JP6439141B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は自動車等に搭載される金属化フィルムコンデンサに関するものである。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVと呼ぶ)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、この電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されており、更に市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長い金属化フィルムコンデンサを採用する傾向が目立っている。
この金属化フィルムコンデンサは一般にHEVのエンジンルームに搭載されることが多い。したがって、その搭載場所から必然的に過酷な湿度条件下に曝されるため、HEV用途の金属化フィルムコンデンサは高い耐湿性を有することが必須となっている。そこで、一般にこれらHEV用途の金属化フィルムコンデンサは、上面開口型のケースに収容し、さらにエポキシ等の樹脂でモールドした構成となっている。すなわちHEV用途の金属化フィルムコンデンサは、樹脂にてコンデンサ素子を被覆することで耐湿性を高めたケースモールド型コンデンサの態様となっている。
具体的に図3を用いて特許文献1に示される従来の金属化フィルムコンデンサ101の構成について説明する。図3は金属化フィルムコンデンサ101の断面図である。
金属化フィルムコンデンサ101は上述したように、上面に開口部を有した樹脂製のケース102の内部にコンデンサ素子103を収容した構成となっている。
さらに、ケース102の内部にはモールド樹脂104としてエポキシ樹脂を注入、硬化させている。このようにコンデンサ素子103はモールド樹脂104にて被覆されることで、外部からの水分の浸入から保護され、耐湿性を高めた構成となっている。
ところで、HEV用途の金属化フィルムコンデンサは上述したようにHEVのエンジンルームに搭載されるものであり、その搭載スペースが限られることから、上述の高耐湿化の要求とともに小型軽量化の要求が強く求められる。
この小型軽量化の要求に対しては、特許文献2にて下記のような金属化フィルムコンデンサ201が提案されている。図4を用いて、この特許文献2に記載の金属化フィルムコンデンサ201の構成について説明する。図4は特許文献2に記載の金属化フィルムコンデンサ201の内部の構成を示す断面図である。
図4に示すように、金属化フィルムコンデンサ201は、金属化フィルムを巻回し、その端面に金属を溶射して電極を形成したコンデンサ素子202を有する。そして、金属化フィルムコンデンサ201は、このコンデンサ素子202を表面樹脂層203a、金属層203b、および内面樹脂層203cで構成された金属ラミネートフィルム203で外装してなる。
すなわち、金属化フィルムコンデンサ201では、特許文献1の金属化フィルムコンデンサ101のケース102ならびにモールド樹脂104を排除し、その代わりとして金属ラミネートフィルム203にてコンデンサ素子202を覆った構成となっている。
特開2008−130640号公報 特開2009−094122号公報
確かに、特許文献2に記載の金属化フィルムコンデンサ201のようにケースならびにモールド樹脂を用いず、金属ラミネートフィルム203を外装部材として用いた構成は小型軽量化という観点からは非常に優れたものであった。
ただし、このような構成の場合、当然のことながら元来耐湿性を向上させるために配したモールド樹脂を排除した構成であるため、特許文献1に記載のケースモールド型コンデンサ101に比べ、耐湿性が劣るものであった。
また、HEV用途として用いる金属化フィルムコンデンサには大電流が流れるため、外部機器との接続においては比較的厚みの厚いバスバーを用いることが多い。そして、このようなHEV用途のコンデンサ素子を金属ラミネートフィルムにて被覆した場合、バスバーの厚みが厚いことにより金属ラミネートフィルムとバスバーを完全に密着封止することは難しく、金属ラミネートフィルムからのバスバー引き出し部分において隙間が生じることがある。そして、金属化フィルムコンデンサ外部の水分がこの隙間から金属化フィルムコンデンサ内部に浸入し、さらにコンデンサ素子に到達してしまうことで、コンデンサ特性の低下を招くことがある。
すなわち、特許文献2に記載の金属化フィルムコンデンサ201のような金属ラミネートフィルム203を外装部材として用いた構成は、小型軽量化という点においては優れるものの、耐湿性に関して課題を有しており、実際にHEV用途としての採用に至るには難しいものであった。
そこで、本発明は、金属ラミネートフィルムを外装部材として用いた金属化フィルムコンデンサにおいて耐湿性を改善することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の金属化フィルムコンデンサは、一対の金属化フィルムを巻回、あるいは積層することで形成され、両端面に電極が設けられたコンデンサ素子と、金属層および樹脂層を有する金属ラミネートフィルムからなり、前記樹脂層が前記コンデンサ素子に面する状態で前記コンデンサ素子をその内部に収容する外装部材とを備え、前記コンデンサ素子は、前記外装部材の内部において、吸湿剤が混入された被覆樹脂層にて被覆された構成となっている。
本発明によると、金属化フィルムコンデンサの耐湿性を向上させることができる。
これは、本発明の金属化フィルムコンデンサのコンデンサ素子が、吸湿剤が混入された被覆樹脂にて被覆された構成となっていることによる。
すなわち、金属ラミネートフィルムにて構成された外装部材の外部から水分が外装部材内部へ浸入したとしても、この浸入した水分はコンデンサ素子を被覆する被覆樹脂層の吸湿剤に吸収され、コンデンサ素子に到達することを抑制される。
このため、本発明の金属化フィルムコンデンサは耐湿性に優れたものとなっている。
実施の形態1の金属化フィルムコンデンサ1の斜視図 実施の形態1の金属化フィルムコンデンサ1の断面図 従来のケースモールド型コンデンサ101の断面図 従来の金属化フィルムコンデンサ201の断面図
(実施の形態1)
以下、図1、図2を用いて、本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1の構成について説明する。図1は金属化フィルムコンデンサ1の構成を示す斜視図であり、図2は金属化フィルムコンデンサ1の断面図である。
まず、図1を用いて、本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1の構成の概略について説明する。
本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2を内部に収容した矩形状の外装部材3と、金属性の接続端子4を有する。図1に示すように、外装部材3は四辺が封止された状態となっている。このようにコンデンサ素子2は外装部材3の内部に収容されているため、厳密には図1で示したようにコンデンサ素子2は外部からは視認できない。また、コンデンサ素子2を外部の機器と電気的に接続するために、外装部材3の対向する2辺から金属性の接続端子4が外装部材3外部へと引き出されている。
次に、図2を用いて、金属化フィルムコンデンサ1の内部の構造について説明する。
コンデンサ素子2は、厚み3.0μmのポリプロピレンフィルムからなる誘電体フィルムの片面または両面にアルミニウムを蒸着させて金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対とし、上記金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向する状態で巻回して形成される。なお、本実施形態では巻回型の素子を用いたが、積層型の素子を用いてもよい。さらに、本実施形態ではフィルムの誘電体として厚み3.0μmのポリプロピレンフィルムを用いたが、これ以外にも適当な厚みのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニルサルファイド、ポリスチレンなどを誘電体として用いてもよい。また、コンデンサ素子2は押圧されることで円柱形状から扁平形状へと加工されている。扁平形状に加工することで、省スペース化の効果がある。さらに、コンデンサ素子2には、両端面に一対のメタリコン電極5が設けられている。これらメタリコン電極5は、コンデンサ素子2の両端面に亜鉛を溶射することで形成される。これら一対のメタリコン電極5はそれぞれコンデンサ素子2のP極とN極の取り出し電極となっている。本実施形態において、メタリコン電極5は亜鉛を溶射することで形成されているが、亜鉛以外の金属やあるいは複数の金属にて構成された合金を用いて形成してもよい。
コンデンサ素子2の両端面のメタリコン電極5は、それぞれ接続端子4に接続される。接続端子4はコンデンサ素子2を外部の機器と電気的に接続する部材である。本実施形態では、接続端子4として銅にて形成された板状のバスバーを用いている。これ以外にも導電性を有する部材であれば他の部材を用いてもよいが、金属化フィルムコンデンサ1をH
EV用として用いる場合、この接続端子4には大電流が流れるため、リード線などよりも本実施形態のごとく電気抵抗の低いある程度の厚みを有した板状の部材を用いることが好ましい。なお、本実施形態においては、接続端子4の厚みは0.8mm程度としている。接続端子4とメタリコン電極5の接続は、半田溶接を用いて行われており、本実施形態では2点で接続している。半田溶接以外にも、抵抗溶接、超音波溶接などを用いてもよい。
外装部材3はコンデンサ素子2を包装する袋状の部材であり、コンデンサ素子2は外装部材3内部の中央部分に密封された状態で収容されている。外装部材3は金属ラミネートフィルムからなる。この金属ラミネートフィルムはポリプロピレンからなる第1の樹脂層3a、アルミニウムからなる金属層3b、ナイロンからなる第2の樹脂層3cを順番に積層した構成となっている。それぞれの層の厚みは、樹脂層3aは80μm、金属層3bは40μm、樹脂層3cは25μmとしている。そして、この金属ラミネートフィルムを一対とし、コンデンサ素子2を挟んだ状態でこれら一対の金属ラミネートフィルムを重ね合わせ、さらに4辺の外周端付近の重なり合った第1の樹脂層3aどうしを熱融着させることで、外装部材3は形成される。したがって、これら一対の金属ラミネートフィルムの第1の樹脂層3aはコンデンサ素子2に面した状態となっている。ここで、一対の金属ラミネートフィルムを重ね合わせる前に、予めそれぞれの金属ラミネートフィルムはその中央部分にコンデンサ素子2を配設するための凹みが設けられており、コンデンサ素子2がこの凹み部分に位置するようにして一対の金属ラミネートフィルムどうしは重ね合わされる。この凹みは図1において示した金属化フィルムコンデンサ1の中央の盛り上がり部に相当する。この凹みは、ちょうどコンデンサ素子2の大きさに合うように形成されており、図1からわかるようにその頂点が僅かに丸みを帯びた矩形状となっている。なお、本実施形態においては、外装部材3の外周端から図1に示す点線部までを加熱し、第1の樹脂層3aどうしを熱融着させている。この加工により、図1に示すように、外装部材3はその内部にコンデンサ素子2を収容した袋状の構造となる。
なお、このようにコンデンサ素子2を外装部材3内部に封止する加工(外装工程)を施す前に、本発明のポイントであるコンデンサ素子2の表面を被覆樹脂層6で覆う加工を行う。これについては後ほど詳述する。
接続端子4は、コンデンサ素子2の長軸方向の両端部に設けられたメタリコン電極5に半田付けにて接続され、さらに袋状の外装部材3の長軸方向の両端部から外部に引き出されている。引き出し部分において外装部材3は接続端子4と密着した状態となっている。すなわち、この接続端子4が外装部材3から引き出される位置においては、外装部材3を構成する一対の金属ラミネートフィルムどうしは熱融着されてはいない。
次に本願発明のポイントである、被覆樹脂層6について説明する。
被覆樹脂層6は図2に示すように、コンデンサ素子2とコンデンサ素子2に設けられたメタリコン電極5を覆っている。また被覆樹脂層6は接続端子4の一部を覆っている。具体的には、接続端子4のメタリコン電極5との接続部およびこの接続部付近を覆っている。この被覆樹脂層6の厚みは50μm程度である。
この被覆樹脂層6は、変性ポリオレフィン樹脂、より具体的には酸変性ポリプロピレン樹脂にて形成されている。本実施形態ではこのように被覆樹脂層6を酸変性ポリプロピレン樹脂にて形成したが、これ以外にもエポキシ樹脂などで形成してもよい。
被覆樹脂層6は内部に吸湿剤を含有している。高い吸湿性を確保するため、本実施形態では吸湿剤として結晶中に細孔を多数有するゼオライトを採用している。具体的にはモレキュラーシーブを採用している。
以下、この被覆樹脂層6の形成方法について説明する。
本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1の被覆樹脂層6は、コンデンサ素子被覆工程、熱処理工程を順に経ることによって形成される。
まず、コンデンサ素子被覆工程においては、静電塗装法を用いてコンデンサ素子2を樹脂の粉体にて被覆する。具体的には、まず吸湿剤としてのモレキュラーシーブが混入された酸変性ポリプロピレン樹脂の粉体を帯電させ、静電気の吸引力を利用してコンデンサ素子2全体を覆うように酸変性ポリプロピレン樹脂の粉体をコンデンサ素子2に吹き付ける。この際、もちろんコンデンサ素子2はすでにメタリコン電極5が形成され、さらにメタリコン電極5に接続端子4が接続された状態となっている。そして、コンデンサ素子2に吹き付けられた酸変性ポリプロピレン樹脂はコンデンサ素子2の表面に堆積し、酸変性ポリプロピレン樹脂で構成された樹脂粉体層が形成される。この樹脂粉体層は後述する熱処理工程を経ることで図2の被覆樹脂層6となる。
なお、静電塗装法としては、トリボ(摩擦)帯電方式を採用することが好ましい。静電塗装機のスクリュー回転数(吐出量制御)、メインエア圧(搬送圧力)、加圧エアー圧(帯電量制御)を調整してガンの負電荷がアースに流れていく際の電流を数μA程度、例えば2μAとすることにより樹脂粉体層を均一に形成することができる。なお、必要以上の範囲に塗装がなされるのを防ぐため、マスクをかぶせてマスキングを行うのが良い。静電塗装法としては、トリボ帯電方式以外にも例えばコロナ帯電方式がある。そして、一般にコロナ帯電方式の方が種々の粉体材料への汎用性が高い。しかしながら、本実施形態の被覆樹脂層6を形成するために用いる粉体(モレキュラーシーブが混入された酸変性ポリプロピレン樹脂の粉体)に関しては、トリボ帯電方式であっても問題なく塗装が可能であり、さらに本実施形態のコンデンサ素子2に対してはトリボ帯電方式の方がコロナ帯電方式に比べ、ピンホール等の絶縁欠陥(非塗装部)が生じにくいことが本発明者による検討により確認されている。したがって、上述のようにトリボ帯電方式を採用することが好ましい。
さらに、熱処理工程にて上述の素子被覆工程にて形成された樹脂粉体層を加熱する。この熱処理工程においては100℃以上120℃以下の温度で10分以上加熱することが好ましい。このようにして樹脂粉体層を加熱し、溶融、さらに固化させることでコンデンサ素子2の表面に一様かつ50μm程度の膜厚の薄い被覆樹脂層6が形成される。
そして、被覆樹脂層6を形成した後、上述のように金属ラミネートフィルムからなる外装部材3にてコンデンサ素子2を封止する外装工程を経て金属化フィルムコンデンサ1が完成する。図2に示すように、完成品としての金属化フィルムコンデンサ1においては、コンデンサ素子2を覆う被覆樹脂層6と外装部材3の間に僅かな隙間7が存在する。この隙間7は、上述のコンデンサ素子2を配設するために金属ラミネートフィルムに設けた凹みとコンデンサ素子2との間の隙間である。本実施形態においては、軽量化の観点からこの隙間には特に何も充填しないものとしたが、さらに耐湿性を向上させる場合にはエポキシ樹脂等の樹脂を充填してもよい。
以下、本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1における本願発明の効果について説明する。
本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1では、コンデンサ素子2が、吸湿剤が混入された被覆樹脂層6にて覆われているため、耐湿性が優れたものとなっている。このため、仮にコンデンサ素子2を外装する外装部材3に一部破損が生じたり、あるいは接続端子4
の外装部材3からの引き出し部分付近で隙間が生じた場合において、金属化フィルムコンデンサ1外部の水分が外装部材3内部に浸入してしまったとしても、被覆樹脂層6がこの水分のコンデンサ素子2への到達を抑制することができる。特に、本実施形態のように接続端子4として比較的厚みの厚いバスバーを用いた場合は、接続端子4の外装部材3からの引き出し部分付近で隙間が生じ易く、本実施形態の構成が特に効果を発揮する。このように、本実施形態の金属化フィルムコンデンサ1は、外部水分浸入に起因するコンデンサ素子2の特性の低下を抑制することができる。
そして、この吸湿剤としては結晶中に細孔を有するゼオライトを用いることが好ましい。被覆樹脂層6内へ浸入した水分をゼオライトの細孔中に吸着することで、水分のコンデンサ素子2への到達を防ぐことができる。中でも、モレキュラーシーブはその細孔中に水分子を吸着する力が強く、特に好ましい。
また、被覆樹脂層6としては変性ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。強い接着性を有する変性ポリオレフィン樹脂を用いることで、コンデンサ素子2に密着した状態の被覆樹脂層6を形成することができる。特に酸変性ポリプロピレン樹脂であれば、強い接着性を有するとともに優れた耐湿性も有するため特に好ましい。なお、エポキシ樹脂も強い接着性および優れた耐湿性を有するため、外装部材3の第1の樹脂層3aとして用いることができる。ただし、酸変性ポリプロピレン樹脂はエポキシ樹脂と比較してより低い温度で溶融するため、熱処理工程において樹脂粉体層を加熱溶融させる際に、コンデンサ素子2に与える熱ダメージを抑制できる。したがって、外装部材3の第1の樹脂層3aとしては酸変性ポリプロピレン樹脂がより好ましい。
なお、被覆樹脂層6は静電塗装法を用いて形成するとよい。静電塗装法を用いることにより、コンデンサ素子2の表面に均一な樹脂粉体層を精度良く形成することができる。また、静電塗装法によると被覆樹脂層6の塗膜欠陥部が生じにくいとともに厚みを薄くすることができる。すなわち、静電塗装法によると金属化フィルムコンデンサ1の信頼性を高めるとともにその小型化に貢献することできる。
さらに、樹脂の粉体として酸変性ポリプロピレン樹脂を用いた場合において、コンデンサ素子2の表面に形成した樹脂粉体層に熱処理を行う際の条件としては、100℃以上120℃以下の温度で10分以上加熱することが好ましい。100℃以上であれば、酸変性ポリプロピレン樹脂を問題なく溶融させることができる。熱処理の温度が高いほど効率よく樹脂粉体層を溶融させることは可能であるが、あまりにも高い温度であるとコンデンサ素子2自体にダメージを与えてしまい、コンデンサとして特性の低下の要因となってしまう虞があるため、熱処理の温度は120℃以下とすることが好ましい。特に、コンデンサ素子2の誘電体として用いたポリプロピレンフィルムは熱への耐性が低いため、上述の熱処理の条件は重要である。また、樹脂粉体層を十分に溶融させるため、上記条件にて少なくとも10分以上加熱することが望ましい。
以上、説明したように、本発明の金属化フィルムコンデンサは耐湿性に優れたものとなっている。そして、この金属化フィルムコンデンサは併せて説明した本発明の製造方法により作製することができる。
なお、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、コンデンサ素子2を配設するために金属ラミネートフィルムに設けた凹みは、必ずしもコンデンサ素子2の形状と一致する大きさでなくともよい。すなわち、凹みにコンデンサ素子2を配設し易くするように、凹みをある程度の余裕を持った大きさとしてもよい。この場合は本実施形態と比較して、隙間7が多少大きくなる。また、接続端子4の引き出し方向を本実施形態では金属化フィルムコンデンサ1
の長軸方向両端から引き出す態様としたが、これに限らず短軸方向両端から引き出す態様としてもよいし、長軸方向、短軸方向のいずれか1辺から2つの接続端子4を引き出す態様としてもよい。
本発明による金属化フィルムコンデンサは耐湿性に優れており、金属化フィルムコンデンサ外部からの水分浸入に起因するコンデンサ素子の特性の低下を抑制することができる。したがって、過酷な外部環境に曝されるため、高い耐湿性が求められるハイブリッド車用の金属化フィルムコンデンサ用途として好適に採用し得る。
1 金属化フィルムコンデンサ
2 コンデンサ素子
3 外装部材
3a 第1の樹脂層
3b 金属層
3c 第2の樹脂層
4 接続端子
5 メタリコン電極
6 被覆樹脂層
7 隙間

Claims (6)

  1. 一対の金属化フィルムを巻回、あるいは積層することで形成され、両端面に電極が設けられたコンデンサ素子と、
    金属層および樹脂層を有する金属ラミネートフィルムからなり、前記樹脂層が前記コンデンサ素子に面する状態で前記コンデンサ素子をその内部に収容する外装部材と、を備え、前記コンデンサ素子は、前記外装部材の内部において、吸湿剤が混入された被覆樹脂層にて被覆され
    前記被覆樹脂層は変性ポリオレフィン樹脂である金属化フィルムコンデンサ。
  2. 前記吸湿剤は、結晶中に細孔を有するゼオライトである請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 前記ゼオライトは、モレキュラーシーブである請求項2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 前記変性ポリオレフィン樹脂は、酸変性ポリプロピレン樹脂である請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 一対の金属化フィルムを巻回、あるいは積層することで形成され、両端面に電極が設けられたコンデンサ素子に、静電塗装を用いて吸湿剤が混入された変性ポリオレフィン樹脂の粉体を塗装して前記コンデンサ素子を樹脂粉体層で被覆するコンデンサ素子被覆工程と、
    前記樹脂粉体層を加熱溶融させ、被覆樹脂層を形成する熱処理工程と、
    金属層および樹脂層を有する金属ラミネートフィルムにて、前記樹脂層が前記コンデンサ素子に面する状態で、前記コンデンサ素子を外装する外装工程とを備えた金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  6. 前記変性ポリオレフィン樹脂は酸変性ポリプロピレン樹脂であり、前記熱処理工程では、100℃以上120℃以下の温度で10分以上前記コンデンサ素子を加熱する請求項に記載の金属化フィルムコンデンサの製造方法。
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