JP4296532B2 - コンデンサ用蒸着フィルム及びそれを用いたコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用蒸着フィルム及びそれを用いたコンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムコンデンサ及びそれを製造するためのコンデンサ用蒸着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なフィルムコンデンサは、絶縁フィルムの片面又は両面に金属蒸着膜電極が形成され、蒸着膜が片面に形成されている場合はそれぞれを対にし、また蒸着膜が両面に形成されている場合は絶縁フィルムと対にし重ねて円柱状に巻き、この円柱状体をプレスによって成形した後、又は円柱状体のまま、両端に電極引出し用のメタリコンを施して金属蒸着膜と導通させ、メタリコンにそれぞれ端子を接続したものである。
【0003】
最近では、この種のフィルムコンデンサの保安性を高めるために、例えば、特公昭41−11377号公報、特開平10−135072号公報および特開平10−144563号公報などに見られるように、少なくとも一方の金属蒸着フィルムの金属蒸着膜電極を、マージンと呼ばれる非蒸着部により分割することにより、多数の電極部と、これらの電極部を電極引出し用メタリコンとの接触部まで導通させる細いヒューズ部とを形成する技術が実用化されている。このような保安機能付きフィルムコンデンサでは、各フィルムの蒸着金属膜間が短絡すると、その短絡箇所を含む電極につながるヒューズ部が溶断して導通を失い、短絡箇所への通電が停止される。
【0004】
このように、この種の保安性機構付きコンデンサでは、ヒューズ部が溶断する度にその
ヒューズ部につながる電極部が無効となるため、その分コンデンサの容量減少を招く。従
って、コンデンサの容量安定性の観点から、分割電極面積を小さくし容量の安定性を向上
させるために、特開平4−225508号公報などのように、金属蒸着膜電極を格子状に
分割するフィルムコンデンサが提案されている。このようなコンデンサによれば、いずれ
かの電極部で短絡が生じた場合、その電極部につながる全てのヒューズ部が溶断して、そ
の小面積の電極部のみ周囲からの導通がなくなるため、容量減少は少なくて済むことにな
る。
【0005】
ところが、特開平4−225508号公報などのように、金属蒸着膜を格子状に分割した蒸着フィルムでは、分割電極面積を小さくする代償として、金属蒸着膜電極を格子状に分割する非蒸着部の面積が大きくなるため、コンデンサ設計当初からフィルムの所要量が増すこととなり、フィルムコンデンサの価格が上がり、経済面では大きな問題を抱えていた。
【0006】
又、フィルムコンデンサの他の例として、一つのコンデンサ素子内に三個以上の直列コンデンサを形成するとともに、フィルム幅方向にも絶縁部を設けて、一素子内で並列回路とした多数の小コンデンサ回路網を形成するエネルギー蓄積急放電用コンデンサ(特公平6−18153号公報)がある。このコンデンサは、上記直列及び並列に区切られた一つの連続導体部が対極電極として構成する小コンデンサの蓄積エネルギーが、定格電圧において1ジュール以下であり、定格電圧においてプラスチックフィルムの電位傾度が150KV/mm以上であるエネルギー蓄積急放電用コンデンサである。
【0007】
すなわち、このエネルギー蓄積急放電用コンデンサでは、非蒸着部分である絶縁部により分割し、小コンデンサの多数個化によって一つの小コンデンサが持つエネルギー量の低減を図り、各小コンデンサに発生した自己回復時に流れ込むエネルギーを小さくし、絶縁回復を良好にし、金属蒸着フィルムの耐電圧性能を向上使用とするものである。
【0008】
一般に、金属蒸着フィルムを使用したコンデンサにおいて自己回復性を向上させることは耐電圧性能を向上させ、従来以上の高電位設計を可能とし、コンデンサの小型化とコストダウンを可能にする。
【0009】
しかしながら、この金属蒸着フィルムの非蒸着部である絶縁部の形成は、非蒸着部内の金属残りが、高いマージン間耐電圧を要求されることから許容されず、加工方法や加工時の精度には十分な管理が必要となり加工上困難なため、コストアップの要因となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自己回復性を向上させ、従来以上の高電位設計が可能で小型で安価なコンデンサの提供が可能となる金属蒸着フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、自己回復性を向上させ、従来以上の高電位設計が可能で小型で安価なコンデンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成線とするものであって、本発明のコンデンサ用蒸着フィルムは、絶縁性のフィルムの両面又は片面に形成された金属蒸着膜電極と、フィルム端に沿った非蒸着部(マージン)1と、該金属蒸着膜電極の少なくとも一方に設けられた複数の非蒸着部3と、を有する金属蒸着フィルムであって、
該複数の非蒸着部3が下記(1)〜(6)を満たすように配置されており、
コンデンサの静電容量をなす部分の蒸着膜電極の膜抵抗値がR=3〜30Ω/□であり、
且つ電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値がR=2〜8Ω/□であることを特徴とするコンデンサ用蒸着フィルムである。
(1) 前記複数の非蒸着部3の各々の幅(パターン幅W)が0.05〜0.3mmで長さ(パターン長さL)が1〜20mmである。
(2) 前記複数の非蒸着部3の全てが、各々の該非蒸着部3の長さ方向がフィルムの幅方向を向いている。
(3) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3の間隔Pが一定である。
(4) 前記複数の非蒸着部3が、フィルム幅方向に隣り合う該複数の非蒸着部3の間、及び該非蒸着部3と前記非蒸着部1の間に蒸着部である間隔部(ヒューズ幅部)が設けられ、フィルム長手方向に前記金属蒸着膜電極を分割することがないように配置されている。(5) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3で挟まれる領域において、該領域内の全ての前記間隔部が、前記非蒸着部1とは反対側のフィルム端より順に、該フィルム長手方向に隣り合う複数の非蒸着部3の間を互い違いに配置されている。
(6) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3で挟まれる領域において、下記式1で求められる蒸着部の幅の和(f)が1〜6mmである。
(式1) f=F1+F2+F3+・・・+Fn+P−W
(ただし、F1,F2,F3,・・,Fnは該領域内の全ての前記間隔部の各々の幅の値、Pはフィルム長手方向に隣り合う該複数の非蒸着部3の間隔の値、Wは該複数の非蒸着部3の幅の値)
すなわち、本発明は、絶縁性のフィルムの両面又は片面に、金属蒸着膜電極と、この金属蒸着膜電極の少なくとも一方に、複数の非蒸着部を設けることで蒸着金属のもつ自己回復特性を助長させ、且つ複数の非蒸着部が金属蒸着膜電極を分割することないように配置した金属膜蒸着フィルムを作り、これを巻回してコンデンサとするものである。
【0013】
また、本発明の金属膜蒸着フィルムの有する複数の非蒸着部は、各々の幅(パターン幅W)が0.3mm以下で長さ(パターン長さL)が1〜20mm以内であり、フィルム長手方向に隣り合う該非蒸着部相互のフィルム長手方向の蒸着部の幅とフィルム幅方向に並ぶ非蒸着部間の蒸着部の幅(ヒューズ幅F)の和(f)が6mm以内である。複数の非蒸着部の幅(W)を0.05〜0.3mmとし、且つ蒸着部の幅の和(f)を1〜6mmとすることで、コンデンサの使用時に異常が発生しても容量減少が少なく、絶縁特性を損なうことのない作用を有するコンデンサ用蒸着フィルムが得られる。
【0014】
更に複数の非蒸着部が、フィルムの幅方向に対し、角度0±10°以内の範囲内で平行に配置されており、蒸着膜電極の膜抵抗値をR=3〜30Ω/□とし、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値をR=2〜8Ω/□とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のコンデンサ用蒸着フィルムを構成する金属蒸着フイルムは、金属蒸着膜電極中に、微小な複数の非蒸着部を形成し存在せしめたものであり、この金属蒸着フイルムを用いたコンデンサでは、蒸着膜の絶縁破壊部に流入する電気エネルギーの経路が長くなり、電気抵抗が高くなるために電気エネルギーの集中を緩和することが可能となりコンデンサの自己回復性能が向上する作用を有するものである。
【0016】
また、本発明の金属蒸着フィルムは、金属蒸着膜電極の膜抵抗値RをR=3〜30Ω/□とし、好ましくはR=6.0〜25Ω/□とし、また、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値RをR=2〜8Ω/□とし、好ましくはR=2.5〜5.0Ω/□とすることで、金属蒸着膜電極の飛散性が安定し、蒸着膜の絶縁破壊部に流入する電気エネルギーを極大化しないという作用を有するものである。
【0017】
尚、ここで言う「電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の抵抗値」とは、マージンとは反対側のフィルム端から約2mmの幅を切り出して測定した抵抗値である。
【0018】
本発明における「膜抵抗値」の測定は、JIS C 2316の8.(7)に準じて測定される。
【0019】
本発明で用いられる絶縁性のフィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等が挙げられるが、特に本発明を限定するものではない。
【0020】
また蒸着金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、錫、チタン等の単金属、又はこれらの複合金属等が挙げられ、更にこれらの金属の蒸着手段として、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、EB加熱方式、スパッター方式等が挙げられるが、いずれも本発明を限定するものではない。
【0021】
以下、本発明のコンデンサ用蒸着フィルムの具体的な実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0022】
本発明のコンデンサ用蒸着フィルムの例を、図1に示す。図1において、(a)図は、本発明の実施形態1におけるコンデンサの巻き取り時の斜視図である。(b)1図及び(b)2図は、同(a)図の(b)部における金属化フィルムの部分拡大図である。また、(c)図は、本発明の実施形態1における電極引き出し用メタリコンとの接触部の蒸着膜厚が厚くなった様子を示す図である。また、(d)図は、これに重ねて巻く一般の蒸着フィルムの様子を示す図であるが、これに限定されるものではなく、図1に示される蒸着フィルムと左右対称のものを重ね合わせてもかまわない。
【0023】
図1のコンデンサ用蒸着フィルムは、絶縁性のフィルムの両面又は片面に形成された金属蒸着膜電極2と、フィルム端に沿ったマージンと呼ばれる非蒸着部1と、該金属蒸着膜電極2の少なくとも一方に設けられた複数の非蒸着部3とを有する金属蒸着フィルムであって、該複数の非蒸着部3が該金属蒸着膜電極1を分割することがないようにヒューズ幅(F)をもって配置されている。
【0024】
具体的に、ポリプロピレン(PP)フィルムなどの絶縁性のフィルムを用いた金属蒸着フィルムを得る際に、その片面にフィルム幅方向に非蒸着部を形成するためのオイルを、ロール状の凸版などで転写し、同時にマージン部分へのオイルの転写若しくはその後のオイルの塗布で、図1に示す複数の非蒸着部3がフィルムの幅方向に角度0±10°以内の範囲内で平行な形状のパターン蒸着フィルムを形成する。このときの蒸着金属にはアルミニウムを用い、蒸着膜抵抗値をR=3〜30Ω/□とし、電極引出し用メタリコン4との接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値をR=2〜8Ω/□とする。更に、パターンの形状は、非蒸着部のパターン幅Wを0.3mm以下、パターン長さLを1〜20mmとし、又蒸着部の幅の和(f)を6mm以下とする。
【0025】
蒸着膜抵抗の測定は、JIS C 2316の8.(7)に準じて測定し、電極引出し用メタリコン4との接触部の蒸着膜電極の膜抵抗は、当該部分を幅2mmに切り出して、又コンデンサの静電容量を成す部分の蒸着膜電極の膜抵抗は前記切り出し幅を10mmとした残りの部分でパターンの方向に沿ってパターン間隔に切り出した幅で測定する。
【0026】
複数の非蒸着部の各々の幅(パターン幅W)は、0.05〜0.3mmである。非蒸着部のパターン幅Wを0.05mmより小さくすると、コンデンサの異常発生時に異常部に流入する電流によって発生する電圧により、非蒸着幅が過度に広がるため誘電体フィルムの劣化を招きやすい。また、非蒸着部のパターン幅Wが0.3mmを超えると、非蒸着部の面積が蒸着部の面積に比べ大きくなり、コンデンサを形成したときの容量が出せず、小型化が困難である。
【0027】
更に、蒸着部の幅の和(f)は、1〜6mmである。蒸着部の幅の和(f)を1mm未満とすると、コンデンサの異常発生時に異常部に流入する電気エネルギーによって過度の蒸着膜亀裂を誘発し、容量減少が大きくなり、また、蒸着部の幅の和(f)を6mmより大きくすると、蒸着膜亀裂は発生するものの、完全な絶縁が保てないためコンデンサの絶縁抵抗の低下を招くことがある。
【0028】
下記の式1は、蒸着部の幅の和(f)を定義する式である。
(式1) f=F1+F2+F3+・・・+Fn+P−W
尚、上記の非蒸着部の幅(パターン幅W)、及び非蒸着部の間隔(ヒューズ幅F)は(株)ニコン製の万能投影機V−12BSCを用い、任意のパターンピッチPの20点に対して測定し、その平均値で表している。
【0029】
この片面金属蒸着フィルム図1(c)、(d)を二枚重ねて巻回し得られた円柱状のコンデンサの両端に電極引出し用メタリコンを施してコンデンサ素子を形成する。このコンデンサ素子の両端のメタリコンに外部電極引出し用端子を接続し、樹脂ケースに収容後、エポキシ樹脂でモールドしコンデンサを形成し、サンプル1とした。
【0030】
【実施例】
(実施例1)[実施の形態1]
図1の金属蒸着フィルムにおいて、フィルムとして厚さ5μmのポリプロピレン(PP)フィルムを用い、その片面にフィルム幅方向に非蒸着部を形成するためのオイルを、ロール状の凸版などで転写し、同時にマージン部分へのオイルの転写若しくはその後のオイルの塗布で、図1に示す複数の非蒸着部3がフィルムの幅方向に角度5°の平行な形状のパターン蒸着フィルムを形成した。このときの蒸着金属にはアルミニウムを用いた。得られた金属蒸着フィルムの厚みは、5μmで、幅は50mmであり、形成したコンデンサの容量は5μFであった。
【0031】
蒸着膜抵抗値Rは、18Ω/□、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値Rは3.5Ω/□であった。更に、パターンの形状は、非蒸着部のパターン幅は0.1mm、パターン長さは10mm、又蒸着部の幅の和(f)は4mmとした。
【0032】
(参考例1)[実施の形態2]
パターン転写時のパターン形状を複数の非蒸着部を、フィルムの長手方向に角度5°の平行な形状にした。尚、この場合の蒸着部の幅の和(f)は、図7(b)に示すように任意の場所でフィルムの長さをフィルム幅と同じ値で切断して、蒸着部の和を測定した。その他は、実施の形態1と同様の工程で作成し、実施態様2のサンプル2を作成した。
【0033】
(比較例1)
比較例1は、実施の形態1と同様の工程で作成したが、蒸着膜抵抗値をR=2Ω/□とし、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値をR=1.5Ω/□としたコンデンサである。
【0034】
(比較例2)
比較例2は、実施の形態1と同様の工程で作成したが、蒸着膜抵抗値をR=40Ω/□とし、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値をR=10Ω/□としたコンデンサである。
【0035】
(比較例3)
従来例として、ベースフィルムがPPフィルムの金属蒸着フィルムを得る際に、マージン部分へのオイルの塗布でマージンを形成し、蒸着金属にはアルミニウムアロイを用い、蒸着膜抵抗値をR=18Ω/□、電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値をR=3.5Ω/□とした。この片面金属蒸着フィルム2枚を用い得られた円柱状のコンデンサの両端に電極引出し用メタリコンを施してコンデンサ素子を形成し、樹脂ケースに収容後、モールドしてコンデンサを形成した。
【0036】
次に、実施の形態1及び実施の形態2で得られたコンデンサの効果を検証するために、サンプル1及び2及び比較例1、2および3のコンデンサの寿命試験と破壊電圧測定を行なった。
【0037】
図2は、縦軸に破壊電圧をプロットしたグラフであり、測定条件は常温・常湿で電圧昇圧速度は100V/分である。また、図3は、各コンデンサに、75℃、310VACの条件下で寿命試験を行なった結果の容量変化を示すグラフである。図3に示すように、サンプル1及びサンプル2のコンデンサに比べ、電極の抵抗値が高い比較例3のコンデンサは容量減少が大きく、試験開始1,000hrs後の容量減少は−7%を超えるものであった。
【0038】
また、図2を見れば分かるように、サンプル1及びサンプル2のコンデンサの方が、比較例3のコンデンサと比べ破壊電圧はほぼ同等であるものの低電圧の方にばらつきが認められ、また、比較例1はサンプル1及び2より300〜400V下回っている。
【0039】
そして、この破壊試験実施後のコンデンサ素子を分解し金属化フィルムの状態を確認したところ、図4(a)と(b)、図5(a)と(b)及び図6(a)と(b)に示す自己回復を確認することができた。
【0040】
図4の(a)と(b)は、比較例3の金属化フィルムの破壊状況を示しており、ここには自己回復発生部5と絶縁耐力低下部6が示されているが、絶縁耐力低下部6は形状が大きく、ところによっては自己回復が上手く行なわれていないところもあり、破壊の進行が伺われた。電極引出し用メタリコンとの接触部を厚く蒸着し、蒸着膜主電極を薄い構造にすることで自己回復は良化はするが、それでも不完全な自己回復が発生し、フィルムへのダメージがコンデンサの絶縁耐力を低下させていることがわかる。
【0041】
図5の(a)図と(b)図は、比較例1の金属化フィルムの破壊状況を示しており、ここには、自己回復発生部5、絶縁耐力低下部6および自己回復特性助長部7が示されている。電極引出し用メタリコンとの接触部を厚く蒸着し、蒸着膜主電極を薄い構造にすることで、比較例3よりは自己回復は良化はするが、それでも実施例1と参考例1に比べると、不完全な自己回復が発生し、フィルムへのダメージがコンデンサの絶縁耐力を低下させていた。
【0042】
図6の(a)図と(b)図は、実施例1と実施例2のサンプル1と2及び比較例2の金属化フィルムの破壊状況を示しており、ここにも、自己回復発生部5、絶縁耐力低下部6および自己回復特性助長部7が示されている。自己回復は良化しており、更に不完全な自己回復部分もその回りに存在する複数の非蒸着部間の蒸着膜を不完全な自己回復部分に流れ込む電気エネルギーの流入で、蒸着金属の亀裂を誘発させ自己回復の助長がなされていた。
【0043】
なお、実施例1と参考例1のサンプル1と2に比べ、比較例2は蒸着膜の亀裂は広範囲に渡っており、不完全な自己回復部分はほとんど見られなかったが容量減少が大きく、また蒸着膜亀裂を発生する際のヒーリング現象でフィルムが焼けただれ、新たな絶縁破壊を誘発していた。
【0044】
図7の(a)は、フィルムの幅方向に複数の非蒸着部を設けた場合の状態を説明する図であり、(b)はフィルムの長手方向に複数の非蒸着部を設けた場合の状態を説明する図である。
【0045】
図7の(a)は、図1の(c)に示すマージン幅がMのフィルムの幅方向に複数の非蒸着部を設けたパターンフィルムと図1の(d)に示すマージン幅(M)の通常のコンデンサ用蒸着フィルムの2枚を重ねた状態図である。2枚のフィルムは同一の幅であるが、各々のマージンが互いに重ねられる他方の蒸着フィルムの蒸着部内に重なるようにずらし幅Zをもって重ねられる。また、少なくとも一方の蒸着フィルムにある複数の非蒸着部は、フィルムの長手方向に所定の間隔(パターンピッチP)を持って配置され、この1間隔内においてフィルム幅方向に反マージン側から順にF1、F2・・・Fnの間隔部を互い違いに有している。
【0046】
また、図7の(b)は、上述のパターンフィルムがフィルムの長手方向に複数の非蒸着部を設けた場合の状態図である。この場合、少なくとも一方の蒸着フィルムにある複数の非蒸着部は、フィルムの幅方向に所定の間隔(パターンピッチP)を持って配置され、この1間隔内で且つフィルム幅Fwと同じ間隔をもつA−A’の切断線とB−B’の切断線の間隔内に切断線A−A’からB−B’方向に向かって順にF1、F2・・・Fnの間隔部を互い違いに有している。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、金属化フィルムの蒸着膜に複数の非蒸着部を形成した金属蒸着フィルムとしたため、電気エネルギーが絶縁破壊部に流入する経路が長くなり電気エネルギーの集中を緩和し、更に不完全な自己回復部分が発生してもその回りに存在する複数の非蒸着部間の蒸着膜を不完全な自己回復部分に流れ込む電気エネルギーの流入で、蒸着金属の亀裂を誘発させ自己回復の助長がなさるため、より小さい面積で良好な自己回復性能が期待され、フィルムが持つ本来の絶縁耐力により近い高電位傾度のフィルムコンデンサの設計を可能とする優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の実施形態1におけるコンデンサの巻き取り時の斜視図である。(b)1図及び(b)2図は、同(a)図の(b)部における金属化フィルムの部分拡大図である。また、(c)図は、本発明の実施形態1における電極引き出し用メタリコンとの接触部の蒸着膜厚が厚くなった様子を、(d)図は、これに重ねて巻く一般の蒸着フィルムの様子を示す図である。
【図2】コンデンサの破壊電圧特性を比較する特性図である。
【図3】コンデンサの寿命試験における容量変化を比較する特性図である。
【図4】(a)図は、金属化フィルムの破壊欠陥部を示す比較例3の一部斜視図である。(b)図は、同(a)図の異常部拡大図である。
【図5】(a)図は、金属化フィルムの破壊欠陥部を示す比較例1の一部斜視図である。(b)図は同(a)図の異常部拡大図である。
【図6】(a)図は、金属化フィルムの破壊欠陥部を示す実施例1の一部斜視図である。(b)図は、同(a)図の異常部拡大図である。
【図7】(a)図は、フィルムの幅方向に複数の非蒸着部を設けた場合の状態を説明する図であり、(b)図はフィルムの長手方向に複数の非蒸着部を設けた場合状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 非蒸着部(マージン)
2 金属蒸着膜電極(蒸着部)
3 複数の非蒸着部
4 電極引き出し用メタリコン
5 自己回復発生部
6 絶縁耐力低下部
7 自己回復特性助長部
W パターン幅
L パターン長さ
f 蒸着幅の和
Fn n番目のヒューズ幅
M マージン幅
FW フィルム幅
P パターンピッチ
Z ずらし幅
A−A’ 任意の切断線
B−B’ A−A’からFWの位置の切断線

Claims (4)

  1. 絶縁性のフィルムの両面又は片面に形成された金属蒸着膜電極と、フィルム端に沿った非蒸着部(マージン)と、該金属蒸着膜電極の少なくとも一方に設けられた複数の非蒸着部3と、を有する金属蒸着フィルムであって、
    該複数の非蒸着部3が下記(1)〜(6)を満たすように配置されており、
    コンデンサの静電容量をなす部分の蒸着膜電極の膜抵抗値がR=3〜30Ω/□であり、
    且つ電極引出し用メタリコンとの接触部を含む近傍の蒸着膜電極の膜抵抗値がR=2〜8Ω/□であることを特徴とするコンデンサ用蒸着フィルム。
    (1) 前記複数の非蒸着部3の各々の幅(パターン幅W)が0.05〜0.3mmで長さ(パターン長さL)が1〜20mmである。
    (2) 前記複数の非蒸着部3の全てが、各々の該非蒸着部3の長さ方向がフィルムの幅方向を向いている。
    (3) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3の間隔Pが一定である。
    (4) 前記複数の非蒸着部3が、フィルム幅方向に隣り合う該複数の非蒸着部3の間、及び該非蒸着部3と前記非蒸着部1の間に蒸着部である間隔部(ヒューズ幅部)が設けられ、フィルム長手方向に前記金属蒸着膜電極を分割することがないように配置されている。(5) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3で挟まれる領域において、該領域内の全ての前記間隔部が、前記非蒸着部1とは反対側のフィルム端より順に、該フィルム長手方向に隣り合う複数の非蒸着部3の間を互い違いに配置されている。
    (6) フィルム長手方向に隣り合う前記複数の非蒸着部3で挟まれる領域において、下記式1で求められる蒸着部の幅の和(f)が1〜6mmである。
    (式1) f=F1+F2+F3+・・・+Fn+P−W
    (ただし、F1,F2,F3,・・,Fnは該領域内の全ての前記間隔部の各々の幅の値、Pはフィルム長手方向に隣り合う該複数の非蒸着部3の間隔の値、Wは該複数の非蒸着部3の幅の値)
  2. 前記複数の非蒸着部が、フィルムの幅方向に対し、角度0±10°以内の範囲で平行に配置されている請求項1記載のコンデンサ用蒸着フィルム。
  3. 蒸着膜電極の電極引出し用メタリコンとの接触部と反対側のフィルム切断端にある前記非蒸着部の幅(マージン幅)と、コンデンサ素子を作成する際に重ね合わせた2枚のフィルムの一方に突出たメタリコン接続のためのずらし幅(ずらし幅)の和以内の範囲で前記複数の非蒸着部を持たない請求項1または2記載のコンデンサ用蒸着フィルム。
  4. 請求項1〜3に記載のコンデンサ用蒸着フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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