JP4211301B2 - コンデンサ用フィルム及びそれを用いたコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用フィルム及びそれを用いたコンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有機高分子フィルムを誘電体として用いたコンデンサは広く用いられている。例えば、特開昭63−182351号公報及び特開昭63−194318号公報などに例示されるように、ポリエステルフィルムと金属箔を交互に巻回するか、あるいはフィルムに金属を蒸着することで金属層を形成し、これを巻回または積層することによりコンデンサを得る技術が知られている。
【0003】
真空蒸着によりフィルムに金属層を形成する場合、蒸着の容易さやコスト面、そして電気特性の面で、使用する金属としては一般的にアルミニウムや亜鉛が広く用いられている。
【0004】
上記した金属層を有するフィルムを用いたコンデンサは、高温高湿下で金属薄膜が酸化、消失し、コンデンサ容量が徐々に低下し、ついには実用に耐えなくなるという問題を持っている。この耐湿性の問題点を改善するために、特開平6−251991号公報に例示されるように、金属層を酸化することで不動態皮膜を生成する技術や、また、特開平7−201632号公報に例示されるように、金属層表面にさらに酸化物層を形成する技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法などでは、近年の電子部品の使用環境の過酷化に伴い、耐湿性が十分ではなくなってきている。
【0006】
本発明の目的は、従来では得られなかった極めて高い耐湿性を得ることのできるコンデンサ用フィルムとその製造方法および該コンデンサ用フィルムを用いたコンデンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題を解決するために次の構成を有する。即ち、本発明のコンデンサ用フィルムは、高分子フィルムの片面に金属層を形成してなるフイルムであって、該フィルムの金属層が形成されていないのみに、0.1〜1.0μg/cmのオイルが付着し、かつ該オイル付着面の表面張力が37mN/m以上であることを特徴とするものである
【0008】
また、本発明のコンデンサ用フィルムの好適な製造方法は、真空蒸着機内で高分子フィルム基材上に金属を蒸着し、その後もしくはその前に金属蒸着面と反対の面のみにオイルを付着させ、次いで、オイル付着面にグロー放電処理を施すことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のコンデンサ用フィルムは、高分子フィルムの片面もしくは両面に金属層を形成してなるフイルムである。
【0010】
本発明で好適に用いられる高分子フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、などのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシレンなどのフィルムが挙げられる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体との混合体、積層体であっても良い。これらの高分子化合物に、公知の添加剤、例えば、滑剤や可塑剤などが含まれても良い。
【0011】
本発明で用いられる高分子フィルムの主成分はポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であるのが、耐湿性及びコンデンサ電気特性の観点から好ましい。ここで、主成分とは50重量%以上であることを言う。より好ましくは60重量%以上が、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種である。特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの共重合体から選ばれた1種であることがコンデンサの電気特性上好ましい。
【0012】
本発明で用いられる高分子フィルムの厚みは、特に限定されないが、0.5μm〜25μmの範囲が好ましい。厚みをこの範囲とすることで、本発明の効果をより高く発揮することができる。より好ましくは高分子フィルムの厚みは0.7μm〜20μmの範囲であり、さらに好ましくは1.0μm〜6μmの範囲である。
【0013】
本発明のコンデンサ用フィルムは、フィルムの片面に金属層を有している。かかる金属層の形成方法は特に限定されず、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいはメッキなどの方法を用いて形成することができる。好ましくは真空蒸着を用いる。真空蒸着を用いると、効率的に本発明のフィルムを製造することができる。
【0014】
本発明における金属層の材質としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、あるいはこれらを含有する合金等が挙げられる。コンデンサの電気特性や生産性の面からは、亜鉛、アルミニウム、またはそれらを含む合金が好ましく用いられる。より好ましくは、金属層がアルミニウムを90重量%以上含むことである。具体的には、アルミニウム単体またはアルミニウムを90重量%以上含むアルミニウム合金を用いることが耐湿性の観点から好ましい。
【0015】
金属層の膜抵抗は0.5〜10Ω/□の範囲であることが好ましい。膜抵抗が0.5Ω/□未満では、セルフヒーリング不良を発生し絶縁抵抗が悪化するなど本来のコンデンサ特性が得られないことがある。また、10Ω/□を越えると直列等価抵抗が増大し、誘電正接(tanδ)が悪化することがある。より好ましくは2〜8Ω/□、さらに好ましくは3〜6Ω/□である。膜抵抗を上記範囲にするには、金属種の選定および金属層の厚みで制御することが可能である。
【0016】
本発明のコンデンサ用フィルムは、フィルムの片面にオイルが付着していることが必要である。
【0017】
耐湿性の点からは、フィルム両面にオイルが付着しているのが好ましいと考えられるが、両面にオイル塗布するには製造工程が増加するのみならず、効率的に量産しづらくなる上に、素子作製の際にオイルの存在のために素子巻性が低下する場合がある。
【0018】
したがって、本発明では、生産性を考慮した上でフィルムの片面に金属層を形成し、その反対の面のみにオイルを付着させている。オイルを付着する面は、非金属面であるのが耐湿性の点から好ましい。非金属面にオイルを付着する方が、金属面にオイルを付着させるよりも高い耐湿性を得ることができるのである。
【0019】
本発明において、オイルの付着面積は、オイルが付着している面に対して、50%以上であることが耐湿性の観点から好ましく、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。すなわち、ほぼ全域にオイルが付着していることが特に好ましい。
【0020】
本発明に使用するオイルの付着量は0.1〜1.0μg/cm2であることが必要である。0.1μg/cm2未満では耐湿性の改良が得られず、1.0μg/cm2を超えて過度にオイルが付着すると、コンデンサの素子巻性やプレス成形性を阻害し素子製造が極めて困難になるため好ましくない。
【0021】
本発明のフィルムのオイルが付着した面の表面張力は37mN/m以上であることが耐湿性の観点から必要である。37mN/m未満であると十分な耐湿性が得られないため好ましくない。より好ましくは39mN/m以上55mN/m以下、特に好ましくは40mN/m以上50mN/m以下である。55mN/mを超えた場合、素子作成条件が適切でないと、素子形成後のフィルムが密着しすぎ、セルフヒーリング性が劣る場合がある。表面張力は、JIS K−6768に従って測定することができる。
【0022】
本発明に使用するオイルは、特に限定されないが、例示するならば、フッ素系オイル類、パーフロロアルキルポリエーテル類、鉱物油類、およびジメチルポリシロキサン類、メチルフェニルシリコーン類などのシリコーンオイル類などである。耐湿性及び電気特性の観点から、シリコーンオイルが好ましい。中でも、ジメチルポリシロキサンオイルまたはメチルフェニルシリコーンオイルが好ましく、フェニルメチルポリシロキサンが特に好ましい。
【0023】
本発明において、オイルをフィルムに付着せしめる方法は特に限定されないが、例えば、有機溶媒で希釈してスリットダイコーターで塗布した後に溶媒分を蒸散させて付着させる方法、真空中において点状もしくは細いスリット状のノズルから加熱したオイルを噴霧する方法などを使用することができる。後者の方法は、例えば、真空蒸着機で金属層を形成する場合、同蒸着機内にオイル付着工程を設けられるため生産性が良い利点があり、かつ均一性の高いオイル付着が実現でき、好ましい。
【0024】
次に、本発明のコンデンサ用フィルムの製造方法を記載する。本発明の製造方法は、真空蒸着機内で高分子基材上に金属を蒸着し、その後もしくはその前に金属蒸着面と反対の面のみにオイルを付着させ、次いで、オイル付着面にグロー放電処理を施すことを特徴とするコンデンサ用フィルムの製造方法である。
【0025】
本発明の製造方法の好ましい一態様を以下に記載するが、本発明はこれに限定されない。
【0026】
高分子フィルムを真空蒸着機内の巻出軸から巻出して、冷却ドラムへ導く。高分子フィルムを冷却ドラム上で冷却しながら、蒸着源から誘導加熱法もしくは抵抗加熱法、電子ビーム法などにより加熱・溶融させ、飛来した金属を蒸着する。冷却ドラムの後に、細いスリット状のノズルを設けた容器を配置し、その中にオイルを入れて加熱し、蒸散、噴霧させる。このノズルを高分子フィルムに向けることで、表面にオイルが付着する。ここで、オイルの付着のタイミングは、金属蒸着の後、または前のいずれであってもよいが、オイルの種類によってはオイルを付着させた部分に蒸着金属がはじかれて蒸着されないことがあるので、金属蒸着部分にオイルを付着させる場合は金属蒸着の後に実施することが好ましい。
【0027】
引き続き、オイルを付着させた面にグロー放電処理を行う。これを蒸着機の巻取軸で巻き取り中間製品とする。中間製品は、所定の幅にスリットしリール状のフィルムを得る。
【0028】
グロー放電とは、真空中で電磁波の印加によって開始、持続する放電であり、真空中で局部的に少量のガスを供給しながら直流電圧もしくは低、中、高周波電圧、マイクロ波を引火することによって形成できる。また、磁場を併用印加することで、放電をより低い電圧で、より安定化できる。グロー放電処理とは、この放電を高分子フィルム表面に印加することである。好ましくは、蒸着機内で搬送される高分子フィルムの周辺でグロー放電発生させて高分子フィルム表面を処理する。グロー放電処理により、表面張力を本発明の範囲に好適に制御することができる。
【0029】
グロー放電処理において用いられるガスの種類は特に限定されないが、例えば、O2、Ar、CO、CO2などが挙げられる。特に好ましくはO2やAr、あるいはこれらの1種以上を含む混合ガスである。
【0030】
オイル付着面の表面張力が、グロー放電処理により2mN/m以上大きくなるようにグロー処理条件(印加電力、供給ガス、ライン速度など)を設定すると、耐湿性がより向上し好ましい。
【0031】
グロー放電処理前の表面張力は35mN/m以下であるのが好ましく、グロー放電後に37mN/m以上、より好ましくは39mN/m以上55mN/m以下、特に好ましくは40mN/m以上50mN/m以下とすることが耐湿性の観点から好ましい。表面張力の制御にはオイル種の選択が重要であり、前記したシリコーンオイルを使用することで、容易にこれらの範囲に制御することができる。
【0032】
このようにして得られたコンデンサ用フィルムは、公知の方法で積層もしくは巻回してコンデンサを得ることができる。
【0033】
例えば、巻回型フィルムコンデンサの場合を例示する。フィルムに金属層を形成する際に、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左側もしくは右側にマージンを有するテープ状の巻取リールにする。得られたリールのうち、左側にマージンを有するフィルムと、右側にマージンを有するフィルム各1本ずつを、幅方向に非マージン側のフィルム端面がマージン側のフィルム端面からはみ出すように2枚を少しずらして重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得ることができる。
【0034】
本発明で得られるコンデンサは、無外装コンデンサ、あるいは無含浸(乾式)コンデンサの形式で特にその効果を発揮し、自動車や電車の電装用及びエンジン、モーター制御用、力率改善のための進相コンデンサ等に好適に用いられる。
【0035】
[物性の測定方法並びに効果の評価方法]
(1)オイルの付着有無
XPS(ESCA)にてフィルム表面を評価することにより、オイルの有無を確認する。
装置:PHI Quantum2000
励起X線:monochromatized Al Kα1,2線(1486.6eV)
光電子脱出角度:45度
X線径:0.1mm
エネルギー補正:C1S メインピークの結合エネルギーを284.6eVに合わせた。
なお、XPSは感度が良いため汚染による有機物を検出する場合があるが、表面上に形成されたオイルからの信号は強度が高く、汚染による有機物とは区別できる。
【0036】
(2)オイルの付着量
(1)のXPS分析でオイルの付着が確認できたフィルムについて、理学電機工業社製の蛍光X線分析装置RIX 3000を用い、試料板の上にフィルムを乗せ、30mmφの測定面積でオイルの代表的な元素の強度を求め、別に検量線を作成しておき、オイル量をこの検量線を用いて算出する。
【0037】
(3)オイルの付着面積
(1)のXPS分析でオイルの付着が確認できた面について、(1)のXPSによるオイル付着有無の分析を、全幅に渡り長さ方向20cm以上の範囲で均等に行い、高分子フィルム上のオイルの分布のマッピングを行う。得られたマップより、オイルが付着している面積を評価した総面積で除し、面積におけるオイルの付着率を得る。両面にオイルが付着している場合は両方の面について上記分析を実施し、各々の面について付着率を得る。
【0038】
(4)膜抵抗
4端子法により、100mmの電極間の金属膜の抵抗を測定し、測定値を測定幅と電極間距離で除し、幅10mm、電極間距離10mm当たりの膜抵抗を算出した。単位はΩ/□と表示する。
【0039】
(5)高分子フィルムの厚み
JIS C 2151に従い、10枚重ねのフィルムの厚みを電子マイクロメータで測定し、5点平均した平均値をフィルム枚数(10)で除してフィルム厚みとした。
【0040】
(6)金属層の組成
フィルムサンプル9cm2を希硝酸で溶解した後、20mlに定溶し、この定溶液をICP発光分光分析法により各金属の組成を定量する。ICP発光分光分析装置はセイコー電子工業製SPS1200VRを用いた。
【0041】
(7)表面張力
表面張力は、JIS K−6768に従って測定した。
【0042】
(8)耐湿性
コンデンサ用フィルムから得られたコンデンサ素子各20個を、温度60℃、相対湿度95%の雰囲気下で、電位傾度(フィルム単位厚み当たりにかかる電圧)が50V/μmとなるように直流電圧を印加し、1000時間経過後の静電容量変化率を得た。20個の素子の測定値の平均を算出し、変化率が−10%以上のものを良好と判断した。ここで、コンデンサ素子は、皆藤製作所社製半自動素子巻機KMW−2HCを用いてコンデンサ用フィルムからなる巻回体を作製した後に、端面にメタリコン(帝国メタル工業社製TM801C)を溶射し作製したものを用いた。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0044】
[実施例1]
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(両面とも表面張力38mN/mと測定された)の上に、真空蒸着法によってアルミニウムを膜抵抗5Ω/□になるように蒸着し、ついでその反対面(非金属蒸着面)に、フェニルメチルジメチルポリシロキサンオイル(東レダウコーニングシリコーン社製SH702)を加熱蒸着し、続けてオイル付着面に、O2ガスを微量供給しながら15kHz、5kWのパルス電源を用いてグロー放電を発生してグロー放電処理を施し、これを巻取軸で巻き取りアルミニウム蒸着フィルムを得た。ここで、オイル付着量を0.5μg/cm2となるようにライン速度及びオイルの加熱温度を制御した。グロー放電処理前、処理後のサンプルを採取し、オイルを蒸着した面(金属蒸着面の反対面)の表面張力を測定したところ、それぞれ34mN/m、42mN/mであった。
【0045】
得られたアルミニウム蒸着フィルムを、幅30mm、マージン幅2mmとなるように細幅リールに切断した。これらの細幅リールを、外径9mmのコアに巻回し、メタリコン、熱処理、電極端子の半田付けを実施し、無含浸、無外装の評価用コンデンサ素子を作成した。これらの素子について、上述の方法で耐湿性を評価した結果、静電容量変化率は+1%であり、耐湿性は良好であった。結果を表1に示す。
【0046】
比較例1
オイルの蒸着とグロー放電処理を金属蒸着面側に施す以外は実施例1と同様のアルミニウム蒸着フィルムを得た。実施例1と同様の耐湿性評価を行ったところ、静電容量変化率は−3%と、耐湿性は良好であった。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例
オイルの付着量が、0.2μg/cmとなるようにオイルの加熱温度を変更し制御した以外は、実施例1と同様のアルミニウム蒸着フィルムを得た。
同様の耐湿性評価を行ったところ、静電容量変化率は−1%と、耐湿性は良好であった。結果を表1に示す。
【0049】
[比較例
アルミニウム蒸着を膜抵抗5Ω/□になるように実施し、オイルを付着する工程、及びグロー放電処理を全く行わず、そのままこれを巻取軸で巻き取りアルミニウム蒸着フィルムを得た。同様の耐湿性評価を行ったところ、オイル付着が無い本比較例は、静電容量変化率が−86%と、耐湿性は不良であった。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例
オイルを蒸着した面のグロー放電処理の電力を1kWに下げた以外は実施例1と同様のアルミニウム蒸着フィルムを得た。オイル付着面の表面張力は36mN/mであった。同様の耐湿性評価を行ったところ、表面張力が小さすぎる本比較例は、静電容量変化率が−20%と、耐湿性は不良であった。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004211301
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、従来では得られなかった極めて高い耐湿性を得ることのできるコンデンサ用フィルムを提供することができる。本発明により、フィルムコンデンサの、外装の簡略化もしくは無外装化、また、従来対応できなかった過酷な環境への対応が可能となり、工業的に極めて高い価値のあるものである。

Claims (7)

  1. 高分子フィルムの片面に金属層を形成してなるフイルムであって、該フィルムの金属層が形成されていない面のみに、0.1〜1.0μg/cmのオイルが付着し、かつ該オイル付着面の表面張力が37mN/m以上であることを特徴とするコンデンサ用フィルム。
  2. オイル付着面積がフィルム表面の50%以上であることを特徴とする請求項に記載のコンデンサ用フィルム。
  3. オイルがシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ用フィルム。
  4. 真空蒸着機内で高分子フィルム基材上に金属を蒸着し、その後もしくはその前に金属蒸着面と反対の面のみにオイルを付着させ、次いで、オイル付着面にグロー放電処理を施すことを特徴とするコンデンサ用フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ用フィルムの製造方法であって、真空蒸着機内で高分子フィルム基材上に金属を蒸着し、その後もしくはその前に金属蒸着面と反対の面のみにオイルを付着させ、次いで、オイル付着面にグロー放電処理を施すことを特徴とするコンデンサ用フィルムの製造方法。
  6. オイル付着面の表面張力が、グロー放電処理により2mN/m以上大きくなることを特徴とする、請求項4または5に記載のコンデンサ用フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ用フィルムを用いてなるコンデンサ。
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