JP2008120894A - ポリ乳酸組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、分子量が高く、ステレオコンプレックス結晶含有率の高いポリ乳酸組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明は、(i)100重量部のポリ乳酸および(ii)0.01〜10重量部の三斜晶系無機核剤を含有し、重量平均分子量(Mw)が12万以上であり、ステレオコンプレックス結晶含有率(X)が80%以上であるポリ乳酸組成物およびその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ステレオコンプレックス結晶を含有するポリ乳酸組成物に関する。更に詳しくは、重量平均分子量が12万以上であり、ステレオコンプレックス結晶含有率が80%以上のポリ乳酸組成物に関する。
プラスチックの多くは軽く強靭であり耐久性に優れ、容易かつ任意に成形することが可能であるので、量産されて我々の生活を多岐にわたって支えてきた。しかし、プラスチックは、環境中に廃棄された場合、容易に分解されずに蓄積する。また、焼却の際には大量の二酸化炭素を放出し、地球温暖化に拍車を掛けている。
かかる現状に鑑み、脱石油原料から成る樹脂、或いは微生物によって分解される生分解性プラスチックが盛んに研究されるようになってきた。生分解プラスチックは、脂肪族カルボン酸エステル単位を有し微生物により分解され易い。その反面、熱安定性に乏しく、溶融紡糸、射出成形、溶融製膜などの高温に晒される工程における分子量低下、或いは色相悪化が深刻である。
ポリ乳酸は生分解性プラスチックの中にあっては耐熱性に優れ、色相、機械強度のバランスが取れたプラスチックであるが、ポリエチレンテレフタレートやポリアミドに代表される石油系樹脂と比較すると、耐熱性に関しては未だ雲泥の差が見られる。
このような現状を打開すべく、ポリ乳酸の耐熱性向上について種々検討がなされてきた。そのひとつにステレオコンプレックスポリ乳酸が挙げられる。ステレオコンプレックスポリ乳酸とはステレオコンプレックス結晶を含むポリ乳酸であり、一般的なホモ結晶からなるポリ乳酸よりも30℃乃至50℃高い融点を示す。然しながらステレオコンプレックス結晶は常に現れるわけではなく、特に高分子量領域では寧ろホモ結晶が現れることが多い。また、ステレオコンプレックス結晶のみから成るステレオコンプレックスポリ乳酸であっても、再溶融の後、結晶化を行った場合、ホモ結晶が混在する場合がある。このような現象を改善すべく、ステレオコンプレックス結晶のみを成長させる結晶核剤について研究が行われている。
例えば特許文献1には、分子量が約12万のポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とのクロロホルム/ヘキサフルオロ−2−プロパノール溶液を、オキサミド誘導体の存在下で混合して得られた混合物は、DSC測定の結果、ステレオコンプレックス結晶のみから成るステレオコンプレックスポリ乳酸であることが記載されている。
また特許文献2には、特許文献1と同様の方法で芳香族尿素系化合物を使用すると、ステレオコンプレックス結晶のみから成るステレオコンプレックスポリ乳酸が得られることが記載されている。
しかしながら、これらの方法でステレオコンプレックスポリ乳酸を製造する場合、大量の含ハロゲン系有機溶媒を使用するため、回収のためのプロセスが必要であり、環境負荷も著しくなる。また、オキサミド誘導体や芳香族尿素系化合物は含窒素化合物であり、ステレオコンプレックスポリ乳酸を溶融混練によって調製する場合、分子量低下と着色が問題となる。
上記の如く、溶媒を使用せず工業生産が容易で、分子量低下が少なく、着色の少ないステレオコンプレックスポリ乳酸の製造方法は提案されていない。
特開2005−187630号公報 特開2005−255806号公報
本発明の目的は、分子量が高く、ステレオコンプレックス結晶含有率の高いポリ乳酸組成物を提供することにある。本発明の目的は、溶媒を使用することなく、分子量が高く、ステレオコンプレックス結晶含有率の高いポリ乳酸組成物を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を混合してステレオコンプレックス結晶を形成させる際に、ステレオコンプレックス結晶と同じ三斜晶系の結晶格子を有している三斜晶系無機核剤を存在させるとステレオコンプレックス結晶の含有率が高いポリ乳酸組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、(i)100重量部のポリ乳酸および(ii)0.01〜10重量部の三斜晶系無機核剤を含有し、重量平均分子量(Mw)が12万以上であり、下記式(1)で表されるステレオコンプレックス結晶含有率(X)が80%以上であるポリ乳酸組成物である。
X={△Hb/(△Ha+△Hb)}×100(%) (1)
[但し、式(1)中、△Haと△Hbは、それぞれ示差走査熱量計(DSC)の昇温過程において、150℃以上190℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Ha)、および190℃以上250℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Hb)である。]
本発明のポリ乳酸組成物において、ポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の混合物であることが好ましい。三斜晶系無機核剤はメタケイ酸カルシウムであることが好ましい。三斜晶系無機核剤の平均粒径は、0.1μm以上、10μm未満であることが好ましい。
本発明は、前記ポリ乳酸組成物からなる成形体を包含する。
更に、本発明は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を三斜晶系無機核剤の存在下で混合することを特徴とするステレオコンプレックス結晶を含有するポリ乳酸組成物の製造方法である。
本発明のポリ乳酸組成物は、分子量が高く、ステレオコンプレックス結晶含有率が高く、融点が高い。本発明の製造方法によれば、溶媒を使用することなく、分子量が高く、ステレオコンプレックス結晶含有率が高く、融点が高いポリ乳酸組成物を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈ポリ乳酸組成物〉
ポリ乳酸は、主として下記式で表される乳酸単位からなる。乳酸単位には、L−乳酸単位とD−乳酸単位がある。
Figure 2008120894
ポリ乳酸は、主としてL−乳酸単位からなるポリ−L−乳酸、および主としてD−乳酸単位からなるポリ−D−乳酸を包含する。ポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の混合物であることが好ましい。ステレオコンプレックス結晶は、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸を混合することにより形成され、この場合、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との重量比は、好ましくは90:10〜10:90、より好ましくは75:25〜25:75、さらに好ましくは60:40〜40:60である。
本発明のポリ乳酸組成物の重量平均分子量は、12万以上、好ましくは12万〜20万、より好ましくは14万〜18万である。本明細書において、重量平均分子量は溶離液にクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量値である。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にあるときには、ポリ乳酸組成物は加工性、あるいは力学物性にも優れる。
(三斜晶系無機核剤)
本発明のポリ乳酸組成物は、ポリ乳酸100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部の三斜晶系無機核剤を含有する。三斜晶系無機核剤は、ステレオコンプレックス結晶と同じ三斜晶系の結晶格子を有しているためステレオコンプレックス結晶の結晶核剤として有効であるが、斜方晶系に属するホモ結晶に対しては結晶核剤として然程機能しない。その結果、ホモ結晶の成長を遅延させ、その間にステレオコンプレックス結晶の成長を促進することが可能である。三斜晶系無機核剤として、具体的には、リン酸二水素カルシウム・一水和物、メタケイ酸カルシウム、硫酸水素ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等を用いることができるが、分子量低下を抑制する観点から、メタケイ酸カルシウムを用いることが好ましい。
三斜晶系無機核剤の含有量が0.01重量部未満であると、ホモ結晶含有率が増加し、一方、10重量部を越えると、再凝集して結晶核剤としての効能が低下する。三斜晶系無機核剤の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、10μm未満である。この範囲内にあるときには、ステレオコンプレックス結晶の結晶化が効率的に進行する。三斜晶系無機核剤の平均粒径は、より好ましくは0.5μm以上、10μm未満である。平均粒径の測定方法としては、アルゴンレーザーやヘリウムレーザーを使用する静的散乱法が最も実用的な測定法として例示できる。
(ステレオコンプレックス結晶含有率(X))
本発明のポリ乳酸組成物は、下記式(1)で表されるステレオコンプレックス結晶含有率(X)が80%以上である。
X={△Hb/(△Ha+△Hb)}×100(%) (1)
但し、式(1)中、△Haと△Hbは、それぞれ示差走査熱量計(DSC)の昇温過程において150℃以上190℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Ha)と190℃以上250℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Hb)を示す。
ここで、Xが80%未満であると、熱変形温度(HDT)が180℃未満となり好ましくない。Xは、好ましくは80%以上、100%以下、更に好ましくは90%以上、100%以下である。
〈ポリ乳酸組成物の製造方法〉
本発明のポリ乳酸組成物は、例えば、以下の方法によって得ることができる。即ち、本発明は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を三斜晶系無機核剤の存在下で混合することを特徴とするステレオコンプレックス結晶を含有するポリ乳酸組成物の製造方法を包含する。
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との重量比は、好ましくは90:10〜10:90、より好ましくは75:25〜25:75、さらに好ましくは60:40〜40:60である。ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の重量平均分子量は、各々、好ましくは5万〜50万、より好ましくは8〜20万である。
ポリ−L−乳酸とは、L−乳酸単位を主として含む重合体であり、またポリ−D−乳酸とは、D−乳酸単位を主として含む重合体である。
ポリ−L−乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のL−乳酸単位を含有する。他の単位としては、D−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位が挙げられる。D−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリ−D−乳酸は、90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のD−乳酸単位を含有する。他の単位としては、L−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位が挙げられる。L−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
共重合単位は、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸は、公知の方法で製造することができる。例えば、L−またはD−ラクチドを金属触媒の存在下、加熱し開環重合させ製造することができる。また、金属触媒を含有する低分子量のポリ乳酸を結晶化させた後、減圧下または不活性ガス気流下で加熱し固相重合させ製造することができる。さらに、有機溶媒の存在/非存在下で、乳酸を脱水縮合させる直接重合法で製造することができる。
重合反応は、従来公知の反応容器で実施可能であり、例えばヘリカルリボン翼等、高粘度用攪拌翼を備えた縦型反応容器を単独、または並列して使用することができる。
重合開始剤としてアルコールを用いてもよい。かかるアルコールとしては、ポリ乳酸の重合を阻害せず不揮発性であることが好ましく、例えばデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ベンジルアルコールなどを好適に用いることができる。
固相重合法では、前述した開環重合法や乳酸の直接重合法によって得られた、比較的低分子量の乳酸ポリエステルをプレポリマーとして使用する。プレポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)未満の温度範囲にて予め結晶化させることが、融着防止の面から好ましい形態と言える。結晶化させたプレポリマーは固定された縦型反応容器、或いはタンブラーやキルンの様に容器自身が回転する反応容器中に充填され、プレポリマーのガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)未満の温度範囲に加熱される。重合温度は、重合の進行に伴い段階的に昇温させても何ら問題はない。また、固相重合中に生成する水を効率的に除去する目的で前記反応容器類の内部を減圧することや、加熱された不活性ガス気流を流通する方法も好適に併用される。
金属触媒は、アルカリ土類金属、希土類元素、第三周期の遷移金属、アルミニウム、ゲルマニウム、スズおよびアンチモンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の化合物が好ましい。アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。希土類元素として、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウムなどが挙げられる。第三周期の遷移金属として、鉄、コバルト、ニッケルが挙げられる。金属触媒は、上記金属のカルボン酸塩、アルコキシド、ハロゲン化物、酸化物、炭酸塩、エノラート塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩が好ましい。重合活性や色相を考慮した場合、オクチル酸スズ、チタンテトライソプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシドが特に好ましい。金属触媒は、ポリラクチド100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは、0.005〜0.1重量部用いる。金属触媒の添加量が少なすぎると重合速度が著しく長期化するため好ましくない。逆に多すぎると開重合やエステル交換反応が加速されるため、得られるポリ乳酸組成物の熱安定性が悪化する。
混合は、溶媒の非存在下で行うことができる。即ち、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを所定量混合した後に溶融混練する方法、いずれか一方を溶融させた後に残る一方を加えて混練する方法を採用することができる。
三斜晶系無機核剤はポリ乳酸組成物の項で説明したとおりである。三斜晶系無機核剤は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との混合時に添加することができる。また混合前に、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とのどちらか一方あるいは両方に、三斜晶系無機核剤をあらかじめ含有させておいてもよい。このようにすることによって、ポリ乳酸組成物中に、三斜晶系無機核剤を均一に分散させることが可能となる。
〈成形体〉
本発明のポリ乳酸組成物を用いて、射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、フィルム、シート不織布、繊維、布、他の材料との複合体、農業用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品またはその他の成形体を得ることができる。成形は常法により行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
(1)重量平均分子量(Mw)の測定
重量平均分子量(Mw)はショーデックス製GPC−11を使用し、ポリ乳酸組成物50mgを5mlのクロロホルム/ヘキサフルオロ−2−プロパノール95/5(v/v)溶液に溶解させ、40℃のクロロホルムにて展開した。重量平均分子量(Mw)、はポリスチレン換算値として算出した。
(2)ステレオコンプレックス結晶含有率(X)の算出法
ステレオコンプレックス結晶含有率(X)は、示差走査熱量計(DSC)において150℃以上190℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピーΔHaと、190℃以上250℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピーΔHbから下記式(1)にて算出した。
X={ΔHa/(ΔHa+ΔHb)}×100(%) (1)
[実施例1]
(ポリ−L−乳酸の製造)
冷却留出管を備えた重合反応容器の原料仕込み口から、窒素気流下でL−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、重合グレード)100重量部およびステアリルアルコール0.15重量部を仕込んだ。続いて反応容器内を5回窒素置換し、L−ラクチドを190℃にて融解させた。L−ラクチドが完全に融解した時点で、原料仕込み口から2−エチルヘキサン酸スズ0.05重量部をトルエン500μLと共に添加し、190℃で1時間重合した。重合終了後、ジエチルホスホノ酢酸エチル0.055重量部を触媒投入口から添加し、15分間混錬した。最後に余剰L−ラクチドを脱揮し、反応容器の吐出口からストランド状のポリ−L−乳酸を吐出し、冷却しながらペレット状に裁断した。得られたポリ−L−乳酸のMwは、14.7×10であった。
(ポリ−D−乳酸の製造)
次に、同様の操作にてポリ−D−乳酸を調製した。即ち、D−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、重合グレード)100重量部およびステアリルアルコール0.15重量部を仕込み、続いて反応容器内を5回窒素置換し、D−ラクチドを190℃にて融解させた。D−ラクチドが完全に融解した時点で、原料仕込み口から2−エチルヘキサン酸スズ0.05重量部をトルエン500μLと共に添加し、190℃で1時間重合した。重合終了後、ジエチルホスホノ酢酸エチル0.055重量部を触媒投入口から添加し、15分間混錬した。最後に余剰D−ラクチドを脱揮し、反応容器の吐出口からストランド状のポリ−D−乳酸を吐出し、冷却しながらペレット状に裁断した。得られたポリ−D−乳酸のMwは、13.2×10であった。
(ステレオコンプレックスの形成)
ポリ−L−乳酸のペレット50重量部、ポリ−D−乳酸のペレット50重量部および平均粒径2μmのメタケイ酸カルシウム1重量部を良く混合させた後、東洋製機社製ニーダーラボプラストミル50C150を使用し、窒素ガス気流下230℃で5分間混練した。得られたポリ乳酸組成物の重量平均分子量(Mw)、ステレオコンプレックス結晶含有率(X)を表1に示す。
[実施例2]
メタケイ酸カルシウム1重量部を平均粒径2μmの過ホウ酸ナトリウム1重量部に替えた以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸組成物を調製した。得られたポリ乳酸組成物のMw、Xを表1に示す。
[比較例1]
三斜晶系無機核剤を添加しない以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸組成物を調製した。得られたポリ乳酸組成物のMw、Xを表1に示す
[比較例2]
メタケイ酸カルシウム1重量部を日本タルク社製タルク(SG2000)1重量部に替えた以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸組成物を調製した。得られたポリ乳酸組成物のMw、Xを表1に示す。
Figure 2008120894

Claims (6)

  1. (i)100重量部のポリ乳酸および(ii)0.01〜10重量部の三斜晶系無機核剤を含有し、重量平均分子量(Mw)が12万以上であり、下記式(1)で表されるステレオコンプレックス結晶含有率(X)が80%以上であるポリ乳酸組成物。
    X={△Hb/(△Ha+△Hb)}×100(%) (1)
    [但し、式(1)中、△Haと△Hbは、それぞれ示差走査熱量計(DSC)の昇温過程において、150℃以上190℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Ha)、および190℃以上250℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピー(△Hb)である。]
  2. ポリ乳酸が、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の混合物である請求項1に記載のポリ乳酸組成物。
  3. 三斜晶系無機核剤が、メタケイ酸カルシウムである請求項1または2に記載のポリ乳酸組成物。
  4. 三斜晶系無機核剤の平均粒径が、0.1μm以上、10μm未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリ乳酸組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリ乳酸組成物からなる成形体。
  6. ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を三斜晶系無機核剤の存在下で混合することを特徴とするステレオコンプレックス結晶を含有するポリ乳酸組成物の製造方法。
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