JP2008136862A - 貴金属装飾品の製造方法、及び貴金属装飾品 - Google Patents

貴金属装飾品の製造方法、及び貴金属装飾品 Download PDF

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Abstract

【課題】貴金属粘土状組成物の焼成体と、七宝の原材料や技術とを適宜に組み合わせることにより、簡易に且つ従来にない装飾性を備える貴金属装飾品の製造方法、及び貴金属装飾品を提供する。
【解決手段】本発明の貴金属装飾品(8F)の製造方法は、貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物を造形(造形体21)し、その表面に前記貴金属粉末の融点より軟化点が低い七宝用フリット22’を埋め込み、焼成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、貴金属粘土状組成物の焼成体と、七宝の原材料や技術とを適宜に組み合わせることにより、簡易に且つ従来にない装飾性を備える貴金属装飾品の製造方法、及び貴金属装飾品に関する。
従来、七宝は、素地に釉薬を盛りつけて、高温で焼成する焼きものであって、素地に金属を用いる点で、他の焼きものとは異なるが、その加工手段(技法)において、成熟した技術を有している。素地としては、銅、丹銅、銀などが一般に素地金属として用いられ、鋳造或いは各種の彫金用具を用いて素地板が形成され、釉薬としては、珪石、鉛丹、硝石などを基本成分とし、各種の色を作る金属化合物が加えられ、これらの釉薬を焼成して琺瑯層を形成するものである。
また、特許文献1には、貴金属粉末を含有する可塑性組成物を用いて造形し、これを焼成して得られた密度比が60〜95%である多孔質焼成体の表面に釉薬を塗布した後、焼成する方法が開示されている。
さらに、特許文献2には、貴金属粉末を含有する可塑性組成物を造形し、その表面にガラス組成物を付着し、これを焼成する製造方法が開示されている。
特許第3147697号公報 特許第3004038号公報
前記特許文献1の技術は、たしかに多孔質焼成体に釉薬を塗布して焼成すると、釉薬の焼成により形成された琺瑯層が強固に密着するものであった。
しかしながら、前記特許文献1には、多孔質焼成体の表面に釉薬を塗布している、即ちコーティング層を形成しているに過ぎないので、得られる焼成体は視覚的に興趣に富むものではなかった。
また、前記特許文献2でも、琺瑯層が強固に密着したものが得られ、短時間に製造することができるが、同様に、焼成する前の造形体の表面の一部にガラス組成物を塗布して焼成しているに過ぎないので、得られる焼成体は視覚的に興趣に富むものではなかった。
そこで、本発明は、貴金属粘土状組成物の焼成体と、七宝用材料や七宝釉薬技術とを適宜に組み合わせることにより、簡易に且つ従来にない装飾性を備える貴金属装飾品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、貴金属焼成体と七宝琺瑯部とが組み合わされた視覚的に興趣に富む装飾性を備えるように、七宝琺瑯層をコーティング層として用いない手法を見出し、本件発明に至った。
本発明の第1の発明は、貴金属粉末と七宝用釉薬とを含有する貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて造形した後、焼成することを特徴とする貴金属装飾品の製造方法に関するものである。
本発明の第2の発明は、前記貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて造形した部分と、異なる組成の貴金属−釉薬混合粘土状組成物又は貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物を用いて造形した部分とを、物理的に連結して組み合わせた状態で焼成することを特徴とする貴金属装飾品の製造方法に関するものである。
本発明の第3の発明は、貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物を用いて造形体を作成し、該造形体が可塑性を有しているうちに、その表面に前記貴金属粉末の融点より軟化点が低い七宝用フリットを埋め込んで焼成することを特徴とする貴金属複合焼成体の製造方法に関するものである。
本発明の第4の発明は、前記第1〜3の発明の何れか1つにより得られることを特徴とする貴金属装飾品に関するものである。
本発明の第1の発明は、貴金属粘土状組成物に七宝用釉薬を加えて混練した貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いるものであって、得られる貴金属焼成体は、有彩色の混じった貴金属色を有する従来にないものとなり、貴金属粉末と七宝用釉薬の混合比を調整するだけで、焼結後の見栄えが異なる貴金属装飾品が得られる。
また、この方法にて得られる貴金属装飾品は、貴金属焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の光沢や質感を有し、内部から表面に琺瑯が溶け出し貴金属焼結体と一体に馴染み、色合いにもよるがマーブル風のものも得られ、輝輝および色彩に富んだ装飾性に格段優れたものとなる。
本発明の第2の発明は、貴金属−釉薬混合状粘土組成物を、七宝用釉薬を配合しない貴金属粘土状組成物と組み合わせることにより、或いは複数種類の貴金属−釉薬混合粘土状組成物を組み合わせることにより、コントラストが際立って装飾性に優れた貴金属装飾品が得られる。
また、本発明の第3の発明は、貴金属粘土状組成物の造形体の表面に、造形体が可塑性を有しているうちに、前記貴金属粉末の融点より軟化点が低い七宝用フリットを埋め込んで焼成するものであって、貴金属焼成体の表面に埋め込んだ七宝用フリットがガラス質特有の光沢や質感を有し、フリットが溶け出し貴金属焼結体と一体に馴染み、輝輝および色彩に富んだ装飾性に格段優れたものとなる。
さらに、七宝用フリットとして、角張った七宝用フリットを用いても、焼成体の収縮並びに七宝用フリットの溶融により、七宝用フリットは丸みを帯び且つ平坦な表面となり、貴金属焼成体中に隙間なく埋め込まれたものとなり、製作に要する手間が著しく少ないものである。
本発明に用いる貴金属粘土状組成物は、貴金属粉末を含有するものであり、詳しくは貴金属粉末と有機系バインダとを混練してなるものであり、第1,2の発明に用いる貴金属−釉薬混合粘土状組成物は、前記の貴金属粘土状組成物に七宝用釉薬を含有させたものである。
前記貴金属粉末としては、Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os等の純貴金属粉、或いはこれらの元素の一種以上を主成分とする貴金属合金粉であって、特に限定するものではないが、平均粒径20μm以下の粒子で、最大で60.0μm程度、最小で0.3μm程度の粉末が好ましい。
前記有機系バインダとしては、特に限定するものではないが、少なくとも水溶性セルロース系樹脂、ブリティシュガム、キサンタンガム 、デキストリン、デキストラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、ポリエリレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、水溶性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性樹脂や、油性バインダから選択される一種以上を使用することが好ましい。
前記有機系バインダのうち、水溶性セルロース系樹脂及びブリティッシュガムは、可塑性を付与すると共に密着性を向上する作用を果たす。ポリエチレンオキサイドは、低濃度で高い粘性を与え、液状での接着性を向上する作用を果たす。グリセリンは、適度な保水性を与える。アルギン酸ナトリウムは、グリセリンと同様に適度な保水性を与えるが、密着向上作用にも寄与する。ポリアクリル酸エステル及びポリアクリル酸は、粘着性をより強固にする作用を果たす。前記油性バインダは、アクリル系樹脂などの高分子有機系結合材料が好ましく使用される。
有機系バインダとして、特に望ましくは、水を除いた固形分表示でデンプン0.02〜3.0wt%と水溶性セルロース系樹脂0.02〜3.0wt%を用いる。このうち水溶性セルロース系樹脂については、前述のように可塑性の付与、密着性を向上する作用を果たすが、デンプンは、銀粉末組成物を乾燥した時の乾燥強度を増大させる。しかし、有機系バインダとしてデンプンのみを用いると、造形時に生地割れが発生し易くなる。そこで水溶性セルロース系樹脂を併用することにより、これらの問題を解消できる。デンプンは、前記の通り粘土組成物中の水を除いた固形分表示で0.02〜3.0wt%を含有するのであるが、0.02wt%より少ないと、乾燥時の強度不足をまねき易くなる。また、3wt%を越えると、造形時、生地割れが発生し易くなる。また、収縮率も増大する。一方、水溶性セルロース系樹脂も前記の通り、水を除いた固形分表示で0.02〜3.0wt%を含有するのであり、0.02wt%より少ないと、可塑性を付与する効果が充分に発揮されない。3wt%を越えると、収縮率が増大する。このような水溶性セルロース系樹脂としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が用いられ、水に溶解して用いる。
上記デンプンや水溶性セルロース系樹脂から構成される有機系バインダの量としては、デンプンと水溶性セルロース系樹脂の合計量が0.1〜4wt%の範囲内であることが望ましい。有機系バインダの量が0.1より少ないと、形状保持が難しい。また、造形、乾燥後の強度が弱くなるといった不都合がある。有機系バインダの量が4wt%を越えると、収縮立が大きくなり、ひび割れが生じやすくなる。したがって、有機系バインダの量は0.1〜4wt%が適当である。
水は必要量加えるものとし、少なすぎると硬くなって造形難く、多すぎると形状が保てなくなる。この銀粉含有組成物は、水の含有量により、粘土状でもペースト状でもスラリー状にも調製できる。
焼結促進剤としてBi、Se、Sb、In、Sn、Zn粉末又はそれらの合金粉末を加えても良い。
さらに、密着性向上剤として炭酸鉛、炭酸リチウム、酸化亜鉛、リン酸、炭酸ナトリウム、酸化バナジウム、珪酸ナトリウム、リン酸塩等から選ばれる金属化合物粉末又はガラス粉末を加えても良い。
また、可塑性を改善する目的で、フェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子、グリセリン、ジグリセリン、イソプレングリコール、1・3ブチレングリコール、流動パラフィン、アルコール類、油脂、フタル酸、フタル酸−n−ジオクチル、フタル酸−n−ジブチル、ポリビニルアルコールを加え、必要に応じて界面活性剤、表面活性剤、粘着防止剤を加えても良い。
前記七宝用釉薬は、珪石(SiO2),鉛丹(Pb34),硝石(K2O)を主成分とし、Al23,B23,Na2O,ZnO,P25,P23,Sb23,Sb25,As25,V25,CaO,MgO,PbO,TiO2等のガラス原料物質を、単独で、或いは2種以上混合して用いることができる。また、金、クロム酸鉛、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化イリジウム、その他の金属酸化物等の着色顔料を添加することも可能である。中でも貴金属粉末の融点より軟化点が低い釉薬を用いることが望ましい。これらの釉薬の多くは約800℃で融解し、金属面に密着して発色する。発色の際のにごりを防ぐためには、釉薬の調製前に、釉薬を水洗いする必要がある。釉薬には、焼成後に透明、半透明、不透明となるものがあり、透明釉薬は「白スキ」「桃スキ」など末尾に「スキ(透)」の文字が付けられて市販されている。また、市販されている七宝用釉薬のうち、粗粒、中粒とは、50〜80メッシュのものを意味し、微粒とは80〜120メッシュのものを意味する。また、釉薬と同一成分である七宝用フリットはそれら以上の粒径のものを意味する。
第1の発明、第2の発明では、貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物に、前記七宝用釉薬を混合して用いるので、焼成された七宝琺瑯部は、焼成後の貴金属装飾品の表面に点在するものとなる。この七宝琺瑯部はガラス質特有の高反射性(高平滑性)を有するため、特に屋外等では貴金属焼成体とは異なる著しい光散乱性を示すものとなる。
第1の発明、第2の発明にて用いる貴金属−釉薬混合粘土状組成物における前記の各成分の添加割合は、貴金属粉末48〜98.9wt%、七宝用釉薬0.1〜35wt%と、有機系バインダ0.05〜4wt%と残部水を含有する組成が好適である。
前記好適な組成では、七宝用釉薬0.1〜35wt%であるが、より好ましくは0.5〜15wt%であり、七宝用釉薬の量が多すぎると、形成される貴金属被膜中の貴金属品位(貴金属含有量)が低下してしまう。
前記好適な組成では、貴金属粉末は48〜98.9wt% であるが、少なすぎると、焼結に支障を生じ、貴金属品位(貴金属含有量)も低下してしまい、多すぎると、他の成分の割合が少なくなって、七宝の色が発色しない。
前記好適な組成では、有機系バインダ0.05〜4wt%であるが、少なすぎると、混ぜ込みできなくなり、多すぎると、焼結に支障を生ずる。
第2の発明、第3の発明にて用いる貴金属粘土状組成物における前記の各成分の添加割合は、貴金属粉末75〜99wt%と、有機系バインダ0.1〜4wt%と残部水を含有する組成が好適である。尚、上記の範囲内において貴金属粉末の割合が高い場合には、粘土状の挙動を有するが、貴金属粉末の割合が低い場合には、粘度が低くなり、スラリー状或いはペースト状の挙動を有するが、本発明では共に“粘土状”と呼称する。
前記好適な組成では、貴金属粉末は75〜99wt%であるが、少なすぎると、収縮が大きくなり、焼結にも支障を生じ、多すぎると、その分、有機系バインダ及び水の割合が多くなって、造形に支障を生ずる。
第3の発明で用いる七宝用フリットは、前記貴金属粉末の融点より軟化点が低いものであって、ランダム形状をしている場合が多いが、七宝材料として各種の粒径のものが市販されている。例えばこの七宝用フリットとして、角張った材料を用いる場合にも、焼成体の収縮並びに七宝用フリットの溶融により、七宝用フリットは丸みを帯び且つ平坦な表面となり、貴金属焼成体中に隙間なく埋め込まれたものとなる。
また、七宝用フリットは、ガラス質特有の高反射性(高平滑性)を有するため、特に屋外等では著しい光散乱性を示す。
尚、この第3の発明では、貴金属粘土状組成物の造形体が可塑性を有しているうち、即ち可塑性を失わないうちに、その表面に七宝用フリットを埋め込んだ後、焼成する。
七宝用釉薬の取り扱いに際しては、公知の七宝技術、七宝用加工材料などを採用すればよく、例えば製品を焼成するに際しては、クラと呼ばれる支え台、金網を炉床板として用いてもよいし、七宝用釉薬を盛り付ける際には、筆やホセと呼ばれる竹べら等を用いて行うようにしてもよい。
[銀粉末]
平均粒径2.5μmの銀粉末50重量%、平均粒径20μmの銀粉末50重量%からなる銀混合粉末を用いた。
[有機系バインダと水との混合物]
表1に、使用した二種の有機系バインダと水との混合物の配合組成を示した。
[銀粘土造形用組成物]
前記銀粉末92重量%と前記有機系バインダと水との混合物A8重量%とを加えて十分に混練し、銀粘土造形用組成物とした。この組成物は、手やヘラにて所望のデザインに造形する。
[銀ペーストシリンジ射出用組成物]
前記銀粉末85重量%と前記有機系バインダと水との混合物B15重量%とを加えて十分に混練し、銀ペーストシリンジ射出用組成物とした。この組成物は、シリンジにて所望のデザインに押し出し射出する。
[七宝用釉薬]
ピュアホワイト(半透明白)
スカイブルー
バイオレット
[七宝用フリット]
数mmランダム粒径
[貴金属箔]
銀箔…厚み7〜10μm程度
焼き付け用プリント銀箔…厚み10μm程度
〔実施例1〕
図1(b)に示す貴金属装飾品8Bは、第1の発明の一実施例であって、前記貴金属粉末と前記七宝用釉薬ピュアホワイト1(水洗い済み、乾燥状態)とを3:1の割合で混合し、さらに前記有機系バインダと水との混合物Aを5重量%を加えて十分に混練し、貴金属−釉薬混合粘土状組成物とした。これを略棒状に成形し、乾燥した後、電気炉にてボードに不燃布を敷いた上に置き、800℃で10分焼成した。
得られた貴金属装飾品8Bは、銀に白色が混じった従来にない銀装飾品であった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
〔実施例2〕
図1(a)に示す貴金属装飾品8A、図1(c)に示す貴金属装飾品8C、図1(d)に示す貴金属装飾品8D、図1(e)に示す貴金属装飾品8Eは、それぞれ第2の発明の実施例である。
図1(a)に示す貴金属装飾品8Aは、前記貴金属粉末と前記七宝用釉薬スカイブルー(水洗い済み、乾燥状態)とを3:1の割合で混合し、さらに前記有機系バインダの水溶液Bを10重量%を加えて十分に混練したものを屈曲状11に成形し、釉薬スカイブルーを釉薬バイオレットに代えて同様に作製したものを棒状12に成形して絡み合わせ、乾燥した後、電気炉にてボードに不燃布を敷いた上に置き、800℃で10分焼成した。
得られた貴金属装飾品8Aは、有彩色が混じった貴金属色が二種組み合わされたものであり、従来にない銀七宝複合装飾品であった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
図1(c)に示す貴金属装飾品8Cは、前記図1(b)における貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて棒状14及びU字状15に成形し、七宝用釉薬を含まない前記銀ペーストシリンジ射出用組成物を用いてつる(蔓)状16に成形してそれぞれを絡み合わせ、乾燥した後、電気炉にてボードに不燃布を敷いた上に置き、800℃で10分焼成した。
得られた貴金属装飾品8Cは、有彩色が混じった貴金属色と、通常の貴金属色(銀色)が組み合わされたものであり、従来にない銀装飾品であった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
図1(d)に示す貴金属装飾品8Dは、前記図1(b)における貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて棒状17に成形し、七宝用釉薬を含まない前記銀ペーストシリンジ射出用組成物を用いて屈曲状18及びひも状13に成形してそれぞれを絡み合わせ、乾燥した後、電気炉にてボードに不燃布を敷いた上に置き、800℃で10分焼成した。
得られた貴金属装飾品8Dは、有彩色が混じった貴金属色と、通常の貴金属色(銀色)が組み合わされたものであり、従来にない銀装飾品であった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
図1(e)に示す貴金属装飾品8Eは、前記図1(b)における貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いてリング状19に成形し、七宝用釉薬を含まない前記銀ペーストシリンジ射出用組成物とを用いてリング状20に成形してそれぞれを絡み合わせ、乾燥した後、電気炉にてボードに不燃布を敷いた上に置き、800℃で10分焼成した。
得られた貴金属装飾品8Eは、有彩色が混じった貴金属色と通常の貴金属色(銀色)が組み合わされたものであり、従来にない銀装飾品であった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に点在する七宝琺瑯部がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
〔実施例3〕
図2(a)に示す貴金属装飾品8Fは、第3の発明の一実施例であって、前記銀粘土造形用組成物を板状21に造形し、その表面に前記七宝用フリット22’を図2(b)の如くランダムに埋め込み、乾燥後、電気炉にて800℃で10分焼成した。七宝用フリット22’としては数種類を用いたが、ピンク、赤系の七宝用フリットは焼成後(茶色へ)変色したが、クリア、ブルー、グリーン、黄、茶系は変色しなかった。
得られた貴金属装飾品8Fは、図2(c)の如く数種類の色の七宝用フリット22が表面に埋め込まれ、しかも埋め込んだ七宝用フリット22が丸みを帯びた、あたかもコテで擦りつけたように見える銀装飾品となった。この銀装飾品は、銀焼成体の表面に埋め込んだ七宝用フリット22がガラス質特有の高反射性を有し、特に屋外等では銀焼成体とは異なる著しい光散乱性を示した。
(a),(c)〜(e)第2の発明により得られた銀装飾品を示す斜視図、(b)第1の発明により得られた銀装飾品を示す斜視図である。 (a)第3の発明により得られた銀装飾品の一実施例を示す斜視図、(b)焼成前の七宝用フリットの状態を模式的に示す拡大断面図、(c)焼成後の七宝用フリットの状態を模式的に示す拡大断面図である。
符号の説明
8A〜8F 貴金属装飾品
21 造形体
22 七宝用フリット
22' 焼成以前の七宝用フリット

Claims (4)

  1. 貴金属粉末と七宝用釉薬とを含有する貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて造形した後、焼成することを特徴とする貴金属装飾品の製造方法。
  2. 上記貴金属−釉薬混合粘土状組成物を用いて造形した部分と、異なる組成の貴金属−釉薬混合粘土状組成物又は貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物を用いて造形した部分とを、物理的に連結して組み合わせた状態で焼成することを特徴とする請求項1に記載の貴金属装飾品の製造方法。
  3. 貴金属粉末を含有する貴金属粘土状組成物を用いて造形体を作成し、該造形体が可塑性を有しているうちに、その表面に前記貴金属粉末の融点より軟化点が低い七宝用フリットを埋め込んで焼成することを特徴とする貴金属装飾品の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法より得られることを特徴とする貴金属装飾品。
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