JP2006286987A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 通電時のヒューズによる発熱を少なくしてコンデンサの温度上昇を抑制し、耐電圧の向上を図る。
【解決手段】 金属化フィルムコンデンサのメタリコン電極部に接続される幅方向一端部をヘビーエッジ部とし、他端部をマージン部とした。さらに、コンデンサとして機能する部分を静電容量部とした。そして、0.05mm以上、0.2mm以下の幅でマージン部からヘビーエッジ部にかけて、金属の蒸着されていない第一のスリット(領域分割スリット)を2mm以上、15mm以下の間隔でフィルムの幅方向に形成するとともに、前記静電容量部に前記領域分割スリットに平行する第二のスリット(ヒューズ機能スリット)を設けた。これらの金属化フィルムを2枚重ね合わせて金属化フィルムコンデンサとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器、電気機器や産業機器、自動車に用いられる金属化フィルムコンデンサに関するものである。
金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、ベースフィルム上に設けた蒸着金属を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着金属を電極(以下、蒸着金属電極)とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔のものに比べて電極の占める体積が小さく小型軽量化が図れることと、蒸着金属電極特有の自己ヒーリング性能(絶縁欠陥部で短絡が生じた場合に、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の蒸着金属電極が蒸発・飛散して絶縁化し、コンデンサの機能が回復する性能)により絶縁破壊に対する信頼性が高いことから、従来から広く用いられている。このような金属化フィルムコンデンサの従来例を図3から図6に示す。
図3および図4において、一方の金属化フィルムは30は、ベースフィルム31の片面に一方の端の絶縁マージン34を除き金属を蒸着して形成した蒸着金属電極32を有し、さらに蒸着金属電極32は蒸着金属を有しない非蒸着のスリット35で分割した複数の分割電極33で構成され、かつ領域分割スリット35に設けたヒューズ37により並列接続されている。他方の金属化フィルム40は、ベースフィルム41の片面全体に他方の端の絶縁マージン44を除き金属を蒸着して形成した蒸着金属電極42を有している。そして、これら金属化フィルムは絶縁マージン34、44が重ならないよう、互いに反対端となるようにして重ねて巻き、巻回端面に露出した蒸着金属電極32、42にメタリコンを施して、外部電極(メタリコン電極)50としている。
蒸着金属電極32に領域分割スリット35を設けて複数の分割電極33に区分し、領域分割スリット間に形成したヒューズ37により分割電極33を並列接続することが行われているが、これは、前述の自己回復時の短絡電流により絶縁欠陥部周囲のヒューズを溶断して絶縁欠陥部を電気回路から切り離す自己保安機能を形成するものである。
このような金属化フィルムコンデンサにおいて前記自己ヒーリング性能は、蒸着金属電極32、42の厚みが薄いほど良好(少ないエネルギーで蒸着金属電極が飛散するため)なことから、図5に示すように、静電容量を形成する静電容量部の幅Wの蒸着金属電極厚みを薄くし、外部電極50、50と接続する部分の厚みを厚くしたヘビーエッジ部39、49を有するヘビーエッジ構造も広く用いられている。この構造により、コンデンサの耐電圧を高め、高電位傾度化を図ることができるようになる。
さらに近年では、前述のスリットを格子状に設け微細な電極に細分化してヒューズで並列接続した格子状の分割電極33(図5、図6(a)、(b))も提唱されている。各分割電極33の面積が小さく、ヒューズの溶断時の容量減少も小さくなるとともに、ヒューズの形状や各分割電極の面積を改良することにより、蒸着金属電極の絶縁回復性能も高めることができるため、さらに高電位傾度化(ベースフィルム1μmあたりの電圧を高めること)を図れるとされている。
例えば、特開平4−225508号公報では、領域分割スリットの自由端を丸く形成した格子状の分割電極を用いることにより、分割電極の無い金属化フィルムコンデンサに比べて2倍の電位傾度が達成できると提唱されている。また、特開平5−132291号公報では、格子状の分割電極からなる金属化フィルムコンデンサで、各分割電極の面積を10〜1000mmとした場合に直流での電位傾度130〜350V/μmの金属化フィルムコンデンサが実現できると提唱されている。
前述したように、このような金属化フィルムコンデンサに関しては、次のような公知文献が存在する。
特開平4−225508号公報 特開平5−132291号公報
しかしながら、従来の金属化フィルムコンデンサは、ヒューズ機能により自己保安機能は得られるものの、分割スリットの無いコンデンサに比べて、通電時の電流によりヒューズが発熱しコンデンサの温度が上昇する問題点があった。
すなわち、単に一定の直流電圧が印加され続ける場合にはコンデンサには電流が流れないため発熱は無視できるが、リプル電流や充放電電流、サージ電流等が流れた場合には、ヒューズを通じて電流が流れるために、発熱が生じる。そして、ヒューズ部の発熱が大きくなると、通常の負荷でもヒューズが切断されてしまうこと(いわゆるヒューズ早切れ現象)が発生することがあり、フィルムコンデンサの耐電圧や長期信頼性が低下し、これが課題となっていた。
特に前述の格子状分割電極では、ヒューズの本数も多くなるために温度上昇もより大きくなる。そして、コンデンサの温度上昇がより大きくなることと、ヒューズ部の局部的な発熱により、フィルムコンデンサの耐電圧や長期信頼性が大きく低下するため、大きな課題となっていた。
さらに、前述のヘビーエッジ構造では、ヒューズとなる蒸着膜の厚みも薄いために、ヒューズの発熱も大きくなる問題があった。ヒューズの幅を広くしたり、複数のヒューズを並列に設けたりすれば発熱は低減されるが、ヒューズとしての動作性が鈍くなり自己保安機能が低下してしまう問題点があり、満足する解決には至っていない。
さらに、インバータ制御回路の平滑用途のように、コンデンサに直流電圧をかけながら大きなリプル電流を通電する場合には、リプル電流による温度上昇のためにコンデンサの耐電圧が低下する課題があった。特に自動車用途に用いられた場合には、周囲温度が元々高いことから、大きな課題となっていた。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、通電時のヒューズによる発熱を少なくしてコンデンサの温度上昇を抑制し、耐電圧の向上を図る金属化フィルムコンデンサを提供するものである。
この発明の請求項1に係る発明は、片面又は両面に蒸着金属電極を有し、幅方向の片側一端部にマージン部を設けた一対の金属化フィルム同士を、又は、金属化フィルムに絶縁フィルムを介して、積層又は巻回してなるコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルムのメタリコン電極部に接続される幅方向一端部をヘビーエッジ部とし、前記マージン部からヘビーエッジ部にかけて、金属の蒸着されていない第一のスリットを所定間隔でフィルムの幅方向に形成するとともに、前記蒸着金属電極内に前記第一のスリットに平行する第二のスリットを設け、第一のスリット及び/又は第二のスリットの間の幅狭部をヒューズとして機能させたことを特徴とする。
この出願の請求項2に係る発明は、片面又は両面に蒸着金属電極を有し、幅方向の片側一端部にマージン部を設けた一対の金属化フィルム同士を、又は、金属化フィルムに絶縁フィルムを介して、積層又は巻回してなるコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルムのメタリコン電極部に接続される幅方向一端部の蒸着金属抵抗値を1Ω/□以上、8Ω/□以下としたヘビーエッジ部とし、コンデンサとして機能する部分の蒸着金属抵抗値を12Ω/□以上、30Ω/□以下とした静電容量部とし、0.05mm以上、0.2mm以下の幅で前記マージン部からヘビーエッジ部にかけて、金属の蒸着されていない第一のスリットを2mm以上、15mm以下の間隔でフィルムの幅方向に形成するとともに、前記静電容量部内に前記領域分割スリットに平行するヒューズ機能スリットを設け、第一のスリット及び/又は第二のスリットの間の幅狭部をヒューズとして機能させたことを特徴とする。
このような構成の金属化フィルムコンデンサでは、第一のスリットが第二のスリットと平行に形成されているため、コンデンサ内部での電流が流れる方向と平行になっている。このため、電流の流れが阻害されないために、金属化フィルムコンデンサのtanδの上昇を防止できる。従って、コンデンサにリプル電流が流れた際でも、フィルムコンデンサの発熱を抑制することができる。
この出願の請求項3に係る発明は、請求項1記載の金属化フィルムコンデンサにおいて、第二スリットの幅の合計値が、第一のスリットの間隔の値の25%以上75%以下としたことを特徴とする。
第二のスリットの幅の合計値が、第一のスリット間隔の値の25%未満であると、過電流が流れた際にヒューズとして機能しにくくなる。一方で、75%を超えると、ヒューズの許容電流が小さくなり、ヒューズが容易に動作してしまうようになる。
この出願の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサにおいて、第二のスリットの間隔を不均等としたことを特徴とする。
第二のスリットの間隔を不均等とすると、第一のスリット及び/又は第二のスリットによって形成された幅狭部(ヒューズ部)となっている部分の抵抗値が異なるようになる。そのため、それぞれのヒューズ部の許容電流が異なってくる。このため過電流が流れた際には、許容電流の小さい部位から順に溶断していくようになり、ヒューズが過電流に応じて確実に機能するようになる。
この出願の請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4の何れかに記載のフィルムコンデンサにおいて、第二のスリットを平行する2本の直線状のスリットとこの2本の直線部と交差して連絡するスリットより形成したことを特徴とする。
第二のスリットは、隣接する第一のスリット又は第二のスリットとの間に形成される蒸着金属電極の幅狭部がヒューズ部位となる。そのため、ヒューズ機能は隣接する第一のスリットと第二のスリット、又は第二のスリット同士の間隔に依存しているものであり、第二のスリットの形状は、直接的にはヒューズ機能には影響を及ぼさない。そこで、第二のスリットを2本の直線状のスリットとこの2本の直線部と交差して連絡するスリットとして形成することにより、蒸着金属電極の面積が増える、すなわち、静電容量の無効部分が減少するため、フィルムコンデンサ全体の静電容量の増加を図ることができる。
以上述べたように本発明によるフィルムコンデンサでは小形化されたにも関わらず耐電圧が高く長寿命で、自己発熱が小さい高信頼性で安価なフィルムコンデンサを提供させることができる。
以下にこの発明の金属化フィルムコンデンサの構造について説明する。この発明の金属化フィルムコンデンサは、ベースフィルムの片面に金属を蒸着し蒸着金属電極を形成した一対の金属化フィルムを重ねて巻回してコンデンサ素子を形成し、コンデンサ素子の両端面に亜鉛等の金属を溶射してメタリコンからなる外部電極(メタリコン電極)とし、さらにメタリコン電極にリード線を付け、全体を樹脂モールド等により外装を施し、金属化フィルムコンデンサとしたものである。
ここで、ベースフィルムとしては、厚さ2μmから7μmのポリプロピレンフィルムを好適に使用することができる。また、厚みが1μmから5μmのポリエステルフィルムも好適に使用することができる。そして、例えば、ポリプロピレンフィルムの片面にアルミニウム、亜鉛等の金属を蒸着して蒸着金属電極としたもので、コンデンサとして機能する部分を静電容量部としている、また、ベースフィルムの幅方向の一端側は、金属をより厚く蒸着してヘビーエッジ部としている。一方でヘビーエッジ部の反対側の端部は蒸着金属電極を施すことなく、マージン部としている。
静電容量部としては、コンデンサとして機能する部分の蒸着金属電極の抵抗値は12Ω/□以上、30Ω/□以下の範囲とする。蒸着金属電極の抵抗値が高くなれば、それに伴い耐電圧が上がり耐久性が向上することが知られている。ただし、蒸着金属電極の抵抗値が高くなりすぎるとフィルムに蒸着する際、そのバラツキが大きくなり、結果として損失を増大させる。このため、蒸着金属電極の抵抗値は12〜30Ω/□とすることにより、耐電圧を上げ、耐久性を向上させ、且つ、蒸着金属電極の抵抗値の範囲を一定にコントロールし、損失や諸特性劣化を防ぐことができる。
ヘビーエッジ部としては1Ω/□以上、8Ω/□以下の範囲とする。メタリコン電極に接続される幅方向一端部の蒸着金属抵抗値を1Ω/□未満とすることは、蒸着金属層を極めて厚くする必要があり、蒸着が難しくなる。また、静電容量部との厚さの差が大きくなるため、巻き取り作業の際しわができるなど、作業面で不都合があり、生産効率上好ましくない。一方で、8Ω/□を越える場合はメタリコン電極に接続される幅方向一端部の電流強度が非常に弱くなり、実用上好ましくない。なお、ヘビーエッジ部は静電容量部と連続して、なだらかに厚さが厚くなっていくため、前述の抵抗値は、ヘビーエッジ部で最も厚さが厚くなっている部位での値となる。なお、この出願の中では、ヘビーエッジ部とは、静電容量部よりも厚さが厚くなっているところと定義している。
また、静電容量部には、第一のスリット(領域分割スリット)を形成している。領域分割スリットは、マージン部から、ヘビーエッジ部にかけて形成されており、その幅は0.05〜0.2mm、その間隔は2〜15mmとしている。この領域分割スリットによって、金属化フィルムは各領域に分割され、ヘビーエッジ部で電気的に接続した状態となっている。
領域分割スリットの幅を0.05mm未満とすることは、工業的に生産するのが難しく、生産効率上好ましくない他、領域分割スリットとして蒸着金属電極を区画しきれず、蒸着金属電極同士がつながってしまう可能性が高くなるため実用的ではない。幅が0.2mmを越える場合は、金属化フィルムの中での静電容量の無効部分が増えるため、このような金属化フィルムを用いたコンデンサは静電容量が減少し、実用的ではない。
金属化フィルムコンデンサにおいては、ベースフィルムの内部で局所的に絶縁欠陥部となり、ベースフィルムの表裏でショートが発生する場合がある。このショートが発生した際には、ショートによるエネルギーにより、ショート部位近傍の蒸着金属が飛散し、絶縁を回復する。これを、自己ヒーリングと呼ぶ。ところで、そのショートのエネルギー量が大きいほど、蒸着金属層のヒーリング領域が大きくなる。そして、時には隣接するベースフィルムをも損傷し、隣接するベースフィルムもショートが発生してしまう場合もある。このように、自己ヒーリングの際のエネルギーが大きい場合には、その影響はコンデンサ内部の広い領域に大きなダメージを与え、コンデンサを劣化させることとなる。
つまり、少ないエネルギーで自己ヒーリングが起きた際、すなわち、ヒーリング領域が小さいうちに、確実に断線することがコンデンサの保安上で重要な要素となる。そのため、自己ヒーリング機能だけではなく、ヒューズ機能によって補完することによって電気回路的にヒーリング部を遮断することが重要である。
一般的には、領域分割スリットの間隔が狭いほど保安性が確実になる。しかし、間隔を狭くすればするほど、領域分割スリットによるコンデンサ容量の無効部分が増えるためコストの増大、コンデンサの大型化を招く。そのため、領域分割スリットの間隔は2mm以上としていくことが良い。一方で、自己ヒーリングが発生した際に、その自己ヒーリングが発生した領域を電気的に遮断するため、領域分割スリットの間隔を広くすると、一回の自己ヒーリングで失われる静電容量が大きくなってしまう。領域分割スリットの間隔は15mm以下の間隔で形成することが好適である。
さらに、領域分割スリット同士の間に、第二のスリット(ヒューズ機能スリット)を形成している。ヒューズ機能スリットは、平行する同じ長さ2本の直線状のスリットを形成し、この2本の直線部と交差して連絡するスリットより形成している。この実施形態では2本の直線状のスリットを連絡するスリットは、2本の直線状のスリットの中間部に位置し、直交するように形成しているため、ヒューズ機能スリットは略H字状に形成となる。この他にも図7(a)、(b)にそれぞれ示すように略N字状であってもよく、略コ字状に形成しても良い。
ヒューズ機能スリットは領域分割スリットと平行して形成されている。ここでの平行とは、領域分割スリットとヒューズ機能スリットの2本の直線状スリットが平行であるいうことを意味する。ヒューズ機能スリットは、その一端がヘビーエッジ部と静電容量領域の境界近辺に位置しており、他端は静電容量部内で終端となる。このため、マージン部側では一つの領域分割スリットは電気的に接続した状態となっている。そして、ヒューズ機能スリットによって幅狭に分割された静電容量部がヒューズ部位となる。ヒューズ機能スリットの幅は任意であり、形成されるヒューズ部位の許容電流値を調整するためその幅を調整することができる。
個々の分割電極を見ると、静電容量部で蓄積された電気エネルギーはヘビーエッジ部に集中して外部に連絡するようになっている。そこで、ヒューズ機能スリットをその一端がヘビーエッジ部と静電容量領域の境界近辺に位置させると、静電容量部で蓄積された電気エネルギーが全てヒューズ機能スリットを通過することになる。そのため、ヒューズ部位を流れる最大電流が過電流であった場合にはヒューズ機能が働くようになり、フィルムコンデンサの異常時に確実にヒューズ機能が動作するようになり好適である。
また、ヒューズ機能スリットの他端を静電容量部内で終端としなければ、分割スリットと同等となってしまい、静電容量の無効部分が多くなってしまうため不都合である。
さらに、ヒューズ機能スリットを形成する本数としては任意であるが、領域分割スリット間に複数のヒューズ機能スリットを形成する場合には、その間隔は不均等にしておくとよい。例えば、領域分割スリット間に3本のヒューズ機能スリットを形成する場合には、それぞれの間隔の比が1:2:3となるように形成することができる。このように不均等の間隔としておくことにより、ヒューズ機能スリットによって形成されたヒューズ部の許容電流を異ならせることができる。この様にヒューズ部の許容電流を異ならせることによって、フィルムコンデンサに過電流が流れた際に、ヒューズの許容電流に応じて順に、ヒューズ部が断線する。従って、過電流に対してヒューズ機能が確実に動作するようになる。
このようなヒューズ機能スリットは領域分割スリットと平行して形成されている。従って領域分割スリットによって区画された静電容量部を流れる電流と平行することになり、電流の流れを阻害しない。このため、フィルムコンデンサのtanδを上昇させることもない。
以上、説明した金属化フィルムを2枚重ね合わせて巻回する。この際、2枚の金属化フィルムはヘビーエッジ部が互いに反対方向となるように重ね合わせられている。これらの金属化フィルムを所定回数巻回してコンデンサ素子を巻回し、巻回端面に金属を溶射してメタリコン電極を形成する。さらに、それぞれのメタリコン電極を介して、外部リードを接続して、フィルムコンデンサを得る。
上記に説明した金属化フィルムコンデンサに用いられる金属化フィルムについて、図面とともに説明する。
図1は、この発明の金属化フィルムコンデンサに用いられる金属化フィルムを示す図面である。ベースフィルム1には蒸着金属が施され、静電容量部2、ヘビーエッジ部3が形成されている。また、蒸着金属が施されていないマージン部4がヘビーエッジ部3の反対端に形成されており、マージン部4と連続して領域分割スリット5が4mmの間隔で形成されている。
さらに静電容量部には、略H字状としたヒューズ機能スリット6が形成されている。ヒューズ機能スリット6は領域分割スリット5と平行に形成されており、その一端がヘビーエッジ部3に及んでいる。このヒューズ機能スリットを構成する個々のスリットの幅は0.1mmとし、ヒューズ機能スリットの全体の幅は0.5mmとしている。また、その間隔は0.5mm、1.0mm、1.5mmとして1:2:3の比率となっている。そして、ヒューズ機能スリット6によって幅狭に分割された静電容量部がヒューズ部位7となる
このような金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサでは、ベースフィルム1でショートが発生した際には、当該ベースフィルム1のショート発生部位の蒸着金属電極が飛散し、自己ヒーリングにより絶縁を回復する。自己ヒーリングによっても絶縁を回復できなかった場合には、金属化フィルムコンデンサに過電流が流れるが、この過電流によってヒューズ部位7が発熱し、溶断する。このヒューズ部位7はヒューズ機能スリット6の間隔を不均等に形成してあるため、ヒューズ部位の電流容量が異なっている。そのため。電流容量の小さいヒューズ部位7から溶断する。電流容量の小さいヒューズ部位7が溶断することにより、他のヒューズ部位に流れる電流が多くなる。このことにより、ヒューズ部位7が順に確実に溶断することになり、金属化フィルムコンデンサの保安性は高いものとなる。
図2は、この発明の金属化フィルムコンデンサに用いられる金属化フィルムを示す図面である。ベースフィルム1には金属の蒸着が施され、静電容量部2、ヘビーエッジ部3が形成されている。また、金属の蒸着が施されていないマージン部4がヘビーエッジ部3の反対端に形成されており、マージン部4と連続して領域分割スリット5が4mmの間隔で形成されている。
さらに静電容量部2には、ヒューズ機能スリット6が形成されている。ヒューズ機能スリットと形状は略コ字状に形成されており、ヒューズ機能スリット6は領域分割スリット5と平行に形成されており、その一端がヘビーエッジ部3に及んでいる。このヒューズ機能スリット6の全体の幅は0.5mmとし、その間隔は0.7mmで均等に形成されている。
このような金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサでは、ベースフィルム1でショートが発生した際には、当該ベースフィルム1のショート発生部位の蒸着金属電極が飛散し、自己ヒーリングにより絶縁を回復する。自己ヒーリングによっても絶縁を回復できなかった場合には、金属化フィルムコンデンサに過電流が流れるが、この過電流によってヒューズ部位7が発熱し、溶断する。このヒューズ部位はヒューズ機能スリット6の間隔を均等に形成してあるため、ヒューズ部位7の電流容量が同じである。そのため、どのヒューズ部位7から溶断するかは定かではないが、何れかのヒューズ部位7が溶断することにより、他のヒューズ部位に流れる電流が多くなる。このことにより、ヒューズ部位7が順に確実に溶断することになり、金属化フィルムコンデンサの保安性は高いものとなる。
この発明の金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルムを示す図面で、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。 この発明の金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルムを示す図面で、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。 従来の金属化フィルムを示す側面断面図である。 従来の金属化フィルムを示す正面図である。 従来の金属化フィルムを示す側面断面図である。 従来の金属化フィルムを示す正面図である。 この発明のヒューズ機能スリットの形状を示す図面である。
符号の説明
1 ベースフィルム
2 静電容量部
3 ヘビーエッジ部
4 マージン部
5 第一のスリット(領域分割スリット)
6 第二のスリット(ヒューズ機能スリット)
7 ヒューズ部位
30 金属化フィルム
31 ベースフィルム
32 蒸着金属電極
33 分割電極
34 マージン部
35 領域分割スリット
37 ヒューズ
39 ヘビーエッジ部
40 金属化フィルム
41 ベースフィルム
42 蒸着金属電極
44 マージン部
49 ヘビーエッジ部
50 メタリコン電極

Claims (5)

  1. 片面又は両面に蒸着金属電極を有し、幅方向の片側一端部にマージン部を設けた一対の金属化フィルム同士を、又は、金属化フィルムに絶縁フィルムを介して、積層又は巻回してなるコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、
    金属化フィルムのメタリコン電極部に接続される幅方向一端部をヘビーエッジ部とし、
    前記マージン部からヘビーエッジ部にかけて、金属の蒸着されていない第一のスリットを所定間隔でフィルムの幅方向に形成するとともに、
    前記蒸着金属電極内に前記第一のスリットに平行する第二のスリットを設け、第一のスリット及び/又は第二のスリットの間の幅狭部をヒューズとして機能させたことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  2. 片面又は両面に蒸着金属電極を有し、幅方向の片側一端部にマージン部を設けた一対の金属化フィルム同士を、又は、金属化フィルムに絶縁フィルムを介して、積層又は巻回してなるコンデンサ素子の両端面にメタリコン電極部を形成してなる金属化フィルムコンデンサにおいて、
    金属化フィルムのメタリコン電極部に接続される幅方向一端部の蒸着金属抵抗値を1〜8Ω/□としたヘビーエッジ部とし、
    コンデンサとして機能する部分の蒸着金属抵抗値を12〜30Ω/□とした静電容量部とし、
    0.05mm以上0.2mm以下の幅で前記マージン部からヘビーエッジ部にかけて、金属の蒸着されていない第一のスリットを2mm以上15mm以下の間隔でフィルムの幅方向に形成するとともに、
    前記静電容量部内に前記第一のスリットに平行する第二のスリットを設け、第一のスリット及び/又は第二のスリットの間の幅狭部をヒューズとして機能させたことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  3. 第二のスリット幅の合計の値が、第一のスリットの間隔の値の25%以上75%以下の範囲としたことを特徴とする請求項2記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 第二のスリットの間隔を不均等としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 第二のスリットを平行する2本の直線状のスリットとこの2本の直線部と交差して連絡するスリットより形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
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