330B)は、上記ステータ(340)の軸方向かつ上下に配置され、
    少なくとも下側の上記ロータ(330A,330B)の外径は、上記ステータコア(341)の上記コイル(342)の巻かれていない箇所の外径以下であることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項3に記載の圧縮機において、
    上記ロータ(330A,330B)は、上記ステータ(340)の軸方向かつ上下に配置され、
    少なくとも上側の上記ロータ(330A,330B)の外径は、上記ステータコア(341)の上記コイル(342)の巻かれた箇所の上記コイル(342)も含めた外径以上であることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    下側の上記ロータ(330A,330B)の上記回転軸(304)近傍に、軸方向に複数の貫通孔(335)を設けたことを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ステータコア(341)の上記コイル(342)が巻かれていない箇所であって、かつ、隣接する上記コイル(342)の相および巻方向が同一である箇所の外周部に、半径方向外側に突出させた固定部(341b)を設け、
    上記ステータコア(341)の上記固定部(341b)を上記密閉容器(301)の内壁に固定することにより、上記密閉容器(301)内に上記ステータ(340)を保持したことを特徴とする圧縮機。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記コイル(42,142,342)と上記ステータコア(41,141,341)を絶縁するための絶縁のうち、上記ステータコア(41,141,341)の外周は、上記ステータコア(41,141,341)の外周の略全周を絶縁物で覆うことにより絶縁していることを特徴とする圧縮機。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする空気調和機。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする給湯機。
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