JP2008130377A - Led点灯回路およびそれを用いる照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明器具などに用いられるLED点灯回路において、多数のLEDからの光出力を均一化するとともに、その均一化のための消費電力を抑える。
【解決手段】DDコン35からLEDモジュール32への電流を電流検知抵抗R2によって検知し、比較回路37で基準電圧源38からの基準電圧Vrefと比較し、それに応じて制御回路36がDDコン35を制御することでLEDモジュール32へ流れる電流を一括して定電流制御し、さらに各LED負荷回路U1〜U3にはカレントミラー回路を構成する制御素子Q1〜Q3を直列に設けて光出力を均一化するとともに、その基準電流をLED負荷回路U1で作成して低消費電力とする。また、短絡検知回路42がLED負荷回路U1内での短絡を検知すると、バイパススイッチQ11を開成して電流制限回路42を挿入し、基準電流の増大による他のLED負荷回路U2,U3の輝度低下を防ぐ。
【選択図】図1
【解決手段】DDコン35からLEDモジュール32への電流を電流検知抵抗R2によって検知し、比較回路37で基準電圧源38からの基準電圧Vrefと比較し、それに応じて制御回路36がDDコン35を制御することでLEDモジュール32へ流れる電流を一括して定電流制御し、さらに各LED負荷回路U1〜U3にはカレントミラー回路を構成する制御素子Q1〜Q3を直列に設けて光出力を均一化するとともに、その基準電流をLED負荷回路U1で作成して低消費電力とする。また、短絡検知回路42がLED負荷回路U1内での短絡を検知すると、バイパススイッチQ11を開成して電流制限回路42を挿入し、基準電流の増大による他のLED負荷回路U2,U3の輝度低下を防ぐ。
【選択図】図1
Description
本発明は、LEDの点灯回路およびそれを用いる照明器具に関し、特に複数並列に設けられるLEDの電流を均等にするための手法に関する。
前記LED(発光ダイオード)を前記照明器具に用いる場合のように、必要な光出力を得るために多数のLEDを用いる場合、また少電流のLEDは効率が高く同じ光出力を得るにもチップを細分化する場合、それらを相互に直列に接続して点灯させるには、過大な電源電圧が必要になる。一方、前記多数のLEDを相互に並列に接続して点灯させると、過大な電流が必要になる。したがって、現実的には用途に応じた適当な直並列構成が採用される。しかしながら、青色LEDの場合、そのON電圧Vfは3〜3.5V程度で、ばらつきが大きく、前記直並列に組合わせると、相互に並列な各直列回路間の分流比に差が生じ易く、すなわち各直列回路間の明るさに差が生じ易いという問題がある。
詳しくは、LEDの光出力は通電電流値に依存するとされ、この観点からすれば、直列構成の場合は、個々のLEDのON電圧Vfにばらつきがあったとしても、通電電流値は同じであるので、個々のLEDの光出力ばらつきも小さい。これに対して、並列構成の場合は、直列構成のLEDのオン電圧Vfの和が異なれば、点灯回路(電源回路)の一括出力から各直列回路に流れる電流値は前記ON電圧Vfの低い回路に集中することになり、直列回路毎に光出力ばらつきは大きくなる。
図9は、典型的な従来技術のLED点灯回路1の構成を示すブロック図である。この従来技術は、特許文献1に示されたものである。このLED点灯回路1では、LED負荷を多数直列に接続したLED負荷回路u1〜u3を3回路並列に接続してLEDモジュール2が構成されている。そのLEDモジュール2には、商用電源3からの電圧Vacを、ノイズカット用のコンデンサc1から整流ブリッジ4にて直流化し、DC−DCコンバータ5を介して電圧変換した直流電圧VDCが与えられる。
DC−DCコンバータ5は、前記整流ブリッジ4の直流出力電圧をスイッチングするスイッチング素子q0と、前記のスイッチングによる励磁エネルギーを蓄積/放出するチョークコイルlと、前記チョークコイルlからの出力電流を整流・平滑化するダイオードdおよび平滑コンデンサc2と、前記スイッチング素子q0を流れる電流を電圧に変換して検知するための抵抗r1と、前記スイッチング素子q0のスイッチングを制御する制御回路6とを備えて構成される昇圧チョッパー回路から成る。
一方、各LED負荷回路u1〜u3には、それらを流れる通電電流値を相互に等しくするための定電流回路q1〜q3が各々直列に挿入されている。そして、前記定電流回路q1〜q3の印加電圧(負担電圧)は、比較回路7において、基準電圧源8からの基準電圧Vrefと比較され、比較結果が前記制御回路6に与えられており、制御回路6は、前記各定電流回路q1〜q3の印加電圧が直列LEDのON電圧Vfの総和よりも小さくなるように上記DC−DCコンバータ5の定電圧出力を制御する。これによって、各定電流回路q1〜q3での損失抑制が図られている。しかしながら、この従来技術では、前記LEDのON電圧Vfのばらつきが大きい程、全体の光出力レベルが変動し、定電流回路q1〜q3での損失も大きいなどの課題を有する。
図10は、他の従来技術のLED点灯回路11の構成を示すブロック図である。この従来技術は、特許文献2に示されたものである。このLED点灯回路11では、各LED負荷回路u1〜u3への総通電電流値を抵抗r2で電圧変換して検出し、比較器17において、その電圧を基準電圧Vrefと比較した結果が一定値になるように、PWM制御回路16を介してDC−DCコンバータ15を制御するように構成されている。DC−DCコンバータ15は、直流電源13からの電圧Vdcをスイッチング素子q0によってスイッチングしてトランスtの1次側に与え、2次側出力を整流平滑回路14にて整流・平滑化した直流電圧VDCを前記各LED負荷回路u1〜u3へ与えることで、電源側と負荷側とを絶縁する1石フライバックコンバータで構成されている。そして、このLED点灯回路11でも、各LED負荷回路u1〜u3に定電流回路d1〜d3がそれぞれ直列に設けられている。
図11は、前記定電流回路d1〜d3の具体例を示す電気回路図である。この定電流回路d1〜d3は、前記LED負荷回路u1〜u3に直列に接続されるトランジスタq11および抵抗r11と、前記トランジスタq11のコレクタ−ベース間を接続する抵抗r12と、前記トランジスタq11のベース−エミッタ間に介在されるツェナダイオードdzとを備えて構成される。そして、抵抗r11の電圧降下とトランジスタq11のベース−エミッタ間電圧Vbeとの和がツェナダイオードdzのツェナ電圧と略一致する条件で、トランジスタq11のコレクタ電流が定電流化される。
これによって、各LED負荷回路u1〜u3の電流は個々に定電流化され、しかもDC−DCコンバータ15の一括出力電流も上述のように定電流制御されるので、LEDのON電圧Vfのばらつきによる光出力のばらつきはかなり抑制できる。しかしながら、FETのソースホロワ回路から成る簡単な前記定電流回路q1〜q3に比べて、この定電流回路d1〜d3は、損失が大きいという問題がある。
そこで、本件発明者は、図12で示すようなLED点灯回路21を、特許文献3で提案した。その従来技術によれば、各LED負荷回路u1,u2と直列にトランジスタq21,q22および抵抗r21,r22をそれぞれ接続するとともに、前記トランジスタq21,q22とカレントミラー回路を構成するトランジスタq20を抵抗r23,r24,r20によって直流電源23の端子間に接続している。そして、直流電源23からの電圧VDCおよび抵抗r23,r24,r20などによって定まる基準電流がトランジスタq20に流れ、その基準電流にトランジスタq21,q22を流れる電流をバランスさせることで、光出力のばらつきを抑制するようになっている。なお、何れかの抵抗(この例ではr24)と並列に設けたバイパススイッチswによって該抵抗r24を短絡することで、前記基準電流を増加させ、光出力を増加させられるようにもなっている。
特開2002−8409号公報
特開2004−319583号公報
特開2004−39290号公報
上述のようなミラー回路による方法は、各LED負荷回路u1,u2間の電流のバランスを取るのに都合が良いものの、電源電圧VDCの変動によって基準電流が変動し、また前記基準電流を作成する抵抗r23,r24,r20およびトランジスタq20での損失が発生するという問題もある。
本発明の目的は、多数のLEDの光出力を、低損失で均一化することができるLED点灯回路およびそれを用いる照明器具を提供することである。
本発明のLED点灯回路は、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成して前記各LED負荷回路における通電電流値を連動させる制御素子であって、各LED負荷回路におけるLEDのON電圧の総和を含めて、LED電流による電圧降下が最も高いLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応するものがダイオード構造とされるそのような制御素子と、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路と直列に設けられ、該LED負荷回路内のLEDの短絡時における通電電流値を基準電流となるように維持する電流制限回路と、前記電流制限回路と並列に設けられるバイパススイッチと、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されないときには前記バイパススイッチを閉成し、短絡が検知されると前記バイパススイッチを開成させる短絡検知手段とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、それらの制御素子において、前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧Vfの総和を含めて、LED電流による電圧降下が最も高い回路を基準として、そのLED負荷回路に対応した制御素子をダイオード構造とし、制御端子を介して残余の回路の制御素子の通電電流値を連動させることで、各LED負荷回路間のバランスを取るようにする。具体的には、前記制御素子がトランジスタである場合には、制御端子であるベースと、コレクタとを短絡するとともに、ベースを共通に接続する。また、前記制御素子がMOS型トランジスタである場合には、制御端子であるゲートと、ドレインとを短絡するとともに、ゲートを共通に接続する。さらに、その基準電流回路となったLED負荷回路と直列に電流制限回路を設けるとともに、該電流制限回路に並列のバイパススイッチおよびそれを制御する短絡検知手段を設け、短絡検知手段が、常時は前記バイパススイッチを閉成しておき、短絡が検知されると前記バイパススイッチを開成させる。
したがって、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れようとしても、その短絡したLED分の電圧を挿入された電流制限回路が分担し、前記基準電流を一定に保持するので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
また、本発明のLED点灯回路では、前記短絡検知手段は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の端子間電圧の低下から前記短絡を検知する電圧検出手段およびその断線検知結果を保持するラッチ手段であることを特徴とする。
上記の構成によれば、電圧検出手段は、前記直流電源の出力電圧または制御素子と前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路との接続点の電圧低下から前記短絡を検知し、その短絡検知結果によって前記短絡検知手段がバイパススイッチを開成させて基準電流が復帰しても、それによって短絡検知が解消されないように、ラッチ手段がその状態を保持する。こうして短絡を確実に検知し、バイパススイッチの開成状態を保持することができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路では、前記短絡検知手段は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の通電電流値の増大と、残余の1または複数のLED負荷回路の通電電流値の減少との少なくとも一方から前記短絡を検知する電流検出手段およびその短絡検知結果を保持するラッチ手段であることを特徴とする。
上記の構成によれば、電流検出手段は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の通電電流値の増大と、残余の1または複数のLED負荷回路の通電電流値の減少との何れか1つ、またはそれらの組合わせから前記短絡を検知し、その短絡検知結果によって前記短絡検知手段がバイパススイッチを開成させて基準電流が復帰しても、それによって短絡検知が解消されないように、ラッチ手段がその状態を保持する。こうして短絡を確実に検知し、バイパススイッチの開成状態を保持することができる。
また、本発明のLED点灯回路は、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成する制御素子と、前記制御素子をダイオード接続に切換えることができる短絡手段と、前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子のみ前記ダイオード接続とする切換え制御手段と、前記切換え制御手段で選択されたLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、そのLED負荷回路に対応する制御素子の短絡手段を開放させ、残余のLED負荷回路に対応する制御素子の内の1つをダイオード接続に切換えさせる短絡検知回路とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、それらの制御素子において、何れかをダイオード構造として、その通電電流値を、残余の制御素子を介して他のLED負荷回路に連動させ、各LED負荷回路間のバランスを取るようにする。
そして、各LED負荷回路において、予め切換え制御手段が、LEDのON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を前記カレントミラーの基準電流回路とし、対応した制御素子を前記ダイオード接続としており、その基準電流回路となったLED負荷回路のLEDに短絡が検知されると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させる。
したがって、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させるので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路は、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成する制御素子と、前記制御素子をダイオード接続に切換えることができる短絡手段と、前記短絡手段によって前記制御素子がダイオード接続に切換わった状態で、前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧または通電電流値の少なくとも一方を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応答し、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または前記通電電流値が最も小さいLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子のみ前記ダイオード接続とする切換え制御手段と、前記切換え制御手段で選択されたLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、そのLED負荷回路に対応する制御素子の短絡手段を開放させ、残余のLED負荷回路に対応する制御素子の内の1つをダイオード接続に切換えさせる短絡検知手段とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、それらの制御素子において、何れかをダイオード構造として、その通電電流値を、残余の制御素子を介して他のLED負荷回路に連動させ、各LED負荷回路間のバランスを取るようにする。
そして、どのLED負荷回路を基準電流源として、対応する制御素子をダイオード構造とするかは、たとえば電源投入時において、切換え制御手段が一斉に各制御素子を、該制御素子が、トランジスタである場合には制御端子であるベースとコレクタとを短絡し、MOS型トランジスタである場合には制御端子であるゲートとドレインとを短絡することでダイオード構造としてみて、そのときの各LED負荷回路におけるLEDのON電圧または通電電流値の少なくとも一方を検出手段で検出し、その検出結果に応答して、前記切換え制御手段が、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または前記通電電流値が最も小さいLED負荷回路に対応した制御素子のみをONし、他の制御素子をOFFすることで行う。
さらにまた、その基準電流回路となったLED負荷回路のLEDに短絡が検知されると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させる。
したがって、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させるので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
また、本発明のLED点灯回路では、前記短絡検知手段は、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、前記残余のLED負荷回路の内で、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を再探索させ、その結果から前記ダイオード接続に切換える制御素子を選択させることを特徴とする。
上記の構成によれば、当初に基準電流回路に指定したLED負荷回路に短絡が生じても、以降、残されたLED負荷回路の中で基準電流回路を適切に選択してゆくことができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路では、前記直流電源は、DC−DCコンバータであり、前記各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器と、前記比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する制御手段とを備えて構成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、直流電源から前記各LED負荷回路への通電電流値を検出し、その検出結果に基づいて、前記通電電流値の総和が予め定める値となるように、フィードバックによって前記直流電源を定電流制御するので、定電圧制御に比べて、制御素子での損失が小さく、低損失化することができる。
また、本発明の照明器具は、前記のLED点灯回路を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、多数のLEDからの光出力を均一化することができるとともに、低損失で、LED短絡時における光出力の減少も小さい照明器具を実現することができる。
本発明のLED点灯回路は、以上のように、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、それらの制御素子において、前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧Vfの総和を含めて、LED電流による電圧降下が最も高い回路を基準として、そのLED負荷回路に対応した制御素子をダイオード構造とし、制御端子を介して残余の回路の制御素子の通電電流値を連動させることで、各LED負荷回路間のバランスを取るようにするとともに、その基準電流回路となったLED負荷回路と直列に電流制限回路を設けるとともに、該電流制限回路に並列のバイパススイッチおよびそれを制御する短絡検知手段を設け、短絡検知手段が、常時は前記バイパススイッチを閉成しておき、短絡が検知されると前記バイパススイッチを開成させる。
それゆえ、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れようとしても、その短絡したLED分の電圧を挿入された電流制限回路が分担し、前記基準電流を一定に保持するので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
また、本発明のLED点灯回路は、以上のように、前記短絡検知手段を、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の端子間電圧の低下から前記短絡を検知する電圧検出手段およびその断線検知結果を保持するラッチ手段で構成する。
それゆえ、短絡を検知し、その短絡検知結果によって前記短絡検知手段がバイパススイッチを開成させて基準電流が復帰しても、それによって短絡検知が解消されないように、ラッチ手段がその状態を保持するので、短絡を確実に検知し、バイパススイッチの開成状態を保持することができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路は、以上のように、前記短絡検知手段を、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の通電電流値の増大と、残余の1または複数のLED負荷回路の通電電流値の減少との少なくとも一方から前記短絡を検知する電流検出手段およびその短絡検知結果を保持するラッチ手段で構成する。
それゆえ、短絡を検知し、その短絡検知結果によって前記短絡検知手段がバイパススイッチを開成させて基準電流が復帰しても、それによって短絡検知が解消されないように、ラッチ手段がその状態を保持するので、短絡を確実に検知し、バイパススイッチの開成状態を保持することができる。
また、本発明のLED点灯回路は、以上のように、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、それらの制御素子において、何れかをダイオード構造として、その通電電流値を、残余の制御素子を介して他のLED負荷回路に連動させ、各LED負荷回路間のバランスを取るようにするとともに、各LED負荷回路において、予め切換え制御手段が、LEDのON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を前記カレントミラーの基準電流回路とし、対応した制御素子を前記ダイオード接続としており、その基準電流回路となったLED負荷回路のLEDに短絡が検知されると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させる。
それゆえ、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させるので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路は、以上のように、照明器具などに用いられるLED点灯回路において、1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うにあたって、前記各LED負荷回路に直列に、カレントミラー回路を構成する制御素子を設け、切換え制御手段が、一斉に各制御素子をダイオード構造としてみて、そのときの各LED負荷回路におけるLEDのON電圧または通電電流値の少なくとも一方を検出手段で検出し、その検出結果に応答して、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または前記通電電流値が最も小さいLED負荷回路に対応した制御素子のみをONし、他の制御素子をOFFするとともに、その基準電流回路となったLED負荷回路のLEDに短絡が検知されると、短絡検知手段が前記切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させる。
それゆえ、各LED負荷回路間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路には、ON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、その基準電流回路となるLED負荷回路のLEDに短絡が生じ、過剰な電流が流れると、短絡検知手段は、切換え制御手段に、基準電流回路を短絡の生じていない他のLED負荷回路の内の1つに変更させるので、他のLED負荷回路が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDからの光出力を、均一化することができる。
また、本発明のLED点灯回路は、以上のように、前記短絡検知手段は、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、前記残余のLED負荷回路の内で、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を再探索させ、その結果から前記ダイオード接続に切換える制御素子を選択させる。
それゆえ、当初に基準電流回路に指定したLED負荷回路に短絡が生じても、以降、残されたLED負荷回路の中で基準電流回路を適切に選択してゆくことができる。
さらにまた、本発明のLED点灯回路は、以上のように、前記直流電源を、DC−DCコンバータとし、前記各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器と、前記比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する制御手段とを備えて構成する。
それゆえ、直流電源から前記各LED負荷回路への通電電流値を検出し、その検出結果に基づいて、前記通電電流値の総和が予め定める値となるように、フィードバックによって前記直流電源を定電流制御するので、定電圧制御に比べて、制御素子での損失が小さく、低損失化することができる。
また、本発明の照明器具は、以上のように、前記のLED点灯回路を用いる。
それゆえ、多数のLEDからの光出力を均一化することができるとともに、低損失で、LED短絡時における光出力の減少も小さい照明器具を実現することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係るLED点灯回路31の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路31では、LEDD1を多数直列に接続したLED負荷回路U1〜U3を3回路並列に接続してLEDモジュール32が構成されている。各LED負荷回路U1〜U3における直列LED負荷の段数は任意であり、単一のLEDから構成されていてもよい。
図1は、本発明の実施の一形態に係るLED点灯回路31の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路31では、LEDD1を多数直列に接続したLED負荷回路U1〜U3を3回路並列に接続してLEDモジュール32が構成されている。各LED負荷回路U1〜U3における直列LED負荷の段数は任意であり、単一のLEDから構成されていてもよい。
各LED負荷回路U1〜U3は、LEDD1が共通の放熱板に搭載されてボンディングされ、波長変換用の蛍光体や光拡散用のレンズ等も取付けられて構成されている。このLEDモジュール32およびLED点灯回路31は、照明器具として用いられ、前記LED負荷としては青または紫外光を放出し、そのLED負荷からの光を前記蛍光体で波長変換して白色光として放射する。前記LED負荷回路U1〜U3の並列回路数も任意であり、たとえばRGBの3原色で発光させた光を合成するなどの白色光を得るための手法も任意である。
前記LEDモジュール32には、商用電源33からの電圧Vacを、ノイズカット用のコンデンサC1から整流ブリッジ34にて直流化し、DC−DCコンバータ35を介して電圧変換した直流電圧VDCが与えられる。DC−DCコンバータ35は、前記整流ブリッジ34の直流出力電圧をスイッチングするスイッチング素子Q0と、前記のスイッチングによる励磁エネルギーを蓄積/放出するチョークコイルLと、前記チョークコイルLからの出力電流を整流・平滑化するダイオードDおよび平滑コンデンサC2と、前記スイッチング素子Q0を流れる電流を電圧に変換して検知するための抵抗R1と、前記スイッチング素子Q0のスイッチングを制御する制御回路36とを備えて構成される昇圧チョッパー回路から成る。
そして直流電源であるそのDC−DCコンバータ35からLEDモジュール32へ流れる電流は、電流検知抵抗R2によって電圧値に変換されて、比較回路37において、基準電圧源38からの基準電圧Vrefと比較され、その比較結果が前記制御回路36にフィードバックされる。制御回路36は、前記抵抗R1,R2の検知結果に応答して、前記スイッチング素子Q0のスイッチング周波数やデューティを制御する。こうして、前記電圧VDCの定電圧制御およびLEDモジュール32へ流れる電流の定電流制御が行われるようになっている。
注目すべきは、本実施の形態では、各LED負荷回路U1〜U3には、それらを流れる通電電流値を相互に等しくするために、カレントミラー回路を構成する制御素子Q1〜Q3が直列に設けられており、それらの制御素子Q1〜Q3の内で、対応するLED負荷回路U1〜U3におけるLEDのON電圧Vfの総和を含めて、LED電流による電圧降下が最も高い回路(図1の例ではU1)を基準として、その回路における前記制御素子(図1の例ではQ1)をダイオード構造とし、制御端子を介して残余の回路(図1の例ではU2,U3)の制御素子(図1の例ではQ2,Q3)の通電電流値を連動させることで、各LED負荷回路U1〜U3間のバランスを取ることである。
具体的には、前記制御素子Q1〜Q3がこの図1のようにトランジスタである場合には、制御端子であるベースと、コレクタとを短絡するとともに、ベースを共通に接続する。また、前記制御素子がMOS型トランジスタである場合には、制御端子であるゲートと、ドレインとを短絡するとともに、ゲートを共通に接続する。
また注目すべきは、その基準電流回路となったLED負荷回路(図1の例ではU1)と直列に電流制限回路41を設けるとともに、その電流制限回路41と並列にバイパススイッチQ11を設け、またそのバイパススイッチQ11を制御する短絡検知回路42を設け、前記短絡検知回路42は、常時は前記バイパススイッチQ11を閉成しており、対応するLED負荷回路U1内の何れかのLED(図1では参照符号D10で示す)が短絡した場合に、該バイパススイッチQ11を開成して前記LED負荷回路U1に直列に電流制限回路41を挿入することである。
前記電流制限回路41は、抵抗、定電流回路、ツェナダイオード、およびツェナダイオードと抵抗との直列回路等、定電流を発生することができる素子または回路から構成されている。また、前記短絡検知回路42は、前記DC−DCコンバータ35からの直流電圧VDCを分圧する分圧抵抗R11,R12と、その分圧結果を予め定める基準電圧Vref1と比較する比較器43、プルアップ抵抗R13および基準電圧源44とを備えて構成される電圧検出回路45に、前記の比較結果を保持するラッチ回路46を備えて構成される。したがって、分圧電圧が前記基準電圧Vref1以上であるときには比較器43はハイレベルを出力し、ラッチ回路46は前記バイパススイッチQ11を閉成しており、短絡が生じて前記分圧電圧が前記基準電圧Vref1未満となると比較器43はローレベルを出力し、ラッチ回路46は前記バイパススイッチQ11を開成する。
このように構成することで、前記抵抗R2の検知結果による一括定電流制御によってDC−DCコンバータ35から各LED負荷回路U1〜U3への通電電流値の総和が一定となるように制御されるとともに、各LED負荷回路U1〜U3間の電流バランスはカレントミラー回路によって均等に制御されるので、多数のLEDD1からの光出力を、均一化することができる。また、前記カレントミラー回路の基準電流を作成する回路(図1の例ではQ1)には、LEDD1のON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路(図1の例ではU1)を用いているので、基準電流のみを作成する回路が不要で、その分の回路損失を無くすことができる。さらにまた、トランジスタなどの制御素子Q1〜Q3の1つをダイオード構造とするとともに、ミラー回路に構成するだけであるので、安価な構成で実現することができる。
たとえば、LED負荷回路の数を前記U1〜U3の3つとし、その各LED負荷回路U1〜U3を5段のLEDD1で構成し、前記ON電圧Vfのばらつきを±5%とするとき、前記抵抗R2の検知結果による一括定電流制御のみの場合、すなわち制御素子Q1〜Q3が設けられていない場合には、各LED負荷回路U1〜U3間の電流ばらつきは、17.5〜22.7mA(前記一括定電流制御の電流値は60mA)となるのに対して、前記制御素子Q1〜Q3を設け、前記のようにON電圧Vfの総和が最も高いLED負荷回路U1に対応した制御素子Q1を基準として他の制御素子Q2,Q3にミラー動作を行わせることで、電流ばらつきは、20.0〜20.1mAに抑えることができる。同様に、前記ON電圧Vfのばらつきを±10%とした場合には、一括定電流制御のみで15.2〜25.8mA、ミラー動作を行わせることで、20.0〜20.1mAとすることができる。
このLED点灯回路31の直流電源は、前述の図10で示すLED点灯回路と同様に、チョークコイルLを有するDC−DCコンバータ35であるけれども、図11で示すトランスtを有する絶縁型のDC−DCコンバータであってもよく、特にLEDモジュール32に対する直流電源は任意である。しかしながら、前記制御素子Q1〜Q3を用いるカレントミラー動作による定電流制御を行うにあたって、直流電源には、定電圧制御と、定電流制御とでは、定電流制御を用いる方が好ましい。
図2には、DC−DCコンバータ35が、上述のような抵抗R2の検知結果による定電流制御のみを行った場合と、前記図11で示すような電圧VDCの定電圧制御のみを行った場合とにおける前記制御素子Q1〜Q3による損失について、詳しく示す。また、図2には、前述の図11および図12で示す定電流回路d1〜d3を用いた場合において、定電流制御を行った場合と、定電圧制御を行った場合とにおける損失についても詳しく示す。試算の条件は、各LED負荷回路U1〜U3を流れる電流、すなわちLEDD1の定格電流を20mA、LEDD1のON電圧Vfを3.2V、そのばらつきを±10%、制御素子(トランジスタ)Q1〜Q3のhfeを100とする。
図2から明らかなように、本実施の形態のカレントミラー回路による電流バランス制御では、ON電圧Vfのばらつきが無い方が損失が小さいものの、ON電圧Vfのばらつきの有無に拘わらず、定電流制御の方が、定電圧制御に比べて、損失が小さいことが理解される。これに対して、前述の図11および図12で示す定電流回路d1〜d3を用いた電流バランス制御でも、ON電圧Vfのばらつきの有無に拘わらず、定電流制御の方が、定電圧制御に比べて、損失が小さいけれど、定電流制御では、総電流量が制限されているので、ON電圧Vfのばらつきが有っても無くても、損失が同じであることが理解される。したがって、本実施の形態のカレントミラー回路による電流バランス制御に対しては、定電流制御が好ましく、何れの条件でも、定電流回路d1〜d3を用いる場合に比べて、電流バランスを確保するにあたっての損失を大幅に削減できることが理解される。
上述の説明では、制御素子(トランジスタ)Q1〜Q3のエミッタ面積比、すなわち各LED負荷回路U1〜U3におけるLEDD1の定格電流は、各相互に等しかったけれども、相互に異なるように構成されてもよく、その場合、制御素子Q1〜Q3は、その異なる設定電流比を維持するように制御を行う。また、本発明におけるLEDD1には、有機EL(オーガニックLED)も適用可能である。
また、本実施の形態では、カレントミラー回路の基準電流を作成するLED負荷回路U1における何れかのLEDD10に短絡が生じ、過剰な電流が流れると、短絡検知回路42では、その短絡によるLED負荷回路U1の端子間電圧の低下(たとえば前記Vf分の3.5V程度の低下)を、前記直流電圧VDCの分圧抵抗R11,R12による分圧値から比較器43で検知し、バイパススイッチQ11を開成することで、前記短絡したLEDD10分の電圧を挿入された電流制限回路41が分担し、前記基準電流を一定に保持する。さらにまた、バイパススイッチQ11の開成によって前記直流電圧VDCが回復しても、該バイパススイッチQ11はラッチ回路46によって開成状態に保持される。こうして、基準電流を作成するLED負荷回路U1における何れかのLEDD10に短絡が生じても、短絡を確実に検知し、他のLED負荷回路U2,U3が暗くなったりすることなく、残された多数のLEDD1からの光出力を、均一化することができる。
前記短絡検知回路42による短絡検知の他の手法としては、図3で示すLED点灯回路31aにおける短絡検知回路42aのように、前記基準電流回路となるLED負荷回路U1と制御素子Q1との接続点、すなわち制御素子Q1のコレクタ電圧から検知が行われてもよく、この場合、前記分圧抵抗R11,R12に印加される電圧が、前記制御素子Q1分小さくなり、該分圧抵抗R11,R12での損失を低減することができる。
[実施の形態2]
図4および図5は、本発明の実施の他の形態に係るLED点灯回路51,51aの構成を示すブロック図である。これらのLED点灯回路51,51aにおいて、前述のLED点灯回路31,31aに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。前述のLED点灯回路31,31aでは、短絡検知を、カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1の端子間電圧の低下から行っていたけれども、注目すべきは、これらのLED点灯回路51,51aでは、短絡検知手段52は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1の通電電流値の増大(図4)と、残余の1または複数のLED負荷回路U2,U3の通電電流値の減少(図5)との少なくとも一方から短絡を検知することである。
図4および図5は、本発明の実施の他の形態に係るLED点灯回路51,51aの構成を示すブロック図である。これらのLED点灯回路51,51aにおいて、前述のLED点灯回路31,31aに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。前述のLED点灯回路31,31aでは、短絡検知を、カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1の端子間電圧の低下から行っていたけれども、注目すべきは、これらのLED点灯回路51,51aでは、短絡検知手段52は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1の通電電流値の増大(図4)と、残余の1または複数のLED負荷回路U2,U3の通電電流値の減少(図5)との少なくとも一方から短絡を検知することである。
具体的には、図4で示す短絡検知手段52では前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1に電流センサCS1が介在されており、図5で示す短絡検知手段52aでは、他のLED負荷回路U2,U3に電流センサCS2,CT3が介在されており、前記電流センサCS1〜CT3の検知結果に応答して、判別回路53,53aが短絡の有無を判別し、その判別した結果に応じて、前記ラッチ回路46を通して前記バイパススイッチ46が開閉制御される。
このように各LED負荷回路U1〜U3の通電電流値の変化から短絡の有無を判定するにあたって、何れか1つの回路から判定されてもよく、複数の回路の組合わせ、或いは総ての回路の組合わせから判定されてもよい。好ましくは、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路U1の電流センサCS1と、他のLED負荷回路U2,U3の電流センサCS2,CT3の内の少なくとも1つを組合わせることで、判定精度を高めることができる。このようにして、各LED負荷回路U1〜U3の通電電流値の変化からも短絡の有無を判定することができる。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施のさらに他の形態に係るLED点灯回路61の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路61において、前述のLED点灯回路31aに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、このLED点灯回路61では、各LED負荷回路U1〜U3に対応する制御素子Q1〜Q3には、該制御素子Q1〜Q3をダイオード接続に切換えることができる短絡スイッチSW1〜SW3が設けられ、またそれらの短絡スイッチSW1〜SW3を切換え制御する切換え制御回路62が設けられることである。
図6は、本発明の実施のさらに他の形態に係るLED点灯回路61の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路61において、前述のLED点灯回路31aに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、このLED点灯回路61では、各LED負荷回路U1〜U3に対応する制御素子Q1〜Q3には、該制御素子Q1〜Q3をダイオード接続に切換えることができる短絡スイッチSW1〜SW3が設けられ、またそれらの短絡スイッチSW1〜SW3を切換え制御する切換え制御回路62が設けられることである。
そして、前記切換え制御回路62は、当初は予め測定される前記各LED負荷回路U1〜U3におけるLEDD1のON電圧Vfが最も高いLED負荷回路(図6の例ではU1)または通電電流値が最も小さいLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子(図6の例ではQ1)の短絡スイッチ(図6の例ではSW1)のみONさせて前記ダイオード接続とし、残余のLED負荷回路(図6の例ではU2,U3)に対応した制御素子(図6の例ではQ2,Q3)の短絡スイッチ(図6の例ではSW2,SW3)はOFFさせており、前記短絡検知回路42aによって基準電流作成回路であるLED負荷回路U1内のLEDD10の短絡が検知されると、切換え制御回路62は、短絡スイッチSW1をOFFさせ、他の短絡スイッチSW2,SW3の内の1つをONさせて、制御素子Q2,Q3の内の1つをダイオード接続に切換える。
このように構成してもまた、省電力で各LED負荷回路U1〜U3間の電流バランスを確保し、多数のLEDD1からの光出力を均一化することができるとともに、基準電流回路となるLED負荷回路U1のLEDD10に短絡が生じても、他のLED負荷回路U2,U3が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDD1からの光出力を、均一化することができる。
一方、図7で示すLED点灯回路61aでは、各LED負荷回路U1〜U3に直列に電流検知抵抗R21〜R23が設けられており、その端子電圧の内、最も高い電圧をダイオードD21〜D23のOR回路によって取出し、比較器63において、基準電圧源64からの基準電圧Vref2と比較し、短絡を検知するようになっている。そして、切換え制御回路62aは、過剰な電流から現在の基準電流回路となるLED負荷回路で短絡を検知すると、短絡スイッチSW1〜SW3を切換え、その切換えた基準電流回路となるLED負荷回路で再び短絡が検知されると、前記短絡スイッチSW1〜SW3を切換える。その再切換えの際に、以前に選択して短絡が発生した基準電流回路を選択しないように、前記短絡スイッチSW1〜SW3は循環して切換えるようにしてもよく、また切換え制御回路62aが切換え履歴を記憶するようにしてもよい。
このように構成してもまた、省電力で各LED負荷回路U1〜U3間の電流バランスを確保し、多数のLEDD1からの光出力を均一化することができるとともに、基準電流回路となるLED負荷回路U1のLEDD10に短絡が生じても、他のLED負荷回路U2,U3が暗くなったりすることなく、短絡によっても残された多数のLEDD1からの光出力を、均一化することができる。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の他の形態に係るLED点灯回路71の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路71において、前述のLED点灯回路61に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、このLED点灯回路71では、制御マイコン73がアナログ/デジタル変換器74によって順次読取られた各LED負荷回路U1〜U3のON電圧Vfに応じて、切換え制御回路72を介して、各短絡スイッチSW1〜SW3を制御することである。
図8は、本発明の実施の他の形態に係るLED点灯回路71の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路71において、前述のLED点灯回路61に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、このLED点灯回路71では、制御マイコン73がアナログ/デジタル変換器74によって順次読取られた各LED負荷回路U1〜U3のON電圧Vfに応じて、切換え制御回路72を介して、各短絡スイッチSW1〜SW3を制御することである。
具体的には、制御マイコン73は、たとえば通電開始時などで各LED負荷回路U1〜U3に対応した制御素子Q1〜Q3の短絡スイッチSW1〜SW3を適宜ONさせて、該制御素子Q1〜Q3をダイオード構造として前記ON電圧Vfを順次読込み、その時点で前記ON電圧Vfが最も高いLED負荷回路(図8の例ではU1)が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子(図8の例ではQ1)の短絡スイッチ(図8の例ではSW1)のみをONさせて前記ダイオード接続とし、残余のLED負荷回路(図8の例ではU2,U3)に対応した制御素子(図8の例ではQ2,Q3)の短絡スイッチ(図8の例ではSW2,SW3)はOFFさせて、電流均等化動作を行わせる。
この状態で、制御マイコン73は、前記カレントミラーの基準電流回路としたLED負荷回路U1のON電圧Vfを、予め定めるサンプリング周期、たとえば数分毎に、アナログ/デジタル変換器74によって読込み、短絡検知動作を行う。そして、前記ON電圧Vfの低下から短絡が検知されると、制御マイコン73は、対応する短絡スイッチSW1をOFFするとともに、残余の短絡スイッチSW2,SW3を適宜ONさせて、対応する制御素子Q2,Q3をダイオード構造として前記ON電圧Vfを再び測定する。その測定の結果、ON電圧Vfが高いLED負荷回路、たとえばU2を前記カレントミラーの基準電流回路として、対応する短絡スイッチ、すなわちSW2をONさせるとともに、残余の短絡スイッチ、すなわちSW1,SW3をOFFさせる。
このように構成してもまた、省電力で各LED負荷回路U1〜U3間の電流バランスを確保し、多数のLEDD1からの光出力を均一化することができるとともに、当初に基準電流回路に指定したLED負荷回路U1のLEDD10に短絡が生じても、以降、残されたLED負荷回路U2,U3の中で、基準電流回路を適切に選択してゆくことができる。
31,31a,51,51a,61,61a,71 LED点灯回路
32 LEDモジュール
33 商用電源
34 整流ブリッジ
35 DC−DCコンバータ
36 制御回路
37 比較回路
38 基準電圧源
41 電流制限回路
42,42a,52,52a 短絡検知回路
43,63 比較器
44 基準電圧源
45 電圧検出回路
46 ラッチ回路
53,53a 判別回路
62,62a,72 切換え制御回路
73 制御マイコン
74 アナログ/デジタル変換器
C2 平滑コンデンサ
CS1〜CS3 電流センサ
D,D21〜23 ダイオード
D1,D10 LED
L チョークコイル
Q0 スイッチング素子
Q1〜Q3 制御素子
Q11 バイパススイッチ
R1,R2 抵抗
R11,R12 分圧抵抗
R13 プルアップ抵抗
R21〜R23 電流電圧変換抵抗
SW1〜SW3 短絡スイッチ
U1〜U3 LED負荷回路
32 LEDモジュール
33 商用電源
34 整流ブリッジ
35 DC−DCコンバータ
36 制御回路
37 比較回路
38 基準電圧源
41 電流制限回路
42,42a,52,52a 短絡検知回路
43,63 比較器
44 基準電圧源
45 電圧検出回路
46 ラッチ回路
53,53a 判別回路
62,62a,72 切換え制御回路
73 制御マイコン
74 アナログ/デジタル変換器
C2 平滑コンデンサ
CS1〜CS3 電流センサ
D,D21〜23 ダイオード
D1,D10 LED
L チョークコイル
Q0 スイッチング素子
Q1〜Q3 制御素子
Q11 バイパススイッチ
R1,R2 抵抗
R11,R12 分圧抵抗
R13 プルアップ抵抗
R21〜R23 電流電圧変換抵抗
SW1〜SW3 短絡スイッチ
U1〜U3 LED負荷回路
Claims (8)
- 1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、
前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成して前記各LED負荷回路における通電電流値を連動させる制御素子であって、各LED負荷回路におけるLEDのON電圧の総和を含めて、LED電流による電圧降下が最も高いLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応するものがダイオード構造とされるそのような制御素子と、
前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路と直列に設けられ、該LED負荷回路内のLEDの短絡時における通電電流値を基準電流となるように維持する電流制限回路と、
前記電流制限回路と並列に設けられるバイパススイッチと、
前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されないときには前記バイパススイッチを閉成し、短絡が検知されると前記バイパススイッチを開成させる短絡検知手段とを含むことを特徴とするLED点灯回路。 - 前記短絡検知手段は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の端子間電圧の低下から前記短絡を検知する電圧検出手段およびその短絡検知結果を保持するラッチ手段であることを特徴とする請求項1記載のLED点灯回路。
- 前記短絡検知手段は、前記カレントミラーの基準電流回路となるLED負荷回路の通電電流値の増大と、残余の1または複数のLED負荷回路の通電電流値の減少との少なくとも一方から前記短絡を検知する電流検出手段およびその短絡検知結果を保持するラッチ手段であることを特徴とする請求項1記載のLED点灯回路。
- 1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、
前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成する制御素子と、
前記制御素子をダイオード接続に切換えることができる短絡手段と、
前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子のみ前記ダイオード接続とする切換え制御手段と、
前記切換え制御手段で選択されたLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、そのLED負荷回路に対応する制御素子の短絡手段を開放させ、残余のLED負荷回路に対応する制御素子の内の1つをダイオード接続に切換えさせる短絡検知手段とを含むことを特徴とするLED点灯回路。 - 1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、
前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成する制御素子と、
前記制御素子をダイオード接続に切換えることができる短絡手段と、
前記短絡手段によって前記制御素子がダイオード接続に切換わった状態で、前記各LED負荷回路におけるLEDのON電圧または通電電流値の少なくとも一方を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応答し、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または前記通電電流値が最も小さいLED負荷回路が前記カレントミラーの基準電流回路となるように、対応した制御素子のみ前記ダイオード接続とする切換え制御手段と、
前記切換え制御手段で選択されたLED負荷回路内のLEDの短絡の有無を検知し、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、そのLED負荷回路に対応する制御素子の短絡手段を開放させ、残余のLED負荷回路に対応する制御素子の内の1つをダイオード接続に切換えさせる短絡検知手段とを含むことを特徴とするLED点灯回路。 - 前記短絡検知手段は、短絡が検知されると、前記切換え制御手段に、前記残余のLED負荷回路の内で、前記ON電圧が最も高いLED負荷回路または通電電流値が最も小さいLED負荷回路を再探索させ、その結果から前記ダイオード接続に切換える制御素子を選択させることを特徴とする請求項5記載のLED点灯回路。
- 前記直流電源は、DC−DCコンバータであり、
前記各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器と、
前記比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する制御手段とを備えて構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED点灯回路。 - 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のLED点灯回路を用いることを特徴とする照明器具。
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