JP2010212349A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の半導体レーザ素子を有する発光装置において、1つの半導体レーザ素子が短絡故障を起こしても、全体の光出力の低下を防止することができる発光装置を提供する。
【解決手段】互いに並列接続されたn個(nは2以上の整数)の半導体レーザ素子T1〜Tnとそれぞれ直列にn個のスイッチング素子S1〜Snが設けられ、n個のスイッチング素子S1〜Snとそれぞれ並列にn個の抵抗素子R1〜Rnが設けられる。第1番目のスイッチング素子S1は、半導体レーザ素子T1にかかる電圧が閾値以下の場合にオフ状態になる。第2番目以降のスイッチング素子Si(iは2以上n以下の整数)は、半導体レーザ素子Tiにかかる電圧が閾値を超え、かつ、抵抗素子Ri−1にかかる電圧が閾値を超えている場合にオン状態になる。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数の半導体レーザ素子が実装された発光装置に関する。
複数の半導体レーザ素子を1つのパッケージに実装して同時に駆動することによって、ワット級の光出力を得ることが可能となってきている。複数の素子を同時に駆動するために、単体の半導体レーザ素子を複数個並べて使用したり、あるいは、複数個の半導体レーザ素子が基板上に形成されたチップを分割せずにバー状態のままで使用したりする。
具体的には、800nm〜1000nm帯の発振波長でCW(連続波:continuous wave)動作を行なう半導体レーザ素子を用いた数十ワット級の発光装置が加工用、医療用などに実用化されている。この波長帯の半導体レーザは、GaAs(ガリウム砒素)基板上に形成され、活性層としてGaAs、InGaAs(インジウム・ガリウム・砒素)、InGaAsP(インジウム・ガリウム・砒素・リン)などを用いたものである。
また、半導体レーザ素子を光源として用いた照明装置の開発も行なわれている。この種の照明装置では、半導体レーザからのレーザ光で蛍光体を励起することによって照明光が得られる(たとえば、特開平7−282609号公報(特許文献1)参照)。実用的な照明装置を得るには数十ワット級の大出力の光源が必要となる。そこで、高効率のGaN(窒化ガリウム)系半導体レーザを光源とした白色照明装置の開発が進められている。
半導体レーザ装置を用いた照明装置の応用の1つとして、輝度を高くできるという特徴を活かして、自動車のヘッドライト用の光源としての利用が期待されている。ヘッドライトへの応用を考えた場合、照明光が突然消えたり、光強度が突然低下したりしないようにする必要がある。
ところが、半導体レーザは、ある程度の期間正常に動作していたものが突然劣化すること、いわゆる頓死することが知られている。半導体レーザは頓死により、p側とn側とが短絡する場合、開放する場合、および短絡も開放もしないが光らなくなる場合が存在する。半導体レーザをヘッドライトの光源として用いた場合には、このような半導体レーザの頓死によってヘッドライトが突然消えることがないようにしなくてはならない。たとえば、特開2006−128236号公報(特許文献2)には、半導体レーザ素子が短絡破壊した場合の対策が開示されている。
特開平7−282609号公報 特開2006−128236号公報
通常、複数個の半導体レーザ素子を使用してワット級の大出力を得る場合、それぞれの半導体レーザ素子は電気的には並列に接続される。たとえば、バー状態で実装する場合には、各半導体レーザ素子は基板上にエピタキシャル成長により形成されているため、基板の裏面に設けられる電極は全ての半導体レーザ素子に対して共通となり、各半導体レーザ素子は電気的には並列接続となる。
このように複数の半導体レーザ素子が並列接続されたとき、1つの素子が開放した場合、または1つの素子が短絡も開放もせず光らなくなった場合には、その素子が光らなくなるだけで、他の素子は光り続ける。したがって、全体として光強度は低下するものの、突然全ての光出力が消滅することはない。
一方、1つの半導体レーザ素子が短絡不良を起こすと、アレイ全体に供給される電流がその短絡した半導体レーザ素子に集中し、他の半導体レーザ素子には電流が供給されなくなる。この結果、他の半導体レーザ素子自体は良好に動作する能力があるにもかかわらず、結果として並列接続されている全ての半導体レーザ素子の発振が停止してしまう。したがって、半導体レーザ素子が短絡故障した場合の対策が重要である。
前述の特開2006−128236号公報(特許文献2)に開示された技術では、各半導体レーザ素子に配線された電流供給用ワイヤがヒューズの役割を果たすことによって上記の短絡故障の課題に対処している。すなわち、1つの半導体レーザ素子が短絡故障すると、短絡故障した半導体レーザ素子に過大な電流が流れるため電流供給用のワイヤが溶断する。この結果、短絡故障した半導体レーザ素子には電流供給されず、他の半導体レーザ素子は発振し続けることができる。
しかしながら、上記の公知技術の場合には半導体レーザの素子間隔が狭くなると、短絡時に切れたワイヤが隣の素子あるいはワイヤに接触するおそれがある。この結果、半導体レーザ装置の動作が不安定になってしまうという問題がある。また、発振する半導体レーザ素子の数が減ることで全体の光出力が低下したり、あるいは短絡した半導体レーザ素子を駆動していた電流が他の半導体レーザ素子に割り振られるため、他の半導体レーザ素子の負荷が大きくなり劣化しやすくなったりするなどの問題もある。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものである。この発明の目的は、複数の半導体レーザ素子を有する発光装置において、1つの半導体レーザ素子が短絡故障を起こしても、全体の光出力の著しい低下を防止することができる発光装置を提供することである。好ましくは、短絡故障した半導体レーザ素子の代わりに予備の半導体レーザ素子を発振させることにより光強度の低下を補償することが可能な発光装置を提供することである。
この発明は一局面において、n個(nは2以上の整数)の発光部を備えた発光装置である。n個の発光部の各々は、半導体レーザ素子と、スイッチ素子と、スイッチ制御部と、バイパス素子とを含む。n個の発光部の各々において、半導体レーザ素子は、n個の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の発光部の各々において、スイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合にスイッチ素子を非導通状態にする。また、n個の発光部の各々において、バイパス素子は、スイッチ素子と並列に接続される。そして、バイパス素子は、半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する。n個の発光部にそれぞれ属する複数の半導体レーザ素子は、第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる。
好ましい実施の一形態において、n個の発光部に第1番から第n番まで番号を付したとき、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部に属するスイッチ制御部は、第i−1番目の発光部に属するスイッチ素子の両端にかかる電圧をさらに検出する。このとき、第i番目の発光部に属するスイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態である場合に加えて、さらに、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属するスイッ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値以下の場合にもスイッチ素子を非導通状態にする。さらに、第i番目の発光部に属するスイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属するスイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値を超える場合にスイッチ素子を導通状態にする。
好ましい実施の他の形態において、n個の発光部に第1番から第n番まで番号を付したとき、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部に属するスイッチ制御部は、第i−1番目の発光部に属する半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超えるか否かをさらに検出する。このとき、第i番目の発光部に属するスイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態である場合に加えて、さらに、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超える場合にもスイッチ素子を非導通状態にする。さらに、第i番目の発光部に属するスイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下の場合にスイッチ素子を導通状態にする。
上記の好ましい実施の一形態および他の形態において、n個の発光部にそれぞれ属するn個の半導体レーザ素子は、番号の順に一列に配設される。
また、好ましい実施のさらに他の形態では、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合にスイッチ素子を導通状態にする。
また、この発明の一局面において好ましくは、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、半導体レーザ素子の両端にかかる電圧が第3の閾値以下であることを検出することによって、半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する。
また、好ましくは、バイパス素子は、抵抗体によって構成される。
また、好ましくは、n個の発光部にそれぞれ属するn個の半導体レーザ素子は、共通の基板上に一列に並んで形成され、各々が、活性層、活性層よりも基板に近接する側に設けられた第1のクラッド層、および活性層よりも基板から離反する側に設けられた第2のクラッド層を含む。このとき、第1のクラッド層および活性層は、n個の半導体レーザ素子間で一体化される。一方、第2のクラッド層は、n個の半導体レーザ素子間で相互に分離される。
この発明は他の局面において、n個(nは1以上の整数)の第1の発光部と、n個の第1の発光部にそれぞれ対応するn個の第2の発光部とを備えた発光装置である。ここで、n個の第1の発光部の各々は、第1の半導体レーザ素子と、第1のスイッチ素子と、第1のスイッチ制御部と、第1のバイパス素子とを含む。n個の第1の発光部の各々において、第1の半導体レーザ素子は、n個の第1および第2の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の第1の発光部の各々において、第1のスイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の第1の発光部の各々において、第1のスイッチ制御部は、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に第1のスイッチ素子を非導通状態にし、第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に第1のスイッチ素子を導通状態にする。また、n個の第1の発光部の各々において、第1のバイパス素子は、第1のスイッチ素子と並列に接続される。そして、n個の第1の発光部の各々において、第1のバイパス素子は、第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する。また、n個の第2の発光部の各々は、第2の半導体レーザ素子と、第2のスイッチ素子と、第2のスイッチ制御部とを含む。n個の第2の発光部の各々において、第2の半導体レーザ素子は、第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で第2の半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧を検出し、検出した電圧が第1の閾値以下の場合に第2のスイッチ素子を非導通状態にする。n個の第1の発光部にそれぞれ属する複数の第1の半導体レーザ素子およびn個の第2の発光部にそれぞれ属する複数の第2の半導体レーザ素子は、第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる。
好ましい実施の一形態では、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、第2の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かをさらに検出する。そして、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値以下の場合に加えて、さらに、対応する第1の発光部に属する第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値を超えた場合であり、かつ、第2の半導体レーザ素子が短絡状態である場合にも第2のスイッチ素子を非導通状態にする。さらに、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値を超えた場合であり、かつ、第2の半導体レーザ素子が短絡状態でない場合に第2のスイッチ素子を導通状態にする。さらにまた、n個の第2の発光部の各々は、第2のスイッチ素子と並列に接続された第2のバイパス素子をさらに含む。ここで、n個の第2の発光部の各々において、第2のバイパス素子は、第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する。
また、好ましい実施の他の形態では、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値を超えた場合に第2のスイッチ素子を導通状態にする。
この発明はさらに他の局面において、n個(nは1以上の整数)の第1の発光部と、n個の第1の発光部にそれぞれ対応するn個の第2の発光部とを備えた発光装置である。ここで、n個の第1の発光部の各々は、第1の半導体レーザ素子と、第1のスイッチ素子と、第1のスイッチ制御部と、第1のバイパス素子とを含む。n個の第1の発光部の各々において、第1の半導体レーザ素子は、n個の第1および第2の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の第1の発光部の各々において、第1のスイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の第1の発光部の各々において、第1のスイッチ制御部は、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に第1のスイッチ素子を導通状態にし、第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に第1のスイッチ素子を導通状態にする。また、n個の第1の発光部の各々において、第1のバイパス素子は、第1のスイッチ素子と並列に接続される。そして、n個の第1の発光部の各々において、第1のバイパス素子は、第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する。また、n個の第2の発光部の各々は、第2の半導体レーザ素子と、第2のスイッチ素子と、第2のスイッチ制御部とを含む。n個の第2の発光部の各々において、第2の半導体レーザ素子は、第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で第2の半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超えるか否かを検出し、出力光の強度が第2の閾値を超えた場合に第2のスイッチ素子を非導通状態にする。n個の第1の発光部にそれぞれ属する複数の第1の半導体レーザ素子およびn個の第2の発光部にそれぞれ属する複数の第2の半導体レーザ素子は、第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる。
好ましい実施の一形態では、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、第2の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かをさらに検出する。そして、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超えた場合に加えて、さらに、対応する第1の発光部に属する第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下の場合であり、かつ、第2の半導体レーザ素子が短絡状態である場合にも第2のスイッチ素子を非導通状態にする。また、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下の場合であり、かつ、第2の半導体レーザ素子が短絡状態でない場合に第2のスイッチ素子を導通状態にする。また、n個の第2の発光部の各々は、第2のスイッチ素子と並列に接続された第2のバイパス素子をさらに含む。n個の第2の発光部の各々において、第2のバイパス素子は、第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する。
また、好ましい実施の他の形態では、n個の第2の発光部の各々において、第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下の場合に第2のスイッチ素子を導通状態にする。
上記の好ましい他の局面およびさらに他の局面において、n個の第1の発光部にそれぞれ属するn個の第1の半導体レーザ素子と、n個の第2の発光部にそれぞれ属するn個の第2の半導体レーザ素子とは、一方向に沿って互いに交互に配設される。
この発明はさらに他の局面において、n個(nは1以上の整数)の発光部を備えた発光装置である。n個の発光部の各々は、第1の半導体レーザ素子と、スイッチ素子と、スイッチ制御部と、第2の半導体レーザ素子とを含む。n個の発光部の各々において、第1の半導体レーザ素子は、n個の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられる。n個の発光部の各々において、スイッチ素子は、第1および第2の電源ノード間で第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続される。また、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合にスイッチ素子を非導通状態にし、第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合にスイッチ素子を導通状態にする。第2の半導体レーザ素子は、スイッチ素子と並列に接続される。n個の発光部にそれぞれ属する複数の第1の半導体レーザ素子は、第1および第2の電源ノード間で互いに並列に設けられる。
好ましくは、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、第1の半導体レーザ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値以下であることを検出することによって、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する。
もしくは、好ましくは、n個の発光部の各々において、スイッチ制御部は、第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下であることを検出することによって、第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する。
この発明の上記の各局面において、好ましくは、発光装置は、第1および第2の電源ノード間に流す駆動電流を供給するための電源部をさらに備える。電源部は、駆動電流の供給を開始するときに、第1の電流量で駆動電流を出力した後に、第1の電流量よりも大きい第2の電流量で駆動電流を出力する。
この発明はさらに他の局面において、互いに並列に設けられたp個(pは3以上の整数)の半導体レーザ素子と、制御電源部とを備えた発光装置である。制御電源部は、p個の半導体レーザ素子のうち、選択したq個(qは2以上p−1以下の整数)の半導体レーザ素子のみに駆動電流を供給する。さらに、制御電源部は、選択したq個の半導体レーザ素子の各々が短絡状態であるか否かを検出し、いずれか1つの半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合には、短絡状態の半導体レーザ素子を除くp−1個の半導体レーザ素子のうち、選択したq個の半導体レーザ素子にのみ駆動電流を供給する。
好ましくは、p個の半導体レーザ素子は一列に配設される。そして、制御電源部によって選択されたq個の半導体レーザ素子の相互間には、未選択の半導体レーザ素子が少なくとも1個設けられる。
また、好ましくは、短絡状態の半導体レーザ素子が検出される前に選択されたq個の半導体レーザ素子うちで隣接する半導体レーザ素子間の間隔の最小値は、短絡状態の半導体レーザ素子が検出された後に選択されたq個の半導体レーザ素子のうちで隣接する半導体レーザ素子間の間隔の最小値以下である。
この発明によれば、複数個の半導体レーザ素子が並列接続された発光装置において、1つの半導体レーザ素子が短絡故障したときには、その短絡故障した半導体レーザ素子と直列に接続されているスイッチ素子がオフ状態になる。これによって、確実かつ容易に短絡故障した半導体レーザ素子への電流供給を止めることができ、並列接続された他の半導体レーザ素子を引き続き駆動させることができる。
また、好ましくは、1つの半導体レーザ素子が短絡故障したときに、予備の半導体レーザ素子に直列接続されているスイッチ素子がオン状態になる。これによって、予備の半導体レーザ素子が駆動されるので、発光装置全体の光出力の一定に保つことができる。
この発明の実施の形態1による発光装置1の構成を示す回路図である。 図1のスイッチ素子Sおよびスイッチ制御部10を取出して示した機能ブロック図である。 図2の入力電圧V1とスイッチ素子Sの動作との関係を示す表である。 図1のスイッチ素子Sおよびスイッチ制御部11を取出して示した機能ブロック図である。 図4の入力電圧V1,V2とスイッチ素子Sの動作との関係を示す表である。 図1の発光装置1の電源投入時の動作を説明するための図である。 定常状態の発光装置1において半導体レーザ素子T3が短絡故障したときの動作を説明するための図である。 図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T1が故障した場合を示す図である。 図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T4が故障した場合を示す図である。 図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T8が故障した場合を示す図である。 実施の形態1による発光装置1の具体的構成の一例を示す平面図である。 図11のXII−XII線に沿う断面図である。 図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。 図11のXIV−XIV線に沿う断面図である。 図11のXV−XV線に沿う断面図である。 図1および図11の半導体レーザ素子Tの構造の一例を示す断面図である。 図16の半導体レーザバーの製造工程を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2による発光装置2の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態3による発光装置3の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態4による発光装置4の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態5による発光装置5の構成を示す回路図である。 図21の発光装置5の具体的構成を示す平面図である。 図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。 この発明の実施の形態6による発光装置6の構成を示す回路図である。 図24の発光装置6の具体的構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態7による発光装置7の構成を示す回路図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
[実施の形態1]
(発光装置の全体構成)
図1は、この発明の実施の形態1による発光装置1の構成を示す回路図である。
図1を参照して、発光装置1は、n個(実施の形態1では、nは2以上の整数である。)の発光部A1〜Anと、n個の発光部A1〜Anで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部A1〜Anに駆動電流を供給するための電源部8とを含む。電源部8のプラス端子は第1の電源ノードVPに接続され、マイナス端子は第2の電源ノードVNに接続される。
n個の発光部A1〜Anのうち第1番目の発光部A1は、電源ノードVP,VN間で互いに直列に接続されたスイッチ素子S1および半導体レーザ素子T1と、スイッチ素子S1と並列に接続されたバイパス素子としての抵抗素子R1とを含む。同様に、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部Aiは、電源ノードVP,VN間に互いに直列に接続されたスイッチ素子Siおよび半導体レーザTiと、スイッチ素子Siと並列に接続されたバイパス素子としての抵抗素子Riを含む。したがって、半導体レーザ素子T1〜Tnは、電源ノードVP,VN間で互いに並列に設けられていることになる。以下、発光部A1〜An、半導体レーザ素子T1〜Tn、スイッチ素子S1〜Sn、および抵抗素子R1〜Rnについて、総称するときまたは不特定のものを示すとき、それぞれ発光部A、半導体レーザ素子T、スイッチ素子S、および抵抗素子Rと称する。
個々の半導体レーザ素子Tの電気特性はダイオードの電気特性と同じである。半導体レーザ素子Tに順方向に電流を流して行くと、電圧がある値を超えると電流が流れ始める。さらに、半導体レーザ素子Tに電流を流して行き、電流値が閾値電流を超えると、半導体レーザ素子Tが発振する。
ここで、半導体レーザ素子Tを連続動作させる場合に推奨される光出力を定格光出力という。定格を超える光出力で動作させると半導体レーザ素子Tが短時間に破壊することがあるので、通常、半導体レーザ素子Tを定格光出力で動作させる。
図1の発光装置1のように複数の半導体レーザ素子Tが並列に接続されている場合には、電源部8の出力電流は、個々の半導体レーザ素子Tに分配される。このとき、各半導体レーザ素子Tの特性が揃っている場合には、発光装置1全体での定格光出力は、発振状態の半導体レーザ素子Tのそれぞれの定格光出力の総和に等しい。
各発光部Aにおいて、半導体レーザ素子Tの光出力が定格光出力のときの電流、電圧を、それぞれ駆動電流Iop、駆動電圧Vopとすると、抵抗素子Rは、次式(1)を満たすような電気抵抗特性を有する。次式(1)において、Rvは駆動電流Iopに等しい電流が流れたときの抵抗素子Rの直流抵抗である。
Rv≧Vop/Iop …(1)
上式(1)に示すように、抵抗素子Rに駆動電流Iopが流れたときの抵抗素子Rの電圧降下Rv×Iopは、半導体レーザ素子Tの定格光出力における駆動電圧Vop以上の値になる。詳細は後述するが、これによって、短絡状態の半導体レーザ素子Tへの電流集中を防止することができる。
図1の第1番目の発光部A1は、さらに、スイッチ素子S1の開閉を制御するスイッチ制御部10を含む。スイッチ制御部10は、半導体レーザ素子T1の両端の電圧を閾値電圧TH1と比較する電圧比較部12を含む。スイッチ素子S1は、電圧比較部12の比較結果に応じてオン状態またはオフ状態に切替わる。
また、第2番目以降の発光部Ai(iは2以上n以下の整数)は、さらに、スイッチSiの開閉を制御するスイッチ制御部11を含む。スイッチ制御部11は、上記の電圧比較部12に加えて、隣接する発光部Ai−1の抵抗素子Ri−1にかかる電圧を閾値電圧TH2と比較する電圧比較部13と、AND回路14とを含む。スイッチ素子Siは、AND回路14の出力に応じてオン状態またはオフ状態に切替わる。以下、スイッチ制御部10,11の構成および動作について詳しく説明する。なお、スイッチ素子S1〜Sn、スイッチ制御部10,11、抵抗素子R1〜Rn、および電源部8が、制御電源部9に対応する。
(スイッチ制御部10の構成および動作)
図2は、図1のスイッチ素子Sおよびスイッチ制御部10を取出して示した機能ブロック図である。図2を参照して、スイッチ素子Sおよびスイッチ制御部10は、同一のパッケージに実装されてスイッチ部80を構成する。スイッチ部80には、端子15〜17が設けられる。スイッチ素子Sは、端子15,16間に接続される。
電圧比較部12は、端子17に対する端子16の電圧V1を検出する。そして、電圧比較部12は、電圧V1が閾値電圧TH1を超えたときにHレベル(活性状態)の信号を出力し、電圧V1が閾値電圧TH1以下のときにLレベル(非活性状態)の信号を出力する。電圧比較部12は、たとえば、差動増幅回路および出力回路を含む、いわゆるコンパレータ回路を用いて構成することができる。
スイッチ素子Sは、電圧比較部12から受けた入力信号がHレベル(活性状態)のとき導通し、Lレベル(非活性状態)のとき非導通になる。スイッチ素子Sは、たとえば、NチャネルのMOS(Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタによって構成することができる。
図3は、図2の入力電圧V1とスイッチ素子Sの動作との関係を示す表である。図2、図3を参照して、端子16,17間の入力電圧V1が閾値電圧TH1以下(ほぼ0V)の場合には、電圧比較部12の出力がLレベルになるので、スイッチ素子Sは非導通状態(オフ状態:OFF)になる。端子16,17間の入力電圧V1が閾値電圧TH1を超えた場合には、電圧比較部12の出力がHレベルになるので、スイッチ素子Sは導通状態(オン状態:ON)になる。
次に、図1の発光装置1におけるスイッチ制御部10の具体的な動作について説明する。図1の場合、スイッチ制御部10は第1番目の発光部A1に設けられる。そして、図2の端子15は電源ノードVPに接続され、端子16は半導体レーザ素子T1のアノードに接続される。また、端子17は電源ノードVNに接続される。このような接続によって、電圧比較部12は、半導体レーザ素子T1の両端にかかる電圧V1を検出する。
このとき、半導体レーザ素子Tの定格光出力における駆動電圧Vopに対して、電圧比較部12の閾値電圧TH1を、
Vop>TH1>0 …(2)
を満たすように設定すれば、半導体レーザ素子T1が短絡故障になり電圧V1が閾値電圧TH1以下のほぼ0Vになった場合に、スイッチ素子S1がオフ状態になる。一方、半導体レーザ素子T1が正常状態の場合には、電圧V1は閾値電圧TH1を超えるので、スイッチ素子S1はオン状態になる。
(スイッチ制御部11の構成および動作)
図4は、図1のスイッチ素子Sおよびスイッチ制御部11を取出して示した機能ブロック図である。図4のスイッチ制御部11は、端子15,18間の電圧を検知する電圧比較部13およびAND回路14をさらに含む点で図2のスイッチ制御部10と異なる。スイッチ素子Sおよびスイッチ制御部11は同一のパッケージに実装されて、スイッチ部81が構成される。スイッチ部81には、端子15〜18が設けられる。
電圧比較部12は、図2のスイッチ部80の場合と同様に、端子17に対する端子16の電圧V1が閾値電圧TH1を超えたときにHレベルの信号を出力し、電圧V1が閾値電圧TH1以下のときにLレベルの信号を出力する。
電圧比較部13は、端子18に対する端子15の電圧V2を検出し、電圧V2が閾値電圧TH2を超えたときにHレベル(活性状態)の信号を出力し、電圧V2が閾値電圧TH2以下のときにLレベル(非活性状態)の信号を出力する。電圧比較部13は、電圧比較部12と同様にコンパレータ回路を用いて構成することができる。
AND回路14は、電圧比較部12,13の出力を受けて、これらの出力の論理積を出力する。すなわち、AND回路14は、電圧比較部12,13の出力が共にHレベル(活性状態)の場合にのみHレベル(活性状態)の信号を出力する。
スイッチ素子Sは、AND回路14から受けた入力信号がHレベル(活性状態)のとき導通し、Lレベル(非活性状態)のとき非導通になる。スイッチ素子Sは、図2の場合と同様に、たとえばNチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。
なお、スイッチ制御部10,11の各々は、全体をトランジスタ回路を用いて構成することもできるし、リレーを用いて構成することもできる。
図5は、図4の入力電圧V1,V2とスイッチ素子Sの動作との関係を示す表である。図4、図5を参照して、端子16,17間の入力電圧V1が閾値電圧TH1を超え、かつ、端子15,18間の入力電圧V2が閾値電圧TH2を超えた場合に、AND回路14の出力がHレベルになるので、スイッチ素子Sはオン状態になる。それ以外の場合には、AND回路14の出力はLレベルになるので、スイッチ素子Sはオフ状態になる。すなわち、端子16,17間の入力電圧V1が閾値電圧TH1以下の場合には、入力電圧V2の値によらずスイッチ素子Sはオフ状態になる。また、入力電圧V1が閾値電圧TH1を超えた場合でも入力電圧V2が閾値電圧TH2以下の場合には、スイッチ素子Sはオフ状態になる。
次に、図1の発光装置1におけるスイッチ制御部11の具体的な動作について説明する。図1の場合、スイッチ制御部11は、第2番目〜第n番目の発光部A2〜Anに設けられる。そして、第i番目(以下、実施の形態1では、iは2以上n以下の整数とする)の発光部Aiにおいて、図4の端子15は電源ノードVPに接続され、端子16は半導体レーザTiのアノードに接続され、端子17は電源ノードVNに接続される。また、第i番目の発光部Aiにおいて、図4の端子18は、第i−1番目の発光部Ai−1における半導体レーザ素子Ti−1のアノードに接続される。
したがって、第i番目の発光部Aiに属するスイッチ制御部11の電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tiの両端の電圧V1を検出する。そして、各電圧比較部12の閾値電圧TH1が、前述の式(2)を満たすように設定される。これによって、第i番目の発光部Aiの電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tiが短絡故障しているか(V1≦TH1)、否か(V1>TH1)を検出する。
一方、第i番目の発光部Aiに属する電圧比較部13は、第i−1番目の発光部Ai−1の抵抗素子Ri−1の両端の電圧V2(スイッチ素子Si−1の両端の電圧に等しい)を検出する。そして、閾値電圧TH2は、オン状態のスイッチ素子Sの両端にかかる電圧より大きく、かつ、スイッチ素子Sがオフ状態のときにそのスイッチ素子に並列接続された抵抗素子Rの両端にかかる電圧より小さくなるように設定される。この場合、第i番目の発光部Aiの電圧比較部13は、第i−1番目の発光部Ai−1のスイッチ素子Si−1がオン状態か(V2≦TH2)、オフ状態か(V2>TH2)を検出することになる。
このような設定によって、第i番目の発光部AiのAND回路14は、第i番目の半導体レーザ素子Tiが正常状態であり、かつ、第i−1番目のスイッチ素子Si−1がオフ状態の場合に出力がHレベル(活性状態)になる。このとき、第i番目の発光部Aiのスイッチ素子Siがオン状態になる。一方、第i番目の半導体レーザ素子Tiが短絡故障した場合には電圧比較部12の出力電圧がLレベルになるので、第i−1番目のスイッチ素子Si−1の導通または非導通によらず、第i番目のスイッチ素子Siはオフ状態になる。また、第i番目の半導体レーザ素子Tiが正常状態であっても、第i−1番目のスイッチ素子Si−1がオン状態の場合には電圧比較部13の出力電圧がLレベルになるので、第i番目のスイッチ素子Siはオフ状態になる。
(発光装置の動作−電源投入時の動作)
次に、上記のように構成された発光装置1の動作について説明する。
図6は、図1の発光装置1の電源投入時の動作を説明するための図である。図6(A)〜(E)は、図1の電源部8のオフ状態から電源が投入されて発光装置1が定常状態に至るまでの発光装置1の状態を時間順に示したものである。発光部Aの個数nは8である。図6では、電圧比較部12,13およびAND回路14(図1参照)の出力信号がHレベル(活性状態)のとき、これらの各要素を黒色に着色して示している。また、発光状態の半導体レーザ装置が発光状態にあるときも黒色に着色して示している。さらに、導通時のスイッチ素子Sの端子も黒色に着色している。
図6(A)は、図1の電源部8がオフのときの発光装置1の状態を示す。既に説明したように、スイッチ素子S1は、半導体レーザ素子T1の両端にかかる電圧が閾値電圧TH1を超えたときオン状態になる。一方、スイッチ素子Si(iは2以上n以下の整数。n=8である。)は、半導体レーザ素子Tiの両端にかかる電圧が閾値電圧TH1を超え、かつ、抵抗素子Ri−1の両端にかかる電圧がTH2を超えたときオン状態になる。したがって、図6(A)に示すように電源部8がオフ状態の場合、各スイッチ素子Sおよび各抵抗素子Rにはいずれに電圧がかからないので、全てのスイッチ素子Sはオフ状態になっている。
図6(B)は、電源部8が電流の供給を開始した瞬間の発光装置1の状態を示す。この時点では、全てのスイッチ素子Sはオフ状態であるので、各抵抗素子Rおよび各半導体レーザ素子Tを介して電流が流れる。この結果、各抵抗素子Rおよび各半導体素子Tに電圧が発生するので、スイッチ制御部10を構成する電圧比較部12(図1参照)、ならびに各スイッチ制御部11を構成する電圧比較部12、電圧比較部13、およびAND回路14(図1参照)の出力はいずれもHレベルに活性化する。この結果、全てのスイッチ素子Sがオフ状態からオン状態に切替わろうとする。
図6(C)は、全てのスイッチ素子SがHレベルの信号を受けてオン状態になった瞬間の発光装置1の状態を示す。発光部A2〜A8の各々において、スイッチ素子Sがオン状態になると、スイッチ素子Sと抵抗素子Rとは並列に接続されているため、電流は抵抗素子Rよりも抵抗値の低いスイッチ素子Sの方を流れることになる。この結果、抵抗素子Rの両端の電圧はほぼ0になるため、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力はLレベルになる。これによって、スイッチ素子S2〜S8はオン状態からオフ状態に切替わろうとする。一方、発光部A1のスイッチ素子S1に関しては、これ以降、オン状態のままとなり、半導体レーザ素子T1の発光状態が維持される。
なお、発光装置1が定常状態になるまでの間、電源部8から出力された電流が半導体レーザ素子T1に集中し、半導体レーザ素子T1が劣化することが懸念される。そこで、発光装置1が定常状態になるまでの間、電源部8から定常状態の出力電流よりも小さい電流が出力されることが好ましい。具体的には、定常状態に達するまでの電源部8の出力は、定常状態での半導体レーザ素子Tの1個あたりの駆動電流Iopよりも小さく設定されることが好ましい。
図6(D)は、スイッチ素子S2〜S8がLレベルの信号を受けてオフ状態になった瞬間の発光装置1の状態を示す。スイッチ素子S2〜S8がオフ状態になると、抵抗素子R2〜R8の両端に閾値電圧TH2を超える電圧が発生する。この結果、発光部A3〜A8の各々において、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力がHレベルに活性化される。これによって、スイッチ素子S3〜S8はオフ状態からオン状態に切替わろうとする。
一方、発光部A2のスイッチ素子S2に関しては、抵抗素子R1の両端の電圧が閾値電圧TH2以下であるので、これ以降、オフ状態のままとなる。この場合、抵抗素子R2を介して半導体レーザ素子T2に駆動電流が流れるので、抵抗素子R2の大きさを前述の式(1)を満たすように大きく設定すれば、半導体レーザ素子T2を流れる電流値が制限される。この結果、半導体レーザ素子T2を流れる電流は閾値電流に到達せず、半導体レーザ素子T2はレーザ発振しない。
以下同様に、続いてスイッチ素子S3〜S8がオン状態になり、その次にスイッチ素子S4〜S8がオフ状態になる。続いてスイッチ素子S5〜S8がオン状態になり、その次にスイッチ素子S6〜S8がオフ状態になる。続いてスイッチ素子S7,S8がオン状態になり、最後にスイッチ素子S8がオフ状態になって、定常状態に至る。
図6(E)は、定常状態での発光装置1の状態を示す。定常状態では、奇数番目の発光部A1,A3,A5,A7の各半導体レーザ素子T1、T3,T5,T7が駆動状態となっている。電源部8は4つの半導体レーザ素子T1、T3,T5,T7の定格光出力をまかなうのに十分な電流を出力する。したがって、電源部8の出力電流は、各半導体レーザ素子Tの定格電流Iopを用いて、4×Iopとすればよい。
一方、偶数番目の発光部A2,A4,A6,A8の各半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8は発振状態に至っていない。これらの各半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8は、現在、駆動状態にある各半導体レーザ素子T1、T3,T5,T7のいずれかが短絡故障したときに切り替わって発振する予備の半導体レーザ素子となる。
(発光装置の動作−短絡時の動作)
図7は、定常状態の発光装置1において半導体レーザ素子T3が短絡故障したときの動作を説明するための図である。図7では、図6の場合と同様に、電圧比較部12,13およびAND回路14(図1参照)の出力信号がHレベル(活性状態)のとき、これらの各要素を黒色に着色して示している。また、発光状態の半導体レーザ装置が発光状態にあるときも黒色に着色して示している。
以下、図7(A)〜図7(E)を参照して、1つの半導体レーザ素子T3が短絡したときに、予備の半導体レーザ素子に切り替わる動作について説明する。なお、図7には半導体レーザ素子T3が短絡故障した場合が示されているが、他の半導体レーザ素子T1,T5,T7が短絡故障した場合も同様に考えることができる。
図7(A)は、定常状態における発光装置1を示す。図7(A)の状態は図6(E)の状態と同じであり、半導体レーザ素子T1、T3,T5,T7が駆動状態となっている。
図7(B)は、発光部A3の半導体レーザ素子T3が短絡故障した瞬間の発光装置1の状態を示す。半導体レーザ素子T3が短絡故障することによって、半導体レーザ素子T3の両端にかかる電圧が閾値電圧TH1以下(ほぼ0)になる。この結果、発光部A3において、電圧比較部12およびAND回路14(図1参照)の出力がLレベルになる。これによって、スイッチ素子S3がオン状態からオフ状態に切替わろうとする。
図7(C)は、スイッチ素子S3がオフ状態になった瞬間の発光装置1の状態を示す。スイッチ素子S3がオフ状態になると、抵抗素子R3の両端に閾値電圧TH2を超える電圧が発生する。この結果、発光部A4において、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力がHレベルに活性化される。これによって、スイッチ素子S4はオフ状態からオン状態に切替わろうとする。一方、これ以降、スイッチ素子S1はオン状態に維持され、スイッチ素子S2はオフ状態に維持され、スイッチ素子S3はオフ状態に維持される。
図7(D)は、スイッチ素子S4がオン状態になった瞬間の発光装置1の状態を示す。スイッチ素子S4がオン状態になると、抵抗素子R4の両端にかかる電圧が閾値電圧TH2以下となる。この結果、発光部A5において、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力がLレベルになる。これによって、スイッチ素子S5はオフ状態に切替わろうとする。一方、スイッチ素子S4は、これ以降、オン状態に維持される。
以下同様に、続いてスイッチ素子S5がオフ状態になり、その次にスイッチ素子S6がオン状態になる。続いてスイッチ素子S7がオフ状態になり、最後にスイッチ素子S8がオン状態になって、再び定常状態に至る。半導体レーザ素子T3の短絡故障後の定常状態では、半導体レーザ素子T1,T4,T6,T8が駆動状態となっている、半導体レーザ素子T3の短絡故障前と同様に4個の半導体レーザ素子Tが駆動状態になっているので、発光装置1全体での光出力に変化がない。
このように、実施の形態1の発光装置1によれば、複数の半導体レーザ素子Tのうち1つの半導体レーザ素子T3が短絡故障を起こしても、それまで発振していなかった別の半導体レーザ素子Tが駆動状態に切り替わる。この結果、短絡故障前と同数の半導体レーザ素子を駆動状態にすることができ、発光装置1全体の発光強度の低下を防止することができる。
また、半導体レーザ素子T3が短絡故障を起こす前、および短絡故障を起こす後のいずれにおいても、発光状態の半導体レーザ素子Tの間には、発光状態にない半導体レーザ素子Tが少なくとも1個ずつ設けられる。これによって半導体レーザ素子Tの温度上昇を抑制するという効果もある。
以上の発光装置1の動作を別の観点から見ると次のようになる。再び図1を参照して、スイッチ素子S1〜Sn、スイッチ制御部10,11、抵抗素子R1〜Rn、および電源部8をまとめて、制御電源部9が構成されるとする。この場合、発光装置1は、互いに並列に設けられたp(pは3以上の整数)個の半導体レーザ素子Tと、制御電源部9とを含む。制御電源部9は、p個の半導体レーザ素子Tからq(qは2以上p−1以下の整数)個の半導体レーザ素子Tを選択し、選択したq個の半導体レーザ素子Tにのみに駆動電流を供給する。実際には、未選択の半導体レーザ素子Tにも抵抗素子Rを介して電流が流れるが、その電流の大きさは半導体レーザ素子Tの閾値電流よりも小さいので無視するものとする。
そして、制御電源部9は、選択したq個の半導体レーザ素子Tの各々が短絡状態であるか否かを検出する。制御電源部9は、いずれか1つの半導体レーザ素子Tが短絡状態であることを検出した場合には、短絡状態の半導体レーザ素子Tを除くp−1個の半導体レーザ素子Tから、q個の半導体レーザ素子Tを再選択する。そして、制御電源部9は、再選択したq個の半導体レーザ素子Tにのみ駆動電流を供給する。
このとき、短絡状態の半導体レーザ素子Tが検出される前に選択されたq個の半導体レーザ素子間の間隔の最小値は、短絡状態の半導体レーザ素子Tが検出された後に選択されたq個の半導体レーザ素子間の間隔の最小値以下となっている。すなわち、短絡検出後の半導体レーザ素子間の間隔の最小値は、短絡検出前の半導体レーザ素子間の間隔より狭くなることはない。この結果、半導体レーザ素子Tの温度上昇を抑制することができる。
(発光装置の動作−2素子目の短絡故障)
図8は、図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T1が故障した場合を示す図である。
図8を参照して、半導体レーザ素子T3の短絡故障の次に、さらに半導体レーザ素子T1が短絡故障した場合について説明する。この場合、半導体レーザ素子T1の短絡故障によって、半導体レーザ素子T1の両端にかかる電圧が閾値電圧TH1以下(ほぼ0)になる。この結果、発光部A1において、電圧比較部12(図1参照)の出力がLレベルになるので、スイッチ素子S1がオン状態からオフ状態に切替わる。スイッチ素子S1がオフ状態になると、抵抗素子R1の両端に閾値電圧TH2を超える電圧が発生する。この結果、発光部A2において、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力がHレベルに活性化されるので、スイッチ素子S2がオフ状態からオン状態に切替わる。一方、スイッチ素子S3〜S8については状態に変化がない。
したがって、図8に示す定常状態では、半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8が駆動状態になる。この場合においても、発光状態の半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8の隣接素子間には、発光状態にない半導体レーザ素子Tが少なくとも1個ずつ設けられる。
図9は、図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T4が故障した場合を示す図である。
図9を参照して、半導体レーザ素子T3の短絡故障の次に、さらに半導体レーザ素子T4が短絡故障した場合について説明する。この場合、半導体レーザ素子T4の短絡故障によって、半導体レーザ素子T4の両端にかかる電圧が閾値電圧TH1以下(ほぼ0)になる。この結果、発光部A4において、電圧比較部12およびAND回路14(図1参照)の出力がLレベルになるので、スイッチ素子S4がオン状態からオフ状態に切替わる。スイッチ素子S4がオフ状態になると、抵抗素子R4の両端に閾値電圧TH2を超える電圧が発生する。この結果、発光部A5において、電圧比較部13およびAND回路14(図1参照)の出力がHレベルに活性化されるので、スイッチ素子S5がオフ状態からオン状態に切替わる。同様に、スイッチ素子S6がオフ状態になり、その次にスイッチ素子S7がオン状態になり、最後にスイッチ素子S8がオフ状態になる。一方、スイッチ素子S1〜S3については状態に変化がない。
したがって、図9に示す定常状態では、半導体レーザ素子T1,T5,T7が駆動状態になる。この場合においても、発光状態の半導体レーザ素子T1,T5,T7の隣接素子間には、発光状態にない半導体レーザ素子Tが少なくとも1個ずつ設けられる。ただし、駆動状態となっている半導体レーザ素子の数が1個減るため、発光装置1の全体としての光強度は低下するが、全体の光出力が消滅することはない。
図10は、図7(E)の状態から、さらに半導体レーザ素子T8が故障した場合を示す図である。
図10を参照して、半導体レーザ素子T3の短絡故障の次に、さらに半導体レーザ素子T8が短絡故障した場合について説明する。この場合、半導体レーザ素子T8の短絡故障によって、半導体レーザ素子T8の両端にかかる電圧が閾値電圧TH1以下(ほぼ0)になる。この結果、発光部A8において、電圧比較部12およびAND回路14(図1参照)の出力がLレベルになるので、スイッチ素子S8がオン状態からオフ状態に切替わる。一方、その他のスイッチ素子S1〜S7の状態に変化がなく、半導体レーザ素子T1〜T7の駆動状態にも変化がない。駆動状態となっている半導体レーザ素子の数が1個減るため、発光装置1の全体としての光強度は低下するが、全体の光出力が消滅することはない。
(発光装置による効果1−光出力の低下防止)
前述のように、各発光部Aにおいて、定格光出力における半導体レーザ素子Tの駆動電流Iopと等しい大きさの電流が流れたときの抵抗素子Rの電圧降下Rv×Iopは、定格光出力における駆動電圧Vop以上の大きさである(前述の(1)式参照)。ここで、以下の理由によって、各発光部Aの抵抗素子Rの抵抗値Rvは、半導体レーザ素子Tの定格光出力における直流抵抗値(Vop/Iop)よりも十分に大きいほうが望ましい。
前述のように、複数の半導体レーザ素子Tのうち1つの半導体レーザ素子が短絡故障を起こしても、それまで発振していなかった別の半導体レーザ素子が駆動状態に切り替えられる。このとき、抵抗素子Rの抵抗値Rvが半導体レーザ素子Tの定格光出力における直流抵抗値(Vop/Iop)よりも十分に大きいと、短絡故障した半導体レーザ素子Tに流れる電流は、抵抗素子Rによって制限されるので無視できる。しかも、発光装置1では、短絡故障の前後で同数の半導体レーザ素子が発振状態になる。したがって、発光装置1全体の発光強度を短絡故障の前後で変わらないようにすることができる。
各発光部Aの抵抗素子Rの抵抗値Rvが半導体レーザ素子Tの定格光出力における直流抵抗値(Vop/Iop)に等しい場合にも、短絡故障の前後で同数の半導体レーザ素子Tを発振状態にすることは可能である。しかしながら、この場合、短絡状態の半導体レーザ素子Tに流れる電流は、発振状態の半導体レーザ素子Tを流れる電流に等しくなるので、抵抗素子Rによる発熱が問題となり、あまり望ましい状態とは言えない。
一方、各発光部Aのスイッチ素子Sと並列に抵抗素子Rが設けられていない場合には、発光装置1の電源投入時に(このとき、各スイッチ素子Sは開放状態である)各半導体レーザ素子Tには全く電流が流れない。この結果、図6で説明したような動作にならず、いつまで経ってもいずれの半導体レーザ素子Tも発光しないという不都合が生じる。そこで、電源投入時に各半導体レーザ素子Tに電流を流すことによってスイッチ素子Sをオン状態にするために、スイッチ素子Sと並列に抵抗素子Rが設けられている。
なお、複数の半導体レーザ素子Tが故障した場合には、図9、図10のように発光状態の半導体レーザ素子Tが減少することがあり得る。この場合、発光装置1全体の光強度は若干低下する。さらに、短絡故障後に駆動電流を割り振られた半導体レーザ素子には定格以上の電流が流れることになるので、発光装置1の信頼性が低下する可能性がある。
(発光装置による効果2−光学系の設計が容易)
また、実施の形態1の発光装置1によれば、短絡故障後も概ね1つ飛ばしで半導体レーザ素子を発光させることができるため、短絡故障前後で半導体レーザ素子Tの発光位置自体は大きく変わらない。そのため光学系の設計が容易になる利点がある。
(発光装置による効果3−熱干渉の抑制)
複数個の半導体レーザ素子が基板上に形成されたチップを分割せずにバー状態のままで使用する場合には、隣接する半導体レーザ素子間での熱干渉の影響を考慮する必要がある。熱干渉とは、ある半導体レーザ素子が駆動状態のときに生じる熱が隣の半導体レーザ素子の温度上昇をもたらすことにより、複数の半導体レーザ素子を駆動状態とした場合、単体を駆動させたときよりも素子の温度が上がってしまう現象である。素子の温度が上昇することによって光出力の低下や信頼性の低下といった悪影響がある。熱干渉の影響を小さくするにはそれぞれの半導体レーザ素子の活性領域の間隔を離すことが有効である。しかし、半導体レーザ素子間の間隔を広げるとスペースの無駄が大きくなり、コストが高くなるという問題が生じる。
実施の形態1では、駆動状態となる半導体レーザ素子の間には、発振状態にない半導体レーザ素子が少なくとも1つ配置されるので、隣り合う半導体レーザ素子が駆動状態となることはない。したがって、熱干渉の影響を考慮する際には1個飛ばしで配列された半導体レーザ素子について考えればよいので、熱干渉の影響を緩和することができる。また、駆動状態となる半導体レーザ素子間には予備の半導体レーザ素子が配置されので、スペースを有効に使うことができる。そのため、作製プロセスを大きく変えることなく、またバーサイズも変えることなく容易に故障時の補償用の半導体レーザ素子を設けることができる。
(発光装置の具体的構成例)
図11は、実施の形態1による発光装置1の具体的構成の一例を示す平面図である。図11は、図1でn=8の場合の発光装置1の具体的構成例を示している。また、図11において、半導体レーザ素子Tの配列方向をX軸方向とし、半導体レーザ素子Tの基板(図16の参照符号41)の面方向に沿ってX軸と垂直な方向をY軸方向とし、基板41の厚み方向をZ軸方向とする。
図11を参照して、8個の発光部A1〜A8はサブマウント30上に実装される。サブマウント30には、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)などの絶縁体が用いられる。
発光部A1〜A8をそれぞれ構成する半導体レーザ素子T1〜T8はサブマウント30上にバー状態で実装されている。したがって、半導体レーザ素子T1〜T8はX軸方向に一列に互いに等間隔で並ぶ。紙面表側(+Z方向)が、半導体レーザ素子T1〜T8が形成されたチップの基板41側に相当する。基板41の裏面に形成された共通の電極32は、−側の電源ノードVNに接続される。
ここで、半導体レーザ素子Tの間隔とは、後述する図16のリッジ部52どうしの間隔をいう。図16の活性層45のうちリッジ部52直下の領域が発振する領域であるので、隣接するリッジ部52の間隔は、隣接する発振領域の間隔になっている。
なお、半導体レーザ素子T1〜T8は必ずしも等間隔でなくてもよい。たとえば、奇数番目の半導体素子T1,T3,T5,T7が等間隔に並び、偶数番目の半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8が等間隔に並ぶようにして、半導体素子T1とT2、あるいはT2とT3、など、奇数番目と偶数番目の半導体レーザ素子の間隔を同じでないようにしてもよい。具体的に、半導体レーザ素子T1とT2の間隔が100μm、半導体レーザ素子T2とT3の間隔が300μmとし、以下100μm/300μmの繰り返しで半導体レーザ素子が並んでいてもよい。この場合、短絡故障前に発光している半導体レーザ素子間の間隔が400μmであったものが、短絡故障後には発光している半導体レーザ素子間の間隔が400μm、500μm、または700μmとなり、短絡故障前の発光間隔よりも狭くなることはない。
サブマウント30上には、半導体レーザ素子T1〜T8と同じピッチで8個の電極パターン33A〜33Hが形成される(総称するとき、または不特定のものを示すとき電極パターン33と称する)。電極パターン33A〜33Hは、それぞれ半導体レーザ素子T1〜T8に対応して設けられる。半導体レーザ素子T1〜T8の各p側電極(図12の参照符号37A〜37H)は、それぞれ対応する電極パターン33A〜33Hと半田によって接続される。
サブマウント30上には、さらに、X方向に延びる矩形状の1個の電極パターン31が形成される。電極パターン31は+側の電源ノードVPに接続される。
抵抗素子R1〜R8の各々は、電極パターン31と電極パターン33A〜33Hのうちの対応する電極パターンとの間に半田で接続される。また、発光部A1〜A8にそれぞれ対応する図2のスイッチ部80および図4のスイッチ部81(発光部A2〜A8にそれぞれ対応してスイッチ部81B〜81Hと記載する)は、電極パターン31と電極パターン33A〜33Hのうちの対応する電極パターンとの間に半田で接続される。
スイッチ部80の端子17は、共通の電極32とボンディングワイヤ34Aによって接続される。第i番目(iは2以上8以下の整数)の発光部Aiのスイッチ部81に設けられた端子18は、第i−1番目の半導体レーザ素子Ti−1が接続された電極パターン33とボンディングワイヤ35(35B〜33H)によって接続される。また、スイッチ部81B〜81Hの各端子17は、共通の電極32とボンディングワイヤ34B〜34Hによってそれぞれ接続される。
図12は、図11のXII−XII線に沿う断面図である。図12を参照して、半導体レーザ素子T1〜T8は、基板の表面側(−Z方向、p層側)にエッチングによってアイソレーション溝54が形成されることによって素子ごとに分離されている。半導体レーザ素子T1〜T8のP層側の表面にはp側電極37A〜37H(総称するとき、または不特定のものを示すときp側電極37と称する。)がそれぞれ形成される。p側電極37A〜37Hは、サブマウント30の表面に形成された電極パターン33A〜33Hとそれぞれ半田によって接続される。また、図11で説明したように、半導体レーザ素子T1〜T8の基板41の裏面(+Z方向、n層側)には共通のn側電極32が形成されている。
このように各半導体レーザ素子Tの基板41を上側(サブマウント30から離反する側)に配置し、P層側を下側(サブマウント30に近接する側)に配置すること(ジャンクションダウン)によって、半導体レーザ素子Tの放熱性が向上する。また、素子分離されたP層側をサブマウント30に接続することによって、個々の半導体レーザ素子Tから電流を取出すための電極パターン33A〜33Hをサブマウント30上に設けることができる。したがって、スイッチ部80,81および抵抗素子Rのサブマウント30上への実装が容易になる。
図13は、図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。図13を参照して、スイッチ部80の端子15はサブマウント30上の電極パターン31に半田36によって接続され、端子16はサブマウント30上の電極パターン33Aに半田36によって接続される。
図14は、図11のXIV−XIV線に沿う断面図である。図14を参照して、抵抗素子R1には端子38,39が形成される。端子38,39は電極パターン31,33Aにそれぞれ半田36によって接続される。他の抵抗素子R2〜R8についても同様である。
図15は、図11のXV−XV線に沿う断面図である。図15を参照して、スイッチ部81Bの端子15,16はサブマウント30上の電極パターン31,33Bにそれぞれ半田36によって接続される。他のスイッチ部81C〜81Hについても同様である。
なお、スイッチ部80および抵抗素子R1とをさらに集積化して同一パッケージに実装することもできる。同様に、スイッチ部81B〜81Hの各々と対応する抵抗素子R2〜R8とについても同一パッケージに実装することができる。
(半導体レーザ素子の構造)
図16は、図1および図11の半導体レーザ素子Tの構造の一例を示す断面図である。各半導体レーザ素子T1〜T8の構造は同じであるので、図16は、バー状態に連結された半導体レーザ素子T1〜T8(以下、半導体レーザバーとも称する)のうち、半導体レーザ素子T2,T3の部分を代表として示したものである。また、以下では窒化物系半導体レーザを例に挙げて説明するが、半導体レーザ素子Tの材料および構成は下記の例に限られるものでない。なお、窒化物系半導体レーザは蛍光体と組み合わせることにより照明装置として利用することができる。
図16を参照して、半導体レーザ素子T2,T3は、n−GaN基板41と、基板41上に順に積層されたGaNバッファ層42、n−AlGaNクラッド層43、n−GaNガイド層44、InGaN/GaN多重量子井戸活性層45、p−AlGaN蒸発防止層46、p−AlGaNクラッド層47、p−GaNコンタクト層49、絶縁膜50、p側電極層37B1,37C1、および電極パッド37B2,37C2を含む。p側電極層37B1,37C1および電極パッド37B2,37C2が図12のp側電極37B,37Cに対応する。半導体レーザ素子T2,T3は、さらに、基板41の裏面側に形成されたn側電極32を含む。
図16のInGaN/GaN多重量子井戸活性層45は、3層のInGaN井戸層とGaNバリア層より構成された3重量子井戸構造である。
また、図16に示すように、半導体レーザ素子T2,T3の各々において、p−AlGaNクラッド層47の途中までエッチングにより一対の溝51が形成される。これによって、各半導体レーザ素子Tは、中央のリッジストライプ部52および両側のダミーリッジ部53からなるダブルチャネル構造を有する。リッジストライプ部52以外の部分には、表面を覆う絶縁膜50が形成されている。これによって、ダミーリッジ部に53には電流が注入されず、リッジストライプ部52のみに電流が注入されるようにしている。ダミーリッジ部53を設けることによって、半導体レーザバーをジャンクションダウンでサブマウント30に実装する際に、リッジストライプ部52のみに応力がかからないように保護することができる。リッジストライプ部52のみに集中して応力がかかると半導体レーザ素子Tの信頼性が低下してしまうからである。
また、半導体レーザ素子T2とその隣の半導体レーザ素子T3との間には、p−AlGaNクラッド層47をエッチング除去することによってアイソレーション溝54が形成される。すなわち、n−AlGaNクラッド層43およびInGaN/GaN多重量子井戸活性層45は半導体レーザ素子間で一体化されるのに対して、p−AlGaNクラッド層47は半導体レーザ素子間で相互に分離される。このように素子分離することによって、1つの半導体レーザ素子TのPN接合が短絡しても、他の半導体レーザ素子の発振には影響ないようにすることができる。
(発光装置の製造方法)
図17は、図16の半導体レーザバーの製造工程を説明するための模式図である。
図17(A)を参照して、まず最初に、n−GaN基板41上に、GaNバッファ層42、n−AlGaNクラッド層43、n−GaNガイド層44、InGaN/GaN多重量子井戸活性層45、p−AlGaN蒸発防止層46、p−AlGaNクラッド層47、およびp−GaNコンタクト層49が、順次MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
図17(B)を参照して、その次の工程では、半導体レーザ素子間を分離するために、半導体レーザ素子間のp−GaNコンタクト層49およびp−AlGaNクラッド層47がエッチングにより除去される。これによって、アイソレーション溝54が形成される。
続いて、各半導体レーザ素子Tにおいて、p−GaNコンタクト層49およびp−AlGaNクラッド層47の途中までを部分的にエッチングにより除去することによって一対の溝51が形成される。この結果、リッジストライプ部52およびダミーリッジ部53からなるダブルチャネル構造が形成される。
図17(C)を参照して、その次の工程で、リッジストライプ部52以外の領域に絶縁膜50が形成される。
図17(D)を参照して、その次の工程で、リッジストライプ部52およびダミーリッジ部53を覆う領域にp側電極層37B1,37C1が形成される。このとき、p側電極層37B1,37C1は各半導体レーザ素子Tごとに分離して形成される。その後、p側電極層37B1,37C1上に電解メッキ法によりそれぞれ電極パッド37B2,37C2が形成される。続いて、GaN基板41の裏面を研磨してチップ厚を100μmにした後、n側電極層32が形成される。そして、へき開により反射端面が形成され、へき開された端面に端面反射膜が形成される。最後に、基板を所望の素子数毎に分割して半導体レーザバーが作製される。実施の形態1の半導体レーザバーは、一列に並ぶ8素子毎に分割することによって形成される。
再び図12を参照して、このように作製した半導体レーザバーは、p側電極37がサブマウント30側になるようにして、半田を用いて実装される。すなわち、半導体レーザ素子Tは、基板上のMOCVD成長層を下向き(サブマウント30に近接する方向)にしてジャンクション・ダウンで実装されることになる。サブマウント30の材料として、たとえばAlNを用いることができる。また、サブマウント30上に形成された電極パターン31,33として、Ti/Pt/Auからなる金属積層膜を用いることができる。また、半田材として、たとえばAuSnを用いることができる。
再び図11を参照して、半導体レーザバーの実装後に、スイッチ部80,81および抵抗素子Rがサブマウント30に実装される。なお、実施の形態1では、半導体レーザバーとスイッチ部80,81および抵抗素子Rとが同一のサブマウント30上に実装されているが、これらを異なるサブマウント上に実装してボンディングワイヤで接続することもできる。続いて、半導体レーザバー,スイッチ部80,81、および抵抗素子Rが実装されたサブマウント30が、銅製のステム(図示省略)にマウントされる。
その後、半導体レーザバーのn側電極32に負電極用のリード線としてAlワイヤがボンディングされる。さらに、サブマウント30上の電極パターン31に正電極用のリード線としてAlワイヤがボンディングされる。Alワイヤは大電流を流すため、リボン状の幅広のものが望ましい。また、ワイヤの代わりに銅薄板を用いてもよい。
この後、n側電極32とスイッチ部80,81の端子17との間にAuワイヤ34A〜34Hがボンディングされる。また、電極パターン33A〜33Gとスイッチ部81の端子18との間にそれぞれAuワイヤ35B〜35Hがボンディングされる。こうして、発光装置1が完成する。
このような発光装置1の製造工程によれば、半導体レーザ素子間のp側のクラッド層47を部分的にエッチングしてアイソレーション溝を形成することによって、半導体レーザ素子tが素子分離されている。これによって、1つの半導体レーザ素子Tが短絡故障しても他の半導体レーザ素子Tを独立して駆動することができる。また、上記の製造工程によれば、半導体レーザバーをジャンクションダウンでサブマウント30に実装している。これによって、個々の半導体レーザ素子Tから電流を取出すための電極パターン33A〜33Hをサブマウント30上に設けることができるので、スイッチ部80,81および抵抗素子Rのサブマウント30上への実装が容易になる。
なお、上記の半導体レーザ素子Tの材料および構成や、サブマウント30、半田、電極、およびボンディングワイヤの材料は一例であって、これに限るものでない。また、発光装置1の製造工程も一例であって、これに限るものでない。
[実施の形態1の変形例]
図1の各発光部Aにおいて、光出力を増大させるために、各半導体レーザ素子Tを並列接続された複数の半導体レーザ素子に置換えてもよい。この場合、各発光部Aにおいて、並列接続された複数の半導体レーザ素子のいずれか1つが短絡故障すれば、短絡故障した発光部Aの複数の半導体レーザ素子が全て消灯することになる。しかし、予備の発光部Aの複数の半導体レーザ素子が発光するので、全体としての光出力は変わらない。
[実施の形態2]
実施の形態1の場合には、半導体レーザ素子Tの短絡故障の発生の状況に応じて、n個(nは1以上の整数)の半導体レーザ素子Tのうちで発光状態になる素子と、非発光状態になる素子とが切換わるようになっていた。
実施の形態2では、最初に発光状態になるメインの半導体レーザ素子Tと予備(サブ)の半導体レーザ素子Tとが予め設定される。予備の半導体レーザ素子は、発光状態のメインの半導体レーザ素子Tにそれぞれ対応して設けられ、対応するメインの半導体レーザ素子Tが短絡故障した場合に発光状態になる。
図18は、この発明の実施の形態2による発光装置2の構成を示す回路図である。以下、実施の形態1と同一または相当する部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図18を参照して、発光装置2は、m個(実施の形態2では、mは2以上の偶数である。)の発光部B1〜Bmと、m個の発光部B1〜Bmで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部B1〜Bmに駆動電流を供給するための電源部(図示省略)とを含む。図18ではm=8の場合を示している。電源部のプラス端子は電源ノードVPに接続され、マイナス端子は電源ノードVNに接続される。
m個の発光部B1〜Bmのうち奇数番目の発光部Bj(jは1以上m以下の奇数)は、実施の形態1の図1の発光部A1と同一の構成を有する。すなわち、発光部Bjは、半導体レーザ素子Tjと抵抗素子Rjとスイッチ素子Sjとスイッチ制御部10とを含む。各発光部Bjにおいて、スイッチ制御部10に属する電圧比較部12は半導体レーザ素子Tjの両端の電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1を超えた場合にスイッチ素子Sjをオン状態にする。
m個の発光部B1〜Bmのうち偶数番目の発光部Bk(kは1以上m以下の偶数)は、実施の形態1の図1の発光部A2〜Anと同一の構成を有する。すなわち、発光部Bkは、半導体レーザ素子Tkと抵抗素子Rkとスイッチ素子Skとスイッチ制御部11とを含む。発光部Bkは、番号順に1つ前の奇数番目の発光部Bk−1と対応し、対応する発光部Bk−1が短絡故障した場合の予備の発光部である。
各発光部Bk(kは1以上m以下の偶数)において、スイッチ制御部11の電圧比較部12によって半導体レーザ素子Tkの両端の電圧が閾値電圧TH1を超えるか否かが検出される。また、各発光部Bk(kは1以上m以下の偶数)において、スイッチ制御部11の電圧比較部13によって、対応する発光部Bk−1の抵抗素子Rk−1の両端の電圧が閾値電圧TH2を超えるか否かが検出される。そして、電圧比較部12,13の出力が共に閾値電圧を超えたときAND回路14の出力がHレベルに活性化されてスイッチ素子Skがオン状態になる。
上記構成によれば、電源投入後の定常状態では、奇数番目のメインの発光部Bj(jは1以上m以下の奇数)の半導体レーザ素子Tjのみが駆動状態となって発光する。その後、発光部Bjにおいて、半導体レーザ素子Tjが短絡故障した場合には、スイッチ素子Sjがオン状態からオフ状態に切替わるので、対応する偶数番目のサブの発光部Bj+1のスイッチ素子Sj+1がオフ状態からオン状態に切替わる。こうして、対応する発光部Bj+1の半導体レーザ素子Tj+1が代わりに発光する。さらに、その半導体レーザ素子Tj+1が短絡故障した場合には、スイッチ素子Sj+1がオフ状態になるので、発光部Bj+1に供給される駆動電流は抵抗素子Rj+1を流れることになって電流の集中は抑制される。
このように、定常状態で発光している奇数番目のメインの発光部Bj(jは1以上m以下の奇数)の半導体レーザ素子Tjいずれか1つが短絡故障しても、対応する偶数番目のサブの発光部Bj+1の半導体レーザ素子Tj+1が発光するので、発光装置2全体の光出力に変化はない。ただし、実施の形態1と異なり、短絡故障前よりも短絡故障後のほうが発光状態の半導体レーザ素子T間の間隔が狭くなるので、短絡故障後には熱干渉によって正常状態にある半導体レーザ素子Tの劣化が促進される可能性がある。
[実施の形態3]
図19は、この発明の実施の形態3による発光装置3の構成を示す回路図である。実施の形態3の発光装置3は、実施の形態2の発光装置2において、偶数番目に設けられた予備の発光部Bの構成を簡略化したものである。以下、実施の形態1、2と同一または相当する部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図19を参照して、発光装置3は、m個(実施の形態3では、mは2以上の偶数である。)の発光部C1〜Cmと、m個の発光部C1〜Cmで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部C1〜Cmに駆動電流を供給するための電源部(図示省略)とを含む。図19ではm=8の場合を示している。電源部のプラス端子は電源ノードVPに接続され、マイナス端子は電源ノードVNに接続される。
m個の発光部C1〜Cmのうち奇数番目の発光部Cj(jは1以上m以下の奇数)は、実施の形態1の図1の発光部A1と同一の構成を有する。すなわち、発光部Cjは、半導体レーザ素子Tjと抵抗素子Rjとスイッチ素子Sjとスイッチ制御部10とを含む。各発光部Cjにおいて、スイッチ制御部10に属する電圧比較部12は半導体レーザ素子Tjの両端の電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1を超えた場合にスイッチ素子Sjをオン状態にする。
m個の発光部C1〜Cmのうち偶数番目の発光部Ck(kは1以上m以下の偶数)は、番号順に1つ前の奇数番目の発光部Ck−1と対応する予備の発光部である。各発光部Ckは、電源ノードVP,VN間に互いに直列に接続されたスイッチ素子Skおよび半導体レーザ素子Tkと、対応する発光部Ck−1の抵抗素子Rk−1の両端の電圧を検出する電圧比較部13を含む。各発光部Ckにおいて、電圧比較部13は検出した電圧が閾値電圧TH2を超えたとき、Hレベル(活性状態)の信号を出力することによってスイッチ素子Skをオン状態にする。各発光部Ckの電圧比較部13は、スイッチ素子Skの開閉を制御するスイッチ制御部60を構成する。
上記構成によれば、電源投入後の定常状態では、奇数番目のメインの発光部Cj(jは1以上m以下の奇数)の半導体レーザ素子Tjのみが駆動状態となって発光する。その後、発光部Cjにおいて、半導体レーザ素子Tjが短絡故障した場合には、スイッチ素子Sjがオン状態からオフ状態に切替わるので、対応する偶数番目のサブの発光部Cj+1のスイッチ素子Sj+1がオフ状態からオン状態に切替わる。この結果、対応する発光部Cj+1の半導体レーザ素子Tj+1が代わりに発光する。ただし、実施の形態3では、実施の形態2と異なり、その半導体レーザ素子Tj+1がさらに短絡故障した場合には、さらに短絡故障した半導体レーザ素子Tj+1に電流が集中してしまうことになる。
このように、実施の形態3の発光装置3においても、定常状態で発光している奇数番目のメインの発光部Cj(jは1以上m以下の奇数)の半導体レーザ素子Tjいずれか1つが短絡故障しても、対応する偶数番目のサブの発光部Cj+1の半導体レーザ素子Tj+1が発光するので、発光装置3全体の光出力に変化はない。ただし、実施の形態1と異なり、短絡故障前よりも短絡故障後のほうが発光状態の半導体レーザ素子T間の間隔が狭くなるので、短絡故障後には熱干渉によって正常状態にある半導体レーザ素子Tの劣化が促進される可能性がある。
[実施の形態4]
図20は、この発明の実施の形態4による発光装置4の構成を示す回路図である。以下の説明では、実施の形態1と同一または相当する部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図20を参照して、発光装置4は、m個(実施の形態4では、mは1以上の整数である。)の発光部D1〜Dmと、m個の発光部D1〜Dmで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部D1〜Dmに駆動電流を供給するための電源部(図示省略)とを含む。図20ではm=6の場合を示している。電源部のプラス端子は電源ノードVPに接続され、マイナス端子は電源ノードVNに接続される。
各発光部Di(iは1以上m以下の整数)は、実施の形態1の図1の発光部A1を複数個並列に接続するとともに、抵抗素子Rを半導体レーザ素子に置換した構成となっている。すなわち、発光部Di(iは1以上m以下の整数)は、電源ノードVP,VN間に互いに直列に接続されたスイッチ素子Siおよび半導体レーザ素子Tiと、スイッチ素子Siと並列に接続された半導体レーザ素子Uiと、スイッチ制御部10とを含む。各発光部Diにおいて、スイッチ制御部10は、スイッチ素子Siの開閉を制御する電圧比較部12を含む。各発光部Diの電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tiの両端の電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1を超えた場合にスイッチ素子Siをオン状態にする。
上記の構成では、各発光部Aにおいて、半導体レーザ素子Tと半導体レーザ素子Uとが直列に接続される。したがって、実際の発光装置4の製造の際には、半導体レーザ素子Tと半導体レーザ素子Uとを分離して作製する必要がある。たとえば、絶縁基板上に半導体レーザ素子TおよびUを作製することによって、素子間を分離させることができる。
実施の形態4の発光装置4によれば、電源投入後の定常状態では、各発光部Di(iは1以上m以下の整数)のスイッチ素子Siがオン状態になるので、半導体レーザ素子Tiが駆動状態となって発光する。その後、発光部Di(iは1以上m以下の整数)において、半導体レーザ素子Tiが短絡故障した場合には、スイッチ素子Siがオン状態からオフ状態に切替わるので、半導体レーザ素子Uiが代わりに発光する。ただし、実施の形態4では、その半導体レーザ素子Uiがさらに短絡故障した場合には、短絡した半導体レーザ素子に電流が集中してしまうことになる。
このように、実施の形態4の場合にも、定常状態で発光している発光部Di(iは1以上m以下の整数)の半導体レーザ素子Tiいずれか1つが短絡故障しても、半導体レーザ素子Uiが代わりに発光するので、発光装置4全体の光出力に変化はない。
[実施の形態4の変形例]
実施の形態4において、各発光部Di(iは1以上m以下の整数。ただし、この変形例においてmは2以上の整数である。)の半導体レーザ素子Uiを抵抗素子Riに置換えることもできる。すなわち、各発光部Di(iは1以上m以下の整数)は、実施の形態1の図1の発光部A1と同一の構成を有する。
この場合、発光状態の複数の半導体レーザ素子Tのうちいずれか1つが短絡故障すると、その故障した半導体レーザ素子の分だけ発光装置全体の光出力が減少することになる。しかしながら、短絡故障した半導体レーザ素子が属する発光部Dに含まれる抵抗素子Rによって電流の集中が防止されるので、発光装置全体の光出力が消滅することはない。
[実施の形態5]
実施の形態5の発光装置5は、実施の形態1の発光装置1の変形例である。実施の形態1の場合、第i番目(実施の形態5において、iは2以上n以下の整数)の発光部Aiの電圧比較部13は、第i−1番目の発光部Ai−1における抵抗素子Ri−1の両端にかかる電圧を検出することによって、発光部Ai−1におけるスイッチ素子Si−1がオン状態かオフ状態かを検知していた。
ところで、半導体レーザ素子Ti−1が正常状態であるか短絡故障の状態であるかにかかわらず、スイッチ素子Si−1は、半導体レーザ素子Ti−1が発光しないときにはオフ状態になっている。一方、半導体レーザ素子Ti−1が発光しているときは、スイッチ素子Si−1はオン状態になっている。すなわち、スイッチ素子Si−1のオン/オフと半導体レーザ素子Ti−1の発光/非発光とは対応関係にある。
そこで、実施の形態5では、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部Eiのスイッチ制御部91は、抵抗素子Ri−1の両端にかかる電圧の検出に代えて、第i−1番目の発光部Ei−1における半導体レーザ素子Ti−1の出力光の強度をモニタする。これによって、スイッチ制御部91は、発光部Ei−1のスイッチ素子Si−1がオン状態かオフ状態かを検知することができる。
図21は、この発明の実施の形態5による発光装置5の構成を示す回路図である。図21を参照して、発光装置5は、n個(実施の形態5では、nは2以上の整数である。)の発光部E1〜Enと、n個の発光部E1〜Enで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部A1〜Anに駆動電流を供給するための電源部8とを含む。電源部8のプラス端子は第1の電源ノードVPに接続され、マイナス端子は第2の電源ノードVNに接続される。
第1番目の発光部E1は、図1の発光部A1と同一の構成であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰返さない。発光部E1のスイッチ素子S1およびスイッチ制御部10は同一のパッケージに実装されて、スイッチ部80が構成される。
第2番目以降の発光部Ei(iは2以上n以下の整数)のスイッチ制御部91は、フォトダイオードWi−1をさらに含む点で、図1の発光部Aiのスイッチ制御部11の構成と異なる。フォトダイオードW1〜Wn−1(総称するとき、または不特定のものを示すときフォトダイオードWと称する)は、半導体レーザ素子T1〜Tn−1にそれぞれ対応して設けられる。フォトダイオードWは互いに同一の構成であり、対応する半導体レーザ素子Tから出射されるレーザ光の強度をモニタする。
また、第2番目以降の各発光部Ei(iは2以上n以下の整数)のスイッチ制御部91において、電圧比較部13はフォトダイオードWi−1の出力電圧をモニタする。そして、発光部Eiの電圧比較部13は、番号順に1つ前の発光部Ei−1に属する半導体レーザ素子Ti−1の発光によってフォトダイオードWi−1の出力電圧または出力電流が閾値を超えたとき、Lレベルの信号を出力する。逆に、フォトダイオードWi−1の出力電圧または出力電流が閾値以下のとき、電圧比較部13はHレベルの信号を出力する。また、電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tiの両端の電圧が閾値電圧TH1を超えたときにHレベルの信号を出力し、閾値電圧TH1以下のときLレベルの信号を出力する。AND回路14は、電圧比較部12,13の出力の論理和をスイッチ素子Siに出力する。AND回路14の出力を受けたスイッチ素子Siは、電圧比較部12,13の出力電圧がともにHレベルのときのみオン状態になる。
なお、図21に示すように、第2番目以降の発光部Ei(iは2以上n以下の整数)において、スイッチ制御部91のうちフォトダイオードWを除いた電圧比較部12,13およびAND回路14と、スイッチ素子Siとは、同一のパッケージに実装されることによってスイッチ部82を構成する。
図22は、図21の発光装置5の具体的構成を示す平面図である。図22は、図21でn=8の場合を図示している。
図23は、図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
図22、図23を参照して、フォトダイオードWは、対応する半導体レーザ素子Tから出射されるレーザ光の強度をモニタする。フォトダイオードWを代表して、図23に示すフォトダイオードW7の場合について説明すると、フォトダイオードW7の受光領域63が、半導体レーザ素子T7の出射端と反対側の端部を臨むように配置される。フォトダイオードW7のアノード電極62はサブマウント30上の電極パターン33Gに半田36によって接続される。
さらに、抵抗素子R1〜R8の各々は、電極パターン31と電極パターン33A〜33Hのうちの対応する電極パターンとの間に半田で接続される。また、発光部E1〜E8をそれぞれ構成する図21のスイッチ部80およびスイッチ部82(発光部E2〜E8にそれぞれ対応してスイッチ部82B〜82Hと記載する)は、電極パターン31と電極パターン33A〜33Hのうちの対応する電極パターンとの間に半田で接続される。
各発光部Ei(iは2以上n以下の整数)において、スイッチ部82の端子15,16はサブマウント30上の電極パターン31,33にそれぞれ半田36によって接続される。スイッチ部82に実装されたスイッチ素子Siは端子15,16間を流れる電流をオン状態またはオフ状態に切換える。
また、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部Eiのスイッチ部82は、第i番目の半導体レーザ素子Tiの両端にかかる電圧を検出する。電圧検出のために、たとえば図23に示す発光部E7の場合、スイッチ部82Gの端子17がボンディングワイヤ34Gを介して、対応する半導体レーザ素子T7のn側電極32に接続される。同様に、スイッチ部82B〜82Hの各端子17がそれぞれボンディングワイヤ34B〜34Hを介して、対応する半導体レーザ素子T2〜T8のn側電極32に接続される。
さらに、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部Eiのスイッチ部82は、第i−1番目の半導体トランジスタTi−1の発光によってフォトダイオードWi−1に生じた電圧または電流を検出する。このため、たとえば図23に示す発光部E7の場合、スイッチ部82Gの端子73,74が、発光部E6の電極パターン33FおよびフォトダイオードW6のカソード電極61とボンディングワイヤ対72Gを介して接続される。同様に、スイッチ部82B〜82Hの各端子73が電極パターン33A〜33Gとそれぞれ接続され、スイッチ部82B〜82Hの各端子74がフォトダイオードW1〜W7とそれぞれ接続される。これらの接続のために、スイッチ部82B〜82Hに対してボンディングワイヤ対72B〜72Hがそれぞれ設けられる。
上記の構成によれば、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部Eiのスイッチ制御部91は、第i番目の半導体レーザ素子Tiの両端にかかる電圧が閾値電圧TH1を超え、かつ、第i−1番目の半導体レーザ素子Ti-1の出力光強度が閾値以下の場合にオン状態になる。したがって、第i番目の半導体レーザ素子Tiが短絡故障した場合には、半導体レーザ素子Tiにかかる電圧が閾値電圧TH1以下となるので、第i−1番目の半導体レーザ素子Ti−1の発光しているか否かによらず、発光部Eiのスイッチ部71はオフ状態になる。また、第i番目の半導体レーザ素子Tiが正常状態であっても、第i−1番目の半導体レーザ素子Ti−1が発光している場合には、発光部Eiのスイッチ部71はオフ状態になる。このように、実施の形態5のスイッチ部71によっても、実施の形態1のスイッチ部11と同様の動作を行なうことができる。
また、フォトダイオードWにより短絡故障を検知することによって、短絡でない故障で半導体レーザ素子が光らなくなった場合においても予備の半導体レーザ素子に切替えることが可能となり、全体として光出力の低下を補償することができる。
上記以外の他の点については、図21〜図23の発光装置5の構成は、実施の形態1の発光装置1の構成と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰返さない。
[実施の形態6]
実施の形態6の発光装置6は、実施の形態2の発光装置2の変形例である。具体的には、発光装置6の各スイッチ制御部91は、実施の形態5の場合と同様に、隣接するスイッチ素子Sの両端の電圧の検出に代えてフォトダイオードWの出力を検出する。
図24は、この発明の実施の形態6による発光装置6の構成を示す回路図である。図24を参照して、発光装置6は、m個(実施の形態6では、mは2以上の偶数である。)の発光部F1〜Fmと、m個の発光部F1〜Fmで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部F1〜Fmに駆動電流を供給するための電源部(図示省略)とを含む。図18ではm=8の場合を示している。電源部のプラス端子は電源ノードVPに接続され、マイナス端子は電源ノードVNに接続される。
m個の発光部F1〜Fmのうち奇数番目の発光部Fj(jは1以上m以下の奇数)は、実施の形態2における図18の奇数番目の発光部Bjと同一の構成を有する。すなわち、発光部Fjは、半導体レーザ素子Tjと抵抗素子Rjとスイッチ素子Sjとスイッチ制御部10とを含む。各発光部Fjにおいて、スイッチ制御部10に属する電圧比較部12は半導体レーザ素子Tjの両端の電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1を超えた場合にスイッチ素子Sjをオン状態にする。
m個の発光部F1〜Fmのうち偶数番目の発光部Fk(kは1以上m以下の偶数)のスイッチ制御部91は、フォトダイオードWk−1をさらに含む点で、実施の形態2における図18の偶数番目の発光部Bkのスイッチ制御部11と異なる。フォトダイオードWk−1(kは1以上m以下の偶数)は、奇数番目の発光部Fk−1の半導体レーザ素子Tk−1にそれぞれ対応して設けられる。偶数番目の発光部Fkは、番号順に1つ前の奇数番目の発光部Fk−1と対応し、対応する発光部Fk−1が短絡故障した場合の予備の発光部である。
スイッチ制御部91の構成は、図21の実施の形態5におけるスイッチ制御部91の構成と同一である。以下、簡単にスイッチ制御部91の動作を説明すると、各発光部Fk(kは1以上m以下の偶数)において、スイッチ制御部91の電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tkの両端の電圧が閾値電圧TH1を超えるか否かを検出する。また、各発光部Fk(kは1以上m以下の偶数)において、スイッチ制御部91の電圧比較部13は、対応する奇数番目の発光部Fk−1に属する半導体レーザ素子Ti−1の発光によって、フォトダイオードWi−1の出力電圧または出力電流が閾値を超えたとき、Lレベルの信号を出力する。逆に、フォトダイオードWi−1の出力電圧または出力電流が閾値以下のとき、フォトダイオードWi−1はHレベルの信号を出力する。AND回路14は、電圧比較部12,13の出力の論理和をスイッチ素子Siに出力する。AND回路14の出力を受けたスイッチ素子Siは、電圧比較部12,13の出力電圧がともにHレベルのときのみオン状態になる。
また、各発光部Fk(kは1以上m以下の偶数)において、スイッチ制御部91のうちフォトダイオードWを除いた電圧比較部12,13およびAND回路14と、スイッチ素子Skとが、同一のパッケージに実装されることによってスイッチ部82を構成する。
その他の点については、図24の発光装置6の構成は、実施の形態2の発光装置2の構成と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰返さない。
図25は、図24の発光装置6の具体的構成を示す平面図である。
図25に示すように発光部F1〜F8はサブマウント30上に番号順に実装される。半導体レーザ素子T1〜T8はサブマウント30上にバー状態で実装されている。紙面表側(+Z方向)には、半導体レーザ素子T1〜T8の基板の裏面側に形成された共通の電極32が配置される。共通の電極32は−側の電源ノードVNと接続される。
実施の形態1の場合と同様に、サブマウント30上には、半導体レーザ素子T1〜T8と同じピッチで8個の電極パターン33A〜33Hが形成される。半導体レーザ素子T1〜T8の各p側電極は、それぞれ電極パターン33A〜33Hと半田によって接続される。サブマウント30上には、さらに、X方向に延びる矩形状の1個の電極パターン31が形成される。電極パターン31は+側の電源ノードVPと接続される。
フォトダイオードW1,W3,W5,W7(総称するとき、または不特定のものを示すときフォトダイオードWと称する)は、半導体レーザ素子T1,T3,T5,T7にそれぞれ対応して設けられる。具体的には、各フォトダイオードWの受光領域が、対応する半導体レーザ素子Tの出射端と反対側の端部を臨むように配置される。これによって、対応する半導体レーザ素子Tから出射されるレーザ光の強度が各フォトダイオードWによってモニタされる。各フォトダイオードWのアノード電極は、サブマウント30上の電極パターン33A,33C,33E,33Gのうちの対応する電極パターンと半田で接続される。
抵抗素子R1〜R8の各々は、電極パターン33A〜33Hのうちの対応する電極パターンと共通の電極パターン31との間に半田によって接続される。また、スイッチ部80(80A,80C,80E,80G)の各々は、電極パターン33A,33C,33E,33Gのうちの対応する電極パターンと共通の電極パターン31との間に半田で接続される。各スイッチ部80のスイッチ素子Sは、対応する電極パターン33と共通の電極パターン31との間をオン状態またはオフ状態に切換える。同様に、スイッチ部82(82B,82D,82F,82H)の各々は、対応する電極パターン33B,33D,33F,33Hと共通の電極パターン31との間に半田で接続される。各スイッチ部82のスイッチ素子Sは、対応する電極パターン33と共通の電極パターン31との間をオン状態またはオフ状態に切換える。
奇数番目の発光部Fj(j=1,3,5,7)にそれぞれ設けられたスイッチ部80A,80C,80E,80Gは、それぞれ対応する半導体レーザ素子T1,T3,T5,T7のn側電極32とボンディングワイヤ34(34A,34C,34E,34G)を介して接続される。これによって、スイッチ部80A,80C,80E,80Gの各々のスイッチ制御部10は、対応する半導体レーザ素子Tの両端にかかる電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1以下の場合に対応する半導体レーザ素子Tが短絡故障であると判定する。
偶数番目の発光部Fk(k=2,4,6,8)にそれぞれ設けられたスイッチ部82B,82D,82F,82Hは、それぞれ対応する半導体レーザ素子T2,T4,T6,T8のn側電極32とボンディングワイヤ34(34B,34D,34F,34H)を介して接続される。これによって、スイッチ部82B,82D,82F,82Hの各々のスイッチ制御部91は、対応する半導体レーザ素子Tの両端にかかる電圧を検出し、検出した電圧が閾値電圧TH1以下の場合に対応する半導体レーザ素子Tが短絡故障であると判定する。
さらに、偶数番目の発光部Fk(k=2,4,6,8)に設けられたスイッチ部82(82B,82D,82F,82H)のスイッチ制御部91は、隣接する奇数番目の発光部Fk−1の半導体レーザ素子Tk−1に対応して設けられたフォトダイオードWk−1に生じた電流または電圧をボンディングワイヤ対72(72B,72D,72F,72H)を介して検出する。これによって、発光部Fkのスイッチ部82に属するスイッチ制御部91は、隣接する奇数番目の発光部Fk−1に設けられた半導体レーザ素子Tk−1が発光状態にあるか否かを検知する。
上記構成によれば、電源投入後の定常状態では、奇数番目のメインの発光部Fj(jは1以上m以下の奇数)の半導体レーザ素子Tjのみが駆動状態となって発光する。その後、奇数番目のメインの半導体レーザ素子Tjが短絡故障した場合には、半導体レーザ素子Tjの出力光が閾値以下になるので、対応する偶数番目のサブの発光部Fj+1のスイッチ素子Sjがオフ状態からオン状態に切替わる。この結果、対応するサブの発光部Fj+1の半導体レーザ素子Tj+1が代わりに発光する。さらに、その半導体レーザ素子Tj+1が短絡故障した場合には、スイッチ素子Sj+1がオフ状態になるので、発光部Fj+1に供給される駆動電流は抵抗素子Rj+1を流れることになって電流の集中が抑制される。このように、実施の形態6の発光装置6によれば、実施の形態2の場合と同様の動作を実現することができる。
また、フォトダイオードWにより短絡故障を検知することによって、短絡でない故障で半導体レーザ素子が光らなくなった場合においても予備の半導体レーザ素子に切替えることが可能となり、全体として光出力の低下を補償することができる。
[実施の形態7]
実施の形態7の発光装置7は、実施の形態4の発光装置4の変形例である。具体的には、発光装置7の各発光部G1〜G6において、スイッチ制御部92は、半導体レーザ素子Tの両端の電圧の検出に代えて半導体レーザ素子Tの光出力をフォトダイオードWによって検出することによって、半導体レーザ素子Tが短絡状態にあるか否かを検出する。
図26は、この発明の実施の形態7による発光装置7の構成を示す回路図である。以下の説明では実施の形態4と同一または相当する部分については同一の参照符号を付して説明を繰返さない。
図26を参照して、発光装置7は、m個(実施の形態7では、mは1以上の整数である。)の発光部G1〜Gmと、m個の発光部G1〜Gmで共通の電源ノードVP,VNを介して発光部G1〜Gmに駆動電流を供給するための電源部(図示省略)とを含む。図26ではm=6の場合を示している。電源部のプラス端子は電源ノードVPに接続され、マイナス端子は電源ノードVNに接続される。
発光部Gi(iは1以上m以下の整数)は、電源ノードVP,VN間に互いに直列に接続されたスイッチ素子Siおよび半導体レーザ素子Tiと、スイッチ素子Siと並列に接続された半導体レーザ素子Uiと、スイッチ制御部92とを含む。
各発光部Giにおいて、スイッチ制御部92は、フォトダイオードWiとスイッチ素子Siの開閉を制御する電圧比較部12とを含む。フォトダイオードWiは、半導体レーザ素子Tiに対応して設けられ、半導体レーザ素子Tiの出力光をモニタする。各発光部Giの電圧比較部12は、半導体レーザ素子Tiの発光によって生じたフォトダイオードWiの出力電圧または出力電流が閾値を超えたときHレベルの信号を出力し、スイッチ素子Siをオン状態にする。逆に、半導体レーザ素子Tiが短絡故障した結果、フォトダイオードの出力Wiが閾値以下になる場合にはLレベルの信号を出力してスイッチ素子Siをオフ状態にする。
上記構成によれば、電源投入後の定常状態では、各発光部Gi(iは1以上m以下の整数)のスイッチ素子Siがオン状態になるので、半導体レーザ素子Tiが駆動状態となって発光する。その後、発光部Gi(iは1以上m以下の整数)において、半導体レーザ素子Tiが短絡故障した場合には、スイッチ素子Siがオン状態からオフ状態に切替わるので、半導体レーザ素子Uiが代わりに発光する。
このように、実施の形態7の発光装置7では、定常状態で発光している発光部Gi(iは1以上m以下の整数)の半導体レーザ素子Tiいずれか1つが短絡故障しても、半導体レーザ素子Uiが代わりに発光するので、発光装置7全体の光出力に変化はない。
また、フォトダイオードWにより短絡故障を検知することによって、短絡でない故障で半導体レーザ素子が光らなくなった場合においても予備の半導体レーザ素子に切替えることが可能となり、全体として光出力の低下を補償することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1〜6 発光装置、8 電源部、9 制御電源部、10,11,60,71 スイッチ部、12,13 電圧比較部、14 AND回路、30 サブマウント、31,33 電極パターン、32 n側電極、36 半田、37 p側電極、41 基板、42 バッファ層、43 クラッド層、44 ガイド層、45 多重量子井戸活性層、46 蒸発防止層、47 クラッド層、49 コンタクト層、50 絶縁膜、54 アイソレーション溝、A〜F 発光部、R 抵抗素子、S スイッチ素子、T,U 半導体レーザ素子、VP,VN 電源ノード、W フォトダイオード。

Claims (22)

  1. n個(nは2以上の整数)の発光部を備え、
    前記n個の発光部の各々は、
    前記n個の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられた半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記半導体レーザ素子に対して直列に接続されたスイッチ素子と、
    前記半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、前記半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に前記スイッチ素子を非導通状態にするスイッチ制御部と、
    前記スイッチ素子と並列に接続されたバイパス素子とを含み、
    前記n個の発光部の各々において、前記バイパス素子は、前記半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたときに、前記半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有し、
    前記n個の発光部にそれぞれ属する複数の前記半導体レーザ素子は、前記第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる、発光装置。
  2. 前記n個の発光部に第1番から第n番まで番号を付したとき、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i−1番目の発光部に属する前記スイッチ素子の両端にかかる電圧をさらに検出し、
    第i番目の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態である場合に加えて、さらに、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する前記スイッ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値以下の場合にも前記スイッチ素子を非導通状態にし、
    第i番目の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する前記スイッチ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値を超える場合に前記スイッチ素子を導通状態にする、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記n個の発光部に第1番から第n番まで番号を付したとき、第i番目(iは2以上n以下の整数)の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i−1番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超えるか否かをさらに検出し、
    第i番目の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態である場合に加えて、さらに、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値を超える場合にも前記スイッチ素子を非導通状態にし、
    第i番目の発光部に属する前記スイッチ制御部は、第i番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子が短絡状態でない場合で、かつ、第i−1番目の発光部に属する前記半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値以下の場合に前記スイッチ素子を導通状態にする、請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記n個の発光部にそれぞれ属するn個の前記半導体レーザ素子は、前記番号の順に一列に配設される、請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 前記n個の発光部の各々において、前記スイッチ制御部は、前記半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に前記スイッチ素子を導通状態にする、請求項1に記載の発光装置。
  6. 前記n個の発光部の各々において、前記スイッチ制御部は、前記半導体レーザ素子の両端にかかる電圧が第3の閾値以下であることを検出することによって、前記半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記バイパス素子は、抵抗体によって構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記n個の発光部にそれぞれ属するn個の前記半導体レーザ素子は、共通の基板上に一列に並んで形成され、各々が、活性層、前記活性層よりも前記基板に近接する側に設けられた第1のクラッド層、および前記活性層よりも前記基板から離反する側に設けられた第2のクラッド層を含み、
    前記第1のクラッド層および前記活性層は、n個の前記半導体レーザ素子間で一体化され、
    前記第2のクラッド層は、n個の前記半導体レーザ素子間で相互に分離される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. n個(nは1以上の整数)の第1の発光部と、
    前記n個の第1の発光部にそれぞれ対応するn個の第2の発光部とを備え、
    前記n個の第1の発光部の各々は、
    前記n個の第1および第2の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられた第1の半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続された第1のスイッチ素子と、
    前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に前記第1のスイッチ素子を非導通状態にし、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に前記第1のスイッチ素子を導通状態にする第1のスイッチ制御部と、
    前記第1のスイッチ素子と並列に接続された第1のバイパス素子とを含み、
    前記n個の第1の発光部の各々において、前記第1のバイパス素子は、前記第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、前記第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有し、
    前記n個の第2の発光部の各々は、
    前記第1および第2の電源ノード間に設けられた第2の半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記第2の半導体レーザ素子に対して直列に接続された第2のスイッチ素子と、
    対応する第1の発光部に属する前記第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧を検出し、検出した電圧が第1の閾値以下の場合に前記第2のスイッチ素子を非導通状態にする第2のスイッチ制御部とを含み、
    前記n個の第1の発光部にそれぞれ属する複数の前記第1の半導体レーザ素子および前記n個の第2の発光部にそれぞれ属する複数の前記第2の半導体レーザ素子は、前記第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる、発光装置。
  10. 前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かをさらに検出し、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が前記第1の閾値以下の場合に加えて、さらに、対応する第1の発光部に属する前記第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が前記第1の閾値を超えた場合であり、かつ、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態である場合にも前記第2のスイッチ素子を非導通状態にし、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が前記第1の閾値を超えた場合であり、かつ、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態でない場合に前記第2のスイッチ素子を導通状態にし、
    前記n個の第2の発光部の各々は、前記第2のスイッチ素子と並列に接続された第2のバイパス素子をさらに含み、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のバイパス素子は、前記第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、前記第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する、請求項9に記載の発光装置。
  11. 前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1のスイッチ素子の両端にかかる電圧が前記第1の閾値を超えた場合に前記第2のスイッチ素子を導通状態にする、請求項9に記載の発光装置。
  12. n個(nは1以上の整数)の第1の発光部と、
    前記n個の第1の発光部にそれぞれ対応するn個の第2の発光部とを備え、
    前記n個の第1の発光部の各々は、
    前記n個の第1および第2の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられた第1の半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続された第1のスイッチ素子と、
    前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に前記第1のスイッチ素子を導通状態にし、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に前記第1のスイッチ素子を導通状態にする第1のスイッチ制御部と、
    前記第1のスイッチ素子と並列に接続された第1のバイパス素子とを含み、
    前記n個の第1の発光部の各々において、前記第1のバイパス素子は、前記第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、前記第1の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有し、
    前記n個の第2の発光部の各々は、
    前記第1および第2の電源ノード間に設けられた第2の半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記第2の半導体レーザ素子に対して直列に接続された第2のスイッチ素子と、
    対応する第1の発光部に属する前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値を超えるか否かを検出し、出力光の強度が前記第2の閾値を超えた場合に前記第2のスイッチ素子を非導通状態にする第2のスイッチ制御部とを含み、
    前記複数の第1の発光部にそれぞれ属する複数の前記第1の半導体レーザ素子および前記複数の第2の発光部にそれぞれ属する複数の前記第2の半導体レーザ素子は、前記第1および第2のノード間で互いに並列に設けられる、発光装置。
  13. 前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かをさらに検出し、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値を超えた場合に加えて、さらに、対応する第1の発光部に属する前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値以下の場合であり、かつ、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態である場合にも前記第2のスイッチ素子を非導通状態にし、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値以下の場合であり、かつ、前記第2の半導体レーザ素子が短絡状態でない場合に前記第2のスイッチ素子を導通状態にし、
    前記n個の第2の発光部の各々は、前記第2のスイッチ素子と並列に接続された第2のバイパス素子をさらに含み、
    前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のバイパス素子は、前記第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電流と等しい大きさの電流が流れたとき、前記第2の半導体レーザ素子の定格光出力における駆動電圧以上の電圧降下を生じるような電気抵抗特性を有する、請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記n個の第2の発光部の各々において、前記第2のスイッチ制御部は、対応する第1の発光部に属する前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が前記第2の閾値以下の場合に前記第2のスイッチ素子を導通状態にする、請求項12に記載の発光装置。
  15. 前記n個の第1の発光部にそれぞれ属するn個の前記第1の半導体レーザ素子と、前記n個の第2の発光部にそれぞれ属するn個の前記第2の半導体レーザ素子とは、一方向に沿って互いに交互に配設される、請求項9〜14のいずれか1項に記載の発光装置。
  16. n個(nは1以上の整数)の発光部を備え、
    前記n個の発光部の各々は、
    前記n個の発光部で共通の第1および第2の電源ノード間に設けられた第1の半導体レーザ素子と、
    前記第1および第2の電源ノード間で前記第1の半導体レーザ素子に対して直列に接続されたスイッチ素子と、
    前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であるか否かを検出し、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合に前記スイッチ素子を非導通状態にし、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態でないことを検出した場合に前記スイッチ素子を導通状態にするスイッチ制御部と、
    前記スイッチ素子と並列に接続された第2の半導体レーザ素子とを含み、
    前記n個の発光部にそれぞれ属する複数の前記第1の半導体レーザ素子は、前記第1および第2の電源ノード間で互いに並列に設けられる、発光装置。
  17. 前記n個の発光部の各々において、前記スイッチ制御部は、前記第1の半導体レーザ素子の両端にかかる電圧が第1の閾値以下であることを検出することによって、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する、請求項16に記載の発光装置。
  18. 前記n個の発光部の各々において、前記スイッチ制御部は、前記第1の半導体レーザ素子の出力光の強度が第2の閾値以下であることを検出することによって、前記第1の半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出する、請求項16に記載の発光装置。
  19. 前記発光装置は、前記第1および第2の電源ノード間に流す駆動電流を供給するための電源部をさらに備え、
    前記電源部は、前記駆動電流の供給を開始するときに、第1の電流量で前記駆動電流を出力した後に、前記第1の電流量よりも大きい第2の電流量で前記駆動電流を出力する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の発光装置。
  20. 互いに並列に設けられたp個(pは3以上の整数)の半導体レーザ素子と、
    前記p個の半導体レーザ素子のうち、選択したq個(qは2以上p−1以下の整数)の半導体レーザ素子のみに駆動電流を供給する制御電源部とを備え、
    前記制御電源部は、選択したq個の半導体レーザ素子の各々が短絡状態であるか否かを検出し、いずれか1つの半導体レーザ素子が短絡状態であることを検出した場合には、短絡状態の半導体レーザ素子を除くp−1個の半導体レーザ素子のうち、選択したq個の半導体レーザ素子にのみ前記駆動電流を供給する、発光装置。
  21. 前記p個の半導体レーザ素子は一列に配設され、
    前記制御電源部によって選択されたq個の半導体レーザ素子の相互間には、未選択の半導体レーザ素子が少なくとも1個設けられる、請求項20に記載の発光装置。
  22. 短絡状態の半導体レーザ素子が検出される前に選択されたq個の半導体レーザ素子うちで隣接する半導体レーザ素子間の間隔の最小値は、短絡状態の半導体レーザ素子が検出された後に選択されたq個の半導体レーザ素子のうちで隣接する半導体レーザ素子間の間隔の最小値以下である、請求項20または21に記載の発光装置。
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