JP2008115417A - 金属化フィルムの製造方法、及び金属化フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、高い耐電流性を有する上に、自己回復性および耐電圧特性にも優れたコンデンサ用フィルムである金属化フィルムの製造方法及びフィルムコンデンサを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の金属化フィルムの製造方法は、基材フィルムの片面にプラズマ処理を施し、該プラズマ処理面に金属層を形成するものである。
本発明のフィルムコンデンサは、かかる金属化フィルムの製造方法によって得られた金属化フィルムを用いて構成されているものである。
【選択図】なし
Description
(1)前記プラズマ処理の処理強度が2.4W・min/m2以上であること、
(2)前記基材フィルムが、その主成分がポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれた1種であり、かつ該基材フィルムの厚みが0.5〜20μmであることである。
また、本発明の金属化フィルムの製造装置は、ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置とを備えたものである。
本発明は、かかるプラズマ処理を基材フィルム表面に施すことによって、該基材フィルム表面の表面エネルギーの分散力成分を好ましくは46mN/m以下、より好ましくは40mN/m以下、特に好ましくは36mN/m以下に制御するものである。すなわち、表面エネルギーはその成分を分散力成分、水素結合成分、極性力成分の3成分に分解することができるが、その中の分散力成分は、表面に露出している無極性基を表しており、かかる分散力成分が小さいほど活性化されていることを表す。つまり、基材フィルム表面が活性化されていることを意味するものである。
本発明は、かかる事実を究明し、基材フィルム表面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下となるように、プラズマ処理を施した後に金属層を形成させてみたところ、該金属層と該基材フィルムの密着性を向上させ、さらに耐電流性をも向上させることに成功したものである。
具体的には、次のような製造装置によって製造することができる。すなわち、ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置とを備えてなる金属化フィルムの製造装置である。
なお、金属膜に保安機構を形成する場合は、金属層を蒸着する前に、非蒸着部分に相当する部分にオイルを印刷する方法が一般的である。具体的には、非蒸着部分を凸状に形成した印刷ロールにオイルを付着させ、このロールを基材フィルムに接触させてフィルムにオイルを転写する。金属蒸着工程では、この部分は蒸着金属はオイルに弾かれて膜が形成されず、非蒸着部分となる。
(1)表面エネルギー
表面張力は、接触角測定器(協和界面科学社製CA-X型)を用いて、水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンに対する各塗膜の接触角を測定し、表面張力を求めた。(1)式(Youngの式)と(2)式(Fowkesの式の拡張式)により、これらの表面エネルギーの各成分が既知の溶媒と保護層(又は金属層)との接触角から3元連立方程式を得て、保護層(又は金属層)の表面張力の極性項γp、水素結合項γh、拡散項γdを求める。
γSL : 保護層(又は金属層)−溶媒の界面張力(mN/m)
γL : 溶媒の表面張力(mN/m)
γLp :溶媒の表面張力の極性項(mN/m)
γLh : 溶媒の表面張力の水素結合項(mN/m)
γLd :溶媒の表面張力の拡散項(mN/m)
θ : 接触角(rad)。
水の接触角θ1[rad]について、
γLp1〜γLp4:それぞれの溶媒の表面エネルギーの極性力成分
γLh1〜γLh4:それぞれの溶媒の表面エネルギーの水素結合成分
γSp:保護層(又は金属層)の表面エネルギーの極性力成分
γSh:保護層(又は金属層)の表面エネルギーの水素結合力成分。
4端子法により、100mmの電極間の金属膜の抵抗を測定し、測定値を測定幅と電極間距離で除し、幅10mm、電極間距離10mm当たりの膜抵抗を算出した。単位はΩ/□と表示する。
JIS C 2151に従い、10枚重ねの金属化フィルムの厚みを電子マイクロメータで測定し、5点平均した平均値を金属化フィルム枚数(10)で除して金属化フィルム厚みとした。
金属化フィルムサンプル9cm2を希硝酸で溶解した後、20mlに定溶し、この定溶液をICP発光分光分析法により各金属の組成を定量する。ICP発光分光分析装置はセイコー電子工業製SPS1200VRを用いた。
連続式蒸着機において、処理幅L[m]、速度V[m/min]、処理電力W[W]とした場合に、下の式により算出する。
フィルムに図1のように幅0.30mm、長さ0.15mmの直線的なヒューズを形成して、金属膜抵抗が比較する各サンプル間で同一となるように蒸着を行う。このサンプルを金属蒸着膜に傷を付けないように注意しながら、中央にヒューズが来るようにして長手方向20mm×幅方向10mmの短冊状に切り出す。蒸着面を上にして置いたフィルム片の上に、金属ブロックに導電性ゴムを薄く貼り付けたものを2つ、10mmの間隔をあけて置いて電極を取り出す。この電極間に直流電源装置を用いて電流を流し、ヒューズが破断する電流値を記録した。この評価を5回繰り返し、記録した電流値の平均値を算出した。同一の膜抵抗のサンプルでの比較において、この値が大きいほど、耐電流性が高いと判断できる。
実施例1として、厚さ5.0μmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製 トレファン(登録商標)#5D−2172)を真空蒸着機内で400m/minで連続的に巻き出し、フィルム上に、アルゴンガスを微量供給しながら250kHz、1000WのパルスDC電源および電極を2台長手方向に配置してプラズマ放電を発生しプラズマ放電処理を施した後に(処理強度=2台合計 8.2W・min/m2)、同じ面に冷却ドラム上でアルミニウムを膜抵抗15Ω/□になるように蒸着し、巻取軸で巻き取りアルミニウム蒸着フィルムを得た。
比較例1の耐電流性が44mAであったのに対し、実施例1は60mAと、大幅な耐電流性の改良が認められた。
処理電圧を700Wに変更し、プラズマ電源及び電極を1台のみとした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム蒸着フィルムを得た。(処理強度=2.9W・min/m2)
実施例2の耐電流性を測定したところ、52mAと比較例1に対して改良効果が認められた。
Claims (6)
- 基材フィルムの片面にプラズマ処理を施し、該プラズマ処理面に金属層を形成する金属化フィルムの製造方法。
- 前記プラズマ処理の処理強度が2.4W・min/m2以上である請求項1に記載の金属化フィルムの製造方法。
- 前記基材フィルムが、その主成分がポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれた1種であり、かつ該基材フィルムの厚みが0.5〜20μmである請求項1又は2に記載の金属化フィルムの製造方法。
- 基材フィルムの少なくとも片面に金属層が形成されてなる金属化フィルムであって、該基材フィルムの金属層が形成されている面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下である金属化フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化フィルムの製造方法によって得られた金属化フィルム、または請求項4に記載の金属化フィルムを用いて構成されているフィルムコンデンサ。
- ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、
巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、
基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、
該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置と
を備えた金属化フィルムの製造装置。
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