JP7465805B2 - 金属化フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、金属化フィルムコンデンサの分野に関し、特に、特殊な構造を有する金属化フィルムおよびその製造方法、ならびに当該金属化フィルムを含むコンデンサに関する。本発明は、金属化フィルムの耐湿熱性を改善する技術に関する。
我が国の急速な経済発展に伴い、人々の生活水準は向上の一途をたどり、大量の電子製品が家庭内に持ち込まれた。これらの機器には、感電、火災、有害な放射、化学、爆発および機械的に人を傷つけるといった危険があるので、ユーザの生命および財産の安全を保護し、消費者の利益を守り、企業の製品品質向上を促すために、国家は相次いで製品に関する安全基準を制定して、上記の危険を最小限にするとともに、法律を定めて安全基準の徹底を保証している。国家の認可を受けた国家認証機関が、検査をパスした電子製品に認可を与え、それら製品が安全基準に合致していることを承認している。このような背景のもとで、安全規格コンデンサが大量に使用されている。安全規格コンデンサとは、コンデンサが故障しても電気ショックを起こさない、人身に危害をもたらさない安全なコンデンサを指す。安全規格コンデンサは、一般に抗干渉回路におけるフィルタリング作用のためにのみ用いられる。それらは、電源フィルタ内で電源フィルタリング作用を果たし、コモンモード干渉およびノーマルモード干渉のそれぞれに対してフィルタリング作用を発揮する。
安全規格コンデンサに対する要求は次第に高くなり、耐湿熱性への要求も一層厳しくなっている。寿命の長い金属化フィルムコンデンサが採用される傾向も顕著になってきている。一般的に、金属化フィルムコンデンサは、金属箔を電極に用いた金属化フィルムコンデンサと、誘電体フィルムに蒸着された金属を電極に用いた金属化フィルムコンデンサとに大別される。ここで、金属箔を電極に用いた金属化フィルムコンデンサに比べ、蒸着金属を電極に用いた(以下蒸着金属電極と称する)金属化フィルムコンデンサにおいては電極が占める体積が小さく、小型軽量化を図ることができる。また、蒸着金属電極は、欠損部周辺の蒸着金属電極が蒸発して飛散し、コンデンサの機能を回復できるという特有の機能があり、これは一般に自己回復機能と呼ばれている。自己回復機能により絶縁破壊に対する信頼性が高いため、蒸着金属を電極とした金属化フィルムコンデンサは広く使用されている。
金属化フィルムには、通常、電極層材料としてアルミニウムまたは亜鉛アルミニウム合金が用いられる。コンデンサは高温高湿な環境において使用されることがあり、特に電圧が印加された状態では、亜鉛とアルミニウムは湿熱環境下で容易に酸化されて、金属酸化物、水酸化物や塩類等の非導電性物質が形成される。金属化フィルムの耐湿熱性の不良により、湿熱環境におけるコンデンサ容量の急速な減衰を招くおそれがある。
コンデンサの耐湿熱性は、封止用の樹脂や、コンデンサケース、リード線の溶接、金属溶射処理およびコンデンサフィルムの耐湿熱性を含む多くの要素と関係するが、なかでもコンデンサフィルムの耐湿熱性は、コンデンサの耐湿熱性に直接影響し、コンデンサの耐湿熱性にとって重要な意味を持っている。
コンデンサフィルムの耐湿熱性の改善として、酸化物やオイル類等を保護層に利用し、金属層を保護することができる。例えば、CN97114365.Xでは、酸化ケイ素を亜鉛アルミニウム層の保護層として用いている。CN95120817.9では、酸化アルミニウムを亜鉛アルミニウム層の保護層として用いている。しかし、酸化物のコーティング層は高真空高温環境下で形成する必要があり、生産の難易度が高くなる。また、酸化物は脆性であるため、厚さが厚い保護層はクラックが生じやすく、保護性能が低下してしまうが、厚さが薄い酸化物では十分な保護作用を奏することができない。したがって、酸化物を金属化フィルムの保護層とする方法は実用的ではない。CN95191020.5では、ケイ素系オイル、フッ素系オイル、アルキルナフタレン、ポリジフェニルオキシド(Polydiphenyl oxide)、脂肪酸類、脂肪酸塩類、パラフィンのうち少なくとも1つを保護層として用いているが、実際の保護効果は満足できるものではなく、コンデンサの耐湿熱性に対する要求が高くなるにつれ、高温高湿条件における保護効果は要求を満たせなくなっている。
上記の状況に基づき、本発明は耐湿熱性に優れた金属化フィルムを提供する。当該金属化フィルムは、基材フィルムの2つの面のうち少なくとも片面に金属層を有する。金属層とは、金属単体または金属化合物を含有する層を指し、具体的には、金属層は金属単体を含有し、金属化合物を含有する状況も含む。本発明の金属化フィルムは、105℃、100%RHで3hr処理した後、XPS(X線光電子分光装置)により測定された490eVの位置の強度の、498eVの位置の強度に対する比が0.1より大きい。なお、490eVはZn金属単体に対応し、498eVは+2価の状態のZnに対応する。本発明が提供する金属化フィルムは、高温高湿処理を経た後も、上記のような性質を備えることができる。すなわち、本発明の提供する金属化フィルムは、高温高湿処理を経た後でも、一定比率以上の金属亜鉛が金属単体の状態に保持される。このような金属化フィルムでコンデンサを作成すると、自身の耐湿熱性が優れているため、水蒸気や酸化性ガスがコンデンサ内に侵入しても、金属化フィルムの金属部分は長期間単体状態を保持するので、コンデンサは長期間容量およびその他の性能の安定を保持することができ、コンデンサに優れた耐湿熱性を与えることができる。
上記のXPS試験の具体的な方法は以下のとおりである。金属化フィルムの金属面に対し、XPS(Thermo scientific K-Alpha)を用いて表面分析を行う。分析条件としては、Monochromatic Al Kα1,2線(1486.6eV)を使用し、照射X線の直径を400μm、光電子脱出角度を90°とする。得られたXPSスペクトルをSavitzky-Golay法で平滑処理し、Clsを284.6eVとして補正を行う。スペクトル上で490eVと498eVの位置の強度値を取得し、所要データとしてその比を求める。
さらに、本発明の提供する亜鉛アルミニウム合金の金属化フィルムは、105℃、100%RHで3hr処理した後、XPSで測定された490eVの位置の強度の、498eVの位置の強度に対する比は0.2より大きいことが好ましい。すなわち、より多くの金属亜鉛が金属単体状態に保持されている。耐湿熱性がより高い金属化フィルムにより、コンデンサにより高い耐湿熱性を提供することができる。
さらに、金属化フィルムの耐湿熱性を向上させるために、金属化フィルムに酸素を導入してもよい。金属化フィルムの基材フィルム上に酸化物を蒸着してもよいが、例えば、酸素を含む環境下で金属化フィルムを加工する方法が好ましい。金属化フィルムが酸素を含有することで、基材フィルムと金属層との付着力を向上させて金属層の基材フィルム側が酸化されることを抑制する効果や、基材フィルムと金属層との界面において、金属層表面に、酸化性ガス(例えば、酸素や水蒸気等)をブロックする効果を有する金属の酸素含有化合物を形成する効果を奏し、金属化フィルムの耐湿熱性を向上させることができる。
以上の効果から、酸素の分布が金属層の耐湿熱性に影響すると考えられる。金属化フィルムの基材表面に酸素が存在し、且つ金属層の断面方向において少なくとも2箇所の酸素濃化を有することが好ましい。酸素の濃化状態の具体的な試験方法は以下のとおりである。STEM-EDX(JEOL社製JEM-ARM200F Dual-X、検出器:JEOL社製JED2300)を用いて、金属化フィルムの断面分析を行う。分析条件としては、樹脂包埋-FIB(SIINT社製SMI3200SE、日立社製FB-2000A-2、FEI社製Strata 400S)の方法で金属化フィルムの断面を作成し、得られたサンプル断面に対し200kVでSTEM-EDXによる分析を行い、断面方向における酸素の分布状態を取得し、金属化フィルムの金属層と保護層の断面方向における分布曲線上の、酸素含有量極大値の点の数をもとに特定する。極大値は、それぞれ1箇所の酸素濃化に対応する。
さらに、金属化フィルムは、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、錫、銅等のうちの1つまたは複数を、金属層の材料とすることができる。本発明においては、亜鉛アルミニウム合金を金属化フィルムの金属層の材料として用いることが好ましい。アルミニウムおよび亜鉛は、他の通常使用される金属と比較して安定性が高い。このうちアルミニウムの耐湿熱性が相対的に高いが、アルミニウムは耐コロナ性が劣るため、耐湿熱試験において電圧を印加した条件において、コンデンサ内の微量の空気が破壊されコロナ放電現象が生じると、金属が飛散してコンデンサ容量の低下を招く。一方、亜鉛は耐コロナ性が良好である。したがって本発明では耐湿熱性と耐コロナ性のバランスをとるため、亜鉛アルミニウム合金を金属化フィルムの電極材料として用いることが好ましく、金属化フィルムにおけるアルミニウムと亜鉛の重量比は1:99~10:90であることがより好ましい。
酸素の濃化と同様に、金属層の厚さ方向におけるアルミニウムの濃化も、金属化フィルムの耐湿熱性をより一層向上させる。アルミニウムの耐湿熱性は亜鉛よりも優れており、金属化フィルムの断面方向における濃化により、湿気および酸化性ガスによる金属亜鉛の酸化を効果的に防止することができる。また、アルミニウムは酸化されてアルミニウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩等になり、これら物質は酸化性ガスをブロックする性能が比較的高いため、コンデンサフィルムの耐湿熱性が高くなる。したがって、本発明において、上述の金属化フィルムの断面方向において少なくとも2箇所のアルミニウム濃化を有することがさらに好ましい。酸化性ガスは主に金属層の外表面、および基材フィルムと金属層との界面から侵入するため、アルミニウムがこの2つの位置に濃化していると金属層をよりよく保護できる。すなわち、アルミニウムの濃化位置は、金属層の両表面であることがより好ましい。アルミニウムの濃化状態の判定については、酸素の濃化状態判定方法を参照してよい。すなわち、酸素の濃化状態を判定するためのものと同じ断面サンプルを使用し、STEM-EDX試験で金属化フィルムの断面におけるアルミニウムの分布を得て、金属層から保護層までの断面方向におけるアルミニウム含有量の極大値の数によってアルミニウム濃化位置の数を判定する。
金属層の構造および金属層の元素濃化状態を変更するのみでも金属化フィルムの耐湿熱性を向上させることができるが、コンデンサの耐湿熱性をより向上させることを考えると、より優れた耐湿熱性を達成するために、金属層に保護層を加えて、金属層と酸化性ガスの接触をさらによく隔絶することがより好ましい。ケイ素および/またはフッ素を含有する物質は、金属層に対する保護効果が高い。したがって、本発明において、上述の金属層または金属層の外表面がケイ素および/またはフッ素を含有することがより好ましい。
ここで、金属層または金属層の外表面がケイ素を含有する場合、ケイ素含有化合物としては、ポリシロキサンが好ましく、ポリシロキサンで金属層の表面に保護層を1層形成することで、金属の酸化を効果的に防止することができる。ポリシロキサンは、Si-O結合の繰り返しを主鎖とし、ケイ素原子に直接有機基がつながったポリマーであり、液態のポリシロキサンは一般にシリコーンオイルと呼ばれている。ポリシロキサンは、優れた耐熱性と耐寒性、電気絶縁性、耐候性、防水性を有し、コンデンサ用金属化フィルムの金属保護層に非常に適している。メチルシリコーンオイル、エチルシリコーンオイル、フェニルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等が金属化フィルムの保護層材料として挙げられるが、これらに限定されない。ポリシロキサンはさらに変性処理することもでき、変性ポリシロキサンは、SiH基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エチレン基、チオール基、炭素原子数4以上のアルキル基、無水酸基のうちの1つまたは複数を有するポリシロキサンを指す。未変性のポリシロキサンに比べ、変性されたポリシロキサンはより優れた耐湿熱性を提供することができる。変性シリコーンオイルは、官能基を有するため反応活性がより高く、保護層にプラズマ処理等の変性処理を行なった場合、架橋結合や無機化反応をより生じやすく、また変性されたポリシロキサンはより容易に金属と反応して、ポリシロキサンと金属との結合力を高めるため、酸化性ガスのブロック効果がより優れている。
金属層または金属層の外表面がフッ素を含有する場合、フッ素含有化合物としてはパーフロロポリエーテルが好ましい。パーフロロポリエーテルは非常に優れた耐熱性と酸化安定性を有し、化学的性質が安定しており、水および通常の溶剤では溶解されない。また、パーフロロポリエーテルは表面張力が非常に弱く、金属の表面にパーフロロポリエーテルの油膜を1層形成した場合、酸化性ガスが油膜を通って金属層を腐食させることは非常に難しいため、パーフロロポリエーテルは金属化フィルムの保護層材料として極めてよい選択肢である。ここで、パーフロロポリエーテルの20℃における粘度が40~120mm/s、40℃における粘度が25~60mm/sの場合、この粘度範囲内のパーフロロポリエーテルはより優れた耐湿熱性を提供できる。粘度が低すぎる場合、パーフロロポリエーテルの分子量が低く、金属層に入り込みやすいため、金属層に対する保護作用が悪くなる。また、粘度が高すぎるパーフロロポリエーテルの場合、分子量が高く、沸点も高いため、吹き付け加工に適さない。
金属層の厚さは非常に薄く、数ナノ~数十ナノメートルしかなく、ミクロ構造においては、金属層は決して完全に緻密な状態ではない。液態の保護層物質は金属層に入り込み、金属層内に分散するため、金属の表面に有効な保護層を形成することができず、酸化性ガスを隔絶する能力が大きく低下してしまうおそれがある。ケイ素含有化合物を本発明における金属層の保護層として使用した場合、金属化フィルムの断面方向において少なくとも1箇所のケイ素濃化があることが好ましい。濃化したケイ素が保護膜を形成し、金属層と空気の接触を効果的にブロックすることによって、金属化フィルムを保護することができる。ケイ素の濃化状態の判定方法は、酸素の判定方法と同様である。すなわち、酸素濃化状態の場合と同様の断面を用いてSTEM-EDX試験方法により金属化フィルム断面上のケイ素の分布を取得し、金属層と保護層の断面方向におけるケイ素含有量の極大値の数によってケイ素濃化位置の数を判定する。
また、使用する保護層材料がケイ素含有化合物である場合、金属化フィルム内に無機化されたケイ素が存在することがより好ましい。その効果としては、無機化されたケイ素含有化合物はより緻密であり、より優れたブロック能力を提供できるとともに、保護層と金属層との結合能力も増強させるため、保護層と金属層との結合能力の向上により、保護層を金属層によりよく付着させ、より長期の保護効果をもたらす。無機化されたケイ素は、有機ケイ素化合物にプラズマ処理等を行う方法によって得られる。無機化されたケイ素は有機ケイ素化合物中に分散しているため、無機ケイ素化合物の脆性により保護層が破損し耐湿熱性の低下を招くということはない。
XPS分析により、金属化フィルムにおいて無機化されたケイ素を表すピークが存在することを測定する試験方法は以下のとおりである。金属化フィルムの金属面の金属化領域に対し、XPS(Thermo scientific K-Alpha)を用いて表面分析を行う。分析条件としては、Monochromatic Al Kα1,2線(1486.6eV)を使用し、照射X線の直径を400μm、光電子脱出角度を90°とする。得られたXPSスペクトルをSavitzky-Golay法で平滑処理し、Clsを284.6eVとして補正を行う。104eVの位置にピークが存在するか否かを検査し、ピークが存在した場合、無機化されたケイ素が存在することを示している。
金属化フィルム中に無機ケイ素が存在するか否かは、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)で判断することもでき、しかもケイ素の無機化程度を定量的に示すことができる。使用する保護層材料がケイ素含有化合物である場合、金属化フィルムに対し飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)によって測定されたケイ素の無機化度は、0.1以上であることがより好ましい。上記TOF-SIMSとは、一次イオンを用いてサンプルの表面を励起させ、生じた二次イオンの質量の違いによる検出器までの飛行時間の違いからイオンの質量を測定する、分解能の非常に高い測定技術である。試験方法は以下のとおりである。金属化フィルムの金属面の金属化領域に対し、TOF-SIMSを用いて表面分析を行う。分析条件としては、ION-TOF社製TOF.SIMS5型飛行時間型二次イオン質量分析装置を使用し、一次電子はBi3++とし、測定された[76SiO ]と[75SiOCH ]の強度比をケイ素の無機化度とする。ケイ素の無機化度は0.15以上がより好ましい。
ケイ素含有物質を保護層として使用する場合、ケイ素の含有量は0.005~0.3μg/cmが好ましい。ケイ素含有物質の量が少なすぎる場合、十分な保護層が形成されず、金属層を良好に保護することができないおそれがある。ケイ素含有物質が多すぎる場合、蒸着したフィルムのロールの保管中に、金属化フィルム間で滑り(ずれ)が生じ、コンデンサコアに巻き付けるとき、加工が困難になることがある。巻き付け済みのコンデンサコアにおいてフィルム間でずれが生じると、加熱プレス工程においてより大きなずれが生じ、金属溶射層が金属化フィルム上の金属と良好に接触できず、最終的に作成されたコンデンサの性能低下、ひいては故障を招くおそれがある。実験によって、ケイ素の含有量が0.005~0.3μg/cmのとき、ケイ素含有物質は有効な保護層を形成できるだけでなく、コンデンサの加工性にも影響を与えないことが証明されている。
フッ素含有物質を保護層として使用する場合、フッ素の含有量は5~40μg/cmが好ましい。ケイ素含有化合物を保護層物質とする場合と同様に、フッ素含有物質の含有量が少なすぎると、十分な保護層が形成されず、金属層を良好に保護することができないおそれがある。フッ素含有物質が多すぎると、金属化フィルム間で滑り(ずれ)が生じ、コンデンサコアに巻き付けるときフィルム間でずれが生じて、加工性に影響するおそれがある。フッ素の含有量が5~40μg/cmのとき、フッ素含有物質は有効な保護層を形成できるだけでなく、コンデンサの生産性にも影響を与えない。
コンデンサの生産に使用する金属化フィルムの基材としては、通常用いられるフィルムであれば本発明の金属化フィルムの基材フィルムとすることができる。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフッ化ビリニデン等のフィルムを基材フィルムとして用いることが好ましい。
さらに、本発明の前記金属層の外表面は保護層を有し、前記保護層はポリシロキサンまたはパーフロロポリエーテルのうちの1つまたは複数を含有している。
さらに、前記ポリシロキサンは変性ポリシロキサンであって、すなわち、SiH基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エチレン基、チオール基、炭素原子数4以上のアルキル基、無水酸基のうちの一つまたは複数を有するポリシロキサンである。前記ポリシロキサンは、エポキシ基、ヒドロキシ基のうちの1つまたは複数を有するポリシロキサンであることが好ましい。
上記の金属化フィルムを用いて作成されたコンデンサは、耐湿熱性に優れ、高温高湿環境において、コンデンサ容量の低下速度が顕著に下がり、コンデンサの使用寿命が大幅に延長される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は本発明を限定するものではない。以下の実施例では好ましい条件を採用したが、実施例に挙げられた方法は他の実施方法を限定するものではない。
実施例および比較例において使用した試験方法は以下のとおりである。
490eVの位置の強度の、498eVの位置の強度に対する比を「Zn比」と略称する(ここで、耐湿熱処理前は「前Zn比」と称し、耐湿熱処理後は「後Zn比」と称する)。耐湿熱処理後の金属化フィルムに対し、XPS(Thermo scientific K-Alpha)を用いて表面測定を行い、485eV~505eVの間でZn LMMのピークを取得した。XPSソフトウェアでこれを処理し、0価の亜鉛(490eV)と+2価の亜鉛(498eV)のピークに分け、ピーク強度の比によって、0価の亜鉛と+2価の亜鉛の強度比を計算した。試験の具体的方法は以下のとおりである。105℃、100%RHで3hr処理する前と後の金属化フィルムに対し、それぞれXPSを用いて表面分析を行った。分析条件は、Monochromatic Al Kα1,2線(1486.6eV)を使用し、照射X線の直径を400μm、光電子脱出角度を90°とした。得られたXPSスペクトルをSavitzky-Golay法で平滑処理し、Clsを284.6eVとして補正を行った。スペクトル上で490eVと498eVの位置の強度値を取得し、所要データとしてその比の値を求めた。
ケイ素の無機化度について、ION-TOF社製TOF.SIMS5型飛行時間型二次イオン質量分析装置を使用して金属化フィルムの金属面に対し試験を行った。一次電子はBi3++を用い、測定された[76SiO ]と[75SiOCH ]の強度比をケイ素の無機化度とした。
金属化フィルムにおける元素の濃化状態の試験として、STEM-EDX(JEOL社製JEM-ARM200F Dual-X、検出器:JEOL社製JED2300)を用いて、金属化フィルムの断面分析を行った。分析条件としては、樹脂包埋‐FIB(SIINT社製SMI3200SE、日立社製FB-2000A-2、FEI社製Strata 400S)を用いる方法で金属化フィルムの断面を作成し、得られたサンプル断面に対し200kVでSTEM-EDXによる分析を行い、各元素の断面方向における分布状態を取得した。濃化状態の判定方法として、金属層から保護層までの範囲内で、酸素、アルミニウム、ケイ素それぞれの含有量分布曲線上に存在する極大値点の数nを特定し、当該元素の濃化がn箇所あると判定した。
金属化フィルムの耐湿熱性試験として、クリップを用いて金属化フィルムを高温高湿試験器(Espec社製EHS-221MD)内に吊るし、設定条件を105℃、100%RH、処理時間3hrとした。
コンデンサの耐湿熱性評価としては、以下の方法で容量減衰率「ΔC/C」を特定した。本発明の金属化フィルム(金属面の幅14.0mm×マージン幅2.0mm)を、直径3.0mmの巻芯に巻き付けてコンデンサコアを作成し、ずらし幅は0.6mmとした。基材フィルムの違いに対応した条件で加熱プレスを行い、コンデンサコアの両端部に金属溶射した後、直径0.8mmのリード線を溶接し、14mmのコンデンサケースに入れ、エポキシ樹脂で封止し、固化して所望のコンデンサを得た。作成したコンデンサを310VAc、85℃、85%RHで1000h処理し、処理の前と後のコンデンサ容量Cを測定し、
ΔC/C=(C処理後―C処理前)/C処理前
を計算した。
亜鉛アルミニウム含有比率Al%(亜鉛アルミニウム合金に占めるアルミニウムの質量パーセント)の測定は、XRF(蛍光X線分析装置、リガク社製ZSX Primus III+)を用いて、金属化フィルムに対して亜鉛とアルミニウムの面密度ADZnおよびADAlを測定した。単位はμg/cmである。得られた面密度を用いて、金属化フィルムにおけるアルミニウムの比率を以下のように計算した。
Al%=ADAl/(ADZn+ADAl
ケイ素含有量ADSiは、XRF(蛍光X線分析装置、リガク社製ZSX Primus III+)を用いて、金属化フィルムに対してケイ素の面密度を測定した。単位はμg/cmである。
フッ素含有量ADは、酸素燃焼イオンクロマトグラフィ(DIONEX社製ICS-1600)を用いて金属化フィルムにおけるフッ素含有量Cを測定した。単位は%である。フィルムのサンプルを細かく切断して吸収液を配置した燃焼装置に入れ、酸素ガスを導入して点火し、揺らした後静置して、燃焼後に得られたフッ素を含有する物質が完全に吸収されてから吸収液を取り出し、一定量に定容した。定容した吸収液をイオンクロマトグラフで測定した。さらにフッ素の面密度に換算した。単位はμg/cmである。計算方法は以下のとおりである。
AD=C×(D基材フィルム×10-4×ρ基材フィルム)×10
ここで、D基材フィルムとρ基材フィルムはそれぞれ基材フィルムの厚さと密度であり、単位はそれぞれμmとg/cmである。計算過程において、金属層の量は基材フィルムに比べ非常に低いため、計算に入れなかった。
無機化したケイ素の存在の判定は、XPS(Thermo scientific K-Alpha)を用いて表面測定を行い、104eVの位置に顕著なピークが存在した場合、無機化したケイ素が存在すると判定した。試験の具体的方法としては、105℃、100%RHで3hr処理する前と後の金属化フィルムに対して、それぞれXPSを用いて表面分析を行った。分析条件としては、Monochromatic Al Kα1,2線(1486.6eV)を使用し、照射X線の直径を400μm、光電子脱出角度を90°とした。得られたXPSスペクトルをSavitzky-Golay法で平滑処理し、Clsを284.6eVとして補正を行った。スペクトル線上の104eVの位置に顕著なピークがあるか否かを観察した。
粘度は、サンプルの25℃における動粘度を測定した。単位はmm/sである。
実施例および比較例において使用した保護層の成分を表1に示す。
Figure 0007465805000001
具体的な実施方法は以下のとおりである。
ポリプロピレンPP(東レ株式会社製TORAYFAN(登録商標))とポリエステルPET(東レ株式会社製LUMIRROR(登録商標))を基材フィルムとして使用し、金属化フィルムを作成した。
まず、基材フィルムをプラズマ処理した。表面のほこり等の異物を除去し、基材フィルムの表面張力を高めて、金属と基材フィルムとの付着力を増強させるとともに、基材フィルムに酸素濃化層を一層形成することができた。例えば、ポリプロピレンフィルムの表面張力はおよそ31mN/mであり、このような表面張力では金属とポリプロピレンフィルムの付着力は非常に弱く、軽くこすれるだけで金属が剥落してしまう。フィルムの処理後は、ポリプロプレンフィルムの表面張力は37~43mN/mに達し、金属の基材フィルムへの付着力は明らかに増強される。プラズマ処理の雰囲気は酸素ガス、窒素ガス、または酸素ガスと窒素ガスの混合ガスが適している。プラズマ処理の出力は0.2kW以上でよいが、0.5kW以上が好ましい。各実施例および比較例において、特に説明がない限り、プラズマ処理の雰囲気は酸素ガスと窒素ガスの混合ガスであり、出力は1kWであった。
処理後の基材フィルムに油性物質を吹き付けた。油性物質を吹き付けた部位は、金属蒸着を行うとき金属が油性物質に付着できないため、金属のないマージンが形成される。マージンによって、コンデンサを作成するとき2層の金属間を絶縁できる。マージンが無ければコンデンサを作成することができない。
続いて、基材フィルムに金属を蒸着し、金属層を形成した。必要に応じて亜鉛とアルミニウムの蒸着量を調整し、定格抵抗の金属化フィルムを得た。アルミニウムの濃化については、まずアルミニウム、次に亜鉛、さらにアルミニウムを蒸着する方法によって得ることができるが、まずアルミニウム、次に亜鉛アルミニウム合金を蒸着する方法によって得てもよい。後者は、亜鉛アルミニウム合金における亜鉛とアルミニウムとの融点および沸点の差異を利用する。ある特定の温度範囲内で蒸着を行うと、亜鉛が先に基材フィルムに蒸着され、亜鉛が蒸着されるにつれて亜鉛の割合が減少し、アルミニウムが蒸着されるようになる。亜鉛アルミニウム合金ワイヤを途切れなく蒸着源に送りこむことで、亜鉛とアルミニウムが基材フィルムに順番に蒸着されるプロセスが周期的に行われ、金属化フィルムには、別の位置にアルミニウムの濃化が形成される。
金属層を蒸着したフィルムに、オイルスプレー装置を用いて保護層を吹き付けた。吹き付けるのがケイ素含有化合物である場合、金属化フィルム上のケイ素の含有量を0.005~0.3μg/cmとするが、0.01~0.08μg/cmが好ましい。吹き付けるのがフッ素含有化合物である場合、金属化フィルム上のフッ素の含有量を5~40μg/cmとするが、8~30μg/cmが好ましい。ケイ素含有化合物で金属表面に保護層を形成するとき、ケイ素の濃化が形成される。ケイ素含有化合物とフッ素含有化合物はいずれも酸素を含むため、金属表面にそれらで保護層を形成したとき、酸素も濃化しうる。
保護層には、さらなるプラズマ処理を経て、架橋構造と無機化構造が形成された。架橋構造は保護層をより緻密にし、ブロック能力を向上させる。架橋構造と無機化構造が、保護層を金属層表面により緊密に付着させることで、長期的な保護機能を実現する。プラズマ処理の雰囲気は酸素ガス、窒素ガス、または酸素ガスと窒素ガスの混合ガスが適している。プラズマ処理の出力は2kW以上でよいが、3kW以上が好ましい。各実施例および比較例において、特に説明がない限り、プラズマ処理の雰囲気は酸素ガスとし、出力は5kWとした。
両面金属化フィルムの場合であれば、上記の片面に蒸着しおえたフィルムに、再び上記のステップを行い、基材フィルムの他の面にも、保護層を有する金属化フィルムを形成した。
金属の配合比、保護層材料を異ならせて上記の方法で金属化フィルムを作成し、耐湿熱処理の前と後の金属化フィルムに対して、XPS、TOF-SIMS、XRFおよび酸素燃焼クロマトグラフィなどの方法を用いて金属化フィルムの化学組成状態と構造を分析した。また、前記方法によって金属化フィルムでコンデンサを作成した後、耐湿熱性の評価を行い、耐湿熱処理前後の容量の変化を評価した。
実施例1~4は、東レのPPフィルム(Torayfan(登録商標)、厚さ6μm)を基材とし、酸素ガスと窒素ガスの混合ガス(2Pa)中で基材の片面にプラズマ処理を行った後、この面の一部にFomblin Y04を吹き付けてマージンを形成し、さらにこの面にアルミニウム、亜鉛、アルミニウムを順次蒸着させ、保護層を吹き付けた。次に酸素ガス(2Pa)の雰囲気下でプラズマ処理を行い、処理後に得られた金属化フィルムをロールに巻き取ってカットした。これにより幅方向において金属面の幅14.0mm×マージン幅2.0mmのロール状の金属化フィルムを得た。亜鉛とアルミニウムの比率、保護層の種類は表2に示すとおりである。保護層の塗布量は同じである。次に、金属化フィルムでコンデンサを作成した。金属化フィルムとコンデンサに対してそれぞれ試験分析し、得られた結果は表2に示すとおりであった。
実施例5、6では、実施例2の実施方法を若干調整した。金属蒸着はアルミニウムと亜鉛を順次蒸着し、保護層の変性シリカ含有化合物の種類を調整し、それぞれ低塗布量と高塗布量の保護層とした。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表3に示すとおりであった。
実施例7、8では、実施例2の実施方法を若干調整した。金属蒸着のときのアルミニウムと亜鉛の比率を、それぞれアルミニウム含有量が高い配合と、アルミニウム含有量が低い配合とし、保護層の変性シリカ含有化合物の種類を調整した。その他の実施方法は実施例2と同一である。実施条件および試験結果は表3に示すとおりであった。
実施例9、10では、実施例2の実施方法を若干調整した。保護層の物質をフッ素含有化合物とし、フッ素含有化合物の塗布量も調整した。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表4に示すとおりであった。
実施例11、12では、実施例2の実施方法に調整を加えた。基材フィルムを東レのPET(Lumirror(登録商標)、厚さ6μm)に変更し、保護層に用いる変性ケイ素含有化合物の種類と塗布量を調整した。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表4に示すとおりであった。
実施例13、14では、実施例2を基に調整を行った。それぞれ実施例1と実施例3で使用された保護層物質を使用し、保護層物質の塗布量を調整した。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表5に示すとおりであった。
実施例15、16では、実施例2を基に調整を行った。基材フィルムの両面にプラズマ処理、マージン確保、金属蒸着および保護層吹き付けを行い、保護層の物質および塗布量を調整した。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表5に示すとおりであった。
実施例17~20では、実施例2を基に調整を行った。保護性物質を未変性のケイ素含有化合物に変更し、保護層物質の塗布量を調整した。その他の実施方法は実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表6に示すとおりであった。
比較例1~6では、実施例2を基に調整を行った。調整したのは以下の部分である。比較例1では、アルミニウムと亜鉛の比率を調整し、保護層を吹き付けなかった。比較例2では、保護層を吹き付けなかった。比較例3では、基材フィルムにプラズマ処理を行わず、保護層物質として未変性のケイ素含有化合物を吹き付け、保護層吹き付け後のプラズマ処理は行わなかった。比較例4では、蒸着金属を純アルミニウムとし、保護層物質として未変性のケイ素含有化合物を吹き付け、保護層吹き付け後のプラズマ処理は行わなかった。比較例5では、蒸着するアルミニウムと亜鉛の比率を調整するとともに、まずアルミニウムを、次に亜鉛を蒸着する方法によって金属層を作成した。保護層として未変性のケイ素含有化合物を吹き付け、保護層吹き付け後のプラズマ処理は行わなかった。比較例6では、まずアルミニウムを、次に亜鉛を蒸着する方法で金属層を作成し、保護層として未変性のケイ素含有化合物を吹き付けた。その他の実施方法を実施例2と同じである。実施条件および試験結果は表7および表8に示すとおりであった。
Figure 0007465805000002
Figure 0007465805000003
Figure 0007465805000004
Figure 0007465805000005
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Figure 0007465805000007
Figure 0007465805000008

Claims (12)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、金属単体または金属化合物を含有する層である金属層を有し、
    105℃、100%RHで3hr処理した後の、XPSで測定された490eVの位置の強度の、498eVの位置の強度に対する比は0.2より大きく、
    前記金属層の外表面は、保護層を有し、
    前記保護層は、変性ポリシロキサンを含有しており、
    前記変性ポリシロキサンは、SiH基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エチレン基、チオール基、炭素原子数4以上のアルキル基、無水酸基のうちの1つまたは複数を有するポリシロキサンである
    ことを特徴とする金属化フィルム。
  2. 前記金属化フィルムは酸素を含有し、金属層の断面方向において少なくとも2箇所の酸素濃化を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
  3. 前記金属化フィルムはアルミニウムを含有し、アルミニウムと亜鉛の重量比は、1:99~10:90である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
  4. 前記金属化フィルムの断面方向において少なくとも2箇所のアルミニウム濃化を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  5. 前記金属層または金属層の外表面は、ケイ素および/またはフッ素を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
  6. 前記金属化フィルムの断面方向において少なくとも1箇所のケイ素濃化を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  7. XPS分析により、金属化フィルムにおいて無機化したケイ素を表すピークが存在することが示される
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  8. ケイ素の含有量が0.005~0.3μg/cmである
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  9. 飛行時間型二次イオン質量分析で測定されたケイ素の無機化度は0.1以上である
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  10. フッ素の含有量が5~40μg/cmである
    ことを特徴とする請求項に記載の金属化フィルム。
  11. 前記基材フィルムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフッ化ビリニデンフィルムのうちの1つである
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
  12. 記保護層は、さらにパーフロロポリエーテル含有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルム。
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