JP2009000957A - コンデンサ用金属蒸着フィルム、及びそれを用いた金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用金属蒸着フィルム、及びそれを用いた金属化フィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】加工性が良好で、かつ耐電圧が高く信頼性が高いコンデンサ用金属蒸着フィルム、および金属化フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】コンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルム1の少なくとも片面に金属蒸着層2を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、蒸着金属層が非蒸着スリットで細分化され、複数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部で構成されており、高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さが金属蒸着層を形成しない側の表面粗さよりも大きいものである。 また、金属化フィルムコンデンサは、かかるコンデンサ用金属蒸着フィルムを用いて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は高分子フィルムに導電性金属を連続蒸着した金属蒸着フィルムを所定の幅に細断した金属蒸着フィルムであって、コンデンサ素子を形成するために用いられるコンデンサ用金属蒸着フィルムに関する。さらには、そのコンデンサ用金属蒸着フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサに関する。
高分子フィルムコンデンサは耐電圧が高く、かつ温度特性、周波数特性に優れることからコンデンサ用材料として一般的に使用されている。特に電極として金属蒸着層を用いる金属化フィルムコンデンサはセルフヒーリング性(自己回復性)を有することから好ましく利用されている。さらに安全性および高耐電圧性を確保するために、蒸着金属層を非蒸着スリットで細分化して、複数の分割電極を構成し、それらをヒューズによって接続する、いわゆるパターン蒸着を施す技術についても、現在一般化しつつある(特許文献1)。
特開平7−86088号
近年、金属化フィルムコンデンサはその自己回復性という好ましい特性により、車両用、あるいは自動車用に用いられるようになってきているが、より一層の小型化、高耐電圧化が求められている。
小型化に寄与するには誘電体である高分子フィルムの厚みを薄くすることが最も有効であるが、それにより極端に製造工程における加工性が低下し、様々な問題が発生する。その一つの例が、細幅にスリットしたフィルムを複数枚重ね合わせて巻回してコンデンサを製造する、素子巻き工程での素子巻き性である。
高分子フィルムは薄くなるにつれて、いわゆる「腰」が弱くなる傾向があり、腰の弱いフィルムは素子巻きの際にシワが発生しやすく、コンデンサ特性に影響を及ぼす結果となる。
また、上述のパターン蒸着フィルムを用いる場合、パターン形成の際にはマスキングオイルを用いるが、このマスキングオイルが蒸着金属上に残留することによりフィルム間のすべりが悪くなり、このことがさらに加工性が悪くする要因となっている。
金属蒸着フィルムの加工性を向上させるには、基材の高分子フィルムを粗面化することが最も効果的であるが、高分子フィルムを粗面化すると耐電圧の低下が問題となり、ただ粗面化するだけでは耐電圧との両立は困難である。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、加工性が良好で、かつ耐電圧が高く信頼性が高いという、高電圧・高信頼性を要求されるコンデンサに好適な金属蒸着フィルムを提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さが金属蒸着層を形成しない側の表面粗さよりも大きいことを特徴とするものである。
また、本発明の金属化フィルムコンデンサは、かかるコンデンサ用金属蒸着フィルムを用いて構成されてなることを特徴とするものである。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さが金属蒸着層を形成しない側の表面粗さよりも大きくなるようにしたことにより、マスキングオイルが残留している金属蒸着層を表面粗さが大きい側に形成されることとなる。そのためマスキングオイルは表面粗さの凹凸の上に残留するため、平滑な表面に残留するよりも加工性に対する影響を少なくすることができる。さらに、蒸着しない面は表面粗さが小さくすることにより耐電圧は確保されるので、結果として製造する際の加工性が良好で、かつ耐電圧が高く信頼性が高いという、高電圧・高信頼性を要求されるコンデンサに好適な金属蒸着フィルムを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり加工性が良好で、かつ耐電圧が高く信頼性の高いコンデンサ用金属蒸着フィルムについて鋭意検討し、基材の高分子フィルムの表面粗さを、金属蒸着層を形成しない側の面よりも、金属蒸着層を形成する側の面の方を大きくしたみたところ、上記課題を達成することを究明したものである。
以下本発明の好ましい形態について説明する。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの少なくとも片面に金属層を形成してなる金属蒸着フィルムである。
本発明で好適に用いられる高分子フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、などのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシレンなどのフィルムが挙げられる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体との混合体、積層体であっても良い。これらの高分子化合物に、公知の添加剤、例えば、滑剤や可塑剤などが含まれても良い。
本発明で用いられる高分子フィルムの主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であることが、耐湿性及びコンデンサ電気特性の観点から好ましい。ここで、主成分とは高分子フィルム全体に対して50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める成分を言う。より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの共重合体から選ばれた1種であることがコンデンサの電気特性上好ましく、特に好ましくはポリプロピレンであることが好ましい。
本発明で用いられる高分子フィルムの厚みは、特に限定されないが、0.5μm〜20μmの範囲が好ましい。厚みをこの範囲とすることで、本発明の効果をより高く発揮することができる。より好ましくは高分子フィルムの厚みは1.0μm〜4.0μmの範囲であり、さらに好ましくは2.0μm〜3.3μmの範囲である。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの少なくとも片面に金属層を有するものである。かかる金属蒸着法としては、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいはメッキなどの方法を用いて形成することができる。中でも好ましくは真空蒸着法を用いて形成された金属層である。真空蒸着法を用いると、効率的に本発明のフィルムを製造することができる。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、金属蒸着フィルムの電極引き出し用メタリコン側近傍の金属膜厚を厚くするいわゆるヘビーエッジ構造の段付き蒸着の形態を持つことが好ましい。(以下、メタリコン側近傍の厚膜部分をヘビーエッジ部、それ以外の部分をアクティブ部と称する。)
本発明における金属層の材質としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、あるいはこれらを含有する合金等が挙げられる。コンデンサの電気特性や生産性の面からは、亜鉛、アルミニウム、またはそれらを含む合金が好ましく用いられる。より好ましくは、アクティブ部については金属層がアルミニウムを90質量%以上含む合金あるいはアルミニウム単体を用い、ヘビーエッジ部にも同様の材質あるいは、アルミと亜鉛の合金を用いることが耐電圧特性を向上させる観点で好ましい。さらに好ましくは、アクティブ部はアルミニウム単体とし、ヘビーエッジ部はアルミと亜鉛の合金とする組み合わせが好ましい。
金属層の蒸着厚みは、膜抵抗にして、ヘビーエッジ部1〜8Ω/□、アクティブ部が15〜300Ω/□であることが、耐電圧特性を向上させる観点で好ましい。上記より膜抵抗が高いと、コンデンサtanδが上昇する可能性があり好ましくなく、膜抵抗が低いとセルフヒーリング性が十分でなくなる可能性があり好ましくない。
なお、基材の高分子フィルムの表面はコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理などの表面処理、或いは、接着剤のコーティング層、樹脂コーティング層、溶融押し出しによる樹脂層などの積層が行われていても良い。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムには、少なくとも一方の片面に形成される金属蒸着面側に連続した長手方向の非蒸着部分であるマージンが形成される。該長手方向のマージンを形成するために用いられる方法として、オイルを用いる方法が挙げられる。オイルとしては、一般にシリコーン系オイル、フッ素系オイル、流動パラフィンなどが挙げられる。また、このほかの方法として他にテープ、レーザーを用いる方法があるが、いずれの方法でも所定の幅で非蒸着部分が長手方向連続的に形成されれば良く、特に方法に限定されない。
また、本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、保安機能を高めるために、蒸着金属層を非蒸着スリットで細分化する。これら多数の分割電極は給電地点であるメタリコンコンタクトあるいは分割電極相互にヒューズ部で接続される。このような細分化区分帯を形成する方法としてはエンボス印刷ロールによるオイルの転写、スクリーン印刷によるオイルの転写、レーザーによる方法などがあるが、いずれの方法でも所定の幅で非蒸着部分が形成されれば良く、特に方法に限定されない。
長手方向幅方向共に該区分帯幅は絶縁性が確保されれば特に寸法制限を受ける必要はないが、精度の点から0.1mm以上が好ましい。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さが金属蒸着層を形成しない側の表面粗さよりも大きくなるように構成される。高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さRaが0.03〜0.05μm、金属蒸着層を形成しない側の表面粗さRaが0.01〜0.03μmとなるようにすると本発明の効果がより適切に発現し好ましい。さらに好ましくは金属蒸着層を形成する側の表面粗さRaが0.03〜0.04μmであり、形成しない側の表面粗さRaが0.01〜0.02μmである。
このような表面粗さを持つ高分子フィルムは、フィルム製膜時の製膜条件を適宜調整することによって得ることができ、特にキャスト工程と呼ばれる、高温で溶融したポリマーを冷却ドラム上に押出し、冷却する工程でその表裏の冷却速度を適切に設定することにより得られる。
本発明においては、高分子フィルムの少なくとも片面に保護層を設けることができる。好ましい例として、アクティブ部はセルフヒーリング性を向上させるために蒸着膜厚が薄い方が良いが、蒸着膜厚が薄いほど、蒸着金属の酸化による顕著になるため、この酸化劣化を防止し膜厚低下に伴う耐電流性低下を防止するために保護層を設けることができる。保護層は金属蒸着層と高分子フィルムの界面、金属蒸着層の上面、金属蒸着層のある面とは反対側の高分子フィルム上面のいずれか、または2つ以上組み合わせても良い。生産性の点から保護層は1層であることが好ましい。本保護層の耐湿特性をさらに高めるために、保護層を形成した後に真空プラズマ処理などをすることができる。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは金属蒸着および保護層形成の後、所定の幅に切断され、リール状に巻き取られたものである。細断方法はリール状に整えられるものであれば特に限定されないが、金属蒸着後のフィルムを長手方向に連続的に所定幅に切断するスリッッターを用いることが、フィルム幅の均一性、端面形状から望ましい。また、フィルム幅はフィルムの長手軸方向のカット端面形状は上面(金属蒸着面側から基材面を透かす、或いはその逆の方向)から見て直線である必要はなく、一定周期で、連続的な波形であっても構わない。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、車両あるいは自動車用のコンデンサとして特に好適に用いられる。単一のフィルムコンデンサを用いることも出来るが、二つ以上のコンデンサ素子を並列あるいは直列、あるいはその両者の組み合わせで各々を接続し、コンデンサブロックとして用いることができる。
本発明のコンデンサ用金属蒸着フィルムは、素子静電容量が大きいほどその加工性の効果を発揮する。特に好ましくは、金属化フィルムコンデンサあるいはそれを組み合わせたコンデンサブロックの合計の静電容量が50μF以上であると従来技術に比べて特に効果が顕著であり好ましい。
次に、本発明の金属蒸着フィルムの製造方法の好ましい一態様を以下に記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
高分子フィルムを真空蒸着機内の巻出軸から巻出して、冷却ドラムへ導く。高分子フィルムを冷却ドラム上で冷却しながら、蒸着源から誘導加熱法もしくは抵抗加熱法、電子ビーム法などにより加熱・溶融させ、飛来した金属を蒸着する。この際、まず全体に均一にアルミを蒸着し、その上からヘビーエッジ部に相当する部分に亜鉛を蒸着することでヘビーエッジ部を形成する。蒸着金属層の上に保護層を形成する場合は、この冷却ドラムの後に、細いスリット状のノズルを設けた容器を配置し、その中に保護層となる物質を加熱し、蒸散、噴霧させる。このノズルを高分子フィルムに向けることで、表面に保護層が形成される。
このようにして得られた金属蒸着フィルムはコンデンサ用フィルムとして好ましく用いることが出来、公知の方法で積層もしくは巻回してコンデンサを得ることができる。
例えば、巻回型フィルムコンデンサの場合を例示する。高分子フィルムに金属層を形成する際に、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。(以後、MDフリーマージンあるいは単にマージンと称する。)次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左側もしくは右側にマージンを有するテープ状の巻取リールにする。得られたリールのうち、左側にマージンを有する金属蒸着フィルムと、右側にマージンを有する金属蒸着フィルム各1本ずつを、幅方向に非マージン側のフィルム端面がマージン側のフィルム端面からはみ出すように2枚を少しずらして重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得ることができる。
[物性の測定方法並びに効果の評価方法]
(1)膜抵抗
4端子法により、ある特定の電極間距離の金属膜の抵抗を測定し、測定値を測定幅を乗じて電極間距離で除し、幅10mm、電極間距離10mm当たりの膜抵抗を算出した。単位はΩ/□と表示する。
ヘビーエッジ部の膜抵抗についてはメタリコン側端面から3mm幅の細幅にサンプルを切り出し、上記と同様に100mm間の金属膜抵抗を測定した。
(2)金属蒸着フィルムの総厚み
JIS C 2151に従い、10枚重ねの金属化フィルムの厚みを電子マイクロメータで測定し、5点平均した平均値を金属化フィルム枚数(10)で除して金属蒸着フィルム厚みとした。
(3)表面粗さ
小坂研究所製の三次元・微細形状測定器ET−30HKを用いて非接触式にて測定した。
・測定条件 : 非接触式
測定長(TD) 1mm
送りピッチ 10μm
測定本数 25本
カットオフ値 0.25mm
測定速度 100μm/秒
上記の条件で、表面粗さ曲面f(x,y)が得られたとき、SRa は下記の式(式1)で与えられる。
Figure 2009000957
但し、lx =(測定長)=1mm、
1y =(送りピッチ)×(測定本数)=0.25mm。
(4)コンデンサ素子の作製
評価のためのコンデンサ素子については、下記の条件で円筒形の巻回型フィルムコンデンサを作製した
静電容量 :60μF
フィルム幅:50mm
マージン幅:2mm
蒸着金属:アクティブ部 アルミニウム、
ヘビーエッジ部 アルミニウム/亜鉛の合金
膜抵抗は: ヘビーエッジ部3.5Ω/□、アクティブ部20Ω/□
蒸着パターン形成:マスキングオイルによりT型マージンを形成、
ピッチ(周期)を17mm、ヒューズ幅を0.5mm
ずらし幅 :1mm
熱処理条件:130℃、2時間。
(5)素子巻き性
上記のコンデンサ素子作製に際して、皆藤株式会社製の素子巻き機3KAW−N2−65/102を使用し、60μFの静電容量となるように素子巻きを実施した。巻き芯径をφ8mmとし、素子巻き速度を3000rpm、張力を250gに設定した。素子巻き性の評価は、100個の素子を作製し、内部にシワが混入した素子の個数を計数し、その個数を素子巻き個数(=100個)で除し、シワ入り素子の発生率を百分率(%)にて表す。素子巻き性については、シワ発生率にして5%以上を不良、5%未満を良好とした。
(6)耐電圧(ステップアップDCBDVテスト)
上項で作製したコンデンサに、可変直流電源にコンデンサ素子のリード線を接続し、常温にて電圧を段階的に上げ、各ステップで1分間保持した。開始電圧を700Vとし、10Vずつのステップアップとし、各ステップ終了ごとにLCRメータで静電容量を測定した。容量測定は安藤電気株式会社製LCRメータ AG−4311を用いて1V、1kHzの条件で測定した。
コンデンサが破壊(導通あるいは容量がゼロ)した時、あるいは、電圧印加前の容量に対して容量が10%低下した時の印加電圧値を破壊電圧とした。耐電圧は高いほど好ましいが、本評価では750V以上を良好、それ未満を不良とした。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
(実施例1)
高分子フィルムとして、厚み3.0μmで、表面粗さRaが蒸着面側=0.04μm、非蒸着面側=0.02μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用した。蒸着面となる側には、金属の密着強度を高める目的で事前に空気中コロナ処理を実施した。このフィルムに真空蒸着機にて長手方向マージンを形成後、マスキングオイルにてT型マージン印刷を実施した。このフィルムにアルミニウム蒸着し、次いで直後に同一蒸着機内で細断後ヘビーエッジ部となる位置のみにスリット穴を通して亜鉛蒸着を行い、ヘビーエッジ部にアルミと亜鉛の合金を形成した。次いで保護層として金属蒸着面にフェニルメチルジメチルポリシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社製SH702)を加熱蒸着した。オイル付着量が0.05μg/cmとなるように制御した。このフィルムについて素子巻きを実施して効果の評価方法(4)項で述べたようなコンデンサ素子を作製した。素子巻き性を評価した結果、シワ発生率は0%と非常に良好であった。破壊電圧は820Vと良好であった。
(実施例2)
高分子フィルムとして、表面粗さRaが蒸着面側=0.03μm、非蒸着面側=0.04μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以外には実施例1と同様に素子巻き性を評価した。シワ発生率は3%と良好であった。破壊電圧は830Vと良好であった。
(実施例3)
高分子フィルムとして、表面粗さRaが蒸着面側=0.05μm、非蒸着面側=0.04μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以外には実施例1と同様に素子巻き性を評価した。シワ発生率は2%と良好であった。破壊電圧は760Vと良好であった。
(比較例1)
高分子フィルムとして、表面粗さRaが蒸着面側=0.02μm、非蒸着面側=0.04μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以外には実施例1と同様に素子巻き性を評価した。シワ発生率は10%と不良であった。破壊電圧は790Vと良好であった。破壊したコンデンサを解体調査したところ、シワまでは至らない微細な凸凹が素子上に存在し、その部分から絶縁破壊している様子が散見された。
(比較例2)
高分子フィルムとして、表面粗さRaが蒸着面側=0.02μm、非蒸着面側=0.03μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以外には実施例1と同様に素子巻き性を評価した。シワ発生率は8%と不良であった。破壊電圧は790Vと良好であった。破壊したコンデンサを解体調査したところ、シワまでは至らない微細な凸凹が素子状に存在し、その部分から絶縁破壊している様子が散見された。
(比較例3)
高分子フィルムとして、表面粗さRaが蒸着面側=0.04μm、非蒸着面側=0.05μmである2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する以外には実施例1と同様に素子巻き性を評価した。シワ発生率は6%と不良であった。破壊電圧は760Vと良好であった。
上記の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2009000957
ヘビーエッジ構造による蒸着の模式的な断面図である。 実施例にて用いたパターン印刷蒸着の模式図である。
符号の説明
1:高分子フィルム
2:金属蒸着膜
3:ヘビーエッジ部
4:トップ幅(メタリコン側に最も近接したヒューズのフィルム端面から見た距離)
5:ヒューズ幅
6:パターンピッチ

Claims (6)

  1. 高分子フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいて、蒸着金属層が非蒸着スリットで細分化され、複数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部で構成されており、高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さが、金属蒸着層を形成しない側の表面粗さよりも大きいコンデンサ用金属蒸着フィルム。
  2. 前記高分子フィルムの金属蒸着層を形成する側の面の表面粗さRaが0.03〜0.05μmであり、金属蒸着層を形成しない側の表面粗さRaが0.01〜0.03μmである請求項1に記載のコンデンサ用金属蒸着フィルム。
  3. 前記蒸着金属層の厚膜部分が亜鉛とアルミニウムの合金で形成され膜抵抗が1〜8Ω/□であり、蒸着金属層の厚膜部分以外がアルミニウム単体で形成され抵抗が20〜300Ω/□であり、前記高分子フィルムの少なくとも片面に保護層が形成された請求項1又は2に記載のコンデンサ用金属蒸着フィルム。
  4. 前記高分子フィルムの主成分がポリプロピレンであり、高分子フィルムの厚みが1.0〜4.0μmである請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用金属蒸着フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用金属蒸着フィルムを少なくとも1枚用いてなる金属化フィルムコンデンサ。
  6. 車両あるいは自動車用に用いられ、合計静電容量が50μF以上である請求項5に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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