JP4906111B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、産業機器および自動車用等のインバータ回路の平滑用に使用する金属化フィルムコンデンサに関するものである。
従来の金属化フィルムコンデンサには、図3に示すポリプロピレン(以下PP)フィルム1のメタリコン金属と接触する一端部付近の金属電極2を厚く蒸着し(ヘビーエッジ部)、コンデンサ機能部分である中央部分の金属電極3を薄く蒸着し(静電容量形成部)、ヘビーエッジ部と対向する他端部付近に金属蒸着を施さずに絶縁マージン4を形成した金属化フィルムが使用されている。
しかし、インバータ回路の平滑用コンデンサは高温、高電圧で使用される場合、安全性の要求が強く、この対策として特許文献1および2に開示されているような金属化フィルムが採用されている。
前記金属化フィルムの例を図4に示す。図4では、幅方向絶縁スリット14と長手方向絶縁スリット15により分割電極16を形成し、この分割電極同士がヒューズ17で並列に接続している。
さらに、メタリコン部近傍は長手方向の絶縁スリット19によりメタリコン金属接触部18と分割電極16を分離した構成としてヒューズ部20で接続している。この構成の蒸着金属は亜鉛で膜抵抗値を5Ω/□とし、分割電極16のヒューズ部17の寸法は0.5〜1.5mm、メタリコン近傍ヒューズ部20はヒューズ部17の2〜20倍として誘電体破壊時にヒューズ動作により安全性が確保されると報告されている。
特開平08−250367号公報 特開平07−086088号公報
これに対して、自動車用としてインバータ回路の平滑用等に使用されるコンデンサは高温、高周波、高電圧で使用され、小形化と高度な安全性が要求されている。このために、静電容量形成部をなす蒸着電極3の膜厚を薄くし、かつ分割電極16の耐電圧性を高める必要がある。
しかし、分割電極16の膜厚を薄くするとヒューズ部17、20の膜抵抗値も高くなって動作性能は良くなるが、この部分での発熱も大きく、コンデンサの温度上昇が著しくなり、使用中の静電容量減少が大きくなる。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、ヘビーエッジ部を有する蒸着金属電極が片面に形成された金属化ポリプロピレンフィルムを2枚重ね合わせるか、または両面に前記蒸着金属電極が形成された金属化ポリプロピレンフィルム1枚と非金属化ポリプロピレンフィルムとを重ね合わせて巻回し、巻回端面にメタリコン部を形成したコンデンサ素子を有する金属化フィルムコンデンサであって、
前記2つの蒸着金属電極のうち少なくとも片方に、ヘビーエッジ部を除いて、前記フィルムの幅方向に平行または斜め方向に延びる絶縁スリット線Aが一定のピッチaにて、互いに平行に、複数本繰り返し設けられ、前記絶縁スリット線Aに直交または斜めに交差して、前記フィルムの長手方向に平行な絶縁スリット線Bが、一定のピッチbにて、互いに平行に、複数本繰り返し設けられ、
前記絶縁スリット線AおよびBは、金属蒸着の存在しないスリット部と金属蒸着の存在するヒューズ部の繰り返しで構成され、前記スリット線A上には前記ピッチb間にそれぞれヒューズ部が複数個存在することを特徴とするものである。
また、前記絶縁スリット線Bそれぞれにおいて、前記ピッチaあたりに存在するヒューズ部の合計長さが、2.0〜5.0mmであり、前記絶縁スリット線Aそれぞれにおいて前記ピッチbあたりに存在するヒューズ部の合計長さ以上であることが好ましい。
そして、前記蒸着金属電極を構成する金属は、アルミニウム、亜鉛、およびアルミニウムと亜鉛の合金からなる群から選択されることが好ましい。また、前記蒸着金属電極において、静電容量形成部の蒸着金属がアルミニウムであり、ヘビーエッジ部の蒸着金属が亜鉛であることが好ましい。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、前記コンデンサ素子をケースに収納して樹脂を充填することによって構成されることが好ましい。
フィルムの幅方向に平行または斜め方向に延びる複数の絶縁スリット線Aとフィルムの長手方向に平行な複数の絶縁スリット線Bとによって、PPフィルム上の蒸着金属電極を絶縁スリット線Aと絶縁スリット線Bとで構成される矩形状または平行四辺形状の分割電極に小区分化し、各絶縁スリット線A上に、分割電極ごとに複数個のヒューズ部を形成することにより、高温、高電圧、高周波電流のもとで使用することができ、小形で安定した特性と保安機構を確保することができる。
さらに、絶縁スリット線Aのピッチa、絶縁スリット線Bのピッチb、ピッチa間に存在するヒューズ部合計、およびピッチb間に存在するヒューズ部合計を本発明の範囲とすることにより、さらに安定した特性と保安機構を確保することができる。
本発明にかかる分割電極金属化フィルムの一例を図1で説明する。
図1において、金属蒸着が施された部分を斜線で示す。本発明の金属化PPフィルムは、PPフィルムの長手方向と平行な一端側に、金属蒸着が施されていない絶縁マージン部4が形成され、他端側に静電容量形成部3(コンデンサ機能部分)より膜厚の厚いヘビーエッジ部2が形成されるように金属蒸着されて構成された金属電極を有している(ヘビーエッジ式金属化フィルム)。
そして、ヘビーエッジ部2を除いて設けられた、フィルムの幅方向に延びる絶縁スリット線Aとフィルムの長手方向に延びる絶縁スリット線Bとによって、小区分化され、分割電極を構成している。
絶縁スリット線Aはフィルムの幅方向に平行な線として形成され、一定のピッチaにて複数本繰り返し設けられており、絶縁スリット線Bは長手方向に平行な線として形成され、一定のピッチbにて複数本繰り返し設けられている。
すなわち、各分割電極は、絶縁スリット線Aと絶縁スリット線Bとで構成される長方形状をなしており、二対の辺のうちの一対の辺の長さ(絶縁スリット線Aのピッチ間隔)がaであり、他の一対の辺の長さ(絶縁スリット線Bのピッチ間隔)がbである。
絶縁スリット線Aおよび絶縁スリット線Bはともに、蒸着金属のないスリット部と蒸着金属のあるヒューズ部の繰り返しから構成されており、絶縁スリット線Aと絶縁スリット線Bとは、絶縁スリット線A上に存在するスリット部と絶縁スリット線B上に存在するスリット部とが直交するように形成されている。
絶縁スリット線Aは、ピッチb間に存在するスリット部とヒューズ部b’が、各ピッチbごとに同じ構成を持つよう、同一の構成単位の繰り返しからなる。ヒューズ部b’は各ピッチb間に2個設けられている。同様に、絶縁スリット線Bも、ピッチa間に存在するスリット部とヒューズ部が、各ピッチaごとに同じ構成を持つよう、同一の構成単位の繰り返しからなる。複数の絶縁スリット線Aは全て同一の構成を持ち、複数の絶縁スリット線Bも全て同一の構成を有する。
なお、本実施例では、幅方向に平行な絶縁スリット線Aと、これに直交する絶縁スリット線Bとで構成される矩形状の分割電極としたが、幅方向に斜めに延びる絶縁スリット線A’と、これに斜めに交差する、長手方向に平行な絶縁スリット線Bとで構成される平行四辺形状の分割電極とすることもできる。
片面に上記の分割蒸着電極が形成された片面金属化PPフィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形し、その巻回端面にメタリコン部を形成する。または両面に前記分割蒸着電極が形成された両面金属化PPフィルムと金属蒸着が施されていない非金属化PPフィルムを重ねて巻回してもよい。
図2は、上記のコンデンサ素子を複数個結線してアルミニウムケースやプラスチックケースに収納して樹脂を充填・硬化してコンデンサとしたものである。
本発明の金属化PPフィルムは、メタリコン部との接触を良くするために、メタリコン部側エッジ部(厚さ20〜60nm)の金属蒸着膜が、静電容量形成部(コンデンサ機能部分)の金属蒸着膜より厚く形成されたヘビーエッジ方式の金属化PPフィルムである。
金属化PPフィルムコンデンサは、PPフィルムを挟んで対向させた一対の蒸着金属電極を利用するコンデンサであるが、本発明の金属化PPフィルムコンデンサは、一対の蒸着金属電極のうち少なくとも片方が、分割電極であればよい。
したがって、PPフィルムを挟んで対向する2つの蒸着金属電極のうち、一方が本発明にかかる分割電極であれば、他方が分割されていない非分割電極であってもよく、または、他方が本発明と異なる構成の分割蒸着電極であってもよい。両方を本発明にかかる分割電極とすれば、より保安機構に優れた金属化PPフィルムコンデンサを得ることができるので、好ましい。
本発明の絶縁スリット線Aと絶縁スリット線Bは、金属蒸着の存在しないスリット部と金属蒸着の存在するヒューズ部が、繰り返し交互に存在するよう構成された線であり、ヘビーエッジ部を除く蒸着金属部、すなわち静電容量形成部として形成される。
上記絶縁スリット線AおよびBは、例えば、所定のパターンでマスキングオイルをフィルムの表面に付着させ、金属の蒸着時にマスキングオイルの付着部分に蒸着が行われないようにすることによって形成することができる。
ピッチaまたはピッチbは、それぞれ隣接する絶縁スリット線A−A間またはB−B間の距離であって、線Aまたは線Bの幅中央から幅中央までの距離を意味する。
ピッチbあたりに存在するヒューズ部の合計長さとは、1ピッチb間に存在する1本の絶縁スリット線A上の複数個のヒューズ部b’の長さ(線A方向の長さ)の合計値である。ピッチaあたりに存在するヒューズ部の合計長さとは、1ピッチa間に存在する1本の絶縁スリット線B上のヒューズ部a’が1個の場合は、そのヒューズ部の長さ(線B方向の長さ)であり、ヒューズ部a’が複数個の場合は、各ヒューズ部の長さの合計値である。ヒューズ部の長さが測定箇所によって異なる場合は、平均値の長さをとる。絶縁スリット線のピッチおよびヒューズ部の長さは、例えば光投影法によって測定することができる。
各絶縁スリット線A上に、1ピッチbごとにヒューズ部を複数個形成することにより、ヒューズ部が1個の場合と比べて、ヒューズ動作後に金属蒸着部分の飛散する面積が小さくてすみ、静電容量減少を抑えることができる。
1ピッチb間に存在するヒューズ部b’の個数は2〜3個が好ましく、特に好ましくは2個である。また、1ピッチb間に存在するヒューズ部b’とヒューズ部b’の間には、1.0〜11.0mmの長さのスリット部が存在することが好ましい。上記範囲をとることで、ヒューズ動作後に金属蒸着部分の飛散する面積が小さくてすみ、静電容量減少を抑えることができ、ヒューズ動作も安定化する。
図1に示す構成で、PPフィルムの厚さが4μm、静電容量形成部の膜抵抗値が20Ω/□、ヘビーエッジ部の膜抵抗値が5Ω/□の金属化PPフィルム(蒸着金属:アルミニウム)について、図1に示すように、ヘビーエッジ部を除いて、幅方向の絶縁スリット線Aで蒸着金属電極を長手方向に複数個に分割すると共に、絶縁スリット線Aに直交して複数の長手方向の絶縁スリット線Bを形成した。絶縁スリット線Aのピッチaは5.0mm、絶縁スリット線Bのピッチbは10.0mmとした。
前記絶縁スリット線Aおよび絶縁スリット線Bは、蒸着金属のないスリット部と蒸着金属のあるヒューズ部の繰り返しから構成されており、図1に示すようにピッチbの間にはヒューズ部b’が1ピッチbあたり2箇所存在し、ピッチaの間にはヒューズ部a’が1ピッチaあたり1箇所存在している。
ピッチbあたりに存在するヒューズ部b’の合計長さは2mm(1mm×2)であり、2つのb’間には長さ6mmのスリット部が存在する。ピッチaあたりに存在するヒューズ部a’の合計長さは3mm(3mm×1)である。
この分割電極が片面に形成された金属化PPフィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形した後、両巻回端面にメタリコンを施してコンデンサ素子9を形成した。
そして、図2に示すように、複数個のコンデンサ素子9を電極板10で結線して引き出し端子11を接続し、ケース12に収納して樹脂13を充填、硬化して250μFのコンデンサを作製した。
[比較例1、2]
PPフィルムの厚さが4μm、静電容量形成部の膜抵抗値が5Ω/□(比較例1)、または20Ω/□(比較例2)、ヘビーエッジ部の膜抵抗値が5Ω/□の金属化PPフィルム(蒸着金属:アルミニウム)について、図4に示すように幅方向の絶縁スリット14と長手方向絶縁スリット15により分割電極16を形成し、この分割電極同士はヒューズ部17で並列に接続し、さらに、メタリコン部近傍の長手方向の絶縁スリット19によりメタリコン金属接触部18と分割電極16を分離した構成としてヒューズ20で接続した。
分割電極16のヒューズ部17の寸法は0.5mm、ヒューズ部20を1.0mm、分割電極寸法を長手方向×幅方向で5mm×10mmとした片面金属化フィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形した後、メタリコンを施してコンデンサ素子21を形成した。
そして、図4に示すように、複数個のコンデンサ素子21を電極板10で結線して引き出し端子11を接続し、ケース12に収納して樹脂13を充填、硬化して250μFのコンデンサを作製した。
実施例1、比較例1、2のコンデンサを各5個用いて温度上昇試験(温度100℃、10kHz45A通電)、累積過電圧試験(温度100℃、900Vから100V単位のステップアップ電圧印加により、静電容量が5%減少する電圧を測定)、耐用性試験(温度120℃、850V、2000時間印加時の静電容量変化率を測定)を行った。
その結果を表1に示す。
Figure 0004906111
表1に示すように、実施例1のコンデンサは、温度上昇試験、累積過電圧試験、耐用性試験のいずれにおいても良好な結果を示した。
これに対し、比較例1(静電容量形成部の膜抵抗値が5Ω/□)のコンデンサは、累積過電圧試験において、静電容量が5%減少する電圧が実施例1のコンデンサに比べて大幅に低く、耐電圧性が悪かった。また、耐用性試験に関しては、静電容量減少が5%以上となった。
また、比較例2(静電容量形成部の膜抵抗値が20Ω/□)の金属化フィルムは、温度上昇値が高く、このため、耐用性試験に関しても、静電容量減少が5%以上となった。
実施例1、比較例1、2の結果から、幅方向の各スリット線上のヒューズ部が、分割電極ごとに複数個存在する本発明にかかる金属化フィルムコンデンサは、温度上昇試験、累積過電圧試験、耐用性試験のいずれにおいても良好な結果を示し、従来の分割電極のコンデンサと比較して、改善効果が著しいことが実証された。
PPフィルムの厚さが4μm、静電容量形成部の膜抵抗値が20Ω/□、ヘビーエッジ部の膜抵抗値が5Ω/□の金属化PPフィルム(蒸着金属:アルミニウム)について、図1に示すようにヘビーエッジ部を除いて、幅方向の絶縁スリット線Aで蒸着金属電極を長手方向に複数個に分割すると共に、絶縁スリット線Aに直交する複数の長手方向の絶縁スリット線Bを形成した。
絶縁スリット線Aのピッチaを3.0〜15.0mm、絶縁スリット線Bのピッチbは10.0mmとし、ピッチa間にはヒューズ部a’を1箇所、ピッチb間にはヒューズ部b’を2箇所設け、ヒューズ部a’の合計長さは1ピッチaあたり2.0〜3.0mm、ヒューズ部b’の合計長さは1ピッチbあたり2.0mmとした。
この分割電極が片面に形成された金属化PPフィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形した後、両巻回端面にメタリコンを施してコンデンサ素子9を形成した。
図2に示すように、複数個のコンデンサ素子9を電極板10で結線して引き出し端子11を接続し、ケース12に収納して樹脂13を充填、硬化して250μFのコンデンサを作製した。
PPフィルムの厚さが4μm、静電容量形成部の膜抵抗値が20Ω/□、ヘビーエッジ部の膜抵抗値が5Ω/□の金属化PPフィルム(蒸着金属:アルミニウム)について、図1に示すようにヘビーエッジ部を除いて、幅方向の絶縁スリット線Aで蒸着金属電極を長手方向に複数個に分割すると共に、絶縁スリット線Aに直交する複数の長手方向の絶縁スリット線Bを形成した。
絶縁スリット線Aのピッチaを5.0mm、絶縁スリット線Bのピッチbを3.0〜20.0mmとし、ピッチaの間にはヒューズ部a’を1箇所、ピッチbの間にはヒューズ部b’を2箇所設け、ヒューズ部a’の合計長さは1ピッチaあたり3.0mm、ヒューズ部b’の合計長さは1ピッチbあたり2.0mmとした。
この分割電極が片面に形成された金属化PPフィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形した後、両巻回端面にメタリコンを施してコンデンサ素子9を形成した。該コンデンサ素子を用いて、実施例2と同様の250μFのコンデンサを製作した。
PPフィルムの厚さが4μm、静電容量形成部の膜抵抗値が20.0Ω、ヘビーエッジ部の膜抵抗値が5.0Ωの金属化PPフィルム(蒸着金属:アルミニウム)について、図1に示すようにヘビーエッジ部を除いて、幅方向の絶縁スリット線Aで蒸着金属電極を長手方向に複数個に分割すると共に、絶縁スリット線Aに直交する複数の長手方向の絶縁スリット線Bを形成した。
絶縁スリット線Aのピッチaを5.0〜10.0mm、絶縁スリット線Bのピッチbを10.0mmとし、ピッチaの間にはヒューズ部a’を1箇所、ピッチbの間にはヒューズ部b’を2箇所設け、ヒューズ部a’の合計長さは1ピッチaあたり1.0〜7.0mm、ヒューズ部b’の合計長さは1ピッチbあたり1.0〜4.0mmとした。さらに、ヒューズ部のない、スリットのみからなる線A(すなわちb’が0mm)についても試験を行った。
この分割蒸着電極が片面に形成された金属化PPフィルムを2枚重ねて巻回し、小判形に成形した後、両巻回端面にメタリコンを施してコンデンサ素子9を形成した。該コンデンサ素子を用いて、実施例2と同様の250μFのコンデンサを作製した。
実施例2〜4のコンデンサを各5個ずつ用いて耐用性試験(温度120℃、850V、2000時間印加)を行って静電容量変化率を調べ、また累積過電圧試験(温度100℃、900Vから100V単位のステップアップ電圧印加)にて静電容量を95%以上減少させてオープンモードになることによる保安機構動作を確認した。この結果を表2に示す。
Figure 0004906111
実施例2から、ピッチaの長さが3.0〜10.0mmであれば耐用性試験で静電容量減少が5%未満と少なく、保安機構も動作して良好であることが確認できた。
しかし、ピッチaの長さを2.0mmとした場合は、絶縁スリット線Aの間隔が小さいために誘電体の局部的破壊時にスリット間で放電して保安機構が動作し、容量減少5%以上と大きくなった。
また、ピッチaの長さが15.0mmの場合は誘電体の局部的破壊時、保安機構が動作する面積が大きくなることにより容量減少が大きくなる。
実施例3から、ピッチbの長さが15.0mm以下であれば耐用性試験で静電容量減少が5%未満と少なく、保安機構も動作して良好であることが確認できた。しかし、ピッチbの長さが20.0mmの場合は誘電体の局部的破壊時、保安機構が動作する面積が大きくなることにより静電容量減少が大きくなる。
さらに、ピッチbの長さが3.0mmの場合は耐用性試験での静電容量減少、保安機構動作性は良好であるが、長手方向の絶縁スリット線Bの数が多くなることによって蒸着時の絶縁スリットオイル付着量が増えて分割電極金属化フィルムの巻回性が低下するために好ましくない。
実施例4から、ヒューズ部a’の合計長さが、1ピッチaあたり2.0〜5.0mmの場合であって、ヒューズ部b’の1ピッチbあたりの合計長さ以上である場合は、耐用性での静電容量減少、保安機構動作性は良好であることが確認できた。
これに対して、1ピッチa間のヒューズ部a’の合計長さが1.0mmの場合および絶縁スリット線A上にヒューズ部がなくスリットのみからなる場合(ヒューズ部b’=0)の場合は、耐用性試験で静電容量減少が5%以上と大きくなるので、好ましくない。
また、ピッチaあたりのヒューズ部a’の合計長さが7mm以上の場合、およびピッチbあたりのヒューズ部b’の合計長さがピッチaあたりのヒューズ部a’の合計長さより大きい場合は、耐用性試験での静電容量減少は少なく良好であるが、絶縁スリット線Aのピッチaまたはヒューズ部b’が大きいために保安機構動作性が低下してショートモードになるコンデンサ試料が発生した。
以上の結果から、絶縁スリット線Aのピッチaを3.0〜10.0mmとし、絶縁スリット線Bのピッチbを5.0〜15.0mmとし、絶縁スリット線Bそれぞれにおいて、前記ピッチaあたりに存在するヒューズ部の合計長さを、2.0〜5.0mmとし、絶縁スリット線Aそれぞれにおいて前記ピッチbあたりに存在するヒューズ部の合計長さ以上とすることによって、100℃以上の温度においても耐用性での静電容量減少、保安機構動作性が従来以上に改善され、効果が大きいコンデンサを得ることができることが分かった。
なお、上記実施例1では、絶縁スリット線Bのピッチb間に形成するヒューズ部b’の数を2箇所としたが、3箇所以上としてもよい。
また、上記実施例1では、絶縁スリット線Aのピッチa間に形成するヒューズ部a’の数を1箇所としたが、2箇所以上としてもよい。
そして、上記実施例1では、幅方向に平行な絶縁スリット線Aと、これに直交する絶縁スリット線Bとで構成される矩形状の分割電極としたが、幅方向に斜めに延びる絶縁スリット線A’と、これに斜めに交差する、長手方向に平行な絶縁スリット線Bとで構成される平行四辺形状の分割電極としても、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明による分割電極金属化フィルムの平面図および一部拡大図である。 本発明による金属化フィルムコンデンサの側断面図である。 金属化フィルムの模式断面図である。 従来の分割電極金属化フィルムの平面図である。 従来の金属化フィルムコンデンサの側断面図である。
符号の説明
A フィルム幅方向の絶縁スリット線
B フィルム長手方向の絶縁スリット線
a 絶縁スリット線Aのピッチ
b 絶縁スリット線Bのピッチ
a’ピッチa間に存在する絶縁スリット線B上のヒューズ部
b’ピッチb間に存在する絶縁スリット線A上のヒューズ部
1 PPフィルム
2 メタリコン部近傍蒸着電極(ヘビーエッジ部)
3 非メタリコン部近傍蒸着電極(静電容量形成部)
4 絶縁マージン
9 本発明の実施例によるコンデンサ素子
10 電極板
11 引き出し端子
12 ケース
13 樹脂
14 幅方向絶縁スリット
15 長手方向絶縁スリット
16 分割電極
17 ヒューズ部
18 メタリコン金属接触部
19 メタリコン近傍長手方向絶縁スリット
20 メタリコン部近傍ヒューズ
21 従来のコンデンサ素子

Claims (5)

  1. ヘビーエッジ部を有する蒸着金属電極が片面に形成された金属化ポリプロピレンフィルムを2枚重ね合わせるか、または両面に前記蒸着金属電極が形成された金属化ポリプロピレンフィルム1枚と非金属化ポリプロピレンフィルムとを重ね合わせて巻回し、巻回端面にメタリコン部を形成したコンデンサ素子を有する金属化フィルムコンデンサであって、
    前記2つの蒸着金属電極のうち少なくとも片方に、ヘビーエッジ部を除いて、前記フィルムの幅方向に平行または斜め方向に延びる絶縁スリット線Aが一定のピッチaにて、互いに平行に、複数本繰り返し設けられ、前記絶縁スリット線Aに直交または斜めに交差して、前記フィルムの長手方向に平行な絶縁スリット線Bが、一定のピッチbにて、互いに平行に、複数本繰り返し設けられ、
    前記絶縁スリット線AおよびBは、金属蒸着の存在しないスリット部と金属蒸着の存在するヒューズ部の繰り返しで構成され、前記スリット線A上には前記ピッチb間にそれぞれヒューズ部が複数個存在することを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  2. 前記絶縁スリット線Aのピッチaは3.0〜10.0mmであり、前記絶縁スリット線Bのピッチbは5.0〜15.0mmであり、
    前記絶縁スリット線Bそれぞれにおいて、前記ピッチaあたりに存在するヒューズ部の合計長さが、2.0〜5.0mmであり、前記絶縁スリット線Aそれぞれにおいて前記ピッチbあたりに存在するヒューズ部の合計長さ以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 前記蒸着金属電極を構成する金属が、アルミニウム、亜鉛、およびアルミニウムと亜鉛の合金からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 前記蒸着金属電極において、静電容量形成部の蒸着金属がアルミニウムであり、前記ヘビーエッジ部の蒸着金属が亜鉛であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 前記コンデンサ素子をケースに収納して樹脂を充填することによって構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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