JP2013219094A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属化フィルムコンデンサの自己回復、耐電圧等の電気特性の信頼性を向上させ、小型化が可能な金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】長尺の誘電体フィルム12の片面又は両面に金属蒸着電極13を用いて巻回したコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部16を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、前記金属化フィルム11は、誘電体フィルム12の幅方向の端部に絶縁マージン15を設けて金属蒸着電極13が形成され、該誘電体フィルム12の幅方向の他方の端部に低抵抗部14が金属蒸着電極13上に形成され、金属蒸着電極13の幅(a)に対する低抵抗部14の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ金属蒸着電極13の厚み(d)に対する低抵抗部14の厚み(c)を同等もしくは4倍までとしたことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【選択図】図1
【解決手段】長尺の誘電体フィルム12の片面又は両面に金属蒸着電極13を用いて巻回したコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部16を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、前記金属化フィルム11は、誘電体フィルム12の幅方向の端部に絶縁マージン15を設けて金属蒸着電極13が形成され、該誘電体フィルム12の幅方向の他方の端部に低抵抗部14が金属蒸着電極13上に形成され、金属蒸着電極13の幅(a)に対する低抵抗部14の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ金属蒸着電極13の厚み(d)に対する低抵抗部14の厚み(c)を同等もしくは4倍までとしたことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子機器、電気機器や産業機器、自動車に用いられる金属化フィルムコンデンサに関するものである。
金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、誘電体フィルム上に設けた蒸着金属を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着金属を電極(以下、蒸着電極)とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔のものに比べて電極の占める体積が小さく小型軽量化が図れる。また、蒸着電極特有の自己回復(フィルムの絶縁欠陥部で短絡が生じた場合に、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の蒸着電極が蒸発・飛散して絶縁化し、コンデンサの機能が回復する性能)により絶縁破壊に対する信頼性が高いことから、従来から広く用いられている。
従来の金属化フィルムコンデンサの金属化フィルム構造の断面を図6に示す。同図において、金属化フィルム31は、誘電体フィルム32の一方端の絶縁マージン35を除き金属を蒸着して蒸着電極33が形成されている。そして、誘電体フィルム32の他端には蒸着膜を厚くした低抵抗部34が形成されている。
もう一方の金属化フィルム37も前記金属化フィルム31と同じように、誘電体フィルム38に蒸着電極39と低抵抗部40を形成し、絶縁マージン41を設けた構成を有している。
これら金属化フィルム31、37は絶縁マージン35、41が重ならないように重ねて巻き、または積層してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子の両端面にメタリコンにより電極引き出し部36、42が形成されている。
このような金属化フィルムコンデンサにおいて、自己回復性を高めるには、蒸着電極33、39の厚みを薄くし(少ないエネルギーで蒸着電極が飛散するため)、電極引き出し部36、42と接続する部分の厚みを厚くした、いわゆるヘビーエッジ構造が広く用いられている。この構造により、高電位傾度化が図られ、コンデンサの耐電圧を高めることができるとされている。
また、図示しないが蒸着電極33、39内に金属の無いスリットを設けて複数の分割電極に区分し、スリット間に形成したヒューズにより前記分割電極を並列接続した構成のものも提案されている。これは、前述の自己回復時の短絡電流により絶縁欠陥部周囲のヒューズを溶断して絶縁欠陥部を電気回路から切り離す自己保安機能を形成するものである。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1〜3が知られている。
従来の金属化フィルムコンデンサのヘビーエッジ構造において、蒸着電極39と低抵抗部40の関係は、例えば特許文献2では、蒸着電極39としてアルミニウム蒸着膜とし、その膜抵抗値を8〜30Ω/□とし、低抵抗部40として亜鉛蒸着膜とし、その膜抵抗値を1.5〜7Ω/□とすることにより、自己回復部分の大きさをより小さくし、電位強度を高めて絶縁耐力をより高めることができ、低抵抗部40の蒸着膜の飛散を防ぎ、耐電流性能の低下を防止することができるとされている。
しかしながら、近年のさらなる小型化、高耐電圧の要求が高まる中、金属化フィルムコンデンサの自己回復性の向上が求められているが、蒸着電極39の厚さ及び抵抗値の管理には限界があり、これ以上の自己回復性の向上に繋がらないのが現状である。
また、従来のヘビーエッジ構造は、さらなる小型化に対して自己回復性のエネルギーが大きく局所的に大きな破壊が先行してしまい、ヒューズ溶断電流が大となりヒューズがはがれやすくなり、充分な耐電圧特性及び信頼性が得られていないという課題があった(小型化には低抵抗部を厚くせず、かつ、自己回復性も確保したものが望まれている)。
特に、インバータ制御回路の平滑用途のように、コンデンサに直流電圧をかけながら大きなリプル電流を通電する場合には、リプル電流による温度上昇のためにコンデンサの耐電圧が低下する課題があった。特に、自動車用途に用いられた場合は、周囲温度が元々高いことから、大きな課題となる。
また、ヒューズとなる蒸着膜の厚みが薄いために、リプル電流や充放電電流、サージ電流等が流れた場合にはヒューズが発熱しコンデンサの温度が上昇し、耐電圧や長期信頼性が低下するという課題も有している。
これに対しては、ヒューズの幅を広くしたり、複数のヒューズを並列に設けたりすれば発熱は低減されるが、ヒューズとしての動作性が鈍くなり自己回復性が低下してしまう問題点があり、満足する解決には至っていない。
本発明は、従来技術の課題に鑑み、金属化フィルムコンデンサの自己回復性を高めて耐電圧、容量減少、電極のtanδ(以下、tanδと称す)等の信頼性を向上させ、小型化が可能で、インバータ制御回路の平滑用途に用いても満足できる金属化フィルムコンデンサを提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、金属化フィルムの蒸着電極の幅による低抵抗部の幅を限定することにより金属化フィルムコンデンサの自己回復性を高めることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、長尺の誘電体フィルムの片面又は両面に金属蒸着電極を用いて巻回したコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、前記金属化フィルムは、誘電体フィルムの幅方向の端部に絶縁マージンを設けて金属蒸着電極が形成され、該誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に低抵抗部が金属蒸着電極上に形成され、金属蒸着電極の幅(a)に対する低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ金属蒸着電極の厚み(d)に対する低抵抗部の厚み(c)を同等もしくは4倍までとしたことを特徴とする金属化フィルムコンデンサとするものである。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、金属蒸着電極の幅(a)に対して低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ金属蒸着電極の厚み(d)に対して低抵抗部の厚み(c)を同等もしくは4倍までとすることにより、少ないエネルギーで金属蒸着電極の幅方向に対する自己回復性を均一にすることができる。このことにより、局所的な自己回復部分の欠陥の大きさを小さくすることができ、耐電圧の低下を抑制することができる。この結果、コンデンサ特性のtanδを低減することができ、金属化フィルムコンデンサの小型化が可能となる。
また、ヒューズとなる蒸着膜の厚みが薄くても、リプル電流や充放電電流、サージ電流等が流れてヒューズが発熱しコンデンサの温度が上昇し、耐電圧や長期信頼性が低下するという課題を解決することができる。
また、誘電体フィルムの厚みは、金属蒸着電極の厚み(d)に対して100〜250倍としたポリプロピレンとすることにより、金属蒸着電極の厚み(d)に対してポリプロピレンの厚み(e)が規定されるので、誘電体フィルムの持つ耐電圧を容易に引き出すことができ、tanδの低減を図ることができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図である。図1において、11は金属化フィルムであり、金属化フィルム11は、ポリプロピレンからなる誘電体フィルム12の片面上に一端の絶縁マージン15を除いて金属蒸着電極13が形成されている。前記絶縁マージン15と異なる側の端部の金属蒸着電極13上には低抵抗部14が設けられている。
図1は本発明の実施の形態1による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図である。図1において、11は金属化フィルムであり、金属化フィルム11は、ポリプロピレンからなる誘電体フィルム12の片面上に一端の絶縁マージン15を除いて金属蒸着電極13が形成されている。前記絶縁マージン15と異なる側の端部の金属蒸着電極13上には低抵抗部14が設けられている。
金属蒸着電極13は、アルミニウムの金属を蒸着することにより形成したアルミニウム蒸着膜にて構成され、低抵抗部14は、このアルミニウム蒸着膜の上に亜鉛の金属を蒸着することにより形成した亜鉛蒸着膜にて構成されている。
他方の金属化フィルム17も同様に、ポリプロピレンからなる誘電体フィルム18の片面上に一端の絶縁マージン21を除いてアルミニウム蒸着膜からなる金属蒸着電極19が形成され、絶縁マージン21と異なる側の端部の金属蒸着電極19上には亜鉛蒸着膜により形成された低抵抗部20が設けられている。
そして、このように形成された金属化フィルム11、17を一対とし、前記低抵抗部14、20が対向するように重ね合わせた状態で巻回し、両端面に亜鉛をメタリコン溶射したメタリコン電極部16、22を形成することによって本実施の形態1による金属化フィルムコンデンサが構成されているものである。
前記アルミニウム蒸着膜からなる金属蒸着電極13、19と、亜鉛蒸着膜からなる低抵抗部14、20において、図2に示すように金属蒸着電極13、19の幅(a)に対して低抵抗部14、20の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、また、図3に示すように前記金属蒸着電極13、19の厚み(d)に対して低抵抗部14、20の厚み(c)を同等もしくは4倍にする。
このことにより、金属化フィルムの長手方向における低抵抗部14、20から金属蒸着電極13、19の幅方向に流れる電流を均一にでき、金属化フィルム内の幅方向に存在する絶縁欠陥部分の自己回復による蒸着膜の飛散部分を均一に小さくすることができ、誘電体フィルムの絶縁耐力を向上させることができる。この結果、コンデンサ特性のtanδを低減することができ、金属化フィルムコンデンサの小型化を可能とすることができる。
また、金属蒸着電極13、19とメタリコン電極部16、22とのコンタクト性が向上し、金属蒸着電極13、19の自己回復を高め、耐電圧を向上させることができる。
なお、金属蒸着電極13、19の幅(a)に対する低抵抗部14、20の幅(b)が0.065未満では、メタリコン電極部16、22とのコンタクト性が悪くなり、tanδが大きくなりやすい。また、0.10を超えると、低抵抗部14、20の部分に電圧が充電されて自己回復の不良が発生するので好ましくない。
また、金属蒸着電極13、19の厚み(d)に対して低抵抗部14、20の厚み(c)を同等未満では、金属蒸着電極13、19の自己回復を高めることができず、4倍を超えると、コンデンサの充放電によるtanδの悪化が大きくなる。
前記金属蒸着電極13、19であるアルミニウム蒸着膜は、厚み(d)を1.0〜50nmの範囲とするのが好ましい。さらに好ましくは5〜30nmである。厚み(d)が1.0nm未満では耐環境性が低下する。厚み(d)が50nmを超えると、自己回復性が低下し、耐電圧が悪くなる。
前記低抵抗部14、20の厚み(c)は4.0〜200nmの範囲が好ましい。さらに好ましくは10〜80nmである。低抵抗部14、20の厚みが4.0nm未満ではメタリコン電極部16、22とのコンタクト性が悪化し、耐電流性能が低下してしまう。また、200nmを超えると、金属蒸着電極13、19にヒューズ加工を形成したものでは、ヒューズ溶断電流が大きくなり、ヒューズがはがれやすく、容量減少が起きやすくなる。
前記誘電体フィルム12、18は、厚み(e)が2000〜5000nmのポリプロピレンを用いる。ポリプロピレンの厚み(e)を規定することにより、誘電体フィルムの持つ耐電圧を容易に引き出すことができ、tanδの低減を図ることができる。
なお、ポリプロピレンの厚み(e)が2000nm未満では耐電圧を確保することが難しくなり、5000nmを超えると耐電圧は高くなる。
ポリプロピレンの厚み(e)は、金属蒸着電極13、19の厚み(d)、低抵抗部14、20の幅(b)と密接に関係しており、金属蒸着電極13、19の厚み(d)に対してポリプロピレンの厚み(e)を100〜250倍の範囲にするのが好ましい。
前記金属蒸着電極13、19には図示してないが、分割電極と、この分割電極をヒューズで接続することにより構成される自己保安機構を設けてもよい。
以下、本実施の形態1における具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
誘電体フィルムとして、幅50mm、厚み3000nmのポリプロピレンフィルムを用いた。
誘電体フィルムとして、幅50mm、厚み3000nmのポリプロピレンフィルムを用いた。
真空蒸着機により、誘電体フィルムの長手方向絶縁マージンが2.0mmとなるようにしてアルミニウムを蒸着し、続いて、同一蒸着機内で金属蒸着電極の幅(a)と低抵抗部の幅(b)の比率を(表1)に示すようにそれぞれスリット穴を変化させて亜鉛の蒸着を行い、低抵抗部の幅(b)が異なる金属化フィルムをそれぞれ作製した。
なお、前記金属蒸着電極の幅(a)は48mmである。また、金属蒸着電極の厚み(d)に対して低抵抗部の厚み(c)を2倍とした。
次に、この金属化フィルムを、図1のように、2枚組み合わせて巻回し、両端面に亜鉛をメタリコンにより形成して、定格電圧750DCV、容量30μFの金属化フィルムコンデンサをそれぞれ作製した。
この金属化フィルムコンデンサについて、破壊電圧の評価を行った。この破壊電圧は、100V/10分で電圧を上昇させたときに容量変化率が10%を超えた電圧とした。その結果を図4に示す。
図4より明らかなように、金属蒸着電極の幅(a)に対して低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10にしたもの(サンプル2、3、4)は、破壊電圧が1700〜1900Vと高くすることができる。これに対して、金属蒸着電極の幅(a)に対して低抵抗部の幅(b)が0.065未満のもの(サンプル1)は、破壊電圧は高いが、tanδの大きいものが有り、コンデンサ特性を満足できない。また、0.10を超えたもの(サンプル5)は、破壊電圧が低かった。この結果から、サンプル2、3、4は耐電圧を考慮することにより、約20%の小型化を図ることができる。
なお、実施例1では誘電体フィルムの幅を50mmとしたが、誘電体フィルムの幅を50mm未満または50mmよりも広いものを用いてもよい。すなわち、作製される金属化フィルムコンデンサの容量及び定格電圧は使用する誘電体フィルムの幅により異なるが、金属蒸着電極の幅(a)に対して低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とすることにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
(実施例2)
前記実施例1において、低抵抗部の幅(b)を一定にし、低抵抗部の厚み(c)を(表2)に示す値に変化させて低抵抗部を形成した以外は前記実施例1と同様にしてそれぞれの金属化フィルムコンデンサを作製した。
前記実施例1において、低抵抗部の幅(b)を一定にし、低抵抗部の厚み(c)を(表2)に示す値に変化させて低抵抗部を形成した以外は前記実施例1と同様にしてそれぞれの金属化フィルムコンデンサを作製した。
この金属化フィルムコンデンサについて、充放電試験を行い、コンデンサ特性のtanδを比較した。充放電試験は、印加電圧500V、放電時間200μsで行い、容量変化率が10%に到達した時点のtanδを測定した。その結果を図5に示す(n=50個)。
図5から明らかなように、低抵抗部の厚み(c)を金属蒸着電極の厚み(d)に対して同等もしくは4倍としたもの(サンプル3、7、8)は、tanδを小さくすることができ、そのバラツキも小さい。これに対して、低抵抗部の厚みを金属蒸着電極の厚み(d)に対して同等未満としたもの(サンプル6)は、tanδが大きくなり、コンデンサ特性を満足することができない。また、低抵抗部の厚みを金属蒸着電極の厚み(d)に対して4倍より大きくしたもの(サンプル9)は、抵抗値の差異が大きくなり、自己回復の機能が低下してしまう。
(実施例3)
前記実施例1のサンプル3において、誘電体フィルムとして厚み(e)が2000、4000、5000nmのポリプロピレンをそれぞれ用いた以外は前記実施例1のサンプル3と同様にして金属化フィルムコンデンサを作製した。
前記実施例1のサンプル3において、誘電体フィルムとして厚み(e)が2000、4000、5000nmのポリプロピレンをそれぞれ用いた以外は前記実施例1のサンプル3と同様にして金属化フィルムコンデンサを作製した。
この金属化フィルムコンデンサについて、破壊電圧の評価を行った。この破壊電圧の評価は、100V/分で電圧を上昇させたときの破壊電圧を測定した。その結果を(表3)に示す。なお、破壊電圧の値はn=3の平均値を表す。
また、小型化指数とは、サンプル3の金属化フィルムコンデンサの体積を100としたときの各サンプルの体積である。
ポリプロピレンの厚み(e)が5000nmを超えると破壊電圧は高くなるが素子が大型化してしまう。また、ポリプロピレンの厚み(e)が2000nm未満では破壊電圧が低くなり信頼性を向上させることができない。
このように本発明は、金属蒸着電極の幅(a)に対して低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ金属蒸着電極の厚み(d)に対して低抵抗部の厚み(c)を同等もしくは4倍までとすることにより、少ないエネルギーで金属蒸着電極の幅方向に対する自己回復性を均一にすることができる。このことにより、局所的な自己回復部分の欠陥の大きさを小さくすることができ、耐電圧の低下を抑制することができる。この結果、コンデンサ特性のtanδを低減することができ、金属化フィルムコンデンサの小型化を可能とすることができる。
また、ヒューズとなる蒸着膜の厚みが薄くても、リプル電流や充放電電流、サージ電流等が流れてヒューズが発熱しコンデンサの温度が上昇し、耐電圧や長期信頼性が低下するという課題を解決することができる。
また、誘電体フィルムの厚みを、金属蒸着電極の厚み(d)に対して100〜250倍とし、その厚みが2000〜5000nmからなるポリプロピレンとしたことにより、金属蒸着電極の厚み(d)に対してポリプロピレンの厚み(e)が規定されるので、誘電体フィルムの持つ耐電圧を容易に引き出すことができ、tanδの低減を図ることができる。
本発明は、金属化フィルムコンデンサの自己回復を高めて耐電圧、容量減少、電極tanδ等の信頼性を向上させ、小型化が可能で、インバータ制御回路の平滑用途に用いても満足できる金属化フィルムコンデンサを提供するものである。
11、17 金属化フィルム
12、18 誘電体フィルム
13、19 金属蒸着電極
14、20 低抵抗部
15、21 絶縁マージン
16、22 メタリコン電極部
12、18 誘電体フィルム
13、19 金属蒸着電極
14、20 低抵抗部
15、21 絶縁マージン
16、22 メタリコン電極部
Claims (2)
- 長尺の誘電体フィルムの片面又は両面に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、
前記金属化フィルムは、
前記誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に絶縁マージンを残して金属を蒸着することで前記金属蒸着電極が形成され、
前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部の前記金属蒸着電極上に亜鉛を蒸着することで低抵抗部が形成され、
前記金属蒸着電極の幅(a)に対する前記低抵抗部の幅(b)を0.065〜0.10の範囲とし、かつ前記金属蒸着電極の厚み(d)に対する前記低抵抗部の厚み(c)を同等もしくは4倍までとした金属化フィルムコンデンサ。 - 前記誘電体フィルムは、前記金属蒸着電極の厚み(d)に対して100〜250倍の厚みを有するポリプロピレンとした請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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