JP2008095506A - 冷媒圧縮機およびそれを搭載したヒートポンプ給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
冷媒用圧縮機に使用されるモータ絶縁フィルムにおいて、二酸化炭素雰囲気下における超臨界状態においても、サイクル内に持ち込まれる水分による加水分解やオリゴマ抽出を低減する。
【解決手段】
冷媒圧縮機50では、固定子11と回転子10とを有するモータ3に圧縮機部2を連結して密閉容器1内に収納している。固定子は鉄心15とこの鉄心に巻回したコイル17とを有する。コイルを被覆する絶縁フィルム18,19を、ポリエチレンテレフタレートの両面にポリフェニレンサルファイドの層を配置した三層構造フィルムとした。冷媒として二酸化炭素を、潤滑油としてポリアルキレングリコール油系およびエステル油系,エーテル油系の少なくともいずれかを使用可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は冷媒圧縮機およびそれを搭載したヒートポンプ給湯機に係り、特に作動冷媒に二酸化炭素を、冷凍機油にポリアルキレングリコール油系またはエステル油系,エーテル油系を使用したときに好適な冷媒圧縮機およびそれを搭載したヒートポンプ給湯機に関する。
ヒートポンプ給湯機などに使用される二酸化炭素を冷媒に使用した例が、特許文献1に記載されている。この公報では、冷媒に二酸化炭素を用いたときに、冷媒との相溶性や熱化学安定性を考慮して、両末端がアルキル化されたポリアルキレングリコール油を冷凍機油に用いている。
また従来用いられているHFC冷媒用圧縮機に、加水分解のおきにくいポリエチレンナフタレート(以下PENと称す),ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと称す),ポリアミドイミド(以下PAIと称す)等の材料を用いた例が、特許文献2に記載されている。なお、これらの材料は高価であるから、加水分解性に優れたより安価に適用できる材料として、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)フィルムの外層にPPSやPENフィルムを配置した複合フィルムを用いることが特許文献3に記載されている。
さらに、特許文献4には、HFC冷媒用圧縮機に、PETとPENの共重合体の両面にポリエチレンナフラテートの層を配置した三層構造フィルムを用いることが記載されている。
特開平10−46169号公報 特開平8−239677号公報 特開平7−336921号公報 特開2001−59479号公報
上記特許文献1に記載のようにポリアルキレングリコール油を冷凍機油として用いると、二酸化炭素冷媒が超臨界状態になったときには、ポリアルキレングリコール油が吸湿性が高いので、持込水分が増加し、絶縁膜等に用いるPETフィルムが加水分解により強度劣化するおそれがある。なお、冷凍機油としてポリアルキレングリコール油系のみならず、エステル油系やエーテル油系等の冷凍機油を使用しても、この現象は生ずる。PETフィルムが加水分解すると、オリゴマの発生も増加する。この不具合を解消可能な特許文献2に記載のPPSフィルムやPENフィルム等は、確かにオリゴマの発生も少ないが、一般家庭用に使用する機器には高価過ぎて、さらなる原価低減が求められる。なお、これらフィルムは、靭性が低いので、作業性の点では劣る。
特許文献3および4に記載の複数層からなるフィルムを用いると、代替フロン対応冷凍機においては、確かに加水分解の不具合を解消できるものと思われる。しかしながら、これらのいずれも冷媒として代替フロンを想定しているのみで、二酸化炭素を冷媒とし、しかも冷媒である二酸化炭素を超臨界状態で使用したときに、加水分解性がどのように変化するかについては考慮していない。
本発明の目的は、上記従来技術における不具合を解消するものであって、二酸化炭素が超臨界状態になった冷媒が固定子に流入しても、絶縁フィルムの加水分解やオリゴマ抽出を低減でき、冷媒圧縮機の信頼性を向上させることにある。
上記目的を達成するために、固定子と回転子とを有するモータ部に圧縮機部を連結して密閉容器内に収納した冷媒圧縮機において、前記固定子は鉄心とこの鉄心に巻回したコイルとを有し、このコイルを被覆する絶縁フィルムを、ポリエチレンテレフタレートの両面にポリフェニレンサルファイドの層を配置した三層構造フィルムとした。
そしてこの構成において、ポリエチレンテレフタレートの厚みが200〜250μm、ポリフェニレンサルファイドの厚みが10〜20μmであるのが好ましく、圧縮機部は、固定スクロールと旋回スクロールとを有するものであってもよい。また、冷媒として二酸化炭素を、潤滑油としてポリアルキレングリコール油系およびエステル油系,エーテル油系の少なくともいずれかを使用可能とするのがよい。
さらに、ヒートポンプ給湯機は、上記いずれかの冷媒圧縮機を搭載している。
本発明によれば、モータの固定子が有する鉄心とコイル間およびコイルの相間に、ポリエチレンテレフタレートの両面にポリフェニレンサルファイドの層を配置した三層構造のフィルムを用いたので、二酸化炭素が超臨界状態になった冷媒が固定子に流入しても、絶縁フィルムの加水分解やオリゴマ抽出を低減でき、冷媒圧縮機の信頼性が向上する。
近年、地球環境保全といった観点から冷凍サイクルの冷媒はHFC(ハイドロフルオロカーボン)から自然系冷媒に移行している。特に二酸化炭素冷媒については、不燃性および低毒性という利点を有する上に省エネルギーも可能であり活用用途が広まっている。この二酸化炭素を冷媒に使用するのに適した製品としては、電動カーエアコンや寒冷地用暖房機器,ヒートポンプ給湯機がある。
ヒートポンプ給湯機では、二酸化炭素を冷媒に用いることにより、一般家庭用給湯機の主流であるガス式と比べ、ランニングコストを約1/5まで低減できる。また、成績係数(COP:Coefficient of Performance)を3.0 以上まで高めることができ、電気温水器等と比べても高効率になし得る。具体的には、ヒートポンプ式給湯機にHFC冷媒を適用すると、冷媒の物性から最高で約60℃の給湯しかできない上に、非常に高出力の圧縮機が必要となる。これに対して二酸化炭素冷媒を用いると、二酸化炭素の熱物性から、約90℃の出湯も可能である。
ところで、冷媒に二酸化炭素を用いた場合には、冷凍サイクルに使用する機器を潤滑する冷凍機油は、120〜130℃の高温および約15MPaの高圧条件下で使用される。このため、圧縮機の信頼性を確保するための潤滑性は勿論のこと、省エネルギー性および高効率も要求される。これらの要求を満たすために、冷凍機油にポリアルキレングリコール油を用いた密閉型の圧縮機では、冷凍機油がモータ部にまで流れ込むので、ポリアルキレングリコール油と、モータ各部との電気的絶縁が必要となる。
ポリアルキレングリコール油は、モータに使用される油の指標である電機絶縁油の体積抵抗率の規格1013Ωを大きく下回っており、さらに誘電率が約5.0 と高い。冷凍サイクルの稼動時に漏れ電流が増大し、電気用品安全法に定められる漏れ(リーク)電流値
1.0mA 以下の要求を満足することが困難になっている。
さらに、ポリアルキレングリコールエステル油は、吸湿性が高くかつ加水分解に対して安定であるから、冷凍機油中の水分がPETフィルムの加水分解を促進する。冷媒が二酸化炭素の場合には、30℃以上で超臨界状態が形成され、PETフィルムの加水分解がより促進される。冷凍サイクルを構成する圧縮機には、これまで比較的安価であり加工性にも優れていることからPETが広く使われている。しかし、系内に水分が多量に存在すると炭化水素イオンとプロトンを生成し、加水分解が促進されることは、上述したとおりである。
そこで本発明においては、二酸化炭素を冷媒に用い、冷凍機油にポリアルキレングリコールを用いても電気的絶縁を確保できるように、モータの固定子側の絶縁を確実にしている。以下、いくつかの実施例により、図面を用いて、電気絶縁性を確保した冷凍サイクルを説明する。
図1に、本発明に係る密閉型冷媒圧縮機の一実施例を、縦断面図で示す。密閉型冷媒圧縮機50としては、ロータリ圧縮機やスクロール圧縮機,レシプロ圧縮機を用いることが可能であるが、以下の説明においては、スクロール圧縮機を用いる。冷媒圧縮機50は、油溜めを兼ねた密閉ケース1内に、圧縮機部2とモータ3部とが収納されている。圧縮機部2は、台板に渦巻状のラップが形成された旋回スクロール4と、この旋回スクロール4のラップと係合するラップが台板に形成され、ラップ同士で圧縮室を形成する固定スクロール5と、固定スクロール5を固定するフレーム6と、旋回スクロール4を回転駆動するクランク軸7と旋回スクロール4を旋回運動させるためのオルダムリング8とを有している。密閉容器1には、冷媒圧縮機50の外部に連通する吸入パイプ9が密封接続されている。
モータ3部は、鋳鉄製のクランク軸7に固定された回転子10と、この回転子10の半径方向外方に僅かに隙間をおいて配置された固定子11とを有する。クランク軸7は、偏心部12を有し、一端側に中空状に軸穴13が形成されている。フレーム6の外周部は、密閉容器1に固定されている。フレーム6には、クランク軸7を回転支持する軸受が保持されている。
クランク軸7の偏心部12に、旋回スクロール4が回転自在に取付けられており、フレーム6に形成した溝と旋回スクロール4の反ラップ側の台板に設けた溝に、オルダムリング8が摺動自在に配設されている。これにより、旋回スクロール4は自転することなく公転する。この密閉型冷媒圧縮機50は横軸形であり、密閉容器1の底部には冷凍機油14が貯溜されている。冷凍機油14は、オルダムリング8や軸受等の摺動部に給油される。
図2に、図1に示した密閉型冷媒圧縮機50が有する固定子11を横断面図で示す。図3に、固定子11を構成する鉄心15の正面図を示す。固定子11の鉄心15の内周には、周方向に間隔をおいて多数のスロット16が形成されている。スロット16位置を合わせて、鉄心15を多数枚積層し、スロット16にコイルを形成するマグネットワイヤ17を複数回巻回する。スロット16は、2個の台形を長辺部同士で接続した形状であり、その内周辺はクランク軸7に対向する開口部を除いて、スロット絶縁フィルム18で覆われている。スロット16のクランク軸7に対向する開口部は、楔絶縁フィルム19で閉塞されている。
ここで、各絶縁フィルム18,19の詳細を、図4に縦断面図で示す。絶縁フィルム
18,19は、複合フィルム23である。複合フィルム23は、PETフィルム20の両面に配置したPPSフィルム21を、接着剤22で接着して形成する。PETフィルム
20の厚みは200〜250μmであり、PPSフィルム21の厚みは10〜20μmである。接着剤で張り合わせた全体の厚みを、220μm〜320μm程に調整している。複合フィルム23の厚さを220μm〜320μmにしたので、従来用いられているPET単独フィルムとほぼ同程度の厚さとなり、作業性の低下やマグネットワイヤ17の巻き付け密度の減少を回避できる。
なおPPSフィルム21は、オリゴマを抽出しない性質を有している。オリゴマを析出しやすいPETフィルムをPPSフィルム21で挟持しているので、直接冷媒や冷凍機油がPETフィルムと接触するのを防止でき、オリゴマの抽出を低減できる。また、二酸化炭素が超臨界状態になる冷凍サイクルでは、絶縁フィルム18,19の劣化が予想されるが、このような超臨界状態でも劣化しにくいPPS層を設けたので、絶縁フィルム18,19の劣化の程度も軽減される。
Figure 2008095506
表1に、本発明に係る2種の試料について、オートクレーブテストの結果を示す。このオートクレーブテストは、絶縁フィルムの耐油/冷媒性を評価するテストである。冷凍機油としては、ポリアルキレングリコール油を用いている。SUS製の内容積200mLの耐圧容器に、長さ50mmで幅3mmのダンベル形状に加工した試料を収容して、試験した。さらに容器に、冷凍機油として、ポリアルキレングリコール油を40g、冷媒として二酸化炭素冷媒を30gを注入し密封した。オートクレーブ試験条件は、130℃で42日加熱するもので、試験時間経過後に、油の色および酸価,供試品の外観,強度などを測定した。油中の水分量は、<100ppmと2000ppmの2条件とした。
試験後の冷凍機油の酸価を、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に従って計測した。絶縁材料の引張強度を、JIS C2111「電気絶縁紙試験方法」に準じて測定した。測定結果を評価すると、試料1,2のいずれの試験においても、冷凍機油の劣化は認められなかった。試料1のPPSフィルム、試料2のPENフィルムについては、水分量にかかわらず引張強度の低下は見られない。比較例1のPETフィルムについては、水分量200ppm において強度低下率が100%となり、加水分解が生じている。
伸び率については、試料1のPPSフィルムの場合、水分<100ppm で−20%低下し、水分2000ppm で−30%低下しているが、いずれも比較的少ない低下量である。ただし、試料2のPENフィルムでは、水分<100ppm で−82%、水分2000ppm で−85%と、伸び率がかなり低下している。比較例1のPETフィルムについては、水分<100ppm では伸び率の変化は見られなかったが、水分2000ppmでは完全に加水分解が生じて必要強度を確保できていなかった。
Figure 2008095506
表2に、同様のオートクレーブテストを、試料3,4について実施した結果を示す。冷凍機油および試料形状は上記テストと同一とし、封入する冷凍機油および冷媒も上記テストと同一である。ただ、オートクレーブ試験条件として、130℃で126日加熱することとした。試験時間経過後に、上記テストと同様に、油の色および酸価,供試品の外観,強度などを測定した。実機の冷凍サイクルにおける圧縮機の稼働時間は、年間20000時間以上と推測されるから、加熱時間を126日まで、延ばした。また、水分依存度を検証するために、冷凍機油中の水分を200ppm および400ppm ,600ppm ,1000ppm と変化させた条件で試験した。
いずれの試料3,4においても、冷凍機油の劣化は認められなかった。絶縁材料に関しては、試料3のPPSフィルムでは、水分による影響があまり見られず安定した引張強度を保持している。ただし、初期の強度は、PETの方が優れている。これは、PPSフィルム自体の靭性が低いためである。伸び率については、水分400ppm を越えた所で変化率が増加している。オリゴマは抽出されなかった。
試料4のPENフィルムでは、水分200ppm のときには引張強度の低下は見られないが、水分を400ppm 以上にすると引張強度は急激に低下し、水分1000ppm になると所望の強度を確保できない。この試料4の伸び率については、PET以上に水分の影響を受けやすい。オリゴマは、抽出されなかった。比較例2のPETフィルムでは、水分量の増加に比例して引張強度が低下している。また、伸び率は、水分200ppm では試料3のPPSフィルムと同程度であるが、水分400ppm 以上になると試料4のPENフィルムとほぼ同等である。オリゴマは、水分400ppm を越えた所で抽出量が増加している。
表1および表2に示した試験結果から、水分の影響を最も受けない材料がPPSフィルムであり、PENフィルムは加熱時間が少ない所では水分の影響を受けにくいが、加熱時間の増加に伴いPETフィルム以上に水分の影響を受けることが判明した。したがって、PETフィルムの両面に加水分解特性に優れオリゴマが抽出されないPPSフィルムを配置した三層構造の複合フィルムとすれば、フィルムの靭性を保ちつつ加水分解による引張強度や伸び率の低下を生ぜずオリゴマの抽出が少ない耐熱性に優れた絶縁フィルムが得られることが分かる。
また、試料2のPENフィルムは、加熱時間が少なければ引張強度に優れている。しかし、実際の冷凍サイクルに使用した場合には、吸湿性の高い冷凍機油が使用されるので、フィルムの強度低下を引き起こしたり、絶縁不良や破損したフィルムの破片による摺動部の損傷を引き起こすおそれがある。そのため、PPSの代わりにPENを使用すれば、必ずしも信頼性の向上にはつながらないおそれがある。
次に絶縁フィルムの厚みについて検討した。現在、モータ3の絶縁フィルムに使用しているPETフィルムは、単層で250μmである。そこで、PETの両面にPPSを配置した三層構造の複合フィルムでもほぼ同程度の厚みにするのが望ましい。そこで、PETフィルム層を200〜250μm、好ましくは210μmとし、PPS層を10〜20
μm、好ましくは16μmとした。接着層は、4μm程度とした。
絶縁フィルム18,19の厚みを、従来の単層フィルムと同程度としたので、コイル
17の巻線密度を減少させずに、十分な作業性を確保することができる。なお、複合フィルムの厚みを薄くすると作業性は向上するが、各フィルムが破損しやすくなる。逆に複合フィルムの厚みを増すと、コイルの巻線密度が減少し、モータ効率が低下したりモータを大型化せざるを得なくなる。PPSフィルムの厚みを厚くすると、加水分解性およびオリゴマ抽出特性が向上するが、作業性が低下したり初期強度が低下する原因となる。この場合、コストアップも生じる。逆に、PPSフィルムの厚みを薄くすると、PPSフィルムが有する耐加水分解性が劣化する。なお、接着剤としてはウレタン系の接着剤やポリイミド系の接着剤を使用できる。ウレタン系の接着剤の場合には、冷凍機油の劣化を考慮して使用する。ポリイミド系の接着剤の場合には耐熱性に富むので、接着剤の影響が少なくて済む。
密閉型冷媒圧縮機のモータに上記複合フィルムを適用して、ヒートポンプ給湯機100を構成した例を、図5を用いて説明する。まず、冷凍サイクルから説明する。それぞれの機器は冷媒配管で接続されていて、その中に冷媒を封入して密封し、ヒートポンプ回路
110を構成しており、給湯に必要な大能力を実現させるため、さらにもう1つのヒートポンプ回路110aを追加した2つのヒートポンプ回路からなる。なお、本実施例においては、2つのヒートポンプ回路により給湯器を構成したが、圧縮機や熱交換器の性能,給湯能力によって1つの回路でも3つ以上の回路を用いても良い。
圧縮機101及び圧縮機101aにより圧縮された冷媒(CO2 )は、熱交換器102に流入される。熱交換器102は、冷媒を凝縮させる凝縮器103,103aと湯水を沸き上げる水熱交換器111さらに浴槽水熱交換器144が一体に組込まれている。熱交換器102から流れ出た冷媒は減圧装置105,減圧装置105aの作用によって減圧され低温低圧の冷媒となる。そして、蒸発器106,蒸発器106aにおいて、送風機109及び送風機109aによって送風される外気から熱を吸収して、アキュムレーター107,アキュムレーター107aを介して再び圧縮機101及び圧縮機101aに吸入される。
108及び108aはバイパス弁で、これを開くことによって圧縮機101及び圧縮機101aから吐出される高温高圧の冷媒を蒸発器106及び106aに通流させることで、蒸発器106及び106aに付着した霜を融解させる(除霜制御)。この除霜制御のタイミングは、2つの冷媒回路同時であっても良いし、ずらしても良い。ずらした場合は、能力が多少低下するが間断無く給湯ができるという効果がある。
次に、水道管116から水を取り入れ、熱交換器102を介して直接利用側に給湯し、または後述するように内部で水を循環させることで所定の温度に沸かし上げる水循環回路122の給湯回路について説明する。この水循環回路122には、熱交換器102,減圧逆止弁117,流量センサー121,逆止弁148,149,給湯タンク113,循環ポンプ115,給湯タンク113からの湯と水熱交換器111からの出湯を混合するミキシングバルブ161,ミキシングバルブ161からの湯と水を混合するミキシングバルブ
162,湯の流量を調整する流量調整弁163を水配管で接続して構成している。また、浴槽水回路は熱交換器102と、注湯電磁弁151,逆止弁150,水位センサー160,浴槽用の循環ポンプ146で構成されている。本実施例に係るヒートポンプ給湯機は、従来のように大型の貯湯槽を用いることなく小型軽量な給湯機とする。
本実施例によっても、二酸化炭素が超臨界状態になった冷媒が圧縮機モータの固定子に流入しても、絶縁フィルムの加水分解やオリゴマ抽出を低減でき、冷媒圧縮機の信頼性を向上できる。
本発明に係る密閉型冷媒圧縮機の一実施例の縦断面図である。 図1に示した密閉型圧縮機が有するモータの固定子の横断面図である。 図1に示したモータの固定子のスロット部の詳細横断面図である。 本発明に係る複合フィルムの一実施例の断面図である。 本発明に係るヒートポンプ給湯機の一実施例のシステム図である。
符号の説明
1 ケース(密閉容器)
2 圧縮機部
3 モータ
4 旋回スクロール
5 固定スクロール
6 フレーム
7 クランク軸
8 オルダムリング
9 吸入パイプ
10 回転子
11 固定子
12 偏心部
13 軸穴
14 冷凍機油
15 鉄心
16 スロット
17 マグネットワイヤ(コイル)
18 スロット絶縁フィルム
19 楔絶縁フィルム
20 PETフィルム
21 PPSフィルム
22 接着剤
50 冷媒圧縮機

Claims (5)

  1. 固定子と回転子とを有するモータ部に圧縮機部を連結して密閉容器内に収納した冷媒圧縮機において、前記固定子は鉄心とこの鉄心に巻回したコイルとを有し、このコイルを被覆する絶縁フィルムを、ポリエチレンテレフタレートの両面にポリフェニレンサルファイドの層を配置した三層構造フィルムとしたことを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレートの厚みが200〜250μm、ポリフェニレンサルファイドの厚みが10〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の冷媒圧縮機。
  3. 前記圧縮機部は、固定スクロールと旋回スクロールとを有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
  4. 冷媒として二酸化炭素を、潤滑油としてポリアルキレングリコール油系およびエステル油系,エーテル油系の少なくともいずれかを使用可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の冷媒圧縮機を搭載したことを特徴とするヒートポンプ給湯機。

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