JP4704951B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
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Description
図7(a)の金属化フィルム210には、矩形の金属化フィルム210の短手方向一端部において長手方向に延在する第1の非蒸着部215と、第1の非蒸着部215から短手方向に沿って第1の非蒸着部215とは反対側の端部近傍まで延びる複数の第2の非蒸着部217と、第2の非蒸着部217の第1の非蒸着部215とは反対側の端部に接続されており、長手方向に延在する第3の非蒸着部219とが形成されている。
また、図7(b)の金属化フィルムに310は、矩形の金属化フィルム310の短手方向一端部において長手方向に延在する第1の非蒸着部315と、第1の非蒸着部315から短手方向に沿って第1の非蒸着部315とは反対側の端部まで延びる複数の第2の非蒸着部317とが形成されている。
したがって、ヒーリングの注入エネルギーを抑えるために、設計電位傾度を比較的低くする必要があり、小形化が困難である。また、使用電圧が高くなれば保安機構動作の信頼性が低くなるという問題がある。
また、特許文献2、3の「モザイク」電極と称される蒸着パターンは、保安機構動作の信頼性および良好な耐用性を保持するために、誘電体厚さや設計電位傾度ごとにセグメントサイズの見直しが必要となる問題があり、限られた数種類の蒸着パターンで設計対応することが難しく、また、ヒーリングの注入エネルギーを抑えるためには、設計電位傾度を低くする必要があるため、小形、軽量化が難しいという問題がある。
したがって、1セグメント当たりの容量は小さくなり、また容量減少も比較的小さくなる。よって、高電位傾度設計においても保安機構動作の信頼性が高く、容量減少も小さいことから小型軽量化が可能である。
また、蒸着前のパターンロールとベースフィルムとが面接触となり、マージンオイルの付着がよくなるので金属蒸着膜の膜抜け性がよく安定化する。
図2は、図1に示す金属化フィルムコンデンサの内部構造を示す図であり、(a)は正面から見た透視図、(b)は側面から見た透視図、(c)は(b)の部分拡大図、(d)は上面斜視図である。
樹脂ケース110は、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート等による樹脂成形により作製される。
そして、コンデンサ素子11の一端(図2(b)における左側端部)の後述するメタリコン電極11aは、第1の導出用結線銅板15と接続され、他端(図2(b)における右側端部)の後述するメタリコン電極11bは、第2の導出用結線銅板17と接続される 。
第1の導出用結線銅板15と第2の導出用結線銅板17とは、コンデンサ素子11のメタリコン電極11a、11bから端子一体形結線銅板13までそれぞれ最短で引き出され、端子一体形結線銅板13にはんだ付け接続される。
本実施の形態においては、コンデンサ素子11は、2枚の金属化フィルム10を重ねたものを巻回し、その両端面にそれぞれメタリコンを施すことによってメタリコン電極11a、11bを形成することで作製される。
より詳細には、図3に示すように、フィルム1の片面には、その短手方向一端部において長手方向に沿って連続的に延在する第1の非蒸着部5と、一端が第1の非蒸着部5に接続されていると共に、フィルム1の短手方向に対してやや傾いた方向に沿って、第1の非蒸着部5が形成されている側とは反対側の端部まで不連続に延在している複数の第2の非蒸着部7とを除く部分に金属蒸着電極3が形成されている。
複数の第2の非蒸着部7は互いに平行であり、等間隔で設けられている。ここで、本実施の形態においては、第2の非蒸着部7のピッチL1は7mmであり、第2の非蒸着部7において連続的に延在する部分の長さL2(以下、「延在長さ」と称する)は、18mmである。
そして、上述のように、巻回された金属化フィルム10の両端部にメタリコンを施すことによってメタリコン電極11a、11bを形成し、コンデンサ素子11が作製される。
このとき、メタリコン電極11a、11bは、金属蒸着電極3の電極導出部3aと接続される。
したがって、一方向に沿って不連続に延在する第2の非蒸着部7における連続的に延在する部分の間、および複数の第2の非蒸着部7の間がヒューズ部として機能することとなる。これにより、ヒーリングによる注入エネルギーによりヒューズ機能し動作する金属蒸着電極が限られておらず変動することになり、保安機構動作時に回路から切り離される電極(セグメント)の面積は必要最低限となる。
その結果、1セグメント当たりの容量は小さくなり、容量減少も比較的小さくなる。
よって、高電位傾度設計においても保安機構動作の信頼性が高く、容量減少も小さいことから小型軽量化が可能である。
例えば、絶縁性を有するフィルムの両面に金属蒸着電極が形成された両面金属化フィルム、または絶縁性を有するフィルムの片面に金属蒸着電極が形成された片面金属化フィルムと絶縁フィルムとを組合せ、これらを重ね合わせたものを巻回することによってコンデンサ素子を作製してもよい。
図5は、当該試験の結果である。試料6は試験途中で絶縁低下しショート状態となった。試料2〜5の破壊電圧電位傾度は、520V/μm〜575V/μmとなり、現行品の425V/μmより約22〜35%高い結果であった。
この結果より、第2の非蒸着部のピッチL1が2mmである場合には、耐電圧性能アップは比較的低く、第2の非蒸着部のピッチL1が9mmである場合には、ショート状態となっていることから、第2の非蒸着部のピッチL1の寸法範囲は3〜8mmであることが好ましい。
試験の結果、コンデンサ電極の膜抵抗値が8Ω/□である場合は、試験途中でショート状態になった。コンデンサ電極の膜抵抗値が10〜60Ω/□である試料は、試験後の静電容量変化率−98.3〜−99.0%でほぼオープン状態となり保安機構の動作性は良好であった。
図6は、当該試験の結果である。試料13〜18の場合、現行品と比較してコンデンサ内部の温度上昇値は約40%低くなった。
コンデンサ電極の膜抵抗値が60Ω/□の試料19における温度上昇値は、現行品と同等又はそれ以上に高くなっており、温度上昇値の低減効果はない結果であった。
この結果から、コンデンサ電極の膜抵抗値の範囲は10〜50Ω/□であることが好ましい。
3 金属蒸着電極
3a 電極引出部
3b コンデンサ電極
5 第1の非蒸着部
7 第2の非蒸着部
10 金属化フィルム
11 コンデンサ素子
11a、11b メタリコン電極
13 端子一体形結線銅板
13a 外部引出端子
15、17 導出用結線銅板
101 金属化フィルムコンデンサ
110 樹脂ケース
210 金属化フィルム
215 第1の非蒸着部
217 第2の非蒸着部
219 第3の非蒸着部
310 金属化フィルム
315 第1の非蒸着部
317 第2の非蒸着部
Claims (4)
- 絶縁性フィルムの片面に金属蒸着電極が形成された一対の片面金属化フィルムを重ね合せるか、または絶縁性フィルムの両面に金属蒸着電極が形成された両面金属化フィルム若しくは前記片面金属化フィルムと、絶縁フィルムとを組合せ、これらを重ね合わせて巻回し、その巻回素子の両端面に電極引出部を形成してなるコンデンサ素子を有する金属化フィルムコンデンサにおいて、
前記金属蒸着電極におけるコンデンサとして機能する部分の膜抵抗値が10〜50Ω/□であり、前記電極引出部に接続される部分の膜抵抗値が1〜5Ω/□であり、
前記金属蒸着電極が形成される前記絶縁性フィルムには、巻回方向と直交する方向の一端部において巻回方向に沿って連続的に延在する第1の非蒸着部と、一端が前記第1の非蒸着部に接続されていると共に、前記第1の非蒸着部の延在方向と斜めに交わる第1の方向に沿って、前記絶縁性フィルムの前記一端部に対する他端部まで不連続に延在する櫛形形状の第2の非蒸着部とが形成され、
前記第2の非蒸着部において前記第1の方向に沿って連続的に延在する部分は、前記第1の方向に長尺であり且つその前記第1の方向に沿う長さが1〜20mmで、前記複数の前記第2の非蒸着部間の間隔が3〜8mmであり、
前記第2の非蒸着部の延在方向における不連続部分の位置が、巻回方向に関して互いに隣接する2つの前記第2の非蒸着部の間でずれていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。 - 前記金属蒸着電極が、アルミニウム、亜鉛、またはアルミニウム・亜鉛アロイで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
- 絶縁油が充填された金属ケースに前記コンデンサ素子を収容した油浸タイプであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
- 樹脂ケースに前記コンデンサ素子を収容後、熱硬化性の樹脂を充填した乾式タイプであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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