JP2007109845A - コンデンサ用金属蒸着フィルムおよびコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用金属蒸着フィルムおよびコンデンサ Download PDF

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史 篠田
Akira Hatayama
章 畑山
Kusato Hirota
草人 廣田
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範夫 田中
Yuji Tsutsumida
裕二 堤田
Takushi Uchida
卓志 内田
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Abstract

【課題】
直流耐電圧が高くかつ、耐湿性に優れたコンデンサ用金属蒸着フィルムを提供する。
【解決手段】
高分子フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、
金属蒸着層の、コンデンサ形成時に電極引き出し用メタリコン側となる近傍の金属蒸着層部分が亜鉛とアルミニウムの合金、またはアルミニウム単体の層で、かつ膜抵抗が1〜8Ω/□であり、
金属蒸着層の、メタリコン側となる近傍以外の主電極となる金属蒸着層部分がアルミニウム単体の層で、かつ抵抗が15〜300Ω/□であり、
高分子フィルムの少なくとも片面に保護層が形成されたコンデンサ用金属蒸着フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はコンデンサ用フィルム加工品に関するものである。さらに詳しくは、高分子フィルムに導電性金属を連続蒸着した金属蒸着フィルムを所定の幅に細断したフィルムであって、コンデンサ素子を形成するために用いられるコンデンサ用金属蒸着フィルムに関する。さらには、そのコンデンサ用金属蒸着フィルムを用いたコンデンサに関する。
高分子フィルムコンデンサは耐電圧が高く、かつ温度特性、周波数特性に優れることからコンデンサ用材料として一般的に使用されている。特に電極として金属蒸着層を有する蒸着フィルムはセルフヒーリング性(自己回復性)を有することから好ましく利用されている。
しかしながら、近年はより一層の小型化、高耐電圧化が求められている。小型化に寄与するには誘電体である高分子フィルムの厚みを薄くすることが必要であるが、この場合全体の耐電圧は低下する。そこで、より高い耐電圧特性を得るために様々な提案されており、その一つに金属蒸着フィルムの主電極側に対し、電極引き出し用メタリコン側近傍の金属膜厚を厚くするいわゆるヘビーエッジ構造の段付き蒸着が提案されている(特許文献1)。この段付き蒸着を実施することにより、主電極の金属蒸着膜厚を薄くし、つまり主電極の膜抵抗を高くして、セルフヒーリング特性を高めることにより、フィルムの持つ耐電圧を引き出すことができる。ここで言うセルフヒーリングとは短絡電流により絶縁欠陥部分の金属膜周辺を飛散させてその周辺に絶縁部を形成することにより、飛散領域以外の電極膜による形成されるコンデンサを回復させるものである。蒸着膜には様々な金属が提案されている。
特開平6−290990
しかしながら、セルフヒーリング性を高めるために金属蒸着膜を薄くすると、酸化が進み、膜抵抗が変化してしまうため、金属蒸着膜を薄くするにも限界があった。そのために主電極となる蒸着膜の膜抵抗は、実際には高くても15Ω/程度までしか形成することができず、それ以上の膜抵抗では十分な信頼性が得られなかった。
そこで、本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは上記の問題点を解決するために以下の構成を取るものである。すなわち、本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、
高分子フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、
金属蒸着層の、コンデンサ形成時に電極引き出し用メタリコン側となる近傍の金属蒸着層部分が亜鉛とアルミニウムの合金、またはアルミニウム単体の層で、かつ膜抵抗が1〜8Ω/□であり、
金属蒸着層の、メタリコン側となる近傍以外の主電極となる金属蒸着層部分がアルミニウム単体の層で、かつ抵抗が15〜300Ω/□であり、
高分子フィルムの少なくとも片面に保護層が形成されたコンデンサ用金属蒸着フィルム。
である。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムによれば、コンデンサ素子を形成した際に容量減少が少なく、直流耐電圧が高く、かつ耐湿性の良好なコンデンサ用金属蒸着フィルムを提供することができる。
以下本発明の好ましい形態について説明する。
本発明にかかるコンデンサ形成時に主電極を形成する導電性金属の金属蒸着層部分は、アルミニウム単体であることが必須である。アルミニウム以外の金属ではセルフヒーリング性が低下し、絶縁欠陥部飛散による回復が十分に行われないために、十分な耐電圧が得られない。
また、コンデンサ形成時の電極引き出し用メタリコン側近傍の金属蒸着層部分は亜鉛とアルミニウムの合金、もしくはアルミニウム単体であることが必須である。好ましくは、メタリコン側近傍の金属蒸着層部分は亜鉛とアルミニウムの合金である。アルミニウムと亜鉛の合金とすることで、アルミニウム単体に比べて生産性が向上し、亜鉛単体で生じる酸化による金属蒸着層の消失を防ぐことができる。ここで、「メタリコン側近傍」とは、主電極側の膜抵抗より低い膜抵抗の領域を指し、一般にはメタリコン接触部を起点として2〜5mm、膜抵抗の漸増部も含めた場合、約10mmまでの領域を指す。
メタリコン側近傍の金属蒸着層部分が亜鉛単体では耐湿特性が低下して、酸化が進むことにより膜抵抗が増大し、ひいてはメタリコン部とのコンタクトが取れなくなる場合がある。その結果、コンデンサとして使用している間に容量低下や誘電損失増大が起こる恐れがある。
つまり、本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、主電極部を形成する金属蒸着膜はアルミニウム単体で形成し、メタリコン側近傍の金属蒸着膜をアルミニウムと亜鉛の合金で形成するのが好ましい構成である。このような構成とすることで、十分な耐電圧をもち、容量低下や誘電損失をも防止できるコンデンサ用金属蒸着フィルムとすることができる。
メタリコン側近傍の金属蒸着層部分がアルミニウムと亜鉛の合金である場合、アルミニウムと亜鉛の合金の割合は、金属蒸着層と高分子フィルムとの界面、該界面と金属蒸着層表面の中間、および該金属蒸着層表面におけるアルミニウムと亜鉛の質量%をそれぞれa1、b1、a2、b2、a3、b3(ただしa1、a2、a3は各位置でのアルミニウムの質量%、b1、b2、b3は各位置での亜鉛の質量%で、ai+bi≧99%。i=1,2,3である)とするとa2<a3<a1になるようにアルミニウムが連続的に変化することが好ましい。また、合金中のアルミニウムの質量割合は、メタリコン側近傍の金属蒸着層部分全体に対して2〜100質量%が好ましく、より好ましくは3〜100質量%である。2質量%未満では合金にすることによって得られる耐湿性が低下する。なお、質量割合の検証には、例えばICP分析により検証することが可能である。
アルミニウムと亜鉛からなる金属蒸着層、および、アルミ単体の金属蒸着層は抵抗加熱方式、誘導加熱方式、間接加熱方式、電子ビーム方式、あるいはスパッタリング方式などの蒸着方式によって、真空蒸着することによって形成される。中でも生産性の点から抵抗加熱方式、誘導加熱方式、あるいは間接加熱方式が望ましい。いずれの方式でも、その蒸発量を加熱出力並びに、マスキングによる付着量(領域)制御により、亜鉛とアルミニウムの質量割合を任意に制御することが可能である。
本発明によって得られた金属蒸着フィルムはメタリコン側近傍の金属蒸着層部分の膜抵抗が1〜8Ω/□であり、かつ、主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗が15〜300Ω/□であることが必須である。メタリコン側近傍の金属蒸着層部分の膜抵抗は好ましくは2〜6Ω/□である。主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗は好ましくは30〜100Ω/□である。
メタリコン側近傍の金属蒸着層部分の膜抵抗が1Ω/□未満では貫通破壊が生じやすく、8Ω/□を越えると、メタリコンとのコンタクトが不十分となり、電極としての機能が果たせなくなる。
主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗は15Ω未満では、金属膜厚が厚くなることからヒーリング特性が十分に発揮できず、部分的に貫通破壊を起こして耐電圧が低下する。また、300Ω/□を越えると保護層があったとしても金属膜の酸化進行により、容量低下を引き起こし、コンデンサとしての機能を維持できない。
メタリコン側近傍並びに主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗を測定する方法として、蒸着機内では抵抗ロール、渦電流、また透過濃度計などによる光学的計測などのいずれの方法を採っても良い。また、蒸着機外においては蒸着後の金属蒸着フィルムを実際に4点計測法による膜抵抗測定、前述の透過高度計などによる光学的計測を行って、蒸着条件を適切に合わせ込む方法でも良く、いずれの方法を用いても所定の膜抵抗が得られればよい。
メタリコン側近傍と主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗を制御する方法としては蒸着金属が蒸着源から高分子フィルムに付着するまでに通過するスリット、もしくは蒸着金属の通過を遮るマスキングを設けることによって実施することができる。しかしながら、スリット、マスキングは一例であり、本願においては所定の膜抵抗が得られればよく、特に方法は規定されない。
本発明にかかる導電性金属が蒸着できるものであれば特に限定されないが、ポリエチレン、無延伸あるいは延伸ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、液晶ポリマーなどの単体、またはこれら2種以上の混合物並びにポリマーアロイからなる有機高分子フィルムが好ましく、コンデンサーを形成した場合の耐電圧特性、誘電正接特性、絶縁抵抗特性に優れる点から、無延伸あるいは延伸のポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムが特に好ましく用いられる。また、これら高分子フィルムの蒸着面側に各種コーティング、スパッタ、CVD、蒸着膜が誘電率を上げるなどの諸特性を向上させるために設けられた場合でも、本発明の目的を達成させる限りにおいて高分子フィルムの種類は特に限定されない。
また本発明の高分子フィルムに含有される添加剤は特に限定されるものではなく、本発明の目的とする特性に支障を及ぼさない範囲で、適宜選択添加してもよい。
なお、基材表面はコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理などの表面処理、或いは、接着剤のコーティング層、樹脂コーティング層、溶融押し出しによる樹脂層などの積層が行われていても良い。
また本発明の高分子フィルムに含有される添加剤は特に限定されるものではなく、本発明の目的とする特性に支障を及ぼさない範囲で、適宜選択添加してもよい。
本発明にかかる蒸着金属フィルムには少なくとも一方の片面に形成される金属蒸着面側に連続した長手方向の非蒸着部分であるマージンが形成される。該長手方向のマージンを形成するために用いられる方法として、オイルを用いる方法が挙げられる。オイルとしては、一般にシリコーン系オイル、フッ素系オイル、流動パラフィンなどが挙げられる。また、このほかの方法として他にテープ、レーザーを用いる方法があるが、いずれの方法でも所定の幅で非蒸着部分が長手方向連続的に形成されれば良く、特に方法に限定されない。
また、保安機能を高めるために金属蒸着面の幅方向、および長手方向に、非蒸着区分帯を形成しその区分帯によって、小区分化、略小区分化を行っても構わない。長手方向幅方向共に該区分帯幅は絶縁性が確保されれば特に寸法制限を受ける必要はないが、精度の点から0.1mm以上が好ましい。該小区分帯を形成する方法としてはエンボス印刷ロールによるオイルの転写、スクリーン印刷によるオイルの転写、レーザーによる方法などがあるが、いずれの方法でも所定の幅で非蒸着部分が形成されれば良く、特に方法に限定されない。
本発明においては、高分子フィルムの少なくとも片面に保護層を設けることが必須である。保護層を設けることにより、蒸着金属の酸化による劣化を防止し、かつ高膜抵抗化することによる膜厚低下に伴う耐電流性低下を防止する事が可能となる。保護層は金属蒸着層と高分子フィルムの界面、金属蒸着層の上面、金属蒸着層のある面とは反対側の高分子フィルム上面のいずれか、または2つ以上組み合わせても良い。生産性の点から保護層は1層であることが好ましい。
本発明において保護層はオイルであることが好ましく、耐湿性を有し、他の特性を阻害しないのであれば特に限定されない。例示するならばフッ素系オイル、パーフロロアルキルポリエーテル、鉱物油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンなどである。耐湿性および電気特性の観点から、シリコーンオイル、フッ素オイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンかメチルフェニルシリコーンオイルが好ましく、メチルフェニルジメチルポリシロキサンが、耐湿性の点から特に好ましい。また有機変性シリコーンオイルとして、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、エポキシ変性オイル、カルボキシル変性オイルが好ましく、より好ましくはカルボキシル変性オイルである。
本発明における保護層の厚みは0.01〜1.0μg/cmであることが好ましい。0.01μg/cm未満では耐湿性が得られにくい場合があり、1.0μg/cm以上では、プレス性が低下しやすくなりコンデンサ素子形成性が阻害される場合がある。
本発明においてオイルを高分子フィルムに付着させる方法は特に限定されないが、例えば、有機溶媒で希釈してスリットダイコータで塗布した後に溶媒分を蒸散させて、付着させる方法、真空中において点状またはスリット状のノズルから加熱したオイルを蒸着する方法などを使用することができる。後者の方法は真空蒸着法で高分子フィルムに金属蒸着層を形成する際に、同一機内で保護層を形成できることから生産性がよい点から好ましい。また、予め形成した金属蒸着フィルムに保護層を付与する場合においても、真空内で、保護層を付与することは不純物を排除し、膜厚均一性の高い保護層形成する点から望ましい。
本発明の保護層の耐湿特性をさらに高める方法として、グロー放電をすることが望ましい。
グロー放電とは、真空中で電磁波の印可によって開始、持続する放電であり、真空中で局部的に少量のガスを供給しながら直流電流、もしくは低、中、高周波電圧、マイクロ波を印可する事によって形成できる。また、磁場を併用印可することで、放電をより低い電圧でより安定化できる。グロー放電処理とはこのグロー放電を高分子フィルム表面に印可することである。好ましくは蒸着機内で連続的に搬送される高分子フィルム表面に該処理を行う。
本発明に用いられる金属蒸着フィルムは金属蒸着および保護層形成の後、所定の幅に切断され、リール状に巻き取られたものである。細断方法はリール状に整えられるものであれば特限定されないが、金属蒸着後のフィルムを長手方向に連続的に所定幅に切断するスリッッターを用いることが、フィルム幅の均一性、端面形状から望ましい。また、フィルム幅はフィルムの長手軸方向のカット端面形状は上面(金属蒸着面側から基材面を透かす、或いはその逆の方向)から見て直線である必要はなく、一定周期で、連続的な波形であっても構わない。
本発明により得られた金属蒸着フィルムはリール状に巻き取られた後にフィルムの寸法や各種特性を著しく損なわない限りにおいて加熱処理を行っても良く、加熱処理の方法として熱風オーブン、真空オーブンのいずれを用いても構わない。
次に、本発明に用いる測定法及び評価法について説明する。
(1)膜抵抗測定
メタリコン近傍側の金属蒸着層部分の膜抵抗、及び主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗は、電子情報技術産業協会(EIAJ)発行規格の「EIAJ RC−2348A」の「金属膜抵抗値」項に記載の方法に準拠して測定した。
主電極となる金属蒸着層部分の膜抵抗は、金属蒸着フィルムのメタリコン近傍側となる端面から10mm幅を取り除き、残りの部分を評価サンプルとして測定した。
メタリコン近傍側の金属蒸着層部分の膜抵抗は、金属蒸着フィルムのメタリコン近傍側となる端面から3mm幅を切り出し、その切り出したものを評価サンプルとして測定した。
(2)ステップアップDCBDVテスト(コンデンサ素子を形成した際の、直流耐電圧の評価)
a.サンプル作成方法:
細断後リール状に巻かれた金属蒸着フィルムをPBT製Φ9円筒状コアに巻回法式により素子巻きを行い、両側端面電極部に金属溶射(以下、メタリコンとする)による電極を形成して、リード線を半田付けして静電容量10μFのコンデンサー素子を形成した。
b.電圧印可方法:
2KV電源(ハイデン研究所製:型式HD2K2P−PS)にコンデンサ素子のリード線を接続し、常温でスタート電圧:800Vで100V毎ステップアップを行い各ステップが終了毎にLCRメータで容量を測定した。また、各ステップでの保持時間は10分とした。
c.容量測定方法:
安藤電気株式会社製TYPE AG−4311 LCRMETERを用いて、1VAC×1kHzを課電して測定した。
d.評価基準
電圧印加前の容量に対し、容量が10%低下した時の印加電圧値を直流耐電圧とした。
(3)高温DCVTテスト(コンデンサ素子を形成した際の、容量減少度の評価)
a.サンプル作成方法:
細断後リール状に巻かれた金属蒸着フィルムをPBT製Φ9円筒状コアに巻回法式により素子巻きを行い、両側端面電極部に金属溶射(以下メタリコン)による電極を形成して、リード線を半田付けして静電容量35μFのコンデンサ素子を形成した。
b.電圧印可方法:
予め100℃に加熱したオーブン(TABAI ESPEC社製PR−4S)にコンデンサ素子を2時間以上投入しておき、2KV電源(ハイデン研究所製:型式HD2K2P−PS)に素子のリード線を接続し、650VDCを課電して100時間経過後の容量を測定した。
c.容量測定方法:
安藤電気株式会社製TYPE AG−4311 LCRMETERを用いて、1VAC×1kHzを課電して測定し、評価前後の容量変化率(ΔC(%))を算出した。
容量変化率(ΔC(%))=(評価後の容量−評価前の容量)/評価前の容量×100
(4)プレッシャークッカーテスト(金属蒸着層の耐湿性の評価) 細断後リール状に巻かれた金属蒸着フィルムから、100枚重ねのシートを採取し、プレッシャクッカー(TABAI Pressure Cooker TPC-211)に投入し、130℃で24時間経過後の主電極部の膜消失状態を観察した。観察サンプルには100枚重ねシートの中央(50枚目)を使用した。
(5)総合評価
ステップアップDCBDVテスト、高温DCTVテスト、プレッシャークッカーテストの結果より、各実施例、比較例のサンプルの総合評価を行った。評価は「◎」「○」「△」「×」の4段階で行い、それぞれの評価基準を以下の通りである。「◎」「○」「△」のいずれかであれば良好である。
◎:以下の条件を全て満たすもの
・ステップアップDCBTVテスト:直流耐電圧が1500V以上、かつ金属蒸着フィルムに貫通破壊がないこと
・高温DCVTテスト :ΔCが0%以上
・プレッシャークッカーテスト :金属蒸着膜の消失が無し
○:以下の条件を全て満たすもの
・ステップアップDCBTVテスト:耐電圧が1300V以上、1500V未満。又は、直流耐電圧が1500V以上だが、金属蒸着フィルムに貫通破壊が有る
・高温DCVTテスト :ΔCが−1.5%以上、0%未満
・プレッシャークッカーテスト :金属蒸着膜の消失が有り(一部消失も含む)
△:以下の条件を全て満たすもの
・ステップアップDCBTVテスト:耐電圧が1100V以上、1300V未満
・高温DCVTテスト :ΔCが−3.0%以上、−1.5%未満
・プレッシャークッカーテスト :金属蒸着膜の消失が有り(一部消失も含む)
×:◎、○、△以外のもの。
次に実施例、比較例の金属蒸着フィルムの作成方法について説明する。
(1)ケース1:ヘビー部(メタリコン側近傍の金属蒸着層部分)の蒸着金属がアルミと亜鉛の合金で、主電極部(主電極となる金属蒸着層部分)の蒸着金属がアルミ単体である場合
(実施例1〜10、比較例1〜4)
高分子フィルムは、幅640mm、厚み3.0μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムロール〔東レ(株)製:トレファン(登録商標)V273〕を使用した。真空蒸着機内下室を2×10−4torrに減圧し、長手方向マージンを形成後、まずアルミニウム蒸着し、次いで直後に同一蒸着機内で細断後ヘビー部となる位置のみにスリット穴を通して亜鉛蒸着を行い、同位置にアルミと亜鉛の合金を形成した。アルミニウムと亜鉛の蒸着量は、ヘビー部膜抵抗、主電極部膜抵抗、ヘビー部合金中のアルミニウムの質量%が表1、2に記載の値となるように制御した。保護層を付与する場合は、前記蒸着に次いで金属蒸着面にフェニルメチルジメチルポリシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社製SH702)を加熱蒸着した。オイル付着量が0.05μg/cmとなるように制御した。更にグロー放電処理する場合には、続いてオイル付着面にOガスを微量供給しながら250Hz、5KWのパルスDC電源を用いてグロー放電を発生させて処理電力密度がE=25W・min・mとなるようにグロー処理を行い、金属蒸着フィルムを得た。
(2)ケース2:ヘビー部(メタリコン側近傍の金属蒸着層部分)、主電極部(主電極となる金属蒸着層部分)の蒸着金属がアルミ単体の場合 (実施例11)
高分子フィルムは、幅640mm、厚み3.0μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムロール〔東レ(株)製:トレファン(登録商標)V273〕を使用した。真空蒸着機内下室を2×10−4torrに減圧し、長手方向マージンを形成後、マスキング板を通してアルミニウムを蒸着した。アルミニウムの蒸着量は、ヘビー部膜抵抗、主電極部膜抵抗が表1に記載の値となるように制御した。保護層を付与する場合は、前記蒸着に次いで金属蒸着面にフェニルメチルジメチルポリシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社製SH702)を加熱蒸着した。オイル付着量が0.05μ/cmとなるように制御した。更にグロー処理する場合には、続いてオイル付着面にOガスを微量供給しながら250Hz、5KWのパルスDC電源を用いてグロー放電を発生させて処理電力密度がE=25W・min・mとなるようにグロー放電処理を行い、金属蒸着フィルムを得た。
各実施例と比較例の製造条件と評価結果を表1、2にまとめた。
Figure 2007109845
Figure 2007109845

Claims (4)

  1. 高分子フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、
    金属蒸着層の、コンデンサ形成時に電極引き出し用メタリコン側となる近傍の金属蒸着層部分が亜鉛とアルミニウムの合金、またはアルミニウム単体の層で、かつ膜抵抗が1〜8Ω/□であり、
    金属蒸着層の、メタリコン側となる近傍以外の主電極となる金属蒸着層部分がアルミニウム単体の層で、かつ抵抗が15〜300Ω/□であり、
    高分子フィルムの少なくとも片面に保護層が形成されたコンデンサ用金属蒸着フィルム。
  2. 前記メタリコン側近傍の金属蒸着層部分が亜鉛とアルミニウムの合金である請求項1に記載のコンデンサ用金属蒸着フィルム
  3. 前記メタリコン側近傍の金属蒸着層部分の膜抵抗が2〜6Ω/□であり、主電極を形成するメタリコン側近傍以外の金属蒸着層部分の膜抵抗が30Ω/□〜100Ω/□であること請求項1又は2に記載の金属蒸着フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用金属蒸着フィルムを用いてなるコンデンサ。
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