JP2007003723A - タックラベル、及びタックラベルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 包装体などの被貼付体に貼付可能な2つの貼付部5が、間隔をあけて配置され、2つの貼付部5,5の間に被貼付体に接着不能な葉状の架橋部7が架け渡されており、架橋部7が、樹脂成分を塗工固化して得られた塗工膜からなるタックラベル1。
【選択図】 図1
Description
このような不正防止用の封緘ラベルとしては、例えば、フィルム裏面に隠し印刷を施し、ラベルを引き剥がしたときに、開封された事実を示す文字や記号(例えば「開封済み」)等が浮き出る封緘ラベルや、フィルムにスリットを設けておき、ラベルを引き剥がすとスリットに沿って切り取られる封緘ラベルなどが知られている。
この点、特開2002−162909公報には、容器の本体と蓋の角部に跨って折曲げられて貼付される封緘ラベルであって、その両端域に接着剤層が形成され、且つ中間域が非接着性とされている封緘ラベルが開示されている。
かかる封緘用ラベルによれば、中間域が非接着とされていることから、封緘ラベルを包装体の角部の稜線に沿ってカッターなどで切断すると、中間域が容器から浮き上がり、不正開封の有無を容易に外見で判別できるという極めて優れた効果を有する。
すなわち、通常、基材フィルムの裏面に接着部分と非接着部分を設ける方法としては、同公報の[0007]に記載されているように、裏面全体に粘着剤(又は接着剤)が塗工された基材フィルムの該粘着層の裏面の一部分に、非接着層を積層することによって非接着部分が形成される。これを機械的に製造する場合、裏面全体に粘着剤塗工された基材フィルムは、離型紙表面に仮添付されて供給される。よって、粘着層に非接着層を積層する際には、基材フィルムを離型紙から一旦剥離し、その後、再度、離型紙に添付しなければならない。このように基材フィルムの剥離再添付を行うため、その製造工程が煩雑となる。
従って、離型紙から剥離し、再添付する必要がないので、上記タックラベルは、簡易に製造することができる。
このように貼付された上記タックラベルを、包装体の角部の稜線に沿ってカッターなどで切断すると、架橋部が2つに分断され、分断された架橋部は包装体から浮き上がる。従って、タックラベルの分断部分が、外観上目立ち、開封の有無を一目で判別することができる。
また、本発明のタックラベルは、包装体の開封部分である角部に、架橋部を対面させて貼付することにより、架橋部をカッターなどで切断されても、その部分が外観上目立つので、開封の有無を一目で判別することができる。従って、不正開封防止用の封緘ラベルとして好適に使用できる。
図1に於いて、タックラベル1は、フィルム片2の裏面に粘着層3が設けられ、且つ包装体などの被貼付体に貼付可能な2つの貼付部5と、この2つの貼付部5の間に架け渡された葉状の架橋部7と、を備えており、この架橋部7は、被貼付体に非接着であって、樹脂成分を塗工固化して得られた塗工膜から構成されている。
このタックラベル1は、例えば、離型紙8の表面に、複数枚仮添付されて供給される。
フィルム片2は、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、塩化ビニル系樹脂などの2軸延伸フィルムなどの合成樹脂フィルム、合成紙、上質紙、グラシン紙、和紙などの紙、金属蒸着フィルム、2種以上の積層フィルムなど、一般にタックラベルの基材として用いられている公知のフィルムを用いることができる。
フィルム片2の平面形状は、図示したように矩形状に形成されているが、矩形状以外に、例えば、三角形状、楕円形状、半円状などの他の形状に形成されていてもよい。
粘着層3は、例えば、アクリル系粘着剤などの感圧型粘着剤、加熱することによって粘着性を発現する感熱性粘着剤などの粘着剤を塗工することにより形成されている。但し、本発明に言う粘着剤とは、被貼付体に貼付可能で且つ貼付後手で引き剥がし難いものであり、一般に接着剤と言われているものも含まれる。
剥離判別手段としては、例えば、粘着層3として、被貼付体の表面よりもフィルム片2の裏面に強く接着する粘着剤を用い、且つ該フィルム片2の裏面に該粘着層3が非接着又は弱接着となる非接着部4を設けておくことが例示される。尚、該非接着部4は、フィルム片2と粘着層3の界面に介在状態で設けられていればよいので、非接着部4を粘着層3の表面に設けることも同義である。また、非接着部4の外縁に沿うように、粘着層3に切れ目を刻設してもよい。
フィルム片2の裏面に非接着部4を設けることにより、粘着層3を介して被貼付体に貼付されたフィルム片2を引き剥がした際、非接着部4に対面する粘着層3は、被貼付体の表面に残り、一方、非接着部4が設けられていない部分に対面する粘着層3は、フィルム片2と共に被貼付体の表面から剥がれることとなる。このように被貼付体の表面に粘着層3が部分的に残るので、剥離の有無を視覚的に判別できる。この場合、粘着層3を所望色に着色しておくことが好ましい。また、非接着部4は、開封済みであることを伝える文字(例えば「開封済」など)を表すように設けられることが好ましい。
尚、非接着部4の形成は、シリコーン樹脂や紫外線硬化型インキを塗工するなど公知の方法で行うことができる。
この架橋部7は、貼付部5の間に樹脂成分を塗工し、これを固化されることにより得られた可撓性のある塗工膜から構成されている。
具体的には、かかる架橋部7は、2つの貼付部5の表面全体から該貼付部5の間にかけてベタ状に設けられており、架橋部7の両側は、貼付部5の表面に接着され、且つ架橋部7の中間領域は離型紙8の表面に仮添付された状態となっている。従って、架橋部7の中間領域に於ける裏面(2つの貼付部5の間に於ける裏面)は、横方向Xに所定幅W(例えば、5mm〜30mm程度)、粘着層3を有しないので、被貼付体に対して接着不能である。よって、タックラベル1は、中間領域に於いて被貼付体に対して接着不能となる。また、架橋部7の貼付部5の表面に対する接着力は、粘着層3の被貼付体に対する接着力と同等又はそれよりも弱くてもよい。もっとも、タックラベル1を貼付後、ラベル1を引き剥がそうとした際に、架橋部7が破断せずに貼付部5から剥がれることを防止する観点から、架橋部7は、粘着層3の被貼付体に対する接着力よりも、フィルム片2の表面に十分に強く接着するものが好ましい。
架橋部7の厚みは特に限定されないが、余りに薄いと十分な機械的強度を得られず、又、余りに厚すぎると破断しない虞があるので、架橋部7は、厚み30〜300μm程度に形成することが好ましく、更に、40〜150μm程度に形成することがより好ましい。
架橋部7は、全体的に平坦な葉状に形成されているが、架橋部7には、貼付部5の内側縁に於いて、該内側縁に沿って長状段部71が形成されている。
上記樹脂成分は、必要に応じて、顔料などの着色剤、その他の添加剤が加えられ、適当な溶媒に溶解などして調製され、塗工される。
上記樹脂成分の塗工法は、特に限定されないが、所定範囲に簡易に塗工できることから各種印刷法で行うことが好ましく、中でも、比較的厚く樹脂成分を塗工できることから、シルクスクリーン印刷で行うことが好ましい。
上記樹脂の固化方法は、特に限定されず、溶剤揮発などの乾燥による固化、光重合(例えば、紫外線硬化型)による固化、電子線重合による固化、熱重合による固化などの方法で行うことができる。
尚、架橋部7は、樹脂成分を重ね塗りすることにより、2層以上で構成されていてもよく、更に、架橋部7の表面又は中間に、商品名などの所定の意匠表示層を印刷してもよい。
また、樹脂成分と共に着色剤が混合されている場合には、着色付きの架橋部7が形成されるが、この場合でも、架橋部7に、所定の意匠表示層を印刷してもよい。
架橋部7は、2つの貼付部5を繋いで1枚のタックラベル1を構成する部分であるため、衝撃などで不用意に破断しないような機械的強度が必要となる一方で、余りに強度が高すぎると架橋部7を指で分断することが困難となる。
このような観点から、架橋部7の強度は、引張強度2〜30MPa程度に形成されていることが好ましく、更に、引張強度5〜12MPa程度がより好ましい。
また、架橋部7は、引張伸度が50%以上が好ましく、更に100%以上のものがより好ましい。かかる引張伸度を有する架橋部7は、適度な柔軟性を有するので、落下や異物の接触などによって衝撃が加わったても架橋部が破断し難く、他方、包装体の角部に沿って追従変形でき、更に、爪などを立てることによって指で簡単に分断することができる。
但し、上記引張強度及び引張伸度は、JIS K 7127に準じた測定値をいい、具体的な測定手順は、下記実施例の欄で説明する通りである。
また、架橋部7の表面(表面に意匠印刷層が設けられている場合には、該層の表面)に、オーバーコートニスなどを適宜設けてもよい。
まず、フィルム片2を構成するフィルム原反の裏面に、所定間隔をあけて、開封済みの文字を表すようにシリコーン樹脂などを塗工することにより、複数の非接着部4を形成する。
このフィルム原反の裏面を、粘着層3がベタ状に塗工された離型紙8の該粘着層3上に貼り合わせ、粘着層3をフィルム原反に転写させる。
次に、この3層構造のシート原反の上から、個々の非接着部4を含む所定の平面形状にフィルム原反及び粘着層3を打ち抜いて、貼付部5となる部分以外の部分を取り除く。これにより、図2(a)に示すように、離型紙8上に複数の貼付部5が並んで仮添付されたタックラベル原反10を得ることができる。
次に、図2(b)に示すように、このタックラベル原反10の上から、隣合う一組の貼付部5,5の表面から該貼付部5,5の間に於ける離型紙8の表面にかけて、上記樹脂成分を含む塗工液11をシルクスクリーン版などを用いて塗工する(塗工範囲を薄墨塗りで示す)。次に、紫外線照射・乾燥などにより、樹脂成分を固化させることにより、一組の貼付部の間に塗工膜(架橋部7)が形成される。尚、架橋部7を多層の塗工膜で構成する場合には、前記塗工固化の工程を繰り返して行えばよい。
このようにして、図1に示すような離型紙8上に複数のタックラベル1が並んで仮添付されたシートを得ることができる。
従って、離型紙8から剥離し、再添付する必要がなく、上記タックラベル1を連続的に且つ簡易に製造することができる。
このように貼付されたタックラベル1を、不正行為者が包装体の角部14の稜線に沿って、架橋部7をカッターなどで切断したとしても、分断された架橋部7は、包装体に接着しないため、図4(a)に示すように、包装体から浮き上がる。従って、タックラベル1の分断部分が、外観上目立ち、不正開封の有無を一目で判別することができる。
特に、架橋部7全体が着色されている場合や架橋部7に意匠表示層が設けられている場合には、分断部分に於いて色彩や意匠表示が分かれるので、より視覚的に開封の有無を判別し易いという利点がある。
従って、本発明のタックラベル1は、不正開封防止用の封緘ラベルとして好適に使用できる。
特に、架橋部7には、貼付部5の内側縁に沿って長状段部71が形成されているので、手で架橋部7に対して力を加えると、図4(b)に示すように、貼付部5と架橋部7の境界(すなわち長状段部71)に応力が集中し、架橋部7は、横方向に確実に分断される。
上記実施形態では、架橋部7は、貼付部5の表面全体に設けられているが、例えば、図5(a)に示すように、貼付部5の表面の一部に設けられていてもよく、架橋部7は、2つの貼付部5を繋ぐように、少なくとも貼付部5の間に設けられていればよい。
また、図5(b)に示すように、架橋部7の縁部72が、貼付部5の外側縁から外方へ延出するように設けられていてもよい。このように架橋部7の縁部72が延出されている態様のタックラベル1は、被貼付体に貼付後これを引き剥がす際に、該架橋部7の縁部72を摘んでタックラベル1を剥離することができる。
また、貼付部5の平面形状は、矩形状に限られず、例えば、図6(b)に示すように、半円状などに形成されていてもよい。
このように上層膜73と下層膜74の収縮率又は膨張率が異なるように構成されていれば、不正行為者が、包装体の角部14の稜線に沿って、架橋部7をカッターなどで切断した際、分断された架橋部7は、図7(b)に示すように、上下層73,74の収縮差等により外側又は内側にカールする。従って、不正開封の有無を、外観でより確実に判別することができる。
尚、架橋部7を3層以上の多層塗工膜で構成する場合、上層から順に、収縮率又は膨張率が小さくなる又は大きくに形成すればよい。
すなわち、粘着層3と脆弱フィルムからなるフィルム片2によって貼付部5を構成することにより、タックラベル1を引き剥がそうとした際、破断し易い脆弱フィルムからなるフィルム片2は、無秩序に分断され、その一部が粘着層3と共に被貼付体の表面に残り、且つ一部が被貼付体から剥離するので、開封の有無を外観で判別できる。また、再度貼付しても、無秩序に分断された脆弱フィルムを元通りに戻すことはできない。
尚、上記破断時引張強度及び破断時伸び率は、JIS K 7127に準じ、15×200mmに形成した試験片を、23℃で、引張速度200mm/分、チャート速度200mm/分、チャック間距離10mmの条件下で測定算出した値である。
具体的には、フィルム片2は、線画によって所定の図柄を表すように、シート状の脆弱フィルムを切除することにより、幅の狭い細線部2a(例えば、幅0.1mm〜2mm)を含む穴開き状の脆弱フィルム21から構成されている。このような穴開き状の脆弱フィルムとしては、ミラクル工業社製のクリアカット(商品名)などが挙げられる。
本変形例に係るタックラベル1は、該穴開き状の脆弱フィルム21からなるフィルム片2の裏面に、粘着層3が設けられることによって貼付部5が構成され、且つ該貼付部5の間に架橋部7が設けられて構成されている。
尚、このような穴開き状の脆性フィルムを用いれば、剥離時に容易に分断されるため、破断時引張強度が50MPa以上及び/又は破断時伸び率が50%以上の脆弱フィルムを用いることも可能である。
詳しくは当該公報に記載の通りであるが、これを本願の構成に合わせて簡単に説明すると、離型紙(当該公報の「離型シート」に相当。以下、単にカギ括弧書きで記す)の表面に、粘着層(「接着剤」)を介して金属蒸着フィルム又は合成樹脂フィルムを貼着する。この粘着層やフィルムは、酢酸エチルなどの薬品に溶解しうる材質のものが用いられる。このフィルムの表面に、印刷版によって所望の文字、図形、記号、模様などの画線を印刷する。この印刷インキとしては、上記薬品で溶解しないものが用いられる。このように画線を形成した後、粘着層及びフィルムが溶解し且つ印刷インキが溶解しない薬品を、表面全体に投与する。これにより、画線が形成されていない部分に於ける粘着層及びフィルムは、溶解・消失する。このようにして、離型紙上に、粘着層を介して、穴開き状の脆性フィルムを得ることができる。
かかる製法によれば、非常に幅狭の細線部を含むデザインが表されてなる脆性フィルム21を作製できるので、不正行為者が、この脆性フィルム21と同じものを簡単に作製できず、偽造防止効果にも優れている。
尚、その他、貼付部5に設けられる剥離判別手段として、隠し印刷を施すなどしてもよい。
(実施例)
離型紙の上にアクリル系粘着剤がベタ状に塗工され、その粘着層の上に厚み50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(二軸延伸PET)が積層された3層構造の原反を準備し、該フィルム及び粘着層を打ち抜き、図9(a)に示すような寸法の貼付部を離型紙上に複数形成した。次に、隣合う2つの貼付部5’,5”の表面全体及び両貼付部5’,5”の間に、ポリウレタンアクリレートを樹脂成分として含むUVスクリーン印刷用インキ(帝国インキ製造(株)製、商品名:UV SPA−314 厚盛りクリヤー)を、スクリーン印刷法によって、乾燥厚みが70μmとなるように塗工した。
このようにして図9(b)に示すように、貼付部5’,5”の間に架橋部7が形成されたラベル1を作製した。
このラベルの架橋部7の引張強度及び引張伸度について、JIS K7127に準じ、図9(b)のように縦×横が15mm×20mmに形成されたラベルの両端部1a,1aをチャックで保持し(チャック間距離10mm)、23℃で、引張速度200mm/分、チャート速度200mm/分、の条件下で引張強度と架橋部の伸びを測定算出した。測定機器は、島津製作所社製、商品名:オートグラフ AG−500Nを使用した。
引張強度は、測定中の最大値を、引張伸度は、(架橋部が破断するまでの伸び)÷(架橋部の初期幅)×100で求めた。
次に、上記ラベルの架橋部が包装体の角部に跨るように貼付し、高さ1mの地点からコンクリート面に自然落下させたところ、ラベルは破断などを生じなかった。
そして、このラベルの架橋部を手で引張ったところ、架橋部を2つに分断することができた。
Claims (4)
- 包装体などの被貼付体に貼付可能な2つの貼付部が、間隔をあけて配置され、前記2つの貼付部の間に前記被貼付体に接着不能な葉状の架橋部が架け渡されており、
前記架橋部が、樹脂成分を塗工固化して得られた塗工膜からなることを特徴とするタックラベル。 - 前記架橋部が、引張伸度50%以上である請求項1記載のタックラベル。
- 前記架橋部が、樹脂成分を2層以上重ね塗りして得られた塗工膜からなり、該上層膜と下層膜の収縮率又は膨張率が異なる請求項1又は2記載のタックラベル。
- 離型紙の表面に、裏面に粘着層の設けられたフィルム片が間隔をあけて仮添付されており、隣合う2つのフィルム片の表面から両フィルム片の間に存する離型紙の表面にかけて、樹脂成分を含む液を塗工し、該樹脂成分を固化させることを特徴とするタックラベルの製造方法。
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