JP2008112930A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の発光素子は、配線層表面のグレインの凹凸は膜厚が大きいほど著しくなること、また、Alなどの金属スパッタ膜がグレインの成長に伴って層内にボイドをつくるので、膜厚が大きいほどボイドが増えることに起因して、種々の品質上の問題を有していた。
【解決手段】本発明による半導体素子は、n個の同種又は異種の金属膜を積層することにより形成される配線構造を有している。その同種又は異種の金属膜は、配線構造を構成する最上層の金属膜表面の凹凸を低減するように、薄膜の金属膜で形成される。本発明の一態様によれば、積層される各金属膜の層間のうち、少なくとも1つの層間に薄い金属酸化膜が、その層間全域にわたって形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体素子、特に発光素子の電極コンタクト構造における異種金属の接触部分の被覆に関するものであり、更には、その製造方法に関する。
光プリンタなどの光学装置の光書込みヘッドに用いられる発光素子アレイにおいて、成膜した金属材料を用いてボンディングパッドの数を少なくすることにより、コンパクトな構造を実現した自己走査型発光素子アレイが知られている(例えば、特許文献1)。
図16は、自己走査型発光素子アレイに用いられる発光素子アレイチップの配列状態を示す平面図である。同図において、複数の面発光サイリスタ(発光素子)100が発光素子アレイチップ151に直線状に配列されている。複数の発光素子アレイチップ151を、略一直線状に連なるように連結させることにより、自己走査型発光素子アレイを構成させる。そして、その自己走査型発光素子アレイの長尺方向を、例えば画像書込装置の主走査方向に対応するように配置し、光プリンタなどの画像書込装置の発光手段として機能させることができる。
図17は、図16に示した発光素子アレイチップの拡大図である。並列に配列された複数の面発光サイリスタ100は、ボンディングパッド145から配線182(又は配線182a)を経て各々給電される。尚、このような並列配線された面発光サイリスタ100の列を複数設けることができ、ボンディングパッド145からの給電タイミングを制御することにより、多様な発光制御を行うことができる。
図18は、図17に示した1つの面発光サイリスタの拡大図である。同図において、面発光サイリスタが有するゲート電極の部分の図示を省略している。面発光サイリスタ100の中央部には電極12が設けられ、コンタクトホールChを介して配線182aと電気的に接続されている。
図19は、メサ型のPNPN構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。図19において、図18に示したA-A’方向の面発光サイリスタの断面図と考えてよい。この面発光サイリスタの例では、N形半導体基板92上に形成されたN形半導体層91,P形半導体層90,N形半導体層89,P形半導体層88と、P形半導体層88にオーミック接触するように形成された電極12とを備えている。面発光サイリスタ100の構造上、全体に絶縁被膜24(光透過性の絶縁材料である)が設けられ、その上にアルミニウム(Al)配線182aが設けられている。絶縁被膜24には、電極12とAl配線182aとを電気的に接続するためのコンタクトホールChが開けられている。また、N形半導体基板92の裏面には、カソード電極93が設けられており、電極12はアノード電極として構成させている。図19に示すようなPNPN構造の面発光サイリスタにおいて、アノード電極12から流れる電流(注入電流)は、同図において矢印で示すように、半導体中を広がりながらカソード電極93に向かって流れる。これにより、発光サイリスタ100から光が出射される。
ここで、発光素子アレイの配線材料としては、様々なものが考えられるが、例えば、純アルミニウムや、アルミニウムに微量のシリコンやチタンや銅を不純物として加えた合金材料が用いられる。発光素子アレイの配線を形成するためには、これらの金属材料を、スパッタなどの成膜方式でウェハ上の全面に成膜し、その後、ウェットエッチングで配線のパターンニングを実施する場合には、次のようなフォトリソグラフィ法が利用される。
フォトリソグラフィ法では、まず、全面に成膜した金属膜の上に、レジストを0.5μm〜数μmの膜厚にコートし、その後、ホットプレートなどで100℃前後に加熱してベーキングする。これにより、レジスト中の溶媒を蒸発させ、レジストと下地との密着性を高めることができる。次に、配線パターンが描かれているマスク(或いはレチクル)を用いて露光装置で露光する。露光装置により紫外線を照射すると、レジストが感光した領域と感光していない非感光領域が形成される。露光後、現像液で、感光領域又は非感光領域のレジストのみを溶解し、レジストパターンを形成させる。尚、露光と現像工程との間に、特殊なベーキング工程を入れることもある。レジストパターンが形成されると、次に、金属膜を溶かす薬液(エッチャント)につけ、エッチングする。レジストが被覆している部分はエッチングされないが、レジストが被覆されていない部分の金属膜は、エッチャントによってエッチングされることになる。エッチング後、レジストを除去すれば、下地の上には金属配線パターンのみが残り、配線形成工程が完了する。
上述のようなウェットエッチングでは、通常、等方性がある。図1(a)、図1 (b)及び図1(c)は、配線を形成するための、ウェットエッチングによるレジストを剥離するまでの工程を示す図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、レジストに被覆された膜厚dの金属膜1は、レジストパターン2のエッジより内側に、金属膜の膜厚dよりも大きな幅d’がエッチングされる(以下、サイドエッチングと称することとする)。従って、配線を所望の幅Wで形成するためには、サイドエッチング分だけ、幅広に配線形成のためのレジストパターンを形成させなければならない(図1(b)参照)。サイドエッチング量d’が大きい場合は、レジストパターンの幅W0を大きくすることもできるが、その結果として生じる発光素子アレイのチップ幅の大型化は、コンパクトな構造を実現する自己走査型発光素子アレイの趣旨に反することになる。
図2(a)及び図2(b)は、それぞれウェットエッチング後にレジストを剥離して配線を形成した時に生じる配線欠けを示す図である。前述したような純アルミニウムやその合金などでは、局所的に過度のサイドエッチングが生じることにより、配線パターニングのためのウェットエッチング後にレジストを剥離すると、レジスト剥離後の配線は、虫食い状に配線欠けが発生して形成されるという問題点がある。
このような配線欠けが生じる原因として、次の2点が考えられる。
第一に、スパッタなどの成膜方式で成膜された金属膜の表面は、通常、グレインと呼ばれる柱状の結晶粒が集まった構造をしている。図3は、金属膜の表面の一部を模式的に示す図である。成膜を開始すると、柱状のグレイン4が上方へ成長する。各グレインは、粒界と呼ばれる隙間5をつくって疎な構造を有する。各グレインの最上面の高さは、グレイン毎に異なっているので、金属膜の表面は凹凸ができる。例えば図3では陥没部分6を示してある。尚、そのような凹凸構造を有する成膜後の金属膜の上部に、別種類の膜を形成する工程があるときは、その成膜時の温度が上昇すると、金属膜の残留応力が緩和するように金属膜を構成する原子のマイグレーションを生じさせ、金属膜の凹凸が更に激しくなる場合もある。そのような凹凸を有する金属膜の表面上にレジストをコートすると、レジストが有する粘性の故に、金属膜とレジストとの間に細隙をつくりやすくなる。細隙ができると、ウェットエッチングの際に、レジストパターンのエッジから際隙を通るエッチャントによって過度なサイドエッチングを生じさせ、結果として図2(b)に示すような虫食い状の配線欠けが発生する。
第二に、アルミニウムなどの金属膜の柱状構造の成長は、膜厚が大きくなるにしたがって、グレイン間の隙間7やボイドの多い構造となる。エッチング時に、このような隙間にエッチャントが入り込み、この局所的部分を起点として等方的にエッチングが進み、虫食い状の欠けになる。この場合には、配線層を複数の膜による積層構造とすることにより、ボイドが生じても断線を防止する方法(例えば、特許文献2)、又は、配線層を所定の金属配線層で形成することにより、粒界のトリプルポイントを減らし、粒界における電子の移動を抑えて、断線に至らしめるボイドの発生を抑え、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーション耐性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献3)。
特開平2−263668号公報 特開平5-102139号公報 特開平11-297697号公報
まず、虫食い状の配線欠けは、発光素子アレイの品質上、及び、コストの観点から好ましくない問題である。
(配線欠け)
前述した配線欠けは、純アルミニウム、アルミニウムにシリコンをドープした合金、アルミニウムにチタンをドープした合金、アルミニウムにシリコン及び銅をドープした合金、及び、アルミニウムにスカンジウムをドープした合金の配線について確認されている。
スパッタ時のチャンバ内部の温度などを変えても、金属膜の表面に凹凸があれば、虫食い状の配線欠けは発生する。
配線幅が、配線欠けの大きさに対して十分に大きければ、配線欠けが発生しても、大きな問題にはならない。そこで、配線欠けが起こることを考慮して、配線欠けによる配線幅の減少分だけ、レジストパターンの幅を大きくすれば良いことになる。しかしながら、前述したように、レジストパターン幅を大きくすると、発光素子アレイのチップ幅も大きくなる。即ち、チップ幅を小さくして、1つのウェハからのチップ取得数を増大させるためには、レジストパターン幅が小さい方が有利である。従って、コストダウンのためにウェハあたりのチップ取得数を向上させるためには、配線欠けが生じることは不都合である。
また、配線に、他の配線や電極と結ぶためのコンタクトホールがある場合には、配線欠けがあると、コンタクトホールを上部から覆うのに利用される配線部分が無くなる部分が生じ、コンタクトホールの機能が失われることがある。また、初期特性としてコンタクトホールで電気伝導に問題が無くても、発光素子アレイチップの性能の信頼性が低下しうる。そこで、コンタクトホールの面積を小さくし、配線欠けが生じても、コンタクトホールの上部の配線に問題がないように設計することが考えられる(例えば、特許文献2参照)が、寄生抵抗の発生の問題や、後述する電極と配線の金属間化合物の過度な生成の問題があるため、ある面積以上には小さくできない。配線欠けが発生することは、コンタクトホールのレイアウトの自由度を低めるという観点からも不都合である。
更に、発光部に配線によって給電されて発光する発光素子アレイにおいては、発光部は電極や給電配線によってその一部が隠される構造を有しているため、発光部上の給電配線に欠けが発生すると、発光素子毎の光量ばらつきが大きくなる。これは、発光素子アレイをプリンタなどに適用した際に、印刷される画にムラを与える一因になる。従って、単膜によって形成される配線は、前述した配線欠けが生じることにより、発光素子毎の光量ばらつきが発生するという観点からも不都合がある。
直接的に、発光素子アレイの動作に関係のない配線パターンでも、虫食い状の配線欠けがあると、不都合を生じる。即ち、配線用の金属膜は、反射率の高い膜であることを利用して、配線としてだけでなく、他の様々な工程でウェハのアライメント用に使用するアライメントマークとして用いることがある。アライメントマークに用いる部分に欠けがあることは、チップの製造、或いは発光素子アレイを用いた光書込みヘッドを組み上げる工程において、不都合が生じる。
虫食い状の配線欠けが、比較的小さく、それによって、発光素子アレイの特性及び信頼性において重大な支障をきたさないと判断される場合は、そのような配線欠けは、不良箇所と位置付ける必要はない。しかし、自動装置によって配線欠けなどの外観検査を実施すると、不良箇所ではない配線欠けに対しても、過剰に検出することがある。配線欠けがあることは、発光素子アレイの外観検査の工程に負担がかかるという不都合を生じる。
更に、配線材料と電極材料との間の化合物の生成が、多くの問題を生じさせる。
(配線材料と電極材料との間の化合物の生成)
発光素子アレイにおいて、配線材料として、例えばアルミニウム、又は、アルミニウムに不純物を混ぜた合金を用いた場合で、且つ、電極材料として、例えば金、又は金に不純物を混ぜた合金を用いた場合に、配線と電極との接触部分で、異種金属間の化合物(以下、金属間化合物と称する)が生成される。この金属間化合物は、通常、製造工程の中で成膜工程やドライエッチング工程のような、熱処理される工程において、異種金属が高温中に置かれることによって合金化反応が促進して生成される。この傾向は、一般に、金属間の接合のために層間絶縁膜に開けられたコンタクトホールの面積が小さいほど顕著である。
この金属間化合物の生成時に大きな体積膨張がある場合は、異種金属の接触部分の形状に著しい変化を与えるため、例えば、保護膜の破壊を誘発することがある。その他にも、周辺の構造に影響を与える場合があり、発光素子アレイの品質上の信頼性が悪化することになる。また、異種金属間化合物の導電性が元の金属から変化し、高抵抗部分が生成されると、発光素子アレイの動作にも影響を与える。即ち、電極と配線の接触部の寄生抵抗により、PNPN構造の3端子発光サイリスタを用いた自己走査型発光素子アレイの場合には、パルス電圧に対するカソード電極の電位の時定数が大きくなり、転送速度が低下する。
例えば、保護膜の破壊を誘発することによる問題を説明する。図4(A)及び図4 (B)に、PNPN構造の最上層である半導体層11の上に蒸着した電極12と配線13とをコンタクトホールを介して接続した発光素子アレイの断面図の一例を示す。図4(A)では、例えば発光素子において、例えばPNPN構造の最上層である半導体層11の上に蒸着した電極12として、金又は金に不純物を混ぜた合金を用い、配線13として純アルミニウムを用いた場合を示している。この場合、層間絶縁膜14に開けられたコンタクトホールで結ばれた電極12と配線13の接合部分には、金−アルミニウム間の反応が成膜工程などで促進して、金属間化合物である合金15が生成され、大きな体積膨張が起こることがある。結果として、最上部の保護膜16を押し上げて破壊し、生成された金属間化合物が上部に湧き出し、また、金電極12と配線13内部に、反応によって移動した分の空洞17が形成される(図4(B)参照)。このような空洞は、予期しない電気的抵抗を生じさせ、好ましくない。
上述した問題を解決することは、従来の方法では困難である。即ち、ボイドが生じているにも関わらず、複数の金属層を積層する方法(例えば、特許文献2参照)は、虫食い状の配線欠けによって生じる問題を解決できない。又、積層する複数の金属層の間に所定の金属配線層で形成する方法(例えば、特許文献3参照)は、合金化反応によって生じる問題を解決できず、更に、コストアップを伴うために好ましくない。
本発明は、上述の様々な問題を解決するために、虫食い状の配線欠けを無くす構造を有する半導体素子又はその製造方法を提供すること、並びに、電極材料と配線材料とが異種金属である場合に、合金化反応を抑制する構造を有する半導体素子又はその製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様による半導体素子は、同種又は異種の金属膜を複数積層することによって形成された配線構造を備え、前記同種又は異種の金属膜が、前記配線構造を構成する最上層の金属膜表面の凹凸を低減するように、薄膜の金属膜で形成されていることを特徴とする。また、前記配線構造を構成する層間のうちの少なくとも1つの層間に、金属酸化膜を、層間全域にわたって形成させることもできる。更に、前記配線構造が、2つの同種の金属膜を積層することによって形成される場合には、前記2つの金属膜の膜厚比が0.9〜1.1の間にあることが好ましい。或いは、第1の態様による半導体素子は、前記配線構造と異なる金属材料によって形成された電極を更に備えることができ、異種金属間化合物が、前記電極とオーミック接触する前記配線構造の金属膜との間で形成され、前記配線構造のうち、前記電極とオーミック接触する金属膜の上部の金属膜を、前記異種金属間化合物とは異なる金属材料として形成させることもできる。
本発明の第1の態様による半導体素子を、発光素子、例えば発光サイリスタや発光ダイオードに適用することもできる。この場合、発光素子特有の配線欠けによって生じる問題、即ち、発光素子アレイを形成したときの光量ばらつきを抑えることができる。
本発明の第2の態様においては、半導体素子に配線を形成することにより、半導体素子を製造する方法であって、真空排気された環境で、半導体素子の上部に配線用の金属膜を成膜するステップ(ステップ(a))と、ステップ(a)により成膜した金属膜の上部に金属酸化膜を成膜するステップ(ステップ(b))とを含み、ステップ(a)とステップ(b)とを複数回繰り返すことを特徴とする。尚、ステップ(b)において、金属酸化膜を、大気にさらして表面を自然に酸化することによって形成することもできる。或いはまた、ステップ(a)が、金属膜のターゲットを用いた希ガス導入によるスパッタによって、半導体素子の上部に金属膜を成膜するステップからなり、ステップ(b)が、スパッタの放電を停止し、希ガスの導入を継続して行うステップからなる方法とすることもできる。
本発明によれば、より高品質の発光素子アレイを形成させることができる。
まず、本発明による発光素子の実施例1について以下に説明する。
(実施例1)
本発明による発光素子は、n個の同種又は異種の金属膜を積層することにより形成される配線構造を有し、積層される各金属膜の層間のうち、少なくとも1つの層間に薄い金属酸化膜が、その層間全域にわたって形成されている。
図5に、本発明による実施例1の発光素子の部分的構造図を示す。図5において、PNPN構造の最上層である半導体層21の上に蒸着した電極22と配線23とをコンタクトホールを介して接続されている。また、配線23の上部には、金属酸化膜29が形成され、更にその上部に配線28が形成されている。配線28の上部には、金属酸化膜30が形成され、更にその上部に保護膜26が形成されている。このような構造を有する発光素子アレイであれば、例えば、電極22に金又は金に不純物を混ぜた合金を用い、且つ、配線23に純アルミニウムを用いた場合、層間絶縁膜24に開けられたコンタクトホールで結ばれた電極22と配線23の接合部分には、金属間化合物である合金25が生成され、大きな体積膨張が起こったとしても、金属酸化膜29により、その体積膨張が抑制され、配線30は断線することなく、有効に機能する。尚、配線28と配線23とは、薄膜の金属酸化膜29を用いるため電気的な接続は保持される。
次に、発光素子の配線形成に係る第1の製造方法の一例について説明する。
第1の製造方法は、金属膜の表面の凹凸(即ち、グレイン毎の成長の不均一さ)を抑制するために、グレイン成長を、複数工程からなる成膜途中で停止させるものである。即ち、発光素子に必要とされる配線のための金属膜を、複数回に分けてスパッタ装置で成膜する。これを、以下では、多段階スパッタと称することとする。多段階スパッタにおいて、第1の成膜後にグレイン成長が停止されると、次に第2の成膜を開始する。これにより、第2の成膜時には、第1の成膜で形成されたグレインの位置に関係なく、第2の層の核が形成し、それを起点として新しいグレインが成長するので、配線の最上層の表面では、著しいグレインごとの高さの違いが無くなる。
図6に、多段階スパッタによって形成される各金属膜のグレイン構造を模式的に示す。図6において、多段階スパッタによって形成された金属膜の層と層の境界では、グレイン中の結晶の配向性が不連続になっていることを示している。
ここで、金属膜を構成する層は、2層以上であれば、何層あっても良い。また、各層は同一の膜厚であっても、異なる膜厚であっても良い。以後、各層は、成膜の順に、第1層、第2層、…、第n層、第n+1層(nは、整数)と称することとする。
また、金属膜を構成する各層は、異なる種類の材料であっても、全ての層が同一材料であっても良い。
この製造方法によれば、金属膜の表面の凹凸が低減されるので、配線パターンにエッチングする際に生じる配線欠けの発生が抑制される。また、金属膜の膜厚が大きくなるにしたがって著しくなるグレイン間の隙間が、多段階スパッタを用いることにより少なくなり、配線欠けの発生を抑制することができる。
次に、発光素子の配線形成に係る第2の製造方法の一例について説明する。
前述した図5に示す発光素子は、第2の製造方法で形成させることができる。前述した第1の製造方法は、第1の金属膜を、真空排気されたスパッタ装置内で成膜する工程と、次に、一旦、成膜を停止して、第2の金属膜の成膜を再開するという工程を繰り返すものであるが、第2の製造方法は、更に、第n回目のスパッタと第n+1回目のスパッタの間で、別の工程を設ける。即ち、第n層の上に薄い金属酸化層(図5においては、金属酸化膜29及び30)を生成する工程を設ける。これにより、柱状グレインの成長高さが均一化する効果が強まり、その後の第n+1層の配線を形成する工程において、虫食い状の欠けの発生数が更に減少することが分かった。図7に、酸化層を有する多段階スパッタによって形成される各金属膜のグレイン構造を模式的に示す。図7において、第2の製造方法によって形成した配線構造は、第n層と第n+1層の間に金属酸化膜を有することが示されている。第n層上に生成された金属酸化層は、第n+1回目のスパッタにおいてスパッタリングされるので、第n層と第n+1層は、電気的に接続される。したがって、このような多段階スパッタによって形成した配線層からなる配線抵抗は、同一形状(又は同一膜厚)の単膜で形成した配線抵抗と同程度になる。
第n層と第n+1層の間の金属酸化膜を形成する工程の1つの方法は、第n層のスパッタ終了後、ウェハをスパッタ装置から取り出して、所定時間(例えば30秒で、好適には20秒以上)大気にさらすことで、第n層表面は自然酸化させることである。この方法は、第n回目のスパッタと第n+1回目のスパッタの間で、特別の成膜工程によって金属酸化膜を形成するよりも、比較的工程時間が短くでき、製造コストが上がらないという利点を有する。
より具体的に、実施例1の発光素子(図5参照)の製造方法について説明する。実施例1では、前述した第2の製造方法を利用する。膜厚D [μm]の配線を得るために、発光素子アレイを作製するウェハ全面に、純粋なアルミニウムをスパッタ装置で、膜厚D/2 [μm]の第1層23を、絶縁膜24の上に成膜し、その後チャンバからウェハを取り出した。ウェハを大気中に30秒放置して、ε[nm]のアルミニウム酸化層29を、第1層23の表面に形成した。次に、再びウェハをスパッタ装置に導入して、膜厚D/2 [μm]のアルミニウム第2層28を成膜した。その後、ウェハを装置外に取り出して大気にさらすことにより、直ちに第2層28の表面は酸化され、最上層の酸化層30が形成される。この層も約ε[nm]である。以上の方法で、アルミニウム酸化膜を有するアルミニウム配線の2層構造を形成した。膜厚Dは、0.6<D<1.5の範囲で実施された。また、εは略50 [nm]である。この範囲においては、虫食い状の配線欠けを消滅させることができた。また、金−アルミニウム合金相の成長は、酸化膜29で停止しているので、保護膜26が破壊されることはなく、変形が少なく、緩やかな形状を保つことができ、信頼性上の問題が減少した。
また、実施例1で、金属膜23及び28を、純アルミニウムの代わりに、アルミニウム−シリコン合金、アルミニウム・スカンジウム合金、アルミニウム・チタン合金、アルミニウム・シリコン・銅合金についても実施した結果、いずれも虫食い状の配線欠けを消減させることができた。
従来技術の問題として前述したように、金、又は、金に不純物をドープした材料で形成した電極と、アルミニウム、又は、アルミニウムに不純物をドープした材料で形成した配線との接合において、言い換えれば、層間絶縁膜に開けられたコンタクトホールなどにおける異種金属間の接合において、金−アルミニウムの金属間化合物が成長し、最上層である保護膜などを破壊し、発光素子アレイの特性、及び信頼性に影響を与えるという従来の問題があった。しかしながら、第2の製造方法により形成した配線構造であれば、金属間化合物の上方向への成長が、酸化層に到達するところで停止することが分かった。
図8(A)及び図8(B)に、金属間化合物の成長の様子を模式的に示す。図8(A)及び図8(B)において、図5と同様な構成要素には同一の参照番号を付しており、その説明を省略する。尚、図8(A)は、金属間化合物の成長中の様子を示す図である。図8(B)は、酸化膜に到達して、金属間化合物の成長速度が減少したときの様子を示す図である。その理由は、図8(A)のように、金属間化合物25の生成は、下側に位置する金電極22からの金の供給と、上側に位置する配線層23からのアルミニウムの供給によって持続するが、酸化層29の存在によって、配線層23からのアルミニウムの供給が無くなり、アルミニウムの全体の供給が減少するために金属間化合物25の成長が停止するからである(図8(B))。
図9に、第2の製造方法による多段階スパッタを実施することによる虫食い状の配線欠けの減少の効果を測定した結果を示す。図9は、多設階スパッタによって得られる金属膜で、層数n=2として、金属を純アルミニウムとしたときの、配線のエッジの単位長さあたりの虫食い状欠けの個数[個/mm]と、従来の単層の純アルミニウムの場合の個数を、プロットしたものである。更には、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ工程で配線をウェットエッチングによって形成する工程(図9に示す“アニールなし”)と、金属膜を成膜した直後に、180℃で10分間オーブンにより加熱してから放熱によって冷却(平均冷却速度36℃/min)させるアニール処理の後に、フォトリソグラフィ工程で配線をウェットエッチングによって形成する工程(図9に示す“180℃ 10minアニール”)とで、配線欠け個数を比較した。
図9から、2段階スパッタによるアルミニウム膜で形成した配線の方が、単膜の配線よりも、配線欠けが約1/10に低減していることが分かる。また、アニール処理をしたとき、単膜の場合は配線欠け個数が、アニールなしのときの約10倍増加する。これは、“グレイン境界”などに存在する隙間(即ち、ボイド)に関して、アニール及びその後の冷却で膜応力が緩和される過程で、ボイドが凝集し、より大きなボイドが多数つくられたことに起因する。それに対して、2段階スパッタによる配線は、同一条件でアニール処理した場合でさえ、アニール処理しなかった単膜の場合よりも、配線欠け個数は少なかった。
2段階スパッタによるアルミニウム膜において、膜厚比(=第2層膜厚/第1層膜厚)を様々な値に変えたときの、配線エッジ単位長さあたりの配線欠け個数の変化を、図10に示す。図10において、配線欠け個数は、膜厚比が略1のときに極小値をとることが分かった。このことは、多段階スパッタによる多層膜において、各層の膜厚が大きくなると、ボイドが多くなるという現象メカニズムに矛盾しない。従って、配線欠けの低減のためには、2段階の場合であれば、膜厚比を略1に調整するのが最適である。また、配線材料をスパッタで成膜する場合であれば、スパッタによる膜厚の調整精度は、狙い膜厚の約5%程度あるから、膜厚比1を狙いとしたときは、略0.9から略1.1の間でばらつく。図10から、この範囲では配線欠けの個数の変化は非常に小さいことが分かる。従って、実際には、膜厚比を0.9から1.1の間とすることで、配線欠けの個数の低減が可能である。
次に、本発明による発光素子の実施例2について以下に説明する。
(実施例2)
図11に、本発明による実施例2の発光素子の部分的構造図を示す。図11において、図5と同様な構成要素には同一の参照番号を付しており、その説明を省略する。実施例2では、前述した第1の製造方法を利用する。即ち、実施例2の発光素子の配線構造は、第1層目と第2層目との間に酸化層を設けていない。第1回目の成膜で、絶縁膜24上に第1層23を成膜し、ウェハをチャンバから出さずに、成膜せずに所定時間(例えば30秒で、好適には20秒以上)待機させる。その後、成膜を再開させ第2層28を成膜する。次に、チャンバからウェハを取り出し、自然酸化膜30を形成させる。実施例2では、実施例1ほどの効果は無いが、グレインの成長が停止することで、図6において説明したように結晶方位が不連続に変わる境界面37ができているため、虫食い状の配線欠けは減少した。
次に、本発明による発光素子の実施例3について以下に説明する。
(実施例3)
図12に、本発明による実施例3の発光素子の部分的構造図を示す。図12において、図5と同様な構成要素には同一の参照番号を付しており、その説明を省略する。実施例3では、前述した第1の製造方法を利用する。実施例3は、実施例2と対比して、第1層23と第2層38が、異なる材料で形成した点で相違する。即ち、第1層23を純アルミニウムとし、第2層38を純アルミニウムに窒素を添加したもので実施した。窒素を添加したアルミニウムは、純アルミニウムのターゲット、及び、希ガスと窒素の混合気体によるプラズマを用いてスパッタしたものである。実施例3においては、金属酸化膜を形成させる代わりに、窒素を添加したアルミニウムを第2層38のために用いるので、実施例2の効果が得られるだけでなく、実施例1と同様の効果が得られる。
次に、本発明による発光素子の実施例4について以下に説明する。
(実施例4)
図13に、本発明による実施例4の発光素子の部分的構造図を示す。図13において、図5と同様な構成要素には同一の参照番号を付しており、その説明を省略する。実施例4では、前述した第2の製造方法を利用する。実施例4は、配線としてアルミニウムの3層構造を用いた例である。絶縁膜24の上に第1層23がスパッタ装置で成膜され、更にその第1層23の上部に大気中放置によって自然酸化膜29を形成させて、第2層28を成膜する。第1及び第2層の層断面は、自然酸化膜を挟んだ層構造となる。そして、更にその上部にアルミニウム層を形成させる。
より具体的に説明すると、実施例4では、膜厚D+3ε [μm]の配線を得るために、発光素子アレイを作製するウェハ全面に、純粋なアルミニウムをスパッタ装置で、膜厚D/3[μm]の第1層23を絶縁膜24の上に成膜し、その後チャンバからウェハを取り出した。ウェハを大気中に30秒放置して、ε[nm]のアルミニウム酸化層29を、第1層23の上表面に形成した。次に、再びスパッタ装置にウェハを導入して、膜厚D/3 [μm]のアルミニウムの第2層28を成膜した。その後、ウェハを装置外に取り出して大気にさらすことにより、直ちに第2層の上表面は酸化され、酸化層30が形成された。この状態で30秒間大気中に放置したことにより、この層もε[nm]である。再び、スパッタ装置にウェハを導入して、膜厚D/3 [μm]のアルミニウムの第3層39を成膜した。その後、ウェハを装置外に取り出して大気にさらすことにより、直ちに表面は酸化され、第3層39の上表面に酸化層40が形成された。以上の方法で、酸化膜が挟まれたアルミニウム3層構造を形成させた。膜厚Dは、0.7<D<1.5の範囲で実施された。また、ε<50 [nm]である。
この範囲においては、虫食い状の配線欠けを消滅させることができた。また、金−アルミニウム合金相の成長は、酸化膜29で停止しているので、保護膜26が破壊されることはなく、変形が少なく、緩やか形状を保つことができ、信頼性上の問題が減少した。
また、本構造で、金属膜23及び28を、純アルミニウムの代わりに、アルミニウム・シリコン合金、アルミニウム・スカンジウム合金、アルミニウム・チタン合金、アルミニウム・シリコン・鍋合金についても実施し、いずれも虫食い状の配線欠けを消滅させることができた。
上述した実施例において、発光素子の配線パターニングにおいて、配線材料のエッチング時に発生する配線パターンのエッジの欠けを低減する発光素子を形成することができた。更に、配線層と半導体層に付けられた電極層との異種金属の接触により生じる合金相の成長が、配線層表面までに達して配線層上部の保護膜の破壊を防ぐために、合金相の成長を途中で停止させるような配線の構造を有する発光素子を形成することができた。
即ち、従来の発光素子は、配線層表面のグレインの凹凸は膜厚が大きいほど著しくなること、また、Alなどの金属スパッタ膜がグレインの成長に伴って層内にボイドをつくるので、膜厚が大きいほどボイドが増えることに起因して、前述した様々な問題を有していた。上述した実施例において、配線層を多層構造にすることにより、配線層を形成する金属膜が平坦な表面となることを利用し、その後の配線形成工程でレジストと配線表面間の密着性が良くなる。また、ボイドも少なくなるので配線のエッチングのときに、配線欠けがなくなる。
更に、自然酸化膜を形成させることにより、コンタクトホールにおける配線と電極との接触部分から、配線層の上表面側への合金相の成長を停止させることができ、発光素子としての機能と信頼性を向上させることができる。また、複雑な工程を追加することなく、各実施例で説明した発光素子を形成させることができるので、従来の問題を解決するための部材追加等の余剰コストも生じず、配線欠けを低減させることで発光素子の歩留まりを改善することができ、総合的なコスト低減を実現できる。尚、本発明は、これら種々の利点のみを有する発光素子に限定するものではないことは言うまでもない。
次に、本発明による面発光素子を用いた画像読取装置の実施例について説明する。
(画像読取装置)
図14は、本発明による発光素子を用いた、画像読取装置の概略図である。画像読取装置の1つであるイメージスキャナ200は、原稿台150に載置された原稿Gに光を照射する本発明による発光素子100を複数有する光源151と、原稿Gの反射光によって原稿の画像情報を読み取るイメージセンサ130と、原稿を走査させる駆動源230と、イメージスキャナを制御する制御回路部208とを備える。
イメージセンサ130は、原稿からの反射光を受光素子アレイ120に結像する正立等倍レンズ110を有する。光源151は、本発明による発光素子を有する発光素子アレイにより構成されている。
制御回路部208は、駆動源230の駆動を制御する走査制御部201と、光源151の発光を制御する点灯制御部202と、イメージセンサ130内の受光素子アレイ120によって原稿Gからの反射光を受光し、光電変換する処理部を制御するセンサ駆動制御部203と、センサ駆動制御部203によって得られる光電変換された画像情報を処理する画像処理部204と、画像処理された画像情報を外部機器などへ出力するインターフェース部205と、画像処理、インターフェース、及び各種制御に必要なプログラムを格納するメモリ部207と、走査制御部201、点灯制御部202、センサ駆動制御部203、画像処理部204、インターフェース部205、及びメモリ207を制御する中央演算処理装置(CPU)206とを有する。
図14に示す画像読取装置では、イメージセンサ130を固定し、原稿G自体を走査させることにより、原稿の画像情報の読み取りを可能としているが、原稿Gを固定し、イメージセンサ30を副走査方向(図示Y方向)に走査させることにより、原稿の画像情報を読み取ることもできる。
次に、本発明による面発光素子を用いた画像書込装置の実施例について説明する。
(画像書込装置)
図15は、本発明による発光素子を用いた、画像書込装置の1つである複写機の概略図である。図14と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して示してあり、同様な説明は省略する。
図15に示す複写機において、光書込みヘッド140は、本発明による発光素子100を複数有する発光素子アレイ141を備える。イメージセンサ130からの画像情報に基づいて、光書込みヘッド140内の発光素子アレイ141が点灯し、感光ドラム302に照射される。円筒形の感光ドラム302の表面には、アモルファスSiなどの光導電性を持つ材料(感光体)が形成されている。この感光ドラムはプリントの速度で回転している。回転している感光ドラムの感光体表面を、帯電器304で一様に帯電させる。そして、光書き込みヘッド140で、印字するドットイメージの光を感光体上に照射し、光の当たったところの帯電を中和する。続いて、現像器306で感光体上の帯電状態にしたがって、トナーを感光体上につける。そして、搬送される用紙312上に、転写器308でトナーを転写する。用紙312は、定着器314にて熱等を加えられ定着され、最終的に原稿Gの画像情報が、用紙312上に複写される。一方、転写の終了した感光ドラム302は、消去ランプ318で帯電が全面にわたって中和され、清掃器320で残ったトナーが除去される。
図15は、複写機として説明したが、その装置の構成は、ファクシミリ又はマルチファンクションプリンタなどの複合機についてもほぼ同様である。
上述した実施例において、代表的な例として本発明を説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換することができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明によれば、発光素子の高品質化及び低コスト化を実現することができ、発光素子を有するイメージセンサを用いた、イメージスキャナ、ファクシミリ、複写機、又は、マルチファンクションプリンタなどの複合機を含む画像読取装置、又は面発光素子を有する光書き込みヘッドを備える画像書込装置において有用である。
発光素子の配線を形成するための、ウェットエッチングによるレジストを剥離するまでの工程を示す図である。 ウェットエッチング後にレジストを剥離して配線を形成した時に生じる配線欠けを示す図である。 金属膜の表面の一部を模式的に示す図である。 PNPN構造の最上層である半導体層の上に蒸着した電極と配線とをコンタクトホールを介して接続した発光素子アレイの断面図の一例を示す図である。 図5Aに示す電極と配線との間で、金属間化合物が形成される様子を示す図である。 本発明による実施例1の発光素子の部分的構造図である。 多段階スパッタによって形成される各金属膜のグレイン構造を模式的に示す図である。 酸化層を有する多段階スパッタによって形成される各金属膜のグレイン構造を模式的に示す図である。 金属間化合物の成長中の様子を示す図である。 酸化膜に到達して、金属間化合物の成長速度が減少したときの様子を示す図である。 本発明による実施例の第2の製造方法による多段階スパッタを実施することによる虫食い状の配線欠けの減少の効果を測定した結果を示す図である。 2段階スパッタによるアルミニウム膜において、膜厚比(=第2層膜厚/第1層膜厚)を様々な値に変えたときの、配線エッジ単位長さあたりの配線欠け個数の変化を示す図である。 本発明による実施例2の発光素子の部分的構造図である。 本発明による実施例3の発光素子の部分的構造図である。 本発明による実施例4の発光素子の部分的構造図である。 本発明による発光素子を用いた、画像読取装置の概略図である。 本発明による発光素子を用いた、画像書込装置の1つである複写機の概略図である。 自己走査型発光素子アレイに用いられる発光素子の配列状態を示す平面図である。 図16に示した発光素子アレイの拡大図である。 図17に示した1つの面発光サイリスタの拡大図である。 メサ型のPNPN構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。
符号の説明
22 電極
23 第1層
24 絶縁膜
25 保護膜
28 第2層
29 酸化層
30 酸化層
39 第3層
40 酸化層

Claims (13)

  1. 同種又は異種の金属膜を複数積層することによって形成された配線構造を備え、
    前記同種又は異種の金属膜が、前記配線構造を構成する最上層の金属膜表面の凹凸を低減するように、薄膜の金属膜で形成されていることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記配線構造を構成する層間のうちの少なくとも1つの層間に、金属酸化膜が、層間全域にわたって形成されていることを特徴とする講求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記配線構造が、2つの同種の金属膜を積層することによって形成され、前記2つの金属膜の下層に対する上層の膜厚比が0.9〜1.1の間にあることを特徴とする講求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. 前記配線構造と異なる金属材料によって形成された電極を更に備え、
    異種金属間化合物が、前記電極とオーミック接触する前記配線構造の金属膜との間で形成されており、
    前記配線構造のうち、前記電極とオーミック接触する金属膜の上部の金属膜が、前記異種金属間化合物とは異なる金属材料として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子を有することを特徴とする発光素子。
  6. 請求項5に記載の発光素子により構成されることを特徴とする発光ダイオード。
  7. 請求項5に記載の発光素子により構成されることを特徴とする発光サイリスタ。
  8. 請求項7に記載の発光サイリスタを複数有し、前記発光サイリスタを直線状に配列することにより構成されていることを特徴とする発光素子アレイ。
  9. 原稿台に載置された原稿に光を照射する光源と、
    前記光源によって照射された前記原稿からの反射光を受光して前記原稿の画像情報を読み取る複数の受光素子と、
    前記原稿からの反射光を前記複数の受光素子に結像する正立等倍レンズとを備え、
    前記光源が、請求項8に記載の発光素子アレイを有することを特徴とする画像読取装置。
  10. 複数の発光素子を有する発光素子アレイと、
    前記発光素子アレイの発光に基づいて画像情報が書き込まれる感光ドラムと、
    前記発光素子アレイの発光を前記感光ドラムに結像する正立等倍レンズとを備え、
    前記発光素子アレイが、請求項8に記載の発光素子アレイを有することを特徴とする画像書込装置。
  11. 半導体素子に配線を形成することにより、前記半導体素子を製造する方法であって、
    (a) 真空排気された環境で、前記半導体素子の上部に配線用の金属膜を成膜するステップと、
    (b) 前記ステップ(a)により成膜した金属膜の上部に金属酸化膜を成膜するステップとを含み、
    前記ステップ(a)と前記ステップ(b)とを複数回繰り返すことを特徴とする方法。
  12. 前記ステップ(b)が、前記金属酸化膜を、大気にさらして表面を自然に酸化することによって形成することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記ステップ(a)が、前記金属膜のターゲットを用いた希ガス導入によるスパッタによって、前記半導体素子の上部に前記金属膜を成膜するステップからなり、
    前記ステップ(b)が、スパッタの放電を停止し、希ガスの導入を継続して行うステップからなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
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