JP3870875B2 - 蒸着フィルムとそのフィルムを用いたフィルムコンデンサとそのコンデンサを用いたインバータ装置 - Google Patents

蒸着フィルムとそのフィルムを用いたフィルムコンデンサとそのコンデンサを用いたインバータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器用、産業用、電力用等の自己保安機構を有するフィルムコンデンサ用フィルム、フィルムコンデンサ、およびそのコンデンサを用いたインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電極に蒸着金属を用いたメタライズドフィルムコンデンサはアルミ電解コンデンサよりも低損失、高耐圧、無極性、長寿命、温度特性が良好など優れた電気特性を有する。しかし、これまで誘電体フィルムの薄膜化に限界があったことと、フィルムの誘電率が小さいことから、電解コンデンサと同等の静電容量を得ようとすると、どうしてもサイズが大きくなるという課題を有していた。
【0003】
しかし、近年、電気機器を従来よりも省エネ化、高寿命化し、なおかつ安全性も向上させたいという要望が高まってきたことから、これまでアルミ電解コンデンサを使用していたインバータ回路などの直流回路にもメタライズドフィルムコンデンサを使用する動きがでてきている。
【0004】
駆動用電解液を内蔵しているアルミ電解コンデンサは、電解液のドライアップを避けることが困難であることから、フィルムコンデンサよりも寿命が短い。そのため、アルミ電解コンデンサを使用している電気機器は電解コンデンサの寿命がその機器の寿命を決めてしまうため、長期使用する際にはコンデンサを一定期間で交換する必要があった。また、アルミ電解コンデンサは誘電体である酸化皮膜の高耐圧化が困難であったことから、せいぜい450V定格が限度であった。また、電解コンデンサは電解液の抵抗成分が大きいため、リップル電流による発熱が大きい。従って、平滑用途では容量を大きくし直列抵抗成分を低下させて使用しなければならず、60A以上の高リップル電流の回路ではサイズパフォーマンスが良くなかった。
【0005】
一方、メタライズドフィルムコンデンサは極めて寿命が長いことから、長期使用においても交換する必要がないため電気機器のメンテナンスが容易になる。さらに、フィルムコンデンサは誘電体のフィルムの耐圧が高いため450V以上の高い電圧のインバータ回路にも使用可能である。そのため、フィルムコンデンサを用いてインバータを高電圧化し効率を向上させることによって、機器の省エネ化が図れる。また、フィルムコンデンサは損失が小さく耐リップル性に優れている。
【0006】
上記のようなフィルムコンデンサの長所を生かして市場のニーズに対して期待に応えていくためには、これまでよりも薄い誘電体フィルムを用いることによってフィルムコンデンサをアルミ電解コンデンサ並に小型化し、信頼性や安全性をさらに高める必要がある。
【0007】
小型化するためには、従来よりも薄いフィルムを使用しなければならないことから、金属蒸着した誘電体フィルムの電位傾度(1μm当たりの耐圧)を増加させることが必要となる。また、信頼性や安全性をさらに高めるには、蒸着金属の形成方法が重要なポイントとなる。
【0008】
誘電体フィルムを薄くしていくと、フィルム中に電気的弱点部が存在する確率が増加する。このような弱点部があってもコンデンサとして正常に機能させるために、次のような2つの方法を用いることが一般的である。
【0009】
一つは、蒸着膜の厚みを薄くし自己回復(セルフヒーリング)性を向上させることである。自己回復性とは、ショート等で電気的弱点部に過大な電流が流れた際の発熱によって、弱点部周囲の蒸着膜が蒸発飛散し、瞬時に絶縁回復する現象のことである。この性質が鋭敏に働き、自己回復時のクリアリングエネルギーが比較的小さい場合は、弱点部から絶縁破壊が進行しにくいのでコンデンサに大きなダメージを与えることなく正常状態で使用し続けることができる。
【0010】
もう一つは、蒸着金属電極の形成の際にオイル印刷工法等を利用し、非蒸着スリットを格子状に多数設けることによって多数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部からなるパターン蒸着電極を形成することである(例えば、特開平10−154631号公報参照)。
【0011】
図6、図7に、パターン蒸着された金属電極を有する蒸着フィルムの従来例を示す。図6は、分割電極の形状が四角形の蒸着パターンであり、図7は、菱形と三角形を用いた蒸着パターンである。図中、20、30はフィルムの長さ方向の一端縁部に設けた非蒸着部、21、31は非蒸着スリット、22、32は分割電極、23、33はフィルムの幅方向の分割電極を接続するヒューズ部、24、34は引き出し電極に最も近いヒューズ部、25はフィルムの長さ方向の分割電極を接続するヒューズ部、26、35はフィルムコンデンサとした時に引き出し電極であるメタリコンに接する部分である。
【0012】
これまでの従来例では、引き出し電極に最も近いヒューズ部24、34をその他のヒューズ部23、25、33よりも太くしておいて、前記ヒューズ部23、25、33は場所に関わらずそのヒューズ部の幅を一律にするのが一般的であった(例えば、特開平8−250367号公報参照)。
【0013】
図6や図7のようにパターン蒸着電極を採用すると、ショートした弱点部に向かって周りの分割電極からもヒューズ部を通って過大な電流が流れ込み、その大きな電流によって分割電極を接続しているヒューズ部が切れて全体のコンデンサから弱点部を有する分割コンデンサを切り離すことができる。このようにしておくと、前述した自己回復作用が鋭敏に働かなかったとしても、弱点部を有する分割コンデンサがヒューズ部の溶断によって瞬時に電気的に切り離されることで、わずかに容量は減少するもののコンデンサとして正常に使用し続けることができる。
【0014】
よって、分割電極面積を小さくすればするほど、同じ使用電圧における長期使用時の容量減少は小さくなる。すなわち、分割電極を小さくすれば誘電体フィルムの電位傾度を高くすることができるので、コンデンサの長寿命化が図れる。
【0015】
さらに、パターン蒸着によって分割電極の構成にしておくと、例えコンデンサに異常が発生してもヒューズ部が連鎖的に切れて静電容量がなくなるという自己保安機構が働くので、発火や発煙の心配がなく安全性の高いコンデンサが得られる。
【0016】
しかしながら、図6や図7において分割電極のヒューズ部が細すぎて鋭敏過ぎると正常な使用状態で静電容量が減少し過ぎることになる。また、ヒューズ部が太くて切れ難いと、自己保安機構が機能せず発煙や発火を引き起こす要因となる。
【0017】
さらに、電位傾度を増加させるためにフィルムの幅方向の分割電極数を増加し抵抗成分であるヒューズ部の本数を増加させると、コンデンサの発熱量が大きくなってしまう短所がある。
【0018】
また、弱点部が短絡したような過度的状況においては弱点部のある分割電極の周りのヒューズ部だけが切れるのが理想であるが、短絡電流によるエネルギーが極めて大きい場合、切れる必要のない弱点部に隣接していないヒューズ部も容易に溶断し容量減少が大きくなる場合がある。
【0019】
また、メタライズドフィルムコンデンサをインバータ回路において平滑用途で使用する際には、フィルムコンデンサに数十A〜数百Aという大きなリップル電流が流れる。このようなリップル電流の値によっても、最適蒸着パターンを理論的に設計する必要がある。さらに予期される急峻な突入電流に対する最適パターン設計も必要である。
【0020】
以上のようなことから、使用条件の様々な状況において求める性能を満たすバランスのとれたパターン蒸着電極の設計が必要であった。
【0021】
しかし、パターン蒸着電極を有する自己保安機構付きメタライズドフィルムコンデンサについて、これまで様々なものが発明提案されているが、蒸着電極パターンに対して使用定格に最適になるように理論的に設計されているものはほとんど皆無であった。
【0022】
上記のような課題に対しては、これまで種類の異なる蒸着パターンを有するサンプルコンデンサの試作を数多く行ない、多くのサンプルパターンの中から様々な試験結果を総合的に見たうえで最良のパターンを選定していた。よって、これまでは試作や評価に膨大な工数と時間をかけていたにもかかわらず、高電位傾度、保安性、低発熱、耐電流性などの求める複数の性能に対してバランスのとれた最適パターン蒸着に関する理論的な設計はできていなかった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、使用定格に最適な蒸着パターンを有する自己保安機構付きフィルムコンデンサ用蒸着フィルム、そのフィルムを用いたフィルムコンデンサ、およびそのフィルムコンデンサを用いたインバータ装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の蒸着フィルムは、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、フィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太くすることを特徴としている。
【0025】
また、本発明の蒸着フィルムは、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくすることを特徴としている。
【0026】
また、本発明の蒸着フィルムは、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記分割電極のヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定することを特徴としている。
【0027】
上記の目的を達成するために本発明のフィルムコンデンサは、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ片面に金属を蒸着した誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたもの、あるいはフィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ両面に金属を蒸着した誘電体フィルムと金属を蒸着していない誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたものを巻回あるいは積層した素子の端面に引き出し電極を設けたものであって、前記一対の誘電体フィルム上の2つの蒸着金属面の少なくとも1面は非蒸着スリットで細分化された蒸着金属からなる多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、フィルムの幅方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太くすることを特徴としている。
【0028】
また、本発明のフィルムコンデンサは、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積を長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくしていることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明のフィルムコンデンサは、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積を長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記分割電極のヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定することを特徴としている。
【0030】
また、本発明のフィルムコンデンサは、ヒューズ部の幅を0.1mm〜2mmの範囲に設定することを特徴としている。
【0031】
また、本発明のフィルムコンデンサは、直流用途におけるフィルムの電位傾度を150V/μm以上で、かつ350V/μm以下に設定することを特徴としている。
【0032】
また、本発明のインバータ装置は、請求項5〜9のいずれかに記載のフィルムコンデンサを用いることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0034】
本発明の請求項1に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、フィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太くしている蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時にヒューズ部に流れる電流の密度を均一化することができる。
【0035】
本発明の請求項2に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくする蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時にヒューズ部に流れる電流の密度を均一化することができる。
【0036】
本発明の請求項3に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記ヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定する蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時にヒューズに流れる電流の密度を均一化することができる。
【0037】
本発明の請求項4に記載の発明は、ヒューズ部の幅を0.1mm〜2mmの範囲に設定するフィルムコンデンサ用フィルムで、自己保安機構を容易に働かすことができる。
【0038】
本発明の請求項に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ片面に金属を蒸着した誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたもの、あるいはフィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ両面に金属を蒸着した誘電体フィルムと金属を蒸着していない誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたものを巻回あるいは積層した素子の端面に引き出し電極を設けたものであって、前記一対の誘電体フィルム上の2つの蒸着金属面の少なくとも1面は非蒸着スリットで細分化された蒸着金属からなる分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部はフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を太くしているフィルムコンデンサで、要求特性に対してバランスのとれたヒューズ幅を有するコンデンサが得られる。
【0039】
本発明の請求項6に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積を長さ方向の一端縁の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくするフィルムを用いたフィルムコンデンサで、各ヒューズ部に流れる電流量に対して最適なヒューズ部の幅をとることができる。
【0040】
本発明の請求項7に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記分割電極のヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定するフィルムを用いたフィルムコンデンサで、各ヒューズ部に流れる電流量に対して最適なヒューズ部の幅をとることができる。
【0041】
本発明の請求項8に記載の発明は、ヒューズ部の幅を0.1mm〜2mmの範囲に設定するフィルムを用いたフィルムコンデンサで、定常状態でヒューズ部が容易に切れず、なおかつ切れなければならない電流値では必ず切れる作用を有する。
【0042】
本発明の請求項9に記載の発明は、直流用途におけるフィルムの電位傾度を150V/μm以上で、かつ350V/μm以下に設定するフィルムを用いたフィルムコンデンサで、小さくすることが可能になる。
【0043】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項5〜9のいずれかに記載のフィルムコンデンサを用いたインバータ装置で、コンデンサの単位体積当たりに流せる電流を大きくすることが可能になる。
【0044】
(実施の形態1)
以下に本実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態1で説明するフィルムコンデンサに使用する蒸着フィルム表面の模式図で、図2は図1の蒸着フィルムを用いたフィルムコンデンサの模式図である。まず、目的とする蒸着フィルムおよびフィルムコンデンサの構成を図1、図2を用いて詳細に説明する。
【0045】
図1において、1は誘電体フィルムであるポリプロピレン(PP)フィルムの長さ方向の一端縁部に設けた非蒸着部で、2はポリプロピレンフィルムにオイル転写によって形成した四角形の非蒸着スリットである。また、3a、3b、3cは非蒸着スリット2により分割された多数の分割蒸着金属からなる分割電極で、各々の分割電極の面積S1、S2、S3は全て等しく10mm×10mm=100mm2としてある。前記分割蒸着金属にはアルミニウムを用い、ポリプロピレンフィルムの片面のみに蒸着金属を形成してある。
【0046】
4a、4b、4cはそれぞれフィルムの幅方向における非蒸着スリット2の中央部に形成して各分割電極3a〜3cを電気的に接続する自己保安機構(または自己保安機能とも云う)を成す第1ヒューズ部、第2ヒューズ部、第3ヒューズ部で、それぞれのヒューズ部の幅は、W1=0.2mm、W2=0.4mm、W3=0.6mmとした。5はフィルムの長さ方向の多数の分割電極を接続するヒューズ部で、そのヒューズ幅は0.5mmとした。6は引出し電極であるメタリコンと接触する部分である。
【0047】
また、図2において、7は図1で説明した蒸着金属パターンを有する誘電体フィルムである片面蒸着金属化ポリプロピレンフィルム、8は端縁部以外の片面全体に金属蒸着した誘電体フィルムである片面金属化ポリプロピレンフィルムである。図2のように本実施の形態1におけるフィルムコンデンサは、蒸着金属パターンのある片面蒸着金属化ポリプロピレンフィルム7とパターンのない片面全体金属化ポリプロピレンフィルム8の2枚をフィルムの一端縁部の非蒸着部1が重ならないような向きに重ねて1対として巻回(積層してもよい)し、その巻回物の2つの端面に亜鉛を溶射することにより引き出し電極9であるメタリコン電極を形成してある。10はメタリコン電極9から導出した電極リードである。
【0048】
本実施の形態1で用いた誘電体フィルムであるポリプロピレンフィルムのマイクロメータ法による厚みは3.2μmであり、試作コンデンサの静電容量は300μFである。また、フィルムの幅方向の分割電極の面積S1〜S3は等しくしたことから、本実施の形態1では、フィルムの幅方向の分割電極3a〜3cを接続する第1のヒューズ部4a〜第3のヒューズ部4cのヒューズ幅W1〜W3を、W1:W2:W3=S1:S1+S2:S1+S2+S3=1:2:3=0.2mm:0.4mm:0.6mmの比率で、ポリプロピレンフィルムの長さ方向の一端縁部に設けた非蒸着部1から遠くなるにつれて太くなるように設定した。
【0049】
コンデンサ使用時に各々のヒューズ部4a〜4cに流れる電流は、そのヒューズ部によって分担される容量比によって決まるので、上記のようなヒューズ幅に設計しておけばフィルム幅方向における4a〜4cの各ヒューズ部の定常状態における電流密度を等しくすることができる。
【0050】
ヒューズ部の幅の絶対値は、定常状態に流れる電流では切れない幅で、なおかつ定格電圧印加時(600V)の充電および放電電流でも切れない幅に設定する必要がある。本実施の形態1では、ヒューズ幅を決定する際に様々な幅の蒸着膜ヒューズの溶断テストを行ない、ヒューズ幅の絶対値を決定した。
【0051】
表1に、本実施の形態1のコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に直流電圧600Vによる充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験によって保安性を確認した結果を示す。
【0052】
充放電試験は、直流電圧600Vで充電後、強制短絡することを10回繰返した後の容量を測定し、初期容量からの減少率を算出した。ステップアップ試験においては、直流電圧600Vぐらいから容量が減少し始めて直流電圧800Vまでに発火や発煙せずに完全にヒューズ部が溶断して容量がほぼ0になったものを◎(合格)とし、直流電圧900Vぐらいから容量が減少し始めて直流電圧1300Vまでに発火や発煙せずに完全にヒューズ部が溶断して容量がほぼ0になったものを○(合格)とし、直流電圧1000Vぐらいから容量が減少し始めるが直流電圧1300Vまで電圧を上昇させても容量は80%程度しか減少しないものを△(不合格)とし、途中でショートや発煙したものを×(不合格)とした。
【0053】
【表1】
Figure 0003870875
【0054】
本実施の形態1では、フィルムの幅方向の分割電極の面積比率に従ってヒューズ部の幅比率を非蒸着部1から近い順に1:2:3として定常状態で各ヒューズ部に流れる電流の電流密度を等しくなるようにしたが、本発明では前記比率に限定されるものではなく自己保安機構が働く範囲のヒューズ部の幅で、メタリコンに近いほどヒューズ幅が太くなっているものであれば良い。
【0055】
また、本実施の形態1では、フィルムの全面に均一厚みのアルミニウムを蒸着したが、本発明は蒸着膜厚によって何ら限定されるものではない。例えば、メタリコンに接する付近の蒸着金属の膜厚を厚くしたヘビーエッジ蒸着を用いると、メタリコンとの接触抵抗が向上するので好適である。
【0056】
また、本実施の形態1では、蒸着金属としてアルミニウムを用いたが、本発明ではアルミニウムに限定されるものではなく他の蒸着した金属であっても良いことは言うまでもない。例えば、アルミニウムと亜鉛の合金、亜鉛などでも良い。
【0057】
また、本実施の形態1では、片面蒸着したポリプロピレンフィルムについて記載したが、本発明ではフィルムの片面に金属蒸着したパターンに限定されるものではなく、両面蒸着したフィルムと蒸着していないフィルムの2枚を1対とした場合でも良いことは言うまでもない。
【0058】
また、誘電体フィルムもポリプロピレンに限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルムなどの高分子フィルムでも良い。
【0059】
また、本実施の形態1のようにヒューズ部の位置は多角形の辺に配置した時に、多角形のコーナーに配置する場合よりもばらつきなく、安定してヒューズ動作が働き、設計が容易になる。よって、本発明は、多角形の辺の位置にヒューズ部を配置するもので、かつヒューズ幅が引き出し電極に近くなるにつれて太くなっているものを含むことは言うまでもない。
【0060】
また、本実施の形態1では、電位傾度が125V/μmの場合を述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電位傾度が100V/μm〜350V/μmで、ヒューズ部の幅が0.1〜2mmまでの設計であれば、本実施の形態1のような効果が得られることを実験で確認した。
【0061】
(実施の形態2)
以下に本実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。図3は本実施の形態2で説明するフィルムコンデンサに使用する蒸着フィルム表面の模式図で、図4は図3の蒸着フィルムを用いたコンデンサの模式図である。まず、目的とする蒸着フィルムおよびフィルムコンデンサの構成を図3、図4を用いて詳細に説明する。
【0062】
図3において、11は誘電体フィルムであるポリプロピレンフィルムの長さ方向の一端縁部に設けた非蒸着部で、12はポリプロピレンフィルムにオイル転写によって形成した非蒸着スリットである。また、13a、13b、13c、13dは非蒸着スリット12によって分割された多数の蒸着金属からなる三角形及び菱形の分割電極である。14a、14b、14c、14dはそれぞれポリプロピレンフィルムの幅方向における非蒸着スリット12の中央部に形成して各分割電極13a〜13dを電気的に接続する自己保安機構を成す第1のヒューズ部、第2のヒューズ部、第3のヒューズ部、第4のヒューズ部である。15は引出し電極であるメタリコンと接触する部分である。蒸着金属には亜鉛を用い、図3においては、ポリプロピレンフィルムの片面のみに蒸着金属を形成してある。
【0063】
本実施の形態2において、フィルムの幅方向における細分化された分割電極13a、13b、13c、13dの面積を非蒸着部11からの距離が近い順にS1、S2、S3、S4、前記分割電極13a〜13dを接続する第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dの幅をそれぞれW1、W2、W3、W4、ポリプロピレンフィルムの長さ方向(例えば図3に示す所定の長さの単位において)に存在する第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dのヒューズ本数をN1、N2、N3、N4とすると、各分割電極13a〜13dの面積S1:S2:S3:S4=1:2:2:1であり、前記ヒューズ本数N1:N2:N3:N4=2:2:2:1である。
【0064】
本実施の形態2では、第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dに流れる電流の電流密度を等しくするために、ヒューズ部の幅の比率を、W1:W2:W3:W4をS1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:(S1+S2+S3+S4)/N4=1/2:3/2:5/2:6/1=1:3:5:12となるようにした。それぞれのヒューズ部の幅は、W1=0.1mm、W2=0.3mm、W3=0.5mm、W4=1.2mmに設定した。
【0065】
図4において、16は図3で説明した蒸着金属パターンを有する片面金属化ポリプロピレンフィルムで、17は端縁部以外の片面全体を蒸着した片面全体金属化ポリプロピレンフィルムである。図4のように本実施の形態2のフィルムコンデンサは、蒸着金属パターンのある片面金属化ポリプピレンフィルム16とパターンのない片面全体金属化ポリプロピレンフィルム17の2枚を非蒸着部11が重ならないような向きに重ねて1対として巻回(積層してもよい)し、その巻回物の2つの端面に亜鉛を溶射することにより引き出し電極9であるメタリコン電極を形成してある。10は電極リードである。
【0066】
本実施の形態2で用いた誘電体フィルムであるポリプロピレンフィルムの厚みは、実施の形態1と同じにした。試作コンデンサの静電容量は300μFである。
【0067】
コンデンサ使用時に各々のヒューズ部に流れる電流は、そのヒューズ部によって分担される容量比とフィルムの長さ方向のヒューズ部本数によって決まるので、上記のようなヒューズ幅に設計しておけばポリプロピレンフィルムの幅方向における14a〜14dの各ヒューズ部の電流密度を等しくすることができる。
【0068】
表1に、本実施の形態2のコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に直流電圧600Vによる充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0069】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態1における図1に示す片面金属化ポリプロピレンフィルム7の第1のヒューズ部13a〜第3のヒューズ部13cの幅をそれぞれ0.3mm、0.4mm、0.5mmにしたこと以外は実施の形態1と同様な方法でコンデンサを製造した。
【0070】
上記表1に、本実施の形態3のフィルムコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に直流電圧600Vによる充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0071】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、実施の形態2における図3に示す片面金属化ポリプロピレンフィルム16の第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dの幅をそれぞれ0.2mm、0.4mm、0.6mm、1.0mmにしたこと以外は実施の形態2と同様な方法でコンデンサを製造した。
【0072】
上記表1に、本実施の形態4のフィルムコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に直流電圧600Vによる充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0073】
(比較例1)
次に比較例1について説明する。比較例1のフィルムコンデンサでは、実施の形態1における第1のヒューズ部4a〜第3のヒューズ部4cの幅W1、W2、W3をすべて0.6mmにしたこと以外は、実施の形態1と同じにして製造した。
【0074】
上記表1に、比較例1のコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0075】
(比較例2)
次に比較例2について説明する。比較例2のコンデンサでは、ヒューズ部4a〜4cの幅W1、W2、W3をすべて0.2mmにしたこと以外は、実施の形態1と同じにして製造した。
【0076】
上記表1に、比較例2のコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0077】
(比較例3)
次に比較例3について説明する。比較例3のコンデンサでは、実施の形態1におけるヒューズ部4a、4b、4cの幅を、W1=W2=0.4mm、W3=0.6mmにしたこと以外は、実施の形態1と同じにして製造した。
【0078】
上記表1に、比較例3のコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0079】
(比較例4)
次に比較例4について説明する。比較例4のコンデンサでは、実施の形態2における片面金属化ポリプロピレンフィルム16の第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dの幅W1、W2、W3、W4をそれぞれ1.2mmにしたこと以外は、実施の形態2と同じにして製造した。
【0080】
上記表1に、比較例4のフィルムコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0081】
(比較例5)
次に比較例5について説明する。比較例5のフィルムコンデンサでは、実施の形態2における片面金属化ポリプロピレンフィルム16の第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dの幅W1、W2、W3、W4を0.2mmにしたこと以外は、実施の形態2と同じにして製造した。
【0082】
上記表1に、比較例5のフィルムコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0083】
(比較例6)
次に比較例6について説明する。比較例6のフィルムコンデンサでは、実施の形態2における片面金属化ポリプロピレンフィルム16の第1のヒューズ部14a〜第4のヒューズ部14dの幅W1=W2=W3=0.6mm、W4=1.2mmにしたこと以外は、実施の形態2と同じにして製造した。
【0084】
上記表1に、比較例6のフィルムコンデンサに600Vの直流電圧を印加し、10kHzで40A(実効値)のリップル電流を印加した際の加速寿命試験2000時間後におけるコンデンサの容量減少率(ΔC/C)を示す(5個の平均値)。また、表1に600Vの直流電圧による充放電試験時のコンデンサの容量減少率(5個の平均値)と2時間おきに50Vずつ電圧を上昇させたステップアップ試験(保安性試験)の結果を示す。
【0085】
(性能比較)
本実施の形態1のフィルムコンデンサは、比較例1のコンデンサと比べて各々のヒューズ部の幅の設計を、流れる電流が定常時に均一な電流密度となるように構成してある。このような構成にしてあると、ステップアップ試験で高電圧になっても発火や発煙することなくヒューズ部がきれいに切れた。このことから、高電圧印加などの異常時を想定した場合でもヒューズ部のフィルム幅方向における非蒸着部側(マージン側)に最も近いヒューズ部の幅を細くし、引き出し電極に近づくにつれてヒューズ部の幅を太く構成しておくことが適切であることがわかった。また、各ヒューズ部に流れる電流量は、ヒューズ部が分担する容量比によって決まるので、そのヒューズ部の幅の比率は、前記容量分担比と同じにすることが最もバランスがとれる。
【0086】
一方、比較例1のコンデンサでは、ヒューズ部の幅を全て0.6mmと同じにしたため、引き出し電極から遠くにあるヒューズ部は、電流密度が小さくなっている。よって、比較例1のコンデンサでは、引き出し電極から遠い位置にあるヒューズ部ほど切れにくいため自己保安機構が働きにくかった。
【0087】
比較例2のコンデンサでは、ヒューズ部の幅を全て0.2mmと同じにしたため、流れる電流の電流密度が大きくなり過ぎてヒューズ部における発熱が大きいため、ヒューズ部が切れやすく容量減少が大きくなった。
【0088】
比較例3のコンデンサでは、ヒューズ部の幅W1とW2を0.4mmとし、W3を0.6mmとした。このようにした場合、最もマージン側に近いヒューズ部の幅W1の電流密度が小さいため、幅W1のヒューズ部が切れにくく、自己保安機構が働きにくくなった。
【0089】
以上説明から明らかなように実施の形態1および比較例1から3の結果を考慮すると、実施の形態1のようにヒューズ部の幅を引き出し電極に近づくにつれて太く構成した方が、寿命、耐電流性、保安性についてバランスがとれたものになることがわかった。
【0090】
ヒューズ部の幅としては、電位傾度として100V/μm〜350V/μmで使用する場合0.1〜2mmの範囲にしておくのが好適であることを実験で確認した。
【0091】
実施の形態2のフィルムコンデンサでは、比較例4のコンデンサと比べてヒューズ部の幅の設計を、定常時に流れる電流が均一な電流密度となるように構成してある。実施の形態2のような構成にヒューズ部をしておくと、ステップアップ試験で高電圧になっても発火や発煙することなくヒューズ部がきれいに切れた。このことから、高電圧印加などの異常時を想定した場合でもヒューズ部のフィルムの幅方向におけるマージン側に最も近いヒューズ部の幅を細くし、引き出し電極に近づくにつれてヒューズ部の幅を太く構成しておくことが適切であることがわかった。また、各ヒューズ部に流れる電流量は、ヒューズ部が分担する容量比によって決まるので、そのヒューズ部の幅の比率は、前記容量分担比と同じにすることが最もバランスがとれる。
【0092】
一方、比較例4のコンデンサでは、ヒューズ部の幅を全て1.2mmと同じにしたため、引き出し電極から遠くにあるヒューズ部は、流れる電流の電流密度が小さくなっている。よって、比較例4では、引き出し電極から遠い位置にあるヒューズ部ほど切れにくいため自己保安機構が働きにくかった。
【0093】
比較例5のコンデンサでは、ヒューズ部の幅を全て0.2mmと同じにしたため、電流密度が大きくなり過ぎてヒューズ部における発熱が大きいため、ヒューズ部が切れやすくコンデンサの容量減少が大きくなった。
【0094】
比較例6のコンデンサでは、各ヒューズ部の幅W1=W2=W3=0.6mm、W4=1.2mmとしたので、最もマージン側に近いヒューズ部の幅W1の電流密度が小さいため、幅W1のヒューズ部が切れにくく、自己保安機構が働きにくくなった。
【0095】
以上の説明から明らかなように、実施の形態2および比較例4から6の結果を考慮すると、実施の形態2におけるヒューズ部の幅の比率でヒューズ幅を引き出し電極に近づくにつれて太く構成した方が、寿命、耐電流性、自己保安性についてバランスがとれたものになることがわかった。
【0096】
また、実施の形態3および実施の形態4に示すように自己保安機構が働く範囲のヒューズ部の幅で引出し電極に近づくにつれてヒューズ幅を太くすれば、全て同じ幅にした比較例1、2、4、5および引出し電極に最も近いヒューズ部以外を同じ幅にした比較例3、6のコンデンサの場合よりも寿命、耐電流性、自己保安性の3点でバランスがとれたものができる。
【0097】
ヒューズ部の幅としては、電位傾度として100V/μm〜350V/μmで使用する場合0.1〜2mmの範囲にしておくのが実施の形態2のような菱形パターンにおいても好適であることを実験で確認した。
【0098】
(実施の形態5)
図5は、本実施の形態5のインバータ装置における回路の概略図を示す。図中、40は実施の形態1〜4で説明した構成の単品のフィルムコンデンサを3個並列にして900μFとしたコンデンサである。このインバータ装置は、10kHzのスイッチング周波数で60A(実効値)のリップル電流がコンデンサ40に流れるようにしてある。バッテリー41は電圧が500Vである。このような構成でインバータ装置を運転し、モータ43を駆動させた。
【0099】
実施の形態1〜4で説明した構成の単品のフィルムコンデンサにおける形としては、フィルムを巻回後扁平形にしたコンデンサに形成し、3個をケースに入れて樹脂モールドした。このようにして得たコンデンサの体積は、800cm3である。
【0100】
同じリップル電流を流そうとして市販の電解コンデンサ(定格電圧500V)を用いる場合は、500μF×6=3000μF必要であり、体積として1500cm3のコンデンサ部分として占有した。
【0101】
表2に、実施の形態5における上記条件でインバータ装置を運転させた場合における定常状態のコンデンサの温度上昇値および85℃で5000時間運転後におけるコンデンサの容量減少率を示す。比較のために、上記インバータ装置に市販の3000μFの電解コンデンサを使用して上記条件で運転した場合の電解コンデンサの値も表2に示す。
【0102】
【表2】
Figure 0003870875
【0103】
表2の結果から、実施の形態1〜4のフィルムコンデンサを用いれば、電解コンデンサを用いる場合よりも小型で低発熱なインバータ装置を製作することができる。また、適切な蒸着パターンを有するフィルムを用いたコンデンサを使用しているため、長期使用における容量減少が少なく、長寿命のインバータ装置にできる。
【0104】
なお、上記各実施の形態において、ヒューズ部は分割電極を区画している非蒸着スリットである辺の中央部に設けてあるが、これに限定されるものではない。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太く形成している蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時に長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0106】
本発明の請求項2に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):・・・:(S1+S2+S3・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくした蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時に長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0107】
本発明の請求項3に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムであって、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積を前記非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在するヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1、W2、W3、・・・Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定した蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時に長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0108】
本発明の請求項4に記載の発明は、ヒューズ部の幅を、0.1mm〜2mmの範囲に設定した蒸着フィルムで、コンデンサに用いた時に自己保安機構が容易に働くフィルムコンデンサを得ることができる。
【0109】
本発明の請求項5に記載の発明は、フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ片面に金属を蒸着した誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたもの、あるいはフィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ両面に金属を蒸着した誘電体フィルムと金属を蒸着していない誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたものを巻回あるいは積層した素子の端面に引き出し電極を設けたものであって、前記一対の誘電体フィルム上の2つの蒸着金属面の少なくとも1面は非蒸着スリットで細分化された蒸着金属からなる分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太く形成したフィルムコンデンサで、長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0110】
本発明の請求項6に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):・・・:(S1+S2+S3・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくしたフィルムコンデンサで、長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0111】
本発明の請求項7に記載の発明は、フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在するヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ幅の比率は、W1、W2、W3、・・・Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定したフィルムを用いたフィルムコンデンサで、長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0112】
本発明の請求項8に記載の発明は、ヒューズ部の幅を、0.1mm〜2mmの範囲に設定したフィルムを用いたフィルムコンデンサで、長寿命、耐電流性、保安性の優れたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0113】
本発明の請求項9に記載の発明は、直流用途におけるフィルムの電位傾度を150V/μm以上で350V/μm以下に設定するフィルムコンデンサで、設計した蒸着金属パターンとフィルム厚みのバランスのとれたフィルムコンデンサを得ることができる。
【0114】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項5〜9のいずれかに記載のコンデンサを用いたインバータ装置で、温度上昇が少なく、極めて長寿命で、小型にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるフィルムコンデンサ用のパターン蒸着フィルムの表面を示す模式図
【図2】 同実施の形態1における図1の蒸着フィルムを用いたフィルムコンデンサを示す模式図
【図3】 同実施の形態2におけるフィルムコンデンサ用のパターン蒸着フィルムの表面を示す模式図
【図4】 同実施の形態2における図3の蒸着フィルムを用いたフィルムコンデンサを示す模式図
【図5】 同実施の形態5における実施の形態1〜4のフィルムコンデンサを用いたインバータ装置を示す回路図
【図6】 従来の蒸着フィルムを示す表面図(分割電極四角形)
【図7】 従来のパターン蒸着フィルムを示す表面図(分割電極三角形と菱形)
【符号の説明】
1、11 非蒸着部
2、12 非蒸着スリット
3a〜3c 分割電極
4a〜4c 第1のヒューズ部〜第3のヒューズ部
5 長さ方向のヒューズ部
7 片面金属化ポリプロピレンフィルム
8 片面全体金属化ポリプロピレンフィルム
9 引き出し電極(メタリコン)
13a〜13d 分割電極
14a〜14d 第1ヒューズ部〜第4ヒューズ部
16 片面金属化ポリプロピレンフィルム
17 片面全体金属化ポリプロピレンフィルム

Claims (10)

  1. フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムにおいて、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向における前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、フィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太くすることを特徴とする蒸着フィルム。
  2. フィルムの幅方向において細分化された分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくすることを特徴とする請求項1記載の蒸着フィルム。
  3. フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を残して蒸着金属を形成した誘電体フィルムにおいて、前記蒸着金属は非蒸着スリットで細分化された多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向における細分化された分割電極の面積を長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記ヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定することを特徴とする蒸着フィルム。
  4. ヒューズ部の幅を0.1mm〜2mmの範囲に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  5. フィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ片面に金属を蒸着した誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたもの、あるいはフィルムの長さ方向の一端縁部に非蒸着部を備え、かつ両面に金属を蒸着した誘電体フィルムと金属を蒸着していない誘電体フィルムの2枚を重ねて一対としたものを巻回あるいは積層した素子の端面に引き出し電極を設けたものであって、前記一対の誘電体フィルム上の2つの蒸着金属面の少なくとも1面は非蒸着スリットで細分化された蒸着金属からなる多数の分割電極とそれを接続するヒューズ部で構成され、フィルムの幅方向において前記分割電極を接続するヒューズ部は前記非蒸着スリットの中央部に設けられ、かつ、前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれてヒューズ部の幅を順次太くするフィルムを用いたことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  6. フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1:(S1+S2):(S1+S2+S3):(S1+S2+S3+・・・+Sn)の順で前記非蒸着部からの距離が遠くなるにつれて順次大きくしていることを特徴とする請求項記載のフィルムコンデンサ。
  7. フィルムの幅方向において細分化された蒸着金属からなる分割電極の面積をフィルムの長さ方向の一端縁部の非蒸着部からの距離が近い順にS1、S2、S3・・・Sn、前記分割電極を接続するヒューズ部の幅をそれぞれW1、W2、W3、・・・Wn、フィルムの長さ方向に存在する前記ヒューズ部の本数をN1、N2、N3、・・・Nnとした時に、前記ヒューズ部の幅の比率は、W1:W2:W3:・・・:Wn=S1/N1:(S1+S2)/N2:(S1+S2+S3)/N3:・・・:(S1+S2+S3+・・・+Sn)/Nnに設定するフィルムを用いたことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  8. ヒューズ部の幅を0.1mm〜2mmの範囲に設定することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  9. 直流用途におけるフィルムの電位傾度を100V/μm以上で、かつ350V/μm以下に設定することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載のフィルムコンデンサを用いたことを特徴とするインバータ装置。
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