JP2008134574A - 電子写真捺染トナー及びこれを用いた電子写真捺染方法 - Google Patents

電子写真捺染トナー及びこれを用いた電子写真捺染方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電特性、分散性が良好で画像濃度が高く、風合の優れた電子写真捺染トナー及び該トナーを用いた電子写真捺染方法の提供。
【解決手段】染料からなる着色剤を樹脂中に分散させたトナー粒子を電子写真方式により布などの被捺染体に捺染する場合に、樹脂として、25℃の炭素数が10〜14(以下C10〜C14として表示する)のパラフィン系オイルにおける溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂A及びアルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂である樹脂Bを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式による捺染に用いるトナー及び該トナーを用いた電子写真捺染方法に関する。
捺染法は、糸、編織物、二次製品など色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。
しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができないこと、捺染していくうちに濃度が変化してしまうこと等の欠点があった。
これらの問題を解決するため、最近、電子写真方式を用いた捺染方法が開発されつつある。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるものである(例えば、特許文献6及び7参照)。しかし、この電子写真方式による捺染方法は乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くないこと、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣ること等の問題があった。
また、昇華染料を用いた液状トナーをイオン流により現像し、図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せて昇華熱転写する液状トナーを用いた電子写真方式による捺染法が提案されている。(例えば、特許文献8及び9参照)この方法は、肌触り等も自然で簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくいこと、耐洗濯性に劣る等の欠点があった。また、布の裏面までトナーが染込まず両面捺染する必要があった。加えて作業が煩雑で、布に転写後、不要になった紙(転写物)がムダになるなどの問題があった。
発色処理前の段階において通常の捺染と電子写真方式の捺染とで異なるのは、通常のスクリーン捺染等の場合は、染料が溶解した色糊の状態で布に付着しているのに対し、電子写真方式による捺染の場合は、染料が粒子の状態で布に付着していることである。このため、通常用いられる発色方法では布と反応染料の反応性が不十分で発色濃度など染着特性が低下するという問題があった。この問題を解消するために、染料が分散された粒子を形成する樹脂成分として、水溶性又はアルカリ可溶性樹脂を用いて、ソーピング処理により樹脂成分を除去できるようにすることが提案されている(例えば、特許文献10参照)。
ここで、体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液と、該担体液中に分散させたトナー粒子とからなり、該トナー粒子の粒径分布が条件:2.5×103≦R10×R90≦8.5×107及び4.8×10-2≦R10/R50+R50/R90(R10は小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)を、R50は小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)を、及びR90は小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)を表す)を同時に満足する捺染用電子写真液体現像剤、及びこの液体現像剤を用い電子写真方式により捺染布に直接捺染することを特徴とする捺染方法により、布類の裏面まで画像が写り、耐洗濯性が良く、画像濃度が高く、高解像の画像が得られる捺染用電子写真液体現像剤を提供すること、また、その液体現像剤を用いた、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせた、ムダのない捺染方法を提供することができる技術がある(例えば、特許文献11参照)。
特開平10−195776号公報 特許第2995135号公報 特開2003−96340号公報 特開平7−278482号公報 特開平8−226083号公報 特開平5−027474号公報 特開平5−033275号公報 特開平9−73198号公報 特開平10−239916号公報 特開2005−256220号公報 特開2002−251039号公報
しかし、この特許文献10記載の発明では、通常のソーピング処理で樹脂除去が可能であるが、水溶性樹脂を増やすことにより、帯電性が低下するため、水溶性樹脂含有量に限界があった。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、帯電特性、分散性が良好で画像濃度が高く、風合の優れた電子写真捺染トナー及び該トナーを用いた電子写真捺染方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、染料からなる着色剤を樹脂中に分散させたトナー粒子を、電子写真方式により被捺染材に捺染する電子写真捺染方法を用いる捺染トナーであって、前記樹脂として樹脂Aと樹脂Bを含有することを特徴とする電子写真捺染トナーとしたものである。但し、樹脂Aは、25℃のパラフィン系オイルにおける溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイルにおける溶解率が80〜100%である樹脂であり、樹脂Bは、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂である。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記樹脂AのGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000であることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記樹脂Aの割合が全樹脂量に対して50〜90%であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記染料量に対して前記樹脂Aの割合((樹脂A/染料)×100%)が50〜250%であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
前記トナー粒子の重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーによって感光体上の静電潜像を現像してトナー画像を形成した後、静電力及び転写ローラで圧力をかけることにより当該トナー画像を被捺染材に転写させることを特徴とする電子写真捺染方法としたものである。
また、請求項9の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーによって感光体上の静電潜像を現像してトナー画像を形成した後、静電力及び転写ローラで圧力をかけることにより当該トナー画像を被捺染材に転写させることを特徴とする電子写真捺染方法としたものである。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の電子写真捺染方法において、
前記2次転写前に、前記中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項8ないし10のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
前記感光体として、複数のカラーに対応する感光体をタンデム型に配置し、搬送ベルト上に貼り付けた被捺染材にカラートナー画像を転写して、被捺染材にカラー捺染することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項8ないし11のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
前記被捺染材に形成されたトナー画像を、アルカリ濃度0.1〜10%の水溶液でパッド・スチーム法により発色、固着処理することを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項8ないし12のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
前記トナー画像が形成された被捺染材を、温水洗浄によるソーピング処理と80〜100℃のパラフィン系オイルでの溶解処理により、当該被捺染材から樹脂成分を除去することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成を採用することによって、帯電特性、分散性が良好で画像濃度が高く、風合の優れた電子写真捺染トナー及び該トナーを用いた電子写真捺染方法の提供することができる。
本発明は、染料からなる着色剤を樹脂中に分散させたトナー粒子を電子写真方式により布などの被捺染体に捺染する電子写真捺染方法に用いる電子写真捺染トナー、及び該電子写真捺染トナーを用いた電子写真捺染方法によるものである。この場合に、前記樹脂として、25℃の炭素数が10〜14(以下C10〜C14として表示する)のパラフィン系オイルにおける溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂A及びアルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂である樹脂Bを含有することを特徴とする。
このような樹脂を用いることにより、樹脂除去性を向上させることができる。樹脂Aは、常温ではパラフィン系オイル溶媒に対する溶解性はないため、分散溶媒としてパラフィン系オイルを用いた場合でもトナー粒子は溶解せず、帯電性や現像特性にも影響を及ぼさない。しかし、電子写真法によりトナー画像を被捺染体に形成し、染着した後、80〜100℃のパラフィン系オイルに浸漬し樹脂成分を溶解させて除去することができる。
一方、樹脂Bは、含有量が多くなると帯電性に悪影響を及ぼすが、樹脂Aの30%以下であれば、問題ないレベルとなり、通常のソーピング処理で除去できる。
また、樹脂Aとして、GPC法で測定した数平均分子量が500〜20000の樹脂を用いた場合は、繊維に対する固着力、皮膜強度が弱く、また、水溶性の樹脂Bが含有されているため通常の温水を用いたソーピング(洗剤による洗浄)方法で80%程度まで樹脂成分を除去できる。更に80〜100℃のパラフィン系オイルによる樹脂溶解除去処理とを併用すれば93%以上の樹脂除去率となる。
図1は、本発明による電子写真捺染トナー1を使用して、電子写真方式で被捺染体にトナー画像を形成し、このトナー画像を被捺染体に染色するまでの工程を模式的に示した図である。図1(A)に示すように、本発明によるトナー1は、樹脂2中に染料3が分散された粒子状をなしており、このトナーを用いて、後述する電子写真法によって、布等の被捺染体4にトナー像5を染着させる(図1(B)参照)。その後、洗剤によって被捺染体4を洗浄(ソーピング)して樹脂成分2の一部を除去する。(図1(C)参照)さらに、被捺染体4を80〜100℃のパラフィン系オイル中に浸漬して、樹脂成分2をほぼ除去し、被捺染体4上に染料を被着させて染色を行う(図1(D)参照)。このような処理を行うことによって、容易かつ確実に、被捺染体4に捺染を行うことが可能となる。
25℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂Aとしては、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、低分子ポリエチレン樹脂、低分子ポリプロピレン樹脂などがある。
C10〜C14のパラフィンオイルとしては、C1022、C1124、C1226、C1328、C1430等で、これらの混合物、直線構造、分岐構造のものがある。具体的な商品名としては、エクソン化学社製のアイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、クリストールJ52、クリストールJ72、クリストールJ102、クリストールJ142、クリストールJ172、クリストールJ202、ピュアレックス7、ピュアレックス12、ピュアレレックス30、ピュアレックス90等がある。
なお、パラフィン系オイルにおける溶解率は以下の方法で求められる。
(1)パラフィン系オイル100gと樹脂20gを十分に攪拌、混合する。
(2)上記混合物を0.1μmのミリポアフィルターで加圧濾過する。
(3)フィルター上の残渣を計り取り、乾燥して重量Xを測定する。
(4)このようにして測定された重量Xから次式によって溶解率を算出する。
溶解率(%)=((20−X)/20)×100
この場合に、100℃で測定する場合は、フィルターや加圧濾過装置も同レベルの温度に加温しておく。
樹脂Bのアルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂としては、水溶性メラミン樹脂、水溶性ロジン変性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、コラーゲン、ゼラチン、デンプン、キトサン等がある。商品としては、クラレ社製ポバール(PVA)、イソバン(イソブチレン/マレイン酸樹脂)、ハリマ化成製ネオトール、ハリディプ(アルキッド樹脂、アクリル樹脂)、日本合成化学社製エコアティ(PVA)、ナガセケムテックス社製デコナール(エポキシ樹脂)、日本純薬社製ジュリアー(アクリル樹脂)、カブセン(ポリエステル樹脂)などが挙げられる。
液体中にトナー粒子を分散させたトナーの場合には、前記樹脂A、B以外に、分散安定性を高める分散樹脂を含有させることが好ましい。好ましい分散用樹脂としては、下記一般式(1)であらわされるビニルモノマーAと下記一般式(2)で表されるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種づつもしくは、数種の共重合体、グラフト共重合体があげられる。
Figure 2008134574
但し、R1はH又はCH3を、nは6〜20の整数を表す。
Figure 2008134574
但し、R1は、H又はCH3、R2は、H又は炭素数が1〜4のアルキル基を表す。
25℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%の樹脂Aの含有率は、全樹脂量の50〜90%の含有率であることが望ましい。更に望ましくは50〜70%が望ましい。50%よりも少ないと樹脂除去性が低下し、風合が悪くなる。また、90%より多いと分散樹脂の占める割合が少なくなり、分散安定性が低下する。
染料に対する当該樹脂の割合(%)((当該樹脂/染料)×100))は、50〜250%であることが望ましい。更には80〜120%が望ましい。50%よりも少ないとトナー粒子から染料が離脱し易くなり現像特性が低下する。また、250%よりも多いと着色力が低下し、濃度が低下する。
市販の粉体染料は、染料純度50重量%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性などに悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いる方が好ましい。純度が80重量%以上のものを用いると高品質の画像が得られるので好ましい。この場合に、染料の純度は次の溶解、再沈殿法で求められる。
(1)食塩、芒硝などの無機塩類を溶解せずに染料のみを溶解する溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)を用いて染料を抽出する。
(2)上記(1)で表される染料の溶解液に、該染料を溶解しない溶媒(アセトンなど)
を混合し染料を析出させる。
(3)(析出させた染料重量/初めの染料重量)×100(%)で純度を算出する。
本発明に使用できる染料としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等が用いられる。例えば、直接染料では、ダイレクトファーストイエローR、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等、酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等、カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等、分散染料では、ディスパースファーストイエロオオーG、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースレッドFB等、反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等があげられる。ポリエステル繊維には分散染料、アクリル繊維にはカチオン染料、綿繊維には反応染料、直接染料等、捺染する布に合わせて最適な染料を用いる必要がある。
本発明の液体捺染トナーに使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素などの飽和脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。イソパラフィン系炭化水素としては、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、エクソール100/140、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130(以上エクソンモービル、エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF96:1〜10000cst(信越シリコーン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコーン)などがある。
担体液の沸点は100〜350℃が望ましい。この範囲ならば、発色工程での問題がなく、高品質の画像が得られる。100℃未満では、転写前に溶媒が揮発し易く転写性向上の効果が低減したり、臭気、安全性、揮発溶媒蒸気の点で作業者にとって好ましくない。350℃を超えると、溶媒が揮発しにくく、発色工程で溶媒が除去できず発色特性に問題が生じる。350℃以下であれば、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
本発明においては、電子写真捺染トナーとして乾式捺染トナー及び液体捺染トナーのいずれも使用可能であるが、乾式捺染トナーの場合、体積平均粒径は3〜20μmが望ましく、3μm未満ではチリが生じ、20μmを超えると色彩、解像性が悪くなる。乾式捺染トナーの粒径は、コールターカウンター法により求める。コールターカンウター法は乾式捺染トナーの粒径測定で通常用いられる方法である。トナーを電解質溶液中に分散し、小孔の開いた隔壁の両側から電圧をかける。小孔から粒子体積分の電解質溶液が排除されるため、左右の電極間の電気抵抗が瞬間的に増し、電圧パルスを生じる。このパルス数と大きさから粒度分布を求める。
液体捺染トナーの場合、ζ電位の絶対値は10〜200mVが良好である。この範囲ならば高品質の画像が得られる。ζ電位が10mVよりも低いとトナー粒子が凝集したり、電気泳動性が低下して地汚れを生じたり、濃度が低下したりする。また、ζ電位が200mVよりも高いと感光体付着量が低下し濃度が低下する場合がある。
液体捺染トナーの重量平均粒径は0.1〜5μmが望ましい。この範囲ならば高品質の画像が得られる。0.1μm以下では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生し易くなる場合があり、5μm以上では色彩や解像性が悪くなる場合がある。
感光体に現像後、転写ローラで0.1〜3Kg/cm2の圧力をかけて転写すると、平滑性の悪い転写紙や布に対しても転写性が向上し、高濃度の画像を形成できる。
また、中間転写体を用いて転写する場合も、更に高い圧力が掛けられるため平滑性の悪い転写紙や布に対する転写性が向上する。しかし中間転写体を用いない場合よりも転写時の溶媒量が少なくなるため、捺染の場合は、2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付け、転写に必要な溶媒量を確保することが望ましい。これにより更に転写性が良好となる。吹き付け量は0.20〜0.70mg/cm2程度が良好である。
また、捺染の場合、濃度の向上のため、現像付着量を上げたり、現像後リバースローラの溶媒スクイズ量を少なくしたりすることにより、感光体上の現像液量を多くして布などへの溶媒染込み量を増やすと効果がある。
転写電圧は、直接布などに転写する場合は絶対値で1000〜7000V、中間転写を用いる場合は1次転写が100〜1000V、2次転写が300〜7000Vが望ましい。
本発明の捺染トナーを用い、電子写真方式で布などの被転写体に転写した画像を、アルカリ濃度0.1〜10モル%のパッド・スチーム法(蒸熱処理法)で発色処理することにより優れた染着性が得られる。
発色処理前の段階において染料が溶解した色糊として布などに付着している通常の反応性染料捺染インクの場合は、反応染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基が反応して共有結合を生成する。このため、アルカリショック法、コールドバッチ法など一般的な反応染料の発色固着処理で対応可能である(図5(A)参照)。これに対し、捺染トナーの場合は、図5(B)のように、染料3が溶媒に溶解しておらず粒子の状態で布などに付着していること、及び帯電性を制御する樹脂が染料の周囲に付着していることにより、通常の固着処理では染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基との反応性が不十分となり、十分な染着効果が得られない。
このような捺染トナーにおける問題点を改善するために、アルカリ濃度0.1〜10モル%の水溶液でパッド・スチーム法により発色処理を行うことで、電子写真捺染トナーを用いた場合においても通常の捺染インクと同等の染着特性を得ることができることを見出した。
アルカリ成分としてはナトリウム、カルシウム、バリウムなどの水酸化物や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどを、0.1〜10モル%の濃度の水溶液にしたものを用いる。これらの何れの材料でも効果は得られるが、特に炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)が好ましい。アルカリ水溶液濃度は0.1〜10モル%であることが必要である。好ましくは0.5〜5モル%、更に好ましくは0.5〜2モル%である。アルカリ濃度が0.1モル%よりも低い場合は反応性が低下し、アルカリ濃度が10モル%よりも高くなると綿布(セルロース)などとの反応前に染料自体の反応基が加水分解して、つぶれてしまう場合がある。
処理温度は80〜140℃、好ましくは95〜110℃である。処理温度が80℃よりも低い場合は樹脂や染料の溶解が不十分で反応性が低下する。処理温度が140℃よりも高い場合は布などとの反応前に染料反応基がつぶれてしまう場合がある。また温度だけでなく加熱蒸気を用いる蒸熱法で行うことが好ましい。
分散染料の場合は、昇華浸透しファンデルワールス力によりポリエステル布に染着するが、通常の捺染インクの場合でも染着処理前は分散状態で存在しているため、トナーの場合でも特に染着方法の不具合は生じない。通常のHP法、HT法で染着可能である。
次に、本発明による電子写真捺染方法で使用する画像形成装置の実施形態について説明する。図3は、本発明の電子写真捺染方法に用いる一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。帯電電圧付与部材11により、感光体10に電荷を与え、露光Lにより非画像部の電荷を消去して所望の静電潜像を形成する。感光体10はセレン感光体、有機感光体、アモルファスシリコン感光体が使用できる。感光体10の表面電位は、400〜1600Vの範囲が良好である。感光体10の電荷の残っている潜像を、現像ローラ12から供給される液体中に分散された捺染トナー粒子からなる液体捺染トナー13により現像し、リバースローラ14で余剰の液体捺染トナー13を除去し、転写チャージャーからなる転写電圧付与部材15aによりトナーの電荷と逆電荷の電圧を印加し、矢印Aの方向に搬送ベルト22で搬送される被捺染布16に感光体10上に形成されたトナー画像を転写させる。
現像ローラ12は感光体10と順方向に回転し、リバースローラ14は逆方向に回転させる。この場合に、感光体10に対する線速は、現像ローラ12が1.2〜6倍、リバースローラ14の線速は1.2〜4倍が効果的である。これにより高品質の画像が得られる。
現像ローラ12と感光体10のギャップは50〜250μm、リバースローラ14のギャップは30〜150μmが良好である。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
被捺染布16に転写されずに感光体10に残ったトナー13をクリーニングブレード17、クリーニングローラ18で除去後、感光体10を図示しない除電器で除電する。
なお、図3中、19は、被捺染布16に、溶媒を塗布、または噴霧する溶剤塗布、噴霧装置、20は、被捺染布16を分離する分離ローラである。
以上の画像形成装置を使用して、適切に、被捺染布16に、所望のトナー画像を形成することができる。
また、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に被捺染布にトナー画像を形成することができる。図4は、図3で示した転写電圧付与部材15aとして使用されたチャージャー方式からローラ方式の転写電圧付与部材15bを使用した例である。
このローラ方式による転写電圧付与部材15bを使用した場合には、チャージャー方式15aに比べ転写時の圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい被捺染布16の場合でも転写性が良好である。転写圧は0.1〜3Kg/cm2が良好である。
図5は、他の実施形態の画像形成装置の概略構成を示し、図4の装置に中間転写部材21を追加した例である。図4の装置よりもさらに高い転写圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい被捺染布16の場合でも転写性が良好である。一次転写圧は0.1〜3Kg/cm2、2次転写圧は0.1〜5Kg/cm2が良好である。しかし、中間転写部材21への一次転写時にトナー中の溶媒成分が少なくなり、中間転写部材21から被捺染布16への2次転写に必要な溶媒量が少なくなる場合があるため、2次転写前に中間転写部材21に溶媒を吹きかける工程を追加すると効果的である。なお、図中、15cはローラ方式の転写電圧付与部材である。
図6は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)、グリーン(G)、レッド(R)の各色に対応する感光体10Y、10M、10C、10BK、10G、10Rをタンデムに配置し、各感光体10Y、10M、10C、10BK、10G、10Rで各色のトナー画像を形成し、このカラートナー画像を、エンドレス状の搬送ベルト22上に貼り付けられて矢印B方向に搬送される被捺染布16上にフルカラー捺染を行う画像形成装置の一例である。この装置を使用することによって、高速で高品質のフルカラー捺染を行うことができる。なお、図6中、図3で示す構成と同一構成については、同一符号を付している。
電子写真乾式捺染トナー粒子は、着色剤、樹脂、帯電制御剤を混合し、ブスコニーダなどの混練機で混練後、粗粉砕、微粉砕し所定の粒径になるように粗紛、微紛を選別して適切に得ることができる。
電子写真液体捺染トナーは、上記捺染トナー粒子と担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散を行い濃縮トナーを調製し、これを本発明による前述の担持液中に分散させることにより容易かつ適切に得ることができる。
このように、電子写真方式により、捺染トナー画像を被捺染体に形成した後、前述のように、乾燥、蒸し工程、発色、洗浄工程、加工工程等の所要の工程を経て、被捺染体に所望の画像を捺染することが可能となる。例えば、分散染料を用いた捺染では、乾燥、蒸し工程において130℃で高圧染着するHP法や190℃の高温で染着するHT法が通常用いられる。染着後、アルカリ、界面活性剤等によるソーピングで樹脂分を除去、洗浄する。従来の有版捺染の場合は、被捺染布に過剰な捺染インクが付着しているため、ソーピング、洗浄工程で廃液が多くなり、環境上問題も大きかった。また、インクジェット捺染のばあいは、事前に被捺染布に前処理を行っておく必要があり、布前処理工程に時間がかかったり、経時で布が変色したりする問題があった。これに対し本発明は、必要十分な染料をダイレクトに被捺染布に捺染を行うため、捺染工程が簡便になるだけでなく、環境上にも大きな利点がある。
図3〜図6の装置において転写される被捺染布の搬送は、布の伸びやしわなどの変形が起こらないように工夫する必要がある。本発明に適した被捺染布の搬送方法は、搬送ベルト上に被捺染布を貼り付けて搬送する方式である。被捺染布の貼り付けは、搬送ベルト上に感圧接着剤等を予め塗布することで行うことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、捺染対象(被捺染体)には、反応染料トナー場合は、太さが40番手の200本ブロード(縦糸120本/インチ、横糸80本/インチ)綿布を、分散染料トナーの場合は、ポリエステルサテン布を紙に貼り付けて用いた。また、実施例及び比較例における「部」は全て「重量部」であり、共重合体のモノマーの混合比は重量比である。
(実施例1)
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
・分散染料(SumikaronRed E−FBL)(住友化学社製)(純度50%)40部とポリエチレン樹脂(A−C629)(ハネウエル社製)40部とポバール(PVA)(クラレ)8部を溶融混練粉砕したもの 88部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの20重量%溶液 100部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
(実施例2)
下記の材料をブスコニーダで混練、冷却後、パルペライザーで粗粉砕しジェットミルで粉砕後分級し外添剤としてシリカを3部添加し乾式捺染トナーを得た。このトナーを用いて、リコー乾式プリンタImagioで捺染を行った。
分散染料(KayalonPolyesterTurquoiseBlueGL−S)(精製処理純度90%)(日本化薬社製)25部とポリエチレン樹脂(210P)(三井化学社製)40部とカブセン(ナガセケムテックス)10部を溶融混練粉砕したもの
75部
・荷電制御剤(サリチル酸誘導体の金属錯体) 2部
(実施例3)
下記の材料をボールミルに入れて24時間分散後、更にアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図4の装置で電子写真捺染を行った。
・反応染料(CibacronTurquoiseBlueFGF−P)(精製処理純度85%)(チバケミカル社製)60部とポリエチレン樹脂(171P)(三洋化成社製)30部とアルギン酸ソーダ8部を溶融混練粉砕したもの 98部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの30重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
(実施例4)
実施例1の分散染料(SumikaronRed E−FBL)(純度50重量%品)を純度90重量%に精製して用いた点以外は、実施例1と同様にして濃縮捺染トナーを作成した。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図4の装置で電子写真捺染を行った。
(実施例5)
実施例3の分散媒をアイソパーHからシリコーンオイル(KF−96 2cst)に変えた点以外は、実施例2と同様にして濃縮捺染トナーを作成した。この濃縮捺染トナー100gとシリコーンオイル(KF−96 2cst)1Lを混合した現像剤により図4の装置で電子写真捺染を行った。
(実施例6)
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーM 1Lを混合した現像剤を用いて、図4の装置で電子写真捺染を行った。
・分散染料(FS−Red1339)(純度98%)22部とエチレン酢ビ樹脂(EV150)(三井デュポンポリケミカル社製)40部とハリディブ(ハリマ化成)6部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの35重量%溶液 120部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
(実施例7)
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にアイソパーHを350
部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとエクソールD30 1Lを混合した現像剤を用いて、図4の装置で電子写真捺染を行った。
・反応染料(RemazolBlackB)(純度97%に精製処理したもの)30部とロジン変性マレイン酸樹脂(MRG−H)(日立化成社製)30部とアルギン酸ソーダ8部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの20重量%溶液 50部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
(実施例8)
下記の材料をボールミルに入れて36時間分散後、更にアイソパーHを280部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図4の装置で電子写真捺染を行った。
・反応染料(CibacronBlack FBG−A)(純度70%に精製処理したもの)50部とポリエチレン樹脂(420P)(三井化学社製)25部とカブセン(ナガセケムテックス)5部を溶融混練粉砕したもの 80部
・ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの15重量%溶液 30部
・アイソパーH 170部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
(実施例9)
実施例3の濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像
剤を用いて、中間転写体を取り付けた図5の装置で電子写真捺染を行った。
(実施例10)
2次転写前にアイソパーHを0.3mg/cm2吹き付けた点以外は、実施例9と同様
にして電子写真捺染を行った。
(比較例1)
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にアイソパーHを300部加え、1
時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
分散染料(SumikaronRed E−FBL)(住友化学社製)(純度50%)40部とエポキシ樹脂(エピコート1002)(ジャパンエポキシレジン社製)35部を溶融混練粉砕したもの 85部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの20重量%溶液 100部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
(比較例2)
反応染料(CibacronTurquoiseBlueFGF−P)(精製処理純度55%)(チバケミカル社製)45部と石油樹脂(ピコテックスLC)(ハーキュレス社製)50部を溶融混練粉砕したもの 95部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーHの30重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
被捺染体としてポリエステル布を用いた実施例1、2、4、5、6、9、10及び比較例1は、捺染布に190℃で30分蒸熱処理を行い、炭酸ナトリウム2g/L、ハイドロサルファイト2g/Lの80℃温水で20分処理を行い、更にその後、100℃のクリストールJ52で15分間攪拌洗浄を行い捺染サンプルを作成した。
被捺染体として綿布を用いた、実施例3、7、8及び比較例2は、捺染布に炭酸水素ナトリウム2重量%水溶液を塗布した後、100℃で15分間蒸熱処理を行い、1時間放置後水洗し、アニオン系界面活性剤2g/Lにより80℃で5分処理を行い、更にその後、100℃のアイソパーMで15分間攪拌洗浄を行い捺染サンプルを作成した。
その結果は図7の通りであった。図7の結果から明らかなとおり、本発明の電子写真捺染トナー及び電子写真捺染法により、帯電制御率、転写率、布濃度が高く、高解像で風合が良好な捺染布が得られた。
実施例4は染料純度を上げているため実施例1に比べ画像濃度が高い。実施例10は2次転写前に中間転写ローラ上の画像にアイソパーHを吹き付けているため実施例9に比べて転写率が上がり画像濃度が向上した。
また、比較例1の捺染トナーはソーピング性や溶解洗浄性が低く風合が悪かった。比較例2の捺染トナーは樹脂がトナー溶媒に溶解し易くトナー特性が低下し画像品質が悪かった。
なお、図7中、画像濃度はX−Riteにより測定、地汚れは地汚れ段階見本布により、5段階(5:最良、1:最悪)で評価した。風合は風合段階見本布により、5段階(5:布のみと同程度の柔らかさ、4:柔らかい、3:中程度、2:やや硬い、1:硬い)で評価した。重量平均粒径は島津製作所SA−CP3により、捺染トナーを積分球式濁度計で透過率15%程度になるまでアイソパーで希釈し、SA−CP3用セルに充填しACCEL480、MODE:CENT、3〜16チャンネルの条件で測定した。
ζ電位は大塚電子ELS−8000により、セル:低誘電率セル、電界:500V/cmの条件で、6回測定平均モードで測定した。解像性は、段階見本により、5段階(5:最良、1:最悪)で評価した。転写率はテープ剥離法による濃度から、 転写率=〔(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)〕×100%で算出した。
以上のように、本実施例による電子写真捺染トナー及びこれを使用した電子写真捺染方法によって、電特性、分散性が良好で画像濃度が高く染着性の優れた電子写真捺染トナー、及び該トナーを用いた電子写真捺染方法を提供できた。
また、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせた、ムダのない電子写真捺染方法を提供できた。更に、風合の良好な高品質の画像が得られる電子写真捺染トナーを提供でき、平滑性の悪い布への転写性が良好な電子写真捺染方法を提供できた。
本発明による電子写真捺染トナーを使用して、電子写真方式で被捺染体にトナー画像を形成し、このトナー画像を被捺染体に染色するまでの工程を示す模式図で、(A)は、トナー粒子の模式図、(B)は染着後の捺染体の模式図、(C)はソーピング後の捺染体の模式図、(D)は樹脂溶解除去後の捺染体の模式図である。 捺染インクと捺染トナーによる捺染状態を示す模式図で、(A)は捺染インクにより捺染された捺染体の模式図、(B)は捺染トナーにより捺染された捺染体の模式図である。 本発明による電子写真捺染方法で使用される一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明による電子写真捺染方法で使用される他の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明による電子写真捺染方法で使用される他の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明による電子写真捺染方法で使用される他の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明による実施例及び比較例の電子写真捺染トナーについての樹脂溶解率、画像濃度、地汚れ、風合、平均粒径、ζ電位、解像性、転写率の測定結果を示す表である。
符号の説明
1 トナー
2 樹脂
3 染料
4 被捺染体
10 感光体
11 帯電電圧付与剤
12 像ローラ
13 液体捺染トナー
14 リバースローラ
15a、15b、15c 転写電圧付与部材
16 被捺染布
17 クリーニングブレード
18 クリーニングローラ
19 溶媒塗布、噴霧装置
20 布分離ローラ
21 中間転写部材
22 搬送ベルト

Claims (13)

  1. 染料からなる着色剤を樹脂中に分散させたトナー粒子を、電子写真方式により被捺染材に捺染する電子写真捺染方法を用いる捺染トナーであって、前記樹脂として樹脂Aと樹脂Bを含有することを特徴とする電子写真捺染トナー。
    但し、樹脂Aは、25℃のパラフィン系オイルにおける溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィン系オイルにおける溶解率が80〜100%である樹脂であり、樹脂Bは、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂である。
  2. 請求項1記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記樹脂AのGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000であることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  3. 請求項1または2記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記樹脂Aの割合が全樹脂量に対して50〜90%であることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記染料量に対して前記樹脂Aの割合((樹脂A/染料)×100%)が50〜250%であることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーにおいて、
    前記トナー粒子の重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする電子写真捺染トナー。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーによって感光体上の静電潜像を現像してトナー画像を形成した後、静電力及び転写ローラで圧力をかけることにより当該トナー画像を被捺染材に転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の電子写真捺染トナーによって感光体上の静電潜像を現像してトナー画像を形成した後、中間転写体に当該トナー画像を1次転写し、さらに、当該トナー画像を被捺染材に2次転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  10. 請求項9記載の電子写真捺染方法において、
    前記2次転写前に、前記中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする電子写真捺染方法。
  11. 請求項8ないし10のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
    前記感光体として、複数のカラーに対応する感光体をタンデム型に配置し、搬送ベルト上に貼り付けた被捺染材にカラートナー画像を転写して、被捺染材にカラー捺染することを特徴とする電子写真捺染方法。
  12. 請求項8ないし11のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
    前記被捺染材に形成されたトナー画像を、アルカリ濃度0.1〜10%の水溶液でパッド・スチーム法により発色、固着処理することを特徴とする電子写真捺染方法。
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項記載の電子写真捺染方法において、
    前記トナー画像が形成された被捺染材を、温水洗浄によるソーピング処理と80〜100℃のパラフィン系オイルでの溶解処理により、当該被捺染材から樹脂成分を除去することを特徴とする電子写真捺染方法。
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