JP2008115417A - 金属化フィルムの製造方法、及び金属化フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、高い耐電流性を有する上に、自己回復性および耐電圧特性にも優れたコンデンサ用フィルムである金属化フィルムの製造方法及びフィルムコンデンサを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の金属化フィルムの製造方法は、基材フィルムの片面にプラズマ処理を施し、該プラズマ処理面に金属層を形成するものである。
本発明のフィルムコンデンサは、かかる金属化フィルムの製造方法によって得られた金属化フィルムを用いて構成されているものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐電流性を有する金属化フィルムの製造方法、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサならびに金属化フィルムの製造装置に関するものである。
従来より、有機高分子フィルムを誘電体として用いたコンデンサは広く用いられている。例えば、特許文献1及び特許文献2などに例示されるように、ポリエステルフィルムと金属箔を交互に巻回するか、あるいはフィルムに金属蒸着などをすることで金属層を形成し、これを巻回または積層することによりコンデンサを得る技術が知られている。
真空蒸着によりフィルムに金属層を形成する場合、蒸着の容易さやコスト面、そして電気特性の面で、使用する金属としては一般的にアルミニウムや亜鉛が広く用いられている。
特開昭63−182351号公報 特開昭63−194318号公報
蒸着などによる薄い金属層を有するフィルムを用いたコンデンサは、自己回復性、即ち、絶縁破壊が発生した際に、周囲の金属蒸着膜が短絡電流により溶融飛散しその周辺に絶縁部を形成することで、破壊領域周辺以外の部分で形成されるコンデンサを回復させる現象を持つことが最大の特徴である。この自己回復性は、金属膜が薄いほど飛散時のエネルギーが抑えられ、良好であることが知られており、近年のコンデンサに対する高耐電圧化、小型化の要求に伴い、蒸着膜は薄膜化の一途をたどっている。反面、蒸着膜が薄くなると、大電流が流れるような使用方法において、該金属膜に亀裂、破断が生じ易くなり、コンデンサが機能しなくなってしまうという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、高い耐電流性を有する上に、自己回復性および耐電圧特性にも優れたコンデンサ用フィルムである金属化フィルムの製造方法、金属化フィルム、及びそれを用いたフィルムコンデンサならびに金属化フィルムの製造装置を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の金属化フィルムの製造方法は、基材フィルムの片面にプラズマ処理を施し、該プラズマ処理面に金属層を形成するものである。
かかる金属化フィルムの製造方法の好ましい態様は、
(1)前記プラズマ処理の処理強度が2.4W・min/m以上であること、
(2)前記基材フィルムが、その主成分がポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれた1種であり、かつ該基材フィルムの厚みが0.5〜20μmであることである。
また、本発明の金属化フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に金属層が形成されてなる金属化フィルムであって、該基材フィルムの金属層が形成されている面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下であるものであり、さらに本発明のフィルムコンデンサは、かかる金属化フィルムの製造方法によって得られた金属化フィルムを用いて構成されているものである。
また、本発明の金属化フィルムの製造装置は、ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置とを備えたものである。
本発明によれば、従来では得られなかった極めて高い耐電流性を有するコンデンサ用フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、耐電流性を確保した上で金属膜を薄く形成することができるので、コンデンサの自己回復性が向上し、耐電圧特性にも優れたコンデンサフィルムを提供することができる。本発明により、フィルムコンデンサの、従来対応できなかった過酷な用途への対応が可能となるので、工業的に極めて高い価値のあるものである。
本発明は、前記課題、つまり高い耐電流性を有する上に、自己回復性および耐電圧特性にも優れたコンデンサ用フィルムを提供するための金属化フィルムの製造方法について、鋭意検討し、基材フィルムにプラズマ処理を施し、そのプラズマ処理面に金属層を形成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の金属化フィルムの製造方法の特徴は、金属層を形成する前に、基材フィルムの金属層形成面にプラズマ処理を施しておくところにある。
本発明は、かかるプラズマ処理を基材フィルム表面に施すことによって、該基材フィルム表面の表面エネルギーの分散力成分を好ましくは46mN/m以下、より好ましくは40mN/m以下、特に好ましくは36mN/m以下に制御するものである。すなわち、表面エネルギーはその成分を分散力成分、水素結合成分、極性力成分の3成分に分解することができるが、その中の分散力成分は、表面に露出している無極性基を表しており、かかる分散力成分が小さいほど活性化されていることを表す。つまり、基材フィルム表面が活性化されていることを意味するものである。
本発明は、かかる事実を究明し、基材フィルム表面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下となるように、プラズマ処理を施した後に金属層を形成させてみたところ、該金属層と該基材フィルムの密着性を向上させ、さらに耐電流性をも向上させることに成功したものである。
かかる表面エネルギーの分散力成分を得るためには、前記プラズマ処理の処理強度を、2.4W・min/m以上の条件に設定することが、耐電流性を向上させる上で好ましい。かかるプラズマ処理において、プラズマ電極の出力に制限がある場合や、フィルムにダメージがある場合は、プラズマ電極を長手方向に複数配置して実施するのがよく、さらに、各々のプラズマ処理強度の合計が、好ましくは2.4W・min/m以上、より好ましくは4.0W・min/m以上、特に好ましくは6.0W・min/m以上となるように設定するのがよい。
かかるプラズマ放電処理においては、局部的に電極周辺にガスを導入する。用いられるガスの種類は特に限定されないが、例えば、O2、Ar、CO、CO2などが挙げられる。特に好ましくはO2やAr、あるいはこれらの1種以上を含む混合ガスである。
また、かかるプラズマ電極には、Cuかアルミ、あるいはステンレス電極を使用するのが好ましい。また、本発明の範囲に特性を制御するためには、電源はパルスDC電源を用いるのが好ましく、周波数を200〜500kHzにすることが好ましい。
かかるプラズマ処理を施された基材フィルム面に、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいはメッキなどの方法を用いて形成することができ、好ましくは真空蒸着法で金属層を形成することにより製造される。
具体的には、高分子フィルムを真空蒸着機内の巻出軸から巻出し、この基材フィルムの蒸着面側を、形成したプラズマ雰囲気中に暴露して、表面を活性化させる。その後冷却ドラムへ導き、高分子フィルムを冷却ドラム上で冷却しながら、蒸着源から誘導加熱法もしくは抵抗加熱法、電子ビーム法などにより加熱・溶融させ、飛来した金属を蒸着する。保護層を形成する場合は、冷却ドラムの後に、細いスリット状のノズルを設けた容器を配置し、その中に保護層となる物質を加熱し、フィルムに向けて蒸散、噴霧させることにより、表面に保護層を形成する。これを蒸着機の巻取軸で巻き取り、中間製品とする。中間製品は、所定の幅にスリットしリール状のフィルムを得る。
具体的には、次のような製造装置によって製造することができる。すなわち、ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置とを備えてなる金属化フィルムの製造装置である。

なお、金属膜に保安機構を形成する場合は、金属層を蒸着する前に、非蒸着部分に相当する部分にオイルを印刷する方法が一般的である。具体的には、非蒸着部分を凸状に形成した印刷ロールにオイルを付着させ、このロールを基材フィルムに接触させてフィルムにオイルを転写する。金属蒸着工程では、この部分は蒸着金属はオイルに弾かれて膜が形成されず、非蒸着部分となる。
本発明の金属化フィルムは金属層の酸化劣化に対する保護を目的として、保護層を儲けることができる。保護層としては、絶縁性の観点から非電導性の有機物、より好ましくはオイルであることが工業上生産効率が高くでき好ましい。かかるオイルを付着する面は問わないが、生産性を考慮した上で特に好ましくは、金属面側に保護層を付着する方が、装置構成を簡略化できて好ましい。
本発明にかかる保護層に使用するオイルは、特に限定されないが、例示するならば、フッ素系オイル類、パーフロロアルキルポリエーテル類、鉱物油類、およびジメチルポリシロキサン類、メチルフェニルシリコーン類などのシリコーンオイル類などである。 耐湿性及び電気特性の観点から、シリコーンオイルかフッ素オイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンまたはメチルフェニルシリコーンオイルが好ましく、メチルフェニルジメチルポリシロキサンが耐酸化劣化の観点から特に好ましい。
また、有機変性シリコーンオイルとして、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性オイル、エポキシ変性オイル、カルボキシル変性オイルが好ましく、より好ましくはカルボキシル変性オイルである。また、当該保護層は、長期保管の際にプラズマ処理によって活性化したフィルム表面が互いに密着し、ブロッキングして使用に供することができなくなることを未然に防ぐためにも有効である。
本発明の蒸着フィルムは、電極引き出しのためのメタリコン(溶射金属)に接する側の金属膜厚を厚くする、いわゆるヘビーエッジあるいはハイエッジ蒸着、段付き蒸着と称される技術を併用することができる。この技術はメタリコン部分と蒸着金属膜との接合を強化し、メタリコン部分と蒸着金属膜間での電気抵抗を低下し、耐電流性を向上する作用がある。
本発明の蒸着フィルムは、静電気帯電を抑制するため、非蒸着面にプラズマ処理を施して除電をすることが好ましい。表面電位として−20V〜+20Vの範囲に制御することが好ましい。
本発明の蒸着フィルムには金属層に保安機構を設けることができる。保安機構とは、金属層をマージンやパターンと呼ばれる非蒸着箇所を形成することにより長手方向あるいは幅方向に電極を分割し、絶縁破壊の際に該当する微小部分のみを切り離すことによりコンデンサの安全性を高める技術である。多くの場合、上記の分割部はヒューズと呼ばれる狭隘部で互いに接続され、絶縁破壊の際はヒューズ部が切断することで以上箇所を切り離す構造になっているが、このヒューズの破断特性は蒸着膜の耐電流性に依存しており、本技術を適用することにより、より安定したヒューズ動作を得ることができる。
かかる金属層の材質としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、あるいはこれらを含有する合金等が挙げられる。コンデンサの電気特性や生産性の面からは、亜鉛、アルミニウム、またはそれらを含む合金が好ましく用いられる。より好ましくは、金属層がアルミニウムを90質量%以上含むことである。具体的には、アルミニウム単体またはアルミニウムを90質量%以上含むアルミニウム合金を用いることが自己回復性の観点から好ましい。
金属層の厚みは膜抵抗換算にて0.5〜300Ω/□であることが好ましい。特に金属層が薄いほど従来技術による金属化フィルムでは耐電流性は悪くなるので、金属膜抵抗が高い(金属層が薄い)ほど相対的に本発明の効果が顕著に表れるので好ましい。ただし、300Ω/□より高いと、膜抵抗が高くなりすぎ、コンデンサの電気特性に影響がある場合がある。
本発明の基材フィルムを構成するフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシレンなどの高分子フィルムが挙げられる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体との混合体、積層体であっても良い。これらの高分子化合物に、公知の添加剤、例えば、滑剤や可塑剤などが含まれても良い。
かかる高分子フィルムの主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であることが、耐湿性及びコンデンサ電気特性の観点から好ましい。ここで、主成分とは高分子フィルム全体に対して50質量%以上、より好ましくは60質量%以上が、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であることを言う。特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの共重合体から選ばれた1種であることがコンデンサの電気特性上好ましい。
本発明で用いられる高分子フィルムの厚みは、特に限定されないが、0.5μm〜20μmの範囲が好ましい。厚みをこの範囲とすることで、本発明の効果をより高く発揮することができる。より好ましくは高分子フィルムの厚みは0.7μm〜13μmの範囲であり、さらに好ましくは1.0μm〜6μmの範囲である。
本発明の金属化フィルムは、前記説明から明らかなように、その基材フィルムの金属層が形成されている面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下であるという特徴を有するものである。かかる特定な基材フィルムを使用したことにより、金属層との密着性を向上させ、さらに耐電流性をも向上させ得たものである。
本発明の金属化フィルムはコンデンサ用フィルムとして好ましく用いることが出来、公知の方法で積層もしくは巻回してコンデンサを得ることができる。
例えば、巻回型フィルムコンデンサの場合を例示する。フィルムに金属層を形成する際に、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左側もしくは右側にマージンを有するテープ状の巻取リールにする。得られたリールのうち、左側にマージンを有するフィルムと、右側にマージンを有するフィルム各1本ずつを、幅方向に非マージン側のフィルム端面がマージン側のフィルム端面からはみ出すように2枚を少しずらして重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得ることができる。
[物性の測定方法並びに効果の評価方法]
(1)表面エネルギー
表面張力は、接触角測定器(協和界面科学社製CA-X型)を用いて、水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンに対する各塗膜の接触角を測定し、表面張力を求めた。(1)式(Youngの式)と(2)式(Fowkesの式の拡張式)により、これらの表面エネルギーの各成分が既知の溶媒と保護層(又は金属層)との接触角から3元連立方程式を得て、保護層(又は金属層)の表面張力の極性項γp、水素結合項γh、拡散項γdを求める。
Figure 2008115417
Figure 2008115417
γSL : 保護層(又は金属層)の表面張力(mN/m)
γSL : 保護層(又は金属層)−溶媒の界面張力(mN/m)
γL : 溶媒の表面張力(mN/m)
γLp :溶媒の表面張力の極性項(mN/m)
γLh : 溶媒の表面張力の水素結合項(mN/m)
γLd :溶媒の表面張力の拡散項(mN/m)
θ : 接触角(rad)。
具体的には、表1の定数を用い、下記の式に従って計算する。
水の接触角θ1[rad]について、
Figure 2008115417
エチレングリコールの接触角θ2[rad]について、
Figure 2008115417
ホルムアミドの接触角θ3[rad]について、
Figure 2008115417
ヨウ化メチレンの接触角θ1[rad]について、
Figure 2008115417
γL1〜γL4:それぞれの溶媒の合計の表面エネルギー
Figure 2008115417
γLd1〜γLd4:それぞれの溶媒の表面エネルギーの分散力成分
γLp1〜γLp4:それぞれの溶媒の表面エネルギーの極性力成分
γLh1〜γLh4:それぞれの溶媒の表面エネルギーの水素結合成分
Figure 2008115417
γSd:保護層(又は金属層)の表面エネルギーの分散力成分
γSp:保護層(又は金属層)の表面エネルギーの極性力成分
γSh:保護層(又は金属層)の表面エネルギーの水素結合力成分。
(2)膜抵抗
4端子法により、100mmの電極間の金属膜の抵抗を測定し、測定値を測定幅と電極間距離で除し、幅10mm、電極間距離10mm当たりの膜抵抗を算出した。単位はΩ/□と表示する。
(3)金属化フィルムの総厚み
JIS C 2151に従い、10枚重ねの金属化フィルムの厚みを電子マイクロメータで測定し、5点平均した平均値を金属化フィルム枚数(10)で除して金属化フィルム厚みとした。
(4)金属層の組成
金属化フィルムサンプル9cmを希硝酸で溶解した後、20mlに定溶し、この定溶液をICP発光分光分析法により各金属の組成を定量する。ICP発光分光分析装置はセイコー電子工業製SPS1200VRを用いた。
(5)処理強度(単位時間当たりの電力密度)
連続式蒸着機において、処理幅L[m]、速度V[m/min]、処理電力W[W]とした場合に、下の式により算出する。
Figure 2008115417
(6)耐電流性
フィルムに図1のように幅0.30mm、長さ0.15mmの直線的なヒューズを形成して、金属膜抵抗が比較する各サンプル間で同一となるように蒸着を行う。このサンプルを金属蒸着膜に傷を付けないように注意しながら、中央にヒューズが来るようにして長手方向20mm×幅方向10mmの短冊状に切り出す。蒸着面を上にして置いたフィルム片の上に、金属ブロックに導電性ゴムを薄く貼り付けたものを2つ、10mmの間隔をあけて置いて電極を取り出す。この電極間に直流電源装置を用いて電流を流し、ヒューズが破断する電流値を記録した。この評価を5回繰り返し、記録した電流値の平均値を算出した。同一の膜抵抗のサンプルでの比較において、この値が大きいほど、耐電流性が高いと判断できる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1、および比較例1]
実施例1として、厚さ5.0μmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製 トレファン(登録商標)#5D−2172)を真空蒸着機内で400m/minで連続的に巻き出し、フィルム上に、アルゴンガスを微量供給しながら250kHz、1000WのパルスDC電源および電極を2台長手方向に配置してプラズマ放電を発生しプラズマ放電処理を施した後に(処理強度=2台合計 8.2W・min/m)、同じ面に冷却ドラム上でアルミニウムを膜抵抗15Ω/□になるように蒸着し、巻取軸で巻き取りアルミニウム蒸着フィルムを得た。
比較例1として、処理電圧を500Wに変更し、プラズマ電源及び電極を1台のみとした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム蒸着フィルムを得た。(処理強度=2.1W・min/m
比較例1の耐電流性が44mAであったのに対し、実施例1は60mAと、大幅な耐電流性の改良が認められた。
[実施例2]
処理電圧を700Wに変更し、プラズマ電源及び電極を1台のみとした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム蒸着フィルムを得た。(処理強度=2.9W・min/m
実施例2の耐電流性を測定したところ、52mAと比較例1に対して改良効果が認められた。
各実施例、比較例の製造条件及び特性を表1,2にまとめる。
Figure 2008115417
Figure 2008115417
本発明で得られるコンデンサは、耐電流性の必要な、充放電、あるいは高周波用用途などで特にその効果を発揮し、自動車や電車の電装用、及びエンジン、モーターの制御用やインバータ平滑コンデンサ、照明用などに好適に用いられる。
耐電流性評価のため準備するサンプルの概略図である。

Claims (6)

  1. 基材フィルムの片面にプラズマ処理を施し、該プラズマ処理面に金属層を形成する金属化フィルムの製造方法。
  2. 前記プラズマ処理の処理強度が2.4W・min/m以上である請求項1に記載の金属化フィルムの製造方法。
  3. 前記基材フィルムが、その主成分がポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれた1種であり、かつ該基材フィルムの厚みが0.5〜20μmである請求項1又は2に記載の金属化フィルムの製造方法。
  4. 基材フィルムの少なくとも片面に金属層が形成されてなる金属化フィルムであって、該基材フィルムの金属層が形成されている面の表面エネルギーの分散力成分が46mN/m以下である金属化フィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化フィルムの製造方法によって得られた金属化フィルム、または請求項4に記載の金属化フィルムを用いて構成されているフィルムコンデンサ。
  6. ロール状の基材フィルムを巻き出す巻出装置と、
    巻出装置から巻き出された基材フィルムの少なくとも片面にプラズマ処理を施すプラズマ装置と、
    基材フィルムのプラズマ処理を施された面に金属層を形成する金属層形成装置と、
    該金属層形成装置を通して得られた金属化フィルムを巻き取る巻取装置と
    を備えた金属化フィルムの製造装置。
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