JP2008139498A - 封印シール - Google Patents

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Abstract

【課題】物品またはそのパッケージを封印するために用いられる封印シールであって、安価な構成で、耐水性に優れ、かつ溶剤によるシールの不正剥離の認識性に優れた封印シールを提供する。
【解決手段】樹脂からなり一方の表面が粗面化された基材シート2、当該基材の粗面化された一方の面の上にパターニングされたインク層3を設け、さらに前記基材シートのもう一方の面に粘着層4を設け封印シールを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、安全または秘密漏洩防止等のために物品またはそのパッケージを封印する封印シールに関する。
従来、コンピュータ等の電子機器や機械等の製品中の部品が、不正に取り外されることや、機密文書が入った封書が不正に開封され秘密が漏洩される等の不正行為が問題となっている。これを防止するために、シールを剥がすと文字や図柄が痕跡となり開封されたことが認識できるシールが提案されている。しかしながら、上記シールに溶剤を滴下し粘着剤を膨潤させて丁寧に剥がすと、文字や図柄の痕跡を残さずに剥がすことができるため、不正な開封が可能となってしまうという問題や、不正開封後、再度シールを貼付しておけば開封されたかどうかを認識することができないという問題があった。
この問題を改善するために、シールにインク層を設け、溶剤が滴下されたかどうかを判断する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
例えば、特許文献1には、書類袋等の不正開封と封緘シールの偽造を検証することを目的として、有機溶剤又は加温によって発色するインク層を有する封緘シールが開示されている。具体的には、溶剤との反応、または加熱により発色するロイコ染料と顕色剤とを含有する発色インキ層を設けた封緘シールが提案されている。
特許文献2には、物品をセキュリティーのために封印するシールの溶剤による不正剥離を一見して検知することを目的として、溶剤との反応により発色するロイコ染料と顕色剤とを含有する発色インク層を有する封印シールが開示されている。
特許文献3には、溶剤によるシールの不正剥離を検知することを目的として、溶剤に可溶な染料と高分子化合物からなるインク層および紙よりなる基材シートを有する認証シールが開示されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載のインク層は特殊な成分を用いており高価であるという問題があった。また、特許文献3のインク層に用いる染料は安価でありながら種々の溶剤に溶解するという特徴を有するものの、溶けたインクが基材によく浸透し、痕跡を明確にするために紙を用いているため耐水性に劣るという問題があった。すなわち、基材が吸湿あるいは吸水してしまうと溶けたインクが浸透しにくくなり、痕跡が不明確になるという問題があった。
特開平7−271302号公報 特開2003−29637号公報 特開2003−131574号公報
上述のように、従来の技術では、安価な構成で、耐水性に優れ、かつ溶剤によるシールの不正剥離の認識性に優れた封印シールを提供することが困難であった。さらに、これら従来知られているシールは、不正行為に用いられた溶剤の量が微量である場合は、確実な検知が難しいという問題があった。
本発明は、物品またはそのパッケージを封印するために用いられる封印シールであって、安価な構成で、耐水性に優れ、かつ溶剤によるシールの不正剥離の認識性に優れた封印シールを提供する。
発明者らは、鋭意検討した結果、基材シートの表面形状に着目し、本発明を完成するに至った。すなわち上記課題は以下に示す本発明により解決される。
(1)物品またはそのパッケージを封印するために用いられる封印シールであって、
樹脂からなり一方の表面が粗面化された基材シート、当該基材の粗面化された面にパターニングされたインク層、および前記基材シートのもう一方の面に設けられた粘着層を含む、封印シール。
(2)前記インク層が溶剤により溶解し、変形または流失することによって、溶剤が滴下されたことが検知できる(1)記載の封印シール。
(3)前記インク層が、染料、極性有機溶剤、非極性有機溶剤、および高分子化合物を含む、(1)または(2)記載の封印シール。
(4)前記インク層の極性有機溶剤が、炭素数が3から6のアルコールから選ばれる一種以上のアルコールであり、かつ、非極性有機溶剤がトルエン、m−キシレン、およびp−キシレンから選ばれる一種以上の芳香族炭化水素である、(1)〜(3)いずれかに記載の封印シール。
(5)前記インク層の極性有機溶剤がn−ブタノールであり、非極性有機溶剤がm−キシレンである、(1)〜(4)いずれかに記載の封印シール。
(6)前記基材シートが格子状に凹部または凸部を形成されることにより粗面化されている(1)〜(5)いずれかに記載の封印シール。
(7)前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた第二の基材シート、
当該第二の基材シートの上に設けられた水溶性インク層、および
当該水溶性インク層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含む(1)〜(6)いずれかに記載の封印シール。
(8)前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた、第二の基材シート、
当該第二の基材シートの上に設けられた印刷層、および
当該印刷層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含み、
前記第二の基材シートが、剥離された際に前記印刷層が痕跡となり剥離が検知できるように破壊される脆弱なシートである(1)〜(6)いずれかに記載の封印シール。
(9)前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた第二の基材シート、
当該第二の基材シートの上に設けられた水溶性インク層、
当該水溶性インク層の上に設けられた第三の基材シート、
当該第三の基材シートの上に設けられた印刷層、および
当該印刷層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含み、
前記第三の基材シートが剥離された際に前記印刷層が痕跡となり剥離が検知できるように破壊される脆弱なシートである(1)〜(6)いずれかに記載の封印シール。
本発明は、安価な構成で、耐水性に優れ、かつ溶剤によるシールの不正剥離の認識性に優れる。
本発明の封印シールは、安全または秘密漏洩防止等のために、物品またはそのパッケージに貼付されるシールである。本発明の封印シールは、不正行為者により溶剤が滴下された際に、パターニングされたインク層が速やかに溶解されインク層のパターン(形状)が変形または流失させられるため、何者かによって不正がなされたことが検知される。変形とは当該シールのインク層のパターンが滲む等して形が変わること、流失とはインク層の一部または全部が溶解して流れることによりパターンの一部または全部が消失することを意味する。
基材シートとは、シールの基礎をなすシートをいい、その材質は樹脂であることが好ましい。当該シートに用いられる樹脂の例には、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、塩化ビニル、ポリオレフィン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が含まれる。中でも入手が容易なため、厚みが10μm以上100μm以下であるポリスチレンシートが好ましい。
基材シートは表面の一方が粗面化してあることを必要とする。もう一方の面は粗面化していてもしていなくてもよい。当該粗面化された表面に、後述のインク層が設けられる。表面が粗面化されているとは、表面に凹部または凸部が形成されていることをいう。基材表面が粗面化されると、凹部、または凸部と凸部間に形成された空間が溝のようにふるまうため、毛細管現象等によって不正行為に用いられた溶剤が基材シートに侵入しやすくなり、インク層の溶解性が高められる。その結果、インク層のパターンの変形や流失が起こりやすくなり不正があったことが感度よく検知される。
また、基材シートの表面積が大きくなり、不正行為に用いられた溶剤に対する基材シートの膨潤性または溶解性が向上し、インクが基材シートへ浸透しやすくなり、インクの定着性が向上することも期待できる。
前記凹部または凸部は、前記シート表面に格子状に形成されていることが好ましい。格子状に設けられているとは、凹部(窪み)または凸部(突起)が前記シート表面に網目状に設けられていること、あるいは独立した突起または窪みが、縦横に一定の間隔をもって並んでいる、いわゆるアレイ状に設けられていることをいう。独立した突起または窪みがアレイ状に設けられている構造は、溶剤を基材シートに導きやすくなるため好ましい。シート基材には、突起あるいは窪みのいずれか一方を設けてもよく、双方を設けてもよい。特に独立した突起をアレイ状に設けると、隣接する突起と突起の間に連続した溝のような空間が形成され、毛細管現象が起こりやすくなるため好ましい。
突起の形状は加工のし易さ、溶剤の浸透しやすさから適宜選択される。形状としては、円錐や角錐が好ましく、特にピラミッド状の四角錐が好ましい。その大きさは、円錐の場合は直径が、角錐の場合は一辺の長さが1μm以上50μm以下であることが好ましく、高さは1μm以上50μm以下であることが好ましい。さらに、突起は、隣接する突起の頂点間の距離が1μm以上50μmとなるように設けられることが好ましい。
粗面化は、例えば、金属製のロール表面に凹凸模様を刻設したエンボスロールを用い樹脂フィルム表面を加圧して目地模様を転写するいわゆるエンボス加工方法、微細な研磨剤をブラストガンから高圧エアーと共に樹脂フィルムに吹き付けて粗面するサンドブラスト法、ポリマー中に粒子を添加し、これを製膜して樹脂フィルムとする方法、あるいは樹脂フィルム表面部分を薬液処理して粗面化する方法等により行うことができる。中でも、均一な凹部または凸部を表面に形成できること、および加工の容易性からエンボス加工が好適である。
本発明は前記粗面化された基材シート表面にパターニングされたインク層を有する。すなわち、粗面化された基材シート表面にインク層が一定の形状を以て設けられている。例えば、インク層が前記基材シート表面に、線、点線、あるいは水玉模様や格子柄のような幾何学的形状を以て設けられていることや、前記基材シート表面全面を覆い尽くすように設けられていることを意味する。
特に、インク層はシールの略外周部分または外周よりやや内側に線状または点線状に設けてあることが好ましい。不正行為者は、シールを不正剥離するためにシールの外周より溶剤を浸透させる必要があるが、本発明の封印シールは溶剤がインク層に到達しやすいように基材シートを粗面化しているため、少量の溶剤がシール外周に滴下されただけでも、溶剤を検知することが可能であるからである。このように適所にインク層を設けることで、コストを下げられるという利点がある。印刷層を設ける場所はシールの外周から5mm以内の位置であることが好ましく、その線状または点線状の幅は1mm程度であることが好ましい。
不正行為があったことが容易に検知されるように、インク層は染料を含んでいることが好ましい。さらに、不正行為に用いられる溶剤は極性有機溶剤や非極性有機溶剤等、様々なものが想定されるため、インク層に用いられる染料は種々の有機溶剤に溶解するものが好ましい。このような染料としては油性染料等が挙げられる。
極性有機溶剤とは、分子内に水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の極性基を有する有機溶剤をいい、非極性有機溶剤とは分子内に水酸基等の極性基を持たない有機溶剤をいう。
上記染料は単独で溶剤に溶解されるよりも、高分子化合物とともに溶解されると発色効果が高まるため、インク層は高分子化合物を含んでいることが好ましく、当該高分子化合物は種々の有機溶剤に溶解することがより好ましい。このような高分子化合物の例には、ポリスチレンが含まれる。
さらに不正行為を確実に検知するには、染料等が基材シートに確実に定着することが望ましいため、基材シートがインク層の溶解物により膨潤または溶解され易い構成とすることが好ましい。
前述のとおり、基材シートは表面が粗面化され大きな表面積を有するので、インク層の溶解物に膨潤または溶解しやすい。しかしながら、不正行為に用いられる溶剤によっては、基材シートが溶解あるいは膨潤しにくい場合も想定される。このため、本発明においては、インク層に、極性有機溶剤、非極性有機溶剤を含ませておくことが好ましい。以下にこの理由を説明する。
1)基材シートが非極性有機溶剤にのみ溶解・膨潤する場合
不正行為に極性有機溶剤Aが用いられた場合は、基材シートは当該極性有機溶剤Aには溶解・膨潤しないため、Aに溶解した染料等が基材シートに定着しにくい。しかし、インク層に非極性有機溶剤Bを含ませておけば、当該非極性有機溶剤Bが基材シートを膨潤、溶解するため、染料等を基材シートに定着させ易くなる。さらに、非極性有機溶剤Bと不正行為に用いられた極性有機溶剤Aの親和性が良好であれば、当該非極性有機溶剤Bは、不正行為に用いられた極性有機溶剤Aが基材シートを膨潤または溶解することを補助するため、結果として染料等の基材シートへの定着が促進される。また不正行為に非極性有機溶剤が用いられた場合は、染料等は問題なく基材シートに定着する。
2)基材シートが極性有機溶剤にのみ溶解・膨潤する場合
不正行為に非極性有機溶剤Bが用いられた場合は、前記同様の理由から、そのままでは染料等が基材シートに定着しにくい。しかし、インク層に極性有機溶剤Aを含ませておけば、前記と同じメカニズムにより染料等は安定して基材シートに定着する。また不正行為に極性有機溶剤が用いられた場合は、染料等は問題なく基材シートに定着する。
以上から、インク層に基材シートの特性に応じて極性有機溶剤または非極性有機溶剤を含ませておくと、不正行為者がどのような有機溶剤を用いても染料等を基材シートに定着させ易くなるので好ましい。さらには、インク層に極性有機溶剤および非極性有機溶剤を含ませておくと、どのような特性の基材シートと組み合わせても染料等を基材シートに定着させ易くなるためより好ましい。
インク層に用いられる極性有機溶剤は特に限定されないが、不正行為に用いられる溶剤および基材シートとの親和性を考慮して選択される。不正行為者が主として用いる溶剤の例としては、入手の容易さからエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが含まれる。そこでこれらに対する親和性を考慮すると、前記極性有機溶剤としてはアルコール類、脂肪族アミン類、脂肪族カルボン酸類が例示できる。この中でも「不快臭がない」等の取り扱いの容易性等からアルコール類が望ましい。さらには、揮発しにくい等の理由から炭素数が3から6のアルキル基を有するアルコールが好ましく、n−ブタノールがより好ましい。これらの極性有機溶剤は一種で用いてもよいし、複数組み合わせてもよい。
インク層に用いられる非極性有機溶剤は特に限定されないが、不正行為者が主として用いると思われる溶剤を考慮すると、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素等が例示できる。中でも、揮発しにくい等の取り扱い性の容易性等から芳香族炭化水素が望ましい。特に、入手の容易性からトルエン、m−キシレン、またはp−キシレンが好ましく、m−キシレンがより好ましい。これらの非極性有機溶剤は一種で用いてもよいし、複数組み合わせてもよい。
これらインク層を構成する成分の配合比は特に限定されないが、発色性および後述する形成方法の容易さ等から、高分子化合物100重量部に対して、染料は10重量部以上20重量部以下、極性有機溶剤は10重量部以上20重量部以下、非極性溶剤は50重量部以上60重量部以下となることが好ましい。
インク層は、当該層を構成する成分を混合して得られるインク組成物を、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の公知の方法によって、基材シートへ印刷して設けることができる。インク層の厚みは、不正行為に用いられた溶剤への溶解性から、1μm以上5μm以下であることが好ましい。
本発明の封印シールは、前記インク層の上に保護シートを設けてもよい。保護シートとは、インク層を保護し、かつインク層に有機溶剤が含まれている場合はその揮発を防ぐこと等を目的として設けられるシートである。保護シートの材質の例には紙、プラスチックフィルムが含まれる。
本発明の封印シールは、前記インク層を設けた面とは反対の面に粘着層を有する。粘着層とは、当該シールを物品またはそのパッケージ等に固定するために設けられる層であり、接着性を有するものであれば特に限定されない。粘着層の材質としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を主成分とする接着性組成物が好ましい。当該層の厚みは生産性および粘着性の観点から5μm以上15μm以下であることが好ましい。当該粘着層は、上記接着性組成物を基材シートに塗布することにより形成してよい。
本発明の封印シールは、前記粘着層の下に剥離材を有していてもよい。剥離材とは例えば紙にシリコーン樹脂等の離型剤を塗布した材料であり、シールを使用する前(物品等に貼付する前)の状態においてシールの粘着層を保護するために設けられるものである。
本発明の封印シールは、発明の効果を損なわない範囲で任意の方法で製造することができるが、例えば、前記基材シートの上に、前記インク層を設ける工程、当該インク層の上に保護シートを設ける工程、前記基材シートのインク層を設けた面とは反対の面に粘着層を設ける工程を経て製造される。各層を設ける工程は、既に述べたとおり公知の方法を用いることができる。
本発明の封印シールは、前記粘着層の面(基材シートが設けられた面とは反対の面)に第二の基材シート、水溶性インク層、および第二の粘着層を設け、水または温水滴下による不正剥離をも検知しうる封印シールとしてもよい。不正行為者は水や温水を滴下することも考えられるからである。便宜上、溶剤を用いた不正剥離検知を目的とする本発明の封印シールを「溶剤検知が可能な封印シール」、第二の基材シート、水溶性インク層、および第二の粘着層からなるシールを「水検知が可能な封印シール」という。
「水検知が可能な封印シール」における第二の基材シートとは、当該封印シールの基礎となるシートであり、紙により構成されることが好ましい。紙は水との親和性がよいため水に溶解した水溶性インクを確実に定着できるからである。特に水を浸透させ易くするように撥水処理を施していない紙が好ましい。ただし、紙は保存時あるいは使用時に吸湿してしまうことが懸念される。しかし、不正行為に用いた水を検知する場合は紙が吸湿していても水溶性インクの定着を妨げることはないため問題は生じない。
「水検知が可能な封印シール」における水溶性インク層とは、不正行為者がシールを不正に剥がすために水又は温水を滴下したことを検知するために設けられる層である。水溶性インク層は、食紅等から構成され、水溶性の高分子化合物として水飴等を含んでいてもよい。水溶性インク層は、これらの混合物をオフセット印刷またはグラビア印刷する等により設けることができる。
「水検知が可能な封印シール」における第二の粘着層は、「溶剤検知が可能な封印シール」に用いる粘着層と同様のものが用いられる。
さらに、本発明の封印シールは、「溶剤検知が可能な封印シール」の粘着層の面(基材シートが設けられた面とは反対の面)に、脆弱な第二の基材シート(以下単に「脆弱な基材シート」という。)、印刷層、および第二の粘着層を設けることにより、溶剤を用いない不正剥離および溶剤を用いた不正剥離を検知しうる封印シールとしてもよい。便宜上、印刷層、脆弱な基材シートおよび第二の粘着層を含んで構成される封印シールを「剥離検知が可能な封印シール」という。
前記脆弱な基材シートとは、不正行為者がシールを剥離した際に、物品等との接着面である粘着層よりも弱い強度を有するため、優先的に破壊されるシートをいう。このようなシートの材質としては公知のものを用いることができるが、中でも、入手の容易性から脆質ポリ塩化ビニルが好ましい。
前記印刷層とは、当該脆弱な基材シートが剥離により破壊された際に、痕跡として残り、剥離があったことが認識されるために設けられる層であり、図柄、文字等の形状を以て形成されている。印刷層の材質には、ポリスチレンを用いることができ、前記脆弱な基材シートまたは第二の粘着層に貼付して設けることができる。
この他に本発明の封印シールは、「水検知が可能な封印シール」および「剥離検知が可能な封印シール」と組み合わせて用いることができる。すなわち、「溶剤検知が可能な封印シール」の粘着層の面(基材シートが設けられた面とは反対の面)に第二の基材シート、水溶性インク層、脆弱な第三の基材シート、印刷層、および第二の粘着層を含んで構成される封印シールとすることができる。前記水溶性インク層、前記脆弱な基材シートの間には粘着層を含んでいてもよい。
このように、本発明の封印シールを、「水検知が可能な封印シール」および「剥離検知が可能な封印シール」と組み合わせて封印シールとする場合には、図2に示されるとおり三つのシールの外径は同一とし、かつ、「溶剤検知が可能な封印シール」および「水検知が可能な封印シール」は、外周部を枠として残し、内部を空洞とする構造とすることが好ましい。枠の内部(空洞部分)により、「剥離検知が可能な封印シール」の剥離による痕跡を識別でき、枠部分からは、溶剤または水の滴下があったかどうかを識別できるからである。
このように組み合わされた封印シールは、発明の効果を損なわない範囲で任意の方法で製造することができるが、「剥離検知が可能な封印シール」の上に「水検知が可能な封印シール」、および「溶剤検知が可能な封印シール」を枠状に形成して作製できる。あるいは、これら三つのシールを別個に作製し、当該シール同士を貼付することによっても製造できる。
この他に、「水検知が可能な封印シール」の下に「溶剤検知が可能な封印シール」を設け、さらにその下に「剥離検知が可能な封印シール」を有する構造としてもよい。
以下、図面を参照し本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
図1は本発明の第一の態様を示す断面図である。図1において1は溶剤検知が可能な封印シールであり、表面が粗面化された基材シート2、パターニングされたインク層3、粘着層4を含んでいる。不正行為者が、封印シールを剥がすために溶剤を滴下すると、溶剤は直接パターニングされたインク層3に浸透すると共に、基材シート2の粗面化された表面の凹部を伝って前記インク層3の裏側にも到達し、当該インク層3が溶解する。その結果、インク層3のパターンが滲む等の変形をおこしたり、流されて欠損(流失)したりすることにより溶剤滴下があったことが検知される。
さらに、基材シート2が、不正行為者が滴下した溶剤または前記インク層3に含まれる有機溶剤により膨潤または溶解されると、当該インク層3に含まれる染料等が基材シート2に浸透し定着するため、不正がより確実に検知される。
エンボス加工により、一辺の長さが10μm、高さが10μmの四角錐状の突起を設けたポリスチレンからなる基材シート2(商品名HMSH001、株式会社東光工業製)を準備した。前記突起は、隣接する前記突起頂点同士の間隔が10μmであり、かつ非加工部が格子状となるように加工されていた。次に、当該基材シート2にm−キシレン、n−ブタノール、高分子化合物、染料を含むインク組成物(商品名MHINK001、株式会社東光工業製)をグラビア印刷し、パターニングされたインク層3を形成した。
続いて当該インク層3の上に市販の接着剤組成物を用いて粘着層4を設けた。
このようにして得た封印シール1を、ポリエチレンのフィルムに貼付した。続いてエタノールを滴下したところ、パターニングされたインク層3が溶解し滲み、パターンが変形したため、溶剤が滴下されたことが感度良く検知できた。
[比較例]
エンボス加工を施していないポリスチレンからなる基材シートを用い、実施例と同様にして封印シールを得て、エタノール滴下による溶剤滴下検知試験を行った。
その結果、インク層が溶解しにくく、インク層のパターンが十分変形しなかったため、溶剤が滴下されたことが十分に感知できなかった。
図2は本発明の第二の態様を示す斜視図である。図2において1は溶剤検知が可能な封印シールであり、線状にパターニングされたインク層5を含んでいる。6は水検知が可能な封印シール、7は剥離検知が可能な封印シールである。図3は図2を図中の一点鎖線で切断し、Z−Z方向から見た断面図である。溶剤検知が可能な封印シール1は基材シート2、インク層3、粘着層4を含んでいる。水検知が可能な封印シール6は第二の基材シート8、水溶性インク層9を含んでいる。剥離検知が可能な封印シール7は、脆弱な基材シート10、印刷層11、第二の粘着層12を含んでいる。
不正行為者が、そのまま封印シールを剥がすと、脆弱な基材シート10が破壊され、印刷層11が物品等に痕跡として残り、剥離があったことが検知される。また、不正行為者が第二の粘着層12の接着力を弱めるため溶剤または水を滴下して剥離しようとすると、前述のとおり、溶剤検知が可能な封印シール1または水検知が可能な封印シール6により溶剤または水が滴下されたことが検知される。
本発明の封印シールは、溶剤滴下等による不正剥離を迅速にかつ安定して検知できるため、安全確保または秘密漏洩防止等のために物品等を封印するシールとして有用である。
本発明の第一の態様を示す断面図 本発明の第二の態様を示す斜視図 図2のZ−Z面における断面図
符号の説明
1 溶剤検知が可能な封印シール
2 基材シート
3 インク層
4 粘着層
5 線状にパターニングされたインク層
6 水検知が可能な封印シール
7 剥離検知が可能な封印シール
8 第二の基材シート
9 水溶性インク層
10 脆弱な基材シート
11 印刷層
12 第二の粘着層

Claims (9)

  1. 物品またはそのパッケージを封印するために用いられる封印シールであって、
    樹脂からなり一方の表面が粗面化された基材シート、当該基材の粗面化された面にパターニングされたインク層、および前記基材シートのもう一方の面に設けられた粘着層を含む、封印シール。
  2. 前記インク層が溶剤により溶解し、変形または流失することによって、溶剤が滴下されたことが検知できる請求項1記載の封印シール。
  3. 前記インク層が、染料、極性有機溶剤、非極性有機溶剤、および高分子化合物を含む、請求項1記載の封印シール。
  4. 前記インク層の極性有機溶剤が、炭素数が3から6のアルコールから選ばれる一種以上のアルコールであり、かつ、非極性有機溶剤がトルエン、m−キシレン、およびp−キシレンから選ばれる一種以上の芳香族炭化水素である、請求項1記載の封印シール。
  5. 前記インク層の極性有機溶剤がn−ブタノールであり、非極性有機溶剤がm−キシレンである、請求項1記載の封印シール。
  6. 前記基材シートが格子状に凹部または凸部を形成されることにより粗面化されている請求項1記載の封印シール。
  7. 前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた第二の基材シート、
    当該第二の基材シートの上に設けられた水溶性インク層、および
    当該水溶性インク層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含む請求項1記載の封印シール。
  8. 前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた、第二の基材シート、
    当該第二の基材シートの上に設けられた印刷層、および
    当該印刷層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含み、
    前記第二の基材シートが、剥離された際に前記印刷層が痕跡となり剥離が検知できるように破壊される脆弱なシートである請求項1記載の封印シール。
  9. 前記粘着層の、基材シートが設けられた面とは反対の面に設けられた第二の基材シート、
    当該第二の基材シートの上に設けられた水溶性インク層、
    当該水溶性インク層の上に設けられた第三の基材シート、
    当該第三の基材シートの上に設けられた印刷層、および
    当該印刷層の上に設けられた第二の粘着層をさらに含み、
    前記第三の基材シートが剥離された際に前記印刷層が痕跡となり剥離が検知できるように破壊される脆弱なシートである請求項1記載の封印シール。
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