JP4639786B2 - 半導体レーザ生産物を作製する方法 - Google Patents
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Description
dIth={(Ith2−Ith1)/Ith1}×100(%)…(1)
式(1)により求められた変化率dIthの値を判定して選別を行う。判定基準は一般的に、104 時間以上の長期ACC駆動試験結果と、変化率dIthとの関係により設定される。
図1は、第1の実施の形態に係る半導体レーザ生産物を製造する工程フローF100を示す図面である。図2(A)は単一の半導体レーザチップの断面を示す図面であり、図2(B)は半導体レーザチップを示す図面である。図3(A)および図3(B)は、組立体を示す図面である。工程S101では、基板上に半導体膜が成長される。本実施例では、n型InPクラッド層11、活性層13、第1のp型InPクラッド層15、ブロック領域17、並びに第2のp型InPクラッド層19およびコンタクト層21のための半導体膜がInP基板23上に堆積される。ブロック領域17は、一実施例として示されたp型埋め込み層17aおよびn型埋め込み層17bを含む。工程S102では、保護膜25、アノード電極27およびカソード電極29を形成する。これらの工程の後に、ウエハ生産物が完成する。工程S103では、ウエハ生産物から劈開によりレーザバーを作製する。必要な場合には、レーザバーの劈開面にコーティング膜を形成する。好ましくは、コーティング膜は、イオンビーム・アシステッド・デポジション(IAD)法で形成される。工程S104では、コーティング膜を形成した後に、レーザバーを分割して、個々の半導体レーザチップに対応するチップを作製する。一群のチップを選別して、図2(B)に示される良品の半導体レーザチップ31を得る。各半導体レーザチップ31は、両端面に設けられたコーティング膜33a、33bを有しており、I−I断面では、図2(A)に示されるような構造を有する。
図7(A)および図7(B)は、それぞれ、摂氏85度においてスクリーニング試験を行った第1群の組立体と、摂氏95度においてスクリーニング試験を行った第2群の組立体とのDIth(%)の度数を示すグラフである。個々の組立体のI−L特性から発振しきい値(Ith1:スクリーニング前における発振しきい値、Ith2:スクリーニング後における発振しきい値)から変化率DIthを下記の式
DIth={(Ith2−Ith1)/Ith1}×100(%)
を用いて求める。横軸の各DIth値において、左の柱が摂氏95度における度数を示し、右の柱が摂氏85度(動作保証上限温度)における度数を示す。
図9は、反射率が異なるコーティング膜を端面に備える3種類の半導体レーザにおける光子密度とキャビティ長との関係を示す図面である。図10は、ESD逆方向電圧を3種類の半導体レーザに加えることによって得られた累積不良率を示す図面である。図11は、ESD順方向電圧を3種類の半導体レーザに加えることによって得られた累積不良率を示す図面である。これらの図面で、特性線C1は、それぞれの端面の反射率83%/83%である半導体レーザの特性を示しており、特性線C2は、それぞれの端面の反射率28%/83%である半導体レーザの特性を示しており、特性線C3は、それぞれの端面の反射率28%/28%である半導体レーザの特性を示している。活性層にキャリアが注入されたとき、光子密度が高い半導体レーザは大きな光パワーを発生する。図9〜図11によれば、光パワーを下げてスクリーニングすることにより、ESD順方向耐性だけでなく、ESD逆方向耐性の低下も小さくすることができる。
GaInAsP/InP系材料を用いたレーザダイオード(LD)は光通信システムにおいて重要な波長帯である1.3−1.5μm帯に対応して、幅広く用いられている。そこで必然的に高い信頼性が要求されることになる。信頼性の重要な指標の1つとして静電気放電(ESD)に対する劣化耐性が挙げられ、LDモジュールでは、内部電気回路などにより外部からの静電気放電を抑制可能だが、LDチップは、モジュール実装時の取り扱いなどにおいて、人体や機械から静電気放電による劣化を容易に受けやすい。そのため、LDチップ自体の劣化耐性の向上が重要である。ESDによる劣化機構は、印加される電圧の極性が順方向と逆方向とで異なり、順方向では光出力によって、逆方向ではpn接合部への高電圧印加により破壊される。端面発光型LDではどちらの極性の劣化も、大抵の場合は、活性層端面が起因となる。活性層端面から劣化が進行することは、エレクトロルミネッセンス(EL)や透過型電子顕微鏡(TEM)による分析から示されている。その理由としては、端面発光型LDはへき開により容易に共振器を作成することができるが、へき開端面には多数の結晶欠陥が存在するためである。端面での欠陥を低減させることは、非発光再結合の抑制とほぼ等価であり、表面再結合の低減が必須となる。
25…保護膜、27…アノード電極、29…カソード電極、31…半導体レーザチップ、33a、33b…コーティング膜、35…搭載部材、35b…ステム、35a…サブマウント、37a、37b…組立体、T0、T1、T2…温度、P0、P1、P2、P3、P4、P5…発光パワー、S106−A、S106−B、S106−C…スクリーニング工程、Psat…飽和光出力
Claims (5)
- 所定の動作保証上限温度および所定の最大電流定格を保証可能な半導体レーザ生産物を作製する方法であって、
端面がHRコーティングあるいはARコーティングされた半導体レーザチップを搭載部材上にマウントすると共に前記半導体レーザチップを前記搭載部材に電気的に接続して組立体を作製する工程と、
前記動作保証上限温度より高く摂氏95度以下であるテスト温度において所定の期間だけ電流を前記組立体に印加して、前記動作保証上限温度における飽和光出力以下の光出力で前記組立体を発光させる工程と、
前記電流を前記組立体に印加した後に、前記組立体の電気的な特性を測定する工程と、
前記組立体が良品であることを前記測定の結果が示す場合、前記組立体が前記測定をパスしたものとして良品の半導体レーザ生産物を得る工程と
を備え、
前記半導体レーザチップの少なくともいずれか一方の端面がARコーティングされており、
前記動作保証上限温度は摂氏85度以上であり、
前記電流は、前記テスト温度における飽和光出力を前記組立体に発生させる電流より大きく、また150ミリアンペア未満であり、かつ、前記動作保証上限温度における飽和光出力の0.6倍以下の光出力を達成する値である、
ことを特徴とする方法。 - 前記テスト温度は前記動作保証上限温度の1.1倍以上である、ことを特徴とする請求項1に記載された方法。
- 所定の動作保証上限温度および所定の最大電流定格を保証可能な半導体レーザ生産物を作製する方法であって、
端面がHRコーティングあるいはARコーティングされた半導体レーザチップを搭載部材上にマウントすると共に前記半導体レーザチップを前記搭載部材に電気的に接続して、組立体を作製する工程と、
電流を前記組立体に印加して、飽和光出力未満の光出力で前記組立体を発光させる工程と、
前記電流を前記組立体に印加した後に、前記組立体の電気的な特性を測定する工程と、
前記組立体が良品であることを前記測定の結果が示す場合、前記組立体が前記測定をパスしたものとして良品の半導体レーザ生産物を得る工程と
を備え、
前記半導体レーザチップの少なくともいずれか一方の端面がARコーティングされており、
前記電流は、当該組立体が前記飽和光出力を示す電流値より大きく、かつ、前記動作保証上限温度における飽和光出力の0.6倍以下の光出力を達成する値であり、
前記組立体を発光させる前記工程は摂氏100度を越えた温度で行われる、ことを特徴とする方法。 - 所定の動作保証上限温度および所定の最大電流定格を保証可能な半導体レーザ生産物を作製する方法であって、
端面がHRコーティングあるいはARコーティングされた半導体レーザチップを搭載部材上にマウントすると共に前記半導体レーザチップを前記搭載部材に電気的に接続して、組立体を作製する工程と、
電流を前記組立体に印加して、飽和光出力未満の光出力で前記組立体を発光させる工程と、
前記電流を前記組立体に印加した後に、前記組立体の電気的な特性を測定する工程と、
前記組立体が良品であることを前記測定の結果が示す場合、前記組立体が前記測定をパスしたものとして良品の半導体レーザ生産物を得る工程と
を備え、
前記半導体レーザチップの少なくともいずれか一方の端面がARコーティングされており、
前記動作保証上限温度は摂氏85度以上であり、
前記電流は、当該組立体が前記飽和光出力を示す電流値より大きく、かつ、前記動作保証上限温度における飽和光出力の0.6倍以下の光出力を達成する値であり、
前記組立体を発光させる前記工程は摂氏70度未満で行われる、ことを特徴とする方法。 - 前記半導体レーザ生産物は、MIL規格に従う静電放電試験法において1000ボルト以上の耐圧を有する、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された方法。
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